JP3627689B2 - 湿度調整装置およびそれを用いた空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、加湿運転または除湿運転の少なくとも一方を行う湿度調整装置および空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、湿度調整装置としては、吸着ロータで水分を吸着,脱着させるものがある。この温度調整装置は、吸着ロータを駆動するモータがロックしたり、水分を吸着させる吸着ファンを駆動するモータがロックした場合、吸着ロータが乾燥して、吸着ロータの脱着領域の下流側の加湿空気の温度が上昇するため、温度センサによって加湿空気の温度上昇を判断し、ヒータの出力を低下させたりヒータをオフにしたりしている。ところが、室外空気の相対湿度が低くなった場合も加湿空気の温度が上昇するので、ユーザーは、機械の故障なのかまたは室外空気の相対湿度の低下による一時的な保護なのかを認識できなかった。上記吸着ロータを回転させるモータおよび吸着ファンのモータのロックを検出できればよいが、モータのロックを機械的,光学的および電気的な手段により認識しようとすると、コストが高くつくという問題がある。
【0003】
そこで、この発明の目的は、専用のセンサを用いることなく吸着ロータや吸着ファンのロックを低コストで確実に検出できると共に、吸着ロータや吸着ファンがロックしたことをユーザーに知らせることができる湿度調整装置およびそれを用いた空気調和機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の湿度調整装置は、吸着ロータと、上記吸着ロータを経由する吸着通路に設けられた吸着ファンと、上記吸着ロータを経由する脱着通路に設けられた脱着ファンと、上記脱着通路の上記吸着ロータよりも上流側に設けられたヒータとを備え、加湿運転または除湿運転の少なくとも一方を行う湿度調整装置であって、上記脱着通路の上記吸着ロータの下流側の加湿空気の温度を検出する加湿空気温度センサと、上記加湿空気温度センサにより検出された加湿空気の温度が上昇するときの温度勾配が所定値以上のときに上記吸着ロータまたは上記吸着ファンの回転がロックしたことを検出するロック検出手段とを備えたことを特徴としている。
【0005】
上記請求項1の湿度調整装置によれば、上記吸着通路に設けられた吸着ファンにより上記吸着ロータに外気を通過させて、外気から吸着ロータの吸着通路に面する領域に水分を吸着させて除湿する。一方、上記脱着通路に設けられた脱着ファンによって吸着ロータにヒータで加熱された外気を通過させて、吸着ロータの脱着通路に面する領域の水分を脱着させて加湿する。このとき、上記吸着ロータまたは吸着ファンの回転がロック(異常による停止)した場合、吸着ロータに吸着していた水分がなくなり水分の放出がないので、加湿空気の相対湿度が低下し、それと共に加湿空気の温度が急上昇する(気化熱による冷却がなくなるため)。そこで、上記加湿空気温度センサにより脱着通路の吸着ロータの下流側の加湿空気の温度を検出して、上記ロック検出手段によって、加湿空気温度センサにより検出された加湿空気の温度が上昇するときの温度勾配が所定値以上であるときに吸着ロータまたは吸着ファンの回転がロックしたことを検出する。したがって、専用のセンサを用いることなく、吸着ロータや吸着ファンのロックを低コストで正確に検出できる。
【0006】
また、請求項2の湿度調整装置は、吸着ロータと、上記吸着ロータを経由する吸着通路に設けられた吸着ファンと、上記吸着ロータを経由する脱着通路に設けられた脱着ファンと、上記脱着通路の上記吸着ロータよりも上流側に設けられたヒータとを備え、加湿運転または除湿運転の少なくとも一方を行う湿度調整装置であって、室外空気の温度を検出する外気温度センサと、上記脱着通路の上記吸着ロータの下流側の加湿空気の温度を検出する加湿空気温度センサと、上記外気温度センサにより検出された室外空気の温度と上記加湿空気温度センサにより検出された加湿空気の温度との温度差が増大するときの温度差の勾配が所定値以上のときに上記吸着ロータまたは上記吸着ファンの回転がロックしたことを検出するロック検出手段とを備えたことを特徴としている。
【0007】
上記請求項2の湿度調整装置によれば、上記吸着通路に設けられた吸着ファンにより上記吸着ロータに外気を通過させて、外気から吸着ロータの吸着通路に面する領域に水分を吸着させて除湿する。一方、上記脱着通路に設けられた脱着ファンによって吸着ロータにヒータで加熱された外気を通過させて、吸着ロータの脱着通路に面する領域の水分を脱着させて加湿する。このとき、上記吸着ロータまたは吸着ファンの回転がロック(異常による停止)した場合、吸着ロータに吸着していた水分がなくなり水分の放出がないので、加湿空気の相対湿度が低下し、それと共に加湿空気の温度が急上昇する。そこで、上記外気温度センサにより室外空気の温度を検出すると共に、加湿空気温度センサにより脱着通路の吸着ロータの下流側の加湿空気の温度を検出して、上記ロック検出手段によって、外気温度センサにより検出された室外空気の温度と加湿空気温度センサにより検出された加湿空気の温度との温度差が増大するときの温度差の勾配が所定値以上のときに吸着ロータまたは吸着ファンの回転がロックしたことを検出する。これにより、室外空気の温度の変化に影響されることなく、専用のセンサを用いることもなく、吸着ロータや吸着ファンのロックを低コストで確実に検出できる。
【0008】
また、請求項3の湿度調整装置は、吸着ロータと、上記吸着ロータを経由する吸着通路に設けられた吸着ファンと、上記吸着ロータを経由する脱着通路に設けられた脱着ファンと、上記脱着通路の上記吸着ロータよりも上流側に設けられたヒータとを備え、加湿運転または除湿運転の少なくとも一方を行う湿度調整装置であって、室外空気の温度を検出する外気温度センサと、上記吸着通路の上記吸着ロータの下流側の除湿空気の温度を検出する除湿空気温度センサと、上記除湿空気温度センサにより検出された除湿空気の温度が上記外気温度センサによって検出された室外空気の温度より一定値以上上昇しないとき、上記吸着ロータまたは上記吸着ファンの回転がロックしたことを検出するロック検出手段とを備えたことを特徴としている。
【0009】
上記請求項3の湿度調整装置によれば、上記吸着通路に設けられた吸着ファンにより上記吸着ロータに外気を通過させて、外気から吸着ロータの吸着通路に面する領域に水分を吸着させて除湿する。このとき、上記吸着ロータまたは吸着ファンの回転がロック(異常による停止)した場合、吸着ロータから吸着通路への熱ロスが無くなるため、吸着通路の空気の温度上昇がない。そこで、上記除湿空気温度センサにより除湿空気の温度を検出して、上記ロック検出手段によって、上記除湿空気温度センサにより検出された除湿空気の温度が上記外気温度センサにより検出された室外空気の温度より一定値以上上昇しないとき、吸着ロータまたは吸着ファンの回転がロックしたことを検出する。これにより、専用のセンサを用いることなく、吸着ロータや吸着ファンのロックを低コストで確実に検出できる。
【0010】
また、請求項4の湿度調整装置は、吸着ロータと、上記吸着ロータを経由する吸着通路に設けられた吸着ファンと、上記吸着ロータを経由する脱着通路に設けられた脱着ファンと、上記脱着通路の上記吸着ロータよりも上流側に設けられたヒータとを備え、加湿運転または除湿運転の少なくとも一方を行う湿度調整装置であって、上記脱着通路の上記吸着ロータの下流側の加湿空気の温度を検出する加湿空気温度センサと、上記吸着通路の上記吸着ロータの下流側の除湿空気の温度を検出する除湿空気温度センサと、上記加湿空気温度センサにより検出された加湿空気の温度が上昇するときの温度勾配が加湿空気用所定値以上で、かつ、上記除湿空気温度センサにより検出された除湿空気の温度が下降するときの温度勾配が除湿空気用所定値以上であるとき、上記吸着ロータまたは上記吸着ファンの回転がロックしたことを検出するロック検出手段とを備えたことを特徴としている。
【0011】
上記請求項4の湿度調整装置によれば、上記吸着通路に設けられた吸着ファンにより上記吸着ロータに外気を通過させて、外気から吸着ロータの吸着通路に面する領域に水分を吸着させて除湿する。一方、上記脱着通路に設けられた脱着ファンによって吸着ロータにヒータで加熱された外気を通過させて、吸着ロータの脱着通路に面する領域の水分を脱着させて加湿する。このとき、上記吸着ロータまたは吸着ファンの回転がロック(異常による停止)した場合、吸着ロータに吸着していた水分がなくなり水分の放出がないので、加湿空気の相対湿度が低下し、それと共に加湿空気の温度が急上昇する。そこで、上記加湿空気温度センサにより脱着通路の吸着ロータの下流側の加湿空気の温度を検出すると共に、除湿空気温度センサにより除湿空気の温度を検出して、上記ロック検出手段によって、加湿空気温度センサにより検出された加湿空気の温度が上昇するときの温度勾配が加湿空気用所定値以上で、かつ、上記除湿空気温度センサにより検出された除湿空気の温度が下降するときの温度勾配が除湿空気用所定値以上であるとき、吸着ロータまたは吸着ファンの回転がロックしたことを検出する。これにより、専用のセンサを用いることなく、吸着ロータや吸着ファンのロックを低コストで確実に検出できる。
【0012】
また、請求項5の湿度調整装置は、吸着ロータと、上記吸着ロータを経由する吸着通路に設けられた吸着ファンと、上記吸着ロータを経由する脱着通路に設けられた脱着ファンと、上記脱着通路の上記吸着ロータよりも上流側に設けられたヒータとを備え、加湿運転または除湿運転の少なくとも一方を行う湿度調整装置であって、上記脱着通路の上記吸着ロータの下流側の加湿空気の相対湿度を検出する加湿空気湿度センサと、上記加湿空気湿度センサにより検出された加湿空気の相対湿度が下降するときの相対湿度の勾配が所定値以上のときに上記吸着ロータまたは上記吸着ファンの回転がロックしたことを検出するロック検出手段とを備えたことを特徴としている。
【0013】
上記請求項5の湿度調整装置によれば、上記吸着通路に設けられた吸着ファンにより上記吸着ロータに外気を通過させて、外気から吸着ロータの吸着通路に面する領域に水分を吸着させて除湿する。一方、上記脱着通路に設けられた脱着ファンによって吸着ロータにヒータで加熱された外気を通過させて、吸着ロータの脱着通路に面する領域の水分を脱着させて加湿する。このとき、上記吸着ロータまたは吸着ファンの回転がロック(異常による停止)した場合、吸着ロータに吸着していた水分がなくなり水分の放出がないので、加湿空気の相対湿度が低下し、それと共に加湿空気の温度が急上昇する。そこで、上記加湿空気湿度センサにより脱着通路の吸着ロータの下流側の加湿空気の相対湿度を検出して、上記ロック検出手段によって加湿空気湿度センサにより検出された加湿空気の相対湿度が下降するときの相対湿度勾配が所定値以上であるときに吸着ロータまたは吸着ファンの回転がロックしたことを検出する。したがって、専用のセンサを用いることなく、加湿空気の湿度制御用の湿度センサを用いて吸着ロータや吸着ファンのロックを検出できる。
【0014】
また、請求項6の湿度調整装置は、請求項1乃至5のいずれか1つに記載の湿度調整装置において、上記ロック検出手段により上記吸着ロータまたは上記吸着ファンの回転がロックしたときに人に通知する通知手段を備えたことを特徴としている。
【0015】
上記請求項6の湿度調整装置によれば、上記通知手段によって、吸着ロータまたは吸着ファンの回転がロックしたことをユーザーに知らせることができ、それによってユーザーは適切な対応ができる。
【0016】
また、請求項7の空気調和機は、請求項1乃至6のいずれか1つの湿度調整装置を用いたことを特徴としている。
【0017】
上記請求項6の空気調和機によれば、上記湿度調整装置の吸着ロータや吸着ファンのロックを専用のセンサを用いることなく低コストで確実に検出できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の湿度調整装置およびそれを用いた空気調和機を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1はこの発明の第1実施形態の湿度調整装置としての加湿装置を用いた空気調和機の要部の構成図であり、この空気調和機は、室内ユニット1と、室外ユニット2と、上記室外ユニット2の上部に配置された加湿装置3とを備えている。上記室内ユニット1と加湿装置3とを搬送通路としての加湿ダクト4を介して接続している。この加湿装置3を用いた空気調和機は、加湿装置3から加湿ダクト4を介して室内ユニット1に加湿空気を供給して、室内を加湿する。
【0020】
また、図2は図1の要部のブロック図を示しており、加湿装置3は、ケーシング(図示せず)内に円板状の吸着ロータ11を配置している。この吸着ロータ11は、シリカゲル,ゼオライト,アルミナ等の吸着材が例えばハニカム状または多孔多粒状に成形されており、軸11aを中心に吸着ロータ用モータ12によって回転する。また、上記ケーシング内を仕切り板(図示せず)で仕切って、吸着ロータ11の各部を経由する吸着通路Aと脱着通路Bとを形成している。上記吸着通路Aの吸着ロータ11よりも下流側に吸着ファン13を設け、その吸着ファン13を駆動する吸着ファン用モータ14を設けている。上記吸着ロータ11は、吸着通路Aを矢印の方向に流れる空気から吸湿する(水分を吸着する)。
【0021】
一方、上記脱着通路Bの吸着ロータ11よりも下流側に脱着ファン15を設け、その脱着ファン15を駆動する脱着ファン用モータ16を設けて、空気を矢印に示すように吸引して流すようにしている。上記脱着通路Bの吸着ロータ11よりも上流側の部分にヒータ17を設けて、このヒータ17で加熱された空気が吸着ロータ11を通るときに、吸着ロータ11によって加湿される(吸着ロータ11から水分を脱着する)。このように、上記吸着通路Aの空気から吸着ロータ11が吸着した水分は、ヒータ17によって加熱された空気によって脱着されて、この空気が加湿される。そうして加湿された空気は、脱着ファン15によって加湿ダクト4に送られる。
【0022】
また、図2は上記空気調和機の要部の構成図である。図2において、21は上記加湿ダクト4の脱着ファン15の下流側近傍に配置され、加湿空気の温度を検出する加湿空気温度センサ、22は室外空気の温度を検出する外気温度センサとしての室外温度センサ、23は室外空気の相対湿度を検出する室外湿度センサである。また、31は室内ファン(図示せず)等を制御する室内制御部、32は上記加湿空気温度センサ21,室外温度センサ22および室外温度センサ23からの信号を受けて、圧縮機(図示せず)等を制御する室外制御部、33は上記室外制御部32からの信号を受けて、加湿運転を制御する加湿運転制御部である。上記室外制御部32は、吸着ロータ11または吸着ファン13の回転がロックしたことを検出するロック検出手段32aを有している。また、上記加湿運転制御部33は、吸着ロータ用モータ12,吸着ファン用モータ14,脱着ファン用モータ16およびヒータ17を制御する。
【0023】
また、室内ユニット本体5に通知手段としての表示部6を備え、この表示部6は、ロック検出手段32aにより検出された吸着ロータ11(または吸着ファン13)のロックを表示して、ユーザーに通知する。
【0024】
図3は上記加湿運転制御部33のロック検出処理を説明するフローチャートを示している。以下、図3に従って吸着ロータ11のロックを検出する処理について説明する。
【0025】
まず、処理がスタートすると、ステップS1で加湿運転を開始する。
次に、ステップS2に進み、加湿量が急激に低下するような現象を認識したか否かを判別する。すなわち、吸着ロータ11または吸着ファン13がロック状態になると、脱着通路Bに面する吸着ロータ11の領域が乾燥し、水分の脱着が行われなくなって気化熱が奪われなくなるため、加湿空気(実際には加湿量が急減に低下して乾燥)の温度が急上昇する。そこで、上記加湿空気温度センサ21により検出された加湿空気の温度が上昇したときの温度勾配が所定値以上であるか否かを判別することにより、加湿量が急減に低下したかどうかを判別するのである。
そして、ステップS2で加湿量が急激に低下するような現象を認識した場合、ステップS3に進む一方、ステップS2で加湿量が急激に低下するような現象を認識しない場合、ステップS7に進み、正常であると判定して、ステップS2に戻る。
また、ステップS3で吸着ロータ11(または吸着ファン13)を回転させるモータ以外のアクチュエータが正常か否かを判別して、吸着ロータ11(または吸着ファン13)を回転させるモータ以外のアクチュエータが正常であると判別すると、ステップS4に進み、吸着ロータ11がロック状態であると判定して、ステップS6に進む。
一方、ステップS3で吸着ロータ11(または吸着ファン13)を回転させるモータ以外のアクチュエータが正常でないと判別すると、ステップS5に進み、吸着ロータ11(または吸着ファン13)のロック以外の異常であると判定して、ステップS6に進む。
そして、ステップS6で表示部6に故障内容を表示することによりユーザに故障を認識させて、ステップS2に戻る。
【0026】
このように、上記第1実施形態の湿度調整装置としての加湿装置を用いた空気調和機では、専用のセンサを用いることなく、吸着ロータ11や吸着ファン13のロックを低コストで正確に検出できる。
【0027】
また、上記表示部6によって、吸着ロー11または吸着ファン13の回転がロックしたことをユーザーに知らせることができ、それによってユーザーは適切な対応が迅速に行える。
【0028】
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態の湿度調整装置としての加湿装置を用いた空気調和機について説明する。この第2実施形態の加湿装置を用いた空気調和機は、ロック検出手段の処理を除いて第1実施形態の加湿装置を用いた空気調和機と同一の構成をしており、図1を援用する。
【0029】
上記加湿装置を用いた空気調和機では、室外温度センサ22により検出された室外空気の温度と加湿空気温度センサ21により検出された加湿空気の温度との温度差が増大するときの温度差の勾配が所定値以上のときに、ロック検出手段32aによって吸着ロータ11または吸着ファン13の回転がロックしたことを検出する。すなわち、加湿量が急激に低下するような現象が発生したことを認識するのである。これにより、外気の温度の変化に影響されることなく、専用のセンサを用いることもなく、吸着ロータ11や吸着ファン13のロックを低コストで確実に検出することができる。
【0030】
また、第1実施形態の加湿装置を用いた空気調和機と同様に、表示部6によって、吸着ロー11または吸着ファン13の回転がロックしたことをユーザーに知らせることができ、それによってユーザーは適切な対応が迅速に行える。
【0031】
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態の湿度調整装置としての加湿装置を用いた空気調和機について説明する。この第3実施形態の加湿装置を用いた空気調和機は、ロック検出手段の処理と除湿空気温度センサを除いて第1実施形態の加湿装置を用いた空気調和機と同一の構成をしており、図1を援用する。なお、この加湿装置を用いた空気調和機は、脱着通路Aの吸着ロータ11の下流側の除湿空気の温度を検出する除湿空気温度センサ25を備えている。上記除湿空気温度センサ25の信号は、加湿運転制御部33を介して室外制御部32に入力される。
【0032】
上記加湿装置を用いた空気調和機では、加湿空気温度センサ21により検出された加湿空気の温度が上昇するときの温度勾配が加湿空気用所定値以上で、かつ、除湿空気温度センサ25により検出された除湿空気の温度が下降するときの温度勾配が除湿空気用所定値以上であるときに、ロック検出手段32aによって吸着ロータ11または吸着ファン13の回転がロックしたことを検出する。すなわち、加湿量が急激に低下するような現象が発生したことを認識するのである。これにより、専用のセンサを用いることなく、吸着ロータ11や吸着ファン13のロックを低コストで確実に検出することができる。
【0033】
また、第1実施形態の加湿装置を用いた空気調和機と同様に、表示部6によって、吸着ロー11または吸着ファン13の回転がロックしたことをユーザーに知らせることができ、それによってユーザーは適切な対応が迅速に行える。
【0034】
(第4実施形態)
次に、この発明の第4実施形態の湿度調整装置としての加湿装置を用いた空気調和機について説明する。この第4実施形態の加湿装置を用いた空気調和機は、ロック検出手段の処理と加湿空気湿度センサを除いて第1実施形態の加湿装置を用いた空気調和機と同一の構成をしており、図1を援用する。上記加湿装置を用いた空気調和機では、加湿空気温度センサ21の代わりに加湿空気湿度センサ24を配置している。この加湿空気湿度センサ24は、加湿空気の湿度制御に用いられる。
【0035】
上記加湿装置を用いた空気調和機では、加湿空気湿度センサ24により検出された加湿空気の相対湿度が下降するときの相対湿度勾配が所定値以上であるときに、ロック検出手段32aによって吸着ロータ11または吸着ファン13の回転がロックしたことを検出する。すなわち、加湿量が急激に低下するような現象が発生したことを認識するのである。これにより、専用のセンサを用いることなく、加湿空気の湿度制御用の湿度センサを用いて吸着ロータ11や吸着ファン13のロックを低コストで確実に検出することができる。
【0036】
また、第1実施形態の加湿装置を用いた空気調和機と同様に、表示部6によって、吸着ロー11または吸着ファン13の回転がロックしたことをユーザーに知らせることができ、それによってユーザーは適切な対応が迅速に行える。
【0037】
上記第1〜第4実施形態では、湿度調整装置として加湿装置を用いた空気調和機について説明したが、除湿運転を行う湿度調整装置にこの発明を適用してもよいし、加湿と除湿の両方の機能を有する湿度調整装置にこの発明を適用してもよい。
【0038】
また、上記第1〜第4実施形態の加湿装置を用いた空気調和機におけるロック検出方法のうちの少なくとも2つを組み合わせて、吸着ロータまたは吸着ファンの回転のロックを検出してもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1の発明の湿度調整装置は、吸着ロータと、上記吸着ロータを経由する吸着通路に設けられた吸着ファンと、上記吸着ロータを経由する脱着通路に設けられた脱着ファンと、上記脱着通路の吸着ロータよりも上流側に設けられたヒータとを備え、加湿運転または除湿運転の少なくとも一方を行う湿度調整装置であって、加湿空気温度センサにより脱着通路の吸着ロータの下流側の加湿空気の温度を検出して、ロック検出手段によって、加湿空気温度センサにより検出された加湿空気の温度が上昇するときの温度勾配が所定値以上であるときに吸着ロータまたは吸着ファンの回転がロックしたことを検出するので、専用のセンサを用いることなく、吸着ロータや吸着ファンのロックを低コストで正確に検出することができる。
【0040】
また、請求項2の発明の湿度調整装置は、吸着ロータと、上記吸着ロータを経由する吸着通路に設けられた吸着ファンと、上記吸着ロータを経由する脱着通路に設けられた脱着ファンと、上記脱着通路の吸着ロータよりも上流側に設けられたヒータとを備え、加湿運転または除湿運転の少なくとも一方を行う湿度調整装置であって、外気温度センサにより室外空気の温度を検出すると共に、加湿空気温度センサにより脱着通路の吸着ロータの下流側の加湿空気の温度を検出して、ロック検出手段によって、外気温度センサにより検出された室外空気の温度と加湿空気温度センサにより検出された加湿空気の温度との温度差が増大するときの温度差の勾配が所定値以上のときに吸着ロータまたは吸着ファンの回転がロックしたことを検出するので、外気の温度の変化に影響されることなく、専用のセンサを用いることもなく、吸着ロータや吸着ファンのロックを低コストで確実に検出することができる。
【0041】
また、請求項3の発明の湿度調整装置は、吸着ロータと、上記吸着ロータを経由する吸着通路に設けられた吸着ファンと、上記吸着ロータを経由する脱着通路に設けられた脱着ファンと、上記脱着通路の吸着ロータよりも上流側に設けられたヒータとを備え、加湿運転または除湿運転の少なくとも一方を行う湿度調整装置であって、外気温度センサにより室外空気の温度を検出すると共に、除湿空気温度センサにより除湿空気の温度を検出して、ロック検出手段によって、上記除湿空気温度センサにより検出された除湿空気の温度が外気温度センサにより検出された室外空気の温度より一定値以上上昇しないとき、吸着ロータまたは吸着ファンの回転がロックしたことを検出するので、専用のセンサを用いることなく、吸着ロータや吸着ファンのロックを低コストで確実に検出することができる。
【0042】
また、請求項4の発明の湿度調整装置は、吸着ロータと、上記吸着ロータを経由する吸着通路に設けられた吸着ファンと、上記吸着ロータを経由する脱着通路に設けられた脱着ファンと、上記脱着通路の吸着ロータよりも上流側に設けられたヒータとを備え、加湿運転または除湿運転の少なくとも一方を行う湿度調整装置であって、加湿空気温度センサにより脱着通路の吸着ロータの下流側の加湿空気の温度を検出すると共に、除湿空気温度センサにより除湿空気の温度を検出して、ロック検出手段によって、加湿空気温度センサにより検出された加湿空気の温度が上昇するときの温度勾配が加湿空気用所定値以上で、かつ、上記除湿空気温度センサにより検出された除湿空気の温度が下降するときの温度勾配が除湿空気用所定値以上であるとき、吸着ロータまたは吸着ファンの回転がロックしたことを検出するので、専用のセンサを用いることなく、吸着ロータや吸着ファンのロックを低コストで確実に検出することができる。
【0043】
また、請求項5の発明の湿度調整装置は、吸着ロータと、上記吸着ロータを経由する吸着通路に設けられた吸着ファンと、上記吸着ロータを経由する脱着通路に設けられた脱着ファンと、上記脱着通路の吸着ロータよりも上流側に設けられたヒータとを備え、加湿運転または除湿運転の少なくとも一方を行う湿度調整装置であって、加湿空気湿度センサにより脱着通路の吸着ロータの下流側の加湿空気の相対湿度を検出して、ロック検出手段によって加湿空気湿度センサにより検出された加湿空気の相対湿度が下降するときの相対湿度勾配が所定値以上であるときに吸着ロータまたは吸着ファンの回転がロックしたことを検出するので、専用のセンサを用いることなく、加湿空気の湿度制御用の湿度センサを用いて吸着ロータや吸着ファンのロックを検出することができる。
【0044】
また、請求項6の発明の湿度調整装置は、請求項1乃至5のいずれか1つに記載の湿度調整装置において、上記ロック検出手段により上記吸着ロータまたは上記吸着ファンの回転がロックしたときに通知手段によって人にそのことを知らせることができ、それによってユーザーは適切に対応することができる。
【0045】
また、請求項7の発明の空気調和機は、請求項1乃至6のいずれか1つの湿度調整装置の吸着ロータや吸着ファンのロックを専用のセンサを用いることなく低コストで低コストで確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の第1実施形態の加湿装置を用いた空気調和機の概略ブロック図である。
【図2】図2は上記空気調和機の要部の構成図である。
【図3】図3は上記空気調和機の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…室内ユニット、
2…室外ユニット、
3…湿度調整装置、
4…加湿ダクト、
5…室内ユニット本体、
6…表示部、
11…吸着ロータ、
12…吸着ロータ用モータ、
13…吸着ファン、
14…吸着ファン用モータ、
15…脱着ファン、
16…脱着ファン用モータ、
17…ヒータ、
21…加湿空気温度センサ、
22…室外温度センサ、
23…室外湿度センサ、
24…加湿空気湿度センサ、
25…除湿空気温度センサ、
31…室内制御部、
32…室外制御部、
32a…ロック検出手段、
33…加湿運転制御部。
Claims (7)
- 吸着ロータ(11)と、上記吸着ロータ(11)を経由する吸着通路に設けられた吸着ファン(13)と、上記吸着ロータ(11)を経由する脱着通路に設けられた脱着ファン(15)と、上記脱着通路の上記吸着ロータ(11)よりも上流側に設けられたヒータ(17)とを備え、加湿運転または除湿運転の少なくとも一方を行う湿度調整装置であって、
上記脱着通路の上記吸着ロータ(11)の下流側の加湿空気の温度を検出する加湿空気温度センサ(21)と、
上記加湿空気温度センサ(21)により検出された加湿空気の温度が上昇するときの温度勾配が所定値以上のときに上記吸着ロータ(11)または上記吸着ファン(13)の回転がロックしたことを検出するロック検出手段(32a)とを備えたことを特徴とする湿度調整装置。 - 吸着ロータ(11)と、上記吸着ロータ(11)を経由する吸着通路に設けられた吸着ファン(13)と、上記吸着ロータ(11)を経由する脱着通路に設けられた脱着ファン(15)と、上記脱着通路の上記吸着ロータ(11)よりも上流側に設けられたヒータ(17)とを備え、加湿運転または除湿運転の少なくとも一方を行う湿度調整装置であって、
室外空気の温度を検出する外気温度センサ(22)と、
上記脱着通路の上記吸着ロータ(11)の下流側の加湿空気の温度を検出する加湿空気温度センサ(21)と、
上記外気温度センサ(22)により検出された室外空気の温度と上記加湿空気温度センサ(21)により検出された加湿空気の温度との温度差が増大するときの温度差の勾配が所定値以上のときに上記吸着ロータ(11)または上記吸着ファン(13)の回転がロックしたことを検出するロック検出手段(32a)とを備えたことを特徴とする湿度調整装置。 - 吸着ロータ(11)と、上記吸着ロータ(11)を経由する吸着通路に設けられた吸着ファン(13)と、上記吸着ロータ(11)を経由する脱着通路に設けられた脱着ファン(15)と、上記脱着通路の上記吸着ロータ(11)よりも上流側に設けられたヒータ(17)とを備え、加湿運転または除湿運転の少なくとも一方を行う湿度調整装置であって、
室外空気の温度を検出する外気温度センサ(22)と
上記吸着通路の上記吸着ロータ(11)の下流側の除湿空気の温度を検出する除湿空気温度センサ(25)と、
上記除湿空気温度センサに(25)より検出された除湿空気の温度が上記外気温度センサ(22)によって検出された室外空気の温度より一定値以上上昇しないとき、上記吸着ロータ(11)または上記吸着ファン(13)の回転がロックしたことを検出するロック検出手段(32a)とを備えたことを特徴とする湿度調整装置。 - 吸着ロータ(11)と、上記吸着ロータ(11)を経由する吸着通路に設けられた吸着ファン(13)と、上記吸着ロータ(11)を経由する脱着通路に設けられた脱着ファン(15)と、上記脱着通路の上記吸着ロータ(11)よりも上流側に設けられたヒータ(17)とを備え、加湿運転または除湿運転の少なくとも一方を行う湿度調整装置であって、
上記脱着通路の上記吸着ロータ(11)の下流側の加湿空気の温度を検出する加湿空気温度センサ(21)と、
上記吸着通路の上記吸着ロータ(11)の下流側の除湿空気の温度を検出する除湿空気温度センサ(25)と、
上記加湿空気温度センサ(21)により検出された加湿空気の温度が上昇するときの温度勾配が加湿空気用所定値以上で、かつ、上記除湿空気温度センサに(25)より検出された除湿空気の温度が下降するときの温度勾配が除湿空気用所定値以上であるとき、上記吸着ロータ(11)または上記吸着ファン(13)の回転がロックしたことを検出するロック検出手段(32a)とを備えたことを特徴とする湿度調整装置。 - 吸着ロータ(11)と、上記吸着ロータ(11)を経由する吸着通路に設けられた吸着ファン(13)と、上記吸着ロータ(11)を経由する脱着通路に設けられた脱着ファン(15)と、上記脱着通路の上記吸着ロータ(11)よりも上流側に設けられたヒータ(17)とを備え、加湿運転または除湿運転の少なくとも一方を行う湿度調整装置であって、
上記脱着通路の上記吸着ロータ(11)の下流側の加湿空気の相対湿度を検出する加湿空気湿度センサ(24)と、
上記加湿空気湿度センサ(24)により検出された加湿空気の相対湿度が下降するときの相対湿度の勾配が所定値以上のときに上記吸着ロータ(11)または上記吸着ファン(13)の回転がロックしたことを検出するロック検出手段(32a)とを備えたことを特徴とする湿度調整装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の湿度調整装置において、
上記ロック検出手段(32a)により上記吸着ロータ(11)または上記吸着ファン(13)の回転がロックしたときに人に通知する通知手段(6)を備えたことを特徴とする湿度調整装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の湿度調整装置を用いたことを特徴とする空気調和機。
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