JP3619518B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワードプロセッサやパーソナルコンピュータなどのOA機器や、電子手帳等の携帯情報機器、あるいは、液晶モニターを備えたカメラ一体型VTR等に用いられる反射型液晶表示装置および反射型と透過型と兼ね備えた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイは、CRT(ブラウン管)やEL(エレクトロルミネッセンス)とは異なり自らは発光しないため、バックライトを液晶表示素子の背面に設置して照明する透過型液晶表示装置が用いられている。
【0003】
しかしながら、バックライトは通常液晶ディスプレイの全消費電力のうち50%以上を消費するため、戸外や常時携帯して使用する機会が多い携帯情報機器ではバックライトの代わりに反射板を設置し、周囲光のみで表示を行う反射型液晶表示装置も実現されている。
【0004】
反射型液晶表示装置で用いられる表示モードには、現在透過型で広く用いられているTN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーツイステッドネマティック)モードといった偏光板を利用するタイプの他、偏光板を用いないために明るい表示が実現できる相転移型ゲストホストモードも近年盛んに開発が行われており、例えば特開平4−75022号公報及び特願平7−228365号に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、相転移型ゲストホストモードは、液晶分子と色素を分散させた液晶層において色素の光吸収を用いて表示を行なうためコントラストが十分とれず、TN(ツイステッドネマティック)モード及びSTN(スーパーツイステッドネマティック)モードといった偏光板を利用するタイプの液晶表示装置に比べて表示品位は著しく悪くなる。
【0006】
また、平行配向若しくはツイスト配向の液晶表示装置の場合には、液晶層の中心付近の液晶分子は電圧印加時に基板面に対して垂直方向に傾くが、配向膜表面付近の液晶分子は電圧を印加しても基板に対して垂直にならないため液晶層の複屈折率は0には程遠く、電圧印加時に黒表示を行う表示モードの場合、液晶層の複屈折のため十分な黒が表示できず、十分なコントラストを得ることができない。
【0007】
TNモード及びSTNモードの液晶表示装置も現在では輝度やコントラストの点で十分な表示品位を有するとは言い難く、更なる高輝度化及びコントラストの向上等の表示品位の向上が求められている。
【0008】
また、反射型液晶表示装置は、周囲の光が暗い場合に表示に用いる反射光が低下し視認性が極端に低下するという欠点を有し、一方透過型液晶表示装置はこれとは逆に周囲光が非常に明るい晴天下等での視認性が低下する問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一方基板と他方基板の間に液晶層が挟持され、前記他方基板の前記液晶層とは反対の面に設けられた第1の偏光手段と、前記一方基板の前記液晶層とは反対の面に設けられた第2の偏光手段とを有する液晶表示装置において、前記一方基板は反射機能を有する領域と透過機能を有する領域とを備え、1つの絵素の中に反射表示領域と透過表示領域とが分割して形成され、前記第1の偏光手段と前記液晶層との間に設けられた第1の位相差板と、前記第2の偏光手段と前記液晶層との間に設けられた第2の位相差板とを備えており、前記第1の偏光手段と前記第2の偏光手段との間に、前記液晶層の液晶分子が概ね基板面の垂直方向に向いているときに液晶層に残存するリターデーションを補償する光学補償層が設けられることを特徴としている。
【0014】
以下に本発明による作用について説明する。
【0015】
反射機能を有する領域と透過機能を有する領域とを備えた液晶表示装置が第1の偏光手段と第2の偏光手段と第1の位相差板と第2の位相差板とを有することにより、反射機能を有する領域の反射光で表示を行う反射モードでは、液晶層の観測者方向のリターデーション(複屈折率)が0(垂直配向モードでは、初期配向状態、平行配向モードでは電圧印加状態)であれば、第1の偏光手段を透過した直線偏光が第1の位相差板と液晶層を透過して反射し再び液晶層と第1の位相差板を通過して第1の偏光手段に入射する際に、第1の偏光手段の透過軸と直交する偏光成分が多いため暗表示が可能となり、また、観測者方向にリターデーションが生じれば、第1の偏光手段を透過した直線偏光が第1の位相差板と液晶層を透過して反射し再び液晶層と第1の位相差板を通過して第1の偏光手段に入射する際に、第1の偏光手段の透過軸と平行する偏光成分を有するため各々のリターデーションに対応した階調を有する明表示が可能となる。
【0016】
透過機能を有する領域の透過光で表示を行う透過モードでは、液晶層の観測者方向のリターデーションがほぼ0であれば、第2の偏光手段を通過した直線偏光が、第2の位相差板、液晶層及び第1の位相差板を通過して第1の偏光手段に入射する際に、第1の偏光手段の透過軸と直交する偏光成分が多いため暗表示が可能となり、また、観測者方向にリターデーションが大きくなると、第2の偏光手段を通過した直線偏光が、第2の位相差板、液晶層及び第1の位相差板を通過して第1の偏光手段に入射する際に、第1の偏光手段の透過軸と平行する偏光成分を有するため各々のリターデーションに対応した階調を有する明表示が可能となる。
【0017】
よって、反射モードおよび透過モードを併用した場合に同時に暗表示が可能となり両方併用してもコントラストの高い表示が可能となる。さらに電圧によりリターデーション値を変化させることで階調表示が可能となる。
【0018】
また、第1の位相差板と第2の位相差板のリターデーションがλ/4条件に設定されていることにより、反射機能を有する領域の反射光で表示を行う反射モードでは、観測者方向に液晶層による複屈折がほとんどない状態では、円偏光が入射し、反射機能を有する領域で反射して回転方向が逆転した円偏光となり、第1の位相差板を通過すると第1の偏光手段の透過軸と直交する直線偏光となる。この液晶表示装置の反射領域では光アイソレーターとして働くので光漏れの少ない暗表示となる。
【0019】
また、観測者方向に液晶層による複屈折がある状態では、そのリタデーションを変化させることで、第1の偏光手段に入射した光が反射して再び第1の偏光手段に入射する際に、第1の偏光手段の透過軸と平行な偏光成分が生じて入射されるため、階調表示か可能な明表示となる。
【0020】
次ぎに透過機能を有する領域の透過光で表示を行う透過モードでは、観測者方向に液晶層による複屈折がほとんどない状態では、液晶層に円偏光が入射し液晶層通過時には円偏光が保存され、第1の位相差板を通過して第1の偏光手段の透過軸と直交する直線偏光となり光漏れの少ない暗表示となる。また、観測者方向に液晶層による複屈折がある状態ではそのリターデーションが変化するため、第2の偏光手段から入射した光が第1の偏光手段に入射する際に第1の偏光手段の透過軸と平行な偏光成分となって入射されるため階調表示が可能な明表示となる。
【0021】
したがって、反射モードおよび透過モードを併用した場合でも暗表示時の液晶分子の状態が同じであり、同時に光漏れのない暗表示が可能となり、周囲光強度がどのような状態であっても反射型、透過型或いは両用型としてコントラストの高い表示が実現される。
【0022】
また、反射領域の液晶層のリターデーションがαだけ残存する場合に第1の位相差板のリターデーションが(λ/4−α)条件に設定されていることにより、平行配向処理された表示モードや、垂直配向処理でもプレチルト角が大きい場合など、残存するリターデーションが無視できない場合でも反射型としてコントラストの高い表示が実現される。反射モードでは、液晶層には、円偏光から残存しているリターデーション分ずれた楕円偏光が入射する。液晶層を通過し、反射機能を有する領域で円偏光となり、反射して回転方向が逆転した円偏光となる。液晶層を通過して液晶層から出射する時、円偏光からずれた楕円偏光となる。このときの楕円偏光は、入射時と位相が90度ずれた状態である。このため、第1の位相差板を通過すると第1の偏光手段の透過軸と直交する直線偏光となる。この液晶表示装置の反射領域では光アイソレーターとして働くので光漏れの少ない暗表示となる。
【0023】
したがって、残存するリターデーションが無視できない場合でも反射型としてコントラストの高い表示が実現される。
【0024】
反射電極の面積が透過電極の面積より大きい場合等、反射型表示がメインとなる場合、実施形態で示す位相差板10はλ/4板のままでかまわない。
【0025】
また、反射領域の液晶層のリターデーションがαだけ残存し、透過領域の液晶層のリターデーションがβだけ残存する場合に、第1の位相差板のリターデーションが(λ/4−α)条件に、第2の位相差板のリターデーションが(λ/4−(β−α))条件に設定されていることにより、平行配向処理された表示モードや、垂直配向処理でもプレチルト角が大きい場合など、残存するリターデーションが無視できない場合でも反射型、透過型或いは両用型としてコントラストの高い表示が実現される。反射モードでは、液晶層には、円偏光から残存しているリターデーション分ずれた楕円偏光が入射する。液晶層を通過し、反射機能を有する領域で円偏光となり、反射して回転方向が逆転した円偏光となる。液晶層を通過して液晶層から出射する時、円偏光からずれた楕円偏光となる。このときの楕円偏光は、入射時と位相が90度ずれた状態である。このため、第1の位相差板を通過すると第1の偏光手段の透過軸と直交する直線偏光となる。この液晶表示装置の反射領域では光アイソレーターとして働くので光漏れの少ない暗表示となる。
【0026】
次に透過機能を有する領域の透過光で表示を行う透過モードでは、観測者方向に液晶層による複屈折がほとんどない状態では、液晶層を出射したとき反射モードの出射光と同じ状態の楕円偏光となるように第2の位相差板が設定され、その位相差を有した楕円偏光が入射するので、第1の位相差板を通過した時、第1の偏光手段の透過軸と直交する直線偏光となり光漏れの少ない暗表示となる。
【0027】
したがって、残存するリターデーションが無視できない場合でも反射型、透過型或いは両用型としてコントラストの高い表示が実現される。
【0028】
また、第1の位相差板及び第2の位相差板がλ/4板からなり、第1の偏光手段の透過軸と第1の位相差板とのなす角度が45°かつ第2の偏光手段の透過軸と第2の位相差板とのなす角度が45°であることにより、残存するリターデーションが無視できる場合、最も簡単な構成で、液晶層に円偏光を入射させることができる。
【0029】
また、負の誘電率異方性を示す液晶材料を用いた垂直配向液晶層を用いれば、液晶層の電圧無印加時には液晶層の複屈折率はほぼ0であり、電圧無印加時に良好な黒レベルが得られ、表示装置のコントラストが向上する。
【0030】
また、液晶層の光の入射方向や視角方向で発生する液晶分子の屈折率異方性に起因する影響を補償するような光学補償層を設けることにより、液晶層の光の入射方向や視角方向で発生する屈折率異方性を補償することができ、光の入射方向や視角方向に依存するコントラストの低下を防止できる。
【0031】
また、負の誘電性異方性を示す液晶材料を用いた垂直配向液晶層にカイラル材を添加し電圧印加時に液晶分子を旋回させれば、電圧印加時の液晶分子の旋回を安定したものとすることができる。更に上下基板のラビング方向を同一方向以外に施す場合、配向処理の軌跡が同一方向でなくなるため筋目が目立ちにくくなる。
【0032】
また、液晶層が90°ツイストしていれば、電圧印加時のディスクリネーション防止のため基板に対し数度傾斜して配向させた場合に液晶分子の傾斜方向にリターデーションが発生するが、基板付近の液晶分子の傾斜した方向が上下の基板付近で互いに90°の角度をなしているため、発生するリターデーションを打ち消すことができ、漏れ光が少ない黒表示が得られる。
【0033】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本発明の実施形態1について図1を用いて説明する。
【0034】
基板1にAl、Ta等の反射率の高い材料で反射電極3が形成され、基板2に対向電極4が形成され、反射電極3と対向電極4の間に負の誘電率異方性を示す液晶材料からなる液晶層5が挟持されている。
【0035】
反射電極3及び対向電極4の液晶層5と接する表面にはそれぞれ垂直配向性の配向膜(図示せず)が形成されており、配向膜の塗布後、少なくとも一方の配向膜にラビング等の配向処理を行っている。
【0036】
液晶層5の液晶分子は垂直配向性の配向膜に対するラビング等の配向処理により、基板面の垂直方向に対して0.1゜から5゜程度のチルト角を持つ。
【0037】
液晶層5には負の誘電率異方性を示す液晶材料が用いられているため、反射電極3と対向電極4の間に電圧を印加すると、液晶分子が基板面と平行方向に向かって傾く。
【0038】
ここで、反射電極3は液晶層5に電圧を印加する電極として用いているが、反射電極と電極とは別の膜、例えばAlの反射板とITOの透明電極の積層構造としても良い。
【0039】
液晶層5の液晶材料として、Ne(異常光に対する屈折率)=1.5546、No(正常光に対する屈折率)=1.4773、ΔN(Ne−No)=0.0773の屈折率異方性を有する液晶材料を用いた。
【0040】
基板2の対向電極4が形成された側の反対の面にλ/4板7が配置され、λ/4板7の遅延軸は、液晶層5に電圧を印加した時の液晶分子の長軸方向に対して45°傾けるように配置されている。
【0041】
λ/4板7は直線偏光を円偏光に、円偏光を直線偏光に変えるものである。
【0042】
λ/4板7は、基板2の対向電極4が形成された側の反対の面に形成したが、反射電極3と基板2の間に設けてもよい。
【0043】
また、λ/4板7は、基板面に貼り付けたり、偏光板6と一体化したほうが製造コストを抑えることができる。
【0044】
次に、λ/4板7の基板2とは反対側の面に偏光板6が設けられ、偏光板6の透過軸をλ/4板7の遅延軸に対して45゜傾けるように配置されている。
【0045】
図7(a)は実施形態1のアクティブマトリクス基板の平面図を示し、図7(b)は図7(a)のF−F断面の断面図を示す。
【0046】
このアクティブマトリクス基板は、ゲート配線21、データ配線22、駆動素子23、ドレイン電極24、補助容量電極25、ゲート絶縁膜26、絶縁性基板27、コンタクトホール28、層間絶縁膜29、反射電極30を備えている。
【0047】
補助容量電極25は、ドレイン電極24と電気的に接続されており、ゲート絶縁膜26を介して補助容量配線32と重畳し補助容量を形成している。
【0048】
コンタクトホール28は、反射30と補助容量電極25を接続するために層間絶縁膜29に設けられている。
【0049】
図13を用いて実施形態1の液晶表示装置における光の透過状態を説明する。
【0050】
図13(a)は液晶層に電圧が印加されていない黒表示の場合を示し、図13(b)は液晶層に電圧が印加された白表示の場合を示し、それぞれの図において左の領域に反射電極3が形成されている。
【0051】
図13(a)によって黒表示を説明する。
【0052】
図13(a)の上側から偏光板6表面から入った入射光は、偏光板6を通った後偏光板の透過軸に一致した直線偏光となり、λ/4板7に入射される。
【0053】
λ/4板7は、偏光板6の透過軸方向とλ/4板7の遅延軸方向が45°になるように配置されており、λ/4板7を通過した光は円偏光になる。
【0054】
液晶層5に電界を印加していない場合は、負の誘電率異方性を示す液晶材料を用いた液晶層5は液晶分子が基板面からほぼ垂直に配向しており、入射する光に対する液晶層5の屈折率異方性は極わずかであり、光が液晶層5を透過することによって生じる位相差はほぼ0である。
【0055】
従って、λ/4板7を通過した円偏光の光は、円偏光を崩さずに液晶層5を透過し、一方の基板1上にある反射電極3にて反射される。
【0056】
反射された円偏光の光は、液晶層5を基板2方向に透過していき、円偏光のまま再びλ/4板7に入射される。
【0057】
λ/4板7に入射された円偏光はλ/4板7を通過した後には、偏光板6の透過軸方向と直交する方向の直線偏光になり、偏光板6に入射される。
【0058】
λ/4板7を通過した直線偏光は、偏光板6の透過軸と直交する方向の直線偏光であり、偏光板6で吸収され透過しない。
【0059】
この様に、液晶層5に電圧を印加しない場合は黒表示となる。
【0060】
次に図3(b)によって白表示を説明する。
【0061】
図3(b)は、液晶層5に電圧を印加する場合であり、λ/4板7を通過するまでは図3(a)同一であり説明は省略する。
【0062】
液晶層5に電圧を印加すると、基板面から垂直方向に配向していた液晶分子は基板面と水平方向に傾き、液晶層5に入射したλ/4板7からの円偏光は、液晶分子の複屈折により楕円偏光になり、反射電極3で反射された後さらに液晶層5で偏光が変化し、λ/4板7を通った後でも偏光板6の透過軸と直交する直線偏光にはならず、偏光板6を通して光が透過する。
【0063】
この時の液晶層に印加される電圧を調整することで、反射した後に偏光板6を透過できる光量を調整することができ階調表示が可能になる。
【0064】
また、反射電極3と対向電極4から液晶層5に電圧を印加し、液晶層5の位相差が1/4波長条件になるように液晶分子の配向状態を変化させると、λ/4板7を通った後の円偏光は液晶層5を通過して反射電極3に達したときに偏光板6の透過軸と直交する直線偏光になり、再び液晶層5を通過して円偏光になった後にλ/4板7を通過し、偏光板6の透過軸と平行な直線偏光になり、偏光板6を透過する反射光は最大になる。
【0065】
従って、液晶層5に電圧が印加されていないときは、液晶層5に複屈折は無く黒表示が得られ、液晶層5に電圧が印加するとその印加電圧によって光の透過率が異なり階調表示が可能になる。
【0066】
図4に、実施形態1の液晶表示装置において、液晶層のセルギャップをd=3.56μm、液晶層の位相差をdΔN=0.2752としたときの反射型液晶表示装置の垂直入射垂直受光時の分光反射率特性を示す。
【0067】
ここで、図4は反射板単体に対しての垂直入射垂直受光時の分光反射を100としている。
【0068】
図4に示す様に、液晶層5に電圧を印加していない暗表示と、電圧3.25V印加時の明表示において、400nmから700nmの波長域全域で50以上という十分なコントラスト比が得られる。
【0069】
また、液晶層5の印加電圧が3.25Vの場合、約40%の反射率が得られ、これは用いている偏光板6の透過率とほぼ同等であり、光の利用効率が高く反射型液晶表示装置に適している。
【0070】
図5は、実施形態1において液晶層のセルギャップをd=4.5μm、液晶層の位相差をdΔN=0.3479としたときの反射型液晶表示装置の垂直入射垂直受光時の分光反射率特性を示す。
【0071】
従って図5に分光反射率特性を示す液晶のセルギャップをd=4.5μmとした反射型液晶表示装置では、液晶層5に電圧を印加していない暗表示と、電圧3V印加時の明表示において、400nmから700nmの波長域全域で50以上という十分なコントラスト比が得られる。
【0072】
また、液晶層5への印加電圧が3Vの場合に、セルギャップd=3.56μmの反射型液晶表示装置と同様に約40%の反射率が得られる。
【0073】
図6に実施形態1の反射型液晶表示装置の垂直入射垂直受光時の波長550nmでのセルギャップとコントラスト比の関係を示す。
【0074】
図6は、液晶の位相差dΔnが1/4波長条件を満たす電圧を印加して測定してる。
【0075】
図6に示すように、実施形態1の反射型表示装置では、液晶層のセルギャップに関係無くコントラスト比500以上を維持している。
【0076】
よって、液晶層5に電圧を印加する場合に、位相差dΔnが1/4波長条件を満たす限りコントラスト比の低下無しで表示でき、セルギャップdを任意に設定することが可能である。
【0077】
図12に、λ/4板7の遅延軸を偏光板6の透過軸に45°傾けた場合を0°とした場合の、λ/4板7の遅延軸の角度のずれとコントラスト比の関係を示す。
【0078】
ここで、λ/4板7の遅延軸の角度のずれが3°以内ならば、コントラスト比50以上が得られ、良好な表示特性の反射型液晶表示装置を作ることができる。
【0079】
従って、偏光板とλ/4板の張り合わせにおいて、λ/4板7の遅延軸と偏光板6の透過軸の角度が設定値から少しずれても高いコントラストの表示装置が得られる。
【0080】
ここで、図6、図7はパネルの表面反射の影響を除去しているが、実際の使用時にはパネルの表面反射の影響を無視することはできず、その場合のコントラスト比は20程度であるが反射型液晶表示装置のコントラストとして良好な値となる。
【0081】
本実施形態で用いている垂直配向液晶材料を用いた液晶表示装置は、電圧無印加時に液晶層のリタデーションをほぼ0にできるので、ノーマリーブラック表示の場合、暗状態をより暗くすることができ、コントラストを高めることができる。
【0082】
(実施形態2)
本発明の実施形態2について図2を用いて説明する。
【0083】
実施形態1と同一の構成については同一の符号を付加している。
【0084】
一方の基板1にAl、Ta等の反射率の高い材料で形成された反射電極3とITO等の透過率の高い材料で形成された透明電極8とが設けられ、基板2に対向電極4が設けられ、反射電極3及び透明電極8と対向電極4との間に負の誘電性異方性を示す液晶材料からなる液晶層5が挟持されている。
【0085】
反射電極3、透明電極8及び対向電極4の液晶層5と接する面にはそれぞれ垂直配向性の配向膜(図示せず)が形成されており、配向膜の塗布後、少なくとも一方の配向膜にラビング等の配向処理を行っている。
【0086】
液晶層5の液晶分子は、垂直配向性の配向膜に対するラビング等の配向処理により、基板面の垂直方向に対して0.1゜から5゜程度のチルト角を持つ。
【0087】
ここで、反射電極3は液晶層に電圧を印加する電極として用いているが、反射電極を電極として使わずに、透明電極8を反射電極の上まで延ばして反射領域での液晶層5に電圧を印加する電極としても良い。
【0088】
液晶層5の液晶材料として、実施形態1と同じNe=1.5546、No=1.4773の屈折率異方性を有する液晶材料を用いた。
【0089】
基板2の対向電極4が形成された側の反対面にλ/4板7が配置され、λ/4板7の遅延軸は、液晶層5に電圧を印加したときに液晶分子の長軸方向に対して45°傾けるように配置されている。
【0090】
基板1の反射電極3及び透明電極8が形成された側の反対面にλ/4板10が配置され、λ/4板10の遅延軸は、λ/4板7の遅延軸と同一方向に設定されている。
【0091】
λ/4板7の基板2とは反対側の面に偏光板6が、λ/4板10の基板1とは反対側に偏光板9がそれぞれ設けらており、偏光板6と偏光板9の透過軸は、λ/4板7とλ/4板10の遅延軸に対して45゜傾けるように設定されている。
【0092】
図8(a)は本発明の実施形態2のアクティブマトリクス基板の平面図を示し、図8(b)は図8(a)のA−A断面の断面図を示す。
【0093】
アクティブマトリクス基板は、ゲート配線21、データ配線22、駆動素子23、ドレイン電極24、補助容量電極25、ゲート絶縁膜26、絶縁性基板27、コンタクトホール28、層間絶縁膜29、反射用絵素電極30と透過用絵素電極31を備えている。
【0094】
補助容量電極25は、ドレイン電極24と電気的に接続されており、ゲート絶縁膜26を介してゲート配線21と重畳し補助容量を形成している。
【0095】
コンタクトホール28は、透過用絵素電極31と補助容量電極25を接続するために層間絶縁膜29に設けられている。
【0096】
このアクティブマトリクス基板は一つの絵素の中に反射用絵素電極30と透過用絵素電極31を備えており、一つの絵素の中に外部からの光を反射する反射用絵素電極30部分とバックライトの光を透過する透過用絵素電極31部分を形成している。
【0097】
図13を用いて実施形態2の液晶表示装置における光の透過状態を説明する。
【0098】
図13(a)は液晶層5に電圧が印加されいない黒表示の場合を示し、図13(b)は液晶層5に電圧が印加された白表示の場合を示している。
【0099】
図13で、反射電極3を有する領域は実施形態1の反射型液晶表示装置と同じ構成であり、反射型表示装置として用いる場合には第1の反射型液晶表示装置と同様の原理で表示が可能であるので説明は省略する。
【0100】
図13(a)、及び図13(b)の右の領域である透明電極8が形成された領域の光の状態を説明する。
【0101】
図13(a)の下側から光源(図示せず)によって出射された光は偏光板9で偏光板9の透過軸に一致した直線偏光になる。
【0102】
λ/4板10は、λ/4板10と偏光板9の透過軸方向の遅延軸方向が45゜になるように配置されており、λ/4板10を通過した光は円偏光になる。
【0103】
液晶層5に電界が発生していない場合は、負の誘電率異方性を示す液晶材料を用いた液晶層5は液晶分子が基板面からほぼ垂直に配向しており、入射する光に対する液晶層5の屈折率異方性は極わずかであり、光が液晶層5を透過することによって生じる位相差はほぼ0である。
【0104】
従って、λ/4板10から出射される円偏光は、円偏光を崩さずに液晶層5を透過し、λ/4板7に入射する。
【0105】
λ/4板10の遅延軸方向とλ/4板7の遅延軸方向が一致しており、λ/4板7に入射した円偏光は、偏光板9の透過軸方向と直交する方向の直線偏光になり、偏光板6に入射される。
【0106】
λ/4板7から出射された直線偏光は、偏光板6の透過軸と直交する方向の直線偏光であり、偏光板6で吸収され光は透過しない。
【0107】
この様に、液晶層5に電圧を印加しない場合は黒表示になる。
【0108】
次に図13(b)によって白表示を説明する。
【0109】
図13(b)は液晶層に電圧を印加する場合でありλ/4板10を光が通過するまでは図13(a)と同一であり説明は省略する。
【0110】
液晶層5に電圧を印加すると、基板表面から垂直方向に向いていた液晶層5の液晶分子は基板面と水平方向に傾き、液晶層に入射したλ/4板10からの円偏光は、液晶層5の複屈折により楕円偏光になり、λ/4板7を通過した後でも偏光板6の透過軸と直交する直線偏光にはならず、偏光板6を通して光が透過する。
【0111】
この時の液晶層5に印加される電圧を調整することで、偏光板6に入射する光の偏光状態を変えることができ、偏光板6を透過する光量を調整し階調表示が可能になる。
【0112】
また、液晶層5の位相差が1/2波長条件になるように、液晶層5に電圧を印加すると、λ/4板10を通った後の円偏光は液晶層5のセル厚の半分の地点で偏光板9の透過軸に直交する直線偏光になり、残りの液晶層5を通過すると円偏光になる。
【0113】
液晶層5から出射される円偏光はλ/4板7を通過すると偏光板6の透過軸と平行な直線偏光になるため、偏光板6に入射される光のほとんどが偏光板6を透過するため偏光板6の透過光は最大になる。
【0114】
よって、実施形態2では、反射電極3の領域及び透明電極8の領域共に、液晶層5に電圧が印加されていないときは、液晶層5に複屈折が無く黒表示が得られ、液晶層5に電圧を印加することで光の透過量を調整し階調表示が可能になる。
【0115】
図9に実施形態2において、液晶層のセルギャップd=3.56μm、液晶層の位相差dΔN=0.2752の透過反射両用型液晶表示装置の透過領域での垂直入射垂直受光時の分光透過率特性を示す。
【0116】
ここで、反射電極3が有る領域での分光反射率特性は図4と同様である。
【0117】
図9は、空気に対しての垂直入射垂直受光時の分光透過を100としている。
【0118】
図9に示す様に、液晶層5に電圧を印加していない黒表示と、電圧5V印加時の明表示において、400nmから700nmの波長域全域で十分なコントラスト比が得られる。
【0119】
また、液晶層5への印加電圧が5Vの場合、約30%の反射率が得られ、これは用いている偏光板6の透過率の8割程度である。
【0120】
このことからも、この表示方式は光の利用効率が高く透過反射両用型液晶表示装置に適している。
【0121】
図10は実施形態2の液晶表示装置において、液晶層5のセルギャップをd=4.5μm、液晶層5の位相差をdΔN=0.3479としたときの透過反射両用型液晶表示装置の透過領域での垂直入射垂直受光時の分光透過率特性を示す。
【0122】
図9のセルギャップd=3.56μmの透過反射両用型液晶表示装置と同様に、液晶層5に電圧を印加していない黒表示と、電圧5V印加時の明表示において、400nmから700nmの波長域全域で十分なコントラスト比が得られ、また、液晶層への印加電圧が5Vの場合に約40%の透過率が得られる。
【0123】
図11に実施形態2の透過反射両用型液晶表示装置の透過領域での垂直入射垂直受光時の波長550nmでのセルギャップとコントラスト比の関係を示す。
【0124】
図11は、液晶の位相差dΔnが1/2波長条件を満たす電圧を印加して測定してる。
【0125】
この様に、セルギャップに関係無く透明電極8の領域で透過型液晶表示装置として用いる場合コントラスト比800以上、反射電極3の領域で反射型液晶表示装置として用いる場合コントラスト比500以上を維持している。
【0126】
よって液晶層5に電圧印加時に、位相差dΔnが1/2波長条件を満たす限りコントラスト比の低下無しで表示でき、セルギャップdを任意に設定することが可能である。
【0127】
図12にλ/4板7の遅延軸を偏光板6の透過軸に45°傾けた場合を0°とした場合のλ/4板7の遅延軸の角度のずれとコントラスト比の関係を示す。
【0128】
ここで、λ/4板7の遅延軸の角度のずれが3°以内ならば、透明電極8の形成された透過領域で透過型液晶表示装置として使用する場合や、反射電極3の形成された反射領域で反射型液晶表示装置として使用する場合、共にコントラスト比50以上が得られ、良好な表示特性の反射型透過両用型液晶表示装置が得られる。
【0129】
従って、周囲の光が暗い場合はバックライトを用いて透明電極8を透過する光を利用して表示する透過型液晶表示装置として使用し、周囲光が明るい場合には、光反射率の比較的高い膜で形成した反射電極3での反射光を利用して表示する反射型液晶表示装置として表示が可能になる。
【0130】
従って、1枚のパネルで周囲の光が暗い場合ではバックライトを用い、周囲光が明るい場合はバックライトを使わずに周囲光を利用する、あるいは、バックライトと反射光の両方を使用しても表示が可能な透過反射両用型液晶表示装置として用いることが可能になる。
【0131】
よって、従来の透過型液晶表示装置よりも周囲光が明るい場合にはバックライトを使わない分低消費電力であり、周囲の光が暗い場合ではバックライトを用いることで、従来の反射型液晶表示装置のように周囲の光が暗いと十分な表示が得られないという欠点を克服できる。
【0132】
本実施形態で用いている垂直配向液晶材料を用いた液晶表示装置は、電圧無印加時に液晶層のリタデーションをほぼ0にできるので、ノーマリーブラック表示の場合、透過表示および反射表示で暗状態をより暗くすることができ、コントラストを高めることができる。
【0133】
(実施形態3)
本発明の実施形態3について図3の断面概略図を用いて説明する。
【0134】
実施形態1及び実施形態2と共通の構成については説明を省略する。
【0135】
実施形態3の液晶表示装置は、基板1と偏光板9の間にλ/4板10と光学補償板12を有し、基板2と偏光板6の間にλ/4板7と光学補償板11を有している。
【0136】
液晶層5に電圧が印加されていない場合は、負の誘電率異方性を示す液晶材料を用いた液晶層5の液晶分子は基板面からほぼ垂直に配向しており、基板正面からは液晶層5による屈折率異方性は無い。
【0137】
しかしながら、反射型液晶表示装置として用いる場合には、光は基板面に対して垂直方向だけでなく他の方向からの光も表示に利用するため、周囲光等の基板面に対して斜め方向の光が液晶層5に入射する場合には、屈折率異方性の影響を受ける。
【0138】
また、視角方向も基板表面に垂直とは限らないため、視角方向が基板面の垂直方向からずれるにつれて液晶層5の液晶分子の屈折率異方性の影響を受けるようになり、コントラストの低下が発生する。
【0139】
そこで、液晶層5の光の入射方向や視角方向で発生する液晶分子の屈折率異方性に起因する影響を補償するような光学補償層11,12を設けることにより、液晶層5の光の入射方向や視角方向で発生する屈折率異方性を補償することができ、光の入射方向や視角方向に依存するコントラストの低下を防止できる。
【0140】
また垂直配向液晶層5で電圧印加時に液晶分子が一方向に傾く様に液晶分子のプレティルトを基板表面の垂直の方向から若干寝かしている場合には、垂直配向液晶層5の電圧無印加時であっても基板に対して垂直方向において若干の屈折率異方性が発生するので、この屈折率異方性を補償する様に、光学補償層を設計することにより、基板表面から垂直方向からみたコントラスト比もさらに向上する。
【0141】
実施形態3ではλ/4板と光学補償層を別の層として説明したが、同一層に作り込んでも同様の効果が得られる。
【0142】
また、実施形態3では光学補償層11と光学補償層12の2つの光学補償層を用いたが、光学補償層11だけとしてもよい。
【0143】
実施形態3では透過反射両用型表示装置で説明したが、実施形態1の反射型液晶表示装置において、偏光板6と反射電極3の間に液晶層5の液晶分子の屈折率異方性を補償するように光学補償層を設けることによりコントラスト比の低下を防止できる。
【0144】
また、実施形態1乃至実施形態3では、白表示と黒表示の場合について説明したが、反射領域や透過領域の対応箇所に各色のカラーフィルターを設けてカラー表示を行うこともできる。
【0145】
実施形態1乃至実施形態3の負の誘電率異方性を示す液晶材料を用いた垂直配向液晶層5にカイラル材を添加することにより、電圧印加時に液晶分子を旋回させて電圧印加時の液晶分子の旋回を安定したものとすることができる。
【0146】
その際に、液晶層が90°ツイストとなるように配向処理することにより、電圧印加時のディスクリネーション防止のため基板面の法線方向に対し数度傾斜して配向させた場合に液晶分子の傾斜方向にリターデーションが発生するが、基板付近の液晶分子の傾斜した方向が上下の基板付近で互いに90°の角度をなしているため、発生するリターデーションを打ち消すことができ、漏れ光が少ない黒表示が得られる。
【0147】
実施形態1乃至実施形態3は、負の誘電率異方性を有する垂直配向性液晶を用いているが、平行配向性液晶を用いても同様の表示が可能である。
【0148】
即ち、垂直配向性液晶の代わりに平行配向性液晶を用いると、電圧無印加時に液晶分子が基板面に平行に配置され、電圧印加時に液晶分子が基板面の法線方向に傾くため、電圧無印加時に白表示、電圧印加時に黒表示の液晶表示装置が得られる。
【0149】
この平行配向性液晶を用いた黒表示の場合は基板付近の液晶分子により、垂直配向性液晶の場合よりも残存するリターデンションが多くなる。この為より完全な黒表示を行う為にはこれを補償する位相差板を併用すればよい。
【0150】
液晶分子が概ね基板面の垂直方向に向いている状態の液晶層において、反射モードではαのリターデーションが残存している場合、λ/4板7に代えて、(λ/4−α)のリターデーションをもつ位相差板を配置すればよい。
【0151】
反射モードでは、液晶層には、円偏光から液晶層の残存しているリターデーション分ずれた楕円偏光が入射する。液晶層を通過し、反射機能を有する領域で円偏光となり、反射して回転方向が逆転した円偏光となる。液晶層を通過して液晶層から出射するとき、円偏光からずれた楕円偏光となる。このときの楕円偏光は、入射時位相が90度ずれた状態にある。位相差板を通過すると偏光板6の透過軸と直交する直線偏光となる。
【0152】
従って、液晶分子が基板面の垂直方向に向いている状態の液晶層に残存するリターデーションが無視できない場合でも、そのリターデーションを考慮した位相差板を配置することにより反射モードでコントラストの高い表示が実現できる。
【0153】
更に、液晶層に反射モードではα、透過モードではβのリターデーションが残存している場合、λ/4板7に代えて(λ/4−α)のリターデーションをもつ位相差板、λ/4板10に代えて(λ/4−(β−α))のリターデーションをもつ位相差板を配置すればよい。
【0154】
透過機能を有する領域の透過光で表示を行う透過モードでは、液晶分子が基板面の垂直方向に向いている状態では、液晶層を出射したとき反射モードの出射光と同じ状態の楕円偏光となるように上記(λ/4−(β−α))のリターデーションをもつ位相差板が設定され、その位相差を有した楕円偏光が上記(λ/4−α)のリターデーションをもつ位相差板に入射するので、上記(λ/4−α)のリターデーションをもつ位相差板を通過したとき、偏光板6の透過軸と直交する直線偏光となり光漏れの少ない暗表示となる。
【0155】
従って、液晶分子が基板面の垂直方向に向いている状態の液晶層に残存するリターデーションが無視できない場合でも、そのリターデーションを考慮した位相差板を配置することにより反射モードでコントラストの高い表示が実現できる。
【0156】
【発明の効果】
反射機能を有する領域と透過機能を有する領域とを備えた液晶表示装置が第1の偏光手段と第2の偏光手段と第1の位相差板と第2の位相差板とを有することにより、反射モードおよび透過モードを備えた表示装置においてコントラストの高い表示が可能となる。また、反射モードおよび透過モードを併用した場合に同時に暗表示が可能となり両方併用してもコントラストの高い表示が可能となる。さらに電圧によりリターデーション値を変化させることで階調表示が可能となる。
【0157】
また、第1の位相差板と第2の位相差板のリターデーションがλ/4条件に設定されていることにより、液晶層の液晶分子が概ね基板面の垂直方向に向いているときに、液晶層のリターデーションがほとんどない場合には、反射領域及び透過領域において、液晶層と位相差板を通過し、第1の偏光板に入射する光が、偏光板の透過軸と直交する直線偏光となるため光漏れの少ない暗表示が得られる。
【0158】
また、反射領域の液晶層のリターデーションがαだけ残存する場合に第1の位相差板のリターデーションが(λ/4−α)条件に設定されていることにより、液晶層の液晶分子が概ね基板面の垂直方向に向いているときに、反射領域の液晶層のリターデーションがαだけ残存していても、反射領域において、液晶層と位相差板を通過し、第1の偏光板に入射する光が、偏光板の透過軸と直交する直線偏光となるため光漏れの少ない暗表示が得られる。
【0159】
また、反射領域の液晶層のリターデーションがαだけ残存し、透過領域の液晶層のリターデーションがβだけ残存する場合に、第1の位相差板のリターデーションが(λ/4−α)条件に、第2の位相差板のリターデーションが(λ/4−(β−α))条件に設定されていることにより、液晶層の液晶分子が概ね基板面の垂直方向に向いているときに、反射領域の液晶層のリターデーションがα、透過領域の液晶層のリターデーションがβだけ残存していても、反射領域及び透過領域において、液晶層と位相差板を通過し、第1の偏光板に入射する光が、偏光板の透過軸と直交する直線偏光となるため光漏れの少ない暗表示が得られる。
【0160】
また、第1の位相差板及び第2の位相差板がλ/4板からなり、第1の偏光手段の透過軸と第1の位相差板とのなす角度が45°かつ第2の偏光手段の透過軸と第2の位相差板とのなす角度が45°であることにより、反射モードおよび透過モードを併用した場合でも暗表示時の液晶分子の状態が同じであり、同時に光漏れのない暗表示が可能となり、周囲光強度がどのような状態であっても反射型、透過型或いは両用型としてコントラストの高い表示が実現される。
【0161】
また、負の誘電率異方性を示す液晶材料を用いた垂直配向液晶層を用いれば、電圧無印加時の黒表示の際に偏光板から漏れる光が少なく、電圧印加時の白表示及びカラーフィルターによるカラー表示の際に光の利用効率が高く、優れた表示品位を有する反射型液晶表示装置を実現できる。
【0162】
また、液晶層の光の入射方向や視角方向で発生する液晶分子の屈折率異方性に起因する影響を補償するような光学補償層を設けることにより、光の入射方向や視角方向に依存するコントラストの低下を防止できる。
【0163】
また、負の誘電性異方性を示す液晶材料を用いた垂直配向液晶層にカイラル材を添加し電圧印加時に液晶分子を旋回させれば、電圧印加時の液晶分子の旋回を安定したものとすることができ、上下基板のラビング方向を同一方向以外に施す場合、配向処理の軌跡が同一方向でなくなるため筋目が目立ちにくくなる。
【0164】
また、液晶層が90°ツイストしていれば、電圧印加時のディスクリネーション防止のため基板の法線方向に対し数度傾斜して配向させた場合に液晶分子の傾斜方向にリターデーションが発生するが、基板付近の液晶分子の傾斜した方向が上下の基板付近で互いに90°の角度をなしているため、発生するリターデーションを打ち消すことができ、漏れ光が少ない黒表示が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1における反射型液晶表示装置の断面構成図である。
【図2】本発明の実施形態2における透過反射両用型液晶表示装置の断面構成図である。
【図3】本発明の実施形態3における透過反射両用型液晶表示装置の断面構成図である。
【図4】本発明の実施形態1における反射型液晶表示装置のセルギャップd=3.56μmの垂直入射垂直受光時の分光反射率特性図である。
【図5】本発明の実施形態1における反射型液晶表示装置のセルギャップd=4.5μmの垂直入射垂直受光時の分光反射率特性図である。
【図6】本発明の実施形態1における反射型液晶表示装置の垂直入射垂直受光時の波長550nmでのセルギャップとコントラスト比の関係図である。
【図7】本発明の実施形態1における反射型液晶表示装置の電極構成を示した図である。
【図8】本発明の実施形態2における反射型液晶表示装置の電極構成を示した図である。
【図9】本発明の実施形態2におけるセルギャップd=3.56μmの透過反射両用型液晶表示装置の透過領域での垂直入射垂直受光時の分光反射率特性図である。
【図10】本発明の実施形態2におけるセルギャップd=4.5μmの透過反射両用型液晶表示装置の透過領域での垂直入射垂直受光時の分光反射率特性図である。
【図11】本発明の実施形態2における透過反射両用型液晶表示装置の透過領域での垂直入射垂直受光時の波長550nmでのセルギャップとコントラスト比の関係図である。
【図12】本発明の実施形態2における透過反射両用型液晶表示装置の透過領域においてλ/4板の遅延軸を偏光板の透過軸に45°傾けた場合を0°とした場合の、λ/4板の遅延軸の角度のずれとコントラスト比の関係図である。
【図13】本発明の実施形態1及び実施形態2の液晶表示装置における光の透過状態を説明する図である。
【符号の説明】
1、2 基板
3 反射電極
4 対向電極
5 液晶層(垂直配向)
6、9 偏光板
7、10 λ/4板
8 透明電極
11、12 光学補償層

Claims (1)

  1. 一方基板と他方基板の間に液晶層が挟持され、前記他方基板の前記液晶層とは反対の面に設けられた第1の偏光手段と、前記一方基板の前記液晶層とは反対の面に設けられた第2の偏光手段とを有する液晶表示装置において、
    前記一方基板は反射機能を有する領域と透過機能を有する領域とを備え、1つの絵素の中に反射表示領域と透過表示領域とが分割して形成され、
    前記第1の偏光手段と前記液晶層との間に設けられた第1の位相差板と、前記第2の偏光手段と前記液晶層との間に設けられた第2の位相差板とを備えており、
    前記第1の偏光手段と前記第2の偏光手段との間に、前記液晶層の液晶分子が概ね基板面の垂直方向に向いているときに液晶層に残存するリターデーションを補償する光学補償層が設けられることを特徴とする液晶表示装置。
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