JP3620199B2 - 積層体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板の表面処理法、特に酸化層を形成しやすい金属板の表面処理方法に関する。また、その処理された金属板を用いて金属ベース基板、プリント配線基板及び放熱板等に用いられる積層体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の発達に伴い、多層配線板やBGAなどの半導体パッケージは配線の高密度化、電子部品の搭載密度の増大が著しい。このため、電子装置、半導体パッケージからの熱放散性の向上が望まれており、多層配線板及び半導体パッケージに熱伝導性の良い金属板を接着することが行われている。
金属板には熱伝導性の良い銅、アルミニウムなどの金属が使用されることが多いが、これらの金属表面、特に銅表面は接着性が低いという欠点があった。この原因は、金属銅とその表面に形成された酸化銅との界面で剥離が起きるため、接着剤と銅との接着に関わらず引き剥がし強さが低くなっていると推測される。
この金属板と接着剤との密着性を向上させる目的で、表面を処理し接着力の向上を図る試みがなされている。特開昭54−63373号公報では研磨した銅表面の水分を有機溶剤及び樹脂成分で置換した後、乾燥することにより錆の発生を防止し接着力の向上を図っている。
また、銅表面を、酸化、還元等の工程を経て銅表面を微細な粗面にすることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら特開昭54−63373号公報に示される方法では、銅箔と樹脂の界面に水分が残存しやすいほか、水分と相溶性の悪い樹脂溶剤系には使用出来なかった。
また、銅表面を酸化、還元処理する方法は、接着性の向上には効果を有するが、酸化、還元等の多数の工程を経ること必要でありコストの上昇を招くという経済性の劣っている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、無機フィラーを含むエポキシ樹脂系接着剤で金属板の表面を研磨することにより、表面酸化物の除去と、無機フィラーを含むエポキシ樹脂系接着剤が金属表面のプライマーとして効果を有し金属板表面の処理が同時に行われ、密着性の向上を図ることができることを見出した。
本発明は、無機フィラーを含むエポキシ樹脂系接着剤で金属板の表面を研磨した処理金属板を用い、該接着剤を完全に除去することなく付着させたまま、前記接着剤を含む接着剤層を介して他の基材と積層成形し積層体を製造することを特徴とする積層体の製造方法である。この金属板が、銅またはその合金であることにより密着性に優れる効果を有するので好ましい。また、本発明に使用するエポキシ樹脂系接着剤が、(1)エポキシ樹脂及びその硬化剤を合わせて100重量部、(2)エポキシ樹脂と相溶性でありかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量樹脂1〜40重量部、(3)Tg(ガラス転移温度)が0℃以下であり反応性の官能基を有する重量平均分子量10万以上の高分子量樹脂30〜250重量部、(4)硬化促進剤0.1〜5重量部及び(5)無機フィラーを、樹脂100体積部に対して20〜100体積部含む接着剤であると好ましい。これは、この接着剤を用いて金属板の表面を研磨すると同時に、金属板の表面に接着剤層を塗布形成でき、この接着剤層を用いて他の基材と積層してプレス、ラミネート等の装置を用いて加熱、加圧成形することにより積層体を得ることができる。無機フィラーを含む接着剤で金属板の表面を研磨した後、その接着剤を金属板の表面にコートさせておき、空気中の酸素と遮断させ研磨して酸化物層の除去を行った新たな金属面が酸化されたり、環境からの水分、有機物、化学物質を吸着するのを防止する。そして、コートした接着剤をプライマーとして作用させ、このプライマーと同種あるいは別異の接着剤で接着剤層を形成し他の基材と積層して加熱、加圧成形して積層体を形成する。無機フィラーを含む接着剤は、金属板の表面処理をした後、ふき取り、スクイズ、溶解、吹き飛ばし等によりその一部を除去し、金属板の表面に接着剤層を形成したり、あるいは、接着剤を除去することなくそのまま接着剤として使用することができる。さらに、無機フィラーを含む接着剤で表面処理し、接着剤を除去して再度無機フィラーを含む接着剤で表面処理する操作を繰り返したり、従来行われている操作に付加することもできる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に使用する無機フィラーを含むエポキシ樹脂系接着剤として好ましい接着剤は、(1)エポキシ樹脂及びその硬化剤を合わせて100重量部、(2)エポキシ樹脂と相溶性でありかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量樹脂1〜40重量部、(3)Tg(ガラス転移温度)が0℃以下であり反応性の官能基を有する重量平均分子量10万以上の高分子量樹脂30〜250重量部、(4)硬化促進剤0.1〜5重量部及び(5)無機フィラーを、樹脂100体積部に対して20〜100体積部含む接着剤である。
【0006】
本発明において使用される(1)のエポキシ樹脂は、硬化して接着作用を呈するものであれば良く制限するものでないが、二官能以上で、分子量が5,000未満、好ましくは3,000未満のエポキシ樹脂が好適に使用される。特に、分子量が500以下のビスフェノールA型またはビスフェノールF型液状樹脂を用いると積層時の流動性を向上させることができて好ましい。分子量が500以下のビスフェノールA型またはビスフェノールF型液状樹脂は、油化シェルエポキシ株式会社から、エピコート807、エピコート827、エピコート828という商品名で市販されている。また、ダウケミカル日本株式会社からは、D.E.R.330、D.E.R.331、D.E.R.361という商品名で市販されている。さらに、東都化成株式会社から、YD128、YDF170という商品名で市販されている。
【0007】
高Tg化を目的に多官能エポキシ樹脂を加えてもよい。多官能エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が例示される。フェノールノボラック型エポキシ樹脂は、日本化薬株式会社から、EPPN−201という商品名で市販されている。また、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂は、住友化学工業株式会社から、ESCN−001、ESCN−195という商品名で、また、前記、日本化薬株式会社から、EOCN1012、EOCN1025、EOCN1027という商品名で市販されている。
【0008】
本発明において使用される(1)のエポキシ樹脂の硬化剤は、特に制限するものではないが、フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物であるフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂を用いるのが好ましい。吸湿時の接着性、耐電食性に優れるからである。このような硬化剤として、大日本インキ化学工業株式会社から、フェノライトLF2882、フェノライトLF2822、フェノライトTD−2090、フェノライトTD−2149、フェノライトVH4150、フェノライトVH4170という商品名で市販されている。
【0009】
本発明で用いる(4)の硬化促進剤としては、各種イミダゾール類を用いるのが好ましい。イミダゾールとしては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等が挙げられる。
イミダゾール類は、四国化成工業株式会社から、2E4MZ、2PZ−CN、2PZ−CNSという商品名で市販されている。
【0010】
本発明において使用される(2)のエポキシ樹脂と相溶性でありかつ重量平均分子量3万以上の高分子量樹脂としては、フェノキシ樹脂、高分子量エポキシ樹脂、超高分子量エポキシ樹脂、極性の大きい官能基含有ゴム、極性の大きい官能基含有反応性ゴムなどが挙げられる。Bステージにおける接着剤のタック性の低減や硬化時の可撓性を向上させるため重量平均分子量が3万以上とされる。前記極性の大きい官能基含有反応性ゴムは、アクリルゴムにカルボキシル基のような極性が大きい官能基を付加したゴムが挙げられる。ここで、エポキシ樹脂と相溶性があるとは、硬化後にエポキシ樹脂と分離して二つ以上の相に分かれることなく、均質混和物を形成する性質を言う。
フェノキシ樹脂は、東都化成株式会社から、フェトートYP−40、フェトートYP−50、フェトートYP−60という商品名で市販されている。
【0011】
高分子量エポキシ樹脂は、分子量が3〜8万の高分子量エポキシ樹脂、さらには、分子量が8万を超える超高分子量エポキシ樹脂(特公平7−59617号、特公平7−59618号、特公平7−59619号、特公平7−59620号、特公平7−64911号、特公平7−68327号公報参照)があり、何れも日立化成工業株式会社で製造している。カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブダジエンゴムは、日本合成ゴム株式会社から、PNR−1という商品名で、また、日本ゼオン株式会社から、ニポール1072という商品名で市販されている。上記エポキシ樹脂と相溶性がありかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量樹脂の添加量は、エポキシ樹脂を主成分とする相(以下エポキシ樹脂相という)の可撓性の不足を防止するため1重量部以上、エポキシ樹脂相のTgの低下を防止するため40重量部以下とされる。
【0012】
本発明において使用する(3)のTgが0℃以下であり反応性の官能基を有する重量平均分子量10万以上の高分子量樹脂としては反応性を有するエポキシ基を含有する、アクリルゴム、NBR等が挙げられる
【0013】
また、反応性の官能基を有する高分子量樹脂の重量平均分子量は10万以上200万以下であることが必要であり、好ましくは80万以上200万以下である。高分子量樹脂の重量平均分子量が10万未満であると、接着剤の可撓性が低下するため接着性が低下し好ましくない。また、200万を超えるとフロー性が小さくなり、接着性が低下するため好ましくない。
【0014】
上記反応性の官能基を有する重量平均分子量10万以上の高分子量樹脂の配合量は、30〜250重量部とされる。配合量が、30重量部未満であると、弾性率が大きくなり、接着性が低下する点で好ましくなく、250重量部を超える接着剤のフロー性が低下するため、接着性の低下、ひいては絶縁信頼性の低下、耐熱性の低下、耐湿性の低下が起こるため好ましくない。
【0015】
本発明では、接着剤として異種材料間の界面結合をよくするために、カップリング剤を配合することもできる。カップリング剤としては、シランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0016】
前記したシランカップリング剤は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがNUC A−187、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランがNUC A−189、γ−アミノプロピルトリエトキシシランがNUC A−1100、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシランがNUC A−1160、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランがNUC A−1120という商品名で、いずれも日本ユニカー株式会社から市販されている。
【0017】
カップリング剤の配合量は、添加による効果や耐熱性およびコストから、樹脂100重量部に対し0.1〜10重量部を添加するのが好ましい。
【0018】
さらに、イオン性不純物を吸着して、吸湿時の絶縁信頼性をよくするために、イオン捕捉剤を配合することができる。イオン捕捉剤の配合量は、添加による効果や耐熱性、コストより、5〜10重量部が好ましい。イオン捕捉剤としては、銅がイオン化して溶け出すのを防止するため銅害防止剤として知られる化合物、例えば、トリアジンチオール化合物、ビスフェノール系還元剤を配合することもできる。ビスフェノール系還元剤としては、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−第3−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−第3−ブチルフェノール)等が挙げられる。
トリアジンチオール化合物を成分とする銅害防止剤は、三協製薬株式会社から、ジスネットDBという商品名で市販されている。またビスフェノール系還元剤を成分とする銅害防止剤は、吉富製薬株式会社から、ヨシノックスBBという商品名で市販されている。
【0019】
また、無機イオン吸着剤としては、東亜合成化学工業株式会社から、ジルコニウム系化合物を成分とするものがIXE−100という商品名で、アンチモンビスマス系化合物を成分とするものがIXE−600という商品名で、マグネシウムアルミニウム系化合物を成分とするものがIXE−700という商品名で、市販されている。また、ハイドロタルサイトは、協和化学工業から、DHT−4Aという商品名で市販されているものがある。
【0020】
本発明においては、被着体表面を研磨する目的で無機フィラーを添加する。無機フィラーを樹脂組成物100体積部に対して20〜100体積部配合する。配合量が20体積部より少ないと、研磨効率が低下するため好ましくなく、100体積部を超えて配合すると、接着剤の可とう性の低下、接着性の低下等の問題が発生する。
また無機フィラーを配合することにより、上記の効果のほか接着剤の熱伝導性をよくすることが可能である。
【0021】
無機フィラーとしては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウイスカ、窒化ホウ素、結晶性シリカ、非晶性シリカ、炭化ケイ素などが挙げられる。
特に、熱伝導性をよくするためには、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、結晶性シリカ、非晶性シリカ、炭化ケイ素が好ましい。
この内、アルミナは、研磨効率が高く、また放熱性が良く、耐熱性、絶縁性が良好な点で好適である。
【0022】
接着剤は溶剤溶液とすることが好ましく、溶剤としては、比較的低沸点の、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−エトキシエタノール、トルエン、ブチルセルソルブ、メタノール、エタノール、2−メトキシエタノールなどを用いるのが好ましい。
接着剤の溶剤溶液の製造は、無機フィラーの分散を考慮した場合には、らいかい機、3本ロール及びビーズミル等により、またこれらを組み合わせて行なうことができる。無機フィラーと低分子量物をあらかじめ混合した後、高分子量物を配合することにより、混合に要する時間を短縮することも可能となる。
無機フィラーを含むエポキシ樹脂系接着剤で金属板の表面を研磨する方法としては、金属板に無機フィラーを含むエポキシ樹脂系接着剤を滴下し、ブラシ、研磨ロール等で研磨した後、乾燥し溶剤を除去する。研磨に要する時間は通常0.2〜1分程度である。これにより、表面酸化物の除去と、表面処理し無機フィラーを含む接着剤のコートが同時に行われ、密着性の向上を図ることができる。あらかじめ粗い研磨を行い、乾燥したものについて、再度研磨を行うこともできる。被着体として各種金属板があるが、特に表面の酸化により、接着力が低下する傾向がある銅、銅を含む合金、ニッケルに使用した場合の効果が大きい。その理由としては、表面を研磨する機能のほか、金属表面に形成された酸化物層、水分子層を除去するとともに、新規な金属面が現れるため、除去された水分子層が再付着することなく、また研磨により表面積が増加するため、接着性が向上するものと考えられる。
【0023】
【実施例】
(実施例1及び実施例2)
Paj 無機フィラーを含むエポキシ樹脂系接着剤
以下に示す組成物からなる無機フィラーを含むエポキシ樹脂系接着剤を作製した。
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828:エポキシ当量200、油化シェルエポキシ株式会社製商品名)45重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(ESCN001:住友化学工業株式会社製商品名)15重量部、エポキシ樹脂の硬化剤として樹ビスフェノールA型ノボラック樹脂(フェノライトLF2882:大日本インキ化学工業株式会社製商品名)40重量部、そしてエポキシ樹脂と相溶性でありかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量樹脂としてフェノキシ樹脂(フェノトートYP−50:分子量5万)15重量部、Tgが0℃以下であり反応性の官能基を有する重量平均分子量10万以上の高分子量樹脂としてエポキシ基含有アクリルゴム(HTR−860P−3:分子量100万、帝国化学産業株式会社製商品名)30重量部、硬化促進剤として1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(キュアゾール2PZ−CN:四国化成工業株式会社製商品名)0.5重量部、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(NCU A−187:日本ユニカー株式会社製商品名)からなる組成物に、メチルエチルケトンを加え、さらに、上記樹脂(固形分)100体積部に対しアルミナフィラー(AL−160−SG−1:昭和電工株式会社製商品名)を50体積部となるように加えた。これをビーズミルで混合し、さらにメチルエチルケトンを加えて粘度を調整し、真空脱気し無機フィラーを含むエポキシ樹脂系接着剤を作製した。
【0024】
2)銅板の表面処理方法
(実施例1)
(1)厚さ0.5mmの銅板を#280研磨紙で研磨した後、水中で洗浄した。
(2)170℃、10分間乾燥した。
(3)5〜10μm厚みになるように上記の無機フィラーを含むエポキシ樹脂系接着剤を塗布し、さらに、スコッチブライト7447(3M社製商品名)を用いて研磨した。
(4)150℃、10分間乾燥した。
(実施例2)
(1)厚さ0.5mmの銅板に上記の無機フィラーを含むエポキシ樹脂系接着剤を塗布し、ブラシで研磨した。
(2)150℃、10分間乾燥した。
【0025】
3)積層体(多層配線板)の作製
厚み70μmの離型処理ポリエチレンテレフタレートフィルムに、上記で作製した無機フィラーを含むエポキシ樹脂系接着剤を塗布し、110℃で15分間加熱乾燥して厚み100μmのBステージ状態の接着フィルムを作製した。そして、予め、回路を形成し、その表面を黒化処理した厚さ0.8mmのガラス−エポキシ両面配線板と上記の接着フィルムを重ね、さらに表面処理した上記金属板を重ねた。これらをステンレス製の鏡板で挾み、圧力2MPa、10torrの減圧下で、室温から昇温速度10℃/分の加熱速度で170℃まで加熱し、その温度に60分間保持した後、冷却速度−10℃/分の条件で、50℃付近まで冷却して積層成形し積層体を製造した。この積層体試料について、はんだ耐熱性、剥離の有無を評価しその結果を表1に示した。
【0026】
(比較例1)
実施例においてアルミナフィラーを含まない接着剤を用いた以外は、実施例1と同様にして積層体を作製した。
(比較例2)
実施例においてエポキシ基含有アクリルゴムとアルミナフィラーを含まない接着剤を用いた他は、実施例1と同様にして積層体を作製した。
【0027】
【表1】
【0028】
評価は以下の方法で行った。
はんだ耐熱性:260℃のはんだバス中に180秒間浸し、剥離、膨れ等の異状がないものを合格とし、それ以外を不合格とした。
密着性:温度121℃、相対湿度100%、気圧2026hPaのプレッシャークッカーテスターで96時間処理後の試験片について、層間に剥離、膨れ等の異状がないものを合格、それ以外を不合格とした。
比較例1及び比較例2は吸湿処理時の密着性やはんだ耐熱性に劣るが、本発明の実施例1、実施例2では、吸湿処理時の密着性やはんだ耐熱性が良好である。無機フィラーを含むエポキシ樹脂系接着剤を塗布、研磨することにより、銅箔表面の酸化層が除去され、密着性やはんだ耐熱性が良好になったと考えられる。
【0029】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の無機フィラーを含むエポキシ樹脂系接着剤で金属板の表面を研磨することにより、金属表面の酸化物層、水分や有機物の吸着を除去し、その後の新たな生成を防止する作用を有するため、金属板表面の密着性を向上することができる。
Claims (4)
- 無機フィラーを含むエポキシ樹脂系接着剤で金属板の表面を研磨した処理金属板を用い、該接着剤を完全に除去することなく付着させたまま、前記接着剤を含む接着剤層を介して他の基材と積層成形し積層体を製造することを特徴とする積層体の製造方法。
- 金属板が銅またはその合金である請求項1記載の積層体の製造方法。
- エポキシ樹脂系接着剤が、(1)エポキシ樹脂及びその硬化剤を合わせて100重量部、(2)エポキシ樹脂と相溶性でありかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量樹脂1〜40重量部、(3)Tg(ガラス転移温度)が0℃以下であり反応性の官能基を有する重量平均分子量10万以上の高分子量樹脂30〜250重量部、(4)硬化促進剤0.1〜5重量部及び(5)無機フィラーを、樹脂100体積部に対して20〜100体積部含む接着剤であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層体の製造方法。
- 接着剤の無機フィラーがアルミナであることを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の積層体の製造方法。
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