JP3623348B2 - 車両の蓄圧エネルギ回生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は車両の蓄圧エネルギ回生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
蓄圧式ハイブリッド車両として、制動エネルギを油圧ポンプ・モータを介してアキュームレータに蓄圧し、その蓄圧力を車両の駆動エネルギとして発進時や加速時に油圧ポンプ・モータを介して回生するようにしたものが知られている(特開平7ー149212号公報など)。アキュームレータ側の高圧配管を開閉するシャットオブバルブが設けられ、油圧ポンプ・モータとともにコントローラにより制御される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
エネルギ回生中はシャットオフバルブを開いて油圧ポンプ・モータをモータ側へ作動させるが、車両の加速に伴う変速時には、アクセルペダルが戻されるとシャットオフバルブをいったん閉じ、変速操作の完了に伴いアクセルペダルが踏み込まれると開くように制御している。シャットオフバルブが閉じると、その間は高圧配管の油圧ポンプモータ側の油圧が低圧側へ逃げるから、シャットオフバルブの前後に圧力差を生じるようになり、変速操作の完了に伴いシャットオフバルブが開くと、その瞬間に高圧のアキュームレータ側から低圧の油圧ポンプ・モータ側へ油圧が一気に流れ込む。そのため、油圧ポンプ・モータ側の急激な圧力変動により、『ゴン』という衝撃的な音や振動が発生することが考えられる。
【0004】
この発明はこのような問題点を解決する有効な手段の提供を目的とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
第1の発明では、アキュムレータ側の高圧配管と、リザーバタンク側の低圧配管と、これらの間に介装される油圧ポンプ・モータと、高圧配管の途中を開閉するシャットオフバルブと、油圧ポンプ・モータを介して車両の制動エネルギをアキュムレータに蓄圧し、その蓄圧力を車両の発進時や加速時に駆動エネルギとして油圧ポンプ・モータを介して回生するようにした装置において、エネルギ回生中に変速操作が行われると、シャットオフバルブを開き状態に保ちながら、変速操作期間は油圧ポンプ・モータを中立位置に制御する手段を設ける。
【0006】
第2の発明では、第1の発明において、変速操作の開始時期から所定時間が経過する、アキュームレータの蓄圧レベルが下限値に達する、ブレーキペダルが踏み込まれる、の少なくとも1つの条件を満たすと、変速操作中のシャットオフバルブを閉じる制御を行う手段を設ける。
【0007】
【発明の効果】
第1の発明では、エネルギ回生中の変速時(車両の加速に伴う変速の必要なとき)は、シャットオフバルブは開き状態に保たれる。そのため、アキュームレータ側から油圧ポンプ・モータ側へ油圧は流れ続けるが、油圧ポンプ・モータが中立位置に制御されるため、アキュームレータの蓄圧レベルの低下は小さく抑えられる。そして、シャットオフバルブが閉じないから、シャットオフバルブの前後に圧力差を生じないため、油圧ポンプ・モータ側の急激な圧力変動に伴う『ゴン』という衝撃的な音や振動が発生するのを回避することができる。
【0008】
第2の発明では、エネルギ回生中の変速時は、シャットオフバルブは開き状態に保たれるが、変速操作の開始時期から所定時間が経過する、アキュームレータの蓄圧レベルが下限値に低下する、ブレーキペダルが踏み込まれる、の少なくとも1つの条件が成立すると閉じられる。このため、1回の変速操作に伴う蓄圧レベルの低下量が一定に抑えられるし、油圧ポンプ・モータの回転が駆動系の負荷に変化するのを防止できるほか、ブレーキペダルを踏み込むと、油圧ポンプ・モータのポンプ作動により、蓄圧制動が適確に働くことになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1,図2において、1はエンジン、2はクラッチ、3はトランスミッション、4は駆動軸であり、エンジン回転はクラッチ2を介してトランスミッション3に入力され、トランスミッション3からプロペラシャフトを介して駆動軸4のファナルギヤへ伝達される。ファナルギヤの回転はデファレンシャルを介して左右に振り分けられ、両側の車輪を回転駆動する。ファナルギヤにギヤボックス5を介して油圧ポンプ・モータ6が連結される。ギヤボックス5と油圧ポンプ・モータ6との連結を断続するクラッチ7と、クラッチ7の断続操作を行う作動圧(エア圧)を給排する電磁弁8と、クラッチ7の断続状態を検出するクラッチスイッチ9と、が設けられる。
【0010】
油圧ポンプ・モータ6は斜軸式のピストンポンプ・モータが用いられ、高圧ポートに配管10を介してアキュームレータ11が、低圧ポートに配管12を介してオイルタンク13がそれぞれ接続される。アキュームレータ11は殻体がシリンダ形に形成され、その内部にガス室と油室とに仕切るピストン14が収装される。アキュームレータ11の蓄圧量をピストン14のストローク位置から検出する蓄圧センサ15が設けられる。高圧側の配管10にバルブブロック16が介装され、バルブブロック16とオイルタンク13を接続する配管17が設けられる。この配管17にオイルフィルタ18およびオイルクーラ19(電動ファン付き)が介装され、定常走行中は油圧ポンプ・モータ6を介して作動油を循環させる回路を形成する。
【0011】
油圧ポンプ・モータ6にはその斜軸角(傾斜角)を検出する斜軸角センサ20と、作動油の温度を検出する油温センサ21と、油圧ポンプ・モータ6の斜軸角を要求値に一致させるよう駆動するサーボモータ22と、が設けられる。油圧ポンプ・モータ6のサーボモータ22およびクラッチ7と、バルブブロック16およびブレーキ配管の電磁弁40を制御するのがハイブリッド運転コントロールユニット35であり、制御装置36(エンジンコントロールユニットおよびトランスミッションコントロールユニットなど)との間に信号のやり取りを行う通信回線が設けられる。27はギヤボックス5のギヤ回転(車速)を検出するギヤ回転センサである。
【0012】
トランスミッション3とエンジン燃料噴射ポンプ1aおよびクラッチ2のそれぞれに図示しないが、これらの作動状態を検出する各種センサ類と、これらを作動させるアクチュエータと、が備えられる。25はアクセルペダルの踏角を検出するアクセル開度センサ、26はシフトレバーによるシフト位置指示信号を発生するシフトレバー装置であり、制御装置36はアクセル開度センサ25の検出信号(アクセル信号)に応じて燃料噴射ポンプ1aのラック位置(燃料噴射量)を調整する。また、シフトレバー装置26のシフト位置指示信号に応じてトランスミッション3のギヤシフトを制御する。また、図示しないクラッチペダルの踏み角に応じてクラッチ2のストロークを制御する機能を備える。
【0013】
車両の変速時は、制御装置36が運転者の変速操作に基づく要求に応じて各種アクチュエータを作動させる。すなわち、クラッチ2を切断して燃料噴射ポンプ1aを無負荷状態に戻してから、トランスミッション3のギヤシフトを行うのであり、そのギヤセットが完了すると、燃料噴射ポンプ1aのラック位置を増量側へ進め、クラッチ2を接続するようになる。
【0014】
ブレーキ配管においては、前輪(従動輪)側と後輪(駆動輪)側にそれぞれブースタ41が配置される。これらブースタ41はダブルチェックバルブ42から配管43を介して供給されるエア圧を油圧に変換し、各車輪のブレーキ装置(図示せず)へ配管44を介して供給する。ダブルチェックバルブ42の2つの入口はそれぞれ配管45,46を介してブレーキバルブ47に接続される。配管45にはブレーキバルブ47の出力圧を一定の割合で減圧するLQRV48(リミティング・クイック・リリースバルブ)が介装される。配管46にはプロテクションバルブ49と常閉の電磁弁40とが並列に介装され、これらの合流部にクイックリリースバルブ50が設けられる。
【0015】
ブレーキバルブ47は配管53を介してエアタンク54に接続され、エアタンク54からの入力圧をペダル踏角に応じた出力圧に調整して配管45および配管46へ供給する。プロテクションバルブ49は、ブレーキバルブ47の出口圧が所定値以上になると、配管46bを開くようになっている。電磁弁40はハイブリッド運転コントロールユニット35により、蓄圧制動の作動時に配管46aを閉じる一方、蓄圧制動の非作動時に配管46aを開くように制御される。また、油圧ポンプ・モータ6の蓄圧制動力を制御するため、ブレーキバルブ47の出口圧を検出するブレーキ圧センサ56と、エアタンク54の内圧(タンク圧)を検出するタンク圧センサ57が設けられる。
【0016】
バルブブロック16は図2のようにアキュームレータ側の配管10(高圧配管)を開閉するシャットオフバルブ60と、チェック弁62およびアキュームレータ側の最大油圧を制限するリリーフバルブ63と、を備える。チェック弁62はオイルクーラ19側の配管17を高圧配管10の油圧ポンプ・モータ側と接続する通路17aの途中に介装され、高圧配管10からオイルクーラ19側の配管17への油圧の逆流を阻止する。
【0017】
シャットオフバルブ60としては、開弁側の受圧面に作用するアキュームレータ側の油圧力および油圧ポンプ・モータ側の油圧力と、閉弁側の受圧面に作用する油圧力および閉弁方向へ付勢するスプリング力とのバランスに応じて進退する弁体60aの小径部60bにより高圧配管10を開閉する差圧応動型が採用される。開弁側の受圧面と閉弁側の受圧面とは略同等に設定され、閉弁側の受圧面にアキュームレータ側の高圧とオイルタンク側の低圧とを選択的に供給する電磁弁61を備える。
【0018】
閉弁側の受圧面に作用する油圧が電磁弁61を介してオイルタンク側の配管12(低圧配管)に開放されると、開弁側の受圧面に作用するアキュームレータ側の油圧力および油圧ポンプ・モータ側の油圧力により、弁体60aはスプリング60cを圧縮して高圧配管10を連通させる開き位置へ後退する一方、閉弁側の受圧面に作用する油圧が電磁弁61を介してアキュームレータ側の高圧に切り替わると、油圧ポンプ・モータ側の油圧がアキュームレータ側の油圧を上回らないかぎり、閉弁側の油圧力およびスプリング力の方が開弁側の油圧力を上回わるため、高圧配管10を遮断する閉じ位置へ前進するように作動する。65は低圧配管12への流量を絞るオリフィスである。
【0019】
リリーフバルブ63は高圧配管10のアキュームレータ側を低圧配管12と接続する通路66に介装され、開弁側の受圧面に作用するアキュームレータ側の油圧力およびオイルタンク側の油圧力と、閉弁側の受圧面に作用する油圧力および閉弁方向へ付勢するスプリング力とのバランスに応動する弁体63aの小径部63bで通路66を開閉する差圧応動型が採用される。開弁側の受圧面と閉弁側の受圧面とは略同等に設定され、高圧配管の油圧がスプリング63cの設定荷重を越えると閉弁側の受圧面に作用する油圧力をオイルタンク側の低圧配管12に開放する油圧パイロット弁64を備える。弁体63aには小径部63bの受圧面から反対側の受圧面に開口するオリフィス通路63dが形成される。
【0020】
閉弁側の受圧面に作用する油圧が油圧パイロット弁64を介してオイルタンク側に開放されると、開弁側の受圧面に作用する油圧力により、弁体63aはスプリング63cを圧縮して通路66を連通させる開き位置へ後退し、高圧配管10の過剰な油圧をオイルタンク側の低圧配管12へ逃がす。開弁側の受圧面に作用する油圧は、弁体63aのオリフィス通路63dを介して閉弁側の受圧面に導入され、弁体63aは前後の差圧が小さくなると、スプリング力で通路66を遮断する閉じ位置へ前進する。
【0021】
ハイブリッド運転コントロールユニット35で行われる制御内容を説明すると、定常走行時はバルブブロック16のシャットオフバルブ60が閉じる(電磁弁61への通電をオフする)。油圧ポンプ・モータ6は中立位置に制御するが、油温センサ21で検出される油温が所定値以上になると、オイルフィルタ18およびオイルクーラ19を経由してオイルタンク13の作動油を循環させるよう、中立位置から一時的にモータ側へ切り替える。
【0022】
ブレーキ圧センサ56と蓄圧センサ15およびギヤ回転(車速)センサの各検出信号に基づいて、アキュームレータ11の蓄圧レバルに余裕があり、車速が規定範囲内の制動時において、ブレーキバルブ47の出力圧がプロテクションバルブ49の開弁圧以下のときは、バルブブロック16のシャットオフバルブ60を閉じる一方、ブレーキ回路の電磁弁40を閉弁するとともにブレーキ回路のリミティング・クイック・リリースバルブ48を介して削減される分の制動力を補うよう、油圧ポンプ・モータ6をポンプ側へ作動させる。
【0023】
油圧ポンプ・モータ6がポンプ側に作動すると、高圧配管10の油圧ポンプ・モータ側の圧力が上昇し、この圧力がアキュームレータ側の油圧を上回ると、油圧ポンプ・モータ側の油圧は、シャットオフバルブ60を押し開いてアキュームレータ側へ供給される。そのため、ポンプ・モータの斜軸角に応じた制動力を車両の駆動系に及ぼす一方、その制動エネルギをアキュームレータに蓄圧するようになる。
【0024】
制動時に既述の蓄圧条件を満たさないとき(蓄圧制動の非作動時)は、バルブブロック16のシャットオフバルブ60を閉じるとともに油圧ポンプ・モータ6を中立位置に制御する一方、ブレーキ配管の電磁弁40を開弁する。
【0025】
アクセル開度センサ25の検出信号およびギヤ回転センサ27の検出信号とから、車両の発進時や加速時を判定すると、アキュームレータ11の蓄圧レベルが所定値以上の蓄圧状態のときに限り、バルブブロック16のシャットオフバルブ60を開く(電磁弁61への通電をオンする)とともに油圧ポンプ・モータ6をモータ側へ作動させることにより、車両の駆動系にアキュームレータ11の蓄圧エネルギを回生する。また、エンジン燃料噴射ポンプ1aのアクセル開度に応じた燃料噴射量から回生エネルギ分の燃料噴射量を削減するラック信号を出力する。
【0026】
エネルギ回生中の変速時(車両の加速に伴う変速操作が行われるとき)は、アクセル開度センサ25の検出信号からアクセルペダルの解放を判定すると、バルブブロック16のシャットオフバルブ60を開き状態(電磁弁61への通電をオン)に保ちながら、油圧ポンプ6を中立位置に戻すように制御する。アクセルペダルが再び踏み込まれると、変速操作の完了を判定し、油圧ポンプ・モータ6をモータ側へ作動させる。
【0027】
図3,図4はシャットオフバルブ60について、エネルギ回生中の変速時に行われる制御内容を説明するフローチャートであり、ステップ1でアクセルペダルが初期位置(解放状態)へ戻されると、ステップ2へ進む。ステップ2では所定条件が成立するかどうかを判定し、その条件が成立するときにステップ3でシャットオフバルブ60を閉じる。図4は図3のステップ2で行われるサブルーチンであり、ステップ2aでアキュームレータの蓄圧レベルが下限値に達したかどうか、ステップ2bでアクセルペダルの解放時点(変速操作の開始時期に相当する)から所定時間が経過したかどうか、ステップ2cでブレーキペダルが踏み込まれたかどうか、を判定する。そして、ステップ2a〜2cの判定の少なくとも1つがyesのときは、ステップ3へと進む一方、これらの判定がすべてnoのときは、ステップ1へリターンする。
【0028】
アクセル開度センサ25の検出信号は制御装置36に入力され、ハイブリッド運転コントロールユニット35へ通信される。また、制御装置36においては、所定条件が成立するとハイブリッド運転の許可信号を出力する。ハイブリッド運転コントロールユニット35ではその許可信号の入力時にのみ、既述のように制動エネルギの蓄圧とその回生を制御する。エンジン燃料噴射量のラック削減信号は、ハイブリッド運転コントロールユニット35から制御装置36へ通信され、エンジンコントロールユニットを介して燃料噴射ポンプ1aのラック位置を減少補正する。
【0029】
このような構成により、蓄圧制動の作動時においては、ブレーキバルブ47の出力圧はリミティング・クイック・リリースバルブ48を介して一定の割合で削減してブースタ41へ供給される。ブレーキバルブ47の出力圧が所定値以上になると、プロテクションバルブ49が開弁するため、ブレーキバルブ47から削減されない出力圧がブースタ41へ供給される。蓄圧制動の非作動時は、電磁弁40が開弁するため、プロテクションバルブ49の開閉に拘わらず、ブレーキバルブ47から削減されない出力圧がブースタ41へ供給される。このため、通常のブレーキ操作時は、サービスブレーキの制動力が一定の割合で削減され、その分は油圧ポンプ・モータ6の蓄圧制動力で補われるため、従前のサービスブレーキと同等の車両制動力が得られる。急制動時や蓄圧制動の非作動時には、プロテクションバルブ49や電磁弁40を介してサービスブレーキの制動力削減がキャンセルされ、サービスブレーキはブレーキペダルの要求値(ペダル踏角)に相当する制動力を発生する。
【0030】
エネルギ回生時においては、油圧ポンプ・モータ6がモータ側へ切り替わり、シャットオフバルブ60が開くことにより、車両の駆動系にアキュームレータ11の蓄圧力が駆動エネルギとして回生される。車両の加速に伴う変速時は、図5のようにアクセルペダルが解放されても、シャットオフバルブ60は開き状態に保たれる。アキュームレータ側からシャットオフバルブ60を通して油圧ポンプ・モータ側へ油圧(図2のP1)は流れ続けるが、油圧ポンプ・モータ6が中立位置に制御されるため、アキュームレータ11の蓄圧レベルの低下は小さく抑えられる。この変速操作中は、エンジンからの動力伝達が遮断され、エネルギ回生も中止されるから、車両は空走状態になるが、アクセルペダルが踏み込まれると、変速(この場合、シフトアップ)後のギヤ比に基づいて車速がさらに上昇するようになる。
【0031】
このようにエネルギ回生中の変速時において、シャットオフバルブ60を開き状態に保つことにより、シャットオフバルブ60の前後に圧力差(図2において、P1−P2)は生じないから、油圧ポンプ・モータ側の急激な圧力変動に伴う、『ゴン』という衝撃的な音や振動の発生を回避することができる。また、既述のような条件の少なくとも1つが成立すると、変速操作中にシャットオフバルブ60は閉じられるため、1回の変速操作に伴う蓄圧レベルの低下量が一定に抑えられるし、油圧ポンプ・モータ6の回転が駆動系の負荷に変化するのを防止できるほか、ブレーキペダルの踏み込むと、油圧ポンプ・モータ6のポンプ作動により、蓄圧制動が適確に働くことになる。
【0032】
エンジン回生の開始に際しても、シャットオフバルブ60の前後の圧力差(P1−P2)が大きいときは、シャットオフバルブ60を開くと、油圧ポンプ・モータ側の急激な圧力変動により、『ゴン』という衝撃的な音や振動を発生しやすい。その対策としてシャットオフバルブ60を開く前に油圧ポンプ・モータ6をいったんポンプ側へ作動させることにより、シャットオフバルブ60の前後の圧力差(P1−P2)を小さくしてから、油圧ポンプ・モータ6の作動をモータ側へ切り替えるとともにシャットオフバルブ60を開くようにすると良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】蓄圧エネルギ回生装置の全体構成図である。
【図2】バルブブロックの回路構成図である。
【図3】シャットオフバルブの制御内容を説明するフローチャートである。
【図4】シャットオフバルブの制御内容を説明するフローチャートである。
【図5】シャットオフバルブの制御内容を説明する特性図である。
【符号の説明】
5 ギヤボックス
6 油圧ポンプ・モータ
11 アキュームレータ
13 オイルタンク
16 バルブブロック
35 ハイブリッド運転コントロールユニット
60 シャットオフバルブ
61 電磁弁
62 チェック弁
63 リリーブバルブ
64 油圧パイロット弁
68a,68b 圧力センサ
Claims (2)
- アキュムレータ側の高圧配管と、リザーバタンク側の低圧配管と、これらの間に介装される油圧ポンプ・モータと、高圧配管の途中を開閉するシャットオフバルブと、油圧ポンプ・モータを介して車両の制動エネルギをアキュムレータに蓄圧し、その蓄圧力を車両の発進時や加速時に駆動エネルギとして油圧ポンプ・モータを介して回生するようにした装置において、エネルギ回生中に変速操作が行われると、シャットオフバルブを開き状態に保ちながら、変速操作期間は油圧ポンプ・モータを中立位置に制御する手段を設けたことを特徴とする車両の蓄圧エネルギ回生装置。
- 変速操作の開始時期から所定時間が経過する、アキュームレータの蓄圧レベルが下限値に達する、ブレーキペダルが踏み込まれる、の少なくとも1つの条件を満たすと、変速操作中のシャットオフバルブを閉じる制御を行う手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の蓄圧エネルギ回生装置。
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