JP3627378B2 - ゴルフクラブ用シャフト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽量でかつ、高性能なゴルフクラブ用シャフトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、繊維強化プラスチックを用いたゴルフクラブ用シャフトが、軽量でかつ、高強度、高剛性といった高い性能をもつことより広く普及している。
【0003】
このようなゴルフクラブ用シャフトにおいて、今後、さらに軽量化が進むと考えられる。この軽量化と強度、剛性は相反する問題であり、軽量化と高強度、高剛性を同時に満たすことが望まれる。
【0004】
ゴルフクラブ用シャフトの必要特性は、主に曲げ強さ、曲げ剛性、ねじり強さ、ねじり剛性とシャフト重量である。
【0005】
しかしながら、ゴルフクラブ用シャフトの重量を軽量化すると、このような必要性能をすべて満たすことはなかなか難しい状況にあった。特に、軽量ゴルフクラブ用シャフトは、曲げ強さ、ねじり強さが低下するため、取り扱い時や打撃時(地面を叩くケースなど)に破壊しやすいという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上述した問題点を解決し、軽量ゴルフクラブ用シャフトにおいて、軽量化に伴う強度の低下を押さえることで破壊を防ぎ、充分な性能を発揮するゴルフクラブ用シャフトを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のゴルフクラブ用シャフトは、補強繊維がシャフト軸方向に対し±15°〜±80°の方向に配向されたバイアス層と、補強繊維がシャフト軸方向に配向された軸方向層とを有し、前記軸方向層が前記バイアス層の外側に配されてなる繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトにおいて、補強繊維が周方向に配された周方向層をさらに有し、SG(製品安全協会)規格による3点曲げ試験から求められる最低強さであるシャフトの曲げ強さPとシャフト先端から1100mmまでの部分のシャフトの長さ当たりの重量Wとの比(P/W)が下記(1)式の範囲にあり、かつシャフトの曲げ強さPが下記(2)式の範囲にあることを特徴とするゴルフクラブシャフト。
【0008】
11(N/g)≦P(N)/W(g) ・・・(1)
400(N)≦P(N) ・・・(2)
【0009】
また、必要に応じて、補強層をシャフト長手方向の一部分に配することもできる。
【0010】
さらに、上記のゴルフクラブ用シャフトにおいて、軸方向層の厚さ(Ta)に対する周方向層の厚さ(Tb)の割合T(Tb/Ta)が、下記(3)式の範囲にあることを特徴とする。
【0011】
0.15≦T≦1.25 ……(3)
さらにまた、本発明のゴルフクラブ用シャフトは、繊維強化プラスチック層を有するゴルフクラブ用シャフトにおいて、シャフトを構成する補強繊維をシャフト軸方向に配した軸方向層と、周方向に配した周方向層を有し、軸方向層の厚さ(Ta)に対する周方向層の厚さ(Tb)の割合T(Tb/Ta)が、下記(3)式の範囲にあることを特徴とする。
【0012】
0.15≦T≦1.25 ……(3)
また、上記の本発明のゴルフクラブ用シャフトは、シャフト当たりの重量Wが、55g以下であることを特徴とする。
【0013】
【発明実施の形態】
以下に、本発明の好ましい実施の形態とともに、本発明について詳細に説明する。
【0014】
本発明において使用される補強繊維としては、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ボロン繊維などを例示できるが、成形品をなした場合に、特に優れた機械的特性を示すので炭素繊維を用いることが好ましい。炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル系や、ピッチ系などの炭素繊維を用いることができる。なお、補強繊維は、単独または2種類以上を併用して使用することもできる。
【0015】
また、本発明において用いられるマトリックス樹脂としては、通常エポキシ樹脂が用いられる。エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ブロム化A型エポキシ樹脂などを使用することがでる。これらのエポキシ樹脂は、単独または2種類以上を併用して使用することができ、さらには液状のものから固体状のものまで使用することができる。また、通常、エポキシ樹脂には硬化剤が加えられて用いられることが多い。
【0016】
本発明のゴルフクラブ用シャフトは、上記補強繊維とマトリックス樹脂からなる層(繊維強化プラスチック層)を有するものである。
【0017】
一般的にゴルフクラブにおいて、その必要特性は、主に飛距離、打球方向性、フィーリングがあげられる。中でも飛距離アップは、すべてのゴルファーが追い求めている大きな課題である。
【0018】
飛距離アップの方法として、ゴルフクラブ用シャフトに関しては、長尺化、軽量化などがある。
【0019】
ゴルフクラブ用シャフトの長さでは、ドライバーで45in(1143mm)程度が主流となりつつあり、これ以上の長さのシャフトもある。しかし、今後さらなる長尺化が進んでも長くなれば、それだけ重量も増加する。
【0020】
一方、軽量化においては、45inシャフトで60〜80g程度が主流であり、55g以下の軽量シャフトになると、シャフトの強度が低下する問題がでてくる。また、剛性などの特性にも影響を及ぼす。
【0021】
このように、ゴルフクラブ用シャフトには、軽量化が必須である。しかしながら、軽量化による強度低下によって、破壊が起りやすくなる。この破壊を防ぐため、シャフトの強度の向上をはかり、かつ、シャフトとしての性能を維持するために剛性の面でも性能を発揮するゴルフクラブ用シャフトが求められる。
【0022】
ゴルフクラブ用シャフトの破壊において、曲げ強さは特に重要な物性である。しかし、軽量化による薄肉化に伴って曲げ強さは低下する。つまり、ゴルフクラブ用シャフトの破壊が容易に起こり得ることになる。ゴルフクラブ用シャフトの破壊には、実際のゴルフ中におけるボール打ち以外にも、ゴルフクラブ運搬時の無理な負荷重量物を乗せた場合、キャディバックからの出し入れ時の無理な負荷や重量物を乗せた場合、ゴルフクラブに寄りかかり体重をかけた場合などがある。
【0023】
ところで、一般的に人が実打球する時には、ゴルフクラブヘッドのスイートスポットでボールを打つことがベストであるが、実際には、スイートスポットを外してボールを打つことがよくある。この様な場合には、打球の方向性が悪くなったり、飛距離低下などの原因となる。特に、スイートスポットを外して打つと、シャフトは、破壊し易くなる。
【0024】
軽量シャフトにおいて、このスイートスポットを外して打った場合に破壊がし易くなるため、シャフト曲げ強さPと、シャフトの長さ当たりの重量Wとの比(P/W)が、11(N/g)以上あることが求められる。なおかつ、シャフトの安全性を考慮すれば、シャフト曲げ強さPは400(N)以上あることが重要である。ここで、シャフト曲げ強さPは、後で示すSG曲げ強さの測定値のなかで、最も低い箇所での曲げ強さであり、シャフトの長さ当たりの重量Wは、後で示すシャフトの長さ当たりの重量である。
【0025】
一般的に、ゴルフクラブのスウィング速度は35〜45m/s程度であり、今後スウィング速度は増加する傾向にある。ゴルフクラブでボールを打ったときに、そのようなスウィング速度でシャフトが破壊しなければよく、さらに、スイートスポットを外してボールを打っても破壊しなければよい。さらには、スイートスポットを外して連続で打つなどの厳しい状況を考えれば、一般的なスウィング速度よりも充分速い速度で破壊しなければよい。
【0026】
そのため、シャフト曲げ強さPと、シャフトの長さ当たりの重量Wの比(P/W)が、11N/g以上あることで、スウィートスポットを外した時などで充分なシャフト強さが満たされることになる。好ましくは、12N/g以上、さらには14N/g以上が好ましい。
【0027】
本発明は、特にゴルフクラブ用シャフトとして軽量なシャフトでその効果が大きい。軽量なゴルフクラブ用シャフトは、後に示すシャフトの長さ当たりの重量W(一般的にシャフト長さ1100mm当たり)が55g以下であり、本発明の効果を効率的に用いるには、好ましくは、45g以下、さらに好ましくは、40g以下である。
【0028】
ゴルフクラブ用シャフトの柔らかさを示す指標としてフレックスといわれるものが一般的に用いられており、市販品にはS、Rなどで示されている。本発明においては、後に示す測定方法を用いて、シャフトフレックスを測定している。一般的にはフレックスが大きすぎると、スウィングしたときにヘッドの返りが遅れて、ボールを飛ばす飛距離が低下し、ボールの方向性も悪くなり、フィーリングも悪くなる。そのため、本発明では、シャフトフレックスが100mm以下のものが好ましく、より好ましくは90以下である。一方、逆にフレックスが小さすぎるとシャフトが堅くなるため、力(または、スウィングスピードなど)が必要となる。そのため、一般的にシャフトフレックスは70mm以上が良い。ただし、欧米人など、一般的に日本人よりも体格に優れている場合は50mm程度まで用いられる。
【0029】
ゴルフクラブ用シャフトのねじり剛性を示す指標としてトルクが一般的に用いられる。トルクが小さい方がボールの方向性が良いため、本発明では、後に示す測定方法におけるシャフトトルクが7゜以下であることが好ましい。より好ましくは6゜以下であり、さらに好ましくは5゜以下である。
【0030】
このようなゴルフクラブ用シャフトを作る手段として、次のような方法がある。
【0031】
繊維強化プラスチック層からなるゴルフクラブ用シャフトは、一般的にシャフトの軸方向に補強繊維が配列した軸方向層と、シャフト軸方向に対し、45°程度に補強繊維を配したバイアス層からなっている。軸方向層が主にシャフトの曲げ力を制御し、バイアス層が主にシャフトのねじり力を制御していることが知られている。本発明においては、バイアス層がシャフト軸方向に対して±15°〜±80°の方向に配されていればよく、さらに軸方向層がバイアス層の外側に配されてなることが好ましい。
【0032】
つまり、ゴルフクラブ用シャフトの曲げ強さは、シャフトの軸方向層によって決まっている。ゴルフクラブ用シャフトの曲げ強さを向上させるためには、軸方向層の曲げ強さを向上させればよい。しかし、軸方向層の持つ曲げ強さが充分シャフトの曲げ強さに発揮されているとは言い難く、特にシャフトの長さ当たりの重量Wが55g以下という軽量シャフトでは、軸方向層の能力は発揮されない。これは、シャフトが軽量化するほど顕著である。
【0033】
シャフトに曲げる力が加わった時、シャフトは径方向に変形するため、曲げ破壊する前に径方向変形破壊が起こり、曲げ破壊する前にシャフトは壊れてしまう。また、シャフトの径方向の変形により、軸方向層の非繊維方向破壊などの欠損が生じ、軸方向層が充分な曲げ強さを発現せずに破壊に至る。このように、シャフトの曲げ強さは、シャフトの径方向の変形が起因している場合が多くある。
【0034】
そのため、本発明において、シャフトの長さ当たりの重量Wが55g以下であるゴルフクラブ用シャフトにおいて、シャフトを構成する補強繊維をシャフト軸方向に配した軸方向層と、周方向に配した周方向層を有し、軸方向層の厚さ(Ta)に対する周方向層の厚さ(Tb)の割合T(Tb/Ta)が、
0.15≦T≦1.25
の範囲にあることが重要である。
【0035】
周方向層とは、シャフト軸方向に対し直角に補強繊維を配向した層であることが好ましいが、シャフト軸方向に対し実質的に直角に補強繊維を配向した層であってもよい。具体的には、シャフト軸方向に対し±85〜90°程度補強繊維を配向したものであってもよい。
【0036】
軸方向層のもつ能力を充分発揮させるために、周方向層を有せしめることが重要な役割をもつ。シャフトの径方向の変形をある程度押さえるために、周方向層を有せしめることが重要となる。
【0037】
軸方向層の厚さ(Ta)に対する周方向層の厚さ(Tb)の割合T(Tb/Ta)を0.15以上、1.25以下とすることにより、径方向の変形を押さえ、軸方向の力を発揮することができる。軸方向層の厚さ(Ta)に対する周方向層の厚さ(Tb)の割合T(Tb/Ta)は、好ましくは0.15〜1.00の範囲、さらには0.2〜0.8の範囲が好ましい。
【0038】
一般的に、軸方向層のもつ能力を充分発揮するための、周方向層を配する位置は、シャフトの断面において、外側にある方が好ましく、最外層が最も効果が高い。しかし、ゴルフクラブ用シャフトを考えた場合、シャフトの成形性や美観などから、最外層に用いることは、好ましくない。周方向層を配する位置は、シャフトの肉厚中心である中心面より内側、特に、バイアス層より内側に配することで、シャフトのねじり強さ、トルクを向上できる。肉厚中心である中心面とは、たとえば肉厚がトータル5mmであるならば、2.5mmの面のことである。
【0039】
また、シャフトの曲げ強さを効率的に発現させるには、シャフトの曲げ強さを支配している軸方向層の内側に隣り合う場所に周方向層を配することが好ましい。
【0040】
ゴルフクラブ用シャフトにおいて、55g以下の軽量シャフトでは、全体の肉厚が薄くなり、材料の絶対量も少なくなるため、曲げ、ねじりなどのシャフトのもつ特性をすべて考慮したバランスのとれたシャフトとすることが重要となる。そのため、シャフトの曲げ特性の支配要素である軸方向層の量が多すぎても、少なすぎても、シャフトのバランスが悪くなる。シャフトの曲げに大きく起因する肉厚中心よりも外側にある軸方向層の厚さ(Tao)は、0.03mm以上、0.4mm以下の範囲にあることが好ましい。より好ましくは、0.06mm以上、0.3mm以下であり、さらに好ましくは、0.08mm以上、0.25mm以下である。
【0041】
ゴルフクラブ用シャフトの軸方向層に用いられる補強繊維には、充分な強度が必要とされている。例えば、補強繊維に炭素繊維を用いた場合、炭素繊維は、弾性率と強度が相反する特性のため、高い弾性率の炭素繊維は使用することができなかった。詳しくは、炭素繊維の引張弾性率が30GPa程度以下の繊維しか用いられなかった。しかしながら、軽量ゴルフクラブ用シャフトでは、強度だけでなく、フレックスも低下してしまう。
【0042】
本発明のゴルフクラブ用シャフトにおいては、シャフトの肉厚中心である中心面より、外側にある軸方向層を35GPa以上の引張弾性率を有する補強繊維を用いることが好ましい。上述してきたシャフト径方向の変形を押さえることで、高弾性率補強繊維が用いることが可能となった。
【0043】
また、本発明に用いる軸方向材としては、高曲げ強度材である炭素繊維強化プラスチックが好ましく、なかでも、補強繊維の繊維横断面形状が円形状に加えて、多角形状、葉様形などの比円形状のもの、たとえば、補強繊維の繊維横断面形状の最小断面2次異形度Pmin (=Imin /A2 )が、0.085以上である異形断面補強繊維のものが、強度向上の効果がありより好ましい。
【0044】
但し、Imin :単繊維断面の重心を通る軸に関する断面2次モーメントのうち最小値
A:単繊維の断面積
本発明のゴルフクラブ用シャフトを用いるゴルフクラブは、インナーホーゼルタイプのヘッドに装着することが好ましく、本発明の効果がより発現される。
【0045】
本発明のゴルフクラブ用シャフトにおける繊維強化プラスチック層の繊維含有率は、使用される補強繊維配向角に応じて、その特性、特に機械的特性を考慮すれば、好ましくは、30体積%〜85体積%がよい。
【0046】
本発明のゴルフクラブ用シャフトを製造するためには、例えば、ゴルフクラブ用シャフトが繊維強化プラスチック製であるなら、従来公知の、シャフト内径と同じテーパをもった外径のマンドレルに最内層から順番に、最外層まで順番にプリプレグを巻き付け、ラッピングテープを巻き付け成形する方法、FW(フィラメントワインディング)、テープワインド法などを用いることができる。
【0047】
本発明における各特性値の測定方法は以下の通りである。なお、実施例でもこの測定方法を用いている。
【0048】
(1)シャフト曲げ強さP
シャフトの曲げ強さは、SG(製品安全性協会)規格に示されている3点曲げ試験方法からえられる値を用いてる。SG3点曲げ強さは、シャフトの4点(T,A,B,C部)を測定する。本発明上で示したゴルフクラブ用シャフトのシャフト曲げ強さPは、この4点の測定部の内で、最も低い曲げ強さである。
【0049】
ただし、SG3点曲げ試験では、4測定点の内A,B,C部は同一の試験方法であるが、T部は、3点曲げ試験のスパン長さが他のA,B,C部の半分のため、T部の曲げ強さは、1/2にして使用する。
【0050】
(2)シャフトの長さ当たりの重量W
シャフトの長さ当たりの重量Wは、シャフト長さが様々にあるため、ドライバーを考慮して1100mm当たりの重量を用いた。シャフト長さが1100mm以下の場合は、1100mmの長さに換算比例した重量を用い、1100mm以上のシャフトでは、シャフト先端部分から1100mmまでの部分の重量を用いた。
【0051】
(3)シャフトトルク
本発明における、シャフトのトルクの測定には、シャフト先端部から1016mmをスパンとして、それよりシャフト手元部を固定し、シャフト先端部から25.4mmの位置に138.5kgf−mmのねじり力を加えた時の回転角を測定する。この回転角をシャフトトルクとした。
【0052】
(4)シャフトフレックス
本発明における、シャフトのフレックスの測定には、シャフト先端部から925mmと1065mmの場所を支持し、シャフト先端部から175mmの位置に2.7kgfの負荷を加えた時にシャフト先端から200mmの位置が移動した長さ(たわみ量)を測定する。このたわみ量をシャフトのフレックスとした。
【0053】
(5)ゴルフクラブ破壊試験
本発明における、ゴルフクラブの実打試験方法には、エアキャノンによる試験を用いた。エアキャノンによる試験は、一般的によく知られている、ゴルフクラブのグリップを掴み、約2mの位置から任意の初速度でボールを打ち出して、ゴルフクラブのヘッドに当てる。
【0054】
本発明においては、ヘッドのトップスコアラインとシャフト軸の交点にボールを当てた、いわゆる「ヒール打ち」状況に設定し、ボールの初速度を30m/sから速度を増加して、シャフトが破壊する速度を測定した。
【0055】
一般的に、ゴルフクラブのスウィング速度は35〜45m/s程度であり、これよりも最低限10%以上速い速度で破壊しないことを目安とした。
【0056】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。
【0057】
まず、次に示すプリプレグを製作した。
【0058】
プリプレグA:PAN系炭素繊維A(平均単繊維直径:5μm、引張強さ:5490MPa、引張弾性率:295GPa)を互いに並行かつシート状に引き揃えたものにエポキシ樹脂を含浸してなる一方向プリプレグを用意した。厚みは113μm、マトリックス樹脂含有率は33重量%であった。
【0059】
プリプレグB:PAN系炭素繊維B(平均単繊維直径:5μm、引張強さ:4410MPa、引張弾性率:375GPa)を互いに並行かつシート状に引き揃えたものにエポキシ樹脂を含浸してなる一方向プリプレグを用意した。厚みは127μm、マトリックス樹脂含有率は33重量%であった。
【0060】
プリプレグC:PAN系炭素繊維B(平均単繊維直径:5μm、引張強さ:4410MPa、引張弾性率:375GPa)を互いに並行かつシート状に引き揃えたものにエポキシ樹脂を含浸してなる一方向プリプレグを用意した。厚みは112μm、マトリックス樹脂含有率は33重量%であった。
【0061】
プリプレグD:PAN系炭素繊維D(平均単繊維直径:5μm、引張強さ:4020MPa、引張弾性率:295GPa)を互いに並行かつシート状に引き揃えたものにエポキシ樹脂を含浸してなる一方向プリプレグを用意した。厚みは14μm、マトリックス樹脂含有率は50重量%であった。
【0062】
プリプレグE:PAN系炭素繊維D(平均単繊維直径:5μm、引張強さ:4020MPa、引張弾性率:375GPa)を互いに並行かつシート状に引き揃えたものにエポキシ樹脂を含浸してなる一方向プリプレグを用意した。厚みは47μm、マトリックス樹脂含有率は58重量%であった。
【0063】
なお、図1は、本発明におけるゴルフクラブ用シャフトの補強層用プリプレグの巻き方の説明図であり、実施例において、マンドレル1に、補強用のプリプレグ2を巻き付けるに際し、補強層の大まかな形状とマンドレルに巻き付ける位置を示したものである。
【0064】
実施例1
先端外径4mm、テーパー率7.5/1000mm、長さ1300mmの離形処理したステンレス製マンドレルに、図1に示すように、内側のチップ側/先端から300mmに補強層として、プリプレグAを4周巻き、その後、プリプレグEを補強繊維がマンドレル周方向になる様に2周巻き付け、その外側にプリプレグBを補強繊維がマンドレル軸方向に対しほぼ±45゜になるように1周巻き付け、その外側にプリプレグAを補強繊維がマンドレル軸方向になる様に巻き付けた。しかる後に、周知の方法であるラッピングテープを巻き付け、硬化炉で加熱硬化した後、ラッピングテープを取り除き、表面を研磨し、1100mmに切断してゴルフクラブ用シャフトを得た。
【0065】
このゴルフクラブ用シャフトのシャフト曲げ強さを測定したところ600Nであった。また、このシャフトの重量は43gであり、単位シャフト先重量当たりの曲げ強さは、14.0N/gであった。シャフトトルクを測定したところ、5.5゜であった。シャフトフレックスを測定したところ、85mmであった。
【0066】
一方、同様にして作製したシャフトにヘッドおよびグリップを取り付け、ゴルフクラブを得た。このゴルフクラブでエアキャノンによる破壊試験したところ、ボールの速度が
59m/sで破壊した。
【0067】
実施例2
実施例1と同様に、同じマンドレルにプリプレグAを補強層として図1に示すように、内側に4周巻き、その後、プリプレグBを補強繊維がマンドレル軸方向に対しほぼ±45゜になるように1周巻き付け、その外側にプリプレグEを補強繊維がマンドレル周方向になる様に2周巻き付け、その外側にプリプレグAを補強繊維がマンドレル軸方向になる様に巻き付けた。しかる後に、周知の方法であるラッピングテープを巻き付け、硬化炉で加熱硬化した後、ラッピングテープを取り除き、表面を研磨し、1100mmに切断してゴルフクラブ用シャフトを得た。
【0068】
このゴルフクラブ用シャフトのシャフト曲げ強さを測定したところ620Nであった。また、このシャフトの重量は43gであり、単位シャフト先重量当たりの曲げ強さは、14.4N/gであった。シャフトトルクを測定したところ、5.8゜であった。シャフトフレックスを測定したところ、84mmであった。
【0069】
一方、同様にして作製したシャフトにヘッドおよびグリップを取り付け、ゴルフクラブを得た。このゴルフクラブでエアキャノンによる破壊試験したところ、ボールの速度が60m/sで破壊した。
【0070】
比較例1
実施例1と同様に、同じマンドレルにプリプレグAを補強層として図1に示すように、内側に4周巻き、その後、プリプレグEを補強繊維がマンドレル軸方向になる様に2周巻き付け、その外側にプリプレグBを補強繊維がマンドレル軸方向に対しほぼ±45゜になるように1周巻き付け、その外側にプリプレグAを補強繊維がマンドレル軸方向になる様に巻き付けた。しかる後に、周知の方法であるラッピングテープを巻き付け、硬化炉で加熱硬化した後、ラッピングテープを取り除き、表面を研磨し、1100mmに切断してゴルフクラブ用シャフトを得た。
【0071】
このゴルフクラブ用シャフトのシャフト曲げ強さを測定したところ420Nであった。また、このシャフトの重量は43gであり、単位シャフト先重量当たりの曲げ強さは、9.8N/gであった。シャフトトルクを測定したところ、5.5゜であった。シャフトフレックスを測定したところ、78mmであった。
【0072】
一方、同様にして作製したシャフトにヘッドおよびグリップを取り付け、ゴルフクラブを得た。このゴルフクラブでエアキャノンによる破壊試験したところ、ボールの速度が45m/sで破壊した。
【0073】
比較例2
実施例1と同様に、同じマンドレルにプリプレグAを補強層として図1に示すように、内側に4周巻き、その後、プリプレグDを補強繊維がマンドレル周方向になる様に2周巻き付け、その外側にプリプレグBを補強繊維がマンドレル軸方向に対しほぼ±45゜になるように1周巻き付け、その外側にプリプレグAを補強繊維がマンドレル軸方向になる様に巻き付けた。しかる後に、周知の方法であるラッピングテープを巻き付け、硬化炉で加熱硬化した後、ラッピングテープを取り除き、表面を研磨し、1100mmに切断してゴルフクラブ用シャフトを得た。
【0074】
このゴルフクラブ用シャフトのシャフト曲げ強さを測定したところ450Nであった。また、このシャフトの重量は42gであり、単位シャフト先重量当たりの曲げ強さは、10.7N/gであった。シャフトトルクを測定したところ、5.7゜であった。シャフトフレックスを測定したところ、82mmであった。
【0075】
一方、同様にして作製したシャフトにヘッドおよびグリップを取り付け、ゴルフクラブを得た。このゴルフクラブでエアキャノンによる破壊試験したところ、ボールの速度が48m/sで破壊した。
【0076】
実施例3
実施例1と同様に、同じマンドレルにプリプレグAを補強層として図1に示すように、内側に4周巻き、その後、プリプレグEを補強繊維がマンドレル周方向になる様に7周巻き付け、その外側にプリプレグBを補強繊維がマンドレル軸方向に対しほぼ±45゜になるように1周巻き付け、その外側にプリプレグAを補強繊維がマンドレル軸方向になる様に巻き付けた。しかる後に、周知の方法であるラッピングテープを巻き付け、硬化炉で加熱硬化した後、ラッピングテープを取り除き、表面を研磨し、1100mmに切断してゴルフクラブ用シャフトを得た。
【0077】
このゴルフクラブ用シャフトのシャフト曲げ強さを測定したところ650Nであった。また、このシャフトの重量は57gであり、単位シャフト先重量当たりの曲げ強さは、11.4N/gであった。シャフトトルクを測定したところ、5.2゜であった。シャフトフレックスを測定したところ、102mmであった。一方、同様にして作製したシャフトにヘッドおよびグリップを取り付け、ゴルフクラブを得た。このゴルフクラブでエアキャノンによる破壊試験したところ、ボールの速度が61m/sで破壊した。
【0078】
実施例4
実施例1と同様に、同じマンドレルにプリプレグCを補強層として図1に示すように、内側に4周巻き、その後、プリプレグEを補強繊維がマンドレル周方向になる様に2周巻き付け、その外側にプリプレグBを補強繊維がマンドレル軸方向に対しほぼ±45゜になるように1周巻き付け、その外側にプリプレグCを補強繊維がマンドレル軸方向になる様に巻き付けた。しかる後に、周知の方法であるラッピングテープを巻き付け、硬化炉で加熱硬化した後、ラッピングテープを取り除き、表面を研磨し、1100mmに切断してゴルフクラブ用シャフトを得た。
【0079】
このゴルフクラブ用シャフトのシャフト曲げ強さを測定したところ500Nであった。また、このシャフトの重量は43gであり、単位シャフト先重量当たりの曲げ強さは、11.7N/gであった。シャフトトルクを測定したところ、5.5゜であった。シャフトフレックスを測定したところ、76mmであった。
【0080】
一方、同様にして作製したシャフトにヘッドおよびグリップを取り付け、ゴルフクラブを得た。このゴルフクラブでエアキャノンによる破壊試験したところ、ボールの速度が54m/sで破壊した。
【0081】
比較例3
実施例1と同様に、同じマンドレルにプリプレグCを補強層として図1に示すように、内側に4周巻き、その後、プリプレグEを補強繊維がマンドレル軸方向になる様に2周巻き付け、その外側にプリプレグBを補強繊維がマンドレル軸方向に対しほぼ±45゜になるように1周巻き付け、その外側にプリプレグCを補強繊維がマンドレル軸方向になる様に巻き付けた。しかる後に、周知の方法であるラッピングテープを巻き付け、硬化炉で加熱硬化した後、ラッピングテープを取り除き、表面を研磨し、1100mmに切断してゴルフクラブ用シャフトを得た。
【0082】
このゴルフクラブ用シャフトのシャフト曲げ強さを測定したところ350Nであった。また、このシャフトの重量は43gであり、単位シャフト先重量当たりの曲げ強さは、8.1N/gであった。シャフトトルクを測定したところ、5.5゜であった。シャフトフレックスを測定したところ、68mmであった。
【0083】
一方、同様にして作製したシャフトにヘッドおよびグリップを取り付け、ゴルフクラブを得た。このゴルフクラブでエアキャノンによる破壊試験したところ、ボールの速度が41m/sで破壊した。
【0084】
【表1】
【0085】
【発明の効果】
本発明のゴルフクラブ用シャフトは、上記能力を有することで、人が実際にボールを打つ場合に「ヒール打ち」しても破壊しにくく、軽量シャフトとしてゴルフクラブに使用できる。このようなシャフトを作製する構成として上記のような構成をとることで、軽量シャフトの曲げ強さを向上することができる。また、これにより、シャフトが軽量化することで、これまでよりシャフトの長尺化か可能になったり、大容量のヘッドをつけることが可能となり、飛距離アップなどができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるゴルフクラブ用シャフトの補強層用プリプレグの巻き方の説明図である。
【符号の説明】
1:マンドレル
2:補強層用プリプレグ
Claims (6)
- 補強繊維がシャフト軸方向に対し±15°〜±80°の方向に配向されたバイアス層と、補強繊維がシャフト軸方向に配向された軸方向層とを有し、前記軸方向層が前記バイアス層の外側に配されてなる繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトにおいて、補強繊維が周方向に配された周方向層をさらに有し、SG(製品安全協会)規格による3点曲げ試験から求められる最低強さであるシャフトの曲げ強さPとシャフト先端から1100mmまでの部分のシャフトの長さ当たりの重量Wとの比(P/W)が下記(1)式の範囲にあり、かつシャフトの曲げ強さPが下記(2)式の範囲にあることを特徴とするゴルフクラブシャフト。
11(N/g)≦P(N)/W(g) ・・・(1)
400(N)≦P(N) ・・・(2) - 軸方向層の厚さ(Ta)に対する周方向層の厚さ(Tb)の割合T(Tb/Ta)が、下記(3)式の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ用シャフト。
0.15≦T≦1.25 ・・・(3) - シャフト先端から1100mmまでの部分のシャフトの長さ当たりの重量Wが、55g以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のゴルフクラブ用シャフト。
- シャフト先端部から1016mmをスパンとしてシャフト先端部から25.4mmの位置に138.5kgf−mmのねじり力を加えた時の回転角であるシャフトトルクが、7゜以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴルフクラブ用シャフト。
- シャフト先端部から925mmと1065mmの場所を支持し、シャフト先端部から175mmの位置に2.7kgfの負荷を加えた時にシャフト先端から200mmの位置が移動した長さであるシャフトフレックスが、100mm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゴルフクラブ用シャフト。
- ゴルフクラブ用シャフトを構成する補強繊維が、PAN系炭素繊維を含み、該PAN系炭素繊維の量が全補強繊維量の75重量%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゴルフクラブ用シャフト。
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