JP3628710B2 - 複合ウエブ、この複合ウエブを備えた吸収体、そしてこの複合ウエブの製造方法 - Google Patents

Description

発明の分野
本発明は、おむつ、生理用ナプキン、パンティライナー（パンティ裏当て）、失禁用パッド等の使い捨て吸収体における複合トップシートとして使用するのに特に適した、伸展性の分泌液浸透性ウェブに関する。本発明は、更に、このようなウェブを製造する方法に関する。
発明の背景
身体の分泌液を吸収するために構成された様々な吸収体の方法及び種類はもちろん公知である。現在普及しているタイプの吸収体は生理用ナプキン、パンティライナー、使い捨ておむつ、及び失禁用品を含む。
吸収体においてトップシート材料として幅広く利用されている材料の１つは、1982年８月３日にRadelらに対して発行され、参照してここに組み込まれると共に、譲渡された米国特許第4,342,314号に開示されている。Radelらは、繊維のような性質とプラスチックの性質の組み合わさった性質を呈し、弾力的で微視的に拡大された三次元プラスチックウェブを備え、着用者に接触するトップシートを備えた吸収性包帯を開示している。好適態様では、Radelらの特許において開示された、肉眼で見ることが出来るように拡大された三次元プラスチックウェブのトップシートは、急速な分泌液輸送を促進するために、ウェブの１つの表面から始まって伸び、その対向面にある孔の形態で終了する毛管網状組織の調節された連続体を備える細かなスケールの三次元微細構造を呈する。ウェブの繊維状外観は、繊維状成分の連続体で構成され、各々の繊維状成分の対向する端が少なくとも１つの繊維状成分の他方に相互接続される。
Radelらの構造の典型的な毛管網状組織は、ウェブの最上部の平面において互いに相互接続される多数の繊維状成分によって形成される最上部の毛管開口部または孔を備える。各繊維状成分は、実質的にその長さに沿った均一のＵ形断面を呈する。繊維状部分の横断面は、着用者に接触する面に置かれるベース部分と、ベース部分の各々の縁に接合される側壁部分とを備えており、側壁部分は、大体ウェブの吸収パッドに接触する表面方向に伸びている。互いに相交わる側壁部分は、ウェブの着用者接触表面と吸収パッド接触表面の中間で互いに接合されており、それによってウェブの向かい合った表面を相互接続する毛管網状組織を形成する。
Radelらによって広く開示されたタイプのトップシートは、トップシートの第１の着用者接触表面から第２の吸収パッド接触表面への急速な分泌液輸送を促進することにおいて非常に効果的である。したがって、このタイプのトップシートは、従来の不織繊維状トップシートまたは二次元フィルムとは対照的に、使用に際して清潔で乾燥した外観のおかげで、月経パッドとして広く行き渡った商業的な成功を収めた。Radelらの特許において開示されたタイプのトップシートを有する吸収体が、第１の着用者接触表面から第２の吸収パッド接触表面への身体分泌液の急速な輸送を促進することにおいて非常に効果的である一方、吸収芯に保持される身体分泌液、例えば月経の遮断（マスキング）度は毛管網状組織のサイズに依存する。毛管網状組織のサイズが減少するにつれて、トップシートによって提供されるマスキング量が増大する。しかしながら、毛管網状組織があまりに小さすぎると、身体分泌液はトップシートを通って吸収芯に達することができず、それによって皮膚を水分に曝すことになる。更に、フィルムの三次元構造が、使用中の力に応じたシート方向の広がりにおける膨張・収縮能力（伸展性）を制限し、次に吸収体を着用者の様々な姿勢と活動に適応させる能力を制限する傾向がある。成形プロセスの間に成形されるフィルムに付与されるそれらの三次元構造及び分子配向のために、三次元毛管構造を破壊する及び／または傷付け、したがって、分泌液処理能力の低下を引き起こさずに、二次成形機械プロセスを介してこのようなフィルムに伸展性及び付加的な柔らかさを付与することは困難である。
従来の不織トップシートは、優れた可撓性及び柔軟性と共に、着用者の立場から望ましい視覚的及び触覚的特性を提供することが解っている。しかしながら、従来の不織トップシートの分泌液処理能力は、特に比較的粘り気のある身体分泌液の場合に、決して最適ではなく、身体分泌液に曝された後、触った感じが「湿っている」という感覚を与えることが見い出された。それに加えて、従来の不織トップシートは下にある吸収体成分に関してマスキング効果を提供する一方、使用後に不織材料内に残る残留分泌液が決して望ましくない視覚的印象を作り出す。成形フィルム材料とは異なり、トップシートに応用される不織物は、それらの元の特性を維持する一方で、伸展性と付加的な柔らかさを付与するために二次成形機械プロセスに賦すのが比較的容易である。
したがって、成形フィルム材料の分泌液処理能力と不織材料の柔らかさを提供する、吸収体においてトップシートとして使用するのに適した分泌液浸透性ウェブを提供することが望ましいであろう。
また、柔らかな触った感じを含み、望ましい視覚的及び触覚的特性を有するトップシート材料を提供することが望ましいであろう。
更に、広範囲の使用状態に適応させ、吸収体を着用者の身体に良く従うようにすることができるように、充分な伸縮性と伸展性を提供するようなトップシート材料を提供することが望ましいであろう。
発明の概要
本願の請求項１に従った複合ウエブは、伸縮性のある、伸展性の、分泌液浸透性の複合ウェブであって：
（ａ）孔の開いた三次元構造の成形フィルム層と；
（ｂ）前記成形フィルム層の片側に接着された繊維状の不織層と；
を備えており、
前記複合ウェブは、少なくとも１つの方向に微小クレープ化されており、その結果、前記複合ウェブは前記方向への進展性を有し、前記成形フィルム層は三次元構造を維持している、ことを特徴としている。
本願の請求項３に従った吸収体は：
（ａ）（ｉ）孔の開いた三次元構造の成形フィルム層と、
（ii）前記成形フィルム層の片側に接着された繊維状の不織層と、
を含んでいて、身体に面する側面と衣類に面する側面とを有し、伸縮性のある進展性の分泌液浸透性の複合ウエブトップシートと；
（ｂ）身体に面する表面と衣類に面する表面とを有し、前記複合ウエブトップシートの下に置かれている吸収芯と；そして、
（ｃ）身体に面する表面と衣類に面する表面とを有し、前記吸収芯の下に置かれているバックシートと；
を備えており、
前記複合ウエブトップシートは、少なくとも１つの方向に微小クレープ化されており、その結果、前記複合ウエブトップシートは前記方向への進展性を有し、前記成形フィルム層は三次元構造を維持している、ことを特徴としている。
さらに、本願の請求項６に従った複合ウェブの製造方法は、伸縮性のある、伸展性の、分泌液浸透性の複合ウェブを製造する方法であって：
（ａ）孔の開いた三次元構造の成形フィルム層を提供する工程と；
（ｂ）繊維状の不織層を提供する工程と；
（ｃ）前記成形フィルム層の片側に前記繊維状の層を接着して複合ウェブを形成する工程と；そして、
（ｄ）微小クレープ化装置を介して前記複合ウェブを少なくとも１つの方向に微小クレープ化させて、前記複合ウェブをその方向に収縮させ、且つ、前記成形フィルム層が三次元構造を維持する、工程と；
を備えている、ことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
明細書は特に本発明を指摘し、明確に主張するクレームで締めくくられるが、発明は添付図面と関連した以下の説明から良く理解されるであろうと考えられる。図面において、同様の参照番号が同様の成分を特定する。
図１は、生理用ナプキンを構成する吸収体の上面図であり、生理用ナプキンの一部を断面して示す図である。
図２は、図１の２−２線に沿う生理用ナプキンの断面図である。
図３は、本発明の複合ウェブの第１層として使用するのに適した分泌液浸透性のウェブの一部を拡大して示す斜視図である。
図４は、図１及び図２に示した本発明の複合ウェブの拡大断面図である。
図５は、本発明の複合ウェブを形成するためのプロセス及び装置の構成を概略的に示す図である。
図６は、本発明の複合ウェブを形成するための別のプロセス及び装置の構成を概略的に示す図である。
図７は、成形フィルム層を保護するように、分離した繊維ウェブを含んだプロセス及び装置の構成を概略的に示す図である。
図８は、互いに向かい合った成形フィルム層を備えた２つの複合ウェブを含んだプロセス及び装置の構成を概略的に示す図である。
発明の詳細な説明
本明細書において使用する「吸収体」という言葉は、身体の滲出物を吸収する装置、特に、身体から排出される様々な滲出物を吸収し、包含するために、着用者の身体に対向して、或いは、身体の近傍に配置される装置を意味する。「使い捨て」という言葉は、ここでは、洗濯したり、或いは、復元又は再使用することが意図されていない吸収体（つまり、１回の使用後に捨てたり、好ましくは再生利用したり、腐らせて堆肥にしたり、或いは、環境に影響を及ぼさない方法で処分することを意図したもの）を説明するために使用される。「単一の」吸収体とは、別々のホルダーとかパッド等の別々の手先の部品を必要としないように、共に結合されて統合体を形成する別々の部品で形成される吸収体を意味する。
本発明の単一の使い捨て吸収体の現在好ましい態様は、図１に示された月経パッド、生理用ナプキン20である。本明細書において使用する「生理用ナプキン」という言葉は、一般に尿生殖器部の外部に、外陰部に隣接して女性が着用し、着用者の身体から月経分泌液や他の膣の排出物（例えば、血液、月経及び尿）を吸収し、包含するためのものである吸収体を意味する。部分的に着用者のお尻内にあり、部分的にその外部にある***状の（Interlabial）装置も本発明の範囲内である。本明細書において使用する、「外陰部の」という言葉は外部から見える女性の生殖器を意味する。しかしながら、本発明は他の女性用生理用パッドまたはパンティライナー等の月経パッド、あるいは紙おしめ、失禁ブリーフ等の他の吸収体にも適用できることを理解すべきである。
図１は平らに広げた本発明の生理用ナプキン20の平面図であり、生理用ナプキン20の構造を明らかに示すために構造の一部が破断されており、着用者に面する、あるいは着用者と接触する生理用ナプキン20の部分が見る人の方に向けられている。図１に示すように、生理用ナプキン20は、身体に面する分泌液浸透性の第１のトップシート層21及び衣類に面する分泌液浸透性の第２のトップシート層22を有する複合トップシート25と、複合トップシート25と接合される液体不浸透性のバックシート23と、複合トップシート25とバックシート23との間に配置された吸収芯24とを備えている。
生理用ナプキン20は、身体と接触する表面即ち身体に面する表面20aと、衣類に面する表面20bとから成る２つの面を有する。生理用ナプキン20は、その身体に面する表面20aから見たものとして図１に示されている。身体に面する表面20aは、着用者の身体に面する表面に隣接して着用されるものであり、一方、衣類に面する表面20bは、その反対側にあり、生理用ナプキン20を着用する時、着用者の下着または衣類に面する表面に隣接して置かれるものである。生理用ナプキン20は、２つの中心線、つまり縦の中心線「Ｌ」と、横断する中心線「Ｔ」を有する。本明細書において使用する「縦の」という言葉は、生理用ナプキン20を着用した時、立っている着用者を左と右の半分づつに二分する垂直面に大体整列する（例えば、ほぼ並列する）、生理用ナプキン20の平面内の線、軸もしくは方向を意味する。本明細書において使用する「横断する」または「横の」という言葉は交換でき、大体縦方向に対して垂直である、生理用ナプキン20の平面内にある線、軸もしくは方向を意味する。更に、図１は生理用ナプキン20が生理用ナプキン20の外縁によって限定される周縁部30を有するのを示しており、縦縁（または側縁）が31で示され、端縁（または端）が32で示されている。
図１には、複合トップシート25とバックシート23が吸収芯24の寸法より概して大きな長さと幅を有する生理用ナプキン20の態様が示されている。複合トップシート25とバックシート23は、吸収体24の縁を超えて伸び、それによって周縁部の部分だけでなくサイドフラップ34も形成する。
生理用ナプキン20は、着用者のパンティの股部分のまわりで折り返される任意のサイドフラップまたは「ウイング」34を有する。サイドフラップ34は、多数の目的を果たすことができるが、それらは着用者のパンティが汚れるのを防止したり、生理用ナプキンを着用者のパンティに固定したまま保持することを含むが、それらに制限されない。
図２は、図１の横断する切断線２−２に沿って取られた生理用ナプキン20の断面図である。図２に示すように、生理用ナプキン20は、この生理用ナプキン20を着用者の下着に付けるための接着剤固定手段36を有する。取り外しできる開放ライナー37が接着剤固定手段36を覆っており、接着剤が使用の前、又は、汚れと劣化を経験する前に、下着の股部分以外の表面にくっつくのを防止するようになっている。
生理用ナプキン20は、比較的厚めのものや比較的薄めのものを想定しており、どのような厚さのものであってもよい。図１及び２に示した生理用ナプキン20の態様は、比較的薄い生理用ナプキンの例を示している。しかしながら、これらの図を見る時、図示した多数の材料層が生理用ナプキンを実際より厚く見せる傾向にあることを理解すべきである。「薄い」生理用ナプキン20は好ましくは約３ミリメートル以下のキャリパー（厚さ）を有する。図示した薄い生理用ナプキン20は着用者にとって気持ちが良いように比較的柔軟であるべきである。
生理用ナプキンは、伸展或いは伸縮可能に構成されている。伸展或いは伸縮可能な生理用ナプキンは、例えば、譲渡され、係属中の、1992年７月23日にOsbornらの名前で提出された米国特許出願番号07/915,133、及び1992年７月23日にOsbornらの名前で提出された出願番号07/913,204に開示されており、これらの開示は参照してここに組み込まれる。
使用中、生理用ナプキン20は、このような目的のために公知の支持手段または接着手段によって適所に保持され得る。好ましくは、生理用ナプキンは、ユーザーの下着またはパンティに置かれ、接着剤36等のファスナーによってそこに固定される。接着剤36は、生理用ナプキンをパンティの股部分に固定する手段を有する。バックシート23の外面の一部または前部は、接着剤で覆われる。このような目的のために業界で使用される接着剤もしくは糊をここでも接着剤として使用でき、感圧接着剤が好ましい。適当な接着剤はHL−2238の名称で、ミネソタ州セントポール（St.Paul,Minnesota）のエッチ・ビー・フラー社（H.B.Fuller Company）によって製造されている。適当な接着ファスナーは米国特許第４、917、697号にも記載されている。生理用ナプキンを使用に際して配置する前において、使用前に感圧性接着剤36がパンティの股部分以外の表面にくっ付いたり乾燥したりするのを防止するように、感圧接着剤は取り外し可能な開放ライナー37で覆われている。開放ライナー37は、上記において参照した米国特許第4,917,697号に記載されている。このような目的のために一般に使用されるどのような市販されている開放ライナーもここで利用できる。適当な開放ライナーの非制限的な例はBL30MG−Ａシロックス4P/O（BL30MG−Ａ Silox 4P/O）であり、これはウィスコンシン州メナーシャ（Menasha、WI）のアクロジル社（Akrosil Corporation）によって製造されている。本発明の生理用ナプキン20は、開放ライナー37を取り除いた後、接着剤36がパンティと接触するように、生理用ナプキン20をパンティに置いて使用される。接着剤36は使用中生理用ナプキンをパンティ内のその位置に保持する。
本発明の実施態様において、生理用ナプキン20は、２つのフラップ34を有し、その各々が吸収芯の側縁に隣接し、側縁から横に伸びている。フラップ34は、フラップが着用者のパンティの縁と腿の間に置かれるように、股部分の着用者のパンティの縁に掛けるように構成される。フラップ34は少なくとも２つの目的を果たす。まず第１に、フラップ34は、パンティの縁に沿って二重の障壁を形成することによって、着用者の身体とパンティが月経分泌液で汚れるを防止する働きを有する。第２に、フラップ34には、その衣類表面に接着手段が設けられ、フラップをパンティの下に折り返して、パンティの衣類に面する側に付けることができる。この方法で、フラップ34は生理用ナプキンを適切にパンティに位置付けして保持する働きをする。フラップ34は、トップシート、バックシート、ティシューに類似する材料、またはこれらの材料の組み合わせを含む様々な材料で構成することができる。更に、フラップ34は、ナプキンの本体に付けられる別の成分であってもよいし、あるいはトップシートとバックシートの延長部で構成される（つまり、単一である）こともできる。本発明の生理用ナプキンと共に使用するのに適した、あるいは共に使用するように適合できるフラップを有する多数の生理用ナプキンが、1987年８月18日にVan Tilburgに対して発行された米国特許第4,687,478号;1986年５月20日にVan Tilburgに対して発行された米国特許第4,589,876号；及び1986年８月26日にMattinglyに対して発行された米国特許第4,608,047号に記載されている。これらの特許の各々が参照してここに組み込まれる。
吸収芯24は、液体（例えば、月経、尿）を吸収または保持することができるどのような吸収手段であってもよい。図１に示すように、吸収芯24は、身体に面する表面、衣類に面する表面、側縁、及び端縁を有する。吸収芯24は、エアフェルトと一般に称される粉砕木材パルプ等の、生理用ナプキンや他の吸収体において一般に使用される多種多様な液体吸収性材料から、多種多様のサイズ及び形状（例えば、方形、卵形、漏刻形、ドッグボーン形（dog bone）、非対称形等）に製造することができる。吸収性材料の他の適当な例としては、クレープで包まれたセルロースの詰め物；コフォーム（coform）を含む溶融ブロー成形された重合体；化学的に補剛、改質、または架橋されたセルロース繊維；縮らせたポリエステル繊維等の合成繊維；ピートモス；ティシューの外皮とティシューの薄層を含むティシュー；吸収性の泡；吸収性スポンジ；高吸収性重合体；吸収性ゲル化材；もしくは同等の材料またはこれらの材料の組み合わせまたは混合物が含まれる。
吸収芯24の輪郭及び構成は、種々変更可能である。例えば、吸収芯24は、変化するキャリパー領域（例えば、中心で厚くなるような輪郭を持つもの）、親水性勾配、高吸収性勾配、または低濃度及び低い平均斤量捕捉域を持っていてよく；あるいは１つ以上の層または構造を備えていてよい。しかしながら、吸収芯24の全吸収能力は、生理用ナプキン20の設計荷重及び使用目的と矛盾があってはならない。更に、吸収芯のサイズと吸収能力は、失禁パッド、パンティライナー、標準の生理用ナプキン、または夜用生理用ナプキン等の異なる使用法に適応するよう変化させることができる。それに加えて、吸収芯24は、もし望まれる場合は、可撓性を持たせるために特定の材料または輪郭で備えていてもよい。
本発明の吸収芯24として使用するための例示的な吸収構造物は、1990年８月21日にOsbornに対して発行された米国特許第4,950,264号;1986年９月９日にWeismanらに対して発行された米国特許第4,610,678号;1989年５月30日にAlemanyらに対して発行された米国特許第4,834,735号；及びDuenkらの名前で1986年10月22に公開された、ザ・プロクター・アンド・ギャンブル社（The Procter ＆ Gamble Company）の、欧州特許出願番号0,198,683に記載されている。これらの特許の各々は参照してここに組み込まれる。
バックシート23と複合トップシート25は、各々吸収芯24の衣類に面する表面と身体に面する表面に隣接して配置され、好ましくは業界で公知の接着手段（図示せず）によって、そこに、また互いに接合される。例えば、バックシート23及び／もしくは複合トップシート25は、接着剤の均一な連続層、接着剤のパターン化された層、接着剤の別々の線、らせん、またはスポットの配列によって、吸収芯24に、または、互いに固定することができる。満足できる結果をもたらすことが分かっている接着剤は、HL−1258という名称で、ミネソタ州、セントポールのH.B.フラー社（H.B.Fuller Company of St.Paul,Minnesota）によって製造されているもの、及びＨ−2031という名称で、ミネソタ州、ミネアポリスのフィンドレイ（Findley of Minneapolis,Minnesota）によって製造されているものである。接着手段は、好ましくは、参照してここに組み込まれる、1986年３月４日にMinetolaらに対して発行された米国特許第４、573、986号に開示されているような、接着剤のフィラメントの開放パターン網状組織を備えたものであろう。フィラメントの開放パターン網状組織の例示的な接着手段は、1975年10月７日にSprague,Jr.に対して発行された米国特許第3,911,173号;1978年11月22日にZieckerらに対して発行された米国特許第4,785,996号；及び1989年６月27日にWereniczに対して発行された米国特許第4,842,666号に示された装置及び方法によって説明されるような、らせんパターンに渦巻かれた数本の線になった接着性フィラメントを備える。これらの特許は各々参照してここに組み込まれる。あるいは、接着手段は熱結合剤、圧力結合剤、超音波結合剤、動的機械的結合剤、あるいはその他の適当な接着手段、または当業界で公知のこれらの接着手段の組み合わせで備えることができる。
バックシート23は、身体に面する表面と衣類に面する表面を有する。バックシート23は、液体（例えば、月経、尿）に対して不浸透性であり、好ましくは薄いプラスチックフィルムから作られるが、他の柔軟な液体不浸透性の材料も使用できる。本明細書において使用する、「柔軟な」という言葉は、従順であって、人間の身体の全般的な形状及び輪郭に容易に従う材料を意味する。バックシート23は、吸収芯24に吸収され包含された滲出物が、パンツ、パジャマ及び下着等の生理用ナプキンと接触する品物を湿らせるのを防止する。このように、バックシート23は、織材料または不織材料、ポリエチレンまたはポリプロピレンの熱可塑性フィルム等の重合体フィルム、あるいはフィルムで被覆された不織材料等の複合材料から構成することができる。好ましくは、バックシートは、約0.012mm（0.5mil）から約0.051mm（2.0mils）の厚さのポリエチレンフィルムである。例示的なポリエチレンフィルムは、オハイオ州シンシナティ（Cincinnati Ohio）のクロペイ社（Clopay Corporation）によって、P18−1401の名称で製造されているもの、及びインディアナ州テレホーテ（Terre Haute,Indiana）のトレデガー・フィルム・プロダクツ（Tredegar Film Products）によって、XP−9818の名称で製造されている。バックシート23は、好ましくは、より布に近い外観を与えるために、エンボス加工を施されたもの、及び／もしくはつや消し仕上げされたものである。更に、バックシート23は、滲出物がバックシート23を通過するのを防止する一方で、蒸気を吸収芯24から逃すことができる（つまり、通気性がある）。
複合トップシート25は、着用者の皮膚に対して従順で、柔らかな感触のものであり、刺激的ではないものである。更に、複合トップシート25は、その厚みを通して容易に浸透するように、液体（例えば、月経、尿）を通す液体浸透性を有する。複合トップシート25には、身体に面する第１のトップシート層21として、ポリエチレン、ポリプロピレン、または他の適当な材料等の重合体フィルム材料の孔の開いた成形フィルムが設けられている。孔の開いた成形フィルムが好ましいのは、それらが身体に面する表面の滲出物に対して浸透性を有し、しかも非吸収性であり、液体が通過して着用者の皮膚を再び濡らすことを減少させるからである。このように、身体と接触する成形フィルムの表面が乾燥したままであり、それによって身体の汚れを減少させ、着用者にとってより快適な感触を作り出す。適当な成形フィルムは、1975年12月30日にThompsonに対して発行された米国特許第3,929,135号;1982年４月13日にMullaneらに対して発行された米国特許第4,324,246号;1982年８月３日にRadelらに対して発行された米国特許第4,342,314号;1984年７月31日にAhrらに対して発行された米国特許第4,463,045号;1987年１月20日にOuelletteらに対して発行された米国特許第4,637,819号及び1991年４月９日にBairdに対して発行された米国特許第5,006,394号に記載されている。これらの特許の各々は参照してここに組み込まれる。他の適当な成形フィルムは、1986年12月16日にCurroらに対して発行された米国特許第4,629,643号、及び1986年９月２日にCurroに対して発行された米国特許第4,609,518号に開示されているようなハイドロフォーミングされたフィルムを含み、これらの特許は参照してここに組み込まれる。ハイドロフォーミングされたフィルムの好ましい形態はその中に形成されたマイクロアパーチャを有するものを含む。
図３は、1982年８月３日にRadelらに対して発行され、譲渡された米国特許第4,342,314号の教示に総体的に従って、孔の開けられた、肉眼で見ることが出来るように拡大された、三次元の、繊維状の、分泌液浸透性の重合体ウェブ40の特に好ましい態様の一部を拡大した斜視図であり、それは生理用ナプキン20の複合トップシート25の第１のトップシート層21として使用されるのに適している。本発明の三次元プラスチックウェブを説明するために使用される場合、「肉眼で見ることが出来るように拡大された」という言葉は、それらの両面が成形構造の肉眼で見ることが出来る横断面に対応して、表面異常の三次元形成パターンを呈するように、三次元形成構造の表面に従うようになったウェブ、リボン及びフィルムを指し、そのパターンを備える表面収差は、見る人の眼とウェブの面間の垂直距離が約12インチである時、通常の裸眼で、つまり物体の見掛けサイズまたは距離を変更する、あるいはそうではなくて、眼の視力を変更する器具によって助けられない20/20視力を有する通常の裸眼で、個々に見分けられる。ここで本発明のプラスチックウェブの外観を説明するために使用される「繊維状の」という言葉は、総体的に、人間の眼で見た時、織または不織繊維状ウェブの全体的な外観及び印象を暗示する。無作為または作為の、網状または非網状の、細かな規模の孔パターンを指す。
図３に示すように、ウェブの繊維状の外観は、繊維状成分の連続体で構成され、各々の繊維状成分の対向する端は、少なくとも１つの他の繊維状成分に相互接続されている。図３に開示した態様では、相互接続された繊維状成分は五角形の形状の毛細管41のパターン網状組織を形成する。繊維状の外観を呈するウェブ40は、面43における最上部のウェブ、着用者に接触する、または身体に面する表面42から、面45における最下部の、または衣類に面する表面44へと伸び、隣接する毛細管41間で分泌液を横に伝達することなく、ウェブの最上部表面42から最下部表面44への急速な分泌液輸送を促進する三次元のミクロ構造を具体化する。ここで使用する「ミクロ構造」という言葉は、業界で公知の顕微鏡による手段または他の手段によって拡大されると同時に、その正確な詳細が容易に人間の眼で認められるような細かな規模の構造を意味する。
身体表面42内の孔47は、多数の交差する繊維状成分、例えばウェブの身体に面する表面において互いに相互接続された構成部48、49、50、51及び52によって形成される。各々の繊維状成分は、基部、例えば、面43に置かれる基部54を備える。各々の基部は、側壁成分例えばその各々の縁に接着される側壁部分56を有する。側壁部分56は、総体的にウェブの第２の表面44の方向に伸びる。繊維状成分の交差する側壁部分は、ウェブの第１と第２の表面の中間で互いに相互接続され、第２の表面の面45において、互いに実質的に同時に終了する。
図３に示した特に好ましい態様では、相互接続された側壁部分56は、第２の表面45の面において互いに実質的に同時に終了し、ウェブの第２の表面45において孔58を形成する。孔47と58間で相互接続された側壁成分56によって形成される毛細管41の網状組織が、隣接する毛細管の間で分泌液を横に伝達することなく、ウェブの身体に面する表面から直接ウェブの衣類に面する表面への分泌液の自由な輸送を許す。
ベース部分54は、好ましくは、1984年７月31日にAhrらに対して発行された共に譲渡された米国特許第4,463,045号の教示に総体的に従って、表面異常60の微視的パターンを含む。表面異常60の微視的パターンには、ウェブ40が入射光線に当てられた時に、実質的に光沢のない可視表面が設けられている。
第１のトップシート層21には、適宜、不透明な外観を呈する多層重合体フィルムを設けても良い。このような多層フィルムは、実質的に重合体材料を備える第１の外層と、第１の外層の片側に実質的に連続して接合される中央充填材含有重合体層とを有する。中央充填材含有層は、その中に、実質的に一様に分散された充填材含有層に対して、約20〜60重量％の充填材を含んで構成してもよい。トップシートに白っぽい不透明な外観を与えるために、二酸化チタンもしくは炭酸塩等の充填材を使用することができる。中央充填材含有層は、多層フィルムの全厚みの約30から70％までの厚みを有する。実質的に重合体材料を備える第２の外層は、中央充填材含有層の第２の側面に実質的に連続して接合される１つの側面を有する。全体の多層フィルムは、好ましくは、全多層フィルムに対して少なくとも20重量％の充填材を有する。このような多層トップシートの適当な例は、1993年11月16日にVisscher and Perryに対して発行され、共に譲渡された米国特許第5,261,899号に見い出され、この特許は参照してここに組み込まれる。
外層及び中央充填材含有層用の好ましい重合体材料は、ポリオレフィン、特にポリエチレン、ポリプロピレン、及び少なくとも１つのオレフィン構成成分を有する共重合体を含む。ポリエステル、ナイロン、それらの共重合体、及び前述のいずれかの組み合わせ等の他の材料も適当である。
第２のトップシート層22は、好ましくは液体浸透性の繊維状ウェブを備えており、この繊維状ウェブは、合成繊維（ポリプロピレン、ポリエステル、またはポリエチレン等）、天然繊維（木材、綿、またはレーヨン）、または天然繊維と合成繊維の組み合わせ、及び様々な紙、ティシュー、または紙状の繊維質材料で形成される織または不織ウェブを備える。不織ウェブは、針によるパンチングや、水によりからませたり、リングローリング等の、業界で公知の技術によって孔を形成することが可能である。適当な不織材料は、けば立てたり、スパンボンディング、水によりからませたり、及び、不織物の技術において知識のある者に良く知られている他のプロセス等、様々なプロセスによって形成することができる。熱ボンド、圧力ボンド、超音波ボンド、動的メカニカルボンド、あるいは当業界で公知の他の手段を含む多数の適当な方法のいずれかによって、材料に完全さを提供するために、不織材料自体の繊維を互いに接着してもよい。
本発明において使用するのに適した繊維質材料は、繊維間スペースに基づく多孔性、及び／もしくは、材料を突き抜けて伸びる成形された孔に基づく多孔性のいずれをも有する。多孔性は、パンチング、スリッティング、切断、リングローリング、水によりからませたり、あるいは、他の適当な方法等の様々な機械的手段によって実現させてもよいし、あるいは高められてもよい。
現在好まれている繊維質材料は、P9の商品名でサウスカロナイナ州シンプソンビル（Simpsonvill,S.C.）のファイバーウェブ（Fiberweb）から市販されており、スパンボンディングされたポリプロピレン不織物を有する。適していると分かっている別の繊維質材料は、ハヴィックスS2146（Havix S2146）の商品名で日本のハヴィックス（Havix）社から市販されているけば立てられた合成不織物である。本発明の複合ウェブにおいて使用するのに適している繊維状ウェブは、上述した微小クレープ化（即ち、右撚りと左撚りの強撚糸を交互によこ糸に用いた微小な織り方）させる前に、その元の形態で本質的に伸ばすことができてもよいし、あるいは伸ばすことができなくてもよい。
第１と第２のトップシート層は、業界で公知の様々なボンディング方法のいずれかによって互いに接着され、複合トップシート25を形成する。適当な方法には、接着剤の均一な連続層、接着剤のパターン化された層、接着剤の別々の線、らせん、またはスポットの配列等の接着剤ボンディング、あるいは熱ボンド、圧力ボンド、超音波ボンド、動的メカニカルボンド、または他の接着手段、あるいは業界で公知のこれらの接着手段の組み合わせ等の他の方法が含まれる。代表的なボンディング方法は、参照して個々に組み込まれる、発明者としてAzizらを挙げている、1993年５月27日に公開された、「不織の孔の開いたフィルムカバーシートを有する吸収体」（「Absorbent Article Having Ａ Nonwoven and Apertured Film Coversheet」）と題された、上記において参照した公開PCT出願WO 93/09741にも記載されている。現在好ましいとされているボンディング方法は、ポイント・サーマル・ボンディングとしても知られる、動的メカニカルボンディングを含む。このようなボンディング方法は、マイクロクレーピング（微小クレープで覆う）プロセスに耐えることができる充分な完全さを有するが、成形されたフィルム層の孔をふさがない、複合トップシート層間の適切なボンドを提供する。特にこのボンディング方法を利用する場合、成形フィルム層と繊維層（各々、第１のトップシート層と第２のトップシート層）のために利用できる材料が熱的に同じである（つまり、同じような融解温度と融解特性を有する）ことが好ましい。
本発明によれば、吸収芯へ流れた月経分泌液が吸収されずにトップシート層から流れ出る可能性を減少させるように、身体表面が親水性でない場合よりも速く液体をトップシートと解して移動させるのを助けるために、少なくともトップシート層の身体に面する表面が親水性であることが好ましい。あるいは、両方のトップシートが少なくともある程度疎水性であってもよい。好適態様では、参照してここに組み込まれる、Osbornに対して発行された上記において参照した米国特許第4,950,254号に記載されているような界面活性剤で処理することによって、トップシート層を親水性にすることができる。あるいはその代わりに、、参照してここに組み込まれる、Azizらの名前で1993年５月27日に公開され、「不織の孔の開いたフィルムカバーシートを有する吸収体」（「Absorbent Article Having Ａ Nonwoven and Apertured Film Coversheet」）と題された、上記において参照した公開PCT出願WO 93/09741に記載されているように、トップシート層の重合体材料に界面活性剤を混合してもよい。好適態様では、第１のトップシート層は、第２のトップシート層よりも親水性が少ない方がよい。
図４は、顕微鏡または他の視覚的拡大装置を通して見たように、複合トップシート25をより詳細に描いており、また特に、第１のトップシート層21と第２のトップシート層22が互いに接着され且つ微小クレープ化された後の、それらの層間の関係を描いている。より詳細には、図４には、微小クレープ化プロセスによって付与される小さなひだの隅から隅までの、２つの層を微細な規模の鳥の巣状にした状態が示されている。図４に示すように、第１のトップシート層21は、微小クレープ化の手順の間の処理条件、及び使用される特定の繊維層の特徴に応じて、三次元性と肉眼で見ることが出来るような拡大が維持される程度に、その三次元性と肉眼で見ることが出来るような拡大（つまり、成形フィルム材料の毛細管構造が実質的に圧縮、平板化、あるいは変形されていない）を実質的に保持する。
毛細管が開かれている場合、特に成形フィルムの側面に接着されるように方位付けられる時、毛細管が直接的な力の印加と、それによる崩壊をあまり経験しないように、微小クレープ化プロセスの間、繊維層が成形フィルム構造をクッションで支え、保護する傾向がある。この特徴の利点としては、三次元の成形フィルムが、特に吸収体のトップシートに応用するのに望ましくなるように、その固有の分泌液処理特性を維持することである。三次元の、肉眼で見ることが出来るように拡大された毛細管構造の天然の弾性力は、成形フィルムと繊維層間に「平衡状態」または間隔を与えて、各層間に作り付けの空隙量を形成し、それによって、分泌液捕捉性を高める。したがって、第１のトップシート層21は、微小クレープ化されていても、成形フィルム原料の分泌液処理特性を実質的に保持する。
図４において、機械方向（MD）は、複合トップシート即ちウェブが微小クレープ化用の微小クレープ化装置に供給される方向を表わす。この場合、機械方向MDに対して垂直方向に延出した材料に、多数の小さなひだ即ち微小ひだ（Ｆ）が付与される。微小クレープ化プロセス及び利用材料の性質によって、これらの微小ひだは、少なくともある程度まで複合トップシート材料に恒久的に付与される。機械方向MDに外的に印加される力が発揮される間、これらの微小ひだは、荷重下の可縮性及びウェブの中心線に向かう移動に追従し、それによって、外的に印加された力によって生じる応力を和らげようとして、機械方向にウェブを伸ばす。したがって、機械交差方向の微小ひだは、複合トップシートに機械方向の伸展性を付与する。それに加えて、好ましい構成において、複合ウェブに使用する材料は、外的に印加された力が解除された時、微小クレープ化された複合ウェブが格納性もしくは微小クレープ化された方位に戻ろうとする傾向を呈するように、選択される。このように、伸展性は一度限りの拡張または永久的な伸びというより、好ましくは、使用中の状態の全範囲に応答する繰り返し性である。
好ましい構成において、第１及び第２のトップシート層は、同一の広がりを持っており、両者とも吸収体の最外縁まで完全に伸びている。しかしながら、好ましい構成の他の変形では、第１と第２のトップシート層は、同一の広がりを持つ必要はない（つまり、それらは同じ全体的なサイズ及び／もしくは形状を持つ必要はない）。より詳細には、第１のトップシート層とバックシートが、総体的に吸収体の全体のサイズと形状を限定する一方、第２のトップシート層は、１つ以上の方向において、第１のトップシート層よりも横方向の大きさが小さくてもよい。したがって、第２のトップシート層は、第１のトップシート層とバックシートを接合する周囲ボンドを避けるように、第１のトップシート層より充分に小さくてもよい。
図５と図６には、２つの微小クレープ化プロセス及びその装置の概略的な構成が示されており、それらは本発明に従って複合トップシートウェブを形成するのに適していることが立証されている。図５と図６のプロセスによれば、複合ウェブ層は、既に互いに結合されている。つまり、各層を個々に微小クレープ化させた後に接着するよりもむしろ、複合ウェブの両方の層に対する微小クレープ化処理が同時に行われるように、（微小クレープ化プロセスを無傷で耐えるのに充分な程度に）、複合ウェブ層は、一体的に接着されている。
図５は、複合ウェブ100が円筒形ロール102とリターダーシュー103の間で引っ張られる時、調節用ブレード101が複合ウェブ100の最上部表面を遅らせ、それによって複合ウェブを機械方向に引き締めるようにする微小クレープ化プロセスの簡略図である。ガイドロール110または同様の装置は、導入されて来るクレープ化されていない複合ウェブ100をロール102と接触するように導く一方、第２の調節用ブレード104は、微小クレープ化されてロールからの送り出される複合ウェブ125の取り外しを助ける。図５に描かれたプロセスと装置のタイプは、1966年７月12日にWaltonに対して発行された米国特許第3,260,778号、及び1969年２月11日にWaltonに対して発行された米国特許第3,426,405号を含む多数の出版物に詳細に記載されており、これらの開示は参照してここに組み込まれる。
図６は、他の微小クレープ化プロセスの簡略図であり、上部円筒形ロール201と下部円筒形ロール202がそれらの最も近い点において、複合ウェブ200と接触するニップが形成されている。複合ウェブがニップを通って引っ張られる時、調節用ブレード203,204が複合ウェブの表面にリターディング力（抑制力）を発揮し、微小クレープ化された複合ウェブ225のロールの表面からの取り外しを助ける。図６に描かれたプロセスと装置のタイプは、1979年３月６日にWaltonらに対して発行された米国特許第4,142,278号、及び1992年６月２日にWaltonらに対して発行された米国特許第5,117,540号を含む多数の出版物に詳細に記載されており、これらの開示は参照してここに組み込まれる。
利用される微小クレープ化処理が、図５の装置あるいは図６の装置、あるいは微小クレープ化機能を有する適当な装置のいずれを介して達成されるかに関わりなく、結果的に生じるウェブの輪郭は、図４に描いたものと全体的かつ実質的に同じである。微小クレープ化プロセスは、機械方向に複合ウェブの圧密作用を生じさせ、材料自体を圧縮し、機械方向に交差する方向に沿って複合ウェブに連続した小さな微細ひだを付与する。その後、微小クレープ化された複合ウェブは、機械方向の力を受けると、複合ウェブは、小さな微細ひだの能力を介して伸展性を発揮し、外的に印加された力に追従して広がる。所望であれば、複合ウェブは、このように１つ以上の方向に伸展性を発揮するために、１つ以上の方向に連続しあるいは同時に微小クレープ化させてもよい。
吸収体用のトップシート材料として頻繁に利用されているある種の材料、また一般的に微小クレープ化プロセスに賦される材料とは異なり、本発明の三次元の肉眼で見ることが出来るように拡大された成形フィルムウェブは、それらの初期の成形された輪郭に戻ろうとする強い傾向を示す。より詳細には、成形フィルムは、その微小クレープ化される前の方位に戻ろうとする傾向がある。この傾向を克服するために、本発明によれば、成形フィルム層を含む複合ウェブの材料は、微小クレープ化手順の間に高設温度に曝され、その後、環境温度まで冷却される。高める温度としては、好ましくは、重合体フィルム材料のガラス転移点温度以上であり（好ましくは、複合ウェブの他の合成成分のガラス転移点温度以上であり）、その後、複合ウェブが微小クレープ化される前の輪郭に戻る前に、複合ウェブを環境温度に戻すことによって、複合ウェブが「閉じ込められた」方位である微小クレープ化された方位に留まるように、分子構造を微小クレープ化プロセスの間に再び方位付けることができるようにする。好ましい構成において、上述の材料に適していると立証されている上昇した温度は、約95゜Fから約120゜Fの範囲にある。利用される特定の材料に応じて、微小クレープ化温度は、所望の微小クレープ化された輪郭を得て、その方位を維持するように調整することができる。例を挙げると、加熱ロール及び過熱空気流等の、業界で公知の適切な方法によって複合ウェブの温度を上昇させるために、複合ウェブに熱を加えてもよく、また同様に微小クレープで覆われた複合ウェブの冷却も、チルドロール、冷たい空気流等の従来の方法によって行うことができる。微小クレープ化プロセスが完了した後、複合ウェブを更に処理し、あるいは後の使用のために保存できる。
本発明のプロセスの１つの変形として、成形フィルムの着用者に接触する表面を微小クレープ化装置のロール、リターダー及びもしくは調節用ブレードと接触しないように保護することによって、成形フィルムの構造及び表面特徴を適切に保護してもよい。複合ウェブの成形フィルム層の保護は、２つの同様の別個の複合ウェブを互いに対向する成形フィルム側と結合し、重ね合せることによって、あるいは１つの複合ウェブをそれ自体の上に縦に折り畳むか、あるいは複合ウェブの成形フィルム層の上に別の繊維状ウェブを重ね合せることによって、あるいは他の適当な方法で達成することができる。このように、比較的により耐性のある繊維質材料の故に、複合ウェブの成形フィルム層は、処理中に直接的な剪断力、摩損、及び熱に曝されることから保護される。保護された複合ウェブのマイクロクレーピングが行われた後、別の保護繊維状ウェブ（または付加的な複合ウェブ）を取り除き、複合ウェブを更に後の使用のために処理または保管してもよい。
図７には、本発明の変形例に係るプロセスが示されており、（供給ロール106から供給された）複合ウェブ100の成形フィルム層上への、また図５に示した微小クレープ化装置への、フィードロール105から他の繊維質材料107のシートが供給されている状態が示されている。そして、微小クレープ化手順が完了した後、微小クレープ化された別のシート108は、微小クレープ化された複合ウェブ125から分離される。
図８には、本発明の他の変形例に係るプロセスが示されており、ガイドロール210を通して、図６に描かれた微小クレープ化装置に対して、２つのフィードロール205,206から２つの複合ウェブ200が供給されている状態が示されている。この場合、各々の複合ウェブの成形フィルム側が互いに向き合い、繊維層がマイクロクレーピング装置に向かって外側に向いている。この方法によれば、装置は各々の複合ウェブの繊維層と接触して作用し、微小クレープ化機能を果たし、その後更に独立した処理のために、微小クレープ化された複合ウェブ225を分離することができる。
図７は、図５の１ロールの微小クレープ化装置と共に別の繊維状ウェブの使用を描き、図８は、図６の２ロールの微小クレープ化装置と共に２つの複合ウェブの使用を描いているが、複合ウェブの成形フィルム層を保護するいずれの方法をいずれのタイプの微小クレープ化装置と共に使用してもよいことを認識すべきである。更に、当て物をされたベルトを再循環させるとか、他の適当な方法等、処理中に成形フィルム層を保護する他の手段を使用してもよい。
当業者に公知の方法で、また例えば、既に参照してここに組み込んだ前述のWalton/Wlatonらの特許において記載されているように、特定の複合ウェブの構成にとって望ましい微小クレープ化特徴を提供するために、微小クレープ化プロセスの様々なパラメーター及び条件を調整してもよい。例として、ロール及び調節用ブレードによって複合ウェブに付与される圧力を所望のように調節してもよく、一般に圧力が大きくなるにつれて、より高い微小クレープ化が実現される。ロール／複合ウェブ／調節用ブレードの界面に対して、調節用ブレードの角度を所望通りに調節してもよく、様々なタイプ／デザインの調節用ブレードを利用できるが、現在好まれているのはくっつかない表面を有するブレードである。微小クレープ化操作中の複合ウェブの張力を所望のように調節してもよく、一般に張力レベルが大きくなるにつれて、低レベルの微小クレープ化、即ち、低レベルの伸展性を作り出す傾向がある。更に、その平滑潤滑性及び／もしくは処理可能性を高めるために、微小クレープ化プロセスの前またはプロセス中に、例えば、シリコンコーティング、界面活性剤等の様々な添加剤を成形フィルム層及び／もしくは繊維層の材料に混合してもよいし、あるいはそれらの表面に塗布してもよい。
特定のアプリケーションに対する適合を決定する際に、複合ウェブに付与される伸展性の程度が重要であるばかりでなく、外力に対するウェブの反応性も重要である。より詳細には、吸収体において使用するために複合トップシート材料を選択する際に、比較的低い伸長力、つまり低い弾性率を有する材料を選択することが特に望ましいことが分かっている。したがって、このような材料は、付加的な弾性及び／もしくは剛性を吸収体に加えることなく、外力に反応し、また着用者に対する快適さに悪い影響を与えない。
本発明の特定の態様を図示し、説明してきたが、当業者には発明の精神及び範囲を逸脱することなく幾多の変更及び修正を行えることが明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるこのような変更及び修正の全てを添付クレームにわたることが意図される。

Claims (8)

1. 伸縮性のある、伸展性の、分泌液浸透性の複合ウェブであって、
   （ａ）孔の開いた三次元構造の成形フィルム層と；
   （ｂ）前記成形フィルム層の片側に接着された繊維状の不織層と；
   を備えており、
   前記複合ウェブは、少なくとも１つの方向に微小クレープ化されており、その結果、前記複合ウェブは前記方向への進展性を有し、前記成形フィルム層は三次元構造を維持している、ことを特徴とする複合ウェブ。
2. 前記複合ウェブが１つ以上の方向への伸展性を示すように、前記複合ウェブは１つ以上の方向に微小クレープ化されている、ことを特徴とする請求項１に記載の複合ウェブ。
3. （ａ）（ｉ）孔の開いた三次元構造の成形フィルム層と、
   （ii）前記成形フィルム層の片側に接着された繊維状の不織層と、
   を含んでいて、身体に面する側面と衣類に面する側面とを有し、伸縮性のある伸展性の分泌液浸透性の複合ウエブトップシートと；
   （ｂ）身体に面する表面と衣類に面する表面とを有し、前記複合ウエブトップシートの下に置かれている吸収芯と；そして、
   （ｃ）身体に面する表面と衣類に面する表面とを有し、前記吸収芯の下に置かれているバックシートと；
   を備えており、
   前記複合ウエブトップシートは、少なくとも１つの方向に微小クレープ化されており、その結果、前記複合ウエブトップシートは前記方向への進展性を有し、前記成形フィルム層は三次元構造を維持している、ことを特徴とする吸収体。
4. 前記成形フィルム層は、前記複合ウェブトップシートの前記身体に面する側面を備え、前記繊維状の層は前記複合ウェブトップシートの前記衣類に面する側面を備える、ことを特徴とする請求項３に記載の吸収体。
5. 前記吸収体は、縦の中心線と横の中心線とを有し、前記方向が前記縦の中心線に対し並列である、ことを特徴とする請求項３又は４に記載の吸収体。
6. 伸縮性のある、伸展性の、分泌液浸透性の複合ウェブを製造する方法であって：
   （ａ）孔の開いた三次元構造の成形フィルム層を提供する工程と；
   （ｂ）繊維状の不織層を提供する工程と；
   （ｃ）前記成形フィルム層の片側に前記繊維状の層を接着して複合ウェブを形成する工程と；そして、
   （ｄ）微小クレープ化装置を介して前記複合ウェブを少なくとも１つの方向に微小クレープ化させて、前記複合ウェブをその方向に収縮させ、且つ、前記成形フィルム層が三次元構造を維持する、工程と；
   を備えている、ことを特徴とする複合ウェブの製造方法。
7. 繊維状の不織材料の追加のウエブが前記成形フィルム層の上に置かれて、前記微小クレープ化工程の前に前記成形フィルム層が前記追加のウエブと前記繊維状の層との間に配置され、前記成形フィルム層と前記微小クレープ化装置との間の直接接触が防止される、ことを特徴とする請求項６に記載の複合ウェブの製造方法。
8. 前記追加のウェブは、成形フィルム／繊維状層の積層ウェブを備えており、前記追加のウェブは、前記追加のウェブの成形フィルムと前記複合ウェブとが互いに直接接触し、前記追加のウェブの繊維状層と前記複合ウェブが互いに遠ざかる方向に向くように、方向付けされている、ことを特徴とする請求項７に記載の複合ウェブの製造方法。

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