JP3634077B2 - 電池残量計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電池の残量計に関し、特に電気自動車等の電池残量計に関する。
【0002】
【従来の技術】
電池残量計は電池に残っている電気量(以下、電池残量という)を測定するもので、電気自動車ではガソリン車における燃料計のように電気自動車の走行可能距離を知るための重要な装置である。かかる電池残量計の一般的な方式のものは、基準の放電特性をマップとしてメモリに記憶するとともに、電池の端子電圧および放電電流を検出して、これより所定の放電電流下における電圧を推定して、推定した電圧とマップに基づいて電池残量を求めるようになっている。かかる方式の電池残量計として、例えば特開平6−34727号公報には放電電流が所定値以上であり、かつ放電電流が増加しているときの、端子電圧および放電電流と電池の残量間に高い相関があることに着目し、放電電流が所定値以上であり、かつ放電電流が増加しているという電池状態のときにのみ電池の残量を求めることにより、電池残量の測定精度の向上を図った電池残存容量計が開示されている。
【0003】
ところで上記電池残存容量計は鉛蓄電池に適用されているが、近年、電気自動車用の電源として満充電からの放電量が鉛蓄電池よりも大きいNi−MH電池等のNi系電池が採用され始めており、Ni系電池に上記電池残存容量計を適用することが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらNi系電池に特開平6−34727号公報記載の電池残存容量計を用いると測定前の電池の充放電履歴が充電休止、高電流放電、低電流放電、回生充電等、様々に変化することにより電池残量の測定精度が低下するという問題がある。
【0005】
また上記電池残存容量計では、測定可能な電池状態が限定されるため、電池の容量が大きい場合や、高速道路を一定の速度で走行するときには、電池残量を求める機会が無くなるおそれがある。
【0006】
そこで本発明は、Ni系電池に適用しても電池残量の測定精度のよい、しかも測定可能な電池状態が限定されない電池残量計を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明はNi系電池等では数十秒前の充放電状態が現在の電池状態に影響を与え、その影響の程度が直前の充放電状態ほど大きいという発明者らの知見に基づくもので、請求項1記載の発明では、電池残量計は、予め設定した所定時間内の複数の時点に電流検出手段で検出された充放電電流を記憶する第1の記憶手段と、該記憶手段に記憶された充放電電流により上記所定時間内における充放電状態を示す評価値を逐次算出して、評価値の大きさにより現在の電池状態を複数に分類する分類手段とを具備している。かつ該分類手段で分類された電池状態ごとに、上記電流検出手段で検出された充放電電流と上記電圧検出手段で検出された電圧とよりなる検出データを記憶する第2の記憶手段と、同じ放電状態とみなせる放電状態において上記第2の記憶手段で分類して記憶した複数個の充放電電流と電圧とを分類毎に一次関数に回帰せしめる回帰手段と、一次関数より基準の放電電流における基準放電電圧を得る基準放電電圧演算手段と、基準放電電圧と、予め設定した放電電力もしくは放電電流下における、上記電池の基準の放電特性とに基づいて電池残量を算出する残量演算手段とを具備している。
【0008】
これにより過去の充放電状態が反映した評価値により分類された電池状態ごとに上記回帰手段および上記基準放電電圧演算手段により基準放電電圧が求められるから、過去の充放電状態の影響が現在の電池状態に及ぶNi系電池に用いた場合でも得られる基準放電電圧は正確である。この基準放電電圧に基づいて電池残量が算出されるから電池残量の測定精度が向上する。しかも複数の電池状態について基準放電電圧が得られるから測定の機会が限定されることがない。
【0009】
請求項2記載の発明では、電池残量計は、上記分類手段が所定時間内における充放電電流を、その検出時からの経過時間に応じて単調減少する重み係数で重みを付けて平均する重み平均手段を具備することを特徴とする。所定時間の終点の電池状態に与える影響の程度は上記検出時からの経過時間に応じて単調減少するから評価値を充放電電流の重み付き平均値とすることにより、電池状態を正確に判ずることができる。この重み係数は請求項3記載の発明のように所定時間の始点から上記充放電電流の検出時までの時間に比例した重み係数とし得る。
【0010】
請求項4記載の発明では、上記分類手段が所定時間内における充放電電流を平均する平均手段を具備し上記評価値を充放電電流の平均値とすることにより評価値の計算時間を短縮することができる。
【0011】
請求項5記載の発明では、上記残量演算手段が上記電池状態ごとに上記基準の放電特性を設定することにより、電池が偏った放電状態、例えば高電流の放電を続けた場合でも正確に残量が算出される。
【0012】
請求項6記載の発明では、上記残量演算手段が一つの電池状態における基準の放電特性のみを記憶し、かつこの基準の放電特性と他の電池状態における基準の放電特性間の電圧方向のシフト量を設定することを特徴とする。電池状態が異なる基準の放電特性はプロファイルが一様で電圧方向に平行移動すると略一致するから、基準の放電特性を電池状態ごとに記憶する必要がなく、記憶容量が少なくできる。
【0013】
請求項7記載の発明では、上記基準放電電圧演算手段が、満充電からの放電量を充放電電流の積算により演算し、上記回帰手段において充放電電流と電圧の一次関数の演算に使用された検出データの検出時点での放電量の平均値を演算する平均放電量演算手段と、電池状態ごとに演算された平均放電量を比較して一の電池状態と他の電池状態とで平均放電量が略等しいとき、一の電池状態と他の電池状態の基準放電電圧の差を演算する電圧差演算手段とを具備し、上記シフト量を上記基準放電電圧の差とすることにより、電池の放電特性が経時劣化等で変化してもこれに追随して、基準の放電特性間の電圧方向のシフト量を自己学習するから電池残量の測定誤差が抑えられる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の電池残量計の全体ブロック図を示す。電池1は、例えば公称容量100(Ah)(以後の説明では便宜上、適宜記号Qで表すものとする)のNi−MH電池を直列に24個、合計240セル接続したもので、その両端子には、電気自動車のモータを駆動するインバータ等の負荷2が接続してある。電池1に付設される検出器ユニット4は、電流検出手段たる電流検出器5、電圧検出手段たる電圧検出器6、温度検出器7で構成してある。電流検出器5は電池1と負荷2とを接続する給電線の途中に設けてあり、電池1の充放電電流を検出するようになっている。電圧検出器6は電池の両端子間に接続してあり、電池1の端子電圧を検出するようになっている。温度検出器7は熱電対7aが電池1のケースの表面に接着してあり、熱電対7aからの温度の検出信号が入力するようになっている。
【0015】
検出器ユニット4からの充放電電流、端子電圧、電池表面温度の各検出信号を入力としてマイクロコンピュータ3が設けてある。マイクロコンピュータ3はCPU3aとメモリ3bとを具備し、充放電電流等に基づいて電池1の残量を演算するようになっている。メモリ3bには、電池1の基準の放電特性すなわち電池残量と基準の放電電圧が1対1に対応するマップが格納してある。ここでメモリ3bに格納されるマップは、車両に搭載される電池1と同一仕様の電池を使って満充電から完全放電までの間、15モード走行等の市街地走行を模した電力指令による連続充放電試験を実施し、そのときの電池残量と放電電圧より得たものである。またマップは、上記連続充放電試験を試験雰囲気温度を変更して行うことにより異なる電池表面温度についてのものが格納してある。
【0016】
マイクロコンピュータ3で演算された電池1の残量を入力として表示装置8が設けてある。表示装置8はスピードメータ等とともに運転者前方に配置され、マイクロコンピュータ3が演算した電池1の残量を運転者に表示するようになっている。
【0017】
図2、図3、図4はマイクロコンピュータ3の処理フローを示すもので、これにより上記電池残量計の作動を説明する。電池1の満充電が完了し、図略の充電器から満充電完了信号がCPU3aに入力するとCPU3a内部の、タイマーnの値を0、基準放電量Qを2(Ah)に設定し、満充電からの放電量Q、放電量補正値β(Ah)、電圧補正値ΔV(V/cell)等をリセットする。そして車両のイグニションキーがONすると本フローチャートがスタートする。
【0018】
ステップ101ではタイマーnが1増加する。タイマーnは後述する所定の時間たるnend (秒)までの時間をカウントするもので、1カウントが1秒に相当している。
【0019】
ステップ102では0.1秒ごとに電流検出器5、電圧検出器6、温度検出器7がそれぞれ電池1の充放電電流、端子電圧、電池表面温度を検出し、CPU3aに出力する。なお電池1の端子電圧はCPU3aにおいて1セルあたりの値に換算されて演算に用いられる。CPU3aはこれら検出値について1秒間の平均値I(CA)、V(V/cell)、T(°C)を算出する。
【0020】
ステップ103は充放電電流の積算により放電量Qを算出する。すなわち1秒あたりの放電量はI×Q/3600(Ah)で表されるから、これを放電量Qに加算して放電量Qを更新する。ステップ103はまた平均放電量演算手段としての一部の作動でもある。なお平均放電量演算手段としての残りの作動は後述するステップ111(もしくは112),114で実行される。
【0021】
次いで電池1の満充電量に対する残量の百分率を電池残量SOC(%)として、式(1)により算出する。算出された電池残量SOCは表示装置8に出力され、表示装置8が電池残量SOCを表示する(ステップ104)。
SOC=(Q−β−Q)/(Q−β)×100(%)・・・・(1)
【0022】
次いでI(CA)を第1の記憶手段たるメモリ3b内の配列I(n)に格納し一時記憶する(ステップ105)。nをnend と比較し、nがnend に達していなければ図4のステップ132に進む。走行継続であれば(ステップ132)、図2のステップ101に戻る。したがってタイマnがnend に達するまではステップ101〜106が繰り返され、表示装置8に表示される電池残量SOCが1秒ごとに更新される。そしてタイマnがnend に達する(ステップ106)と、メモリ3bには、配列I(n)に装置起動後、最初の所定時間であるnend 秒間のI(CA)が一時記憶される。この後は、図3のステップ107にステップ101〜106が実行された後、1秒ごとに進む。
【0023】
続く図3のステップ107〜110は分類手段としての作動で、そのうちステップ107〜109は重み平均手段としての作動である。まずカウント変数t、評価値Iavをリセットする(ステップ107)。カウント変数tは現時点を終点とする所定時間(nend 秒)の始点からの時間で1カウントが1秒に相当している。次いでカウント変数tを1増加するとともにIavにI(n−t) ×σを加算して評価値Iavを更新する(ステップ108)。σは式(2)により表される重み係数で、I(n−t) の検出時点からの経過時間tに応じて単調減少する。ここでt=nend −tであり、σはnend の始点からの時間tに比例する。
【0024】
【数1】
Figure 0003634077
【0025】
ステップ109ではtをnend と比較し、tがnend に達していなければステップ108に戻りステップ108〜109を繰り返す。しかしてtがnend に達すると、評価値Iavは現時点を遡るnend 秒間における充放電電流I(n−t) を、その検出時からの経過時間で重みを付けて平均した重み付き平均値となる。
【0026】
end は車両に搭載される電池1と同一仕様の電池について予め以下の手順で実験を行い設定する。まず電池を2CAの電流で5分以上放電せしめた後、放電電流を0.2CAに変更する。そして放電電流を変更してから端子電圧がほぼ一定値に収束するまでの時間を測定し、この収束時間を所定時間nend として設定する。図5はかかる実験における充放電電流と端子電圧の経時変化を示すもので、端子電圧は、電流が2CAから0.2CAに変更された後収束するまでに、60秒要している。このようにNi系電池では数十秒前の充放電状態が現在の電池状態に影響を与え、その影響の程度が直前の充放電状態ほど大きいことを発明者らは確認したので、所定時間における充放電電流の重み付き平均値を電池状態を判ずる評価値として用い本発明の完成に到ったのである。
【0027】
ステップ110では評価値Iavにより電池1の状態を判定する。すなわち0.4<Iav<0.6のとき電池状態は普通放電状態と判じ、0.9<Iav<1.1のとき高放電状態と判じる。
【0028】
電池状態が普通放電状態もしくは高放電状態と判じられた場合にはV,Iよりなる検出データを第2の記憶手段たるメモリ3b内の配列に格納し一時記憶する。配列は2種類用意され、電池状態の分類結果により検出データが振り分けられる。すなわち普通放電状態の場合、ステップ111に進み、カウント数slow を1増加させる。そして配列Vlow ( slow ) にVを格納し、配列Ilow ( slow ) にIを格納する。高放電状態の場合、ステップ112に進み、カウント数shiを1増加させる。そして配列Vhi( shi) にVを格納し、配列Ihi (shi) にIを格納する。なおステップ110において電池状態が普通放電状態、高放電状態のいずれとも判じられなかった場合にはV,Iは記憶されない。
【0029】
またステップ111もしくは112では、ステップ103に続く平均放電量演算手段としての後半の作動もしている。すなわち満充電からの放電量Qを、普通放電状態の場合にはQlow−avに加算し(ステップ111)、高放電状態の場合にはQhi−av に加算する。このようにQをQlow−av,Qhi−av に加算するのは後で電池状態ごとに平均化するためである。
【0030】
そしてステップ111もしくは112からステップ113に進む。なおステップ110において電池状態が普通放電状態、高放電状態いずれにも分類されなかった場合もステップ113に進む。ステップ113ではQを基準放電量Qと比較する。QがQを越えていなければ図4のステップ132に進み走行継続であれば再びステップ101(図2)に戻る。したがって放電量QがQを越えるまでは1秒ごとに評価値Iavが求められ、その大きさによって電池状態が分類され、普通放電状態、高放電状態の場合にはその電池状態ごとに検出データが配列Vlow ( slow ) ,Ilow ( slow ) ,Vhi( shi) ,Ihi( shi) に順次格納される。基準放電量Qは2Ahの初期値から後述するステップ130において2Ahずつすなわち公称容量の2%ずつ増加する放電量の標準値である。したがって配列Vlow ( slow ) ,Ilow ( slow ) ,Vhi( shi) ,Ihi( shi) に格納されるデータは、各データに対応する放電量Qのばらつきが2パーセント以内したがって放電量Qが略等しいとみなせる放電状態におけるデータである。
【0031】
がQを越えると(ステップ113)、Qlow−avおよびQhi−av をそれぞれslow およびshiで除し、あらためてQlow−avおよびQhi−av とする(ステップ114)。すなわち電池状態ごとに、配列Vlow ( slow ) ,Ilow ( slow ) ,Vhi( shi) ,Ihi( shi) に格納されたデータの検出時点における放電量の平均値Qlow−avおよびQhi−av が求められる。
【0032】
続く図4のステップ115以降の手順は回帰手段としての作動で、配列Vlow ( slow ) ,Ilow ( slow ) およびVhi( shi) ,Ihi( shi) に格納された検出データV,Iを一次関数に回帰せしめて一次関数を得、基準の放電電流1(CA)における基準放電電圧Vを求めるようになっており、以下に詳説する。
【0033】
まずslow を20と比較し(ステップ115)、slow が20よりも大きければQlow−avをQavとする(ステップ117)。次いでVlow ( slow ) ,Ilow ( slow ) に格納されたV,Iすなわち普通放電状態として分類されたV,Iより最小自乗法を用いて一次関数たる回帰直線V=alow ×I+blow (V:端子電圧、I:充放電電流)の傾きalow 、切片blow を算出する(ステップ118)。次いでこの回帰直線に基づいてI=1(CA)における端子電圧Vを算出し、算出した端子電圧Vを基準放電電圧Vとする(ステップ119)。そしてステップ120に進む。なおステップ115でslow が20よりも小さければ普通放電状態と分類された電池状態のV,Iによる回帰演算は行わない。回帰直線の確度が充分ではないからである。この場合はflagを1にして(ステップ116)、ステップ120に進む。
【0034】
ステップ120ではshiを20と比較し、shiが20よりも大きければVhi( shi) ,Ihi( shi) に格納されたV,Iすなわち高放電状態と分類された電池状態のV,Iにより、ステップ118,119と同様の手順により回帰直線V=ahi×I+bhiの傾きahi、切片bhiを算出し(ステップ122)、この回帰直線に基づいてVc−hi(I=1(CA))を算出する(ステップ123)。なおステップ120でshiが20よりも小さければ上記ステップ116と同様の趣旨により高放電状態と分類された電池状態のV,Iによる回帰演算は行わない。
【0035】
c−hi算出(ステップ123)に続くステップ124〜129は残量演算手段としての作動で、ステップ124ではflagが0かどうかを判定する。flagが1の場合すなわち高放電状態と分類された電池状態のV,Iによる回帰演算のみが行われた場合は、Qhi−av をQavとし(ステップ125)、Vc−hiに電圧補正値ΔVを加算して、これを基準放電電圧Vとする(ステップ126)。放電電流が4CA以下の連続放電では、横軸をSOCとした放電特性が電圧方向に平行移動したプロファイルを示す特徴がある。したがって普通放電状態における放電特性と高放電状態における放電特性間の電圧差ΔVを電圧補正値ΔVとしてVを算出することにより、メモリ3bには一つの電池状態における放電特性のマップを記憶しておくだけで異なる電池状態に対応できる。なお電圧補正値ΔVについては後述するステップ128において算出する。
【0036】
flagが0の場合(ステップ124)すなわち普通放電状態と分類された電池状態のV,Iによる回帰演算および高放電状態として分類されたV,Iによる回帰演算が行われた場合は、ステップ127に進む。ステップ127,128は電圧差演算手段としての作動で、普通放電状態と分類された電池状態における平均放電量Qavと高放電状態と分類された電池状態における平均放電量Qhi−av の差を1Ahと比較する(ステップ127)。QavとQhi−av の差が1Ahよりも小さい場合はQavとQhi−av とが略等しいと判断し、式(3)により基準放電電圧VとVc−hiの差を算出し、その電圧差をシフト量たる電圧補正値ΔVとする(ステップ128)。ここで得られた電圧補正値ΔVは以降の作動フローにおけるステップ126で用いられる。このように電圧補正値ΔVを更新することにより電池1が経時劣化等により放電特性が変化しても、それに基準放電電圧が追随していくから電池残量SOCの精度が高く保たれる。
ΔV=V−Vc−hi・・・・(3)
【0037】
次いでステップ129に進む。なおステップ127でQavとQhi−av の差が1Ahよりも大きい場合はステップ128は実行せずにステップ129に進む。
【0038】
なおステップ120でshiが20に達していなければステップ121に進み、flagが0すなわち普通放電状態と分類された電池状態のV,Iによる回帰演算のみが行われた場合はステップ129に進む。
【0039】
しかして普通放電状態と分類された電池状態のV,Iによる回帰演算と高放電状態と分類された電池状態のV,Iによる回帰演算の少なくとも一方が行われた場合は、ステップ129で放電量補正値βを更新する。更新は現行のβにk×(Vmap −V)を加算した値に更新する。ここでkは定数である。Vmap はメモリ3bに格納された、現在の電池表面温度Tにおけるマップを検索して電池の残存量に対応する基準の放電電圧として読みだされるデータである。なお電池の残存量は現時点での放電量Qより求められる。
【0040】
次いでステップ130に進む。なおステップ121でflagが1の場合、すなわち普通放電状態と分類された電池状態のV,Iによる回帰演算と高放電状態と分類された電池状態のV,Iによる回帰演算のいずれも行われなかった場合もステップ130に進む。
【0041】
ステップ130では基準放電量Qを2(Ah)増加せしめ、flag,配列Vlow ( slow ) ,Ilow ( slow ) ,Vhi( shi) ,Ihi( shi) ,slow ,shi,Qav,Qlow−av,Qhi−av の初期設定を行ってステップ132に進む。走行継続であれば再びステップ101(図2)に戻って以上の手順が繰り返される。このようにNi系電池に適用しても所定時間(nend )内の充放電状態を示す評価値により電池状態が分類されて基準放電電圧が演算されるから精度よく電池残量が測定できる。しかも電池状態ごとに基準放電電圧Vが算出されるから測定の機会が失われることがない。走行終了であれば本作動フローも終了する。なお本作動フローが終了する場合、現行のQ,β,ΔVはメモリ3bに保持される。
【0042】
本発明の電池残量計を従来の、予め記憶した放電特性(理想値)との比較により電池残量を検出する電池残量計と比較するため次の試験を行った。電池を満充電状態とした電気自動車を、端子電圧が放電終止電圧となるまで市街地を走行させ、その間の充放電電流、端子電圧、電池表面温度を検出してそのデータを0.1秒ごとにパーソナルコンピュータに記録した。次いで記録したデータを、実走行の場合と同様に本発明の電池残量計および従来の電池残量計のマイクロコンピュータに入力し、基準放電電流1C放電時の基準放電電圧を得た。
【0043】
図6はその試験結果を示すもので、横軸は試験終了後に電池の放電量から算出した電池残量SOCである。縦軸は所定電流1C放電時の基準放電電圧である。図中、○は本発明の電池残量計の場合を示し、●は従来の電池残量計の場合を示す。なお実線は理想値を示している。図より本発明の電池残量計で得られた基準放電電圧は、電池残量によらず理想値との誤差が従来の電池残量計で得られた基準放電電圧に比して小さく、理想値とよく一致しており、予め記憶した放電特性(理想値)との比較により電池残量を検出する電池残量計において、本発明の電池残量計が極めて精度のよいものであることがわかる。
【0044】
なお上記実施形態では、電池残量SOCを式(1)により算出したが、メモリ3bに格納した基準の放電特性から、走行中に算出された基準放電電圧に対応する電池残量を読み出すようにしてもよい。
【0045】
電圧補正値ΔV、放電量補正値βはCPU3aが満充電完了信号を受け取るとリセットするようにしたが、電池を充電する前、最後に設定された値を保持しておき、これを使用してもよい。
【0046】
ステップ113を設けて2Ah(公称容量の2%)放電ごとに回帰演算を実行したが、放電量の略等しいとみなせる範囲(例えば上記実施形態のごとく公称容量の2%)で、検出データが配列Vlow ( slow ) ,Ilow ( slow ) ,Vhi( shi) ,Ihi( shi) に回帰演算に必要な数(例えば20)が格納され次第、回帰演算を実行するようにしてもよい。
【0047】
基準放電電圧は所定放電電流における端子電圧としたが、所定の放電電力における端子電圧とし得る。また基準放電電圧を電圧補正値により補正することにより異なる電池状態に対応するようにしたが、電池状態ごとの基準の放電特性をメモリに記憶しておいてもよい。電圧補正値ΔVは更新されていくようにしたが要求される精度によっては一定値としてもよい。
【0048】
map を読みだすマップは、現在の電池表面温度Tのマップとしたが、電池表面温度の変動の大きさによっては所定時間内における平均温度のマップとするのがよい。またマップの数を間引きしてメモリに記憶されるデータ量を減らす場合は、相隣れる温度のマップを直線補間して所望の温度のマップとし得る。
【0049】
所定時間nend についても車両の諸元により設定する必要があり、実施形態で説明した試験により個々に設定するのが望ましい。
【0050】
評価値Iavによる電池状態の判定基準は普通放電状態と高放電状態の区別が明確なように車両の諸元により個々に設定する必要がある。なお検出データの回帰演算が多く行われるように普通放電状態および高放電状態と分類される頻度が高いのが望ましい。上記実施形態記載の基準の設定にあたっては、発明者らは実走行を模擬した数種のランダム充放電試験データを用いて分類ができることを確認した。また電池状態は普通放電状態と高放電状態の2種類としたがそれ以上としてもよい。
【0051】
評価値Iavは検出データの検出時からの経過時間に応じて直線的に減少する重み係数で重みを付けて平均したものとしたが、他の単調減少する重み係数で重みを付けて重み付き平均したものとし得る。この場合の重み係数は、例えば図5の電圧が収束するときのごときプロファイルを示す指数関数でもよい。また重み平均手段に代えて所定時間nend 秒内の充放電電流Iを平均し評価値を充放電電流Iの平均値とする平均手段とし得る。この場合、上記実施形態のものに比し精度の点でやや劣るが評価値の計算時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池残量計のブロック図である。
【図2】本発明の電池残量計の作動を説明する第1のフローチャートである。
【図3】本発明の電池残量計の作動を説明する第2のフローチャートである。
【図4】本発明の電池残量計の作動を説明する第3のフローチャートである。
【図5】本発明の電池残量計の作動を説明するグラフである。
【図6】本発明の電池残量計を従来の一つの電池残量計と比較するグラフである。
【符号の説明】
1 電池
3a マイクロコンピュータ(分類手段、重み平均手段、回帰手段、基準放電電圧演算手段、残量演算手段、平均放電量演算手段、電圧差演算手段)
3b メモリ(第1の記憶手段、第2の記憶手段)
5 電流検出器(電流検出手段)
6 電圧検出器(電圧検出手段)

Claims (7)

  1. 電池の充放電電流を検出する電流検出手段と、上記電池の端子間の電圧を検出する電圧検出手段と、予め設定した所定時間内の複数の時点にて上記電流検出手段で検出された充放電電流を記憶する第1の記憶手段と、該記憶手段に記憶された充放電電流により上記所定時間内における充放電状態を示す評価値を逐次算出して評価値の大きさにより現在の電池状態を複数に分類する分類手段と、該分類手段で分類された電池状態ごとに、上記電流検出手段で検出された充放電電流と上記電圧検出手段で検出された電圧とよりなる検出データを記憶する第2の記憶手段と、同じ放電状態とみなせる放電状態において上記第2の記憶手段で分類して記憶した複数個の充放電電流と電圧とを分類毎に一次関数に回帰せしめる回帰手段と、該回帰手段で得た一次関数より基準放電電力もしくは基準放電電流における電圧を演算し、これを基準放電電圧とする基準放電電圧演算手段と、該基準放電電圧演算手段で演算された基準放電電圧と、基準放電電力もしくは基準放電電流下における上記電池の基準の放電特性とに基づいて電池残量を算出する残量演算手段とを具備することを特徴とする電池残量計。
  2. 請求項1記載の電池残量計において、上記分類手段は上記所定時間内における充放電電流を、その検出時からの経過時間に応じて単調減少する重み係数で重みを付けて平均する重み平均手段を具備し、上記評価値を充放電電流の重み付き平均値とした電池残量計。
  3. 請求項2記載の電池残量計において、上記分類手段は上記重み係数を所定時間の始点から上記充放電電流の検出時までの時間に比例する重み係数とした電池残量計。
  4. 請求項1記載の電池残量計において、上記分類手段は上記所定時間内における充放電電流を平均する平均手段を具備し、上記評価値を充放電電流の平均値とした電池残量計。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の電池残量計において、上記残量演算手段は、上記電池状態ごとに上記基準の放電特性が設定された電池残量計。
  6. 請求項5記載の電池残量計において、上記残量演算手段は、電池状態の異なる基準の放電特性のうち、一の電池状態における基準の放電特性を記憶し、かつ該基準の放電特性と他の電池状態における基準の放電特性間の電圧方向のシフト量を設定した電池残量計。
  7. 請求項6記載の電池残量計において、上記残量演算手段は、満充電からの放電量を充放電電流の積算により演算し、上記回帰手段において充放電電流と電圧の一次関数の演算に使用された検出データの検出時点での放電量の平均値を演算する平均放電量演算手段と、電池状態ごとに演算された平均放電量を比較して一の電池状態と他の電池状態とで放電量が略等しいとき、一の電池状態と他の電池状態の基準放電電圧の差を演算する電圧差演算手段とを具備し、上記シフト量を上記電圧差演算手段で演算された基準放電電圧の差とした電池残量計。
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