JP3621009B2 - 合成樹脂製の成形歯車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外周側に歯部を有するリムの内周側にウェブを備えた合成樹脂製の成形歯車に関し、より詳細には、合成樹脂の収縮差を調整して歯車の成形精度を向上させることができる合成樹脂製の成形歯車に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
一般に、外周に歯部を備えた合成樹脂製の成形歯車は、歯幅が所定の大きさ以上のものになると、合成樹脂の収縮作用が大きく働いて、成形される歯車の歪みが大きくなってしまうため、歯車としての精度を確保するために、肉抜きが施されている。
【0003】
この種の歯車の従来例を図10に示す。円筒形のリム12は、外周面で複数の歯部11と一体化している。ボス13は、リム12の内側に同心円状に配置されている。ウェブ14は、リム12の内周部とボス13の外周部とに、一体的に接続されている。
【0004】
そしてこの種の歯車は、合成樹脂などの溶融材料を、例えば、ウェブ14の一方の側の面に同心円上に所定の個数設けられたゲート(図10においては二点鎖線で一つだけ示す)から歯車の形状に一致するキャビティーを形成した金型(図示省略)内に注入する。注入された溶融材料は、当初、ゲート位置を中心に放射状に流れるが、やがて、全体としてはウェブ14の外径方向および内径方向へ向かって流れて、歯部11とリム12のキャビティー内、ボス13のキャビティー内を充填する。その後、溶融材料を冷却固化し、離型することによって、図10(a),(b)に示すような合成樹脂製の成形歯車が得られる。
【0005】
このような射出成形加工においては、溶融材料の冷却固化時に多かれ少なかれ収縮作用が働き、所定の歯車形状の形成に影響を及ぼすことが知られている。そして、その収縮度は、一般には、肉厚が厚く溶融材料が充填される量が多くなる部位ほど、肉厚が薄く溶融材料が充填される量が少ない部位よりも固化が遅れて大きくなる傾向にある。また、同じ肉厚の場合には金型との接触面積が少ない箇所ほど熱が逃げにくく固化が遅れてしまいやすい。
【0006】
そのため、この種の歯車は、ウェブとの接続部近傍の歯部がウェブとの接続部から離れた部位の歯部に比べて、溶融材料の固化が遅くなり易く、ウェブとの接続部近傍での収縮度とウェブから離れた部位での収縮度に差が生じてしまい、特に、ウェブを歯幅の中央に配置できない歯車や歯幅が大きい歯車等、ウェブとの接続部近傍から歯の側端部までが離れているものほど成形される歯車の歪み、歯車の歯幅内の径差が大きくなってしまう傾向にあった。
【0007】
例えば、図10(a)に示すような円筒形状をしたリム12が外周面で複数の歯部11と一体化した形状に設計された歯車は、実際の射出成形においては、リム12のウェブ14との接続部12a近傍は接続部12aから離れた端部12bに比べて熱が軸方向に逃げにくく、固化が遅れて収縮作用が大きく働く。
このため、歯車は図10(c)に示すように、端部12bに比べて接続部12aが内側に大きく湾曲してしまう。
【0008】
そこで、本件出願人は、リムに接続するウェブ14の肉厚を薄くして、リムの端部から遠く離れた、ウェブとの接続領域における固化の遅れを防ぎ、リムの外周側に備えられた歯に与える歪みを小さく抑えて外径差を極力小さくして歯車の成形精度を向上させることを試み本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による合成樹脂製の成形歯車は、外周面で複数の歯部と一体化しているリムと、前記リムの内側に同心円状に配置された環状部と、前記リムの内周部と前記環状部の外周部とに接続するウェブと、前記ウェブの少なくとも一方の面に放射状に条設された複数のリブが一体成形されている合成樹脂製の成形歯車において、前記ウェブの肉厚は前記リムの肉厚に比べて薄く形成され、前記リブの幅が前記ウェブの肉厚よりも細く形成され、前記ウェブの肉厚と前記リブの肉厚の和は前記リムの肉厚よりも薄く形成されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態を、図を用いて説明する。
図1は本発明による合成樹脂製の成形歯車の一実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示す歯車のA−A断面図、(c)は(b)における歯車の変形状態を示す状態説明図である。なお、説明の便宜上、変形状態は誇張して示してある。
【0011】
本実施形態の合成樹脂製の成形歯車は、外周面で複数の歯部11と一体化しているリム12と、リム12の内側に同心円状に配置された本発明の環状部としてのボス13と、リム12の内周部とボス13の外周部とに接続するウェブ14とが一体成形されている。また、ウェブ14は歯幅Wの中央ではない偏った位置に配置されている。これらの点については、図10に示す従来例の歯車と構成が同じである。
本実施形態の成形歯車が従来例の歯車と異なるのは、次の点である。
【0012】
本実施形態の成形歯車では、ウェブ14の肉厚Tがリム12の肉厚Tに比べて薄く形成されている。また、ウェブ14の一方の面には、両端がリム12とボス13とに接続した状態で、リム12とボス13との間に放射状に条設された複数のリブ15が、一体的に形成されている。
【0013】
リブ15は補強の為に必要に応じて形成されるが、その長手方向に直交する方向における幅Tをウェブ14の肉厚Tよりも細く形成するのが好ましい。
また、本実施形態では、ウェブ14の一方の面にのみリブ15を形成したが、必要に応じてウェブ14の両面にリブ15を形成してもよい。
また、リブ15をウェブ14の両面に形成する場合は、ウェブ14の一方の面と他方の面とでリブ15が重ならないように交互に形成するのが好ましい。
尚、リブ15を形成するにあたり、リブ15の肉厚とウェブ14の肉厚との和Tが、リム12の肉厚T以下となるようにするのが好ましい。
【0014】
このように構成した本実施形態の成形歯車は、上述した従来の成形歯車と同様の方法で製造される。すなわち、合成樹脂などの溶融材料を、例えば、リム12とボス13の間のウェブ14の一方の面に同心円上に設けられたゲート(図1においては二点鎖線で一つだけ示す)から歯車の形状に一致するキャビティを形成した金型(図示省略)内に注入する。注入された溶融材料は、当初、ゲート位置を中心に放射状に流れるが、やがて全体としては溶融材料は、歯部11、リム12およびボス13のキャビティー内を充填する。その後、溶融材料を冷却固化し、離型することによって、図1(a),(b)に示すような合成樹脂製の成形歯車が得られる。
【0015】
このとき、本実施形態の成形歯車によれば、ウェブ14の肉厚Tがリム12の肉厚Tに比べて薄く形成されるようにしたので、実際の射出成形においてキャビティー内の溶融材料は、ウェブ14において図10に示すような従来のものと比べて熱が逃げ易くなって固化が速まり、また、リム12とウェブ14との接続部12aにおける樹脂の量が少なくなるため、リム12は、図1(c)に示すように、ウェブ14との接続部12aと接続部12aから最も遠くはなれた端部12bとにおける収縮差を極力抑えることができ、歯車の歯幅W方向に沿った径差が低減する。
【0016】
また、ウェブ14にはリブ15を設けることで、ウェブ14の肉厚を薄くしたことによるウェブ14の強度低下を抑えることができる。さらに、リブ15の幅Tを、ウェブ14の肉厚Tよりも細く形成したので、リブ15は、ウェブ14及びリム12に比べて固化が遅れることはなく、ウェブ14との接続部及びリム12との接続部における収縮度に悪影響を及ぼすことはない。
【0017】
このため、本実施形態の成形歯車によれば、ウェブの強度を維持しながら、歯車の歯幅W方向に沿った径差を低減させて、歯車の成形精度を向上させることができる。
【0018】
なお、本実施形態の成形歯車は、図1に示すような、ウェブが歯幅方向の一方に偏った位置に配置された歯車のほかに、図2(a),(b)に示すような、大口径の歯車に適用しても、図1の成形歯車と同様の効果が得られる。特に大口径の歯車は、小径の歯車に比べてウェブに強度が要求されるため、収縮度に悪影響を及ぼさないようにリブを形成する本実施形態の歯車は特に有効である。
また、リブ15をウェブ14の図1とは逆側(ウェブ14の下側)の面上に設けた構成としてもよいが、収縮による悪影響を極力抑えるためには、リブ15は、ウェブ14のゲートが設けられている側の面に形成するのが好ましい。
【0019】
図3は、本発明による合成樹脂製の成形歯車のさらに他の実施形態および対応する従来例を示し、(a)は本実施形態の歯車の平面図、(b)は(a)に示す歯車のB−B断面図、(c)は(b)における歯車の変形状態を示す状態説明図、(d)は本実施形態に対応する従来例の歯車の変形状態を断面で示す状態説明図である。
【0020】
本実施形態の成形歯車は、ボス13の同心円上に本発明の環状部としての環状リブ16が設けられ、また、ウェブ14がリム12の内周部と環状リブ16の一端部とボス13の外周部とに接続し、更には、ウェブ14の一方の面に複数のリブ17が、両端を環状リブ16とボス13とに接続し、環状リブ16とボス13との間に放射状に条設された状態で、一体成形されている。
【0021】
そして本実施形態においては、ウェブ14は、その肉厚Tがリム12の肉厚Tに比べて薄く形成されている。
また、ウェブ14の一方の面には、両端がリム12と環状リブ16とに接続した状態で、リム12と環状リブ16との間に放射状に条設された複数のリブ15が、前述の実施形態と同様に、その長手方向に直交する方向における幅Tが、ウェブ14の肉厚Tよりも細くなるように一体的に形成されている。
その他の構成は図1の成形歯車とほぼ同様である。
本実施形態においても図1の実施形態の成形歯車と同様の効果が得られる。
【0022】
図4は、本発明による合成樹脂製の成形歯車のさらに他の実施形態および対応する従来例を示し、(a)は本実施形態の歯車の平面図、(b)は(a)に示す歯車のC−C断面図、(c)は(b)における歯車の変形状態を示す状態説明図、(d)は本実施形態に対応する従来例の歯車の変形状態を断面で示す状態説明図である。
【0023】
本実施形態の成形歯車は、外周面で複数の歯部18と一体化しているリム19が本発明の環状部としてボス13の同心円上にリム12とは別個に設けられた、いわゆる多段式の歯車である。また、本実施形態においても、リム19とボス13との間にリブ17が放射状に配置され、更にはウェブ14がリム12の内周部とリム19の外周部に接続した状態で一体成形されている。
【0024】
そして本実施形態においては、ウェブ14は、その肉厚Tがリム12の肉厚Tに比べて薄く形成されている。
また、ウェブ14の一方の面には、両端がリム12とリム19とに接続した状態で、リム12とリム19との間に放射状に条設された複数のリブ15が、前述の実施形態と同様に、その長手方向に直交する方向における幅Tが、ウェブ14の肉厚Tよりも細くなるように一体的に形成されている。
その他の構成は図1の成形歯車とほぼ同様である。
【0025】
本実施形態においても図1の実施形態の成形歯車と同様の効果が得られる。
なお上記各実施形態の歯車におけるリブは、図1〜図4のような形態のものに限定されるものではなく、環状のリブを組み合わせたものを用いてもよい。
【0026】
図5は、本発明による合成樹脂製の成形歯車のさらに他の実施形態および対応する従来例を示し、(a)は本実施形態の歯車の平面図、(b)は(a)に示す歯車のD−D断面図、(c)は(b)における歯車の変形状態を示す状態説明図、(d)は本実施形態に対応する従来例の歯車の変形状態を断面で示す状態説明図である。
【0027】
本実施形態の歯車は、外周面で複数の歯部11と一体化しているリム12と、リム12の内側に同心円状に配置された環状部20と、リム12の内周部と環状部20の外周部とに接続するウェブ14とが一体成形されている。
また、環状リブ21がリム12と環状部20との間に同心円状に配置されると共に、リム12と環状リブ21との間に複数のリブ22が、環状リブ21と環状部20との間に複数のリブ23が、それぞれ放射状に条設されている。環状リブ20、リブ22,23はウェブ14の一方の面上に一体的に形成されている。
【0028】
リブ22は、一端が環状リブ21に、他端がリム12にそれぞれ接続している。また、リブ23は、一端が環状リブ21に、他端が環状部20にそれぞれ接続している。
ウェブ14の肉厚Tは、リム12の肉厚Tに比べて薄く形成されている。また、補強用リブ22,23は、ウェブ14の肉厚Tよりも細い幅Tを有している。
【0029】
本実施形態の歯車によれば、ウェブ14の肉厚Tがリム12の肉厚Tに比べて薄く形成されるようにしたので、実際の射出成形においてキャビティー内の溶融材料は、ウェブ14において図5(d)に示すような従来のものと比べて熱が逃げ易くなって固化が速まり、また、リム12とウェブ14との接続部12aにおける樹脂の量が少なくなるため、リム12は、図5(c)に示すように、ウェブ14との接続部12aと接続部12aから最も遠くはなれた端部12bとにおける収縮差を極力抑えることができ、歯車の歯幅W方向に沿った径差が低減する。
【0030】
また、ウェブ14には環状リブ21、リブ22,23を設けることで、ウェブ14の肉厚を薄くしたことによるウェブ14の強度低下を抑えることができる。さらに、リブ22,23の幅Tを、ウェブ14の肉厚Tよりも細く形成したので、リブ22,23はウェブ14及びリム12に比べて固化が遅れることはなく、ウェブ14との接続部及びリム12との接続部における収縮度に悪影響を及ぼすことはない。
その他の構成、作用および効果は、図1の実施形態の成形歯車とほぼ同様である。
【0031】
なお、図5では、リブ22,23の幅Tをいずれもウェブ14の肉厚Tより細く形成しているが、少なくともリブ22の幅Tをウェブ14の肉厚Tよりも細く形成すれば、同様の効果を得ることは可能である。
また、本実施形態の成形歯車は、上述のように少なくともリブ22の幅Tをウェブ14の肉厚Tよりも細く形成すれば、環状部20を図1のボス13、図3の環状リブ16、図4のリム19のいずれに相当する部位として構成しても、図1の実施形態の成形歯車と同様の効果を奏することができる。
【0032】
その他、上記各実施形態の歯車は、例えば、図6に示すように、逆向きに複数組合せた歯車など、いろいろな形態の歯車に適用可能である。
図6は、本発明による合成樹脂製の成形歯車のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【0033】
本実施形態の成形歯車は、図1の実施形態とほぼ同様の構成の歯車が同軸で逆向きに2つ組み合わされており、それぞれの歯車において、ウェブ14,14’の肉厚T,T’が、リム12,12’の肉厚T,T’に比べて薄く形成されていると共に、ウェブ14,14’の一方の面には、それぞれ両端がリム12とボス13とに、リム12’とボス13’とにそれぞれ接続した状態で、リム12とボス13との間、リム12’とボス13’との間にそれぞれ放射状に条設された複数のリブ15,15’が、前述の実施形態と同様に、その長手方向に直交する方向における幅(図6では示していない)がウェブ14,14’の肉厚Tよりも細くなるように、一体的に形成されている。
本実施形態の成形歯車も、上記各実施形態と同様の効果が得られる。
【0034】
また、本発明による合成樹脂製の成形歯車は、ウェブを有する歯車本体が複数段同軸に組み合わされた構成の歯車に適用可能である。
図7は、本発明による合成樹脂製の成形歯車のさらに他の実施形態および対応する従来例を示し、(a)は本実施形態の歯車の平面図、(b)は(a)に示す歯車のE−E断面図、(c)は(b)における歯車の変形状態を示す状態説明図、(d)は本実施形態に対応する従来例の歯車の変形状態を断面で示す状態説明図である。
【0035】
本実施形態の成形歯車は、外周面で複数の歯部18と一体化しているリム19がボス13の同心円上にリム12とは別個に設けられ、リム19の内周部とボス13の外周部にウェブ24が接続され、ウェブ14がリム12の内周部とリム19の外周部に接続した状態で一体成形されている。
【0036】
そして本実施形態においては、ウェブ14は、肉厚T11がリム12の肉厚T12に比べて薄く形成されている。
また、ウェブ14の一方の面には、両端がリム12とリム19とに接続した状態で、リム12とリム19との間に放射状に条設された複数のリブ15が、前述の実施形態と同様に、その長手方向に直交する方向における幅T13がウェブ14の肉厚T11よりも細くなるように、一体的に形成されている。
【0037】
また本実施形態においては、ウェブ24は、肉厚T21がリム19の肉厚T22に比べて薄く形成されている。
また、ウェブ24の一方の面には、両端がリム19とボス13とに接続した状態で、リム19とボス13との間に放射状に条設された複数のリブ25が、前述の実施形態と同様に、その長手方向に直交する方向における幅T23がウェブ24の肉厚T21よりも細くなるように、一体的に形成されている。
【0038】
本実施形態の歯車によれば、ウェブ14の肉厚T11がリム12の肉厚T12に比べて薄く形成されるようにしたので、実際の射出成形においてキャビティー内の溶融材料は、ウェブ14において図7(d)に示すような従来のものと比べて熱が逃げ易くなって固化が速まり、また、リム12とウェブ14との接続部12aにおける樹脂の量が少なくなるため、リム12は、図7(c)に示すように、ウェブ14との接続部12aと接続部12aから最も遠くはなれた端部12bとにおける収縮差を極力抑えることができ、歯車の歯幅W方向に沿った径差が低減する。
【0039】
また、ウェブ14にはリブ15を設けることで、ウェブ14の肉厚を薄くしたことによるウェブ14の強度低下を抑えることができる。さらに、リブ15の幅T13を、ウェブ14の肉厚T11よりも細く形成したので、リブ15は、ウェブ14及びリム12に比べて固化が遅れることはなく、ウェブ14との接続部及びリム12との接続部における収縮度に悪影響を及ぼすことはない。
【0040】
また、ウェブ24の肉厚T21がリム19の肉厚T22に比べて薄く形成されるようにしたので、実際の射出成形においてキャビティー内の溶融材料は、ウェブ24において図7(d)に示すような従来のものと比べて熱が逃げ易くなって固化が速まり、また、リム19とウェブ24との接続部19aにおける樹脂の量が少なくなるため、リム19は、図7(c)に示すように、ウェブ24との接続部19aと接続部19aから最も遠くはなれた端部19bとにおける収縮差を極力抑えることができ、歯車の歯幅W方向に沿った径差が低減する。
【0041】
また、ウェブ24にはリブ25を設けることで、ウェブ24の肉厚を薄くしたことによるウェブ24の強度低下を抑えることができる。さらに、リブ25の幅T23を、ウェブ24の肉厚T21よりも細く形成したので、リブ25はウェブ24及びリム19に比べて固化が遅れることはなく、ウェブ24との接続部及びリム19との接続部における収縮度に悪影響を及ぼすことはない。
その他の構成、作用および効果は、図1の実施形態の成形歯車とほぼ同様である。
なお、本実施形態のような歯車においても、図5の実施形態に示すような放射状のリブと環状リブを組み合わせたリブを用いてもよい。
【0042】
その他、本発明による合成樹脂製の成形歯車のリムの外周面に形成される歯の種類は特に限定されず、例えば、平歯、はす歯であってもよい。
また、本発明による合成樹脂製の成形歯車の構成を、図7の実施形態で示したような複数段の歯車に適用する場合において、平歯の2段歯車に適用する場合は、図8に示すように、リブ15,25をそれぞれのウェブ14,24の両面に設けてもよい。勿論、リブ15,25をそれぞれのウェブ14,24のいずれか一方の面のみに設けてもよい。
また、はす歯の2段歯車に適用する場合は、要求される歯の精度を保つため、図9に示すように、リブ15,25をそれぞれのウェブ14,24において互いに反対側を向いた面に設けるのが好ましい。
【0043】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、歯車の歯部の収縮差を低減させて、歯車の成形精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による合成樹脂製の成形歯車の一実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示す歯車のA−A断面図、(c)は(b)における歯車の変形状態を示す状態説明図である。
【図2】本発明による合成樹脂製の成形歯車の他の実施形態を示し、(a)は断面図、(b)は(a)における歯車の変形状態を示す状態説明図ある。
【図3】本発明による合成樹脂製の成形歯車のさらに他の実施形態及び対応する従来例を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示す歯車のB−B断面図、(c)は(b)における歯車の変形状態を示す状態説明図、(d)は本実施形態に対応する従来例の歯車の変形状態を断面で示す状態説明図である。
【図4】本発明による合成樹脂製の成形歯車のさらに他の実施形態および対応する従来例を示し、(a)は本実施形態の歯車の平面図、(b)は(a)に示す歯車のC−C断面図、(c)は(b)における歯車の変形状態を示す状態説明図、(d)は本実施形態に対応する従来例の歯車の変形状態を断面で示す状態説明図である。
【図5】本発明による合成樹脂製の成形歯車のさらに他の実施形態および対応する従来例を示し、(a)は本実施形態の歯車の平面図、(b)は(a)に示す歯車のD−D断面図、(c)は(b)における歯車の変形状態を示す状態説明図、(d)は本実施形態に対応する従来例の歯車の変形状態を断面で示す状態説明図である。
【図6】本発明による合成樹脂製の成形歯車のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図7】本発明による合成樹脂製の成形歯車のさらに他の実施形態および対応する従来例を示し、(a)は本実施形態の歯車の平面図、(b)は(a)に示す歯車のE−E断面図、(c)は(b)における歯車の変形状態を示す状態説明図、(d)は本実施形態に対応する従来例の歯車の変形状態を断面で示す状態説明図である。
【図8】本発明による合成樹脂製の成形歯車のさらに他の実施形態を示す平歯の2段歯車の部分断面図である。
【図9】本発明による合成樹脂製の成形歯車のさらに他の実施形態を示すはすばの2段歯車の部分断面図である。
【図10】合成樹脂製の成形歯車の一従来例を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示す歯車のF−F断面図、(c)は(b)における歯車の変形状態を示す状態説明図である。
【符号の説明】
11,11’,18 歯部
12,12’,19 リム
12a,12’a ウェブとの接続部
12b,12’b 端部
13,13’ ボス
14,14’ ウェブ
15,15’,22,23 リブ
16,21 環状リブ
17 リブ
20 環状部
,T’,T11,T21 ウェブの肉厚
,T’,T12,T22 リムの肉厚
,T13,T23 リブの幅
,T’,T14,T24 ウェブの肉厚とリブの幅との和
,W 歯幅

Claims (1)

  1. 外周面で複数の歯部と一体化しているリムと、前記リムの内側に同心円状に配置された環状部と、前記リムの内周部と前記環状部の外周部とに接続するウェブと、前記ウェブの少なくとも一方の面に放射状に条設された複数のリブが一体成形されている合成樹脂製の成形歯車において、
    前記ウェブの肉厚は前記リムの肉厚に比べて薄く形成され、前記リブの幅が前記ウェブの肉厚よりも細く形成され、前記ウェブの肉厚と前記リブの肉厚の和は前記リムの肉厚よりも薄く形成されていることを特徴とする合成樹脂製の成形歯車。
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