JP3622937B2 - 半導体封止用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体封止用エポキシ樹脂組成物の分野に属する。本発明は、エポキシ樹脂用として特定の硬化剤を用いることにより耐熱性を低下させずに低吸水性と低応力性の両方が達成され、そのために半田耐熱性および耐ヒ−トサイクル性が優れた、銅リ−ドフレ−ム用でかつ表面実装に好適な半導体封止用樹脂組成物、およびその半導体封止用樹脂組成物の硬化物により半導体が封止された銅リ−ドフレ−ムからなる半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体封止において、最近はプリント基板への部品実装では高密度化、自動化が進められており、従来のリ−ドピンを基板の穴に挿入する“挿入実装方式”に代り、基板表面に部品を半田付けする“表面実装方式”が取り入れられてきた。それに伴い、パッケ−ジも従来のDIP(デュアル・インライン・パッケ−ジ)から高密度実装、表面実装に適した薄型のTSOP(シン・スモ−ル・アウトライン・パッケ−ジ)やQFP(クワッド・フラット・パッケ−ジ)に移行しつつある。
【0003】
表面実装方式への移行に伴い、従来あまり問題にならなかった半田付け工程が大きな問題になってきた。従来のピン挿入実装方式では半田付け工程はリ−ド部が部分的に加熱されるだけであったが、表面実装方式ではパッケ−ジ全体が加熱される。表面実装方式における半田付け方法としては半田浴浸漬、不活性液体の飽和蒸気や赤外線によって加熱する半田リフロ−法などが用いられるが、いずれの方法でもパッケ−ジ全体が210〜270℃の高温に加熱されることになる。そのため従来からの樹脂封止型パッケ−ジは、半田付け時に樹脂部分にクラックが発生し、信頼性が低下して製品として使用できないという問題がおきていた。樹脂封止型パッケ−ジの半田付け工程におけるクラックの発生は、後硬化してから実装工程の間までに吸湿した水分が半田付け加熱時に爆発的に水蒸気化、膨脹することに起因するといわれており、その対策として封止用樹脂の低吸水化が望まれている。
【0004】
一方、上記のパッケ−ジ部品の高密度実装化と関連して、半導体自身の高集積化、高速作動化に伴い個々のパッケ−ジの消費電力が増大している。高消費電力化に対しては熱放散性が優れたパッケ−ジ材料が要求され、例えばリ−ドフレ−ム材では従来の42アロイ(鉄/ニッケル合金)に代わり、熱伝導性が優れた銅の使用が試みられている。銅リ−ドフレ−ムは高熱伝導性の利点を有するが、熱膨脹率が大きいためヒ−トサイクル時に封止樹脂との界面が剥離して、半導体装置の信頼性が低下するという問題点があった。そのためヒ−トサイクル時に発生する応力を吸収できるように、封止樹脂の低応力化が強く望まれている。
【0005】
半導体封止用の樹脂としてはエポキシ樹脂系が一般的である。その理由として、エポキシ樹脂組成物の硬化物は耐熱性、耐湿性、電気特性、接着性などに優れ、さらに配合処方により種々の特性が付与できることが大きな理由である。半導体封止用のエポキシ樹脂組成物の成分としてはエポキシ樹脂、フェノ−ル系硬化剤、硬化促進剤および無機充填剤からなるものが一般的である。封止用樹脂材料の低応力化手法として、例えば▲1▼弾性率を小さくする、▲2▼熱膨脹係数を小さくする、▲3▼ガラス転移温度を低くするなどの方法が知られている(「エポキシ樹脂ハンドブック」、日刊工業新聞社、1987年12月25日発行、472頁)。これらの手法の中で▲3▼は高温の信頼性を低下させるため好ましくなく、低応力化のためには▲1▼または▲2▼が一般的に試みられている。
【0006】
銅リ−ドフレ−ム用でかつ表面実装用として適用するためのエポキシ樹脂系半導体封止材としては、上記の理由から、半田耐熱性および耐ヒ−トサイクル性の両方を満足させる必要があり、半田耐熱性に対応する低吸水性と耐ヒ−トサイクル性に対応する低応力性を同時に得るためにより高性能の硬化剤の開発が重要となっている。低応力性を発揮する硬化剤として分子内にビフェノ−ル骨格を有するノボラック樹脂が提案されている(特開平5−214050号公報、具体例…式(III)。また、低吸水性硬化剤としてフェノ−ルアラルキル樹脂が提案されている(特開平4−173828号公報、具体例…式(IV))。
【0007】
【化3】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、分子内にビフェノ−ル骨格を有するノボラック硬化剤(III)を用いた場合は分子中にビフェノ−ル構造を有するため低吸水化に好都合であるが、樹脂組成物から得られる硬化物は弾性率が高く、低応力化には不満足であった。また、フェノ−ルアラルキル硬化剤(IV)はある程度の低吸水化が達成されるものの、まだ不満足でありいっそうの低吸水化を望まれていた。
【0009】
本発明の目的は、半田耐熱性に対応する低吸水性と耐ヒ−トサイクル性に対応する低応力性を同時に満足する、表面実装に好適でかつ銅リ−ドフレ−ム用の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供することにある。また、銅リ−ドフレ−ムを用いたパッケ−ジを表面実装する際の半田加熱による外部クラックや、ヒ−トサイクル時のパッケ−ジの内部クラックによる不良が少ない高信頼性の半導体装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、化学構造におけるヒドロキシル基の位置に注目して、上記の目的を達成すべく、鋭意研究を重ねた結果、ビフェニル骨格を有するナフトールアラルキル樹脂をエポキシ樹脂用硬化剤として用いることにより上記の課題を解決し、本発明に到達した。
【0011】
すなわち本発明は、「エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機充填材(C)とを必須成分とする半導体封止用樹脂組成物において、硬化剤(B)がビフェニル骨格含有ナフト−ルアラルキル樹脂を含有することを特徴とする半導体封止用樹脂組成物。」
および「その成形物」、および「その硬化物により半導体が封止されてなることを特徴とする半導体装置」からなるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を詳述する。なお本発明で「重量」とは「質量」を意味する。
【0013】
本発明で用いる硬化剤(B)の特徴であるビフェニル骨格含有ナフト−ルアラルキル樹脂の分子構造は、剛直なビフェニル骨格と柔軟なセグメントのメチレン鎖およびフェノ−ル性ヒドロキシル基を分子中に有し、ナフト−ルアラルキル構造を形成している。すなわち、低吸水に有利なアラルキル(メチレン−フェニレン−メチレン)構造のフェニレンに代えて低応力に有利なビフェニル骨格を分子中に組み入れることで、低吸水と低応力をバランス良く発現させるには極めて好都合である。ここで示されるビフェニレン基のメチレン基の置換位置としては、50%以上がビフェニル骨格の4、4´位で結合しているものを用いると低応力の面でより好ましいが、2、4´位または4、2´位で結合しているものも使用できる。
【0014】
ビフェニル骨格含有ナフト−ルアラルキル樹脂の製造法としては、アリ−ルアルキルエ−テルとナフトール類とをフリ−デルクラフツ触媒で反応させるのが一般的であり、例えば、4、4´−ビフェノ−ルのジメチルエ−テルとナフトールの縮合重合によって得られる。
【0015】
ビフェニル骨格含有ナフト−ルアラルキル樹脂の重合度としては、重合度の指標としての溶融粘度が150℃で0.1〜50ポイズのものが好ましく、さらに0.1〜10ポイズのものが作業性の面で好ましい。硬化後の樹脂組成物の低吸水率化のためにはアラルキル構造を有していることが重要であって、重合度が多少変化しても吸水率へ及ぼす影響は非常に少ない。ビフェニル骨格含有ナフト−ルアラルキル樹脂の軟化点は通常200℃以下であれば使用可能であるが、作業性の面から50〜150℃が好ましい。また、水酸基当量は160〜280の範囲のものが好ましく用いられる。重合度や軟化点はビフェニル骨格含有ナフト−ルアラルキル樹脂の製造工程で容易に調整できる。例えば、原料のモル比や反応速度(反応温度や触媒量)の調整によるのが一般的である。
【0016】
ビフェニル骨格含有ナフト−ルアラルキル樹脂の具体例としてはビフェニル(4、4´体)含有ナフト−ルアラルキル樹脂(式 VII)が挙げられる。
【化5】
(ただし、mは0以上の整数である)
【0017】
本発明における硬化剤(B)は、ビフェニル骨格含有ナフト−ルアラルキル樹脂を必須成分として含有することが重要であるが、本発明の硬化剤(B)の特性を損なわない範囲で他のエポキシ樹脂用硬化剤を2種類以上併用しても構わない。硬化剤(B)中にビフェニル骨格含有ナフト−ルアラルキル樹脂が30重量%以上含有させるのが好ましい。
ビフェニル骨格含有ナフト−ルアラルキル樹脂と併用可能な他のエポキシ樹脂用硬化剤としては芳香族系化合物1分子中に2個以上のヒドロキシル基を有する化合物であれば特に制限はない。例えば、フェノ−ルノボラック樹脂、クレゾ−ルノボラック樹脂、ナフト−ルノボラック樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2−トリス(ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(ヒドロキシフェニル)プロパン、テルペンとフェノ−ルの縮合化合物、ジシクロペンタジエン変性フェノ−ル樹脂、フェノ−ルアラルキル樹脂、ナフト−ルアラルキル樹脂などが挙げられる。
【0018】
本発明におけるエポキシ樹脂(A)は、エポキシ基を有する化合物であれば任意であるが、芳香族性ヒドロキシル基をグリシジルエ−テルに転化したエポキシ樹脂(b)が好ましく用いられる。
【0019】
エポキシ樹脂(b)の具体例としては、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´5,5´−テトラメチルビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´5,5´−テトラエチルビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´5,5´−テトラメチル−2−クロロビフェニルなどのビフェニル型エポキシ樹脂、1,5−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンなどのナフタレン型エポキシ樹脂、クレゾ−ルノボラックエポキシ樹脂、フェノ−ルノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノ−ルA骨格含有ノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、フェノ−ルアラルキルエポキシ樹脂、ナフト−ルアラルキルエポキシ樹脂などのアリ−ルアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロポキシ)フェニルメタンなどの多官能エポキシ樹脂などが挙げられ、またこれらはエポキシの反応による重合体を含んでいてもよい。なかでもビフェニル型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
【0020】
本発明では、上記硬化剤とエポキシ樹脂の各々の種類の組み合わせは任意であるが、好ましくはエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)を構成する炭素原子において、下記式(II) のビフェニル構造を与える炭素が20%以上になるように配合すれば、より低弾性率化が達成できるため本発明の目的を達成するために好都合であり、30%以上であればさらに好都合である。その理由として配合成分中ビフェニル構造の占める割合が多くなることにより、エポキシ樹脂硬化物の網目中のビフェニル分子の配向によって網目中の自由体積が減少し、結果として弾性率を低くすることができ、低応力化が達成できることによる。
【0021】
【化6】
ここで、低応力化のための弾性率の目安として、ASTM(D−790)による弾性率測定において成形物の弾性率が32GPa以下が好ましく、さらに27GPa、また25GPa以下がさらに好ましい。32GPaより高い弾性率を呈する半導体封止用樹脂組成物で銅リ−ドフレ−ムに搭載された半導体を封止したパッケ−ジは、ヒ−トサイクル時の応力集中によりフレ−ムと封止樹脂との剥離が多くなり半導体装置の信頼性が低下する。
【0022】
本発明では、エポキシ樹脂と硬化剤の配合当量比(例えば、エポキシ基に対するヒドロキシル基のモル比)は通常、0.7〜1.3であるが好ましくは0.8〜1.1である。
【0023】
本発明の半導体封止用樹脂組成物において、無機充填材(C)が配合される。無機充填材(C)の配合量としては、75〜95重量%、さらに85〜95重量%、さらい86〜93重量%の範囲が好ましい。配合量が多いと作業性の悪化、成形物の弾性率の上昇などの傾向がある。また、少ないと樹脂成分が増えることになり、結果として吸水率が増えて半田耐熱性が低下するため好ましくない。無機充填材(C)として例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、タルク、硫酸カルシウム、窒化アルミニウムなどが挙げられる。無機充填材(C)の形状は特に限定されず、例えば球状や破砕状などのものが任意に用いられる。これらの無機充填材(C)はエポキシシラン、アミノシラン、メルカプトシラン、ウレイドシランなどのシランカップリング剤で表面処理して用いると耐湿信頼性向上の点で好ましい。
【0024】
本発明の半導体封止用樹脂組成物には、通常、硬化促進剤が配合される。硬化促進剤として例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボロン塩、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボロン塩などのホスフィン化合物、2−メチルイミダゾ−ル、2−フェニルイミダゾ−ル、2−フェニル−4−メチルイミダゾ−ル、2−ヘプタデシルイミダゾ−ルなどのイミダゾ−ル化合物およびそれらの酸付加塩、1、8−ジアザビシクロウンデセン−7、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルアミンなどの3級アミン化合物およびそれらの酸付加塩などが挙げられる。硬化促進剤の配合量は通常エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜15重量部であり、エポキシ樹脂や硬化剤の反応性に応じて適宜調整される。
【0025】
本発明の半導体封止用樹脂組成物に配合する他の添加剤としては任意であるが、例えばシリコ−ンゴム、ブタジエンゴム、変性ニトリルゴム、変性シリコ−ンゴムなどのゴム成分、パラフィンワックス、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸の各種金属塩、変性シリコ−ンオイルなどの離型剤、ハロゲン化エポキシ樹脂などのハロゲン化合物、リン化合物などの難燃剤、三酸化アンチモン、四酸化アンチモンなどの難燃助剤、カ−ボンブラックなどの着色剤、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0026】
本発明の半導体封止用樹脂組成物は溶融混練することが好ましく、例えばニ−ダ−、ロ−ル、単軸もしくは二軸の押し出し機またはコニ−ダ−などの公知の混練方法を用いて溶融混練することにより製造される。
【0027】
本発明の半導体封止用樹脂組成物は通常粉末またはタブレット状態で物性測定のための成形または半導体封止に供される。半導体素子を基板に固定した部材を、例えば低圧トランスファ−成形機を用いて、封止材組成物を例えば成形温度150〜200℃、圧力5MPa〜15MPa、成形時間40〜300秒で成形し、封止用樹脂組成物の硬化物とすることによって半導体装置が製造される。また、必要に応じて上記成形物を150〜200℃で2〜15時間、追加加熱処理も行われる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0029】
実施例1、比較例1〜2
表1に示した成分を、表2に示した組成比でミキサ−によりドライブレンドした。これを、ロ−ル表面温度90℃のミキシングロ−ルを用いて5分間加熱混練後、冷却・粉砕して半導体封止用樹脂組成物を製造した。
【0030】
この組成物を用いて、低圧トランスファ−成形法により175℃×2分の条件で成形して下記に示すような物性測定用の成形サンプルおよび半導体装置を得た。また、以下の方法により各組成物の物性を測定してその結果を表3に示した。
【0031】
半田耐熱性試験:160pinQFPデバイス(フレ−ム材質:銅含量99重量%の銅材、チップサイズ:10.4mm×10.4mm×0.5mm厚み、パッケ−ジサイズ:28mm×28mm×3.3mm厚み)を用いた。上記条件で成形後、175℃、12時間追加加熱した。このテスト用デバイス16個を85℃、85%RHの条件で120時間加湿した後、245℃に加熱されたIR(赤外線)リフロ−炉に245℃以上10秒の条件で通した。各々のデバイスについて外部クラックを測定してクラックが生成したデバイスを不良デバイスとした。
【0032】
ヒ−トサイクル試験:上記半田耐熱性試験に用いたものと同様のデバイスを用いて、−55℃〜150℃のヒ−トサイクルを100サイクル繰り返した後に超音波探傷機によりリ−ドフレ−ムのダイパッド裏面の剥離面積を測定した。剥離面積をダイパッド裏面の面積で除した値を剥離面積(%)とした。
【0033】
吸水率:上記半田耐熱性試験に用いたものと同様のデバイスを用いて測定した。封止前のデバイス重量(c)、封止後175℃、12時間追加加熱後の半導体装置全体の重量(d)、85℃、85%RHの条件で120時間放置後の半導体装置全体の重量(e)から下式により吸水率を求めた。
【0034】
吸水率(重量%)=(e−d)×100/(d−c)
弾性率:ASTM(D−790)の規格の成形物を作製後、175℃、12時間追加加熱して試験片を得た。次に、上記規格に従い室温で曲げ試験を行い、その結果から弾性率を計算により求めた。
【0035】
【表1】
【表2】
【表3】
表3にみられるように、本発明の半導体封止用樹脂組成物は、吸水率が低く半田耐熱性に優れている。また、弾性率が低いため耐ヒ−トサイクル性にも優れている。すなわち、半田耐熱性と耐ヒ−トサイクル性の両方がバランスよく優れているために銅リ−ドフレ−ムを用いた半導体装置を封止する場合に最適である。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、低吸水に有利なアラルキル構造中に低応力に有利なビフェニル骨格を組み入れたナフトールアラルキル樹脂を、エポキシ樹脂用硬化剤として用いることを特徴とする封止用樹脂組成物である。低吸水性と低応力性の両方がバランス良く達成されるために半田耐熱性および耐ヒ−トサイクル性が優れ、なかでも銅リ−ドフレ−ム用でかつ表面実装用の半導体封止用樹脂組成物として有用である。また、その封止用樹脂組成物を用いて、半導体素子を封止した半導体装置は半導体動作において高い信頼性を有する。
Claims (7)
- エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機充填材(C)とを必須成分とする半導体封止用樹脂組成物において、硬化剤(B)がビフェニル骨格含有ナフト−ルアラルキル樹脂を含有することを特徴とする半導体封止用樹脂組成物。
- 前記ビフェニル骨格含有ナフト−ルアラルキル樹脂の軟化点が50〜150℃であり、かつ、150℃での溶融粘度が0.1〜50ポイズであることを特徴とする請求項1記載の半導体封止用樹脂組成物。
- エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)を構成する炭素原子において、下記式(II)の構造を与える炭素原子が20%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の半導体封止用樹脂組成物。
- 成形物の25℃における弾性率が32GPa以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の半導体封止用樹脂組成物。
- 銅リードフレーム型の半導体封止用である請求項1〜4いずれかに記載の半導体封止用樹脂組成物。
- 請求項1〜4いずれかの半導体封止用樹脂組成物の硬化物により、半導体素子が封止されてなることを特徴とする半導体装置。
- 請求項5の半導体封止用樹脂組成物の硬化物により、銅リ−ドフレ−ムに搭載した半導体素子が封止されてなることを特徴とする半導体装置。
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