JP3620605B2 - 車両のトランスファ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、強制的に四輪駆動状態となるように第1出力軸を第2出力軸に結合させるドグクラッチを備えてなる車両のトランスファ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両のトランスファ装置としては、例えば特開平5ー213086号公報に記載ものが知られている。
このトランスファ装置は、主変速機から入力軸に伝達された駆動力を遊星歯車で構成される副変速機に入力し、この副変速機のサンギヤ及びキャリアと選択的に噛合して高低速状態を切換えるカップリングスリーブ(シフトスリーブ)を有する高低速切換機構を介して常時第1出力軸(後輪側出力軸)に伝達するとともに、第1出力軸に第2出力軸(前輪側出力軸)を所定圧力の制御流体を供給することによりクラッチ締結力を変化させる摩擦クラッチ(可変トルククラッチ)を備えた2輪−4輪駆動切換機構を介して連結するように構成されている。そして、通常、副変速機の高低速切換機構で低速位置を選択したときには、最低限の4輪駆動状態を確保する必要があることから、第1出力軸と第2出力軸を強制的に噛み合い係合させて駆動結合させるドグクラッチが設けられている。
【0003】
ここで、ドグクラッチを構成しているカップリングスリーブのドグ歯とクラッチギヤのドグ歯の模式図を図12及び図13に示す。
副変速機が高速位置にある場合には、図12に示すように、第1出力軸とともに図の矢印方向に回転するカップリングスリーブのドグ歯1と、第2出力軸ととに図の矢印方向に回転するクラッチギアのドグ歯2は、噛み合わずに回転している。そして、副変速機により強制的に4輪駆動状態(低速位置)とする場合には、図13に示すように、第2出力軸とともに回転するクラッチギアのドグ歯2に噛み合い係合させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のトランスファ装置にあっては、副変速機に自動変速機から出力される駆動力が伝達されように構成されているため、車両の停車状態で、副変速機を高低速切換機構で高速位置から低速位置へ切り換える際に、自動変速機のレンジがニュートラルレンジ以外のレンジにあるときには、副変速機に自動変速機からの駆動力が常時伝達されているので、高低速切換機構のカップリングスリーブが副変速機のサンギヤから離脱したときに、このカップリングスリーブの回転は停止するが、副変速機のキャリアは回転を継続しているので、カップリングスリーブとキャリアとの噛合が困難であることにより、自動変速機がその出力軸の回転を停止するニュートラルレンジにあるときに高低速切換機構による切換えを行うことになる。このように、自動変速機がニュートラルレンジにある状態で、高低速切換機構を高速側から低速側に切換えることが可能となるが、この高低速切換機構で、高速側から低速側に切換えるときには、第1出力軸及び第2出力軸を強制的に連結するドグクラッチも噛合状態としなければならず、この状態で2輪−4輪切換機構の摩擦クラッチが締結状態で4輪駆動状態にあるときには、第1出力軸と第2出力軸とが相対回転することができないため、図14に示すように、カップリングスリーブのドグ歯1とクラッチギヤのドグ歯2とが対峙している場合やこれより僅かにずれている場合には噛合させることができず、図13に示すようにカップリングスリーブのドグ歯1と、クラッチギアのドグ歯2とが齟齬して両者が軸方向に対峙していない状態でのみしか噛合することができなくなり、低速側への切換えが困難となるという未解決の課題がある。
【0005】
本発明は上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、副変速機の高低速切換機構で高速側から低速側に切換えを行う際に、第1出力軸及び第2出力軸の相対回転を許容して、ドグクラッチの締結を容易に行うことができる車両のトランスファ装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る車両のトランスファ装置は、図1の基本構成図に示すように、自動変速機から入力軸に入力される駆動力を噛み合いクラッチにより高低速切換えして第1出力軸へ伝達する副変速機と、前記第1出力軸に伝達された駆動力をクラッチ圧を制御可能な摩擦クラッチを介して第2出力軸に伝達する2輪−4輪切換機構と、車両を停車状態として前記副変速機で低速位置を選択したときに前記第1出力軸を前記第2出力軸に強制的に結合させるドグクラッチと、車両の走行状態を検知する走行状態検知手段と、該走行状態検知手段の走行状態検出値に基づき前記摩擦クラッチのクラッチ締結力を制御するクラッチ制御手段とを備えた車両のトランスファ装置において、前記自動変速機のシフト位置がパーキングレンジ又はニュートラルレンジであることを検出して当該自動変速機の出力軸回転の停止状態を検出する回転停止検出手段と、前記2輪−4輪切換機構が4輪駆動状態に切換えられた状態を継続して前記クラッチ制御手段により摩擦クラッチ締結力を制御している状態で、前記回転停止検出手段で自動変速機の出力軸の回転停止を検出したときに、前記ドグクラッチの結合を助成するために、当該クラッチ制御手段によるクラッチ締結力を低下させるクラッチ締結力抑制手段とを備えたことを特徴としている。
【0007】
請求項2に係る車両のトランスファ装置は、手動変速機から入力軸に入力される駆動力を噛み合いクラッチにより高低速切換えして第1出力軸へ伝達する副変速機と、前記第1出力軸に伝達された駆動力をクラッチ圧を制御可能な摩擦クラッチを介して第2出力軸に伝達する2輪−4輪切換機構と、車両を停車状態として前記副変速機で低速位置を選択したときに前記第1出力軸を前記第2出力軸に強制的に結合させるドグクラッチと、車両の走行状態を検知する走行状態検知手段と、該走行状態検知手段の走行状態検出値に基づき前記摩擦クラッチのクラッチ締結力を制御するクラッチ制御手段とを備えた車両のトランスファ装置において、停車中で且つ前記手動変速機のシフト位置がニュートラル状態又はクラッチが遮断状態であることを検出して当該手動変速機の出力軸回転の停止状態を検出する回転停止検出手段と、前記2輪−4輪切換機構が4輪駆動状態に切換えられた状態を継続して前記クラッチ制御手段により摩擦クラッチ締結力を制御している状態で、前記回転停止検出手段で手動変速機の出力軸の回転停止を検出したときに、前記ドグクラッチの結合を助成するために、前記クラッチ制御手段によるクラッチ締結力を低下させるクラッチ締結力抑制手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】
請求項に係る車両のトランスファ装置は、請求項1又は2の発明において、前記クラッチ締結力抑制手段は、回転停止検出手段で変速機の出力軸の停止を検出したときにクラッチ締結力を零に設定することを特徴としている。
【0009】
【作用】
請求項1の発明では、2−4輪切換機構が4輪駆動状態に切換えられた状態を継続してクラッチ制御手段により摩擦クラッチ締結力を制御している状態で、回転停止検出手段で、自動変速機のシフト位置がパーキングレンジ又はニュートラルレンジを検出することにより、自動変速機の回転停止を間接的に検出し、この自動変速機の出力軸の回転停止状態を検出したときに、副変速機の高低速切換えを行う可能性があるものと判断して事前にクラッチ締結力抑制手段で、クラッチ制御手段による摩擦クラッチのクラッチ締結力を低下させて第1出力軸及び第2出力軸間で相対回転可能な状態とすることにより、ドグクラッチの噛合を助成し、強制的な4輪駆動状態への切換操作を容易確実とする。
このように、自動変速機のシフト位置から自動変速機の回転停止を検出することにより、新たな検出手段を設けることなく既存の検出手段をそのまま適用することができる。
【0010】
請求項2に係る発明においては、2−4輪切換機構が4輪駆動状態に切換えられた状態を継続してクラッチ制御手段により摩擦クラッチ締結力を制御している状態で、回転停止検出手段で、車両が停車中であり且つ手動変速機のシフト位置がニュートラル状態又はクラッチが遮断状態であることを検出することにより、間接的に手動変速機の回転停止を検出し、手動変速機の出力軸の回転停止状態を検出したときに、副変速機の高低速切換えを行う可能性があるものと判断して事前にクラッチ締結力抑制手段で、クラッチ制御手段による摩擦クラッチのクラッチ締結力を低下させて第1出力軸及び第2出力軸間で相対回転可能な状態とすることにより、ドグクラッチの噛合を助成し、強制的な4輪駆動状態への切換操作を容易確実とする。
【0011】
請求項4の発明では、回転停止検出手段で変速機の出力軸の停止を検出したときに摩擦クラッチのクラッチ締結力を零とすることにより、第1出力軸及び第2出力軸の相対回転を確実に許容してドグクラッチの噛合をより容易とする。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図2に示すものは、FR(フロントエンジン,リヤドライブ)方式をベースにしたパートタイム四輪駆動車であり、回転駆動源としてのエンジン10と、前左〜後右側の車輪12FL〜12RRと、車輪12FL〜12RRへの駆動力配分比を変更可能な駆動力伝達系14と、駆動力伝達系14による駆動力配分を制御するために油圧を供給する油圧供給装置16と、油圧供給装置16を制御するコントローラ18を備えた車両である。
【0013】
駆動力伝達系14は、エンジン10からの駆動力を選択された歯車比で変速する自動変速機20と、この自動変速機20からの駆動力を前輪12FL、12FR及び後輪(常時駆動輪)12RL、12RR側に分配するトランスファ22とを有している。そして、駆動力伝達系14では、トランスファ22で分配された前輪駆動力が前輪側出力軸24、フロントディファレンシャルギヤ26及び前輪側ドライブシャフト28を介して、左右前輪12FL,12FRに伝達され、一方、後輪側駆動力がプロペラシャフト(後輪側出力軸)30、リアディファレンシャルギヤ32及びドライブシャフト34を介して左右後輪12RL,12RRに伝達される。
【0014】
図3はトランスファ22の内部構造を示すものであり、トランスファケーシング40内において同軸突き合わせ状態で配設されている入力軸42及び第1出力軸44は、入力軸42がフロントケーシング40aにラジアル軸受46を介して回転自在に支持され、第1出力軸44がリアケーシング40bにラジアル軸受48を介して回転自在に支持されて互いに相対回転可能に配設されている。
【0015】
また、フロントケーシング40a及びリアケーシング40bの下方には、入力軸42及び第1出力軸44に対して平行に、夫々フロントケーシング40a及びリアケーシング40bに配設されたベアリング50及び52によって第2出力軸54が回転自在に支持されている。なお、入力軸42は自動変速機20の出力軸56に連結さ、第1出力軸44は後輪側出力軸30に連結され、第2出力軸54は前輪側出力軸24に連結されている。
【0016】
そして、入力軸42及び第1出力軸44間には、副変速機構58が介挿されているとともに、第1出力軸44及び第2出力軸54間には、2輪−4輪駆動切換機構60が設けられている。
副変速機構58は、遊星歯車機構62と、この遊星歯車機構62に同軸的に配設された噛み合いクラッチ形式の高低速切換機構64とで構成されている。
【0017】
遊星歯車機構62は、入力軸42の外周に形成されたサンギヤ62aと、フロントケーシング40a内部で固定されたインターナルギヤ62bと、これらサンギヤ62a及びインターナルギヤ62bに噛合するピニオンギヤ62cと、ピニオンギヤ62cを回転自在に支持するピニオンキャリア62dとで構成されている。
【0018】
また、高低速切換機構64は、第1出力軸44の外周に形成されたスプライン軸部に係合するスプライン穴64bを有する円筒部64aとその左端側に一体に形成され外周面に外歯64bを形成したフランジ部64aとで構成されて軸方向に摺動自在に配設されたシフトスリーブ64bと、このシフトスリーブ64bのスプライン穴64bと噛合可能な入力軸42の外周位置に形成された高速シフト用ギヤ64cと、シフトスリーブ64bの外歯64bと噛合可能なピニオンキャリア62dの内周部に形成された低速シフト用ギヤ64dとで構成されている。
【0019】
そして、シフトスリーブ64bは、図4に示すように、円筒部64aの右端側外周面に形成した周溝64eに、左右方向に摺動可能に配設されたフォークロッド64fに一体に形成されたフォーク64gが係合され、このフォークロッド64fが図示しないリンク機構を介して運転席近傍に配設された後2輪駆動Hiレンジ(以下、2Hレンジと称す)、4輪駆動高速レンジ(以下、4Hレンジと称す)、ニュートラルレンジ(以下、Nレンジと称す)及び4輪駆動低速レンジ(以下、4Lレンジと称す)を直線的に選択可能な副変速機レバーに連結されている。この副変速機レバーで2Hレンジ及び4Hレンジを選択したときには、スプライン穴64bが高速シフト用ギヤ64cに噛合して、入力軸42に伝達される駆動力を直接第1出力軸44に伝達する高速シフト位置Hに移動され、この状態から副変速機レバーでNレンジを選択することにより、スプライン穴64bが高速シフト用ギヤ64c及び4輪駆動用ギヤ80の双方から離間して、入力軸42と第1出力軸44との連結状態が解除されるニュートラル位置Nに移動され、さらに副変速機レバーで4Lレンジを選択することにより、図4におけるシフトスリーブ64bの下部側配置に示すように、スプライン穴64bの高速シフト用ギヤ64cとの噛合を脱し、これに代えて外歯64bが低速シフト用ギヤ64dと噛合し且つスプライン穴64bが後述する第1スプロケット68に形成した4輪駆動用ギヤ80に噛合する低速シフト位置Lに移動される。
【0020】
また、2輪−4輪駆動切換機構60は、前後輪に対する駆動力配分比を変更する湿式多板摩擦クラッチ(以下、摩擦クラッチと略称する。)66と、第1出力軸44に回転自在に配設された第1スプロケット68と、第2出力軸54と同軸に結合された第2スプロケット70と、第1及び第2スプロケット60、70間に巻装されたチェーン72とで構成されている。
【0021】
摩擦クラッチ66は、第1スプロケット68に結合されたクラッチドラム66aと、このクラッチドラム66aにスプライン結合されたフリクションプレート66bと、第1入力軸44の外周にスプライン結合されたクラッチハブ66cと、クラッチハブ66cに一体結合されて前記フリクションプレート66b間に配設されたフリクションディスク66dと、第1出力軸44と一体に回転してクラッチドラム66a側への軸方向移動によりフリクションプレート66b及びフリクションディスク66dを当接させる回転部材66eと、リアケーシング40bの内壁に装着されて軸方向の移動が可能とされたクラッチピストン66gと、このクラッチピストン66gの軸方向の移動を回転部材66eに伝達するスラスト軸受66fと、クラッチピストン66gとリアケーシング40bとの内壁間に形成されたシリンダ室66hと、回転部材66eに対してクラッチピストン66g側へ付勢力を与えるリターンスプリング66jとで構成されている。
【0022】
そして、シリンダ室66hと連通するリアケーシング40bに形成された入力ポート74に、油圧供給装置16からクラッチ圧Pが供給されると、シリンダ室66h内の押圧力発生によりクラッチピストン66gが図3の左側へ移動し、このクラッチピストン66gの移動がスラスト軸受66fを介して回転部材66eに伝達され、相互に離間していたフリクションプレート66b及びフリクションディスク66dが、フリクションディスク66dの移動により当接し、摩擦力によるクラッチ圧Pcに応じたクラッチ締結力が付与される。これにより、第1出力軸44の回転駆動力が、摩擦クラッチ66のクラッチ締結力に応じた所定のトルク配分比で、第1スプロケット68、チェーン72及び第2スプロケット70を介して第2出力軸54に伝達されるようになっている。
【0023】
また、供給されるクラッチ圧Pcが低下してリターンスプリング66jの付勢力によって回転部材66e及びクラッチピストン66gが図3の右側へ移動してフリクションプレート66b及びフリクションディスク66dが相互に離間すると、第1出力軸44から第2出力軸54への駆動力の伝達が遮断される。
また、第1スプロケット68には、シフトスリーブ64b側の外周に4輪駆動用ギヤ80が設けられており、前述したようにシフトスリーブ64bを低速位置にシフトすると、そのスプライン穴64bと4輪駆動用ギヤ80とが噛合して第1出力軸44及び第2出力軸54を強制的に結合する。ここで、シフトスリーブ64bと4輪駆動用ギヤ80とで強制的に4輪駆動状態を形成するドグクラッチを構成している。
【0024】
さらに、フロントケーシング40a内部には、図4に示すように、シフトスリーブ64bが高速シフト位置Hまでスライド移動したことを検出する高速シフト位置センサ86が配設され、この高速シフト位置センサ86の検出信号Sがコントローラ18に入力される。
また、前記油圧供給装置16は、図5に示す回路構成によりトランスファ22の入力ポート74に所定のクラッチ圧Pcを供給する。
【0025】
この油圧供給装置16は、第1出力軸44と直結して回転駆動する正逆回転形のメインポンプ100と、このメインポンプ100と並列配置され、電動モータ102を動力源として回転駆動する正回転形のサブポンプ104とを油圧源としている。これらメインポンプ100及びサブポンプ102は、フロントケーシング40a及びリヤケーシング40bの下部に形成されたオイルタンク105内の作動油をストレーナ106a、108aを介して吸入し、吐出側の配管106b、108bに吐出する。また、配管106b、108bを収束する収束配管110aには、オイルエレメント112が接続され、このオイルエレメント112の上流側(メインポンプ100及びサブポンプ104側)に、他端が潤滑系供給部114側と接続するリリーフ路116が接続されている。また、オイルエレメント112の下流側にライン圧調圧弁118が接続されているとともに、収束配管110aから分岐する配管110b、110c、110eに、それぞれ電磁切換弁120、クラッチ圧力調整弁122、減圧弁124の入力側が接続されている。また、クラッチ圧力調整弁122の出力側には、電磁切換弁120からのパイロット圧が供給されるとトランスファ22にクラッチ圧Pcを供給するパイロット切換弁126の入力側が接続され、減圧弁124の出力側には、デュティー制御電磁弁128の入力側が接続されている。なお、オイルタンク105内には作動油の温度を検知する温度センサ130が配設されているとともに、ライン圧調圧弁118により減圧設定された圧力を検知する油圧スイッチ132及びパイロット切換弁126から出力されるクラッチ圧Pcを検知する圧力スイッチ134が配設され、これらの検知信号はコントローラ18に出力される。そして、この油圧供給装置16は、実際の車両では、トランスファ22の内部に配設されている。なお、オイルタンク105から作動油を吸引するメインポンプ100は、図3に示すように、第1ギヤ136a及び第2ギヤ136bを介して第1出力軸44と連結され、サブポンプ104は、リアケーシング40bに外付けされた電動モータ102に連結されている。
【0026】
次に、図5を参照して油圧供給装置16の各構成部品を詳述する。
正回転駆動をするメインポンプ100は、吸入配管106cの端部に接続されたストレーナ106aを介してオイルタンク105から作動油を吸引し、サブポンプ104も、吸入配管108cの端部に接続されたストレーナ108aを介してオイルタンク105から作動油を吸引する。そして、収束配管110aと接続する各ポンプの吐出配管106b、108bにはそれぞれ逆止弁106d、108dが介挿されているとともに、メインポンプ100の吐出配管106bとサブポンプ104の吸入配管108cとの間は、バイパス路140が接続されている。このバイパス路140は、バイパス配管140aと、このバイパス配管140aに介挿された3連の逆止弁140bとで構成され、吐出配管106bが負圧状態となった場合に逆止弁140bが開状態となり、作動油が破線矢印方向に流れる連通路となる。
【0027】
オイルエレメント112より上流側の収束配管110aに接続されたリリーフ路116は、潤滑系供給部114側に他端が接続されたリリーフ配管116aと、このリリーフ配管116aに介挿された2連のバネ付き逆止弁116bとで構成されている。そして、オイルエレメント112のフィルタに目詰まりが発生して、オイルエレメント112より上流側の圧力が所定圧以上となると、逆止弁116bが開状態となり、作動油が破線矢印方向に流れる連通路となる。
【0028】
ライン圧調圧弁118は、内部パイロット及びスプリング形式の減圧弁により構成され、収束配管110a側に接続する入力ポート118、潤滑系114側に接続する出力ポート118及び固定絞りを介して一次圧及び二次圧が供給される内部パイロットポート118P1、118P2を有する筒状の弁ハウジング内にスプールが摺動自在に配設され、このスプールを一端側に付勢するリターンスプリング118aが配設されている。そして、メインポンプ100もしくはサブポンプ104で昇圧されたライン圧Pは、ライン圧調圧弁118より所定圧に減圧設定されて電磁開閉弁120、クラッチ圧力調整弁122、パイロット弁124に供給される。なお、減圧設定した際に出力ポート118から流れ出た作動油は、潤滑系供給部114へ供給される。
【0029】
また、クラッチ圧力調整弁122は、内部、外部パイロット及びスプリング形式の圧力調整弁で構成されており、配管110cと接続する入力ポート122、パイロット切換弁126と接続する出力ポート122、二次圧が固定絞りを介してパイロット圧として供給される内部パイロットポート122P1、デューティ制御電磁弁128から制御圧が供給される外部パイロットポート122P2を有する筒状の弁ハウジング内にスプールが摺動自在に配設され、このスプールを一端側に付勢するリターンスプリング122aが配設されている。このクラッチ圧力調整弁122は、デューティ制御電磁弁128からのパイロット制御圧が供給されない場合には、入力ポート122と出力ポート122の連通路が閉塞されて二次圧が出力されないが、デューティ制御電磁弁128からパイロット制御圧が供給されると、スプールが移動制御されて出力ポート122からパイロット制御圧に応じた二次圧がクラッチ圧Pcとして出力される。
【0030】
減圧弁124は、内部パイロット及びスプリング形式の二次圧一定形減圧弁により構成されており、配管110eと接続する入力ポート124、デューティ制御電磁弁128と接続する出力ポート124、出力ポート124からの二次圧が固定絞りを介してパイロット圧として供給される内部パイロットポート124と、ドレインポート124とを有する筒状の弁ハウジング内にスプールが摺動自在に配設され、このスプールを一端側に付勢するリターンスプリング124aが配設されている。そして、内部パイロットポート124に供給されるパイロット圧によってスプールが所定位置に移動制御されることにより、入力ポート124から供給された一次圧が、所定圧に減圧調整された制御圧としてデューティ制御電磁弁128に供給されるようになっている。
【0031】
また、デューティ制御電磁弁128は、3ポート2位置形に構成され、減圧弁124側に接続された入力ポート128と、ドレイン側に接続されたドレインポート128と、クラッチ圧力調整弁122の外部パイロットポート122P2と接続する出力ポート128と、リターンスプリング127aとを有し、弁内部に配設されたスプールが出力ポート128とドレインポート128とを連通させるノーマル位置128bと、入力ポート128と出力ポート128とを連通させる作動位置128cとに移動制御される弁である。そして、コントローラ18からソレノイド128dに所要デューティ比の励磁電流iが供給されると、その励磁電流iがオン状態である区間リターンスプリング128aに抗してノーマル位置128bから作動位置128cにスプールが移動制御されることにより、デューティ比に応じたパイロット制御圧がクラッチ圧調整弁122に出力される。したがって、クラッチ圧調整弁122は、デューティ制御電磁弁128から外部パイロットポート122P2にパイロット制御圧が供給されると、パイロット制御圧に応じたクラッチ圧Pcが出力され、これに応じて摩擦クラッチ66のクラッチ締結力が制御されてクラッチ圧Pcに応じた前輪への駆動トルクの配分が行われる。
【0032】
また、スプリングオフセット形の電磁切換弁120は、3ポート2位置に構成され、ライン圧が供給される入力ポート120と、パイロット切換弁126の外部パイロットポート126P1と接続する出力ポート120と、ドレインポート120とを有し、弁内部に配設されたスプールが入力ポート120を遮断し且つ出力ポート120をドレインポート120に連通させるノーマル位置120bと、入力ポート120と出力ポート120とを連通させ且つドレインポート120を遮断する作動位置120cとに移動制御される弁である。そして、電磁切換弁120は、コントローラ18から励磁電流iがソレノイド120dに入力されると、その励磁電流iがオン状態を継続している間リターンスプリング120aに抗してスプールが移動制御されて作動位置120cとなり、パイロット切換弁126の外部パイロットポート126P1にパイロット制御圧が供給される。また、コントローラ18からの励磁電流iがオフ状態となると、リターンスプリング120aの押圧力によってノーマル位置120bに戻され、外部パイロットポート126P1に供給されていたパイロット制御圧がドレインポート120を通じて消圧される。
【0033】
また、パイロット切換弁126は、図6にも示すように、クラッチ圧力調整弁122から二次圧が供給される入力ポート126、トランスファ22へ二次圧を供給する出力ポート126、電磁切換弁120のソレノイド120dが通電状態であるときにパイロット制御圧が供給される外部パイロットポート126P1、ドレインポート126を有する筒状の弁ハウジング126i内に、スプール126eが摺動自在に配設され、さらに、このスプール126eを一端側に付勢するリターンスプリング126aが配設されている弁である。
【0034】
そして、このパイロット切換弁126のスプール126eは、外部パイロットポート126P1にパイロット制御圧が供給されない場合には、入力ポート126と出力ポート126とが遮断され、且つ出力ポート126がドレインポート126に連通する2WDモード位置126bに移動制御されるようになっている(図6の左側半断面状態)。また、電磁開閉弁120のソレノイド120dが通電状態(オン状態)となると、電磁開閉弁120のスプールを第2位置120cに移動制御して外部パイロットポート126P1にパイロット制御圧が供給され、入力ポート126と出力ポート126とが連通する4WDモード位置126cに移動制御されるようになっている(図6の右側半断面状態)。
【0035】
このように、パイロット切換弁126を電磁切換弁120からのパイロット制御圧で駆動することにより、高圧のパイロット制御圧でスプール126eを駆動することができ、スプール126eの摺動通路に塵埃、切り屑等が付着してスプール126eの摺動抵抗が大きい場合でも、スプール126eの摺動を確保することができる。
【0036】
一方、コントローラ18は、図2に示すように、高速シフト位置センサ86、例えば副変速レバーの2Hレンジ位置に配設されて2Hレンジを選択したときにオン状態となる2−4WDモードセンサ90、自動変速機20のパーキングレンジ及びニュートラルレンジを選択したときにオン状態となる回転停止検出手段としてのインヒビタースイッチ91、車速センサ94、走行状態検出手段としての前輪側出力軸24の回転数を検出する前輪側回転数センサ96及び自動変速機20の出力軸に連結された入力軸42の回転数を後輪側回転数として検出する後輪側回転数センサ98からの検出信号に基づいて油圧供給装置16への励磁電流i及びiを出力する装置である。なお、この実施例では、同じコントローラ18において、油圧供給装置16が所定のライン圧を保持可能にするための制御も行うようになっており、そのために必要な前記油温センサ130および油圧スイッチ132,134を備えるとともに、これらのセンサからの検出信号に基づくモータ制御信号Sもコントローラ18から前記油圧供給装置16へ出力される。
【0037】
このコントローラ18は、図7に示すように、前記駆動力配分制御を行うためのマイクロコンピュータ7と、前述の所定ライン圧保持制御を行うためのマイクロコンピュータ8と、前記マイクロコンピュータ7からの制御信号CSに応じて前記油圧供給装置16におけるデューティ制御電磁弁128のソレノイド128dに所要デューティ比Dの励磁電流iを供給する駆動回路31aと、前記マイクロコンピュータ7からの制御信号CSに応じてオン・オフされる励磁電流iを油圧供給装置16における電磁切換弁120のソレノイド120dに供給する駆動回路31bと、前記マイクロコンピュータ8からのモータ制御信号Sに応じて電動モータ102をチョッパ制御してモータ制御信号Sに応じた回転速度に速度制御するモータ駆動回路103とを備えている。
【0038】
前記マイクロコンピュータ7は、前記各センサ86、88、90、91、94、96、98からの検出信号を各検出値として読み込むためのA/D変換機能を有する入力インタフェース回路7aと、所定のプログラムに従って駆動力配分制御のための演算・制御処理(図11参照)等を行う演算処理装置7bと、ROM、RAM等の記憶装置7cと、前記演算処理装置7bで得られた前後輪の回転数差ΔNに対応する前輪側トルク配分を決定するクラッチ圧Pを指令するデューティ比Dの制御信号CS及びクラッチ圧Pを出力するか否かを決定する制御信号CSを出力するための出力インタフェース回路7dとを備えている。また、前記マイクロコンピュータ8は、前記各センサ130,132,134からの検出信号を各検出値として読込むためのA/D変換機能を有する入力インタフェース回路8aと、演算処理装置8bと、ROM,RAM等の記憶装置8cと、前記演算処理装置8bで得られた電動モータ回転速度指令値を例えばアナログ電圧信号Sとして出力するためのD/A変換機能を有する出力インタフェース回路8dとを備えている。
【0039】
そして、マイクロコンピュータ7は、図11に示す演算処理に従って、2−4WDモードセンサ90からのモード信号D、インヒビタースイッチ91のスイッチ信号S、高速シフト位置センサ86からの高速シフト位置検出信号S、車速センサ94からの車速信号V、前輪側回転数センサ96の回転数信号N及び後輪側回転数センサ98の回転数信号Nに基づいて、高速シフト位置検出信号Sがオンであるときに、前輪側トルク配分指令値Tを設定して、これに対応するクラッチ圧Pを指令するデューティ比Dを算出し、インヒビタスイッチ91のスイッチ信号Sがオフ状態であるときに、デューティ比Dに対応する指令値の制御信号CSを出力すると共に、制御信号CSをオン状態に制御すると共に、インヒビタスイッチ91のスイッチ信号Sがオン状態であるとき、2−4WDモードセンサ90の検出信号がオン状態で2輪駆動状態を表すとき及び高速シフト位置センサ86の検出信号Sがオフ状態であるときに、制御信号CS及びCSをオフ状態とし、これら制御信号CS及びCSを夫々前記駆動回路31a及び31bに出力する。
【0040】
そして、前記駆動回路31aは、前記マイクロコンピュータ7から出力されるアナログ電圧信号でなる制御信号CSの指令値に応じたデューティ比Dの励磁電流を出力する例えばパルス幅変調回路を備えており、制御信号CSの指令値に応じたデューティ比の励磁電流iをデューティ制御電磁弁128のソレノイド128dに出力する。
【0041】
また、前記駆動回路31bは、前記マイクロコンピュータ7から出力される制御信号CSを電磁切換弁120のソレノイド120dを励磁可能な電流値の励磁電流iに変換して、これを電磁切換弁120のソレノイド120dに出力する。
また、マイクロコンピュータ8で行われる演算処理、すなわち油圧供給装置16が所定の油圧を供給可能にするための制御は、例えば、図示しない演算処理によって、油圧スイッチ132で収束配管110aのオイルエレメント112の下流側のライン圧Pが設定値以下に低下していることを検出したときに、サブポンプ104からの吐出圧(油量)を制御するために、前記油温センサ130からの油温検出値Sに応じて設定される回転速度指令値を表す制御信号Sを算出し、これをモータ駆動回路103に供給することにより、電動モータ102の回転速度を制御して、油圧供給装置16から出力されるライン圧Pを所定圧力に維持するものである。なお、高速シフト位置センサ86の検出信号がオン状態で且つ油圧スイッチ134でパイロット切換弁126から出力されるクラッチ圧Pが零であることを検出したときには、パイロット切換弁126が異常であると判断して警報を発する。
【0042】
ここで、マイクロコンピュータ7の記憶装置7cには、演算処理装置8bの処理の実行に必要なプログラム及び固定データ等が予め記憶されているとともに、その処理結果が一時記憶可能とされている。
この内、固定データとしては、図8から図10に示す各制御特性に対応した記憶テーブルを含んでいる。図8は、前後輪回転速度差ΔTに対する前輪側への伝達トルクΔTの制御特性を示したものである。これによると、駆動力配分を伝達トルクΔTを回転速度差ΔNの増加に応じて非線形に増加させている。また、図9は、切替弁126のクラッチ圧Pcの増加に応じて直線的に増加する前輪側への伝達トルクΔTの値を示している。また、図10は、デューティ制御電磁弁128のソレノイド128dに供給する励磁電流iのデューティ比Dの増加に応じて非線形に放物線状に増加するクラッチ圧力調整弁122のクラッチ圧Pcの値を示している。
【0043】
そして、マイクロコンピュータ7で前後輪の回転数差ΔNをもとに図8に対応する記憶テーブルを参照することにより伝達トルクΔTが決定されると、図9、図10に対応する記憶テーブルを順次参照して、コントローラ18が出力しなければならないデューティ比Dの値が逆算されるようになっている。そして、図10で示すD〜Dの範囲のデューティ比に応じたクラッチ圧P〜Pが摩擦クラッチ66に供給されると、摩擦クラッチ66の締結力に応じた前後輪側のトルク配分比が、後輪:前輪=100%:0〜後輪:前輪=50%:50%まで連続的に変化される。なお、デューティ比がD以下であるときには、クラッチ圧Pが発生して摩擦クラッチ66のフリクショプレート66bとフリクションディスク66dとは押圧接触されるが駆動力の伝達は行われない。
【0044】
そして、マイクロコンピュータ7による油圧供給制御は、図11のフローチャートに示す基準演算処理に従って実行される。
この油圧供給制御の基準演算処理について簡単に説明すれば、図11の演算処理は所定時間(例えばΔT=20msec)毎のタイマ割込によって実行され、先ず、ステップS1で自動変速機20のシフト位置を検出するインヒビタスイッチ91のスイッチ信号Sを読込み、次いでステップS2に移行して、スイッチ信号Sがオン状態であるか否かを判定する。このとき、スイッチ信号Sがオン状態であるときには、シフトレバーがパーキングレンジP又はニュートラルレンジNにシフトされて、自動変速機20の出力軸が回転しておらず、トランスファ速度選択レバー64iが操作される可能性があるものと判断してステップS3に移行し、電磁切換弁120に対する制御信号CS及びデューティ制御電磁弁128に対する制御信号CSをオフ状態としてからメインプログラムに復帰し、スイッチ信号Sがオフ状態であるときには、トランスファ速度選択レバー64iが操作される可能性がないものと判断してステップS4に移行する。
【0045】
このステップS4では、2−4WDモードセンサ90から入力されたモード信号Dを読み込み、次いでステップS5に移行して4輪駆動モードを選択しているか否かを判定し、2輪駆動モードを選択していると判断すると、前記ステップS3に移行して電磁切換弁120に対する制御信号CSをオフ状態としてからメインプログラムに復帰する。
【0046】
また、4輪駆動モードが選択されていることを判断すると、ステップS6に移行して高速シフト位置センサ86から入力された検出信号Sを読み込む。
次いで、ステップS7に移行してシフトスリーブ64bが高速シフト位置Hに移動しているか否かを判定し、高速シフト位置Hに移動していないと判断すると、摩擦クラッチ66を制御する必要がないので、前述したステップS3に移行して電磁切換弁120に対する制御信号CSをオフ状態としてからメインプログラムに復帰し、高速シフト位置Hに移動していると判断するとステップS8に移行し、電磁切換弁120に対する制御信号CSをオン状態とし、次いでステップS9に移行して、前輪側回転数センサ86及び後輪側回転数センサ88の回転数検出値N及びNを読込み、次いでステップS10に移行して、後輪側回転数Nから前輪側回転数Nを減算した回転数差ΔN(=N−N)を算出してからステップS11に移行する。
【0047】
このステップS11では、回転数差ΔNをもとに図8〜図10の記憶テーブルを順次参照することにより、回転数差ΔNに対応する前輪側トルク配分ΔTを算出し、この前輪側トルク配分ΔTをもとに摩擦クラッチ66のクラッチ圧Pを算出し、最後にこのクラッチ圧Pに対応するD〜Dの範囲のデューティ比Dを算出し、次いでステップS12に移行して、決定されたデューティ比Dに対応する指令値の制御信号CSを駆動回路31aに出力してからメインプログラムに復帰する。
【0048】
この図11の処理において、ステップS1〜S3の処理がクラッチ締結力抑制手段に対応し、ステップS7〜S12の処理及び電磁切換弁120、クラッチ圧力調整弁122、二次側圧一定形減圧弁124、パイロット切換弁126、デューティ制御電磁弁128がクラッチ制御手段に対応している。
次に、上記実施例の動作を説明する。
【0049】
今、車両が停車状態にあり、自動変速機20のシフトレバーがパーキングレンジ位置にあると共に、副変速機レバーが2Hレンジにあり、エンジン10が停止しているものとする。この状態で、イグニッションスイッチをオン状態としてエンジン10を始動させると、コントローラ18に電源が投入されて、各マイクロコンピュータ7,8で所定の演算処理が開始される。
【0050】
このとき、車両が停車状態にあり、且つシフトレバーがパーキングレンジ位置にあってエンジン10の駆動力が自動変速機20の出力軸には伝達されず、これに連結されたトランスファ22の入力軸42及び第1出力軸の回転が停止されているので、油圧供給装置16のメインポンプ100は駆動停止しており、収束配管110aのライン圧Pは略零であり、このため、油圧スイッチ132がオン状態となっており、そのスイッチ信号Sがマイクロコンピュータ8に入力されるで、このマイクロコンピュータ8で油温センサ130の油温検出値Sに基づいて電動モータ102の回転速度を決定し、これに応じたモータ駆動制御信号Sをモータ駆動回路103に出力する。このため、モータ駆動回路103によって電動モータ102が設定された回転速度で回転駆動され、これによってサブポンプ104が回転駆動されて所定圧の作動油が吐出され、これが逆止弁108dを介して収束配管110aに供給されることにより、ライン圧Pが昇圧される。そして、ライン圧Pが設定圧に達すると、油圧スイッチ132がオフ状態となり、これに応じて電動モータ102の回転駆動が停止される。
【0051】
一方、マイクロコンピュータ7では、図11の処理が実行されるが、シフトレバーがパーキングレンジ位置にあって、インヒビタースイッチ91がオン状態となっているので、ステップS2からステップS3に移行して、電磁切換弁120のソレノイド120dに対する制御信号CS及びデューティ制御電磁弁128に対する制御信号CSがオフ状態に制御される。このため、電磁切換弁120は図5に示すノーマル位置を維持し、その入力ポート120がブロックされ且つ出力ポート120がドレインポート120に連通しているので、パイロット切換弁126に対するパイロット制御圧は略大気圧となっている。このため、パイロット切換弁126も図5に示すノーマル位置を維持するため、その入力ポート126がブロックされ、出力ポート126とドレインポート126とが連通状態となっており、摩擦クラッチ66に供給されるクラッチ圧Pが大気圧となっている。また、デューティ制御電磁弁128も図5に示すノーマル位置128を維持し、このデューティ制御電磁弁128から出力されるパイロット制御圧も大気圧となっているので、クラッチ圧力調整弁122から出力されるクラッチ制御圧Pも零となっている。このため、摩擦クラッチ66は、非締結状態に維持され、第1出力軸44と第1スプロケット68との間の動力伝達経路が遮断されていることにより、後輪のみの2輪駆動状態を維持する。
【0052】
このように、このパーキングレンジ位置での停車状態では、第1出力軸と第1スプロケット68との間が切り離されているので、これら両者間は相対回転を許容し得る状態となっている。したがって、この状態で、トランスファ操作レバー64iを高速シフト位置から低速シフト位置にシフトさせると、この操作レバー64iのシフトに伴ってリンク機構64h、コントロールロッド64g及びフォーク64fを介してシフトスリーブ64bが右動し、先ずスプライン穴64bの右端が第1スプロケット68に形成された4輪駆動用ギヤ80と噛合し、次いでフランジ64aに形成された外歯64bが副変速機構62のピニオンキャリア62dに形成された低速シフト用ギヤ64dに噛合して、低速位置にシフトされる。このとき、前述したようにシフトスリーブ64bがスプライン結合されている第1出力軸44と4輪駆動用ギヤ80が形成されている第1スプロケット68とが相対回転可能であるので、スプライン穴64bと4輪駆動用ギヤ80とで構成されるドグクラッチの噛合を容易に行うことができると共に、外歯64bと低速用シフトギヤ64dとで構成される噛み合いクラッチについては、自動変速機20の出力軸に駆動力が伝達されていないため、入力軸42、サンギヤ62a及びピニオン62cを介してピニオンキャリア62dが自由回転可能であるので、外歯64bと低速用シフトギヤ64dとの噛合を容易に行うことができる。
【0053】
その後、例えば良路を走行する場合には、副変速機レバーを2Hレンジに維持した状態で、シフトレバーでDレンジを選択してからブレーキを解除してアクセルペダルを踏込むことにより、車両を発進させることができる。このとき、図11の処理が実行されたときに、ステップS2からステップS4に移行し、2−4WDモードセンサ90が2WDモードを表すオン状態となっているので、ステップS5からステップS3に移行して、電磁切換弁120に対する制御信号CSのオフ状態を継続し、これによって摩擦クラッチ66に対するクラッチ圧Pは大気圧の状態を継続して、摩擦クラッチ66は遮断状態を継続する。一方、副変速機レバーが2Hレンジにあるので、副変速機構62の高低速切換機構64は、前述したように、シフトスリーブ64bのスプライン穴64bが入力軸42に形成された高速シフト用ギヤ64cに噛合して高速位置Hにある状態を継続するので、自動変速機20から駆動力がトランスファ22の入力軸42に伝達されると、この駆動力がそのままシフトスリーブ64bを介して第1出力軸44に伝達され、プロペラシャフト30、リアディファレンシャルギヤ32及びドライブシャフト34を介して左右後輪12RL,12RRに伝達され、これら左右後輪12RL,12RRが回転して車両を前進走行させることができる。
【0054】
このように、車両が走行を開始すると、第1出力軸44が回転駆動されることにより、これに機械的に連結されているメインポンプ100が回転駆動され、このメインポンプ100から作動油が吐出されて逆止弁106dを介して収束配管110aにライン圧として供給されることになり、このメインポンプ100による吐出圧によってライン圧Pが設定圧に維持される状態となると、油圧スイッチ132がオフ状態となることにより、マイクロコンピュータ8による電動モータ102の駆動が停止される。
【0055】
一方、オフロードや雪道或いは凍結路等の低摩擦係数路を走行する場合には、副変速機レバーを2Hレンジから4Hレンジに切換える。この副変速機レバーの2Hレンジから4Hレンジへの切換えは、車両の停車状態では勿論のこと、車両が走行中であっても例えば車速が40km/h以下の低速走行時に行うことができる。
【0056】
そして、副変速機レバーを4Hレンジに切換えると、2−4WDモードセンサ90のモード信号が4輪駆動モードとなることにより、図11の処理が実行されたときに、ステップS5からステップS6に移行し、高速シフト位置センサ86の検出信号Sを読込んだときに、これがオン状態であることにより、ステップS7からステップS8に移行して、電磁切換弁120に対する制御信号CSをオン状態とする。このため、電磁切換弁120がノーマル位置120bから作動位置120cに切換えられることにより、ライン圧Pがそのままパイロット制御圧としてパイロット切換弁126に供給され、これによってパイロット切換弁126がノーマル位置126bから作動位置126cに切換えられ、クラッチ圧調整弁122から出力されるクラッチ制御圧Pを摩擦クラッチ66に供給可能な状態となる。
【0057】
次いで、ステップS9で前輪側回転数センサ96及び後輪側回転数センサ98の回転数検出値N及びNを読込み、次いでステップS10に移行して、前後輪回転数差ΔNを算出し、この回転数差ΔNに基づいてステップS11でデューティ制御弁128に対する制御信号CSのデューティ比Dを決定し、このデューティ比Dに応じた指令値の制御信号CSを駆動回路31aに出力する。このため、駆動回路31aからデューティ比Dの励磁電流iがデューティ制御電磁弁128に供給されることにより、このデューティ制御電磁弁128からデューティ比Dに応じたパイロット制御圧がクラッチ圧力調整弁122に出力され、このクラッチ圧力調整弁122からパイロット制御圧に応じたクラッチ制御圧Pが出力され、これがパイロット切換弁126を介して摩擦クラッチ66に供給され、この摩擦クラッチ66のクラッチ締結力が制御される。
【0058】
したがって、前後輪回転数差ΔNが小さい状態では、デューティ比Dが零に近い状態となり、駆動回路31aから出力される励磁電流iのオン状態の区間がオフ状態の区間に比較して短くなるので、これに応じてデューティ制御電磁弁128から出力されるパイロット制御圧も零に近い状態となり、クラッチ圧力調整弁122から出力されるクラッチ圧Pも零に近い状態となって、摩擦クラッチ66のクラッチ締結力が小さい状態に制御される。このため、摩擦クラッチ66第1出力軸44から摩擦クラッチ66を介して第1スプロケット68に伝達される駆動力が零に近い状態となり、前輪側には駆動力が伝達されずほぼ後2輪駆動状態となるが、この状態から前後輪回転数差ΔNが大きな値となるに従ってデューティ比Dが大きくなり、これに応じてクラッチ圧力調整弁122から出力されるクラッチ圧Pが増加することにより、摩擦クラッチ66のクラッチ締結力が増加して、摩擦クラッチ66、第1スプロケット68、チェーン72、第2スプロケット70、第2出力軸54、前輪側出力軸24、フロントディファレンシャルギヤ26及びドライブシャフト28を介して左右前輪12FL,12FRが回転駆動されて4輪駆動状態となる。結局、前後輪回転数差ΔNに応じて前後輪駆動力配分比が0:100から50:50まで変更されて、良好な走行状態を確保することができる。
【0059】
ところで、副変速機レバーで4Hレンジを選択している走行状態でスタックを生じたとき、或いはスタックを生じ易い砂地等を走行する場合には、副変速機レバーを4Lレンジに切換える必要があるが、この場合には、車両を停車状態とし、且つシフトレバーを例えばNレンジにシフトする。このように、シフトレバーをNレンジにシフトすると、インヒビタスイッチ91がオン状態となることにより、マイクロコンピュータ7で図11の処理を実行したときに、ステップS2からステップS3に移行して、電磁切換弁120に対する制御信号CS及びデューティ制御電磁弁128に対する制御信号CSをオフ状態とする。このため、駆動回路31bから励磁電流iの出力が停止され、これによって電磁切換弁120がリターンスプリング120aによって作動位置120cからノーマル位置120bに復帰し、これによってパイロット制御圧が大気圧となることにより、パイロット切換弁126がリターンスプリング126aによって作動位置126cからノーマル位置126bに復帰し、且つデューティ制御電磁弁128から出力されるパイロット制御圧が大気圧に降圧されて、クラッチ圧力調整弁122から出力されるクラッチ制御圧Pが零に降圧される。このため、摩擦クラッチ66に供給されてるクラッチ圧Pが直ちに大気圧に降圧される。このため、摩擦クラッチ66が非締結状態に復帰して、第1出力軸44と第1スプロケット68との相対回転が可能な状態となり、前述したように、シフトスリーブ64bのスプライン穴64bを第1スプロケット68の高速シフト用ギヤ80に容易に噛合させることができ、シフトスリーブ64bの高速位置Hから低速位置Lへの摺動を容易に行うことができる。
【0060】
この副変速機レバーで4Lレンジを選択している状態では、自動変速機20の出力軸の駆動力がトランスファ22の入力軸42を経て副変速機構62で減速され、その減速された駆動力がピニオンキャリア62dに形成された低速シフト用ギヤ64d、シフトスリーブ64bの外歯64bを介してシフトスリーブ64bに伝達され、このシフトスリーブ64bからこれにスプライン結合された第1出力軸44に伝達されると共に、シフトスリーブ64bのスプライン穴64bに噛合した4輪駆動用ギヤ80を介し、第1スプロケット68、チェーン72、第2スプロケット70を介して第2出力軸54に伝達され、入力軸42に伝達された駆動力が強制的に第1出力軸44及び第2出力軸54に分配されて、4輪駆動状態となる。
【0061】
このとき、シフトスリーブ64bが低速位置Lにシフトすることにより、高速シフト位置センサ88の検出信号がオフ状態となり、マイクロコンピュータ7で図11の処理が実行されたときには、ステップS7からステップS3に移行することにより、電磁切換弁120に対する制御信号CS及びデューティ制御電磁弁128に対する制御信号CSのオフ状態が継続され、摩擦クラッチ66に対するクラッチ圧Pの供給が停止された状態を維持する。
【0062】
なお、上記実施例においては、自動変速機20を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、手動変速機を適用した場合には、その出力側の回転停止を車両が停車状態即ち車速が零で且つシフトレバーがニュートラル位置にあるか又はクラッチが遮断状態にあるかを検出することに検出することができ、これに対応して図11の処理におけるステップS1及びS2を変更すればよい。
【0063】
また、上記実施例においては、変速機の出力軸の回転停止を間接的に検出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、後輪側回転数センサ96の回転数検出値Nから変速機出力軸の回転停止を直接検出するようにしてもよい。
さらに、上記実施例においては、インヒビタスイッチ91のスイッチ信号Sがオン状態となって自動変速機20の回転停止を検出したときに、電磁切換弁120に対する制御信号CSをオフ状態として、パイロット切換弁126をノーマル位置に切換えて摩擦クラッチ66に供給するクラッチ圧Pを零とする場合について説明したが、これに限定されるものではなく、デューティ制御電磁弁128に対する制御信号CSをオフ状態として、クラッチ圧力調整弁122から出力されるクラッチ圧Pを零又は摩擦クラッチ66で駆動力を伝達しない程度の零に近い値に制御するようにしてもよい。
【0064】
さらにまた、上記実施例においては、副変速機構62の高低速切換機構64を副変速機レバーで機械的に操作する場合について説明したが、これに限らず、運転席近傍に副変速機レバーの2Hレンジ、4Hレンジ及び4Lレンジに対応する切換接点を有するモード選択スイッチを配設すると共に、シフトスリーブ64bを摺動駆動する電動モータを設け、モード選択スイッチで選択されたモードに対応して電動モータを駆動してシフトスリーブを摺動させることもできる。
【0065】
なおさらに、上記実施例においては、デューティ制御電磁弁128を適用してクラッチ圧力調整弁122のパイロット制御圧を形成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、デューティ制御電磁弁128に代えてソレノイドに供給される励磁電流の値に応じて出力圧を調整可能な電磁比例圧力制御弁を適用することもでき、この場合には、駆動回路31aを例えばフローティング形定電圧回路で構成して、入力される制御信号CSの電圧値に応じた電流値の励磁電流iを出力するように構成すればよい。
【0066】
また、上記実施例においては、後輪駆動車ベースの四輪駆動車に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず前輪駆動車ベースの四輪駆動車に本発明を適用することもできる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1記載の発明によれば、2−4輪切換機構が4輪駆動状態に切換えられた状態を継続してクラッチ制御手段により摩擦クラッチ締結力を制御している状態で、回転停止検出手段で、自動変速機のシフト位置がパーキングレンジ又はニュートラルレンジを検出することにより、自動変速機の回転停止を間接的に検出し、この自動変速機の出力軸の回転停止状態を検出したときに、副変速機の高低速切換えを行う可能性があるものと判断して事前にクラッチ締結力抑制手段で、2輪−4輪切換機構の摩擦クラッチのクラッチ締結力を低下させてドグクラッチの結合を助成するように構成されているので、自動変速機の回転を停止させた状態で副変速機を高速位置から低速位置にシフトさせて強制的に4輪駆動状態に切換えるときに予め摩擦クラッチのクラッチ締結力を弱めて第1出力軸及び第2出力軸間の相対回転を可能としてドグクラッチの結合操作を容易確実に行うことができるという効果が得られる。
しかも、自動変速機のシフト位置がパーキングレンジ又はニュートラルレンジであることを検出して自動変速機の回転停止を検出するようにしているので、新たな検出手段を設けることなく既存の検出手段で間接的に自動変速機の回転停止を検出することができるという効果が得られる。
【0068】
また、請求項2記載の発明によれば、2−4輪切換機構が4輪駆動状態に切換えられた状態を継続してクラッチ制御手段により摩擦クラッチ締結力を制御している状態で、回転停止検出手段で、車両が停車中であり且つ手動変速機のシフト位置がニュートラル状態又はクラッチが遮断状態であることを検出することにより、間接的に手動変速機の回転停止を検出し、この手動変速機の出力軸の回転停止状態を検出したときに、クラッチ締結力抑制手段で、クラッチ制御手段のクラッチ締結力を低下させてドグクラッチの結合を助成するように構成されているので、手動変速機の出力軸を回転停止状態として副変速機を高速位置から低速位置にシフトさせて強制的に4輪駆動状態に切換えるときに予め摩擦クラッチのクラッチ締結力を弱めて第1出力軸及び第2出力軸間の相対回転を可能としてドグクラッチの結合操作を容易確実に行うことができるという効果が得られる。
しかも、車両が停車中で且つ手動変速機のシフト位置がニュートラル状態又はクラッチが遮断状態であることを検出して手動変速の回転停止を検出するようにしているので、手動変速機の回転停止を間接的に容易に検出することができるという効果が得られる。
【0070】
さらに、請求項記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、回転停止検出手段で変速機の出力軸の停止を検出したときに、摩擦クラッチの締結力を零とすることにより、第1出力軸及び第2出力軸の相対回転を確実に許容して、軽い操作力でドククラッチの噛合させることができ、操作性をより向上させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略構成を示す基本構成図である。
【図2】本発明に係る四輪駆動車の概略を示す構成図である。
【図3】本発明に係るトランスファの内部構造を示す図である。
【図4】本発明に係る副変速機構のシフトスリーブのスライド動作を示す図である。
【図5】本発明に係る油圧供給装置を示す回路図である。
【図6】本発明に係る油圧供給装置で使用されている切換弁を示す図である。
【図7】本発明に係る制御手段を示すブロック図である。
【図8】前後輪回転数差に対する前輪側への伝達トルクの制御特性グラフである。
【図9】油圧供給装置から供給されるクラッチ圧の変化に応じて変化する前輪側への伝達トルクの制御特性グラフである。
【図10】指令電流値に応じて変化するクラッチ圧の制御特性グラフである。
【図11】本発明に係る制御手段の油圧制御処理を示すフローチャートである。
【図12】副変速機が低速位置にある場合に互いに回転しながら対向している従来のドグ歯を示す模式図である。
【図13】副変速機が高速位置にある場合に互いに噛み合うドグ歯を示す模式図である。
【図14】副変速機を高速位置から低速位置へ切り換える際に、一方のドグ歯が他方のドグ歯と対峙している状態を示す模式図である。
【符号の説明】
16 油圧供給装置
18 コントローラ
42 入力軸
44 第1出力軸
54 第2出力軸
58 副変速機
64b シフトスリーブ(噛み合いクラッチ)
60 2輪−4輪駆動切換機構
64b スプライン穴(ドグクラッチ)
64c 高速シフト用ギヤ
64d 低速シフト用ギヤ
66 摩擦クラッチ
80 4輪駆動用ギヤ
91 インヒビタスイッチ(回転停止検出手段)
96 前輪側回転数センサ
98 後輪側回転数センサ
120 電磁切換弁
122 クラッチ圧力調整弁
124 二次圧一定形減圧弁
126 パイロット切換弁
128 デューティ制御電磁弁

Claims (3)

  1. 自動変速機から入力軸に入力される駆動力を噛み合いクラッチにより高低速切換えして第1出力軸へ伝達する副変速機と、前記第1出力軸に伝達された駆動力をクラッチ圧を制御可能な摩擦クラッチを介して第2出力軸に伝達する2輪−4輪切換機構と、車両を停車状態として前記副変速機で低速位置を選択したときに前記第1出力軸を前記第2出力軸に強制的に結合させるドグクラッチと、車両の走行状態を検知する走行状態検知手段と、該走行状態検知手段の走行状態検出値に基づき前記摩擦クラッチのクラッチ締結力を制御するクラッチ制御手段とを備えた車両のトランスファ装置において、
    前記自動変速機のシフト位置がパーキングレンジ又はニュートラルレンジであることを検出して当該自動変速機の出力軸回転の停止状態を検出する回転停止検出手段と、前記2輪−4輪切換機構が4輪駆動状態に切換えられた状態を継続して前記クラッチ制御手段により摩擦クラッチ締結力を制御している状態で、前記回転停止検出手段で自動変速機の出力軸の回転停止を検出したときに、前記ドグクラッチの結合を助成するために、当該クラッチ制御手段によるクラッチ締結力を低下させるクラッチ締結力抑制手段とを備えたことを特徴とする車両のトランスファ装置。
  2. 手動変速機から入力軸に入力される駆動力を噛み合いクラッチにより高低速切換えして第1出力軸へ伝達する副変速機と、前記第1出力軸に伝達された駆動力をクラッチ圧を制御可能な摩擦クラッチを介して第2出力軸に伝達する2輪−4輪切換機構と、車両を停車状態として前記副変速機で低速位置を選択したときに前記第1出力軸を前記第2出力軸に強制的に結合させるドグクラッチと、車両の走行状態を検知する走行状態検知手段と、該走行状態検知手段の走行状態検出値に基づき前記摩擦クラッチのクラッチ締結力を制御するクラッチ制御手段とを備えた車両のトランスファ装置において、
    停車中で且つ前記手動変速機のシフト位置がニュートラル状態又はクラッチが遮断状態であることを検出して当該手動変速機の出力軸回転の停止状態を検出する回転停止検出手段と、前記2輪−4輪切換機構が4輪駆動状態に切換えられた状態を継続して前記クラッチ制御手段により摩擦クラッチ締結力を制御している状態で、前記回転停止検出手段で手動変速機の出力軸の回転停止を検出したときに、前記ドグクラッチの結合を助成するために、前記クラッチ制御手段によるクラッチ締結力を低下させるクラッチ締結力抑制手段とを備えたことを特徴とする車両のトランスファ装置。
  3. 前記クラッチ締結力抑制手段は、回転停止検出手段で変速機の出力軸の停止を検出したときにクラッチ締結力を零に設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両のトランスファ装置。
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