JP3633904B2 - X線発生方法およびx線発生装置 - Google Patents

X線発生方法およびx線発生装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光をターゲットに照射してX線を発生させるX線発生方法および装置に関し、特に高出力超短光パルスレーザを使用して特定波長のX線を発生させるX線発生方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高強度レーザ光を金属表面に照射すると金属表面に形成されるプラズマから高輝度のX線が発生する。特に超短光パルスレーザ光を用いることにより比較的低いエネルギーで極めて高輝度のX線が得られる。
超短光パルスレーザをターゲットに照射してX線を得るようにしたX線発生装置では、X線出力は、ターゲットの材質や形状、レーザビームの波長、空間強度分布や時間波形など、非常に多くのパラメータに左右される。
【0003】
しかし、従来のX線出力制御は、レーザビームの総合的強度すなわち波長全体にわたる積分値としてのエネルギ強度、あるいはパルスレーザを用いるときはパルス間隔の調整などによる方法が用いられているため、X線出力を精密に制御することは難しかった。
また、従来は、レーザビームの集光系の焦点をずらすなどしてレーザパルスX線のエネルギ強度を調整するようにしているが、レーザ自体の空間強度分布を変化させることができないため、最適な調整をすることができなかった。
【0004】
たとえば、特開平9−184900には、発生したX線の強度を測定してX線露光量が設定値と一致するように最後のパルスレーザショットの強度を調整するようにしたパルスX線照射装置が開示されている。ビーム強度調整は、光路中に設けた透過率可変フィルターや、Qスイッチレーザ装置におけるQスイッチの作動開始信号とレーザ媒質の励起開始信号の時間差を用いるなどの方法によって行っている。この装置によれば、パルスX線源の出力がショット毎に揺らいでも設定X線照射量と積算X線照射量を一致させることができる。
【0005】
また、初めに予備的なレーザパルスをターゲットに照射してプラズマを発生させ、その後に主パルスを照射してプラズマから所定のX線を放出させることにより、効率よくパルスレーザX線を発生させることができることが知られている。
従来、このような目的で使用されるレーザビームの時間波形を得る方法として、パルスモジュレーションなどの励起用フラッシュランプの光量を電気的に制御する方法があった。しかしこの方法では、ms水準のパルス間隔を形成するのが限界で、特にpsからfs水準の超短光パルスレーザの時間波形を制御することはできなかった。
【0006】
超短光レーザパルスを対象とするものとして、特開平8−213192に、レーザビームをビームスプリッタで主パルスと副パルスに2分し、主パルスを遅延回路に通して遅延させ、副パルスを先進パルスとして主パルス(遅延パルス)の前に金属ターゲットに照射して予備プラズマを発生させるようにして、遅延時間制御によりX線量を変調させるようにしたレーザプラズマX線発生装置が開示されている。この開示装置では、入力レーザビームの全体をビームスプリッタで2分し、光路長が異なる別々のレーザビーム伝送路を走行させて一方を他方に対して遅延させることにより2個のピークを持った時間波形を有するレーザビームを形成して、X線の発生量を制御している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、X線の作用を利用するときには、単にその総体的なエネルギを問題にするのではなく、化学物質や生体物質の吸収反応、単波長X線を使用した集積回路の製造など、特定波長におけるX線作用が重大な関心となる場合も多い。
ところが、特定のスペクトル線の強度を制御する簡単な方法はまだ開発されていない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、超短光パルスレーザなど高強度のレーザビームをターゲットに照射してX線を発生させる装置であって、X線の強度、特に必要とする特定波長のX線強度を選択的に制御するようにパルスレーザを調整する機構を備えたX線発生装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、レーザ光をターゲットに照射してX線を発生させるX線発生装置に適用する本発明のX線発生方法は、伝送路中でレーザ光のスペクトルが光軸に垂直な方向に広がりフーリエ面を形成する光束の部分毎に実効的な光路長を変化させて空間位相分布を調整し、その後に再び収束してターゲットに集光させるもので、レーザビームの空間位相分布を調整して集光位置におけるレーザビームのパルス時間波形を所定のパターンにすると共に、発生するX線の強度特性を測定し、X線強度特性の測定結果に基づいてX線強度が適正なものとなるようにレーザビームのパルス時間波形を調整することを特徴とする。
【0009】
本発明のX線発生方法によれば、1個のパルスレーザ中で回折格子やプリズムなどのスペクトル分解光学素子を用いるなどしてスペクトルが光軸に垂直な方向に広がった光束(フーリエ面)を部分毎に光路長が異なるように調整することによりレーザビームの空間位相分布を調整するので、再び収束してターゲット面に照射されるレーザビームは適当な位置にピークを持った時間波形を有するようにすることができる。そこで、発生したX線の特性を測定して、その測定結果をレーザビームの空間強度分布パターンにフィードバックすることにより、X線の発生を制御するので、目的の特性が最適の値を取るようなX線を効率よく発生させることができる。
【0010】
なお、伝送光学系中のレーザビームの波面状態をモニタしてレーザビームの空間強度分布調整状況を確認すると共に、空間強度分布に関係するパラメータを適当に調整してX線を適正化するようにすることが好ましい。ターゲット位置におけるレーザビームの空間強度分布を直接知る方法はないが、伝送ビームの一部をビームスプリッタで分岐してその集光パターン(ファーフィールドパターン)からターゲット位置における空間強度分布を推定したり、調整結果をレーザビームの波面状態から推定することができるからであり、またレーザビームの波面状態を直接的に知ることにより空間強度分布パターンを左右するパラメータを調整したときなどに結果を的確に把握することができるからである。
【0011】
X線の強度特性として波長特性を測定し、目的とする特定波長におけるX線強度の計測値に基づいて、レーザビームの波面状態の調整を行うことができるようにしてもよい。発生させるX線は目的によって決まる所定の波長成分の強度が強くなるようにすることが好ましい。X線の波長特性が測定できれば、目的波長のX線強度を測定して、この強度が大きくなるように空間強度分布を調整するようにすることができる。
【0012】
なお、本発明の方法は、パルス幅がピコ秒からフェムト秒しかない超短光パルスレーザを用いてX線を発生させる場合にも適用することができる。超短光パルスレーザを用いると、短時間ではあるが極めて高い強度のエネルギを与えることができるので、ターゲット物質を効率よくプラズマ化し効率的なX線発生が可能である。また、超短光パルスレーザは幅の広いスペクトル特性を有するので、空間位相分布変化機構は効果的に作用する。
【0013】
ここで、ターゲットに集光した位置におけるレーザビームの時間波形は、いくつかのピークを有するものが好ましく、特に2個のピークがあって、時間的に先行するピークがターゲットを予熱してプラズマを放出させ後続のピークでプラズマを加熱してX線を放出させるようにすると、先行パルスが予めターゲット表面にプラズマを生成することによって、後続の主パルスの吸収率を高め、また所定のX線を発生させる温度状態を維持する時間を長くするので、プラズマエネルギに対応する特性を持ったX線を効率的に発生させることができる。
【0014】
なお、2個のピークの強度比と時間間隔がX線の発生量と大きな相関を有するので、これらをパラメータとしてレーザビームの空間位相分布状態を調整してX線発生量を制御することができる。
このように、発生するX線とレーザビーム特性との相関関係にしたがって、ターゲットから発生するX線の波長特性を測定して空間位相分布変化機構にフィードバックすることにより、所定の波長におけるX線強度を自動的に制御することができる。
【0015】
また、上記課題を解決するため、本発明のX線発生装置は、レーザビーム伝送光学系中にレーザビームのスペクトルを光軸に垂直な方向に展開する機構とレーザビームの空間位相分布調整機構とレーザビームの収束機構を備え、ターゲット部に発生X線の強度を測定するX線測定装置を配設し、このX線測定装置によりX線の強度を測定し、その測定結果に基づいて空間位相分布調整機構によりレーザビームのスペクトル毎の実効的な光路長を調整することにより、ターゲットに集光した位置におけるレーザビームのパルス時間波形が複数のピークを持つ所定のパターンになり、かつX線強度が適正なものとなるように調整することを特徴とする。
【0016】
本発明のX線発生装置は、X線の特性を測定した結果に基づき、推定して求めるターゲット位置における時間波形になるようにレーザビームの波面状態を調整するので、発生するX線の性状を望まれる最適な状態に制御することができる。
さらに、本発明のX線発生装置において、レーザビーム伝送光学系中にレーザビームの時間波形を測定する測定装置を配設し、レーザビームの波面状態をモニタして空間位相分布調整機構のレーザビーム調整方法を適正化することが好ましい。
【0017】
なお、使用するレーザ光は超短光パルスレーザであってもよい。
レーザビームのスペクトルを展開する機構は、超短光パルスレーザのチャープ増幅機構に用いるパルスストレッチャーまたはパルスコンプレッサで構成することができる。
さらに、X線測定装置は、波長特性を測定するもので、測定結果から抽出した特定の波長におけるレーザ強度に基づいて空間位相分布調整機構を調整するように構成することが好ましい。X線の波長特性を測定することにより、X線発生装置に要求される特定波長のX線を選択的に制御することができる。
【0018】
なお、ターゲット位置におけるレーザの時間波形は、たとえば可変形鏡を用いた空間位相分布変化機構で、反射位置の表面に局所的に凹凸を形成して反射するレーザビームの光路長を変化させることにより調整することができる。可変形鏡表面の1mmの凹凸は約3psの時間変化を作り出す光路長変化に対応する。X線強度に対する影響は数fsの時間間隔から観察されているので、可変形鏡を用いることにより十分な作用効果がある。
【0019】
また、液晶や音響光学素子など局所的に屈折率を変化させることができる光透過物質を用いて空間位相変化機構を構成することもできる。
なお、ターゲットに集光した位置におけるレーザビームの時間波形は、特に2個のピークをもつもので、ピーク強度比あるいはピーク間隔を調整することにより、特定波長のX線発生量を制御することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
図1は本実施例のX線発生装置の構成を示すブロック図、図2は本実施例に用いる空間位相分布調整機構の例を示す概念図、図5は集光位置におけるレーザビームの時間波形例を示す図面、図4は本実施例の装置における制御の流れを示したフロー図、図5は本実施例に用いる空間位相分布調整機構の別の例を示す概念図である。
【0021】
本実施例のX線発生装置は、図1に示すように、超短光パルスレーザ発生装置1、空間位相分布調整機構3、反射鏡4、レンズ6、真空容器9内にセットされたターゲット7、X線分光器10、波形計測器12、データ処理装置13、制御装置14を備える。
超短光パルスレーザ発生装置1で発生するレーザビーム2を空間位相分布調整機構3で波面位相分布調整した後に、反射鏡4でレンズ6に投入して真空容器9内にセットされたターゲット7に集光させ、発生したプラズマからX線8を発生させる。
【0022】
真空容器9にはX線分光器10がX線利用に障碍にならないように設けられていて、発生したX線8のX線強度波長分布を測定する。
また、反射鏡4は、レーザビームの一部を透過する性質を有し、透過したレーザ11はレーザビームの時間的な光強度変化を計測する波形計測器12に入射する。
【0023】
空間位相分布調整機構3は、レーザビームを空間に展開して部分的に実効的光路長を変化させ、時間波形を所定のパターンに調整するものである。
図2に示す空間位相分布調整機構3は、1対の回折格子31,32の間に2枚の凸レンズ(コリメーションレンズ)または凹面鏡33,34を配置し、その凸レンズまたは凹面鏡の中間に空間周波数フィルターとなる液晶などの透過型光学素子35を挿入したものである。
入射する超短光パルスレーザを反射鏡36により回折格子31に案内し、回折格子31で変成されたビームを凸レンズ33で平行光束にすると、光軸に垂直な方向に波長にしたがって展開され波長成分が空間的に分布するいわゆるフーリエ面が形成される。
【0024】
このフーリエ面に挿入された透過型光学素子35は、フーリエ面の部分毎に屈折率を変化させて実効的な光路長を変化させることにより、空間位相分布を調整する。たとえば液晶は、印加する電界により結晶状態が連続的に変化するので、区分毎の印加電圧を調整することにより光透過面の部分毎に光屈折率を調整することができる。
空間位相分布調整機構3は、制御装置14から与えられる制御信号に従って、たとえば、長波長側の屈折率を小さく短波長側の屈折率を大きくして、部分毎の通過時間に差を与えると、レーザビームが時間的に2分され、一部のエネルギが先行し一部のエネルギが遅延するようになる。
【0025】
この光束は凸レンズで回折格子面に収束させ、再び細いレーザビームに合成されて反射鏡で入射ビームと同じ光軸上に射出され、収束レンズ6によりターゲット7に集光させる。
集光位置におけるレーザビームの時間波形は、図3に示すように、光強度値Psの先行パルスと先行パルスに対して時間bだけ遅延した光強度値Pmの主パルスとからなる。
【0026】
先行パルスはターゲット7の表面にプラズマを発生させ、主パルスのエネルギの吸収効率を向上させる。また、1ショット分の超短光パルスレーザのエネルギが変わらないときに、先行パルスと主パルスに配分するエネルギを調整することにより、適正なプラズマ温度を保持する時間をより長くすることができる。また、両パルスの時間間隔bはX線の発生量に影響を与える。
したがって、X線分光器10により発生したX線の波長特性を計測し、データ処理装置13で必要とする波長のX線の強度を算定した結果に基づいて、制御装置14で先行パルスの光強度値Psと主パルスの光強度値Pmの比率やパルスの時間間隔bを調整することにより、X線の波長成分や強度を自動的に制御することができる。
【0027】
本実施例のX線発生装置における制御手順を図4に概略的に示す。
X線分光器10が、発生したX線8のX線強度波長分布を測定し、測定結果はデータ処理装置13に送信される(S1)。データ処理装置13は、X線強度分布の測定結果に基づいて所定の波長における強度など目的に対応したX線スペクトルの評価をする(S2)。さらに、評価結果に基づいて制御パラメータの変動させるべき量を算定して、制御装置14に指示信号を供給し(S3)、制御装置14が空間位相分布調整機構3における液晶などの透過型光学素子35を作動させてフーリエ面の部分毎に光路長を変化させレーザビーム波の位相を調整することにより(S4)、レーザビームが集光するターゲット7表面における時間波形を調整し、ターゲット7の表面に発生するプラズマから放出されるX線の波長分布が望ましいパターンになるようにする。
【0028】
また、波形計測器12は、光学素子35でレーザビームの時間波形を調整した結果を測定し、計測結果をデータ処理装置13に与える(S5)。
データ処理装置13は、X線スペクトルの測定結果とレーザビームの時間波形計測結果を突き合わせることにより、必要なX線特性を得るために適当なレーザビームの時間波形を判定し、上記手順S3における制御装置14に対する指示信号を生成する(S6)。
【0029】
本実施例のレーザプラズマX線発生装置は、フーリエ面に周波数展開したレーザビームの部分毎に実効的な光路長を変化させて、再収束したときにレーザビームの時間波形が先行パルスと主パルスを有するように調整して、ターゲットに予めプラズマを発生させて効率よくX線を発生させることができる。しかも、X線特性と発生量を支配する先行パルスと主パルスの光強度比と時間間隔を容易に調整することができるので、X線分光器による測定結果をフィードバックして自動的にX線出力制御を行うことができる。
【0030】
したがって、たとえばX線を利用するために必要なある特定の波長におけるX線強度を検出して、これが最大になるように調整することができる。
なお、空間位相分布調整機構3で調整した状態は波形計測器12により確認することができる。レーザビームの時間波形の測定結果はX線強度との関連性を解析して、パルス時間間隔やパルス強度比を最適にするために利用する。
さらに、たとえばパルス時間間隔をパラメータとして順次走査する制御系を用いて、最適なパルス強度比を自動的に探索することも可能である。
【0031】
なお、本実施例のX線発生装置は、ターゲットの材質や形状あるいは表面加工状態が異なっても、同様の手順でレーザ集光ビームの空間強度分布を最適化して目的のX線の強度調整を行うことができる。
また、本実施例では超短光パルスレーザを使用したが、他のレーザ光を利用する場合においても全く同じ機構を適用することができることはいうまでもない。
さらに、本実施例の説明では、レーザビームを回折格子でフーリエ面に拡げて空間位相分布の調整を行ったが、単に光束を拡幅したものに対して空間位相分布調整を行ってもよい。
【0032】
図5は、本実施例において、透過型光学素子に代えて可変形鏡からなる反射光学系を利用した空間位相分布調整機構3の例を説明するブロック図である。
可変形鏡は、たとえば薄い石英板の表面に反射コーティングを施した反射鏡板の裏に積層ピエゾ素子をアレイ状にならべて、各ピエゾ素子に加える電圧を調整し電歪効果を用いて鏡面を任意に変形させるようにしたものである。なお、これ以外にもバイモルフ型やメンブレン型などの可変形鏡がある。
反射面の凹凸を調整することにより実効的な光路長を変化させてターゲットに到達する時間を調整することができる。
反射光学系を使用すると、よりエネルギの強いレーザ光を扱うことができる。
【0033】
可変形鏡を用いた空間位相分布調整機構3は、図に示すように、超短光パルスレーザは反射鏡46により回折格子41に導入され凸レンズ43で光軸に垂直な方向に周波数分解された平行光束となって可変形鏡45に入射する。
可変形鏡45の表面形状は制御装置14により部分毎に任意に調整をして、たとえば図中の左側部分を突出させ右側部分を後退させた段付き形状などに形成される。可変形鏡表面の1mmの凹凸は約6psの時間変化を作り出す光路長変化に相当する。
可変形鏡45で反射した平行光束は、凸レンズ44で回折格子面42に収束され、反射鏡47により元の光軸を持ったレーザビームとしてターゲット表面にレーザを集光する収束レンズの方向に放出される。
【0034】
突出させた表面で反射する光線と後退した表面で反射する光線とでは光路長が異なるので、反射鏡47から放出されターゲットに照射されるレーザビームは2個のピークを持った時間波形を有することになる。
X線強度に対する影響は数fsの時間間隔から観察されているので、可変形鏡を用いることにより十分な作用効果がある。
なお、可変形鏡の表面形状は任意に選択できるので、レーザビームの時間波形にピーク毎の強度やピーク間の時間間隔を調整したり、複数のピークを持たせたりすることができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明のX線発生装置またはX線発生方法を用いれば、レーザによりプラズマを発生してX線を放出させる場合に、X線の強度調整をすることができ、特に特定波長のX線の強度を選択的に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるX線発生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施例に用いる空間位相分布調整機構の例を示す概念図である。
【図3】本実施例の装置における集光位置におけるレーザビームの時間波形例を示す図面である。
【図4】本実施例の装置における制御の流れを示したフロー図である。
【図5】本実施例に用いる空間位相分布調整機構の別の例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 超短光パルスレーザ発生装置
2,5,11 レーザビーム
3 空間位相分布調整機構
4 反射鏡
6 凸レンズまたは凹面鏡
7 ターゲット
8 X線
9 真空容器
10 X線分光器
12 波形計測器
13 データ処理装置
14 制御装置
31,32 回折格子
33,34 凸レンズまたは凹面鏡
35 空間周波数フィルターである透過型光学素子
36,37 反射鏡
41,42 回折格子
43,44 凸レンズまたは凹面鏡
45 可変形鏡
46,47 反射鏡

Claims (17)

  1. レーザビームをターゲットに集光照射してX線を発生させるX線発生装置において、スペクトルがレーザビームの伝送路中で光軸に垂直な方向に広がりフーリエ面を形成する光束の部分毎に実効的な光路長を変化させて空間位相分布を調整して前記ターゲットに集光した位置における該レーザビームのパルス時間波形を所定のパターンに整形し、前記調整後のレーザビームを収束してターゲットに集光する方法であって、発生するX線の強度特性を測定し、該測定結果に基づいてX線強度が適正なものとなるように該レーザビームのパルス時間波形を調整することを特徴とするX線発生方法。
  2. さらに前記空間位相調整後のレーザビームの波面状態をモニタして前記レーザビームの時間波形調整状況を確認できるようにすることを特徴とする請求項1記載のX線発生方法。
  3. 前記フーリエ面を形成する光束は、スペクトル分解光学素子により形成されることを特徴とする請求項1または2記載のX線発生方法。
  4. 前記測定するX線の強度特性は波長特性を含み、特定の波長におけるX線強度の計測値に基づいて、前記パルス時間波形の調整を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のX線発生方法。
  5. 前記レーザ光に超短光パルスレーザを使用することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のX線発生方法。
  6. 前記ターゲットに集光した位置におけるレーザビームのパルス時間波形パターンが複数のピークを持つものであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のX線発生方法。
  7. 前記パルス時間波形が2個のピークを持ち、先行するパルスと後続のパルスの強度比と時間間隔をパラメータとしてレーザビームの空間位相分布を調整することを特徴とする請求項6記載のX線発生方法。
  8. レーザビームをターゲットに照射してX線を発生させるX線発生装置において、レーザビーム伝送光学系中でレーザビームのスペクトルを光軸に垂直な方向に分解する機構とレーザビームの空間位相分布調整機構とレーザビームの収束機構を備え、ターゲット部に発生X線の強度を測定するX線測定装置を配設し、該X線測定装置によりX線の強度を測定し、該測定結果に基づいて前記空間位相分布調整機構により前記光束の部分毎に実効的な光路長を調整して、前記ターゲットに集光した位置におけるレーザビームのパルス時間波形が複数のピークを持つ所定のパターンになり、かつX線強度が適正なものとなるように調整することを特徴とするX線発生装置。
  9. さらに、前記空間位相分布調整機構を通過した位置にレーザビームのパルス波形を測定する測定装置を配設し、該レーザビームのパルス時間波形をモニタして前記空間位相分布調整機構の調整状態を適正化することを特徴とする請求項8記載のX線発生装置。
  10. 前記レーザビームのスペクトルを分解する機構は、スペクトル分解光学素子によりレーザビーム伝送光学系中にレーザビームのスペクトルを分解して空間に展開することを特徴とする請求項8または9記載のX線発生装置。
  11. 前記スペクトル分解光学素子は、回折格子またはプリズムであることを特徴とする請求項10記載のX線発生装置。
  12. 前記レーザビームのスペクトルを展開する機構が、超短光パルスレーザのチャープ増幅機構に用いるパルスストレッチャーまたはパルスコンプレッサで構成されることを特徴とする請求項10または11記載のX線発生装置。
  13. 前記レーザ光が超短光パルスレーザであることを特徴とする請求項8から12のいずれかに記載のX線発生装置。
  14. 前記X線測定装置は、波長特性を測定することができるもので、特定の波長におけるレーザ強度に基づいて前記空間位相分布調整機構を調整することを特徴とする請求項8から13のいずれかに記載のX線発生装置。
  15. 前記空間位相分布調整機構は、可変形鏡を備えてレーザビーム入射位置毎に反射面の凹凸を局所的に調整してレーザビームの実効的な光路長を制御することを特徴とする請求項8から14のいずれかに記載のX線発生装置。
  16. 前記空間位相分布調整機構は、局所的に屈折率を調整することができる透過型光学素子を用いてレーザビームの実効的な光路長を制御することを特徴とする請求項8から14のいずれかに記載のX線発生装置。
  17. 前記パルス時間波形が2個のピークを持ち、先行するパルスと後続のパルスの強度比と時間間隔をパラメータとしてレーザビームの空間位相分布を調整することを特徴とする請求項8から16のいずれかに記載のX線発生装置。
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