JP3622086B2 - 可動戸当り - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トイレット等の内開き扉上部に用いられる戸当りの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブース式のトイレット等の扉は通常内側のみに開き、扉閉鎖時にブースの上枠部に当接するよう弾性材を取付けた戸当りが扉上縁部に固設されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の戸当りを用いた扉においては、内側から施錠して使用中の使用者が急病で倒れる等の緊急事態が発生した場合、救出のためにはブース内が狭いので扉を外側に開けたいが戸当りが邪魔になり、戸当り又扉を破壊せねばならず開扉は容易なことではではなかった。本発明は、緊急事態が発生した場合、ブース外側から関係者により容易に弾性材を取付けた戸当りを退避位置に移動させて扉を外側に開けることができるようにでき、構造簡単で僅かなスペースで済み、作動性が確実な可動戸当りを得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明にあっては、略方形基板(21、121)の可動部材(2、12)と、前記基板(21、121)上方に固着され反対面が食出し状態におかれているブロック状の弾性材(4、14)と、略方形の垂直片(61、161)及び水平片(62、162)とで側面視略逆L字形に形成されている取付部材(6、16)と、前記可動部材(2、12)及び取付部材(6、16)に着脱可能に配設された係合部材(3、13)と、前記基板(21、121)に垂直又は平行方向に挿着された回動軸部(5、15)とを備え、扉上縁部に前記水平片(62、162)を固着し該扉外側からの前記可動部材(2、12)及び取付部材(6、16)に対する前記係合部材(3、13)の着脱と前記可動部材(2、12)の前記回動軸部(5、15)軸芯回りの回動とにより前記弾性材(4、14)を該扉上縁部に対し突設位置から下方又は平行位置に退避可能とした可動戸当りにより解決した。
請求項2の発明にあっては、略方形基板(821)の可動部材(82)と、前記基板(821)上方に固着され反対面が食出し状態におかれているブロック状の弾性材(14)と、略方形の垂直片(861)及び水平片(862)とで側面視略逆L字形に形成され前記可動部材(82)に着脱可能に配設された係合兼取付部材(86)と、前記基板(821)に平行方向に挿着された回動軸部(15)とを備え、扉上縁部に前記水平片(862)を固着し該扉外側からの前記可動部材(82)に対する前記係合兼取付部材(86)の着脱と該可動部材(82)の前記回動軸部(15)軸芯回りの回動とにより前記弾性材(14)を該扉上縁部に対し突設位置から平行位置に退避可能とした可動戸当りにより解決した。
請求項3の発明にあっては、扉面内側よりみて前後とし、イ)可動部材2は基板21の左右両端面垂直方向後側にリブ22が突設され略中央部下寄りに通し孔21bが穿設され、該基板21の略中央部下端末に下向き逆略U字形開口部21aが穿設され、ロ)係合部材3は柔軟性を有する金属又はプラスチック材製で、中部に開口部31aが穿設された略方形体状の基部31と該基部31の上端後向きに細幅の先端部32aが突設された後側係合突起32と、該基部31の下端前向きに僅かに突設された略方形体状の前側係合突起33と、該基部31の両側面の側面係合突起34と、該基部31の裏面下端部に設けられた溝31bにばね35が挿着され、ハ)回動軸部5は前側大径のストッパー51の軸芯部に小径の円柱突起52が後側に突設され、ニ)取付部材6は垂直片61の略中央部に丸孔61aが穿設され左右端縁に突設された側板63によって上方視において略コ字形に形成され、該側板63に上下中間位置に前記係合突起34が係止可能な係止孔63aが穿設され、該垂直片61及び水平片62の連結部に前記先端部32aと係合可能な係合孔61bが穿設され、ホ)前記通し孔21bに前側より前記突起52を貫通させ、前側へ向けた前記係合孔61bへ前記先端部32aを嵌着し、前記溝31bから突出している前記ばね35後端を前記垂直片61に当接させた状態で前記突起52後端部を前記丸孔61aに挿着し抜出し不能とし、前記弾性材4の扉上縁部に対し突設位置において前記ばね35の反力により前記係合突起33が前記開口部21aに係合可能とされている請求項1に記載の可動戸当りとすることができる。
請求項4の発明にあっては、扉面内側よりみて前後とし、イ)可動部材12は基板121上方左右両端面垂直方向にリブ122が後側に突設され該基板121下方左右両端面垂直方向に該リブ122より僅かに大きい前後幅の連結リブ123が後側に突設され、該連結リブ123の下方左右に円形軸孔123aと上方一方に異形係合孔123bが穿設され、ロ)係合部材13は前後水平方向に伸びるレバー131と、該レバー131の後端末に垂直方向に広幅の垂直片132と該垂直片132の他方端部後側に突設された側板134と一方端部後側に突設された係合片133とで上方視において開口前側の略コ字形に形成され、該係合片133の上縁部に一方外側に前記係合孔123bに係合可能な舌片135が突設され、該側板134及び係合片133に通し孔134a及び133aが穿設され、ハ)回動軸部15は前記軸孔123aに挿着可能で前記通し孔133a及び134aに摺動可能なシャフト151と止め具とばね153とを有し、ニ)取付部材16は垂直片161の左右端縁に突設された側板163によって上方視において開口前側の略コ字形に形成され、該側板163下方対向位置に前記シャフト151が挿着可能な軸孔163aが穿設され、該側板163の一方上方位置に前記舌片135が係合可能な係合孔163bが穿設され、ホ)前記レバー131が前記水平片162上面の左右中部に沿って後方向に突出するように配設され、前記各軸孔163a、通し孔134a、通し孔133a及び軸孔123aを同軸上にあるように配設し、前記他方側板163及び側板134間に前記ばね153をおいて前記シャフト151を貫通せしめて前記止め具により該シャフト151を抜出し不能とし、前記舌片135、係合孔163b及び123bが該ばね153の加圧力によって係合し該レバー131の他方方向への移動によって係合が解除可能とされている請求項1に記載の可動戸当りとすることができる。
請求項5の発明にあっては、扉面内側よりみて前後とし、イ)可動部材82は基板821上方左右両端面垂直方向にリブ822が後側に突設され該基板821下方左右両端面垂直方向にリブ822より僅かに大きい前後幅の連結リブ823後側に突設され、該連結リブ823の下方左右に円形軸孔823aと上方一方に異形係合孔823bが穿設され、ロ)係合兼取付部材86は垂直片861と左右端縁に突設され一対の側板863とによって上方視において開口前側の略コ字形に形成され、該側板863下方対向位置に通し孔863aが穿設され、該側板863の上縁部の一方外側に向けて前記係合孔823bに係合可能な舌片864が突設され、ハ)回動軸部15は前記軸孔823aに挿着可能で前記通し孔863aに摺動可能なシャフト151と止め具とばね153とを有し、ホ)前記軸孔823aと通し孔863aとを同軸にあるように配設し、前記他方連結リブ823及び側板863との間に前記ばね153をおいて前記シャフト151を貫通せしめて前記止め具により該シャフト151を抜出し不能とし、前記舌片864及び係合孔823bが該ばね153の加圧力によって係合し前記可動部材82の一方方向への移動によって係合が解除可能とされている請求項2に記載の可動戸当りとすることができる。
請求項6の発明にあっては、ばね153がコイルばねで他方側板863又は側板134の上方に穿設された小孔863bに挿着される直線状の一方端153aと、他方連結リブ823又は側板163上方に穿設された小孔823cに挿着される直線状の他方端153bとが無負荷状態で90度位相差をおいて両端部に付加されている請求項4又は5に記載の可動戸当りとするのが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づき以下詳細に説明する。
図1は本発明の可動戸当り第一例を装着した扉の閉扉状態及び内開き状態を示す概略斜視図である。
図2は本発明の可動戸当り第一例を装着した扉の戸当り脱着状態及び外開き状態を示す概略斜視図である。
図3は、図1、2に示す本発明の可動当り第一例の分解斜視図である。
図4は、図3に示す本発明の可動戸当り第一例の組立て斜視図である。
図5は本発明の可動戸当り第二例を装着した扉の閉扉状態及び内開き状態を示す概略斜視図である。
図6は本発明の可動戸当り第二例を装着した扉の戸当り脱着状態及び外開き状態を示す概略斜視図である。
図7は、図5、6に示す本発明の可動当り第二例の分解斜視図である。
図8は、図7に示す本発明の可動戸当り第二例の組立て斜視図である。
図9は、本発明の可動戸当り第三例の分解斜視図である。
図10は、図9に示す本発明の可動戸当り第三例の組立て斜視図である。
以下の説明においては、扉を内側よりみて(図1、2、5、6において手前側よりみて)前又は表側とし反対側を後又は裏側とし、前側から後側に向かって見て左右、上下とし、各構成は扉に装着した使用態様において説明する。
【0006】
図3を参照して本発明の第一例の可動戸当り1は、可動部材2、係合部材3、弾性材4、回動軸部5、取付部材6及び固着具7を有している。図3に示す各構成要素は、可動戸当り1を装着した扉の閉扉及び内開き状態における位置で説明する。
可動部材2は、金属板材製で、略方形基板21の左右両端面垂直方向にリブ22が後側に向けて突設されている。基板21の左右略中央部下寄りに直径Dの通し孔21bが穿設され、通し孔21bの下基板21の左右略中央部下端末に左右幅Bの下向き逆略U字形開口部21aが穿設されている。リブ22は内法で左右間隔A及び前後幅eにとられ基板21後面とで溝形のスペースが確保されて弾性材4が収納可能とされている。
係合部材3は、柔軟性を有する金属又はプラスチック材製で、中部に上方の略門形部と下方の円弧状部とで形成された開口部31aが穿設された左右幅fの外形略方形体状の基部31と、該基部31の上端後向き水平方向に細幅の左右幅cの先端部32aが突設され後端部が基部31側と段違いに形成された後側係合突起32と、該基部31の下端前向きに水平方向に僅かに突設され左右幅bの略方形体状の前側係合突起33と、基部31の両側面略中央部に一対円形状の側面係合突起34とを有し、基部31の裏面下方円弧状部の下側に円形溝31bが設けられ別体の例えば円錐コイルばね35が挿着とされ該円形溝31bからコイルばね35が頭を出している。ここで、b<Bにとられ前側係合突起33が開口部21aに係合可能とされている。
弾性材4は、扉閉鎖時の衝撃を緩和するためのクッション性をもったゴム、軟質プラスチック等のブロック状体で本例では左右幅a、前後幅Eの略方形体にとられ、可動部材2のリブ22及び基板21後面による溝形スペースに接着又はねじ止め等の固着具によって固着されている。ここで、通常a<A、e<Eの寸法にとられ、固着の反対面の後面は可動部材2への接着時においては左右リブ22後面を結んだ面より僅かに食出状態におかれる。弾性材4の形状は、必ずしも略方形体に限定されないが、ブロック状体で可動部材2への接着時において前記僅かの食出状態におかれる後面は実質的に平坦で上枠Xに当接しやすいようにされている必要がある。
回動軸部5は、前側大径円板状のストッパー51の軸芯部に小径dの円柱突起52が後側に前後突出量Pだけ突設され、円柱突起52の後端寄りさらに小径の段部53が設けられている。ここで、d<Dにとられ後述する通り円柱突起52は通し孔21bに挿着貫通され、係合部材3及び取付部材6を組立て可能とされている。ここで段部53を省略して突起52後端末を取付部材6に溶着や接着してもよい。
取付部材6は、金属製板材製で、垂直方向略方形の垂直片61と水平方向略方形板状の水平片62とで上下逆向きの側面視略逆L字形に形成されている。垂直片61は、略中央部に丸孔61aが穿設され左右端縁突設され左右内法Fの一対の側板63によって上方視において略コ字形に形成され、側板63には上下中間位置に組立時に係合部材3の側面係合突起34が係止可能な略長円形状の係止孔63aが穿設されている。水平片62には左右に固着具7の挿着のための固着孔62aが上下向きに穿設され、垂直片61との連結部に後側係合突起32の先端部32aと係合可能な該垂直片61に跨がって穿設された左右幅Cの略方形係合孔61bを有している。ここで、C>c、F>fにとられ取付部材6に係合部材3が係合可能とされている。
固着具7は、水平片62の固着孔62aに挿着可能で取付部材6を扉T上縁部に固着するための木ねじ、ボルト等であり、固着具7を用いず水平片62を扉T上縁部に溶着によって固着することもできるが、固着具6による方が簡易で多仕様にも柔軟に対応可能である。
【0007】
図1乃至4を参照して本発明の可動戸当り1の組立てを説明する。
先ず可動部材2のリブ22及び基板21による溝形スペースに接着又はねじ止により弾性材4を固着し、可動部材2の通し孔21bに前側より回動軸部5の円柱突起52及び段部53を挿着貫通させ基板21裏面より突出せしめる。
前側においた取付部材6の係合孔61bの左右幅Cの所へ係合部材3の後側係合突起32の左右幅cの先端部32aを嵌着し、円形溝31bから頭を出しているコイルばね35後端を取付部材6の垂直片61に当接加圧させた状態で基板21裏面から突出している回動軸部5の段部53を丸孔61aに挿着し該段部53を丸孔61aに対しかしめ等により抜出し不能にすると、コイルばね35の反力によって左右幅bの前側係合突起33が左右幅Bの開口部21aに係合して、扉の閉扉及び内開き状態の位置にセットされる。
次に取付部材6の固着孔62aに固着具7を挿着し回動軸部5のストッパー51前面が前側で一対の固着孔62aが扉T上縁部左右におかれるように配置し固着具7を螺合して取付部材6を扉T上縁部に固着し、弾性材4が接着によって固着されている可動部材2は弾性材4の露出している表面が後向きとなるようにおかれ、可動部材2は扉T表面と垂直な回動軸部5軸芯回りに回動可能とされ、図1、図4(a)及び(b)に示す通り扉の閉扉及び内開き状態の位置での可動戸当り1の組立てが完了する。
【0008】
図7を参照して本発明の第二例の可動戸当り10は、可動部材12、係合部材13、弾性材14、回動軸部15、取付部材16及び固着具17を有している。ここで、弾性材14は前記弾性材4と、固着具17は前記固着具7と同様であり、詳細説明は省略する。
図7に示す各構成要素は、可動戸当り10を装着した扉の閉扉及び内開き状態における位置で説明する。
可動部材12は、金属板材製で、略方形基板121の左右両端面上方に垂直方向に一対のリブ122が後側に向けて突設されている。リブ122は内法で左右間隔A′及び前後幅e′にとられ基板121とで溝形のスペースが確保されて弾性材14が収納可能とされている。又基板121の左右両端面下方垂直方向にリブ122に続けて前後幅e′より僅かに大きい前後幅の一対の連結リブ123が後側に向けて突設され、該連結リブ123の下方には一対の円形の軸孔123aが穿設され、上方には一方のみ(本例では左側)に後述する舌片135に係合可能な例えば方形等の断面異形の係合孔123bが穿設されている。
係合部材13は、金属板材製で、前後水平方向に伸びる細幅のレバー131と、レバー131の後端末に垂直方向に下降するレバー131より広幅の垂直片132と、垂直片132の他方端部(本例では右側)後側に突設された側板134と、垂直片132の一方端部(本例では左側)前側に突設された係合片133とを有し、レバー131と垂直片132とで側面視において略逆L字形に形成されるがレバー131は垂直片132の他方端部(本例では右側)に寄せて連設され、側板134と係合片133と垂直片132とで上方視において開口を前側にした略コ字形に形成されている。係合片133の上縁部は一方(本例では左側)の外側に向けて水平方向に舌片135が僅かに突設され、舌片135の先端部は可動部材12の係合孔123bに係合可能な例えば方形等の断面異形状及び大きさにとられ、側板134と係合片133には後述する回動軸部15が挿着可能な通し孔134a、133aが穿設されている。ここでレバー131の表面に記載されている矢印Zは、後述する可動部材12の回動軸部15回りの回動を開始するためのレバー131移動方向を目視可能とするために目印として設けられたものであり、レバー131の左右幅は後述する一対の固着孔162aに固着具17を挿着したとき、各固着具17の頭の間隔より僅かに小さくとられ矢印Z方向に移動可能とされている。
回動軸部15は、シャフト151と止め具としての止め輪152とコイルばね153とを有する。シャフト151は円柱状で、軸の一方(本例では左側)寄りに止め輪152が嵌着可能な円周方向に溝151aを有し、可動部材12の左右軸孔123aに挿着されかしめなどにより抜出し不能且つ摺動可能とされる。後述する取付部材16の左右軸孔163aは止め輪152とコイルばね153によってシャフト151に固着可能な内径にとられている。又シャフト151は係合部材13の通し孔133a及び134aに摺動可能な直径にとられている。
取付部材16は、金属製板材製で、垂直方向略方形の垂直片161と水平方向略方形板状の水平片162とで上下逆向きの側面視略逆L字形に形成され、垂直片161と左右端縁に突設され左右外法F′の一対の側板163とによって上方視において開口を前側においた略コ字形に形成され、側板163の一方(本例では左側)には上方位置に組立時に係合部材13の舌片135が係合可能な略方形状等の異形の係合孔163bが穿設され、側板163の一方及び他方下方の対向位置に回動軸部15が挿着可能な軸孔163aが穿設されている。水平片162には、左右に固着具17の挿着のための固着孔162aが上下向きに穿設されている。ここでA′>F′にとられ可動部材12と取付部材16が係合可能とされている。
【0009】
図5乃至8を参照して本発明の可動戸当り10の組立てを説明する。
先ず可動部材12の左右一対のリブ122と基板121とで形成されている溝形のスペースに接着又はねじ止により弾性材14を固着し、取付部材16の水平片162を後側にし垂直片161と一対の側板163によって略コ字形に形成された開口を前側におき、該開口に係合部材13を側板134と係合片133と垂直片132とで略コ字形に形成された開口を前側においてレバー131が水平片162上面の左右中部に沿って後方向に突出するように配設する。
ここで、側板163の左右軸孔163a、側板134の通し孔134a及び係合片133の通し孔133aとを同軸上に並べ可動部材12の左右連結リブ123下方の一対の軸孔123aも同軸上にあるように配設し、右側側板163と側板134との間に軸孔163a及び通し孔134aと同軸上にあるように軸芯を合わせてコイルばね153をおき、図7(a)に一点鎖線で示すようにそれぞれの軸に沿って回動軸部15のシャフト151を貫通せしめて最右端が右側連結リブ123の外面に達し、最左端が左側連結リブ123の外面におかれた所で左側側板163の内側に軸孔163aと同軸上にあるように軸芯を合わせ止め輪152をシャフト151の円周方向の溝151aに嵌着せしめてシャフト151を左右連結リブ123に対し回動可能で左右に抜出し不能とする。このときコイルばね153によって左向きの加圧力が側板134の右側に作用し先端部の異形の舌片135は左側側板163の異形の係合孔163bを貫通して可動部材12の係合孔123bに嵌着されるので、可動部材12、係合部材13及び取付部材16は一体で固定状態におかれ、レバー131は水平片162の左右略中間位置におかれる。
次に取付部材16の一対の固着孔162aに固着具17を挿着し、可動部材12の基板121の平坦面を前側に、レバー131が後側に突出するようにして固着孔162aが扉T上縁部左右におかれるように配置し固着具17を螺合して取付部材16を扉T上縁部に固着し、弾性材14が接着によって固着されている可動部材12は弾性材14の露出している表面が後向きとなるようにおかれ、可動部材12は扉T表面に沿った回動軸部15回りに回動可能とされ、図5、図8(a)に示す通り扉の閉扉及び内開き状態の位置での可動戸当り10の組立てが完了する。
【0010】
次に図1、2、4を参照して本発明の可動戸当り1の作動を説明する。ここでブースに扉Tを取付ける周囲部分は上枠Xと、左縦枠Yと、右縦枠Yとよりなり、左縦枠Yに取付けられた上下ヒンジHによって扉Tが開閉可能とされている。本例では下枠は省略され床面で兼用されているが別に設けられる場合もある。ヒンジHは扉Tを内開き及び外開き両用可能なものが選択される。
イ)通常使用時
図1、4(a)(b)は、可動戸当り1を装着した扉Tの通常使用時の場合である。図1は、閉扉状態の(a)内側より視た状態、(b)外側より視た状態、及び内開きした状態の(c)内側より視た状態、(d)外側より視た状態をそれぞれ示す。
前記可動戸当り1の組立てにおいて説明した通り、扉T上縁部に固着具7により固着された取付部材6に係合部材3を介して可動部材2が装着されるが、係合孔61bに後側係合突起32の先端部32aが係合され且つばね35の反力によって前側係合突起33が開口部21aに係合して可動部材2は回動することなく上方位置におかれ扉Tの閉扉及び内開き状態に備えた位置にセットされ図1、4(a)(b)に示す状態におかれる。
このとき、可動部材2の上部は扉T上縁部から突出状態におかれ基板21の後面に接着された弾性材4のクッション面は後向きで左右のリブ22後面を結んだ面より僅かに食出状態で上枠Xに向合っておかれる。このため弾性材4は扉Tの閉扉状態においては、上枠Xに当接し衝撃を緩和するように作用し併せてストッパーとしても作用し、扉Tの開扉状態は矢印R方向の内開きのみに限定される。
【0011】
ロ)緊急事態発生時
図2、4(c)は、可動戸当り1を装着した扉Tの緊急事態が発生した場合である。図2は、閉扉状態の(a)内側より視た状態、(b)外側より視た状態、及び外開きした状態の(c)内側より視た状態、(d)外側より視た状態をそれぞれ示す。
扉Tの前記イ)通常使用時において緊急事態が発生した場合に、図2(a)(b)に示す通り、扉Tの外側から人手又はジグ等により後側係合突起32の先端部32aを前向きに押圧すると係合部材3は柔軟性を有するので係合孔61bと先端部32aとの係合が解除され、それにつれて係合部材3の下側にある前側係合突起33が後向きに移動し可動部材2の開口部21aとの係合が解除される。そこで、扉T上縁部から突出状態におかれている可動部材2の上部を扉T表面と垂直な回動軸部5の円柱突起52回りに180度回動して上下を逆向きに回動退避せしめることにより弾性材4及び該弾性材4回りの可動部材2部分は扉T上縁部よりも下方位置に移動退避するので、図2(c)(d)に示す通り扉Tは矢印Rと反対の矢印L方向の外開きが妨げられることなく、開扉が容易に可能となり、ブース内スペースを広く確保したまま安全に使用者を救出することができる。上記緊急事態発生時の状態から前記イ)通常使用時の状態への復元は、下方位置に移動した弾性材4及び該弾性材4回りの可動部材2部分を緊急事態発生時と逆方向に回動せしめると後側係合突起32の先端部32aと係合孔61b及び前側係合突起33と開口部21aとがばね35の反力で容易に係合し、図1、図4(a)(b)に示す状態に復元が可能となる。
【0012】
図5、6を参照して本発明の可動戸当り10の作動を説明する。ここで可動戸当り10が装着されるブース及び扉周囲部分は前記可動戸当り1の作動の場合と同様であり詳細説明を省略する。
イ)通常使用時
図5、8(a)は、可動戸当り10を装着した扉Tの通常使用時の場合である。図5は、閉扉状態の(a)内側より視た状態、(b)外側より視た状態、及び内開きした状態の(c)内側より視た状態、(d)外側より視た状態をそれぞれ示す。
前記可動戸当り10の組立てにおいて説明した通り、扉T上縁部に固着具17により固着された取付部材16に係合部材13を介して可動部材12が装着されるが、ばね153の反力によって左向きの加圧力が側板134の右側に作用しレバー131は水平片162の略中間位置におかれ、係合片133の舌片135は左側の異形の係合孔163b及び123bに嵌着されるので、可動部材12、係合部材13及び取付部材16は一体で固定状態におかれ、可動部材12は回動することなく上方位置におかれ扉Tの閉扉及び内開き状態に備えた位置にセットされ図5、8(a)に示す状態におかれる。
このとき、可動部材12の上部は扉T上縁部から僅かに突出状態におかれ、基板121の後面に接着された弾性材14のクッション面は後向きで左右のリブ122後面を結んだ面より僅かに食出状態で上枠Xに向合っておかれ、前記弾性材4と同様に作用する。
【0013】
ロ)緊急事態発生時
図6は、可動戸当り10を装着した扉Tの緊急事態が発生した場合における戸当り回動時の場合で、閉扉状態の(a)内側より視た状態、(b)外側より視た状態、及び外開きした状態の(c)内側より視た状態、(d)外側より視た状態をそれぞれ示す。
扉Tのイ)通常使用時において緊急事態が発生した場合に、図6(a)(b)、図8(b)(c)に示す通り、扉Tの外側から人手又はジグ等により係合部材3の加圧力レバー131を矢印Z方向に移動させてばね153を右方向に押圧すると係合孔163b及び123bに嵌着していた舌片135は係合が解除される。そこで、扉T上縁部から突出状態におかれている可動部材12の上部を扉T表面に沿った回動軸部15のシャフト151回りに90度回動すると弾性材14及び該弾性材14回りの可動部材12部分は前側に退避し扉T上縁部よりも下方位置に移動し、図6(c)(d)に示す通り扉Tは矢印Rと反対の矢印L方向への外開きが妨げられることなく、開扉が容易に可能となり、ブース内スペースを広く確保したまま安全に使用者を救出することができる。
上記緊急事態発生時の状態から前記イ)通常使用時の状態への復元は、前記下方位置に移動した弾性材14及び該弾性材14回りの可動部材12部分を緊急事態発生時と逆方向に90度起こしレバー131を人手又はジグ等により矢印Z方向に僅かに移動した離すとばね153の反力で舌片135は係合孔163b及び123bに係合し、図5、図8(a)に示す状態に容易に復元が可能となる。
【0014】
図9、10を参照して本発明の第三例の可動戸当り80は、可動部材82、係合兼取付部材86、弾性材14、回動軸部15、固着具17を有している。ここで、弾性材14、固着具17は前記可動戸当り10と寸法が差異する場合はあるものの構成は同様であり、詳細説明を省略する。
図9に示す各構成要素は、可動戸当り80を装着した扉の閉扉及び内開き状態における位置関係において説明する。
可動部材82は、金属板材製で前記可動部材12と近似した構成で、略方形基板821の左右両端面上方に垂直方向に一対のリブ822が後側に向けて突設されている。リブ822は内法で例えば左右間隔A″及び前後幅e″にとられ基板821とで溝形のスペースが確保されて弾性材14が収納可能とされている。又基板821の左右両端面下方垂直方向にリブ822に続けて前後幅e″より僅かに大きい前後幅の一対の連結リブ823が後側に向けて突設され、該連結リブ823の下方には一対の円形の軸孔823aが穿設され、連結リブ823の上方の一方(本例では左側)には後述する舌片864に係合可能な例えば方形等の断面異形状の係合孔823bが穿設され、連結リブ823には他方(本例では右側)の軸孔823aの僅か上方に後述するコイルばね153の他方端153bが挿着可能な小孔823cが穿設されている。
【0015】
係合兼取付部材86は、金属板材製で前記係合部材12と取付部材16とを兼合わせた構成で、垂直方向略方形の垂直片861と水平方向略方形板状の水平片862とで上下逆向きの側面視略逆L字形に形成され、垂直片861と左右端縁に突設され左右外法F″の一対の側板863とによって上方視において開口を前側においた略コ字形に形成されている。側板863の上縁部の一方(本例では左側)の外側に向けて水平方向に舌片864が僅かに突設され、舌片864の先端部は可動部材82の係合孔823bに係合及び離脱可能な例えば方形等の断面異形状及び大きさにとられ、側板863には回動軸部15が挿着可能な通し孔863aが左右一対穿設され、側板863の他方(本例では右側)の通し孔863aの僅か上方に後述するコイルばね153の一方端153aが挿着可能な小孔863bが穿設されている。水平片862には、後端寄り左右に固着具17挿着のための一対の長円形の仮止め固着孔862aと前寄り略中央部に一個の円形の本止め固着孔862bが上下向きに穿設されている。舌片864は先端末を先細り状に形成するのが係合孔823bとの係合離脱が円滑に行えて好ましい。水平片862の表面に記載されている矢印Z′は、後述する可動部材82の回動軸部15回りの回動を開始するための可動部材82の移動方向を目視可能とするために目印として設けられたものである。この矢印Z′は前記矢印Zとは反対方向とされているが、これは可動戸当り80では係合部材13が取付部材16とが一体の係合兼取付部材86で扉T上縁部に固着されるので移動できず、矢印Z′の向きに可動部材82を移動させているのである。
ここでA″>F″にとられ可動部材82と係合兼取付部材86が係合可能とされている。
回動軸部15は、シャフト151と止め輪152とは前記可動戸当り10と同様の構成であるものの、シャフト151は軸孔823aと通し孔863aとに挿着されているが止め輪152によって抜出し不能とされているのみで軸孔823aと通し孔863aのいずれ共摺動可能とされ、コイルばね153は側板863の小孔863bに挿着される直線状の一方端153aと、連結リブ823の小孔823cに挿着される直線状の他方端153bとが無負荷状態では90度位相差をおいて両端部に付加されている点が異なっている。
【0016】
図9、10を参照して本発明の可動戸当り80の組立てを説明する。
先ず可動部材82の左右一対のリブ822と基板821とで形成されている溝形のスペースに接着又はねじ止により弾性材14を固着し、水平片862を後側にし垂直片861と一対の側板863によって略コ字形に形成された開口を前側におくように配設する。
ここで、側板863の左右通し孔863aと連結リブ823の一対の軸孔823aとを同軸上に並べ、右側連結リブ823及び右側側板863との間に軸孔823a及び通し孔863aと同軸上にあるように軸芯を合わせてコイルばね153をおき小孔863bに一方端153aを小孔823cに他方端153bとを挿着し、図9(a)に二点鎖線で示すようにそれぞれの軸に沿って回動軸部15のシャフト151を貫通せしめて最右端が右側連結リブ823の外面に達し、最左端が左側連結リブ823の外面におかれた所で左側連結リブ823及び左側側板863との間に止め輪152をシャフト151の円周方向の溝151aに嵌着せしめてシャフト151を左右連結リブ823に対し回動可能で左右に抜出し不能とする。このときコイルばね153によって左向きの加圧力が右側側板863に作用するが、前記無負荷状態では90度位相がずれていた一方端153aと他方端153bは90度回動して同位相となっており、後述する可動部材82の回動軸部15のシャフト151回り90度の回動をし易いように付勢している。左側側板863先端部の舌片864は左側連結リブ823の係合孔823bに嵌着されるので、可動部材82、係合兼取付部材86は一体で固定状態におかれる。
次に係合兼取付部材86の一対の固着孔862aに固着具17を挿着し、可動部材86の基板821の平坦面を前側に、水平片862が後側に突出するようにして仮止め固着孔862aが扉T上縁部左右におかれるように配置し固着具17を螺合して係合兼取付部材86を扉T上縁部に仮に固着し、可動部材86は弾性材14の露出している表面が後向きとなるようにおかれ、可動部材82は扉T表面に沿った回動軸部15回りに回動可能とされ、向合っておかれる弾性材14と上枠Xとの閉扉状態における接触程度をみながら長円形の仮止め固着孔862aを利用して水平片862の位置を微調整し最終的に本止め固着孔862aに固着具17を挿着して扉Tに螺合固定して、図10(a)に示す通り扉の閉扉及び内開き状態の位置での可動戸当り80の組立てが完了する。可動戸当り80を装着したときのブース及び扉周囲部分の状態は、細部の構成及び図面の符号等は異なるものの基本的には図5の例と同様で扉の閉扉及び内開き状態の位置におかれている。
【0017】
図10と図5、6を参照して本発明の可動戸当り80の作動を説明する。前記した通り、可動戸当り80が装着されたブース及び扉周囲部分については、基本的には図5の例と同様であり図示を省略し、図5における可動戸当り10を可動戸当り80と、係合部材13及び取付部材16を係合兼取付部材86と置換えて説明する。
イ)通常使用時
図10(a)及び図5は、可動戸当り80の通常使用時の場合である。
前記可動戸当り80の組立てにおいて説明した通り、扉T上縁部に固着具17により固着された係合兼取付部材86を介して可動部材82が装着されるが、ばね153の反力によって左向きの加圧力が右側側板863に作用し、舌片864は左側の異形の係合孔823bに嵌着されるので、可動部材82、係合兼取付部材86は一体で固定状態におかれ、可動部材82は回動することなく上方位置におかれ扉Tの閉扉及び内開き状態に備えた位置にセットされ図5、10(a)に示す状態におかれる。
このとき、可動部材82の上部は扉T上縁部から僅かに突出状態におかれ、弾性材14のクッション面は後向きで左右のリブ822後面を結んだ面より僅かに食出状態で上枠Xに向合っておかれ、前記弾性材4と同様に作用する。
ロ)緊急事態発生時
図10(b)(c)及び図6は、可動戸当り80を装着した扉Tの緊急事態が発生した場合における戸当り回動時の場合である。
緊急事態が発生した場合に、図6(a)(b)、図10(b)(c)に示す通り、扉Tの内側又は外側からジグ等により可動部材82の右側面を矢印Z′方向に移動させてばね153を左方向に押圧すると係合孔823bに嵌着していた舌片864は係合が解除される。このとき同位相となっていたコイルばね153の一方端153aと他方端153bは元の90度位相差の状態に戻るように作用し、扉T上縁部から突出状態におかれている可動部材82の上部を扉T表面に沿った回動軸部15のシャフト151回りに90度回動し弾性材14及び該弾性材14回りの可動部材82部分は前側に退避し扉T上縁部よりも下方位置に移動し、図6(c)(d)に示す通り扉Tは矢印Rと反対の矢印L方向への外開きが妨げられることなく、開扉が容易に可能となり、ブース内スペースを広く確保したまま安全に使用者を救出することができる。
上記緊急事態発生時の状態から前記イ)通常使用時の状態への復元は、前記下方位置に移動した弾性材14及び該弾性材14回りの可動部材82部分を緊急事態発生時と逆方向に90度扉Tの内側又は外側からジグ等により起こして離すとばね153の反力で舌片864は係合孔823bに係合し、コイルばね153の一方端153aと他方端153bは同位相の状態に戻り、図5、10(a)に示す状態に容易に復元が可能となる。
【0018】
前記詳述した通り、可動戸当り1は、通常使用時には可動部材2に固着された弾性材4が扉Tの内開きのみ上枠Xに当接し衝撃を緩和可能位置におかれ、緊急事態発生時には弾性材4を含む可動部材2は扉T表面と垂直な回動軸部5回りに回動して扉Tを外開きが可能な下側位置に退避可能とされている。
一方可動戸当り10、80は、通常使用時には可動部材12、82に固着された弾性材14が扉Tの内開きのみ上枠Xに当接し衝撃を緩和可能位置におかれ、緊急事態発生時には弾性材14を含む可動部材12、82は扉T表面に沿った回動軸部15回りに回動して扉Tを外開きが可能な前側位置に退避可能とされている。
いずれの場合も各可動部材は、退避させるだけで取外すことがなく緊急事態発生時の操作によっても紛失するおそれがない。
ここで、可動戸当り10及び80を比較すると、緊急事態発生時の操作は、可動戸当り10では扉Tの外側から加圧レバー131を矢印Z方向へ移動操作するのに限られるが、必ずしもジグ等を用いず加圧レバー131の人手操作が可能であるのに対し、可動戸当り80では扉Tの内側又は外側から可動部材82を矢印Z′方向へ移動操作できるが加圧レバー131に相当したものがないので外側からの人手操作は困難でジグ等が必要である。一方、可動戸当り80は部品点数が可動戸当り10に対して少なくて済むという利点がある。
【0019】
可動戸当り1、10及び80で説明した構成要素の一部は相互に入替え又は省略可能で、それぞれの箇所で説明した作用効果を有している。
すなわち、可動部材2、12、82の後側に突設されるリブ22、122、822は、弾性材4、14の固着の際の位置決めや使用時の安定のためには好ましい構成であり、必須のものではなく省略してもよいが、いずれの場合も弾性材4、14を基板21、121、821の上方に寄せて強固に固着すればよい。
可動戸当り10、80における回動軸部15と他の構成部材との関係は前記に限定されない。すなわち、前記可動戸当り10においては、回動軸部15のシャフト151は取付部材16の軸孔163aに挿着され止め輪152により固着され、可動部材12の軸孔123a及び係合部材13の通し孔133a、134aとは摺動可能とされ止め輪152によって抜出し不能とされているが、抜出し不能でさえあれば軸孔163aとシャフト151とも摺動可能としてもよい。又シャフト151を軸孔163aとの固着に代えて摺動可能とし、軸孔123aに固着することとしてもよいが、いずれの場合においても係合部材13は矢印Z方向に移動するため通し孔133a、134aとは摺動可能におかれる。
一方前記可動戸当り80においては、回動軸部15のシャフト151は止め輪152によって抜出し不能とされているのみで、可動部材82の軸孔823a及び係合兼取付部材86の通し孔863aと摺動可能とされているが、軸孔823a又は通し孔863aのいずれか一方と固着することとしてもよい。但し、通し孔863aと固着する場合は、可動部材82の矢印Z′方向への移動によってシャフト151が左右方向に移動可能なように長さを長くとっておき止め輪152を左右両端部に挿着し抜出し不能とする必要が生ずるし、このときは止め輪152に代えてボルト、ナット等の他の止め具を用いてもよい。
しかしいずれの場合においても、可動戸当り10、80における可動部材12、82は回動軸部15を介してその軸芯回りに回動可能となるように各孔との関係を調整すればよい。
可動戸当り80の固着孔は、仮止め固着孔862aと本止め固着孔862bの二種類としているが、可動戸当り、1、10においても同様の構成とすることができ、逆に可動戸当り80を一種類とすることもできる。
可動戸当り80のコイルばね153は、一方端153aが小孔863bに他方端153bが小孔823cに挿着可能とされているが、可動戸当り10においても同様の構成とすることができ、右側側板163と側板134にそれぞれ小孔を穿設してコイルばね153の両端部を挿着すればよく、逆に可動戸当り80を可動戸当り10と同様とすることもできる。
可動戸当り80の舌片864は、先端末を先細り状に形成しているが可動戸当り10の舌片135においても同様の構成とすることができ、逆に可動戸当り80を可動戸当り10と同様とすることもできる。
【0020】
【発明の効果】
本発明の可動戸当りによれば、緊急事態が発生した場合、ブース外側から容易に弾性材を含む可動部材を退避させて扉を外側に開けることができ、構造簡単で僅かなスペースで済み、作動性が確実で、ブース内スペースを広く確保したまま安全に使用者を救出することができる。又可動部材は退避させるだけで取外すことがなく緊急事態発生時の操作によって紛失するおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可動戸当り第一例を装着した扉の概略斜視図で、(a)内側より視た閉扉状態、(b)外側より視た閉扉状態、(c)内側より視た内開き状態、(d)外側より視た内開き状態を示す。
【図2】本発明の可動戸当り第一例を装着した扉の概略斜視図で、(a)内側より視た戸当り脱着状態、(b)外側より視た戸当り脱着状態、(c)内側より視た外開き状態、(d)外側より視た外開き状態を示す。
【図3】図1、2に示す本発明の可動戸当り第一例の分解斜視図で、(a)外側より視た全体図、(b)内側より視た係合部材、(c)内側より視た取付部材である。
【図4】図3に示す本発明の可動戸当り第一例の組立て斜視図で、(a)通常使用時内側より視た図、(b)(a)を外側より視た図、(c)緊急事態発生時内側より視た図である。
【図5】本発明の可動戸当り第二例を装着した扉の概略斜視図で、(a)内側より視た閉扉状態、(b)外側より視た閉扉状態、(c)内側より視た内開き状態、(d)外側より視た内開き状態を示す。
【図6】本発明の可動戸当り第二例を装着した扉の概略斜視図で、(a)内側より視た戸当り脱着状態、(b)外側より視た戸当り脱着状態、(c)内側より視た外開き状態、(d)外側より視た外開き状態を示す。
【図7】図5、6に示す本発明の可動戸当り第二例の分解斜視図で、(a)外側より視た全体図、(b)内側より視た取付部材、(c)内側より視た係合部材である。
【図8】図7に示す本発明の可動戸当り第二例の組立て斜視図で、(a)通常使用時外側より視た図、(b)緊急事態発生時外側より視た図、(c)(b)の内側より視た図である。
【図9】本発明の可動戸当り第三例の分解斜視図で、(a)外側より視た全体図、(b)内側より視た係合兼取付部材である。
【図10】図9に示す本発明の可動戸当り第三例の組立て斜視図で、(a)通常使用時外側より視た図、(b)緊急事態発生時外側より視た図、(c)(b)の内側より視た図である。
【符号の説明】
1、10、80 可動戸当り
2、12、82 可動部材
21、121、821 基板
21a、31a 開口部
21b、133a、134a、863a 通し孔
22、122、822 リブ
123、823 連結リブ
123a、163a、823a 軸孔
123b、61b、163b、823b 係合孔
3、13 係合部材
31 基部
31b 円形溝
32、33、34 係合突起
32a 先端部
35、153 コイルばね
131 レバー
132、61、161、861 垂直片
133 係合片
134、63、163、863 側板
135、864 舌片
4、14 弾性材
5、15 回動軸部
51 ストッパー
52 円柱突起
53 段部
151 シャフト
152 止め輪
6、16 取付部材
61a 丸孔
62、162、862 水平片
62a、162a、862a、862b 固着孔
63a 係止孔
7、17 固着具
86 係合兼取付部材
823c、863b 小孔
H ヒンジ
T 扉
X 上枠
縦枠

Claims (6)

  1. 略方形基板(21、121)の可動部材(2、12)と、前記基板(21、121)上方に固着され反対面が食出し状態におかれているブロック状の弾性材(4、14)と、略方形の垂直片(61、161)及び水平片(62、162)とで側面視略逆L字形に形成されている取付部材(6、16)と、前記可動部材(2、12)及び取付部材(6、16)に着脱可能に配設された係合部材(3、13)と、前記基板(21、121)に垂直又は平行方向に挿着された回動軸部(5、15)とを備え、扉上縁部に前記水平片(62、162)を固着し該扉外側からの前記可動部材(2、12)及び取付部材(6、16)に対する前記係合部材(3、13)の着脱と前記可動部材(2、12)の前記回動軸部(5、15)軸芯回りの回動とにより前記弾性材(4、14)を該扉上縁部に対し突設位置から下方又は平行位置に退避可能としたことを特徴とする可動戸当り。
  2. 略方形基板(821)の可動部材(82)と、前記基板(821)上方に固着され反対面が食出し状態におかれているブロック状の弾性材(14)と、略方形の垂直片(861)及び水平片(862)とで側面視略逆L字形に形成され前記可動部材(82)に着脱可能に配設された係合兼取付部材(86)と、前記基板(821)に平行方向に挿着された回動軸部(15)とを備え、扉上縁部に前記水平片(862)を固着し該扉外側からの前記可動部材(82)に対する前記係合兼取付部材(86)の着脱と該可動部材(82)の前記回動軸部(15)軸芯回りの回動とにより前記弾性材(14)を該扉上縁部に対し突設位置から平行位置に退避可能としたことを特徴とする可動戸当り。
  3. 扉面内側よりみて前後とし、イ)可動部材2は基板21の左右両端面垂直方向後側にリブ22が突設され略中央部下寄りに通し孔21bが穿設され、該基板21の略中央部下端末に下向き逆略U字形開口部21aが穿設され、ロ)係合部材3は柔軟性を有する金属又はプラスチック材製で、中部に開口部31aが穿設された略方形体状の基部31と該基部31の上端後向きに細幅の先端部32aが突設された後側係合突起32と、該基部31の下端前向きに僅かに突設された略方形体状の前側係合突起33と、該基部31の両側面の側面係合突起34と、該基部31の裏面下端部に設けられた溝31bにばね35が挿着され、ハ)回動軸部5は前側大径のストッパー51の軸芯部に小径の円柱突起52が後側に突設され、ニ)取付部材6は垂直片61の略中央部に丸孔61aが穿設され左右端縁に突設された側板63によって上方視において略コ字形に形成され、該側板63に上下中間位置に前記係合突起34が係止可能な係止孔63aが穿設され、該垂直片61及び水平片62の連結部に前記先端部32aと係合可能な係合孔61bが穿設され、ホ)前記通し孔21bに前側より前記突起52を貫通させ、前側へ向けた前記係合孔61bへ前記先端部32aを嵌着し、前記溝31bから突出している前記ばね35後端を前記垂直片61に当接させた状態で前記突起52後端部を前記丸孔61aに挿着し抜出し不能とし、前記弾性材4の扉上縁部に対し突設位置において前記ばね35の反力により前記係合突起33が前記開口部21aに係合可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の可動戸当り。
  4. 扉面内側よりみて前後とし、イ)可動部材12は基板121上方左右両端面垂直方向にリブ122が後側に突設され該基板121下方左右両端面垂直方向に該リブ122より僅かに大きい前後幅の連結リブ123が後側に突設され、該連結リブ123の下方左右に円形軸孔123aと上方一方に異形係合孔123bが穿設され、ロ)係合部材13は前後水平方向に伸びるレバー131と、該レバー131の後端末に垂直方向に広幅の垂直片132と該垂直片132の他方端部後側に突設された側板134と一方端部後側に突設された係合片133とで上方視において開口前側の略コ字形に形成され、該係合片133の上縁部に一方外側に前記係合孔123bに係合可能な舌片135が突設され、該側板134及び係合片133に通し孔134a及び133aが穿設され、ハ)回動軸部15は前記軸孔123aに挿着可能で前記通し孔133a及び134aに摺動可能なシャフト151と止め具とばね153とを有し、ニ)取付部材16は垂直片161の左右端縁に突設された側板163によって上方視において開口前側の略コ字形に形成され、該側板163下方対向位置に前記シャフト151が挿着可能な軸孔163aが穿設され、該側板163の一方上方位置に前記舌片135が係合可能な係合孔163bが穿設され、ホ)前記レバー131が前記水平片162上面の左右中部に沿って後方向に突出するように配設され、前記各軸孔163a、通し孔134a、通し孔133a及び軸孔123aを同軸上にあるように配設し、前記他方側板163及び側板134間に前記ばね153をおいて前記シャフト151を貫通せしめて前記止め具により該シャフト151を抜出し不能とし、前記舌片135、係合孔163b及び123bが該ばね153の加圧力によって係合し該レバー131の他方方向への移動によって係合が解除可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の可動戸当り。
  5. 扉面内側よりみて前後とし、イ)可動部材82は基板821上方左右両端面垂直方向にリブ822が後側に突設され該基板821下方左右両端面垂直方向にリブ822より僅かに大きい前後幅の連結リブ823後側に突設され、該連結リブ823の下方左右に円形軸孔823aと上方一方に異形係合孔823bが穿設され、ロ)係合兼取付部材86は垂直片861と左右端縁に突設され一対の側板863とによって上方視において開口前側の略コ字形に形成され、該側板863下方対向位置に通し孔863aが穿設され、該側板863の上縁部の一方外側に向けて前記係合孔823bに係合可能な舌片864が突設され、ハ)回動軸部15は前記軸孔823aに挿着可能で前記通し孔863aに摺動可能なシャフト151と止め具とばね153とを有し、ホ)前記軸孔823aと通し孔863aとを同軸にあるように配設し、前記他方連結リブ823及び側板863との間に前記ばね153をおいて前記シャフト151を貫通せしめて前記止め具により該シャフト151を抜出し不能とし、前記舌片864及び係合孔823bが該ばね153の加圧力によって係合し前記可動部材82の一方方向への移動によって係合が解除可能とされていることを特徴とする請求項2に記載の可動戸当り。
  6. ばね153がコイルばねで他方側板863又は側板134の上方に穿設された小孔863bに挿着される直線状の一方端153aと、他方連結リブ823又は側板163上方に穿設された小孔823cに挿着される直線状の他方端153bとが無負荷状態で90度位相差をおいて両端部に付加されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の可動戸当り。
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