JP3624521B2 - ターボチャージャ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ターボチャージャに関し、更に詳細には過給圧を制御するためのウェイストゲート構造を有するターボチャージャに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来のターボチャージャとしては、例えば、特開平4ー103817号公報に開示されるものがある。このターボチャージャは、タービンロータと、該タービンロータを収容すると共に排気入口及び排気出口を有するタービンハウジングと、該タービンハウジングに固定されるベアリングハウジングにラジアルベアリングを介して回転可能に支承され、その一端に前記タービンロータが固定されるシャフトと、該シャフトの他端に固定され、前記ベアリングハウジングに固定されるコンプレッサハウジング内に収容されたコンプレッサロータと、前記タービンロータをバイパスして前記排気入口と前記排気出口間を連通するように前記タービンロータに形成されたバイパス通路と、該バイパス通路を過給圧に応じて開閉するウェイストゲートバルブとを有する。このターボチャージャにおいては、過給圧(吸気圧力)が所定値を超えると、駆動機構によりウェイストゲートバルブを開状態として、バイパス通路を介して排気入口と排気出口が連通し、これにより排気ガスの一部がタービンロータをバイパスして排気出口へ排出されて、過給圧は一定値に保たれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
タービンロータは、排気により効率よく回転させられるように、その排気入口及び出口を除く周囲を隣接する他部材と所定の小さな間隙を保って配置しなければならず、そのためタービンロータの形状から、上記した従来のターボチャージャでは、組付性を確保するためにタービンハウジングとベアリングハウジングとを別部材で構成している。そのため、2つのハウジングを気密的に締結するためにカップリング又はプレート等を用いなければならず、部品点数の増加による製造コストが増大すると共に、2つのハウジングの締結部からの排気ガスの漏れの恐れがあるという問題があった。また、上記した従来のターボチャージャにおいては、バイパス通路を介して排気出口へ流れる排気バイパス流がタービンロータからの主排気流と干渉し合い、そのため、タービンロータ出口側の排気圧力(背圧)が上昇し、それに伴い、タービンロータ入口側の排気圧も上昇し、過給性能が低下するという問題があった。
【0004】
本発明は、上記した実情に鑑みなされたもので、排気ガスの漏れ及びタービンロータ出口側圧力の上昇を抑制し、過給性能を向上させることができる構成簡素なターボチャージャを提供することを、その課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために講じた請求項1の発明の技術的手段は、タービンロータと、該タービンロータを収容すると共に排気入口及び排気出口を有するタービンハウジングと、該タービンハウジングに固定されるベアリングハウジングにラジアルベアリングを介して回転可能に支承され、その一端に前記タービンロータが固定されるシャフトと、該シャフトの他端に固定され、前記ベアリングハウジングに固定されるコンプレッサハウジング内に収容されたコンプレッサロータと、前記タービンロータをバイパスして前記排気入口と前記排気出口間を連通するように前記タービンロータに形成されたバイパス通路と、該バイパス通路を過給圧に応じて開閉するウェイストゲートバルブとを有するターボチャージャーにおいて、前記タービンハウジングと前記ベアリングハウジングとを一体形成すると共に、その一端側にて前記タービンロータと所定の間隙を有して隣接し、その他端側にて前記バイパス通路の前記排気出口側開口を形成する円筒状のノズル部材を前記タービンロータに固定したことである。
【0006】
上記した手段によれば、タービンロータの組付性を損なうことなく、タービンハウジングとベアリングハウジング間の締結が不要とすることができる。また、バイパス通路からの排気バイパス流は、円筒状のノズル部材により形成される開口からシャフトの軸方向に排気出口へ吐出されるので、主排気流との干渉を抑制することができる。
【0007】
また、請求項2の発明の技術的手段は、前記バイパス通路を前記タービンロータの回転方向に順次その断面積が減少するスクロール状に形成し、その排気出口側開口を前記ノズル部材の外周面上に環状に形成したことである。
【0008】
これによれば、スクロール状のバイパス通路を流れる排気バイパス流は徐々に加速されてノズル部材により形成される環状の開口から排気出口内にタービンロータの回転方向と同方向の渦巻き状に排出される。排気バイパス流は、高圧高速で排出されて、タービンロータ側からの排気ガスとの間で流速差が生じ、エゼクタ効果によってタービンロータ側からの排気ガスを吸出す。
【0009】
また、請求項3の発明の技術的手段は、前記バイパス通路の一部を、前記ノズル部材の外周に前記タービンロータの回転方向と同方向に設けられたらせん溝で形成し、該らせん溝の一端を前記排気出口に開口したことである。
【0010】
これによれば、バイパス通路を流れる排気は、らせん溝によりタービンロータの回転方向と同方向の渦巻き状に排出される。排気バイパス流は、高圧高速で排出されて、タービンロータ側からの排気ガスとの間で流速差が生じ、エゼクタ効果によってタービンロータ側からの排気ガスを吸出す。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従ったターボチャージャの実施形態を図面に基づき、説明する。
【0012】
図1及び図2は、本発明の第1実施形態を示す。図1において、鋳鉄等から成るハウジング10は、円筒状のベアリング収容部10aと、タービンロータ収容部10bとを一体的に有している。ベアリング収容部10aには、一対の軸孔10a1が形成されており、該軸孔10a1内にはラジアル軸受21、22を介してシャフト20が回転可能に支承されている。ラジアルベアリング21、22は、軸孔10a1内に回転可能に嵌合されており、互いに向き合う側への軸方向の移動をスナップリングにより規制されている。ラジアルベアリング21は、図示右側への移動をシャフト20の外周に形成された大径部で規制されている。ラジアルベアリング22に嵌合されるシャフト20の図示左側には小径部が形成されており、該小径部にはその図示右側の端部にラジアルベアリング22の一端面に当接するフランジ部が形成される筒状のブッシュ23が嵌合されている。該ブッシュ23の図示左側には、その図示右側の端部にフランジ部が形成されるブッシュ29が嵌合されている。ブッシュ29の外周に形成される環状溝にはオイルシールが嵌着されており、該オイルシールにはハウジング10のベアリング収容部10aの軸孔10a1の図示左側に形成される大径孔内に嵌合されるプレートシール25の内周筒部が液密的に摺接する。ブッシュ29の図示左側のシャフト20の小径部にはコンプレッサロータ19が嵌合され、小径部の端部にら合されるボルト27により固定されている。これにより、ブッシュ23、29はコンプレッサロータ19の図示右端面とシャフト20の小径部の段部との間で挟持され、コンプレッサロータ19と共にシャフト20と一体的に回転する。ブッシュ23、29のフランジ部間には、ベアリング収容部10aの大径部の図示左側に形成される段部に固定されるスラストベアリング24が介装されており、該スラストベアリング24にはベアリング収容部10aに形成され、ラジアルベアリング21、22へオイルを供給するオイル通路に連通されて、ブッシュ23、29のフランジ部との摺動部間へオイルを供給するオイル供給孔が形成されている。尚、プレートシール25は、ベアリング収容部10aの大径部の開口に嵌着されたスナップリングとスラストベアリング24との間でその軸方向の動きを規制されており、またプレートシール25には、ブッシュ29の筒部が貫通する孔を有するオイル遮蔽プレート26が固定されている。また、ハウジング10のベアリング収容部10aには吸気入口及び吸気出口を備えたコンプレッサハウジング18が気密的に固定されており、該コンプレッサハウジング18内にコンプレッサロータ19が収容される。
【0013】
シャフト20の図示右端には、タービンロータ収容部10b内に位置するタービンロータ14が固着されている。タービンロータ収容部10bには、排気入口11と排気出口12とが形成されている。この排気入口11には、図示しないエンジンの排気マニホルドが接続され、排気出口12には排気出口管30が気密的に接続されている。排気入口11は、外周通路13を介してタービンロータ14の外周に連通されており、図1及び図2示すように、外周通路13には、排気をタービンロータ14をバイパスして流すバイパス通路16の一端16bが開口しており、バイパス通路16内には、この一端開口部16bと外周通路13の連通を開閉するウェイストゲートバルブ17が設けられている。ウェイストゲートバルブ17は、図示しない駆動機構によりバイパス通路16の一端を開閉制御するもので、タービンロータ14に供給される排気の一部をバイパスして排気出口管30へ流し、ターボチャージャの過給圧を制御する。排気出口12には、その図示左端の一端部がタービンロータ14と所定の小さな隙間を介して対向するように、タービンロータ14の外形に沿った形状を有する円筒状のノズル部材15が圧入固定されている。
【0014】
図2に示されるように、タービンロータ収容部10bの図示右端面には、その一端が開口部16bに連通し、その他端側へ向かうにつれてタービンロータ12の回転方向にその断面積が漸次縮小するスクロール状の溝16aがノズル部材15の外周面との間に形成されている。該溝16aは、タービンロータ収容部10bの図示右端面が排気出口管30と気密的に接合されることにより、バイパス通路16の一部を構成している。バイパス通路16の他端側開口部16cは、排気出口管30の内孔の一端開口テーパ内周面31とノズル部材15の図示右端の他端部との間で絞られた環状口として形成されている。これにより、ウェイストゲートバルブ17を介してバイパス通路16に流れ込んだ排気ガスの一部は、徐々に絞られたバイパス通路16により効率良く増速され、その他端開口16cの全周から均一に且つタービンロータ14の回転方向に渦巻き状に排気出口管30の内周面に沿って排出される。
【0015】
以上の構成からなる本第1実施形態の作用を説明する。
【0016】
図示しないエンジンが始動されると、ターボチャージャによる過給が開始される。即ち、排気マニホルドから排気入口11に流れ込んだ排気ガスはタービンロータ14を回転駆動し、シャフト20と共にコンプレッサロータ19が回転され、図示しないエンジンを過給する。タービンロータ14を駆動した排気ガスは、図1にG1で示すような螺旋流(タービンロータ12の回転方向と同一)の状態で、ノズル部材15の内孔から排気出口管30へと排出される。タービンロータ14の高速回転域での吸気圧力(過給圧)を調整するために設けられたウェイストゲートバルブ17は、コンプレッサロータ19側に設けられた図示しない駆動機構により開閉駆動される。このとき、過給圧が所定値を超えると、駆動機構はウェイストゲートバルブ17を開状態として、バイパス通路16と外周通路13とを連通させる。これによって、排気ガスの一部がタービンロータ14をバイパスして排気出口管30へ排出されて、過給圧は一定値に保たれる。
【0017】
バイパス通路16に流れ込んだ排気ガスは、バイパス通路16を介して排気出口管30へ排出される。このとき、バイパス通路16内の高圧の排気バイパス流は、タービンロータ12の回転方向にその断面積が漸次縮小するスクロール状の溝16a及び絞られた環状口16cの作用により流速を増し、且つ、渦巻き状になって排気出口管30の内面に沿って排出される。これにより、この排気バイパス流よりも流速の遅いタービンロータ14から排出される排気ガスとの間で、流速差が生じ、この流速差によりタービンロータ14から排出される排気ガスが積極的に吸出される(エゼクタ効果)。また、排気出口管30では、渦巻き状の排気バイパス流はタービンロータ14から排出される排気螺旋流G1と同じ方向の螺旋流G2となるため、排気出口管30の中央を流れる排気ガスの流れ(螺旋流G1)を妨げず、上記した排気ガスの吸出し効果が助長される。
【0018】
このように、排気出口管30の排気の流れが円滑化されることによって、排気出口での排気圧力が低減され、それにより排気入口11での排気圧力も低減し、過給性能を向上させることができる。また、ハウジング10はベアリング収容部10aと、タービンロータ収容部10bとを一体的に有しているため、従来のような接合及び接合のための部材を必要とせず、部品点数を削減できると共に接合部の気密不良の恐れをなくすことができる。また、ノズル部材15を別部品で構成しているため、タービンロータ14の組み付け性が阻害されることはなく、その材料の選択自由度が大きくできるため、インコネルやセラミック等からなるタービンロータ14と同等な熱膨張係数を有する材料を選択できて、タービンロータ14との間の所望の小さな間隙を適性に保つことが可能となり、過給性能を向上できる。
【0019】
図3は、上記した第1実施形態の変形実施形態を示す。この変形実施形態では、ノズル部材50がハウジング10に圧入固定されるピン40により固定される。その他の構成及び作用は、上記した第1実施形態と同じであるため、同じ構成に同じ番号符号を付して説明は省略する。
【0020】
図4乃至図6に本発明の第2実施形態を示す。この第2実施形態では、ハウジング110のタービンロータ収容部の図示右側端面に上記した第1実施形態のような螺旋状の溝は形成されていない。ウェイストゲートバルブ117が収容される凹部116cが、ハウジング110のタービンロータ収容部の図示右側端面に形成されており、該凹部116cは外周通路に連通されるバイパス通路の一端開口部116bに連通されている。凹部116cの一部は、タービンロータ収容部の排気出口に圧入される円筒状のノズル部材115により区画されている(境界づけられている)。図6に示すように、ノズル部材115の外周面にはタービンロータ114の回転方向に排気出口管130に向けて延びる螺旋溝115aが形成されており、その一端は凹部116cに開口し、その他端は、排気出口管130の内周面との間で開口している。したがって、バイパス通路が開口部116b、凹部116c、螺旋溝115aにより形成され、開口部116bより凹部116cへ入った排気ガスは螺旋溝115aによりその流路を絞られる。
【0021】
これによれば、上記した第1実施形態と同様に、バイパス通路に流れ込んだ排気ガスは、バイパス通路を介して排気出口管130へ排出される。このとき、バイパス通路内の高圧の排気バイパス流は、タービンロータ114の回転方向と同じ方向に形成された螺旋溝115aの作用により流速を増し、且つ、渦巻き状になって排気出口管130の内面に沿って排出される。これにより、この排気バイパス流よりも流速の遅いタービンロータ114から排出される排気ガスとの間で、流速差が生じ、この流速差によりタービンロータ114から排出される排気ガスが積極的に吸出される(エゼクタ効果)。また、排気出口管130では、渦巻き状の排気バイパス流はタービンロータ114から排出される排気螺旋流と同じ方向の螺旋流となるため、排気出口管130の中央を流れる排気ガスの流れを妨げず、上記した排気ガスの吸出し効果が助長される。
【0022】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1の発明によれば、タービンロータの組付性を損なうことなく、タービンハウジングとベアリングハウジング間の締結が不要とすることができる。また、バイパス通路からの排気バイパス流は、円筒状のノズル部材により形成される開口からシャフトの軸方向に排気出口へ吐出されるので、主排気流との干渉を抑制することができ、排気圧の上昇を防止できる。本発明によれば、ウェイストゲートバルブを介してスクロール室を流れる排気バイパス流は徐々に加速されてノズルより渦巻き状に排気出口管に排出され、そのままスパイラル溝に沿って排気出口管の内壁上を流れる。このとき、排気バイパス流は高圧高速で排出されるため、タービンロータ側からの排気ガスと流速差が生じ、エゼクタ効果によりタービンロータ側の排気ガスを吸出す。また、排気出口管では、スクロール室によって渦巻き状に排出される排気バイパス流がスパイラル溝に沿って流れる上、この渦巻き及びスパイラル溝によって与えられる排気バイパス流の螺旋流れ方向が、タービンロータからの排気ガスの螺旋流れ方向と同一であるため、この排気ガスの吸い出しをきわめて効率良くさせると共に下流側に向けて持続させることができる。よって、タービンロータ下流側の排気圧が低減され、それによりタービンロータの上流側の排気圧を低減することができて、ターボチャージャの過給性能を向上させることができる。
【0023】
従来のターボチャージャでは、エンジンの低速域でのターボチャージャの性能向上のためにタービンロータの径を小さくしていたが、これによるとエンジンの高速域においてエンジンの排気ガス圧力(背圧)が上昇し、ターボチャージャの性能低下を引き起こす。そのため、タービンロータの径の縮小にも限界があり、それゆえターボチャージャの更なる性能向上は見込めなかった。これが、請求項2及び3の発明によれば、排気バイパス流は高圧高速で排出されて、タービンロータ側からの排気ガスと流速差が生じ、エゼクタ効果によりタービンロータ側の排気ガスを吸出すと共に排気バイパス流の螺旋流れ方向が、タービンロータからの排気ガスの螺旋流れ方向と同一であるため、この排気ガスの吸い出しを助長させることにより、タービンロータの下流側の排気圧を低減できることから、タービンロータ上流側の排気圧を低減できるので、高速域でのターボチャージャの性能低下を招くことなく、低速域での性能向上のために、タービンロータの径を縮小することが可能となり、よって、エンジン回転数全域でのターボチャージャの性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるターボチャージャの第1実施形態を示す断面図である。
【図2】図1のハウジングの側面図である。
【図3】図1に示す第1実施形態の変形実施形態を示す一部断面図である。
【図4】本発明によるターボチャージャの第2実施形態を示す断面図である。
【図5】図4のハウジングの側面図である。
【図6】図4及び図5に示すノズル部材の斜視図である。
【符号の説明】
10、110 ハウジング
10a ベアリング収容部
10b タービンロータ収容部
11 排気入口
12 排気出口
14、114 タービンロータ
15、115 ノズル部材
115a 螺旋溝
16 バイパス通路
16a 螺旋溝
17、117 ウェイストゲートバルブ
19 コンプレッサロータ
20 シャフト
21、22 ラジアルベアリング
【発明の属する技術分野】
本発明は、ターボチャージャに関し、更に詳細には過給圧を制御するためのウェイストゲート構造を有するターボチャージャに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来のターボチャージャとしては、例えば、特開平4ー103817号公報に開示されるものがある。このターボチャージャは、タービンロータと、該タービンロータを収容すると共に排気入口及び排気出口を有するタービンハウジングと、該タービンハウジングに固定されるベアリングハウジングにラジアルベアリングを介して回転可能に支承され、その一端に前記タービンロータが固定されるシャフトと、該シャフトの他端に固定され、前記ベアリングハウジングに固定されるコンプレッサハウジング内に収容されたコンプレッサロータと、前記タービンロータをバイパスして前記排気入口と前記排気出口間を連通するように前記タービンロータに形成されたバイパス通路と、該バイパス通路を過給圧に応じて開閉するウェイストゲートバルブとを有する。このターボチャージャにおいては、過給圧(吸気圧力)が所定値を超えると、駆動機構によりウェイストゲートバルブを開状態として、バイパス通路を介して排気入口と排気出口が連通し、これにより排気ガスの一部がタービンロータをバイパスして排気出口へ排出されて、過給圧は一定値に保たれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
タービンロータは、排気により効率よく回転させられるように、その排気入口及び出口を除く周囲を隣接する他部材と所定の小さな間隙を保って配置しなければならず、そのためタービンロータの形状から、上記した従来のターボチャージャでは、組付性を確保するためにタービンハウジングとベアリングハウジングとを別部材で構成している。そのため、2つのハウジングを気密的に締結するためにカップリング又はプレート等を用いなければならず、部品点数の増加による製造コストが増大すると共に、2つのハウジングの締結部からの排気ガスの漏れの恐れがあるという問題があった。また、上記した従来のターボチャージャにおいては、バイパス通路を介して排気出口へ流れる排気バイパス流がタービンロータからの主排気流と干渉し合い、そのため、タービンロータ出口側の排気圧力(背圧)が上昇し、それに伴い、タービンロータ入口側の排気圧も上昇し、過給性能が低下するという問題があった。
【0004】
本発明は、上記した実情に鑑みなされたもので、排気ガスの漏れ及びタービンロータ出口側圧力の上昇を抑制し、過給性能を向上させることができる構成簡素なターボチャージャを提供することを、その課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために講じた請求項1の発明の技術的手段は、タービンロータと、該タービンロータを収容すると共に排気入口及び排気出口を有するタービンハウジングと、該タービンハウジングに固定されるベアリングハウジングにラジアルベアリングを介して回転可能に支承され、その一端に前記タービンロータが固定されるシャフトと、該シャフトの他端に固定され、前記ベアリングハウジングに固定されるコンプレッサハウジング内に収容されたコンプレッサロータと、前記タービンロータをバイパスして前記排気入口と前記排気出口間を連通するように前記タービンロータに形成されたバイパス通路と、該バイパス通路を過給圧に応じて開閉するウェイストゲートバルブとを有するターボチャージャーにおいて、前記タービンハウジングと前記ベアリングハウジングとを一体形成すると共に、その一端側にて前記タービンロータと所定の間隙を有して隣接し、その他端側にて前記バイパス通路の前記排気出口側開口を形成する円筒状のノズル部材を前記タービンロータに固定したことである。
【0006】
上記した手段によれば、タービンロータの組付性を損なうことなく、タービンハウジングとベアリングハウジング間の締結が不要とすることができる。また、バイパス通路からの排気バイパス流は、円筒状のノズル部材により形成される開口からシャフトの軸方向に排気出口へ吐出されるので、主排気流との干渉を抑制することができる。
【0007】
また、請求項2の発明の技術的手段は、前記バイパス通路を前記タービンロータの回転方向に順次その断面積が減少するスクロール状に形成し、その排気出口側開口を前記ノズル部材の外周面上に環状に形成したことである。
【0008】
これによれば、スクロール状のバイパス通路を流れる排気バイパス流は徐々に加速されてノズル部材により形成される環状の開口から排気出口内にタービンロータの回転方向と同方向の渦巻き状に排出される。排気バイパス流は、高圧高速で排出されて、タービンロータ側からの排気ガスとの間で流速差が生じ、エゼクタ効果によってタービンロータ側からの排気ガスを吸出す。
【0009】
また、請求項3の発明の技術的手段は、前記バイパス通路の一部を、前記ノズル部材の外周に前記タービンロータの回転方向と同方向に設けられたらせん溝で形成し、該らせん溝の一端を前記排気出口に開口したことである。
【0010】
これによれば、バイパス通路を流れる排気は、らせん溝によりタービンロータの回転方向と同方向の渦巻き状に排出される。排気バイパス流は、高圧高速で排出されて、タービンロータ側からの排気ガスとの間で流速差が生じ、エゼクタ効果によってタービンロータ側からの排気ガスを吸出す。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従ったターボチャージャの実施形態を図面に基づき、説明する。
【0012】
図1及び図2は、本発明の第1実施形態を示す。図1において、鋳鉄等から成るハウジング10は、円筒状のベアリング収容部10aと、タービンロータ収容部10bとを一体的に有している。ベアリング収容部10aには、一対の軸孔10a1が形成されており、該軸孔10a1内にはラジアル軸受21、22を介してシャフト20が回転可能に支承されている。ラジアルベアリング21、22は、軸孔10a1内に回転可能に嵌合されており、互いに向き合う側への軸方向の移動をスナップリングにより規制されている。ラジアルベアリング21は、図示右側への移動をシャフト20の外周に形成された大径部で規制されている。ラジアルベアリング22に嵌合されるシャフト20の図示左側には小径部が形成されており、該小径部にはその図示右側の端部にラジアルベアリング22の一端面に当接するフランジ部が形成される筒状のブッシュ23が嵌合されている。該ブッシュ23の図示左側には、その図示右側の端部にフランジ部が形成されるブッシュ29が嵌合されている。ブッシュ29の外周に形成される環状溝にはオイルシールが嵌着されており、該オイルシールにはハウジング10のベアリング収容部10aの軸孔10a1の図示左側に形成される大径孔内に嵌合されるプレートシール25の内周筒部が液密的に摺接する。ブッシュ29の図示左側のシャフト20の小径部にはコンプレッサロータ19が嵌合され、小径部の端部にら合されるボルト27により固定されている。これにより、ブッシュ23、29はコンプレッサロータ19の図示右端面とシャフト20の小径部の段部との間で挟持され、コンプレッサロータ19と共にシャフト20と一体的に回転する。ブッシュ23、29のフランジ部間には、ベアリング収容部10aの大径部の図示左側に形成される段部に固定されるスラストベアリング24が介装されており、該スラストベアリング24にはベアリング収容部10aに形成され、ラジアルベアリング21、22へオイルを供給するオイル通路に連通されて、ブッシュ23、29のフランジ部との摺動部間へオイルを供給するオイル供給孔が形成されている。尚、プレートシール25は、ベアリング収容部10aの大径部の開口に嵌着されたスナップリングとスラストベアリング24との間でその軸方向の動きを規制されており、またプレートシール25には、ブッシュ29の筒部が貫通する孔を有するオイル遮蔽プレート26が固定されている。また、ハウジング10のベアリング収容部10aには吸気入口及び吸気出口を備えたコンプレッサハウジング18が気密的に固定されており、該コンプレッサハウジング18内にコンプレッサロータ19が収容される。
【0013】
シャフト20の図示右端には、タービンロータ収容部10b内に位置するタービンロータ14が固着されている。タービンロータ収容部10bには、排気入口11と排気出口12とが形成されている。この排気入口11には、図示しないエンジンの排気マニホルドが接続され、排気出口12には排気出口管30が気密的に接続されている。排気入口11は、外周通路13を介してタービンロータ14の外周に連通されており、図1及び図2示すように、外周通路13には、排気をタービンロータ14をバイパスして流すバイパス通路16の一端16bが開口しており、バイパス通路16内には、この一端開口部16bと外周通路13の連通を開閉するウェイストゲートバルブ17が設けられている。ウェイストゲートバルブ17は、図示しない駆動機構によりバイパス通路16の一端を開閉制御するもので、タービンロータ14に供給される排気の一部をバイパスして排気出口管30へ流し、ターボチャージャの過給圧を制御する。排気出口12には、その図示左端の一端部がタービンロータ14と所定の小さな隙間を介して対向するように、タービンロータ14の外形に沿った形状を有する円筒状のノズル部材15が圧入固定されている。
【0014】
図2に示されるように、タービンロータ収容部10bの図示右端面には、その一端が開口部16bに連通し、その他端側へ向かうにつれてタービンロータ12の回転方向にその断面積が漸次縮小するスクロール状の溝16aがノズル部材15の外周面との間に形成されている。該溝16aは、タービンロータ収容部10bの図示右端面が排気出口管30と気密的に接合されることにより、バイパス通路16の一部を構成している。バイパス通路16の他端側開口部16cは、排気出口管30の内孔の一端開口テーパ内周面31とノズル部材15の図示右端の他端部との間で絞られた環状口として形成されている。これにより、ウェイストゲートバルブ17を介してバイパス通路16に流れ込んだ排気ガスの一部は、徐々に絞られたバイパス通路16により効率良く増速され、その他端開口16cの全周から均一に且つタービンロータ14の回転方向に渦巻き状に排気出口管30の内周面に沿って排出される。
【0015】
以上の構成からなる本第1実施形態の作用を説明する。
【0016】
図示しないエンジンが始動されると、ターボチャージャによる過給が開始される。即ち、排気マニホルドから排気入口11に流れ込んだ排気ガスはタービンロータ14を回転駆動し、シャフト20と共にコンプレッサロータ19が回転され、図示しないエンジンを過給する。タービンロータ14を駆動した排気ガスは、図1にG1で示すような螺旋流(タービンロータ12の回転方向と同一)の状態で、ノズル部材15の内孔から排気出口管30へと排出される。タービンロータ14の高速回転域での吸気圧力(過給圧)を調整するために設けられたウェイストゲートバルブ17は、コンプレッサロータ19側に設けられた図示しない駆動機構により開閉駆動される。このとき、過給圧が所定値を超えると、駆動機構はウェイストゲートバルブ17を開状態として、バイパス通路16と外周通路13とを連通させる。これによって、排気ガスの一部がタービンロータ14をバイパスして排気出口管30へ排出されて、過給圧は一定値に保たれる。
【0017】
バイパス通路16に流れ込んだ排気ガスは、バイパス通路16を介して排気出口管30へ排出される。このとき、バイパス通路16内の高圧の排気バイパス流は、タービンロータ12の回転方向にその断面積が漸次縮小するスクロール状の溝16a及び絞られた環状口16cの作用により流速を増し、且つ、渦巻き状になって排気出口管30の内面に沿って排出される。これにより、この排気バイパス流よりも流速の遅いタービンロータ14から排出される排気ガスとの間で、流速差が生じ、この流速差によりタービンロータ14から排出される排気ガスが積極的に吸出される(エゼクタ効果)。また、排気出口管30では、渦巻き状の排気バイパス流はタービンロータ14から排出される排気螺旋流G1と同じ方向の螺旋流G2となるため、排気出口管30の中央を流れる排気ガスの流れ(螺旋流G1)を妨げず、上記した排気ガスの吸出し効果が助長される。
【0018】
このように、排気出口管30の排気の流れが円滑化されることによって、排気出口での排気圧力が低減され、それにより排気入口11での排気圧力も低減し、過給性能を向上させることができる。また、ハウジング10はベアリング収容部10aと、タービンロータ収容部10bとを一体的に有しているため、従来のような接合及び接合のための部材を必要とせず、部品点数を削減できると共に接合部の気密不良の恐れをなくすことができる。また、ノズル部材15を別部品で構成しているため、タービンロータ14の組み付け性が阻害されることはなく、その材料の選択自由度が大きくできるため、インコネルやセラミック等からなるタービンロータ14と同等な熱膨張係数を有する材料を選択できて、タービンロータ14との間の所望の小さな間隙を適性に保つことが可能となり、過給性能を向上できる。
【0019】
図3は、上記した第1実施形態の変形実施形態を示す。この変形実施形態では、ノズル部材50がハウジング10に圧入固定されるピン40により固定される。その他の構成及び作用は、上記した第1実施形態と同じであるため、同じ構成に同じ番号符号を付して説明は省略する。
【0020】
図4乃至図6に本発明の第2実施形態を示す。この第2実施形態では、ハウジング110のタービンロータ収容部の図示右側端面に上記した第1実施形態のような螺旋状の溝は形成されていない。ウェイストゲートバルブ117が収容される凹部116cが、ハウジング110のタービンロータ収容部の図示右側端面に形成されており、該凹部116cは外周通路に連通されるバイパス通路の一端開口部116bに連通されている。凹部116cの一部は、タービンロータ収容部の排気出口に圧入される円筒状のノズル部材115により区画されている(境界づけられている)。図6に示すように、ノズル部材115の外周面にはタービンロータ114の回転方向に排気出口管130に向けて延びる螺旋溝115aが形成されており、その一端は凹部116cに開口し、その他端は、排気出口管130の内周面との間で開口している。したがって、バイパス通路が開口部116b、凹部116c、螺旋溝115aにより形成され、開口部116bより凹部116cへ入った排気ガスは螺旋溝115aによりその流路を絞られる。
【0021】
これによれば、上記した第1実施形態と同様に、バイパス通路に流れ込んだ排気ガスは、バイパス通路を介して排気出口管130へ排出される。このとき、バイパス通路内の高圧の排気バイパス流は、タービンロータ114の回転方向と同じ方向に形成された螺旋溝115aの作用により流速を増し、且つ、渦巻き状になって排気出口管130の内面に沿って排出される。これにより、この排気バイパス流よりも流速の遅いタービンロータ114から排出される排気ガスとの間で、流速差が生じ、この流速差によりタービンロータ114から排出される排気ガスが積極的に吸出される(エゼクタ効果)。また、排気出口管130では、渦巻き状の排気バイパス流はタービンロータ114から排出される排気螺旋流と同じ方向の螺旋流となるため、排気出口管130の中央を流れる排気ガスの流れを妨げず、上記した排気ガスの吸出し効果が助長される。
【0022】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1の発明によれば、タービンロータの組付性を損なうことなく、タービンハウジングとベアリングハウジング間の締結が不要とすることができる。また、バイパス通路からの排気バイパス流は、円筒状のノズル部材により形成される開口からシャフトの軸方向に排気出口へ吐出されるので、主排気流との干渉を抑制することができ、排気圧の上昇を防止できる。本発明によれば、ウェイストゲートバルブを介してスクロール室を流れる排気バイパス流は徐々に加速されてノズルより渦巻き状に排気出口管に排出され、そのままスパイラル溝に沿って排気出口管の内壁上を流れる。このとき、排気バイパス流は高圧高速で排出されるため、タービンロータ側からの排気ガスと流速差が生じ、エゼクタ効果によりタービンロータ側の排気ガスを吸出す。また、排気出口管では、スクロール室によって渦巻き状に排出される排気バイパス流がスパイラル溝に沿って流れる上、この渦巻き及びスパイラル溝によって与えられる排気バイパス流の螺旋流れ方向が、タービンロータからの排気ガスの螺旋流れ方向と同一であるため、この排気ガスの吸い出しをきわめて効率良くさせると共に下流側に向けて持続させることができる。よって、タービンロータ下流側の排気圧が低減され、それによりタービンロータの上流側の排気圧を低減することができて、ターボチャージャの過給性能を向上させることができる。
【0023】
従来のターボチャージャでは、エンジンの低速域でのターボチャージャの性能向上のためにタービンロータの径を小さくしていたが、これによるとエンジンの高速域においてエンジンの排気ガス圧力(背圧)が上昇し、ターボチャージャの性能低下を引き起こす。そのため、タービンロータの径の縮小にも限界があり、それゆえターボチャージャの更なる性能向上は見込めなかった。これが、請求項2及び3の発明によれば、排気バイパス流は高圧高速で排出されて、タービンロータ側からの排気ガスと流速差が生じ、エゼクタ効果によりタービンロータ側の排気ガスを吸出すと共に排気バイパス流の螺旋流れ方向が、タービンロータからの排気ガスの螺旋流れ方向と同一であるため、この排気ガスの吸い出しを助長させることにより、タービンロータの下流側の排気圧を低減できることから、タービンロータ上流側の排気圧を低減できるので、高速域でのターボチャージャの性能低下を招くことなく、低速域での性能向上のために、タービンロータの径を縮小することが可能となり、よって、エンジン回転数全域でのターボチャージャの性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるターボチャージャの第1実施形態を示す断面図である。
【図2】図1のハウジングの側面図である。
【図3】図1に示す第1実施形態の変形実施形態を示す一部断面図である。
【図4】本発明によるターボチャージャの第2実施形態を示す断面図である。
【図5】図4のハウジングの側面図である。
【図6】図4及び図5に示すノズル部材の斜視図である。
【符号の説明】
10、110 ハウジング
10a ベアリング収容部
10b タービンロータ収容部
11 排気入口
12 排気出口
14、114 タービンロータ
15、115 ノズル部材
115a 螺旋溝
16 バイパス通路
16a 螺旋溝
17、117 ウェイストゲートバルブ
19 コンプレッサロータ
20 シャフト
21、22 ラジアルベアリング
Claims (3)
- タービンロータと、該タービンロータを収容すると共に排気入口及び排気出口を有するタービンハウジングと、該タービンハウジングに固定されるベアリングハウジングにラジアルベアリングを介して回転可能に支承され、その一端に前記タービンロータが固定されるシャフトと、該シャフトの他端に固定され、前記ベアリングハウジングに固定されるコンプレッサハウジング内に収容されたコンプレッサロータと、前記タービンロータをバイパスして前記排気入口と前記排気出口間を連通するように前記タービンロータに形成されたバイパス通路と、該バイパス通路を過給圧に応じて開閉するウェイストゲートバルブとを有するターボチャージャーにおいて、前記タービンハウジングと前記ベアリングハウジングとを一体的に有するハウジングを設け、その一端側にて前記タービンロータと所定の間隙を有して隣接し、その他端側にて前記バイパス通路の前記排気出口側開口を形成する円筒状のノズル部材を前記ハウジングに固定したことを特徴とするターボチャージャ。
- 前記バイパス通路は前記タービンロータの回転方向に順次その断面積が減少するスクロール状に形成され、その排気出口側開口が前記ノズル部材の外周面上に環状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のターボチャージャ。
- 前記バイパス通路の一部は、前記ノズル部材の外周に前記タービンロータの回転方向と同方向に設けられたらせん溝で形成され、該らせん溝の一端が前記排気出口に開口していることを特徴とする請求項1に記載のターボチャージャ。
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