JP3618267B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型化が可能なアンテナ装置に関し、例えば、携帯電話やPHS(Personal Handy Phone)などの小型通信機器などに利用可能なアンテナ装置を対象とする。
【0002】
【従来の技術】
近年、無線機とアンテナが一体化された通信機器が多くなってきた。この種の通信機器には、PHSや携帯電話などの携帯無線機や、小形の無線基地局などがある。この種の通信機器のアンテナには、無指向性に近い特性が要求される。
【0003】
また、携帯無線機は、落下時の破壊等に対する耐性を持たせる必要があり、基地局は風雨等の自然災害による破壊等に対する耐性を持たせる必要があるため、無線機とアンテナとを一体化するのが望ましい。
【0004】
しかしながら、無線機とアンテナとを一体化すると、無線機の筐体から放射された電磁波の影響を受けて、アンテナからの放射パターンが変化してしまうことが知られている。
【0005】
この原因について、以下に簡単に説明する。無線機の筐体は、導体でできており、内蔵する無線回路のグランドとシールドの役目も果たしている。この筐体は、アンテナにとってもグランドになっているため、アンテナに給電された高周波電流が筐体に流れ込み、上記のように筐体からも電波の放射が起きるという問題がある。特に、内蔵アンテナの場合、アンテナからの放射量が少ないため、無線機筐体の影響を強く受けてしまう。
【0006】
これらの影響を削減するため、ダイポールアンテナを用いるという提案がなされている(特開昭61−205004号公報)。ダイポールアンテナは、グランドを必要としないアンテナなので、アンテナを直接グランドである筐体に接続する必要がなく、高周波電流の筐体への漏洩を抑制することができるためである。
【0007】
しかしながら、ダイポールアンテナも、実際には実現が難しいという問題があった。その理由は、ダイポールアンテナを筐体に近接して配置すると、アンテナのインピーダンスが非常に低くなり、給電線との整合が取れなくなるためである。
【0008】
このような問題を解決する手法として、特開昭61−205004号公報には、整合をとるために折り返し構造にした給電回路が開示されている。しかしながら、実際には、折り返し構造にするのは難しい。
【0009】
図13は特開昭61−205004号公報に開示された給電回路の概略構成を示す斜視図である。図13の符号5の部分からもわかるように、給電点からアンテナに平衡給電(平行2線)する必要があるが、一般に無線機では不平衡(たとえば同軸給電やマイクロストリップ線路)な状態で給電が行われるため、平衡不平衡変換(バラン)を設けなければならない。従来例では、このバランを省略している。
【0010】
また、平衡給電を行わない場合でも、安易に給電線を配置すると給電線の影響によりアンテナ特性が変化してしまう。これは、ダイポールアンテナ自体が平衡型の素子であるため、給電点において平衡不平衡変換(バラン)が必要になり、アンテナ給電点から給電線に不要な電流が漏洩し、この電流からの放射により、アンテナの放射特性が変化してしまうためである。
【0011】
このように、ダイポールアンテナを用いる場合には、給電回路に比較的大きな構造のバランが必要になるという問題がある。
【0012】
一般にバランは、四分の一波長の長さを有する。たとえば、給電線である同軸線の外導体に平行に四分の一波長の長さの線状素子を配置し、その一端を外導体に短絡する。これにより、その開放端から短絡端を見ると高いインピーダンスとできるため、外導体への不要電流の漏洩を防ぐことができる。
【0013】
しかしながら、原理上、四分の一波長程度の長さが必要になり、使用する周波数によっては、バランのサイズが非常に大きくなってしまう。このため、アンテナおよび無線機全体の小型化が困難になる。
【0014】
また、複数のアンテナを筐体に取り付け、ダイバーシチ・アンテナを構成する場合においても、上記の問題は同様に起こりうる。
【0015】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化が可能で、所望の放射パターンを容易に得ることができるアンテナ装置を提供することにある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上述した課題を解決するために、本発明は、筐体と、一端が前記筐体の端部に接続された第1の線状素子と、前記第1の線状素子の他端にそれぞれ接続され、互いに略180度異なる方向に配置され互いに異なる長さをもつ第2および第3の線状素子と、を備え、前記第2および第3の線状素子の電気的長さの和が送信電波または受信電波の周波数の半波長の整数倍で、かつ、前記第1の線状素子の電気的長さが前記第2および第3の線状素子の電気的長さの差の絶対値の半分以下である。
【0018】
請求項1の発明では、第2および第3の線状素子の電気的長さの和が電波の放射周波数の半波長の整数倍で、かつ、第1の線状素子の電気的長さが第2および第3の線状素子の電気的長さの差の絶対値の半分以下になるようにしたため、所望の共振モードのみで各線状素子を共振させることができる。したがって、所望の周波数の電波を送信または受信することができる。ここで、電気的な長さとは、その素子が共振する周波数の波長の長さのことである。一般に、電気的な長さは、折り曲げ等により短くなり、誘電体等を近づけることにより長くなる。
【0019】
請求項2の発明では、第2および第3の線状素子を筐体表面に近接して配置するため、アンテナ装置全体のサイズを小型化できる。
【0020】
請求項3の発明では、2組のアンテナを平行に配置するため、スペース・ダイバーシチ・アンテナを構成でき、受信感度を向上できるとともに、電波状態が時間的に高速に変化するような場合(例えば、移動通信時)でも、電波状態の変化を抑制して安定した通信が可能になる。
【0021】
請求項4の発明では、2組のアンテナを互いに見通せないように配置するため、アンテナ間の電磁界的な結合を小さくできる。
【0022】
請求項5の発明では、2組のアンテナを略90度異なる方向に配置するため、互いに相関の低い信号を効率よく受信できる。したがって、アンテナ間の距離を離さなくても、受信信号の相関を低くすることができる。
【0023】
請求項6の発明では、2組のアンテナを略90度異なる方向に配置し、かつ、各アンテナを互いに見通せないように配置するため、請求項4の発明の効果に加えて、アンテナ間の電磁界的な結合を小さくできる。
【0024】
請求項7の発明では、第1〜第3の線状素子からなる第1のアンテナとは別個に、第4の線状素子からなる第4のアンテナを設けて、両アンテナを平行に配置するため、両アンテナの合成利得を得ることができ、感度が向上する。
【0025】
請求項8の発明では、第1〜第3の線状素子からなる第1のアンテナとは別個に、第4の線状素子からなる第4のアンテナを設けて、両アンテナを略90度異なる方向に配置するため、偏波ダイバーシチ・アンテナを構成でき、互いに相関の低い信号を効率よく受信できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るアンテナ装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0027】
(第1の実施形態)
図1は本発明によるアンテナ装置の第1の実施形態の斜視図である。図1のアンテナ装置は、筐体101の一端側に接続された線状素子(第1の線状素子)102と、線状素子102の一端に接続された線状素子(第2および第3の線状素子)103,104とを備えており、筐体と線状素子102との間に給電点105が設けられている。
【0028】
線状素子103,104は、線状素子102との接続点を境にして略180度異なる方向に配置されている。より具体的には、線状素子102〜104はT字型に配置され、T字の横棒を構成する線状素子102,103は、筐体101の一辺に略平行になるように配置されている。また、線状素子103,104の長さの和が、送信電波または受信電波の周波数の半波長の整数倍になるようにしている。
【0029】
筐体101はアルミニウム等の導体でできており、図1では省略しているが、内部に無線回路を内蔵している。この無線回路のシールドも、筐体101自身で行っている。
【0030】
図1のアンテナ装置に類似したアンテナとして、T字型のモノポールアンテナが従来から知られている。この種のモノポールアンテナでは、T字の横棒を構成する2つの線状素子の長さを略等しくして、四分の一波長の低姿勢型アンテナとして使用している。また、従来は、T字の縦棒の部分からの電波の放射を利用するのが一般的であった。
【0031】
これに対して、図1のアンテナ装置は、T字の横棒の部分(線状素子103、104)からの電波の放射を利用する。また、本実施形態では、図2に示すように、線状素子102,103,104のそれぞれの長さA,B,Cを、(1)式の関係を満たすように設定している。
【0032】
2×A<|B−C| …(1)
以下、(1)式の関係を満たすように各線状素子の長さを設定する理由について説明する。図1のアンテナ装置は、3つの共振モードm1,m2,m3を有する。図3(a)は共振モードm1〜m3の概要を説明する図、図3(b)は各共振モードm1〜m3の振動の様子を示す図である。
【0033】
共振モードm1は、所望の半波長ダイポールアンテナの共振モードであり、給電点105からみると、LとCの等価回路でいうと並列共振モードになる。図3の場合、共振時に給電点105での電流が最小になる。
【0034】
共振モードm2,m3は、非所望の四分の一波長のモノポールアンテナの共振モードであり、LとCの等価回路でいうと直列共振モードになる。共振モードm2,m3では、共振時に給電点105における電流が最大になる。
【0035】
所望のモードである共振モードm1は、共振モードm2,m3の直列共振が分離することにより、共振モードm2,m3の各共振周波数の間の周波数で共振する並列共振モードである。このため、共振モードm1での共振を行わせるには、各々のモードの共振周波数は、以下の(2)式または(3)式の関係を満たす必要がある。
【0036】
共振モードm2の共振周波数<共振モードm1の共振周波数<共振モードm3の共振周波数 …(2)
共振モードm3の共振周波数<共振モードm1の共振周波数<共振モードm2の共振周波数 …(3)
ここで、各共振モードの共振波長をλ1、λ2、λ3とすると、共振波長はそれぞれ、各線状素子102〜104の長さA〜Cを用いて、
共振モードm1のとき、λ1=2×(B+C)
共振モードm2のとき、λ2=4×(B+A)
共振モードm3のとき、λ3=4×(C+A)
と表現できる。
【0037】
例えば、線状素子2の長さBが線状素子3の長さCより短い場合を想定すると、
λ2<λ1<λ3
となることが条件であるため、
4×(B+A)<2×(B+C)<4×(C+A) …(4)
となる。(4)式をAで整理すると、
(B−C)<2×A<(C−B)
となる。ここで、Aは正の値をとり、またBがCより長い場合を考慮に入れると、
2×A<|B−C|.........(1)
となる。
【0038】
(1)式において、各アンテナ素子は、電気的な長さを考慮する必要がある。ここで、電気的な長さとは、その素子が共振する周波数の波長の長さのことである。上記の共振モードm2,m3の四分の一波長モノポールアンテナは、線状素子102との接合点で折り曲げられているために、その電気的な長さが実際の物理的な長さより数%縮んでしまうことが知られている。すなわち、折れ曲がった素子がまっすぐな素子と同一の周波数で共振するためには、物理的な長さをより長くする必要がある。
【0039】
共振モードm1の半波長モノポールアンテナでも同様に縮みが発生するが、四分の一波長モノポールアンテナと異なって、給電点105近傍の折り曲げ部の効果が発生しない分、四分の一波長アンテナよりも縮み効果が小さくなる。
【0040】
例えば、縮み効果が、共振モードm2,3に比較的強く発生している場合には、上述した(4)式は、共振モードm2,3の縮み率をαとすると、(5)式のようになる。
【0041】
4×α×(B+A)<2×(B+C)<4×α×(C+A) …(5)
(5)式を変形すると、(6)式のようになる。
【0042】
B+(1−2×α)×C<2×α×A<C+(1−2×α)×B …(6)
ここで、αの値は、各線状素子102〜104の構造にあわせて決定すればよい。また、図1の線状素子103,104の長さB,Cによってインピーダンスが変化するため、長さB,Cを調整することにより、給電点105との整合を取ることができる。
【0043】
また、図1のアンテナ装置は、筐体101への不要な電流の漏洩が少ないという特徴を備えている。以下にこの理由を説明する。
【0044】
図1のアンテナ装置は、並列共振で動作するため、給電点105を流れる電流は、線状素子103,104を流れる電流よりも少なくなる。従って、給電点105から筐体101へと漏洩する電流の量は、直列共振型のアンテナより少なくなる。このため、筐体101からの不要輻射が抑制されて、アンテナの放射特性への影響が小さくなる。
【0045】
図4は図1のアンテナ装置のアンテナ特性を示す図であり、図4(a)は周波数と利得の劣化量を表す不整合損との関係を示す図、図4(b)はスミスチャート図、図4(c)は垂直偏波と水平偏波の放射パターンを示す図、図4(d)は図4(c)の座標を説明する図である。
【0046】
図4では、線状素子102の長さAを0.026λ(λは動作周波数)、線状素子103の長さBを0.221λ、線状素子104の長さCを0.279λとした場合の例を示している。この場合、上述した(1)式の関係を満たしている。
【0047】
図4(a)からわかるように、共振モードm1の共振周波数f0での不整合損は十分に小さいことがわかる。また、図4(b)のスミスチャートからわかるように、インピーダンス特性が50オームを中心としてループを描くように変化しており、比較的広帯域にわたって、給電線との整合が取れていることがわかる。
【0048】
また、図4(c)の放射パターンからわかるように、放射パターンは外周円に沿って均等に広がっており、ダイポールアンテナ自体の特性である、無指向性パターンとなっていることがわかる。また垂直偏波が小さいことから、筐体101からの不要輻射も小さいことがわかる。
【0049】
図5は本実施形態の周波数とアンテナ利得との関係を示す図である。図示のように、共振モードm1の共振周波数f1でのアンテナ利得が大きく、共振モードm2,m3の共振周波数f2,f3でのアンテナ利得は十分に小さいことがわかる。すなわち、上述した(1)式の関係を満たすように線状素子102〜104の各長さA,B,Cを設定することにより、共振モードm1の共振周波数で電波を放射させることができる。
【0050】
このように、本実施形態のアンテナは、比較的簡易な構成でありながら、従来問題となっていたアンテナに近接する他の部位からの影響を抑制して、ダイポールアンテナとしての動作を実現していることがわかる。
【0051】
また、本出願人の実験によれば、線状素子102の長さAをそのままにして、線状素子103の長さBを0.234λ、線状素子104の長さCを0.266λとしても、アンテナの動作は所望の特性を示すことがわかった。また、第一共振点(共振モードm2)と第三共振点(共振モードm3)の値から縮み率を計算した結果、縮み率αは0.95であることがわかった。これらのパラメータは(6)式の関係を満たすため、所望の共振モードm1での共振が行われ、筐体101からの不要輻射の影響が少ないアンテナ放射パターンを得ることができる。
【0052】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の構造のアンテナを2組設けたものである。
【0053】
図6は本発明によるアンテナ装置の第2の実施形態の斜視図である。図6のアンテナ装置では、図1と同様の構造のアンテナを2組、略平行に配置している。各アンテナ(第1および第2のアンテナ)11,12は、図1と同様に、T字形状の線状素子102〜104で構成されており、線状素子102と筐体101との間に給電点105が設けられている。これら2組のアンテナ11,12は、ダイバーシチ・アンテナを構成している。
【0054】
また、図6では、各アンテナ11,12の線状素子102と103を平行に配置すると共に、各々のアンテナ素子を同一面内で距離を隔てて配置している。このような構成により、スペース・ダイバーシチ・アンテナとして動作させることができる。
【0055】
スペース・ダイバーシチとは、複数のアンテナを距離を離して配置し、各アンテナで受信した信号を選択または合成して受信感度を向上させる方法で、特に電波状態が時間的に高速に変化する移動通信においては、電波状態の変化を抑制して安定した通信を行う方法として広く用いられている。
【0056】
ダイバーシチを構成するアンテナは、それぞれのアンテナが受信する信号の相関が低いことが望まれる。また、スペース・ダイバーシチでは、アンテナ間の距離を十分広くとることにより信号の相関を下げることを可能としている。
【0057】
より具体的には、少なくとも半波長以上離して2組のアンテナ11,12を配置するのが望ましい。そのためには、筐体101の大きさを半波長以上にする必要がある。
【0058】
また、図6の構成において、アンテナ間の距離が半波長程度の場合には、アンテナ間に電磁界的な結合が生じ、アンテナの指向性に変化が生じる。このアンテナの指向性の変化によっても受信信号の相関を下げることができる。これにより、ダイバーシチ効果の向上が期待できる。
【0059】
図7は2組のアンテナ11,12を背中合わせとなるように配置した例を示す斜視図である。図7のように配置することにより、アンテナ同士が互いに見通し内に存在しなくなり、アンテナ間の電磁界的な結合を小さくできる。したがって、アンテナ特性の変化を起こさせる電磁界結合を抑制し、不要なアンテナ特性の変化をなくすことができる。2組のアンテナ11,12を図6のように配置するか、図7のように配置するかは、システムの仕様により選択すればよい。
【0060】
図8は筐体101の対向する2面にそれぞれアンテナ11,12を接続した例を示す図である。図8のような構成により、2組のアンテナ11,12間の距離を広げることができ、ダイバーシチ効果を向上できる。また、アンテナ同士が見通し内に存在しなくなるため、アンテナ間の電磁界的な結合を小さくできる。
【0061】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、2組のアンテナを互いに略90度異なる方向に配置するものである。
【0062】
図9は本発明に係るアンテナ装置の第3の実施形態の斜視図である。図9のアンテナ装置は、図1と同様の構造の2組のアンテナ11,12を互いに略90度異なる方向に配置している。各アンテナ11,12は、図1と同様に、T字形状の線状素子102〜104で構成されており、線状素子102と筐体101との間に給電点105が設けられている。これら2組のアンテナ11,12は、偏波ダイバーシチ・アンテナを構成している。
【0063】
実際の屋外における電波環境では、垂直偏波と水平偏波の相関が非常に低いことが知られている。従って、図9のようにアンテナ素子を略90度異なる方向に配置することにより、互いに相関の低い信号を受信することが可能となる。
【0064】
図9のアンテナは、アンテナ間の距離を離さなくても、受信信号の相関を低くできるという利点を有する。したがって、アンテナ間の距離を短くできる分、筐体101のサイズを小さくできる。
【0065】
図10は図9の変形例であり、2組のアンテナ11,12を互いに背中合わせに配置したものである。背中合わせに配置することにより、アンテナ間の結合を減らすことができ、不要な特性変動を抑制することができる。
【0066】
また、図10の場合も、図9と同様に、アンテナ間の距離を短くしても、受信信号の相関を低くできる。
【0067】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、3つの線状素子からなるアンテナとは別個に、線状素子からなるアンテナを設けるものである。
【0068】
図11は本発明に係るアンテナ装置の第4の実施形態のブロック図である。図11のアンテナ装置は、図1と同様の構造のアンテナ11とは別個に、筐体101から突出する線状素子(第4の線状素子)106からなるアンテナ13を備えている。
【0069】
まず、これらのアンテナ11,13によりアレーアンテナを構成する場合について説明する。図11では、アンテナ13を構成する線状素子106を、アンテナを構成する線状素子102,103に略平行に配置しており、両アンテナをできるだけ近接して配置している。
【0070】
両アンテナ11,13を互いに同相になるように給電することにより、両アンテナ11,13による合成利得を向上させることができる。この場合、線状素子106は半波長程度となるようにすればよい。
【0071】
従来の場合、線状素子を2段構造にして筐体101から突出させて構成する必要があったが、本実施形態では、半分の長さでそれと同等の利得を得ることができる。
【0072】
また、これらのアンテナ11,13をダイバーシチ・アンテナとして使用することも可能である。この場合、線状素子106は半波長または四分の一波長程度であればよい。
【0073】
図12は図11の変形例であり、2組のアンテナ11,13を互いに略90度異なる方向に配置した偏波ダイバーシチ・アンテナの例を示す斜視図である。図12の線状素子106はその中央部で給電する構成とし、ほぼ半波長程度の長さとする。これにより、線状素子106からの電波の放射はダイポールアンテナと同様になる。
【0074】
上述した第1〜第4の実施形態で説明した各アンテナを任意に組合せて構成してもよい。例えば、図6と図9とを組み合わせて、3つ以上のアンテナを設けて、その一部のアンテナを平行に配置するとともに、残りを略90度に配置してもよい。また、これらのアンテナに、図11や図12で説明したアンテナ13を組み合わせてもよい。このように、アンテナの本数や配置には特に制限はない。
【0075】
上述した各実施形態では、矩形状の筐体101を用いる例を説明したが、筐体101の形状には特に制限はない。
【0076】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、第2および第3の線状素子の電気的長さの和が電波の放射周波数の半波長の整数倍で、かつ、第1の線状素子の電気的長さが第2および第3の線状素子の電気的長さの差の絶対値の半分以下になるようにしたため、不要な周波数成分を抑制して、所望の周波数の電波を放射させることができる。また、給電線からの不要輻射を防止できるとともに、アンテナ装置を小型化できる。さらに、無指向性に近い放射パターンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアンテナ装置の第1の実施形態の斜視図。
【図2】各線状素子の長さを説明する図。
【図3】(a)は共振モードm1〜m3の概要を説明する図、(b)は各共振モードm1〜m3の振動の様子を示す図。
【図4】図1のアンテナ装置のアンテナ特性を示す図。
【図5】本実施形態の周波数とアンテナ利得との関係を示す図。
【図6】本発明によるアンテナ装置の第2の実施形態の斜視図。
【図7】2組のアンテナを背中合わせとなるように配置した例を示す斜視図。
【図8】筐体の対向する2面にそれぞれアンテナを接続した例を示す図。
【図9】本発明に係るアンテナ装置の第3の実施形態の斜視図。
【図10】2組のアンテナを互いに背中合わせに配置した例を示す図。
【図11】本発明に係るアンテナ装置の第4の実施形態のブロック図。
【図12】2組のアンテナを互いに略90度異なる方向に配置した偏波ダイバーシチ・アンテナの例を示す斜視図。
【図13】特開昭61−205004号公報に開示された給電回路の概略構成を示す斜視図。
【符号の説明】
11〜13 アンテナ
101 筐体
102〜104,106 線状素子
105 給電点

Claims (8)

  1. 筐体と、
    一端が前記筐体の端部に接続された第1の線状素子と、
    前記第1の線状素子の他端にそれぞれ接続され、互いに略180度異なる方向に配置され互いに異なる長さをもつ第2および第3の線状素子と、を備え、
    前記第2および第3の線状素子の電気的長さの和が送信電波または受信電波の周波数の半波長の整数倍で、かつ、前記第1の線状素子の電気的長さが前記第2および第3の線状素子の電気的長さの差の絶対値の半分以下であることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記第2および第3の線状素子を前記筐体表面に近接して配置することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記第1、第2および第3の線状素子からなるアンテナを複数組備え、
    これらアンテナのうち少なくとも2組のアンテナについて、各アンテナの前記第2および第3の線状素子をそれぞれ互いに平行に配置することを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記平行に配置された前記第2および第3の線状素子を有する少なくとも2組のアンテナを、互いに見通せないように配置することを特徴とする請求項3に記載のアンテナ装置。
  5. 前記第1、第2および第3の線状素子からなるアンテナを複数組備え、
    これらアンテナのうち少なくとも2組のアンテナについて、各アンテナの前記第2および第3の線状素子を互いに略90度異なる方向に配置することを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。
  6. 前記互いに略90度異なる方向に配置された前記第2および第3の線状素子を有する少なくとも2組のアンテナを、互いに見通せないように配置することを特徴とする請求項5に記載のアンテナ装置。
  7. 前記第1、第2および第3の線状素子からなる第1のアンテナとは別個に、前記筐体から突出する第4の線状素子からなる第2のアンテナを備え、
    前記第1および第2のアンテナを互いに平行に配置することを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。
  8. 前記第1、第2および第3の線状素子からなる第1のアンテナとは別個に、前記筐体から突出する第4の線状素子からなる第2のアンテナを備え、
    前記第1および第2のアンテナを互いに略90度異なる方向に配置することを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。
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