JP3632847B2 - オーディオ・ビジュアル機器の表示制御回路およびオーディオ・ビジュアル機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オーディオ・ビジュアル機器の表示制御回路に係り、特に、文字・画像の少なくとも一つ以上からなるデジタル面またはテレビジョン映像を表示する表示部を備えたオーディオ・ビジュアル機器におけるビデオメモリ内の表示データを表示部へ表示させる表示制御回路およびオーディオ・ビジュアル機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばテレビジョン(テレビ)受信機能とFMラジオ受信機能とを併せ持ったオーディオ・ビジュアル(AV)機器は、所定の大きさの筐体に、スピーカ、表示部、電源スイッチ、チャネル・選局や音量調整のための操作部、及び外部の機器と接続するためのジャック端子等が配置されているものが一般的である。
【0003】
このようなAV機器において、前記操作部からの操作指令は中央演算処理装置(CPU)に一旦取り込まれ、当該操作指令に基づく前記CPUからの指令により、テレビ受信機能あるいはFMラジオ機能の選択、チャネル・選局、あるいは、音量等調整の処理を行っている。
【0004】
このように操作部から前記CPUに入力があったときに、前記CPUは、前記入力された内容を表示部に表示している。この表示部への表示制御は、具体的には、表示制御回路によって行われている。
【0005】
図5は、従来のオーディオ・ビジュアル機器における表示系統を示すブロック図である。この図5において、従来のオーディオ・ビジュアル機器の表示制御回路における表示系統110は、各種制御を実行する処理装置112と、表示データを格納しあるいは表示データ作成時の作業領域を提供するビデオメモリ(VRAM)114と、所定の画素数のカラー液晶パネル(LCD)などから形成した表示部116と、前記処理装置112からの表示データをビデオメモリ114に書込制御をするとともに、ビデオメモリ114から表示データを読み出して表示部116に与える表示制御回路118とから構成されている。
【0006】
表示部116には、文字・画像の少なくとも一つ以上からなるデジタル面、またはテレビジョン映像を切り換えて表示できる。さらに、表示部116には、一般にオンスクリーンディスプレイ手法による表示もできるようになっている。また、処理装置112は、例えばオーディオ・ビジュアル機器の図示しない操作部が操作されると、表示データを作成して表示制御回路118に与える。すると、前記表示制御回路118は、処理装置112が作成した文字データなどの表示データをビデオメモリ114に書き込む。
【0007】
そして、前記表示制御回路118は、ビデオメモリ114に書き込まれた表示データを読み出し、図示しない表示メモリに書き込む。表示制御回路118は、図示しない表示メモリから表示データを読み出して表示部116に与えることにより、表示部116に画像が形成されて表示される。このように前記表示制御回路118は、ビデオメモリ114内に書き込まれた表示データを表示部116へ表示させる制御をしている。
【0008】
このようなオーディオ・ビジュアル機器の表示制御回路118において、画像データと文字データとを重ね合わせて表示する場合、大別すると、次の3つの手法をとっていた。
(i)画像表示メモリと文字表示メモリとをそれぞれ2ラインづつ設け、画像データについてはビデオメモリ114から画像データを読み出しては1水平期間(1ライン)毎に画像表示メモリを交互に切り換えて書き込み、同様に、文字データについてもビデオメモリ114から文字データを読み出しては1水平期間(1ライン)毎に文字表示メモリを交互に切り換えて書き込み、それら書き込みに使用されていない画像表示メモリ及び文字画像メモリから表示データを読み出し、所定の重ね合わせ処理を施して表示部116に与える手法(第1の従来技術)。
(ii)2本の表示メモリを設け、ビデオメモリ114から画像データ及び文字データを読み出し、1水平期間(1ライン)毎に交互に表示メモリ上で画像データと文字データとを重ね合わせて処理する手法(第2の従来技術)。
(iii)表示モメリを持たないで、ビデオメモリ114上で重ね合わせの処理を行なう手法(第3の従来技術)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記した(i)の第1の従来技術によれば、画像表示メモリを2ライン分、文字表示メモリを2ライン分必要であり、部品点数が多く回路構成が煩雑になるという欠点があった。
【0010】
また、(ii)の第2の従来技術によれば、部品点数は少なくなるものの、ビデオメモリ114へのアクセスが遅くなり、転送が間に合わなくなるという欠点があった。この欠点が出現する理由を、図6を参照して説明する。図6(1)はパレットデータのまま表示メモリに書き込む場合の従来技術の説明図であり、(2)は画像データと文字データとを重ね合わせる場合にパレット参照を加えた場合の従来技術の説明図である。
【0011】
図6において、ビデオメモリ(VRAM)114に書き込まれているパレットデータは、1画素当たり2ビットが割り当てられていて、1ワードには4画素が割り当てられており、かつ、1ワードは8ビットで構成されているものとする。また、画像データ(カラーも含む)を表示メモリに書き込むときには、1画素が16ビットで構成されていることになるので、2ワード分の構成となるものとする。
【0012】
ここで、ビデオメモリ114から1ワード読み出すと、パレットデータは4画素×2ビット=8ビットになり、表示メモリには1ワードのまま書き込むことができる。したがって、表示制御回路118は、同図(1)に示したように、上記のビデオメモリ114から表示メモリへの書き込みを連続実行することが可能である。
【0013】
ところが、表示メモリ上で画像データと文字データとを重ね合わせる場合には、16ビットの画像データをビデオメモリ114から読み出し、かつ、ビデオメモリ114から1ワード(4画素)分の表示データを読み込む(図6(2)ステップ210)。
【0014】
ついで、表示データについて表示メモリに書き込む前にパレットを参照する必要があるため文字のパレットを参照し(ステップ212)、画像データ長に合わせると、4画素×16ビット=64ビットとなる。このため、1ワードが8ビットであるので、表示メモリには8ワードのデータが書き込まれることになる(ステップ214)。したがって、図6(2)の場合、同図(1)に比較してビデオメモリ(VRAM)114へのアクセスが、非常に遅くなってしまう(描画との競合処理が複雑になる)という欠点があった。
【0015】
そして、上記(iii)の第3の従来技術では、表示期間中に頻繁にビデオメモリ114へのアクセスを行なうため、描画系のアクセスが間欠的になり、待ち時間が結果的に増加し、描画が遅くなるいう欠点があった。
【0016】
本発明は、上述した欠点を解消するためになされたものであって、多彩な画像表示との競合制御を簡潔にするオーディオ・ビジュアル機器の表示制御回路を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係るオーディオ・ビジュアル機器の表示制御回路は、文字・画像の少なくとも一つ以上からなるデジタル面またはテレビジョン映像を表示する表示部を備えたオーディオ・ビジュアル機器におけるビデオメモリ内の表示データを表示部へ表示させる表示制御回路であって、
文字データを前記表示部の少なくとも水平方向1ライン分記憶できる文字表示メモリと、
画像データを前記表示部の少なくとも水平方向1ライン分記憶できる第1の画像表示メモリ及び第2の画像表示メモリと、
1水平期間における帰線期間内の文字書込期間にビデオメモリから文字データを読み出し、その読み出したデータのままで前記文字表示メモリに書き込み、前記文字書込期間以外の期間にビデオメモリから画像データを読み出し、1ライン毎に第1の画像表示メモリまたは第2の画像表示メモリに交互に書き込むビデオメモリ制御手段と、
前記1水平期間内における表示期間に前記文字表示メモリから文字データを読み出すとともに第1の画像表示メモリまたは第2の画像表示メモリから1ライン毎に交互に画像データを読み出し、文字データについてパレット参照し、当該参照結果に応じて文字データまたは画像データを表示させる表示出力手段とを少なくとも備えたことを特徴とする。
【0018】
このように形成した本発明においては、ビデオメモリ制御手段により文字データについては帰線期間内における文字書込期間にビデオメモリから文字表示メモリに書き込み、前記文字書込期間以外で表示に使用されていない画像表示メモリに画像データを書き込み、また、表示出力手段により、前記1水平期間内における表示期間に、前記文字表示メモリから文字データを読み出すとともに第1の画像表示メモリまたは第2の画像表示メモリから1ライン毎に交互に画像データを読み出し、文字データについてパレット参照し、当該参照結果に応じて文字データまたは画像データを表示させている。
【0019】
ここで、前記ビデオメモリ制御手段は、0ライン目の帰線期間内における文字書込期間以外の期間に、ビデオメモリから画像データを読み出して第1の画像表示メモリに書き込み、1ライン目以降の帰線期間内における文字書込期間以外の期間に、ビデオメモリから当該ラインの次のラインの画像データを読み出して前記第2の画像表示メモリまたは前記第1の画像表示メモリに1ライン毎に交互に書き込むことにより、確実に画像データの表示を可能にしている。
【0020】
前記表示出力手段は、前記1水平期間内における表示期間に前記文字表示メモリから文字データを読み出すとともに、前記文字データに対応したラインの画像データを、第1の画像表示メモリまたは第2の画像表示メモリから水平走査1ライン毎に交互に読み出し、文字データについてはパレット参照して文字データに色付けし、文字データが透明色に色付けされたときは画像データを、文字データが透明色以外の色に色付けされたときは文字データを選択して表示させることにより、文字データと画像データとが重なり合った画像を得ることができる。
そして、本発明に係るオーディオ・ビジュアル機器は、上述の表示制御回路を備えていることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明に係るオーディオ・ビジュアル機器の表示制御回路およびオーディオ・ビジュアル機器の好ましい実施の形態を、添付図面に従って詳細に説明する。
図2は本発明の実施形態に係るオーディオ・ビジュアル機器(AV機器)10の斜視図である。このAV機器10の本体12は図3の回路を内蔵しており搭載した電池によって駆動可能な携帯用であって、テレビ受信機能、FM放送受信機能、蓄積した音楽データの再生機能、さらにはデジタルカメラ等で撮影した画像データを再生する画像再生機能を有している。
【0022】
本体12の正面側の右側部には、メインスイッチ20、メニュースイッチ24及びジョグスイッチからなる選択スイッチ22がそれぞれ取り付けられており、このメインスイッチ20をオンにすると、機器制御部(CPU)44は表示制御部52を介してビデオメモリ(VRAM)54にメニュー画面を作成し、液晶コントローラ36を介して表示部14に送り出されて、メニュー画面が表示される。メニュー(動作モード)として、例えば、テレビ受信モード(TVモード)、FMラジオ受信モード(FMモード)、蓄積した音楽データ(音響データ)を再生するオーディオモード、デジタルカメラ等により撮影した画像データなどを表示させる画像モード等があり、選択スイッチ22を上または下に動かすことによりモードが選択される。また、選択されたモードからメニュー画面に移行する場合はメニュースイッチ24を押すことにより移行する。
【0023】
なお、本体12の上部端面には図示しない音量ボタンが取り付けられている。また、本体12には音響出力部となるイヤホンジャックが設けてあり、このイヤホンジャックを介してヘッドホンやイヤホンによって音楽データ(音響データ)が出力されるようになっている。さらに、本体12の左側部には、外部記憶装置となるメモリカードを装着する挿入口が設けられており、蓄積した音楽データや、デジタルカメラ等により撮影された画像データ等を記録したメモリカードを装着することにより、メモリカードI/F46を介して音楽の再生や画像の再生が出来るようになっている。
【0024】
そして、その正面にはカバー16が開閉自在に取り付けられており、このカバー16を開くと、カラー液晶パネル(LCD)等で構成された表示部14が現れる。
また、蓋16の基部には、蓋16の開閉に連動してパルス状の信号を出力する表示スイッチ18が設けてあり、蓋16が開いた状態にある時は表示部14がオンされて画像情報が表示され、蓋16を閉じて表示部を遮蔽すると表示部14がオフされて画像情報が消えるようになっており、消費電力の節約が図られるようになっている。
【0025】
図3は本発明のAV機器10の構成を示したブロック図である。このAV機器10は、アンテナ26、TVチューナ28、IF・クロマ処理部32、音声検波部38、表示切替え部34、液晶コントローラ36、表示部14、FMチューナ30、音声増幅部40、音声発生部42、機器制御部(CPU)44、メモリカードI/F46、音声・画像再生部50、表示制御部52、ビデオメモリ(VRAM)54を備えている。
【0026】
アンテナ26により受信された電波は、TVチューナ28によりチューニングされ、IF・クロマ処理部32によりテレビの画像信号(映像信号)が復調され、また、音声信号は音声検波部38により検波される。IF・クロマ処理部32により復調された画像信号(映像信号)は、表示切替え部34を介して液晶コントローラ36に送り出されて表示部14にテレビ画像が表示される。
【0027】
また、音声検波部38により検波された音声信号、FMチューナ30によりチューニングされた音声信号、および音声・画像再生部50により再生された音声信号は、音声増幅部40に入力されて増幅され、音声発生部42により音声が得られる。なお、音声増幅部40は、機器制御部(CPU)44からの制御信号により、入力された音声信号の何れか1つを選択してその音声信号を増幅する。例えば、動作モードがTVモードに設定されている場合には音声検波部38により検波された音声信号が選択され、動作モードがFMモードに設定されている場合にはFMチューナ30によりチューニングされた音声信号が選択され、動作モードがオーディオモードまたは画像モードに設定されている場合には音声・画像再生部50により再生された音声信号が選択される。
【0028】
次に、動作モードとしてTVモードが設定された場合の動作について説明する。アンテナ26により受信された電波は、TVチューナ28で所定のチャネルにチューニングされる。IF・クロマ処理部32はそのチューニングされた信号から画像信号(映像信号)を得て、その画像信号(映像信号)の輝度信号及び色信号を3原色(R、G、B)の画像信号に復調して、表示切替え部34に送出する。動作モードがTVモードに設定されているときには、表示切替え部34はIF・クロマ処理部32からの画像信号を液晶コントローラ36に出力する。液晶コントローラ36はその画像信号に基づいて表示部14にテレビ画像を表示させる。また、音声検波部38は、TVチューナ28で所定のチャネルにチューニングされた信号から音声信号を検波して音声増幅部40に出力する。音声増幅部40はその音声信号を増幅して音声発生部42に出力し、音声発生部42から上記の表示部14のテレビ画像に対応した音声が出力される。
【0029】
また、動作モードがFMモードに設定された場合については、アンテナ26により受信された電波は、FMチューナ30で所定の周波数にチューニングされ、その音声信号は音声増幅部40に出力される。音声増幅部40はその音声信号を増幅して音声発生部42に出力し、チューニングされた局の放送の音声が出力される。
【0030】
また、動作モードが画像モードに設定されている場合については、デジタルカメラ等で撮影した画像をメモリカードに格納しておいて、メモリカードをメモリカード挿入口に挿入して装着する。機器制御部(CPU)44はメモリカードI/F46を介してメモリカードに格納されている音声データ(メモリカードに音声データも格納されている場合)および画像データを取り込んで、音声・画像再生部50に出力する。音声・画像再生部50は音声データおよび画像データをそれぞれ再生し、音声信号を音声増幅部40に出力し、画像データを表示制御部52に出力する。音声増幅部40は入力された音声信号を増幅して音声発生部42に出力し、音声発生部42からメモリカードに格納されている音声が出力される。また、表示制御部52は画像データをビデオメモリ54に格納して表示画像を展開した後に表示切替え部34に出力する。動作モードが画像モードに設定されている場合には、表示切替え部34は表示制御部52からの画像信号を液晶コントローラ36に出力する。液晶コントローラ36はその画像信号に基づいて表示部14にデジタルカメラの画像を表示させる。
【0031】
図1は、表示系統90の構成を示したブロック図であり、表示制御部52は、図1に示したように、表示系統90の一部を構成している。表示系統90は、各種制御を実行する処理装置である機器制御部44と、表示データを格納しあるいは表示データ作成時の作業領域を提供するビデオメモリ(VRAM)54と表示画面データを画像にするカラー液晶パネル(LCD)からなる表示部14と、前記機器制御部44による書込・読出が可能とされ、かつ前記ビデオメモリ54から表示データを読み出して表示部14に与える表示制御部52と、メモリカードに記録されたデータを再生する音声・画像再生部50、並びに表示制御部52と表示部14との間に介在させた表示切替え部34(図3参照)、液晶コントローラ36(図3参照)から構成されている。
【0032】
また、上述した表示制御部52は、バッファ92と、ビデオメモリ制御部94と、文字表示メモリ96mと、画像表示メモリ96a、96bと、表示出力手段98とから構成されている。なお、この表示出力手段98は、文字表示メモリ96mからデータを読み出してパレット変換するパレット変換手段98aとパレット変換手段98aからの表示データと画像表示メモリ96aあるいは画像表示メモリ96bからの表示データとを合成し表示部14に与える合成手段98bと図示しないOSD(オンスクリーンディスプレイ)回路とから構成されている。
【0033】
このような構成要素からなる本発明の実施形態において、表示部14に、文字・画像の少なくとも1つ以上からなるデジタル面か、テレビジョン映像か、あるいは、オンスクリーンディスプレイ手法による表示かを表示させることができる。この場合、デジタル面とテレビジョン映像とは、表示切替え部34の切替えにより行われる。
【0034】
さらに、各構成要素の詳細を説明すると、機器制御部44は、CPU(中央演算処理装置)で構成されており、図示しない主メモリに格納されたプログラムを処理することにより、AV機器10の操作部からの操作指令に基づいてAV機器10の各種機能、制御を実行する。
【0035】
前記ビデオメモリ(VRAM)54は、所定の記憶容量を有するランダムアクセスメモリである。そして、表示部14は、所定の画面寸法で、例えば93.3画素×220画素の画素数(横280ドット×縦220ドット)をもったカラー液晶ディスプレイから構成されている。
【0036】
次に、表示制御部52を構成する要素の詳細を説明すると、前記バッファ92は文字で1行分の記憶容量を有しており、例えば横16ドット×縦16ドット×17.5文字分に、カラー表示用に1ドット当たりのデータは2ビットで構成されているので、合計1120バイトの記憶容量に設定している。このバッファ92は機器制御部44により書き込みあるいは読み出しができるようになっている。また、上記バッファ92は、ビデオメモリ制御手段94により書き込みあるいは読み出しができるようになっている。
【0037】
ここで、ビデオメモリ内のデータ構成について述べる。文字データについては2ビット/ドット(即ち1ドットについて4色の表現ができる)、画像データについては16ビット/画素(RGBの各ドットに分解するとRとBとは5ビット、Gは6ビットとなり1画素について6万5千色の表示ができる)から構成されている。そして、表示部14に送出するデータはすべて16ビット/ドット(RGBの各ドットで実際に有効なデータは、RとBとは5ビット、Gは6ビット)のデータとなっている。この際、文字についてはカラーパレットによってデータが2ビット/ドットから16ビット/ドットに変換され、画像については16ビット/画素が各ドットに拡張されて16ビット/ドットに変換される。
【0038】
文字表示メモリ96mは、2ビット/ドットで構成されたデータを、前記表示部14の少なくとも水平方向1ライン分の記憶容量を備えたラインメモリである。
第1の画像表示メモリ96aと第2の画像表示メモリ96bは、16ビット/画素で構成された、前記表示部14の少なくとも水平方向1ライン分記憶できる容量を備えたラインメモリである。
【0039】
これら第1の画像表示メモリ96aと第2の画像表示メモリ96bとは、第1の画像表示メモリ96aが書き込まれているときに第2の画像表示メモリ96bから表示データが読み出され、あるいは、第2の画像表示メモリ96bが書き込まれているときに第1の画像表示メモリ96aから表示データが読み出される、というように使用される。
【0040】
前記ビデオメモリ制御手段94は、バッファ92に書き込まれたデジタル面データをビデオメモリ54に書き込むことができるようになっている。このビデオメモリ制御手段94は、1水平期間における帰線期間内の文字書込期間にビデオメモリ54から文字データを読み出し、その読み出したデータ、即ち2ビット/ドットのデータのままで前記文字表示メモリ96mに書き込む処理を行なう。また、ビデオメモリ制御手段94は、文字書込期間以外の期間にビデオメモリ54から画像データを読み出し、1ライン毎に交互に第1の画像表示メモリ96aまたは画像表示メモリ96bに書き込む処理を行なう。
【0041】
表示出力手段98は、前記1水平期間内における表示期間に、文字表示メモリ96mから文字データを読み出し、パレット変換手段98aで文字データについてパレット参照する。パレット変換手段98aは、実施形態の場合、文字データのドットについての2ビットが「00」である場合、文字データに透明色の色付けをしたデータを出力し、文字データのドットについての2ビットが「00」以外の場合、透明色以外の予め定めた色に色付けしたデータを出力する。さらに、表示出力手段98は、第1の画像表示メモリ96a、または、第2の画像表示メモリ96bから1ライン毎に交互に画像データを読み出し、パレット参照して色付けされた文字データと画像データとを合成手段98bで合成し、表示切替え部34(図3参照)、液晶コントローラ36(図3参照)を介して表示部14に表示させる処理を実行する。
【0042】
このとき、前記表示出力手段98の合成手段98bでは、文字データと画像データとを合成する際に、元の(2ビット/ドットの)文字データが所定の値(本実施形態においては、2ビットのデータが「00」)のとき、すなわちパレット変換手段98aが透明色を色付けしたデータを出力したときは、画像データを選択して表示部14に与えて表示させる処理を行う。また、合成手段98bは、元の文字データのドットについての2ビットが「00」以外であって、パレット変換手段98aが透明色以外の色付けしたデータを出力した場合、文字データを選択して表示部14に与えて表示させる処理を実行する。
【0043】
なお、上述した「デジタル面」は、文字と画像とを重ね合わせて表示が可能となっている。また、「デジタル面」は、「通常文字面」と「スクロール文字」との組み合わせで表示されるものである。また、「通常文字面」と「スクロール文字」とは、ビデオメモリ54上の別なエリアに格納されているが、表示の際に重ね合わせることが可能である。また、画像データは、ビデオメモリ54内において、文字データとは別な記憶エリアに格納されている。
【0044】
《文字データと画像データの重ね合わせの処理動作》
次に、AV機器10の表示制御部52の動作を、図1及び図4を参照しながら説明する。
図4は、本発明に係るAV機器10の表示制御回路の重ね合わせ処理動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0045】
(0ライン目の処理)
ここで0ライン目とは、表示部14の垂直走査において、実際に表示される最初のライン(1ライン目)のデータを表示部14に送る水平ラインの直前のラインを意味している。
【0046】
ビデオメモリ制御手段94は、垂直同期信号が与えられる所定の期間後の0ライン目の開始のタイミングにおいて0ライン目の処理を開始し、水平同期信号が与えられた時点を開始時点t0とし、帰線期間(t0〜t2)内における文字書込期間(t0〜t1)には、本来は水平クロックに同期してビデオメモリ54からデータを読み出しては文字表示メモリ96mに書き込む。しかし、ここでは時間のみを経過させて、ビデオメモリ54及び文字表示メモリ96mにはアクセスしない。なお、ビデオメモリ54からダミーのデータを読み出して文字表示メモリ96mに書き込むことも可能である。
【0047】
そして、ビデオメモリ制御手段94は、文字書込期間終了時点(t1)に達すると、t1〜t3の期間において、水平クロックに同期させてビデオメモリ54から、1ライン目の画像データを読み出し、第1の画像表示メモリ96aに書き込む処理を行なう。その後、1ライン目の画像データの書き込みが終了したt3から水平期間の終わりt4まで書込み処理を行わない。
一方、上記表示出力手段98は、0ライン目においては表示処理を行わない。
【0048】
(1ライン目の処理)
t4(t0)になると、ビデオメモリ制御手段94は、1ライン目の処理を開始し、水平同期信号が与えられた時点をt0とし、帰線期間(t0〜t2)内における文字書込期間(t0〜t1)に、水平クロックに同期させてビデオメモリ54から1ライン目の文字データを読み出して文字表示メモリ96mに書き込む。
【0049】
そして、ビデオメモリ制御手段94は、文字書込期間終了時点(t1)に達すると、t1〜t3の期間において、水平クロックに同期させてビデオメモリ54から2ライン目の画像データを読み出して、第2の画像表示メモリ96bに書き込む処理を行なうが、2ライン目の画像データの書き込みが終了したt3から水平期間の終わりt4まで書込み処理を行わない。
【0050】
一方、上記表示出力手段98は、1ライン目の処理においてt2に達すると表示期間に入り、表示期間中(t2〜t4)、水平クロックに同期をさせて文字表示メモリ96mから1ライン目の文字データを読み出すと同時に、第1の画像表示メモリ96aから1ライン目の画像データを読み出し、文字データについてパレット変換手段98aにてパレット参照し、合成手段98bにより文字データまたは画像データを選択し表示部14に与えて表示させる。
【0051】
(2ライン目の処理)
再び、t4(t0)になると、ビデオメモリ制御手段94は、2ライン目の処理を開始し、水平同期信号が与えられた時点をt0とし、帰線期間(t0〜t2)内における文字書込期間(t0〜t1)に、水平クロックに同期させてビデオメモリ54から2ライン目の文字データを読み出して文字表示メモリ96mに書き込む。 そして、ビデオメモリ制御手段94は、文字書込期間終了時点(t1)に達すると、t1〜t3の期間において、水平クロックに同期させてビデオメモリ54から3ライン目の画像データを読み出し、第1の画像表示メモリ96aに書き込む処理を行なうが、画像の書き込みが終了したt3から水平期間の終わりt4まで書込み処理を行わない。
【0052】
一方、上記表示出力手段98は、2ライン目の処理において、t2に達すると表示期間に入り、表示期間中(t2〜t4)、水平クロックに同期をさせて文字表示メモリ96mから2ライン目の文字データを読み出すと同時に、第2の画像表示メモリ96bから、1ライン目の処理において書き込まれた2ライン目の画像データを読み出し、文字データについてパレット変換手段98aにてパレット参照し、当該参照結果に応じて合成手段98bにより文字データまたは画像データを選択し表示部14に与えて表示させる。
【0053】
(3ライン目以降で奇数ラインの処理)
ビデオメモリ制御手段94は、3ライン、5ライン、7ライン、………の奇数ラインにおける処理では、文字書込期間(t0〜t1)内において、水平クロックに同期させてビデオメモリ54から、3ライン目、5ライン目、7ライン目、………の文字データ、すなわち当該処理ラインに対応したラインの文字データを読み出しては文字表示メモリ96mに書き込み、t1に達すると以後t3まで、水平クロックに同期させてビデオメモリ54から、当該処理ラインに対して1ライン先の4ライン目、6ライン目、8ライン目………の画像データを読み出しては第2の画像表示メモリ96bに書き込む処理を行なう。
【0054】
一方、表示出力手段98は、3ライン、5ライン、7ライン、………の奇数ラインにおける処理では、表示期間(t2〜t4)において、文字表示メモリ96mから当該処理ラインに対応した3ライン目、5ライン目、7ライン目、………のように奇数ラインの文字データ読み出すとともに、第1の画像表示メモリ96aから直前の偶数ラインの処理において書き込んだ3ライン目、5ライン目、7ライン目、………の画像データを読み出し、合成手段98bによる合成処理をし表示部14に与えている。
【0055】
(3ライン目以降で偶数ラインの処理)
ビデオメモリ制御手段94は、4ライン、6ライン、8ライン、………の偶数ラインにおける処理では、文字書込期間(t0〜t1)内において、水平クロックに同期させてビデオメモリ54から、当該処理ラインに対応した偶数ラインの文字データを読み出しては文字表示メモリ96mに書き込み、t1に達すると以後t3まで、水平クロックに同期させてビデオメモリ54から当該処理ラインに対して1つ次の奇数ラインの画像データを読み出しては第1の画像表示メモリ96aに書き込む処理を行なう。
【0056】
一方、表示出力手段98は、4ライン、6ライン、8ライン、………の偶数ラインにおける処理では、表示期間(t2〜t4)において、文字表示メモリ96mから当該処理ラインに対応した偶数ラインの文字データを読み出し、ビデオメモリ制御手段94が直前の奇数ラインにおける処理において第2の画像表示メモリ96bに書き込んだ、当該処理ラインに対応した偶数ラインの画像データを読み出し、合成手段98bによる合成処理をし表示部14に与えている。
最終ラインの処理が終了した後、垂直同期信号により再び、0ラインからの処理を開始する。
【0057】
すなわち、ビデオメモリ制御手段94は、1水平期間における帰線期間(t0〜t2)内の文字書込期間(t0〜t1)において、ビデオメモリ54から文字データを読み出し、その読み出したデータのままで前記文字表示メモリ96mに書き込み、前記文字書込期間以外の期間(t1〜t3)に、水平クロックに同期させてビデオメモリ54から、文字データを読み出したラインの次のラインの画像データを読み出し、1ライン毎に交互に第1の画像表示メモリ96aまたは第2の画像表示メモリ96bに書き込む処理を行っている。
【0058】
上述のとおり、ビデオメモリ制御手段94により、文字データについては帰線期間内における文字書込期間にビデオメモリから文字表示メモリ96mに書き込み、前記文字書込期間以外で表示に使用されていない画像表示メモリ96(96a、96b)に画像データを書き込み、また、表示出力手段により、前記1水平期間内における表示期間に前記文字表示メモリから文字データを読み出すとともに第1の画像表示メモリ96aまたは第2の画像表示メモリ96bから1ライン毎に交互に画像データを読み出し、文字データについてパレット参照し、文字データまたは画像データを合成して表示させることができる。
【0059】
なお、上述した本願の実施形態では、第1の画像表示メモリ96aあるいは第2の画像表示メモリ96bに画像データを書き込むときに、t1〜t3で行わせるのが望ましいものとして説明したが、これに限定されることなく、t1〜t4の間で画像データ書込期間(t1〜t3)が取れる範囲であれば、文字書込終了時点(t1)直後でなくてもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、つぎのような効果がある。
(1)文字表示メモリが1つと、第1の画像表示メモリと第2の画像表示メモリの3本のラインメモリで構成できるので、部品点数が少なく、回路構成も簡単である。
(2)多彩な画面表示を行わせることができるほか、簡単な回路構成で高速に動作させることができる。
(3)文字データと画像データというフォーマットの違うデータの重ね合わせを、簡単な回路構成で行なうことができ、かつ、画像の描画と表示の競合制御を簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るオーディオ・ビジュアル機器の表示制御部を含む表示系統を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るオーディオ・ビジュアル機器の斜視図である。
【図3】実施の形態に係るオーディオ・ビジュアル機器のブロック図である。
【図4】実施の形態に係るオーディオ・ビジュアル機器の表示制御部の、文字データと画像データとを重ね合せて処理する動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】従来のオーディオ・ビジュアル機器における表示系統を示すブロック図である。
【図6】第2の従来技術を説明するための図であり、(1)はパレットデータのまま表示メモリに書き込む場合の説明図であり、(2)は画像データと文字データとを重ね合わせる場合にパレット参照を加えた場合の説明図である。
【符号の説明】
10………AV機器、14………表示部、
44………処理装置(機器制御部)、50………音声・画像処理部、
52………表示制御回路(表示制御部)、54………ビデオメモリ、
90………表示系統、92………バッファ、
94………ビデオメモリ制御手段、96m………文字表示メモリ、
96a………第1の画像表示メモリ、96b………第2の画像表示メモリ、
98………表示出力手段、98a………パレット変換手段、
98b………合成手段。
Claims (4)
- 文字・画像の少なくとも一つ以上からなるデジタル面またはテレビジョン映像を表示する表示部を備えたオーディオ・ビジュアル機器におけるビデオメモリ内の表示データを表示部へ表示させる表示制御回路であって、
文字データを前記表示部の少なくとも水平方向1ライン分記憶できる文字表示メモリと、
画像データを前記表示部の少なくとも水平方向1ライン分記憶できる第1の画像表示メモリ及び第2の画像表示メモリと、
1水平期間における帰線期間内の文字書込期間にビデオメモリから文字データを読み出し、その読み出したデータのままで前記文字表示メモリに書き込み、前記文字書込期間以外の期間にビデオメモリから画像データを読み出し、1ライン毎に第1の画像表示メモリまたは第2の画像表示メモリに交互に書き込むビデオメモリ制御手段と、
前記1水平期間内における表示期間に前記文字表示メモリから文字データを読み出すとともに第1の画像表示メモリまたは第2の画像表示メモリから1ライン毎に交互に画像データを読み出し、文字データについてパレット参照し、当該参照結果に応じて文字データまたは画像データを表示させる表示出力手段とを少なくとも備えたことを特徴とするオーディオ・ビジュアル機器の表示制御回路。 - 請求項1記載のオーディオ・ビジュアル機器の表示制御回路において、
前記ビデオメモリ制御手段は、0ライン目の帰線期間内における文字書込期間以外の期間に、ビデオメモリから画像データを読み出して第1の画像表示メモリに書き込み、1ライン目以降の帰線期間内における文字書込期間以外の期間に、ビデオメモリから当該ラインの次のラインの画像データを読み出して前記第2の画像表示メモリまたは前記第1の画像表示メモリに1ライン毎に交互に書き込むことを特徴とするオーディオ・ビジュアル機器の表示制御回路。 - 請求項1記載のオーディオ・ビジュアル機器の表示制御回路において、
前記表示出力手段は、前記1水平期間内における表示期間に前記文字表示メモリから文字データを読み出すとともに、前記文字データに対応したラインの画像データを、第1の画像表示メモリまたは第2の画像表示メモリから水平走査1ライン毎に交互に読み出し、文字データについてはパレット参照して文字データに色付けし、文字データが透明色に色付けされたときは画像データを、文字データが透明色以外の色に色付けされたときは文字データを選択して表示させることを特徴とするオーディオ・ビジュアル機器の表示制御回路。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の表示制御回路を備えたことを特徴とするオーディオ・ビジュアル機器。
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