JP3625662B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、モータを電流フィードバック制御する電動パワーステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電動パワーステアリング装置では、モータの駆動電流に対する出力トルクの制御性の良さに着目し、ハンドルの操舵状態や車両の走行状態に応じて演算した電流指令値とハンドルから車輪側への動力伝達系統にアシスト力を与えるモータにバッテリから供給されるモータ駆動電流値との偏差に応じた電流フィードバック制御を行っている。即ち、電流フィードバック制御の電流制御特性としては、操舵フィーリングを良好なものとするという観点からモータの駆動電流の制御性に迅速な応答性を確保すべく設計を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の電流フィードバック制御では、電流フィードバック制御の応答性を確保して、運転者の操舵フィーリングを好適なものとするために、電流フィードバック制御のゲインを高めたり、あるいは電流フィードバック制御のPIDコントローラの制御帯域を広げたり、さらには電流検出センサの応答周波数を高くする等の対策が必要とされていたが、このような対策には次のような欠点がある。
【0004】
電流フィードバック制御のゲインを高めていった場合、PIDコントローラの制御帯域や電流検出回路の内部の応答遅れ等に起因するゲインの設定可能上限値が存在するという問題である。ゲインが設定可能な範囲を越えた場合には電流フィードバック制御の一巡伝達特性において、ゲイン余裕と位相余裕とが共に減少し、電流フィードバック制御の応答が不安定となるため、やがて、モータ駆動電流が発振してしまう。このような不具合を防止し、かつ制御の応答性を最適に設定するには、電流フィードバック制御の一巡伝達関数の位相余裕を40〜60度、ゲイン余裕を10〜20dB程度に設けることが望ましいとされている。ところが、このように定めたコントローラの制御特性、即ち電流フィードバック制御の一巡伝達関数における交差周波数が、機械系の共振周波数とほぼ等しくなった場合には、電流フィードバック制御自体の一巡伝達関数は安定であっても、機械的な共振がトリガとなった電流振動が生じ、ひいてはトルク振動乃至は騒音に結び付くという一種の引き込み現象による電流振動(発振)の問題がある。この問題は、モータによるアシスト力が比較的大きく要求される場合、即ち、車両が停車している状態でハンドルが切り込み操舵されたような場合、ハンドルが切り込み位置で停止して保舵されたことによりモータがトルクを出したまま停止している場合、もしくは、ハンドルがゆっくりと操舵されたことによりモータの回転速度が極低速である場合等において、顕著に現れる。従って、機械共振周波数と電流フィードバック制御の交差周波数との引き込みによる発振を防止するために、機械系の共振周波数に対し交差周波数を故意に低く取る(即ち、電流フィードバック制御のゲインを小さく設定する)ことにより、電流制御の追従性を犠牲にして、電流制御の安定性を確保し、結果として、モータの出力トルクの振動が発生しないような対策を行ってきた。
【0005】
前記モータ駆動電流制御の安定化に代わる他の対策としては、機械系の共振周波数に比べて電流フィードバック制御の交差周波数を十分に高くすることにより、電流制御の追従性を損なうことなく、機械系の共振周波数での電流振動も抑圧し得る高速な応答性を有する電流フィードバック制御を設計することも考えられる。しかしながら、この対策を実現するためには、PIDフィードバックコントローラの応答帯域を広帯域化する必要があり、その実現のためには電流検出回路等ハードウエアの応答性の改善やPID制御をソフトウエアで行っている場合には高速なCPUが必要となる等、トルク制御の応答性等元々の制御要求仕様からみて不当に高性能なコントローラを要求されることとなり、システム構築上得策とはいえない。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、電流指令値が急激に変化した場合のようにモータ駆動電流を高速な応答性で制御しなければならない時は電流フィードバック制御のゲインを大きく設定する一方、電流指令値への追従性がさほど要求されない場合には電流フィードバック制御のゲインを小さく設定することによって、電流フィードバック制御の交差周波数を低く保ちつつ操舵フィーリングを良好なものとし、出力トルク振動や騒音の発生が防止できる電動パワーステアリング装置を安価に提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る電動パワーステアリング装置は、ハンドルの操舵状態や車両の走行状態により演算された電流指令値とハンドルから車輪側への動力伝達系統にアシスト力を与えるモータにバッテリから供給されるモータ駆動電流値との偏差に応じた電流フィードバック制御を行う電動パワーステアリング装置において、電流フィードバック制御の演算式として、電流指令値とモータ駆動電流検出値との偏差と第1補正ゲインとの積を求める第1演算式と、電流指令値とモータ駆動電流検出値との偏差と第1補正ゲインより大きい第2補正ゲインとの積を求める第2演算式とを備え、前記電流指令値が急変したことを示す指標が第1所定値よりも大ならば第1演算式を選択し、前記指標が第2所定値よりも小ならば第2演算式を選択し、選択された演算式を用いて電流指令値と電流検出値の偏差を補正することにより前記電流フィードバック制御を実行するものであって、前記電流指令値とモータ駆動電流検出値との偏差をεとし、第1補正ゲインをK1とし、第2補正ゲインをK2とし、前記指標を判定するための所定値をCとし、εの絶対値が所定値Cよりも小さい時は第1演算式としてK1とεとの積を用い、εの絶対値が所定値C以上の時は第2演算式としてK2とεとの積からCと(K2−K1)とεの符号との積を減算したものを用いたことを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項2に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1に記載の第1所定値と第2所定値とが等しいことを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置のコントロールユニットおよびそれに接続される入出力装置を示すブロック図である。図1において、1は操舵トルク検出手段、2は車速検出手段、3はモータ回転数検出手段、4は電流指令値決定手段、5はモータ、6は電流検出手段、7はフィードバックゲイン設定手段、8はPIコントローラ、9はパルス幅変調手段、10はバッテリである。操舵トルク検出手段1は電動パワーステアリング装置の搭載された車両の運転者がハンドルを操舵した際の力を操舵トルクとして検出して変換した電気信号を電流指令値決定手段4に出力する。車速検出手段2は前記車両の車速を検出して変換した電気信号を電流指令値決定手段4に出力する。モータ回転数検出手段3はモータ5の回転数を検出して変換した電気信号を電流指令値決定手段4に出力する。電流指令値決定手段4は、操舵トルク検出手段1より入力された操舵トルク検出値と、車速検出手段2より入力された車速検出値と、モータ回転数検出手段3より入力されたモータ回転数検出値とのそれぞれに応じ、モータ5を適切に駆動するための制御目標としての電流指令値を決定する。
【0028】
実施の形態1の場合、電流指令値決定手段4は、ベース電流決定手段4aと微分制御手段4bと収斂制御手段4cと摩擦補償電流決定手段4dとより構成される。ベース電流決定手段4aは、操舵トルク検出手段1より入力された操舵トルク検出値と、車速検出手段2より入力された車速検出値とに応じ、モータ5による適切なアシスト力を発生させるために必要なベース電流としてのモータ電流値を決定する。微分制御手段4bは、モータ5の慣性モーメントが操舵フィーリングに影響することを除去するために、車速検出手段2より入力された車速検出値に応じた微分ゲインを決定し、操舵トルク検出手段1より入力された操舵トルク検出値をハイパスフィルタ4eに通し、このハイパスフィルタ4eからの出力と前記決定された微分ゲインとの積を求める。
【0029】
収斂制御手段4cは、ハンドルが車輪のホイールアライメントにより直進する方向に戻る収斂性を良くするために、車速検出手段2より入力された車速検出値に応じた収斂ゲインを決定し、この収斂ゲインとモータ回転数検出手段3より入力されたモータ回転数検出値にマイナスを付けた値との積をモータ5の回転方向とは逆方向への収斂補償電流値として求める。
【0030】
摩擦補償電流決定手段4dは、ハンドルが運転者により操舵された時にハンドルから車軸に動力を伝達するギアボックス等の機械系統に発生する摩擦によるハンドルの戻り性の悪化を補正するために、モータ回転数検出手段3より入力されたモータ回転数検出値により「−1」又は「1」なる補償ゲインを求め、車速検出手段2より入力された車速検出値に応じた摩擦補償電流値を求め、この摩擦補償電流値と前記補償ゲインとの積を求める。この補償ゲインは、モータ回転数検出値が左方向である時は「−1」と定められ、モータ回転数検出値が右方向である時は「1」と定められる。
【0031】
電流指令値決定手段4は、ベース電流決定手段4aで求めたモータ電流値と微分制御手段4bで求めた値とを加算し、この加算値より収斂制御手段4cで求めた収斂補償電流値を減算し、この減算値と摩擦補償電流決定手段4dで求めた値とを加算することにより電流指令値を決定してノードN4に出力する。
【0032】
モータ5は、運転者による操舵力を補助するための動力をハンドルに与えるアクチュエータである。電流検出手段6は、モータ5に供給される駆動電流を検出して変換した電気信号をノードN4にフィードバックする。ノードN4は、電流指令値決定手段4より入力された電流指令値と電流検出手段6より入力されたモータ駆動電流検出値との偏差εを演算して電流フィードバックゲイン設定手段7に出力する。電流フィードバックゲイン設定手段7は、偏差εの絶対値|ε|が所定値Th1未満の時は第1補正ゲインK1により偏差εを増幅した補正偏差ε’としてPIコントローラ8に出力し、偏差εの絶対値|ε|が所定値Th1以上の時は第2補正ゲインK2により偏差εを増幅した補正偏差ε’としてPIコントローラ8に出力する。
【0033】
PIコントローラ8は、フィードバックゲイン設定手段7により入力された補正偏差ε’に比例して電流指令値を変化する比例制御(P制御)に、補正偏差ε’の積分値に比例して変化する量を加えて電流指令値として求め、この電流指令値をパルス幅変調手段9に出力するPI制御を実行する。パルス幅変調手段9は、PIコントローラ8より入力された電流指令値を所定の搬送周波数に応じたパルス幅の信号に変換してノードN5に出力する。ノードN5は、パルス幅変調手段9より入力された信号を、バッテリ10より供給される電源によりD級電力増幅した制御電流として生成し、この生成された制御電流をモータ5に供給する。
【0034】
図2は実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置のコントロールユニット及びその周辺回路の構成を示したブロック図である。11はマイクロコントローラであって、これはCPU15とROM16とRAM17とタイマ18とを備え、CPU15がタイマ18より所定周期毎にプログラム実行周期の開始信号を入力される毎に、CPU15がROM16に格納された制御手順や制御特性等のプログラムに従う演算処理の実行を開始し、CPU15がRAM17を演算処理に必要な種々のデータの一時的な記憶要素として用いて図3に示すフローチャートの演算処理を実行する。つまり、CPU15とROM16とRAM17とが図1における電流指令値決定手段4とノードN4と電流フィードバックゲイン設定手段7とPIコントロール8とよりなる要素に相当する。
【0035】
また、マイクロコントローラ11は、パルス幅変調手段9とA/D変換器19a,19bと、I/Oポート21a,21bとを備える。A/D変換器19aは操舵トルク検出手段1より入力される操舵トルク検出値に相当するアナログ信号をディジタル信号に変換してCPU15に出力する。A/D変換器19bは電流検出手段6より入力されるモータ駆動電流検出値に相当するアナログ信号をディジタル信号に変換してCPU15に出力する。パルス幅変調手段9はCPU15での演算結果に基づくパルス幅変調(PWM)信号をドライブ回路12よりモータ5を駆動するための主回路14に出力する。I/Oポート21aは、キースイッチ20の動作信号と、車速検出検出手段2で検出された車速検出値に相当する信号と、モータ回転数検出手段3より入力されたモータ回転数検出値に相当する信号それぞれのレベルをCPU15で使用可能なレベルに変換してCPU15に出力する。I/Oポート21bはCPU15の出力信号をドライブ回路12に出力する。
【0036】
そして、運転者がキースイッチ20をオン動作することで、マイクロコントローラ11と電源回路22とが起動し、マイクロコントローラ11が所定の初期故障診断及び初期化処理を実施した後、リレー13がマイクロコントローラ11からドライブ回路12を介して入力される信号により閉じ、モータ5が主回路14を介して駆動可能となる。この状態において、マイクロコントローラ11は、操舵トルク検出手段1より入力された操舵トルク検出値と、車速検出手段2より入力された車速検出値と、モータ回転数検出手段3より入力されたモータ回転数検出値とに応じて電流指令値を演算し、電流検出手段6で検出したモータ駆動電流検出値のフィードバックを受けることでモータ5に発生する出力トルクを制御している。
【0037】
次に、前記CPU15による演算処理の詳細について説明する。CPU15はROM16に予めセットされたソフトウェアを遂次実行することによりモータ駆動電流を電流指令値に対し追従する電流フィードバック制御を行う。まず、CPU15は、タイマ18により一定の周期に管理された制御周期毎に、操舵トルク検出手段1とモータ回転数検出手段2と車速検出手段3とからの各入力を参照し、今回の制御周期における電流指令値を演算する。また、CPU15は、電流検出手段6から入力されるモータ駆動電流検出値も制御周期毎に参照する。そして、CPU15は、前記電流指令値とモータ駆動電流検出値との偏差εの絶対値|ε|が所定値Th1よりも小さい時は偏差εと第1補正ゲインK1との積をとり、絶対値|ε|が所定値Th1よりも大きい時は偏差εと第2補正ゲインK2との積をとることにより、偏差εに応じて電流フィードバック制御のゲインを可変させる。その後、CPU15は、PI制御を実行し、主回路14で用いるPWM制御の駆動デューティとするPI制御演算出力を得る。このPI制御演算出力はパルス幅変調手段9により主回路14の動作に必要なPWM信号に変換されてドライブ回路12に出力される。
【0038】
また、CPU15は、電流指令値の駆動方向に応じたモータ電流駆動方向をI/Oポート21bからドライブ回路12に出力する。これにより、ドライブ回路12が主回路14のスイッチングトランジスタ14a,14bをパルス幅変調手段9より入力されたPWM信号に対応してオン・オフ動作し、また、ドライブ回路12が主回路14のスイッチングトランジスタ14c,14dをI/Oポート21bより入力されたモータ駆動方向信号に対応してオン・オフ動作する。つまり、主回路14において、スイッチングトランジスタ14cがオフ動作し、スイッチングトランジスタ14a,14dが共にオン動作することにより、リレー13とスイッチングトランジスタ14aとモータ5とスイッチングトランジスタ14dとからなる電流経路が形成され、モータ駆動電流がバッテリ10からモータ5に矢印X1で示す方向に流れ、モータ5が或る1つの方向に回転駆動する。これとは逆に、主回路14において、スイッチングトランジスタ14dがオフ動作し、スイッチングトランジスタ14b,14cが共にオン動作することにより、リレー13とスイッチングトランジスタ14bとモータ5とスイッチングトランジスタ14cとからなる電流経路が形成され、モータ駆動電流がバッテリ10からモータ5に矢印X2で示す方向に流れ、モータ5が前記とは逆のもう1つの方向に回転駆動する。
【0039】
実施の形態1における電流フィードバック制御について図3のフローチャートに基づいて説明する。この電流フィードバック制御は図2のタイマ18の機能によって制御周期毎に呼び出されて実行される。ステップS1では電流指令値を取り込み、ステップS2ではモータ駆動電流検出値を取り込み、ステップS3では前記電流指令値と前記モータ駆動電流検出値との偏差εを求める。ステップS4では、偏差εの絶対値|ε|を所定値Th1と比較し、絶対値|ε|が所定値Th1未満の場合はステップS5へ分岐し、絶対値|ε|が所定値Th1以上の場合はステップS6へ分岐する。ステップS5またはステップS6では、ステップS3で求めた偏差εに第1補正ゲインK1または第2補正ゲインK2を乗じることで、補正偏差ε’を得る。ここで、例えばK1<K2とすれば、絶対値|ε|が所定値Th1よりも大きい時には補正偏差ε’はより大きな値となる。ステップS7およびステップS8では各々の補正偏差ε’に対して比例項(P項)及び積分項(I項)の演算を実行する。ステップS9ではP項とI項の和を求め、前記主回路14を駆動するためのパルス幅を求める。ステップS10では電流指令値の方向に基づきモータ駆動方向信号をI/Oポート21b及びドライブ回路12を介して主回路14に指示する。ステップS1lではステップS9で求めたパルス幅に対する演算値をパルス幅変調手段9に対して設定する。これにより、パルス幅変調手段9がPI演算結果に従った所定のモータ駆動デューティパルスをドライブ回路12を介して主回路14に出力する。
【0040】
このように実施の形態1では、電流指令値とモータ駆動電流検出値との偏差εが所定値Th1未満の時はPI制御に用いるゲインを第1補正ゲインK1に設定し、前記偏差εが所定値Th1以上の時はPI制御に用いるゲインを第2補正ゲインK2に設定している。従って、第1補正ゲインK1と第2補正ゲインK2とをK1<K2なる関係に設定し、モータ駆動電流に対するPI制御を構成した場合、電流指令値の経時変化が穏やかであれば、PI制御は積分項を含むため、自動制御論の所謂I型の制御系の特性に従い、偏差εをほぼゼロに保ちつつモータ5の駆動を行う。そして、電流指令値の経時変化が急激である場合には、モータ電流検出値が電流指令値の変化に迅速に追従できなくなるため、偏差εは所定値Th1を越えて大きくなり、結果として、電流フィードバック制御のゲインが第2補正ゲインK2で補正され、モータ5に対する電流制御が継続されることとなる。
【0041】
このような電流フィードバック制御の一巡伝達関数を図示すると、図4及び図5を得る。但し図4および図5ではK1<K2であるとし、図4はK1に対応し、図5はK2に対応するものである。図4では交差周波数はf1となり、その時の位相余裕はθ1となる。図5では交差周波数はf2となり、その時の位相余裕はθ2となる。このように電流フィードバック制御のゲインを第1補正ゲインK1または第2補正ゲインK2の選択に応じて変えることにより、交差周波数をf1またはf2と変化させ、制御の帯域幅を2通りに選ぶことができる。
【0042】
実施の形態1における2通りの第1補正ゲインK1と第2補正ゲインK2との設定に際しては、例えば、第1補正ゲインK1は定常応答性を満足する範囲で可能な限り交差周波数f1を下げた設定とし、第2補正ゲインK2は過渡応答に対する追従性を高めるために一般に自動制御の経験則として知られる位相余裕40〜60度、ゲイン余裕10〜20dBに設定するものとする。このように電流フィードバック制御のゲインに対する補正が実施された電動パワーステアリング装置によれば、据え切り保舵のようにモータ5の駆動電流が定常応答状態にある時は、電流フィードバック制御のゲインとして第1補正ゲインK1が選ばれることとなるので、ハンドルから車軸に動力を伝達する機械系統の共振も含めた応答が安定となるように、モータ5に対する電流フィードバック制御の応答を決定することができる。一方、急操舵のように過渡応答が必要な場合でも、第1補正ゲインK1より大きな第2補正ゲインK2によってモータ5の駆動電流が補正されるので、迅速な応答性も確保することができる。
【0043】
実施の形態2.
実施の形態1では電流フィードバック制御のゲインを設定するための指標として、電流指令値とモータ電流検出値との偏差εを用いたが、この偏差εに代えて電流指令値の微分値を用いてもよい。図6は実施の形態2の電流フィードバック制御のフローチャートである。図6のフローチャートは図3のフローチャートに対してステップS1およびステップS4の処理内容のみを変更したものであるから、これらの変更内容とその作用について説明する。ステップS1において、前回の制御周期で用いた電流指令値I_TGTを1サンプル遅廷の電流指令値Z−1I_TGTとして保存した後、今回の制御周期における電流指令値I_TGTを取り込む。また、ステップS4では前回の電流指令値Z−1I_TGTと今回の電流指令値I_TGTとの偏差の絶対値|Z−1I_TGT―I_TGT|を所定値Th2と比較し、絶対値|Z−1I_TGT―I_TGT|が所定値Th2よりも小さい場合はステップS5へ分岐し、絶対値|Z−1I_TGT―I_TGT|が所定値Th2以上の場合はステップS6へ分岐する。
【0044】
このような構成とすることにより、運転者の操舵力の変化が小さい場合には電流フィードバック制御のゲインは第1補正ゲインK1に補正され、運転者の操舵力の変化が大きい場合には電流フィードバック制御のゲインが第2補正ゲインK2に補正される。従って、第1補正ゲインK1と第2補正ゲインK2との値を適切に選ぶことによって実施の形態1と同様にモータ5の出力トルクに対する電流フィードバック制御の安定性と追従性とを両立した電動パワーステアリング装置を簡潔な構成にて容易に実現できる。なお、実施の形態2では、モータ5の出力トルクの微分値として、制御周期毎のトルクサンプリング値に対してソフトウェアにより後方差分によって微分するものとして示したが、それ以外に知られる、双一次変換を用いたソフトウェアによる微分処理、あるいは演算増幅器を用いたハードウェアよる微分処理等を応用してもよい。
【0045】
実施の形態3.
ハンドルの切り込み時の応答性と保舵時の安定性とを両立するために、実施の形態3の回路ブロック構成図である図8に示すように、操舵速度検出手段23によりハンドルに連結されたステアリングシャフト系統の操舵速度を検出して電気信号に変換した操舵速度検出値をマイクロコントローラ11のI/Oポート21aを介してCPU15に入力することにより、操舵速度検出値を電流フィードバック制御のゲイン切り替えの指標として用いてもよい。つまり、実施の形態1および2で説明したように、電流フィードバック制御の安定化が必要になるのはハンドルが運転者により保舵されて或る回転位置で静止した場合であり、電流フィードバック制御の追従性が必要になるのはハンドルが運転者により急操舵されて回転している最中である。よって、操舵速度検出手段23による操舵速度検出値に応じて電流フィードバック制御のゲインを変化させてもよい。
【0046】
図7は実施の形態3に係る電流フィードバック制御のフローチャートである。この図7のフローチャートは図3のフローチャートに対してステップS12を追加し、ステップS4における電流フィードバック制御のゲイン切り替えの指標を変更したものであるから、これらの変更内容とその作用について説明する。ステップS12では、操舵速度検出手段23の操舵速度検出値ωstrを取り込む。ステップS4では、操舵速度検出値ωstrの絶対値|ωstr|を所定値Th3と比較し、絶対値|ωstr|が所定値Th3未満であればステップS5へ分岐し、絶対値|ωstr|が所定値Th3以上の時はステップS6へ分岐する。その結果、操舵速度に応じて適切な第1補正ゲインK1または第2補正ゲインK2が選択されるため、電流フィードバック制御の安定性と追従性とを両立した電動パワーステアリング装置を簡潔な構成にて容易に実現できる。なお、操舵速度検出手段23としては光学式エンコーダ、磁気式エンコーダ、レゾルバ等の回転センサを利用可能であり、これらは図1のCPU15とROM16とRAM17とタイマ18とよりなるマイクロコンピュータとのインターフェースも容易である。
【0047】
実施の形態4.
実施の形態3では操舵速度検出手段23による操舵速度検出値に応じて電流フィードバック制御のゲインを決定する構成としたが、操舵速度検出手段23に代えてモータ回転数検出手段3を用い、モータ回転速度検出値ωmtrにより電流フィードバック制御のゲインを変化させてもよい。図9は実施の形態4の電流フィードバック制御のフローチャートである。図9のフローチャートは図7のフローチャートに対してステップS12の取り込み信号をモータ回転速度検出値ωmtrとし、ステップS4におけるフィードバックゲイン切り替えの指標をωmtrで行うものとし、その他の動作は実施の形態3と同様である。モータ回転速度検出手段3は、モータ5がブラシレスモータにより形成された場合には必ず備えている。よって、モータ5がブラシレスモータにより形成された電動パワーステアリング装置であれば、新たに設ける必要のある操舵速度検出手段23が不要であり、実施の形態3に比べ、実施の形態4はより容易かつ安価に実施することができる。
【0048】
実施の形態5.
界磁が一定ならば、モータ5の逆起電力はモータ回転速度に比例するから、モータ5の逆起電力を推定して、電流フィードバック制御のゲインを変化させるようにしてもよい。また、モータ5の逆起電力を推定する場合は、その推定した逆起電力を電流指令値決定段4へ入力しているモータ回転数検出手段3によって得ていたモータ回転数検出値に代えて用いることができるので、回転速度センサ等を用いたモータ回転数検出手段が不要な簡素な構成とすることができる。
【0049】
図10は実施の形態5に係るコントロールユニット及びそれに接続される入出力装置を示したブロック図であり、図11はコントロールユニット及びその周辺回路の構成を示したブロック図である。これらの図において、実施の形態10は前記モータ回転数検出手段3に代えてモータ端子間電圧検出手段24と逆起電力推定手段25とを設け、逆起電力推定手段25がモータ端子間電圧検出手段24で検出して電気信号に変換したモータ端子間電圧検出値とモータ電流検出手段6で検出して電気信号に変換したモータ駆動電流検出値とを入力し、これらモータ端子間電圧検出値とモータ駆動電流検出値とによりモータ5の逆起電力を推定演算する構成である。逆起電力推定手段25はマイクロコントローラ11のCPU15とROM16とRAM17とにより構成される。
【0050】
図12は実施の形態5における電流フィードバック制御のフローチャートである。図12のフローチャートは図3のフローチャートに対してステップS14を追加し、ステップS4における電流フィードバック制御のゲイン切り替えの指標を変更したものであるから、これらの変更内容とその作用について説明する。マイクロコントローラ11では、ステップS14に示すように、モータ端子間電圧検出値とモータ駆動電流検出値とに基きモータ5の逆起電力Vωを推定するための演算処理を行う。
【0051】
図13は前記ステップS14での逆起電力Vωを推定するためのサブルーチンを示すフローチャートである。ステップS15ではモータ端子間電圧検出値Vmtrを取り込み、ステップS16ではモータ駆動電流検出値Imtrを取り込む。ステップS17では、モータ5の電機子のインダクタンスやレジスタンス等によって決定されるモータ端子間のインビーダンスモデルと、電流検出手段6より入力されたモータ駆動電流検出値Imtrとから、モータ内部電圧降下をVdrop=Zmtr×Imtrなる式により演算する。ステップS18では、逆起電力Vωをモータ端子間電圧検出値Vmtrとモータ内部電圧降下演算値Vdrpとの差として求める。
【0052】
よって、実施の形態5では、図12のモータ電流フィードバック制御の制御周期毎に、ステップS14で逆起電力Vωの推定が実行される。そして、ステップ4では、逆起電力Vωの絶対値|Vω|を所定値Th5と比較し、絶対値|Vω|が所定値Th5未満の時はステップS5へ分岐し、絶対値|Vω|が所定値Th5以上の時はステップS6へ分岐する。これにより、操舵速度に応じて適切な電流フィードバック制御のゲインとして第1補正ゲインK1または第2補正ゲインK2が選択されるため、急操舵時の追従性と保舵時の安定性とを両立することができる。
【0053】
実施の形態6.
操舵速度の変化が大きい時に制御の追従性を確保するために、操舵速度検出手段23の検出値、モータ回転数検出手段3の検出値、あるいは逆起電力推定手段25の出力値のそれぞれを微分し、その結果の絶対値を電流フィードバック制御のゲインを決定する指標として用いてもよい。図14は実施の形態6における電流フィードバック制御のフローチャートである。図14のフローチャートは図7のフローチャートに対してステップS12およびステップS4の処理内容のみを変更したものであるから、これらの変更内容とその作用について説明する。ステップS12では、前回の制御周期で取り込んだ操舵速度検出値ωstrを1サンプル遅延の操舵速度検出値Z−1ωstrとして保存した後、今回の制御周期の操舵速度検出値ωstrを取り込む。ステップS4では前回の操舵速度検出値Z−1ωstrと今回の操柁速度検出検出値ωStrとの偏差の絶対値|Z−1ωstr―ωStr|を所定値Th6と比較することにより、絶対値|Z−1ωstr―ωStr|が所定値Th6未満の場合はステップS5へ分岐し、絶対値|Z−1ωstr―ωStr|が所定値Th6以上の場合はステップS6へ分岐する。このように電流フィードバック制御のゲインを可変することにより、操舵速度の変化が小さい場合は第1補正ゲインK1が選択され、操舵速度の変化が大きい場合は第2補正ゲインK2が選択されるため、操舵状態に応じた追従性と安定性とを両立することができる。
【0054】
実施の形態6では図14のステップS12に示すように操舵速度検出値を微分し、その結果に基づいて電流フィードバック制御のゲインを設定したが、それに代えて実施の形態4のモータ回転数検出手段3の検出値、あるいは実施の形態5の逆起電力推定手段25の出力値を微分し、その結果をステップS4における出力strの微分値に代えて用いてもよい。また、微分演算の手段として、制御周期毎のサンプリング値に対してソフトウェアにより後方差分によって微分するものとして示したが、それ以外に知られる、双一次変換を用いたソフトウェアによる微分処理、あるいは演算増幅器を用いたハードウェアによる微分処理等を応用してもよい。
【0055】
実施の形態7.
電流フィードバック制御の安定性が特に要求されるのは、据え切りや低車速域での保舵あるいはゆっくりした操舵のように、モータ5によるアシスト力が大きく要求される場合であるから、操舵トルク検出手段1の出力する操舵トルク検出値に応じて電流フィードバック制御のゲインを変化させるようにしてもよい。図15は実施の形態7の電流フィードバック制御のフローチャートである。図15のフローチャートは図7のフローチャートに対してステップS12およびステップS4の処理内容のみを変更したものであるから、これらの変更内容とその作用について説明する。ステップS12では、操舵トルク検出手段1からの操舵トルク検出値Trqを取り込む。ステップS4では、操舵トルク検出値Trqの絶対値|Trq|を所定値Th7と比較し、絶対値|Trq|が所定値Th7未満の場合はステップS5へ分岐し、絶対値|Trq|が所定値Th7以上の場合はステップS6へ分岐する。このように電流フィードバック制御のゲインを可変することにより、走行中の操舵や操舵の切り始め等のように操舵力が小さい場合は第1補正ゲインK1が選択されるため、追従性を確保することができる。一方、据え切り保舵のように操舵力が大きい場合は第1補正ゲインよりも大きな第2補正ゲインK2が選択されるため、迅速な応答性を確保することができる。従って、操舵状態に応じて追従性と安定性とを両立することができる。
【0056】
実施の形態8.
実施の形態7では操舵トルク検出値に応じて電流フィードバック制御のゲインを変化させることで、モータ5によるアシスト力が大きく要求される場合における電流フィードバック制御の安定性を確保したが、据え切りあるいは保舵の判定のために、操舵トルク検出値に代えて電流指令値あるいはモータ駆動電流検出値を用いても同様な効果を得ることができる。実施の形態8を実現するためには、実施の形態7の図15において、ステップS12の取り込み指標を操舵トルク検出値Trqに代えて電流指令値あるいはモータ駆動電流検出値とし、ステップS4の電流フィードバック制御のゲインを決定するための所定値Th7を電流指令値あるいはモータ駆動電流検出値に対する適切な値とすればよい。
【0057】
実施の形態9.
大きなアシスト力が要求される操舵は据え切り時あるいは低車速域でのみと考えられるので、車速の低い時は電流フィードバック制御のゲインを下げ、車速の高い時は電流フィードバック制御のゲインが上がるように、車速を電流フィードバック制御のゲイン切り替えの指標としてもよい。実施の形態9を実現するためには、実施の形態7の図15において、ステップS12の取り込み指標を操舵トルク検出値Trqに代えて車速検出値とし、ステップS4の電流フィードバック制御のゲインを決定するための所定値Th7を車速に対する適切な値とすればよい。
【0058】
実施の形態10.
実施の形態1から実施の形態9では電流フィードバック制御の制御周期毎に電流フィードバック制御のゲイン切り替えの指標を所定値と比較することにより、補正ゲインを決定して切り替えていたが、その切り替え時のハンチングを防止するため、補正ゲインの切り替え条件としての所定値にヒステリシス要素を付加してもよい。よって、実施の形態10では、電流フィードバック制御のゲイン切り替えの指標が小から大に切り替わる時は指標が所定値1よりも大を境に第1補正ゲインK1から第2補正ゲインK2に移行し、指標が大から小に切り替わる時は指標が所定値2よりも小を境に第2補正ゲインK2から第1補正ゲインK1に移行するようにヒステリシスを付加した。
【0059】
図16は実施の形態10の電流フィードバック制御のフローチャートであり、図17は実施の形態10の電流フィードバック制御のゲインの補正特性を示す。図16のフローチャートは、図3のフローチャートにおけるステップS4の偏差により判定処理を行っていた電流フィードバック制御のゲインの設定を、ステップS20〜S22からなる手順に変更する。ステップS20では前回の補正ゲインを参照し、前回の補正ゲインが大きい時(前回の補正ゲイン=K2の時)はステップS21に分岐し、前回の補正ゲインが小さい時(前回の補正ゲイン=K1の時)はステップS22へ分岐する。ステップS21とステップS22では異なる複数の所定値Th8と所定値Th9とによって偏差の大きさを評価し、ステップS5またはステップS6に分岐するので、補正偏差ε’として図17のような履歴特性を得ることができる。このように、電流フィードバック制御のゲインの設定にヒステリシスを持たせることで、ゲイン切り替えのハンチングを防止でき、安定性と追従性との両立をより一層得ることができる。なお、実施の形態10の目的は電流フィードバック制御のゲインの切り替えを決定する所定値付近で補正ゲインがハンチングすることを防止することであるから、他の実施の形態における電流フィードバック制御のゲイン切り替え指標、すなわち操作トルク検出値、電流指令値、モータ駆動電流検出値等において同様に実施しても等価な効果を得ることができる。
【0060】
実施の形態11.
実施の形態1では電流フィードバック制御のゲインを切り替える際、電流指令値とモータ駆動電流検出値との偏差εを所定値Th1で判定することにより、電流フィードバック制御のゲインの設定を第1補正ゲインK1または第2補正ゲインK2の2通りとしたが、これに代えて電流指令値決定手段4の出力する電流指令値と、電流検出手段6の出力するモータ駆動電流検出値との偏差εを電流フィードバック制御のゲイン設定の指標とし、第1補正ゲインをK1、第2補正ゲインをK2、電流フィードバック制御のゲイン設定の指標を判定するための所定値をCとし、偏差εの絶対値|ε|が所定値Cよりも小さい時は第1補正演第式ε’=ε×K1を用い、絶対値|ε|が所定値C以上の時は第2補正演算式ε’=ε×K2―signε×C×(K2−K1)を用いてもよい。なお、signεはεの符号を表す。
【0061】
図18は実施の形態11の電流フィードバック制御のフローチャートである。図18のフローチャートは図3のフローチャートに対してステップS6の処理内容のみを変更したものであるから、その変更内容とその作用について説明する。ステップS4で電流指令値とモータ駆動電流検出値との偏差εの絶対値|ε|を所定値Cと比較し、絶対値|ε|が所定値C未満の場合はステップS5へ分岐し、絶対値|ε|が所定値C以上の場合はステップS6へ分岐する。このような構成とすることにより、運転者の操舵力の変化が小さい場合にはステップS5にて電流フィードバック制御のゲインが第1補正ゲインK1に補正される。一方、運転者の操舵力の変化が大きい場合にはステップS6にて第2補正演算式の演算が実行され、その結果、枠D’の内部に示すように、絶対値|ε|に応じて連続的に変化する補正偏差ε’を得ることができ、ギアボックスへの装着時の電流制御の応答の安定化によるトルク制御の安定性、制御音の低減、電流指令値に対する追従性等を図ることができる。
【0062】
実施の形態12.
電流フィードバック制御のゲイン設定の指標の判定結果に対しタイマを設けることにより、指標判定結果に基づき演算に用いる補正演算式の設定を遷移させた後所定時間は補正演算式の設定を保持するように構成し、タイマーのタイムアップ毎に補正ゲインを判定するようにすることで、ゲイン切り替えのハンチングを防止するようにしてもよい。図19は実施の形態12の電流フィードバック制御のフローチャートであり、図20は実施の形態12のタイムチャートである。図19のフローチャートは図3のフローチャートに対してステップS4〜S6の処理内容のみをステップS30〜34に変更したものであるから、これらの変更内容とその作用について説明する。ステップS30ではタイマT1がタイムアップしたかどうかを判定し、タイムアップ時はステップS31へ分岐し、タイムアップ未満の時はステップS33へ分岐する。ステップS31ではタイマT1をゼロにクリアし、ステップS32では電流フィードバック制御のゲイン設定の指標(実施の形態12では電流指令値とモータ駆動電流検出値との偏差εの絶対値|ε|)を判定し、判定結果に従いステップS5またはステップS6に分岐することで、電流フィードバック制御のゲインの補正処理を実施する。一方、ステップS33へ分岐した場合、タイマT1をインクリメントし、前回の制御周期における補正ゲインを保持するようにステップS5またはステップS6に分岐するので、タイマT1で設定された時間中は電流フィードバック制御のゲインを第1補正ゲインK1または第2補正ゲインK2に保持し、電流フィードバック制御のゲインがハンチングすることを防止できる。
【0063】
実施の形態13.
電流フィードバック制御のゲインをバッテリ電圧に応じて補正するようにしてもよい。PIコントローラ8の出力に基づくPWM信号のデューティ比をDtyとし、バッテリ電圧(電源電圧)をVbとすれば、パルス幅変調手段9の出力するPWM信号に従って主回路14がモータ端子間電圧Vmtrを出力することにより、Vmtrは、Vmtr=Dty×Vbで与えられる。一方、Dtyは、PIコントローラ8によって例えばDty=ε’×(1+1/(T1・s))×KPで与えられる。但しε’は補正偏差、(1+1/(T1・S))×KPはPIコントローラ8で演算される値である。従って、偏差εに基づく制御としてモータ端子間に加えられる実効端子間電圧Vmtrを考えるには、バッテリ電圧Vbの変動の影響を除去すればよいから、バッテリ電圧による補正項を加えた、下記の式を用いてPIコントローラ8の電流フィードバック制御のゲインを補正すればよい。
Dty=ε’×(1+1/(T1・S))×KP×Vb_ctr/vb
なお、式中のVb_Ctrは正規化されたバッテリ電圧値である。
【0064】
図21は実施の形態13の電流フィードバック制御のフローチャートである。図21のフローチャートは、図3のフローチャートのステップS3とステップS4との間において、ステップS50で制御周期毎に前回のバッテリ電圧Vbを保存し、ステップS51で今回のバッテリ電圧Vbを取り込むようにした。さらに、ステップS7のP項演算、およびステップS8のI項演算のそれぞれにおいて、バッテリ電圧Vbの変動を補正するように変更した。即ち、ステップS7では比例ゲインKPをバッテリ電圧Vbで補償し、これに係数Vb_ctr/Vbを掛算する。一方、I項に対しては、現在の積分ゲインKIを係数Vb_ctr/VbでP項と同様に補正するとともに、前回までの積分値を前回のバッテリ電圧Z−1×Vbと今回のバッテリ電圧Vbとの比Z−1×Vb/Vbで補正する。このように、バッテリ電圧で電流フィードバック制御のゲインを補正することにより、制御の帯域幅および交差周波数fについて、第1補正ゲインK1または第2補正ゲインK2の選択をバッテリ電圧の影響を受けずに設定できるため、電流フィードバック制御の過渡応答と定常安定性との両面から最も効果的なポイントに制御の帯域幅および交差周波数fを設定することができるので、電流制御の応答性と安定性とのそれぞれを最も良好とし、かつ電源電圧の影響を受け難いようにできるという利点がある。
【0065】
実施の形態14.
実施の形態12ではゲイン切り替えのハンチング防止のためにタイマー処理を用いたが、電流フィードバック制御の演算式を選択する指標の判定にタイマを設け、その判定結果が所定時間継続して所定値1よりも大ならば第1演算式を選択し、その判定結果が所定時間継続して所定値2よりも小ならば第2演算式を選択し、選択された演算式を用いて電流指令値とモータ駆動電流検出値との偏差を補正することにより、電流フィードバック制御を行ってもよい。図22は実施の形態14の電流フィードバック制御のフローチャートであり、図23は実施の形態14のタイムチャートである。図22のフローチャートは図19のフローチャートのステップS50とステップS51とを削除し、ステップS4をステップS40〜S46に変えることにより、タイマー処理の内容のみを変更したものであるから、これらの変更内容とその作用について説明する。ステップS40では偏差の絶対値|ε|が所定値Th1以上かどうかを判定し、絶対値|ε|が所定値Th1未満ならばステップS41へ分岐し、絶対値|ε|が所定値Th1以上ならばステップS44へ分岐する。ステップS41では絶対値|ε|が所定値Th1以上の継続時間を判定するタイマーT2を初期化し、ステップS42で絶対値|ε|が所定値Th1未満の継続時間を判定するタイマT1がタイムアップしたかどうかをチェックし、タイムアップ時はステップS5の第1補正演算式を選択し、タイムアップ未満の時はタイマーT1をステップS43でインクリメントし、ステップS6の第2補正演算式を保持する。また、ステップS44ではタイマーT1を初期化し、ステップS45では絶対値|ε|が所定値Th2未満の継続時間を判定するタイマT2がタイムアップしたかどうかをチェックし、タイムアップ時はステップS6の第2補正演算式を選択し、タイムアップ未満の時はタイマーT2をステップS46でインクリメントし、ステップS5の第1補正演算式を保持する。このように、絶対値|ε|がタイマーT1時間以上継続して所定値Th1未満の時か若しくはタイマT2時間以上継続して所定値Th1以上でなければ補正演算式は第1補正演算式または第2補正演算式の何れかに保持されるので、補正演算の選択処理がハンチングすることを防止できる。
【0066】
実施の形態15.
これまでの実施の形態では、電流フィードバック制御の第1演算式と第2演第式との何れかを選択することにより、応答性と安定性とを両立させたが、このような所定値による演算式の切り替えではなく、演算式設定の指標Iに応じて決定される補正演算式をA(I)とし、A(I)によって電流フィードバック制御のゲインが補正される手段をマイクロコントローラに備え、補正演算式A(I)は
dA(I)/dI≧ 0
を満足する補正演算式を備え、演算式設定の指標Iに従って電流フィードバック制御のゲインを漸進的に変化させるようにしてもよい。図24は実施の形態15の電流フィードバック制御のフローチャートである。図24のフローチャートは図3のフローチャートのステップS4〜S6をステップS60の補正演算式Aの演算処理に置き換え、ステップS7およぴS8のPI演算をステップS60の演算結果を用いるステップS61とステップS62とに置き換えたものである。ステップS60では偏差εの値に応じた補正フィードバック量Aが出力される。そして、ステップS61およびステップS62では補正フィードバック量Aを用いてPI演算を実行する。従って、電流フィードバック制御のゲインが偏差εに応じて漸進的に増加し、偏差εの大きい時にはより迅速な追従性を確保することができる。一方、偏差の小さい時には安定性が良好となるように、電流フィードバック制御のゲインが最適に選ばれるという作用が容易に実現できる。
【0067】
実施の形態16.
実施の形態15では、電流指令値とモータ電流検出値との偏差を電流フィードバック制御の演算式設定の指標とすることにより、偏差に応じて電流フィードバック制御のゲインを非線型化で漸進的に変化させたが、前記演算式設定の指標として前記偏差以外のものを用いてもよい。図25は実施の形態15の電流フィードバック制御のフローチャートである。図25のフローチャートは図24のフローチャートに対してステップS12を追加し、このステップS12において演算式設定の指標のためにモータ回転速度検出値ωmtrを取り込み、ステップS60の補正演算式Aの演算処理をステップS70に置き換え、ステップS61とステップS62のPI演算をステップステップS71とステップS72とに置き換えたものである。ステップS70ではモータ回転速度検出値ωmtrの絶対値|ωmtr|に応じたフィードバック補正特性を参照して補正ゲインAを求める。ステップS71とステップS72では今回のP項およぴI項各々の値を偏差ε及び補正ゲインAに基づき演算する。このような構成とすることにより、モータ回転速度検出値ωmtrに応じて電流フィードバック制御のゲインを自動的にかつ最適な値に選択でき、操舵速度が大きい時の追従性を確保することができる。一方、操舵速度が小さい場合は安定性を確保することが容易に実現できる。
【0068】
なお、実施の形態16では演算式設定の指標としてモータ回転速度検出値ωmtrを用いたが、それに代えて、操舵速度検出値、逆起電力、操舵トルク検出値、電流指令値、モータ駆動電流検出値及びその値の微分値を用いること、さらには、車速検出値を用いても同様に実施できることは前述した実施の形態2〜9の内容からも容易に類推できるであろう。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る電動パワーステアリング装置は、電流指令値が急変したことを示す指標が第1所定値よりも大ならば電流指令値とモータ駆動電流検出値との偏差と第1補正ゲインとの積を求める第1演算式を選択し、前記指標が第2所定値よりも小ならば電流指令値とモータ駆動電流検出値との偏差と第1補正ゲインより大きい第2補正ゲインとの積を求める第2演算式を選択し、選択された演算式を用いて電流指令値と電流検出値の偏差を補正するものであって、電流指令値とモータ駆動電流検出値との偏差をεとし、第1補正ゲインをK1とし、第2補正ゲインをK2とし、前記指標を判定するための所定値をCとし、εの絶対値が所定値Cよりも小さい時は第1演算式としてK1とεとの積を用い、εの絶対値が所定値C以上の時は第2演算式としてK2とεとの積からCと(K2−K1)とεの符号との積を減算したものを用いたので、第1演算式と第2演算式と切り替わり前後の動作が連続するような制御状態においてハンチングが発生することを防止でき、かつ第1演算式と第2演算式とを適切に選ぶことで電流制御の追従性と定常応答の安定性を確保できる。
【0070】
請求項2の発明に係る電動パワーステアリング装置は、電流フィードバックの演算式を選択する指標の大小を判定する第1所定値と第2所定値を等しいので、指標の判定を簡素かつ平易に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置のコントロールユニットおよびそれに接続される入出力装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置のコントロールユニット及びその周辺回路をの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置の電流フィードバック制御のフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置における第1補正ゲインK1を用いた場合の電流フィードバックループの一巡伝達関数を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置における第2補正ゲインK2を用いた場合の電流フィードバックループの一巡伝達関数を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る電動パワーステアリング装置の電流フィードバック制御のフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態3に係る電動パワーステアリング装置の電流フィードバック制御のフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態3に係る電動パワーステアリング装置の回路構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態4に係る電動パワーステアリング装置の電流フィードバック制御のフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態5に係る電動パワーステアリング装置のコントロールユニットおよびそれに接続される入出力装置を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態5に係る電動パワーステアリング装置のコントロールユニット及びその周辺回路をの構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態5に係る電動パワーステアリング装置の電流フィードバック制御のフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態5に係る電動パワーステアリング装置の逆起電力を推定するためのフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態6に係る電動パワーステアリング装置の電流フィードバック制御のフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態7に係る電動パワーステアリング装置の電流フィードバック制御のフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態10に係る電動パワーステアリング装置の電流フィードバック制御のフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態10に係る電動パワーステアリング装置の電流フィードバック制御のゲインの履歴補正特性を説明するための図である。
【図18】本発明の実施の形態11に係る電動パワーステアリング装置の電流フィードバック制御のフローチャートである。
【図19】本発明の実施の形態12に係る電動パワーステアリング装置の電流フィードバック制御のフローチャートである。
【図20】本発明の実施の形態12に係る電動パワーステアリング装置の電流フィードバック制御の補正ゲインを判定し切り替えるタイムチャートである。
【図21】本発明の実施の形態13に係る電動パワーステアリング装置の電流フィードバック制御のフローチャートである。
【図22】本発明の実施の形態14に係る電動パワーステアリング装置の電流フィードバック制御のフローチャートである。
【図23】本発明の実施の形態14に係る電動パワーステアリング装置の電流フィードバック制御の補正ゲインを判定し切り替えるタイムチヤートである。
【図24】本発明の実施の形態15に係る電動パワーステアリング装置の電流フィードバック制御のフローチャートである。
【図25】本発明の実施の形態16に係る電動パワーステアリング装置の電流フィードバック制御のフローチャートである。
【符号の説明】
1 操舵トルク検出手段、2 車速検出手段、3 モータ回転数検出手段、
4 電流指令値決定手段、4a ベース電流決定手段、4b 微分制御手段、
4c 収斂制御手段、4d 摩擦補償電流決定手段、5 モータ、
6 電流検出手段、7 電流フィードバックゲイン設定手段、
8 PIコントローラ、9 パルス幅変調手段、10 バッテリ、
11 マイクロコントローラ、12 ドライブ回路、13 リレー、
14 主回路、15 CPU、16 ROM、17 RAM、18 タイマ、
19a,19b A/D変換器、
21a,21b I/Oポート、22 電源回路、
23 操舵速度検出手段、24 モータ端子間電圧検出手段、
25 逆起電力推定手段。

Claims (1)

  1. ハンドルの操舵状態や車両の走行状態により演算された電流指令値とハンドルから車輪側への動力伝達系統にアシスト力を与えるモータにバッテリから供給されるモータ駆動電流値との偏差に応じた電流フィードバック制御を行う電動パワーステアリング装置において、電流フィードバック制御の演算式として、電流指令値とモータ駆動電流検出値との偏差と第1補正ゲインとの積を求める第1演算式と、電流指令値とモータ駆動電流検出値との偏差と第1補正ゲインより大きい第2補正ゲインとの積を求める第2演算式とを備え、前記電流指令値が急変したことを示す指標が第1所定値よりも大ならば第1演算式を選択し、前記指標が第2所定値よりも小ならば第2演算式を選択し、選択された演算式を用いて電流指令値と電流検出値の偏差を補正することにより前記電流フィードバック制御を実行するものであって、前記電流指令値とモータ駆動電流検出値との偏差をεとし、第1補正ゲインをK1とし、第2補正ゲインをK2とし、前記指標を判定するための所定値をCとし、εの絶対値が所定値Cよりも小さい時は第1演算式としてK1とεとの積を用い、εの絶対値が所定値C以上の時は第2演算式としてK2とεとの積からCと(K2−K1)とεの符号との積を減算したものを用いたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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