JP3623108B2 - 撥水性ガラスの製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フロートガラス等のガラス基板表面に撥水性被膜が形成された撥水性ガラスおよびその製法に関し、建築用、自動車用、船舶用或いは航空機用等の各種窓材、の他産業用など種々の分野の各種透明物品等に利用できる撥水性ガラスおよびその製法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、優れた撥水性能をより長く持続する透明な撥水性被膜が望まれてきている。これらのニ−ズに答えるための代表的な性能として、例えば高い耐摩耗性(耐トラバ−ス性)を有する撥水性被膜を備える撥水性ガラスとする必要がある。この撥水性被膜を得るためにフルオロアルキル基含有シラン化合物をガラス基板表面に処理した撥水性ガラスについて、非常に多くの提案が報告されている。
【0003】
例えば、本出願人が既に出願した特願平4−16688号(特開平5−213633号公報)および特開平9−132433号公報等に記載している発明は、ガラス表面に微細な凹凸形状表層表面を有するベ−ス膜を形成し、該ベ−ス膜を被覆する撥水膜を形成することで、撥水性被膜の付着効率と密着性を高め、さらに耐光性能を向上するようにしたものである。
また、本出願人が既に出願した特願平8−217510号に記載している発明は、フルオロアルキル(Rf)基含有シラン化合物の重縮合の程度(FAS重合度)を制御して(脱水撥水液)、耐トラバース性を改善するようにしたものである。
さらに、特開平9−268031号公報にはフロートガラスのトップ面を選択してフルオロアルキル基含有シラン化合物を処理することにより、耐久性を向上するようにしたものが知られている。
さらにまた、特開平3−232747号公報にはフロートガラス面にシリカよりなる下地層を形成し、フロートガラスのトップ面とボトム面との性能の差異を解消し、同等な撥水性を有するガラスが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した例えば、特願平4−16688号(特開平5−213633号公報)および特開平9−132433号公報に記載の撥水性ガラスは、前述したニ−ズに充分に答えうるものであるものの、特異なベ−ス膜と撥水性被膜の2層構造の膜構成であり複雑であるという問題がある。
また、特願平8−217510号や特開平9−268031号公報については、ガラス基板としてフロートガラスのトップ面を使用する必要があり、例えば自動車用ガラスの場合には必然的にボトム面(車外面)が撥水処理面となるなど、所望の性能を得ることができない場合がある。
さらに、特開平3−232747号公報の場合は、下地層の厚みは100〜300nmと非常に厚く、耐摩耗性を充分に満足出来るものではない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、従来のかかる課題に鑑みてなしたものであって、フロートガラスのトップ面、ボトム面を区別することなく同等の性能を有する撥水性被膜を簡単に形成できる高性能の撥水性ガラスおよびその製法に関するものである。
【0006】
すなわち本発明は、膜厚が20〜45nmである下地層が形成されたフロートガラス表面に、フルオロアルキル(Rf)基含有シラン化合物を有効成分とする塗布液が塗布され、Rf基が下地層表面に撥水性被膜が形成されてなる撥水性ガラスに関する。
また、フロートガラスのボトム面に撥水性被膜が形成された撥水性ガラスのトップ面と他のフロートガラスのトップ面同士を合わせフィルムを介して積層させることも可能である。
【0007】
さらに本発明は フロートガラス表面に膜厚20〜45nmの下地層を形成する工程と、該下地層の上面にフルオロアルキル基含有シラン化合物を有効成分とする溶液を加水分解および重縮合して調製してなる撥水液を塗布する工程と、次いで該撥水液に含まれるフルオロアルキル基含有シランを該下地層表面に撥水性被膜を形成する硬化工程とからなる撥水性ガラスの製法に関するものであり、その下地層は、撥水液を塗布する前に酸性水溶液に浸漬して酸処理すると良い。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の態様について説明する。
ガラス基板としては、建築用窓ガラスや自動車用窓ガラス等に通常使用されているフロ−トガラスあるいはロ−ルアウト法で製造されたガラス基板を用いることが出来、無色または着色ならびにその種類あるいは形状等に特に限定されるものではなく、さらに曲げ板ガラスとしてはもちろん各種強化ガラスや強度アップガラス、平板や単板で使用できるとともに、複層ガラスあるいは合せガラスとしても使用できる。
汎用ガラスとして一般に用いられているフロートガラスは、ガラスを形成する工程において、溶融錫上を浮遊して製造されるために、該溶融錫と接触する面(以下、ボトム面と呼ぶ)と溶融錫と接触しない面(以下、トップ面と呼ぶ)とで、その表面性能に差異が生じる。また、フルオロアルキル(Rf)基含有シラン化合物を有効成分とする塗布液を、フロートガラスのガラス面に塗布してRf基をガラス表面に固定化する撥水性ガラスでは、処理されるガラス基板の表面のシラノール基の濃度が製品の品質を左右する極めて重要な因子であり、該フロートガラスを基板ガラスとして用いる場合には、トップ面とボトム面ではシラノール基の濃度が異なる。
【0009】
本発明では、上記フロートガラスのトップ面とボトム面との表面性能の差異をなくすために、該フロートガラス面に20〜45nmの範囲にある薄い膜厚の下地層を形成し、その上面に撥水性被膜を被覆させることにより、撥水性能とともに耐久性能の重要な因子である耐候性および耐摩耗性(耐トラバース性)も併せて向上させることが出来る。
【0010】
下地層は、その膜組成は限定されるものではなく、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化スズ、酸化ジルコニウム等の金属酸化物を単独あるいは組み合わせて用いる事が出来、さらに窒化物、炭化物、それらの組み合わせ等も用いることが出来る。なお下地層としては、ガラス中に含有されているアルカリイオンの拡散防止および被膜の形成の容易性、コスト等の面から、特にシリカを主成分とする下地層とするのが良い。
下地層の膜厚は、ボトム面の錫の影響を無視でき、かつ耐摩耗性に富んだものとする必要があり、これを満足するためには20〜45nmの膜厚範囲に制御することが重要である。すなわち、ボトム面の影響を受けなくするには膜厚を大きくする必要があり、一方下地層の耐摩耗性を高めるためには膜厚をできる限り小さくすることが有利であるので、両者を共に満足する最適な膜厚が20〜45nmの範囲である。なお、膜厚を23〜40nmの範囲にすると、耐摩耗性(耐トラバース性)がより向上し長期耐久性において特に優れたものとなる。
【0011】
また、この下地層を形成後、シラノール基の濃度を増大させて、フルオロアルキル(Rf)基含有シラン化合物との反応性を活性化させるために、撥水処理前に0.1〜13Nの濃度の酸性水溶液に浸漬して酸処理すると膜の耐久性能が向上する。
【0012】
撥水性被膜を形成する撥水液は、フルオロアルキル基含有シラン化合物からなる撥水剤と、希釈用の溶媒と、触媒としての酸性水溶液を所定量混合したのち、所定時間撹拌して加水分解反応を終結させ、次いで該溶液に脱水剤を添加し、所定時間脱水処理を行って重縮合させることにより得ることができる。
【0013】
上記の出発原料としては、撥水剤としてフルオロアルキルアルコキシシラン系化合物或いはフルオロアルキルハロゲン化シラン系化合物であり、その化合物としては、例えばCF(CF11CHCHSi(OR)、CF(CFCHCHSi(OR)、CF(CFCHCHSi(OR)、CF(CFCHCHSi(OR)、CF(CF11CHCHSiR(OR)、CF(CFCHCHSiR(OR)、CF(CFCHCHSiR(OR)、CF(CF)5CHCHSiR(OR)、CFCHCHSiCl、CF(CFCHCHSiCl、CF(CFCHCHSiRCl2、CF(CFCHCHSiCl、CF(CFCHCHSiRCl等を用いることが出来る。
なお、上記化学式におけるRはCH、C、Cを示す。
【0014】
希釈溶媒としては、イソプロピルアルコ−ル(以下、「i−PA」と略す)の他に、メタノ−ル、エタノ−ルなど炭素数が5以下の低級アルコ−ル溶媒であってもよく、アルコ−ル以外にエ−テル類やケトン類を用いることができ、ことにイソプロピルアルコールを主成分としてなるアルコールがコ−ティング溶液の調製における希釈溶媒として好ましい。
【0015】
触媒としての酸性水溶液は、0.01N以上、好ましくは0.1N〜13N程度の濃度の硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸あるいは、酢酸、クエン酸などの有機酸を使用することができる。
なお、撥水剤:希釈溶剤:酸性水溶液は、重量割合で1:5〜50:0.09〜1.0の範囲が好ましいが、これらの範囲に限定されるものではない。
【0016】
脱水剤としては、シリカゲル、合成ゼオライト、活性アルミナ等を用いることが出来るが、これに限定するものではない。
また本発明は、加水分解終結後に重縮合する場合あるいは加水分解の途中で重縮合が開始する場合等、特に限定するものではない。
さらに、撥水液をガラス基板の表面上に塗布する条件は、撥水剤成分のシラノール基と基材表面の水酸基との反応を活性化させるために、通常雰囲気湿度が約75%RH以下が好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0017】
撥水液を塗布するガラス基板の表面を予め酸処理することにより表面改質すると、被膜の強度等が増し好ましい。
さらに、ガラス基板表面に凹凸の下地層を形成すると耐久性がより向上するので特に好ましく、その方法としては、例えば金属アルコキシド系化合物或いは金属アセチルアセトネート系化合物の中から少なくとも1種以上選択し、しかも該選択した2つ以上の化合物は4官能および3官能のアルコキシドであって、該2つ以上の化合物を溶剤とともに混合してコーティング溶液とし、該溶液を被覆・加熱成膜してマイクロピット状の表層をつくる方法等が採用できるがこれに限定されるものではない。
【0018】
ガラス基板への下地層及び撥水層の膜付け法としては、手塗り(ラビング法)、ノズルフロ−コ−ト法、ディッピング法、スプレー法、リバ−スコ−ト法、フレキソ法、印刷法、フローコート法あるいはスピンコート法、ならびにそれらの併用等既知の塗布手段等各種の塗布法が適宜採用し得るものである。
【0019】
撥水性ガラスの応用例として、例えば合わせガラスに撥水性被膜を形成する場合、積層された合わせガラスの性能は、フロートガラスのトップ面同志を該中間膜側に接着させることがトップ面とボトム面或いはボトム面同志を合わせた合わせガラスよりも耐衝撃性能等の面より好ましいので、一般に採用されている。このような場合に撥水性被膜を形成させるには、撥水性被膜はフロートガラスのボトム面に形成せざるをえず、本発明を適用してボトム面に設けた下地層の上面に撥水性被膜を形成できるので、合わせ性能および撥水性能ともに良好な性能を得ることができる利点を有する。
【0020】
また、他の一例としてフロートガラスの片面に熱線反射膜を形成し、その反対側のガラス面に撥水膜を形成させる熱線反射膜付き撥水性ガラスを製造する場合には、一般に該熱線反射膜はフロート法のオンラインで該ガラスのトップ面に被覆される。このような場合、撥水性被膜はボトム面に被覆せざるを得ないような場合にも、本発明のボトム面に下地層を形成し撥水膜を形成出来る利点もある。なお、上記例に限定せず目的に応じて適宜適用できることは言うまでもない。
【0021】
【作用】
下地層を形成する目的は、フロートガラスのボトム面あるいはトップ面の表面性能の差異を解消するためとその上面に被覆した撥水性被膜を耐候性および耐摩耗性に富んだものとするものであり、その膜厚は20nm〜45nmの範囲に制御することが本発明のポイントである。
すなわち、ボトム面の影響を受けなくするには、膜厚を大きくする必要があり、一方下地層の耐摩耗性を高めるためには、膜厚をできる限り小さくすることが有利であるので、両者を共に満足する最適な膜厚が20〜45nmの範囲である。
【0022】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明は係る実施例に限定されるものではない。
【0023】
実施例1
▲1▼下地層の作製
200×300×3.5mmサイズのフロートガラスのボトム面に、シリカゾル(チッソ製CSG−DI−0600(シリカ溶質濃度6wt%))をエキネンでシリカ溶質濃度が4wt%になるように希釈した下地層用溶液をリバースロールコート法で成膜した(成膜時のロールの速度は6m/分とした)。
成膜後、250℃で乾燥したのち、ガラスの曲げ加工温度である650℃で焼成して、膜厚が20nmである透明なシリカ下地膜を得た。
なお、得られたシリカ下地膜の膜厚は接触式膜厚計(Sloan tech.製Dektak−3030)或いはエリプソメーター(溝尻光学工業製DVA−36VW−S)を用いて測定した。
▲2▼撥水液の調合
撥水液は、撥水剤としてフルオロアルキルアルコキシシラン系のヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン(CF(CFCHCHSi(OCH:信越化学工業製KBM−7803、以下「FAS」と称す)を用い、希釈溶媒であるイソプロピルアルコール(i−PA)と酸触媒を含む水(0.1N硝酸(HNO)水溶液)を所定量(FAS:i−PA:0.1N−硝酸=1:25:0.3(g))混合し、室温で2h撹拌して加水分解反応を終結させた。
次いで、該加水分解反応を終結させた溶液に脱水剤である合成ゼオライト〔モレキュラ−シ−ブ4A〕を添加し(添加量は重量比で撥水剤の5倍)、16時間(脱水時間)浸漬・放置し脱水させつつ重縮合反応を完了したのち、濾紙(NO.7)を用いて濾過しモレキュラ−シ−ブ4Aを分離除去して塗布用撥水液とした。
▲3▼撥水性ガラスの作製
下地層を形成したガラスを水洗した後、35℃の0.1N硫酸水溶液中に1分間浸漬した。その後市販のガラス洗浄機(当所製作品)にて水洗および乾燥して、温度と湿度を23℃,45%RHに保った環境下で、2ml/枚の撥水液を該下地層上に滴下し、綿布(商品名ベンコット)でガラス全面に十分引き伸ばした後、5分程度風乾した。その後マッフル炉でガラス温度が5分で140℃に達するような熱処理(以下、キュアリングと呼ぶ)を行い、白濁して残った余剰な撥水剤をi−PAで拭き上げて透明な撥水性ガラスを得た。
【0024】
得られた撥水性ガラスの品質の評価は、下記に示す初期接触角試験(初期撥水性)、トラバース試験(耐摩耗性)およびスーパーUV試験(耐光性)の3項目について行った。
Figure 0003623108
【0025】
得られた撥水性ガラスの品質評価を行った結果、表1に示す通り初期接触角は目標値100°に対して109〜111°と良好な値を示した。
また耐摩耗性(耐トラバース性)においては目標値95°に対して96〜105°と高い値が保持されており、さらに耐光性については目標70°に対して71°であり、全ての評価において目標値をクリアー出来、良好な結果を示した。
【0026】
【表1】
Figure 0003623108
【0027】
実施例2
下地層成膜時のロール速度を7m/分とした以外は全て実施例1と同一の方法で行った。なお、下地層の膜厚は25nmであった。
品質評価した結果、表1に示す通り耐トラバース性は106〜108°および耐光性75°と全ての品質において目標値をクリアーし良好な結果を示した。特に、耐トラバース性能は100°以上と高い値を示した。
【0028】
実施例3
下地層成膜時のロール速度を8m/分とした以外は全て実施例1と同一の方法で行った。なお、下地層の膜厚は32nmであった。
品質評価した結果、表1に示す通り耐トラバース性は101〜104°および耐光性75°と全ての品質において目標値をクリアーし良好な結果を示した。特に、耐トラバース性能は100°以上と高い値を示した。
【0029】
実施例4
ディッピング法により下地層を成膜した以外は、実施例1と同じ方法で行った。なお、下地層成膜時の引き上げ速度は1.0mm/秒とした。
焼成後の下地層の膜厚は40nmであった。
品質評価した結果、表1に示す通り耐トラバース性は100〜104°および耐光性75°と全ての品質において目標値をクリアーし良好な結果を示した。特に、耐トラバース性能は100°以上と高い値を示した。
【0030】
実施例5
成膜時の引き上げ速度を0.5mm/秒とした以外は、実施例4と同じ方法で行った。
なお、焼成後の下地層の膜厚は30nmであった。
品質評価した結果、表1に示す通り耐トラバース性は100〜105°および耐光性75°と全ての品質において目標値をクリアーし良好な結果を示した。特に、耐トラバース性能は100°以上と高い値を示した。
【0031】
実施例6
成膜時の引き上げ速度は1.5mm/秒とした以外は、実施例4と同じ方法で行った。
なお、焼成後の下地層の膜厚は45nmであった。
品質評価した結果、表1に示す通り耐トラバース性は95〜103°、耐光性75°と全ての品質において目標値をクリアーし良好な結果を示した。
【0032】
比較例1
下地層を形成しないで、フロートガラスのボトム面に実施例1と同様な方法で直接撥水処理した。
なお、この場合は酸処理前にセリア懸濁液とブラシポリッシャーで研磨して同様に酸処理後、撥水処理した。なお、ここで用いた研磨液は、三井金属工業製ミレーク(A+B):水=1:100(wt%)なる懸濁液を用いた。
結果、耐トラバース性は90〜105゜と良好であったが、耐光性は57゜と目標を大きく下回わり、接触角が70に低下するまでの時間はトップ面品の約650hに対して、約400hと耐光性寿命は約2/3に低下した。
【0033】
比較例2
下地層成膜時のロール速度を5m/分とした以外は、実施例1と同じ方法で行った。なお、下地層の膜厚は10nmであった。
品質評価を行った結果、耐トラバース性は83〜105°、耐光性は60°と目標を大きく下回わり、実用耐久性の低いものであった。
【0034】
比較例3
下地層成膜時(ディッピング法)の引き上げ速度を2mm/秒とした以外は、実施例4と同じ方法で行った。なお、下地層の膜厚は55nmであった。
品質評価を行った結果、耐光性は72°で高い耐久性を示したが、耐トラバース性は58〜100°とバラツキが大きく、目標の95゜を満足できなかった。
【0035】
比較例4
下地層成膜時の引き上げ速度を3mm/秒とした以外は、実施例4と同じ方法で行った。なお、下地層の膜厚は70nmであった。
品質評価を行った結果、耐光性は72°で高い耐久性を示したが、耐トラバース性75〜93°とバラツキが大きく、目標の95゜を満足できなかった。
【0036】
比較例5
下地層成膜時の引き上げ速度を4mm/秒とした以外は、実施例4と同じ方法で行った。なお、下地層の膜厚は85nmであった。
品質評価を行った結果、耐光性は74°で高い耐久性を示したが、耐トラバース性77〜99°とバラツキが大きく、目標の95゜を満足できなかった。
【0037】
比較例6
下地層成膜時の引き上げ速度を5mm/秒とした以外は、実施例4と同じ方法で行った。なお、下地層の膜厚は100nmであった。
品質評価を行った結果、耐光性は75°で高い耐久性を示したが、耐トラバース性89〜104°とバラツキが大きく、目標の95°を満足できなかった。
【0038】
比較例7
下地層成膜時の引き上げ速度を6mm/秒とした以外は、実施例4と同じ方法で行った。なお、下地層の膜厚は110nmであった。
品質評価を行った結果、耐光性は74°で高い耐久性を示したが、耐トラバース性89〜103°とバラツキが大きく、目標の95゜を満足できなかった。
【0039】
比較例8
下地層成膜時の引き上げ速度を7mm/秒とした以外は、実施例4と同じ方法で行った。なお、下地層の膜厚は120nmであった。
品質評価を行った結果、耐光性は75°で高い耐久性を示したが、耐トラバース性74〜89°とバラツキが大きく、目標の95°を満足できなかった。
【0040】
比較例9
下地層成膜時の引き上げ速度を8mm/秒とした以外は、実施例4と同じ方法で行った。なお、下地層の膜厚は150nmであった。
品質評価を行った結果、耐光性は75°で高い耐久性を示したが、耐トラバース性70〜102°とバラツキが大きく、目標の95゜を満足できなかった。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、フロートガラスのトップ面とボトム面を区別せずに双方に対して同等又は同等以上の撥水性能が得られるとともに耐久性にも優れた撥水性ガラスを、簡単な方法で安価に製造することができ、各種のニーズに応じて自由に選択でき広範囲の撥水ガラスに適用できるという効果を有する。

Claims (4)

  1. フロートガラスのトップ面にフロート法のオンラインで熱線反射膜を形成し、その反対側に膜厚20〜45nmの下地層を形成する工程と、該下地層の上面にフルオロアルキル基含有シラン化合物からなる撥水剤と、希釈用の溶媒と、酸性水溶液を混合してなる溶液に、該フルオロアルキル基含有シラン化合物の加水分解反応終結後脱水剤を添加し、脱水処理を行って該フルオロアルキル基含有シラン化合物を重縮合して調製してなる撥水液を塗布する工程と、次いで該撥水液に含まれるフルオロアルキル基含有シランを該下地層表面に撥水性被膜を形成する硬化工程とからなることを特徴とする撥水性ガラスの製法。
  2. トップ面同士を中間膜側に接着させてなる合せガラスに積層されるフロートガラスのボトム面に膜厚20〜45nmの下地層を形成する工程と、該下地層の上面にフルオロアルキル基含有シラン化合物を有効成分とする溶液を該フルオロアルキル基含有シラン化合物からなる撥水剤と、希釈用の溶媒と、酸性水溶液を混合してなる溶液に、加水分解反応終結後脱水剤を添加し、脱水処理を行って該フルオロアルキル基含有シラン化合物を重縮合して調製してなる撥水液を塗布する工程と、次いで該撥水液に含まれるフルオロアルキル基含有シランを該下地層表面に撥水性被膜を形成する硬化工程とからなることを特徴とする撥水性ガラスの製法。
  3. 下地層をガラスの曲げ加工温度で焼成し得ることを特徴と請求項1又は2に記載の撥水性ガラスの製法。
  4. 下地層がシリカを主成分とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の撥水性ガラスの製法。
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