JP3617505B2 - 紙葉類集積装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙葉類集積装置に関し、特に、紙葉類を立った状態で集積する紙葉類集積装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
郵便局等では、郵便物を集積するための紙葉類集積装置が用いられている。
図7は、実開平1−132643号公報に記載された紙葉類集積装置の例を示す斜視図である。紙葉類180は、ベルト181,182に挟まれ、ベルト181,182が周回することにより、支持板104と集積ローラ105との間に搬送される。支持板104と集積ローラ105との間に集積される紙葉類190が増加していくにつれ、支持板104は集積ローラ105から遠ざかるように移動していく。以下、紙葉類集積装置の中に集積された紙葉類を集積紙葉類と記す。
【0003】
支持板104には、集積ローラ105の方向に一定の力が加えられる。支持板104は、集積ローラ105方向への力が加えられることによって、集積ローラ105との間に集積紙葉類190を挟み、集積紙葉類190が倒れないように支える。一方、集積紙葉類190は、支持板104に寄りかかることによって、立ったまま集積していく。集積紙葉類190の量が増加するにつれ、保持摺動部107は、ガイド棒106に沿って移動する。
支持板104に一定の力を加える手段として、例えば、おもりや定加重ばね等(図7において図示せず。)で保持摺動部107を引っ張ることにより、支持板104に一定の力が加えられる。なお、定加重ばねは、ばねの伸びによらず元の長さに戻ろうとする力が一定であるばねである。
【0004】
また、集積ローラ105と支持板104との間に搬送される紙葉類180は、集積ローラ105が回転することによって、先端180aが側面板103に到達するまで移動する。したがって、集積紙葉類190は、先端190aが側面板103において揃った状態で集積していく。
【0005】
紙葉類180が集積ローラ105と支持板104との間に搬送される際、先端180aが、集積紙葉類190の末端190bに当たらないようすることが好ましい。そのため、底面板102にベルト(図7において図示せず。)を設けて、このベルトを周回させて集積紙葉類190を支持板104に押しあてる場合があった。図8は、ベルトによって集積紙葉類190が支持板104に押しあてられる状態を示す説明図である。ベルト191は、底面板を取り込むように取り付けられ、底面板102上において集積ローラ105から支持板104に向かう方向に進むように周回する。ベルト191の上に立った状態で集積される集積紙葉類190は、ベルト191によって支持板104に押しあてられる。この結果、搬送される紙葉類180の先端180aは、集積紙葉類190の末端190bに当たりにくくなり、円滑に集積されていく。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
底面板102にベルト191を取り付け、ベルト191によって集積紙葉類190を支持板104に押しあてる場合には、ベルト191を駆動するモータ等が必要になる。紙葉類集積装置の構成を簡易化するためには、ベルト191や、ベルト191を駆動するモータ等を用いないことが好ましい。
【0007】
また、支持板104は、集積ローラ105の方向に一定の力が加えられることによって、集積紙葉類190を支えている。支持板104に加えられる集積ローラ105方向への力は一定であるので、集積紙葉類190が増加しても支持板104は一定の力で集積紙葉類190を支える。一方、集積紙葉類190が支持板104に寄りかかろうとする力は、集積紙葉類190が増加するにつれて大きくなる。したがって、集積紙葉類190が支持板104に寄りかかろうとする力が、支持板104が集積紙葉類190を支えようとする力より大きくなると、支持板104は集積紙葉類190を支えられなくなり、集積紙葉類190は倒れてしまう。
【0008】
また、紙葉類180は、先端180aが側面板103に達したときに移動を停止し、集積紙葉類190として集積されるが、集積ローラ105は、回転し続ける。このため、移動を停止した紙葉類は、次の紙葉類が搬送されるまでの間、回転する集積ローラ105に接触している。しかし、集積ローラ105との接触時間は少ない方が好ましいであろう。
【0009】
本発明は、簡単な構成で紙葉類を立ったまま集積することができる紙葉類集積装置を提供することを目的とする。また、集積紙葉類が増加しても集積紙葉類を立ったまま支えることが可能な紙葉類集積装置を提供することを目的とする。また、回転する部材が集積紙葉類に接触する時間を短縮することができる紙葉類集積装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による紙葉類集積装置は、紙葉類を立った状態で集積する紙葉類集積装置であって、立った状態で投入される紙葉類を集積する底面板と、前記底面板上に投入される紙葉類の移動を停止させる側面板と、回転することによって、投入される紙葉類に断続的に接触し、紙葉類を前記側面板の位置まで引き込むプレートと、前記プレートと対向し、立った状態で投入される紙葉類が底面板上に倒れることを防止する支持部材と、前記支持部材と前記プレートとの距離が変化するように前記支持部材を移動させるガイド棒と、前記支持部材を前記プレートの方向に引っ張るばね部材とを備え、前記底面板は、立った状態で投入される紙葉類が前記支持部材側に傾くように傾斜していることを特徴とする。
【0011】
ばね部材は、伸びが大きくなれば、元の長さに復元しようとする力も大きくなるばね部材である。このような構成によれば、集積紙葉類の量が増加しても、支持部材が集積紙葉類を支えきれずに集積紙葉類を倒してしまうことを防止できる。
【0012】
また、強さが異なる複数のばね部材によって、支持部材をプレートの方向に引っ張る構成であることが好ましい。このような構成によれば、一つのばね部材で集積紙葉類を支えられなくなった場合でも、他のばね部材が集積紙葉類を支えることができるので、集積紙葉類を倒してしまうことを防止できる。
【0013】
紙葉類集積装置は、例えば、一端が支持部材に取り付けられ、他端が定位置に固定されるワイヤと、前記ワイヤがかけられる動滑車とを備え、ばね部材は、前記動滑車を引っ張ることにより支持部材をプレートの方向に引っ張る構成である。また、強さが異なる複数のばね部材を備え、ワイヤは、複数の動滑車にかけられ、各ばね部材は、各動滑車を引っ張ることにより支持部材をプレートの方向に引っ張る構成であることが好ましい。さらに、ワイヤに引っ張られて移動する動滑車の移動距離を制限するストッパ部を備えることが好ましい。このような構成によれば、動滑車の移動距離が制限され、他のばね部材が集積紙葉類を支えるので、集積紙葉類を倒してしまうことを防止できる。
【0014】
プレートは、例えば、一枚あるいは複数枚の羽根を備え、各羽根が紙葉類に接触する。プレートが備える羽根の先端は、L字型に曲がっていてもよい。
【0015】
投入された紙葉類がプレートの回転軸の方向に進むことを防止するガイド板をプレートの回転軸と支持部材との間に備え、ガイド板は、プレートの一部が支持部材側に張り出す窓部を備えることが好ましい。このような構成によれば、紙葉類がプレートの回転軸の方向に進むことがなく、紙葉類を円滑に集積させることができる。
【0016】
底面板は、紙葉類が投入される側が、側面板が設けられる側よりも高くなるように傾斜していることが好ましい。このような構成によれば、投入された紙葉類をプレートによって確実に側面板まで引き込むことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
ここでは、紙葉類として郵便物が搬送され、紙葉類集積装置に集積される場合を例に説明する。図1は、本発明による紙葉類集積装置の一例である郵便物集積装置を示す斜視図である。郵便物集積装置は、郵便物を集積する底面板2と、郵便物が底面板2から落ちないように支える側面板3と、立った状態で集積される郵便物が倒れないように支える支持板4と、搬送された郵便物を郵便物集積装置の内部に導くガイド板5とを備える。ガイド板5と支持板4は対向するように設けられ、ガイド板5、支持板4、および側面板3は、底面板2上の空間を三方向から囲う。側面板3、支持板4、およびガイド板5は、底面板2に対して直立する。郵便物80は、側面板3とは反対側から底面板2上に投入され、ガイド板5、支持板4、および側面板3によって囲まれた空間に集積される。郵便物80は、立った状態で投入され、立った状態のまま集積される。以下、集積された郵便物を集積郵便物と記す。また、ガイド板5および側面板3において、郵便物を集積する空間を向いた面を表面と記す。また、郵便物を集積する空間とは反対側の面を背面と記す。図2は、側面板3の背面側の例を示す斜視図である。
【0018】
郵便物80は、図1に示すように2つのベルト81,82に挟まれることにより立った状態に保たれる。そして、ベルト81,82が郵便物80を挟んで周回することにより、郵便物80は搬送される。
【0019】
底面板2において、頂点60は、頂点61よりも高い位置に配置される。同様に、頂点63は、頂点62よりも高い位置に配置される。このように配置することにより、底面板2は、郵便物が投入される側の辺50が、側面板3が設けられる側の辺51よりも高くなるように傾斜する。
また、頂点62は、頂点61よりも高い位置に配置される。同様に、頂点63は、頂点60よりも高い位置に配置される。このように配置することによって、底面板2は、ガイド板5が設けられる側の辺52が、反対側の辺53よりも高くなるように傾斜する。
【0020】
ガイド板5は、屈折した平面板である。ガイド板5は、プレート21の回転軸と支持板4との間に配置される。また、ガイド板5は、窓8を備え、回転するプレート21の一部は、窓8から張り出す。図3は、底面板2に取り付けられたガイド板5から、プレート21が張り出す状況の例を示す説明図である。図3に示すようにプレート21の回転軸22は、ガイド板5の背面に位置する。また、プレート21の回転速度は一定である。
ガイド板5の屈折部分5aは、郵便物80が投入される側に設けられ、また、郵便物80を集積する空間とは反対側に屈折する。屈折部分5aは、投入された郵便物80がプレート21の回転軸22の方向に進むことを防止する。
【0021】
プレート21は、1枚あるいは複数枚の羽根を備えた形状である。図3では、プレート21が2枚の羽根23a,23bを備えた場合の例を示す。プレート21が回転することによって、羽根23a,23bは、交互に窓8から張り出す。また、プレート21は、窓8から張り出す羽根23a,23bが、辺50側から辺51側に移動するように回転する。例えば、図に示す例では、プレート21は、郵便物集積装置の上方から見たときの回転方向が時計回りになるように回転する。投入された郵便物80が窓8から交互に張り出す羽根23a,23bに接触すると、窓8から張り出している部分は辺50側から辺51側に移動するので、郵便物80も側面板3の方向に運ばれる。側面板3は、郵便物80の先端80aが側面板3に達したときに、郵便物80の移動を停止させる。
プレート21は、例えば、ゴム、プラスチック、シリコン、鉄等の材料によって作成される。ただし、プレート21の材質は、これらのものに限定されず、他の材料によって作成されてもよい。
【0022】
側面板3は、底面板2に対して垂直になるように設置される。底面板2は、辺50が辺51より高くなるように傾斜している。したがって、図1に示すように、側面板3は、郵便物集積装置が設置される面に対して傾斜角41をなす。また、側面板3は、ガイド棒6を備える。
ガイド棒6は、保持摺動部7に通される。保持摺動部7は、ガイド棒6に沿って移動可能である。支持板4は、保持摺動部7に設けられ、保持摺動部7がガイド棒6に沿って移動することにより、支持板4とプレート21の距離が変化する。また、側面板3は、保持摺動部7の移動を停止させるストッパ3a,3bを備える。支持板4は、プレート21およびガイド板5に対向する。本例において、支持部材は、支持板4と、保持摺動部7とによって構成される。
【0023】
保持摺動部7のガイド棒方向の長さは、支持板4の厚さよりも大きい。保持摺動部7がストッパ3aに接触したときに支持板4とガイド板5との間に隙間ができるように、支持板4は保持摺動部7に設けられる。保持摺動部7がストッパ3aに接触したときにできる隙間の幅は、プレート21の羽根23a,23bが窓8から最も張り出すときの高さに合わせる。すなわち、保持摺動部7がストッパ3aに接触している場合、羽根23a,23bが窓8から最も張り出したときに羽根23a,23bの先端が支持板4に接する。
【0024】
郵便物集積装置は、側面板3の近傍に定滑車11a〜11dを備える。定滑車11a〜11dは、ブラケット(図面において図示せず。)に取り付けられ、このブラケットが側面板3に取り付けられる。
また、側面板3は、複数のばね14,15を支えるばね取付部13を備える。ばね14,15は、定加重ばねではなく、伸びが大きくなれば、元の長さに復元しようとする力も大きくなるばねである。また、ばね14,15のばねの強さは異なる。ここでは、ばね15は、ばね14よりもばねの強さが強いものとする。各ばね14,15の先端には、それぞれ動滑車12b,12aが取り付けられる。
【0025】
保持摺動部7には、ワイヤ16の一端が取り付けられる。そして、ワイヤ16の他端は、側面板3に設けられたワイヤ取付部17に固定される。ワイヤ16は、ワイヤ取付部17側から、定滑車11a、動滑車12a、定滑車11b、動滑車12b、定滑車11c、定滑車11dにかけられ、保持摺動部7に取り付けられる。ばね14,15が動滑車12a,12bを引っ張る力により、ワイヤ16は、ワイヤ取付部17と保持摺動部7との間で張られた状態になる。
【0026】
底面板2は、辺52の位置が辺53よりも高くなるように傾けられている。したがって、郵便物80が集積された場合、支持板4は、郵便物80の重力を受ける。支持板4は、集積された郵便物の重力を受け、ガイド棒6に沿って押し下げられる。このとき、保持摺動部7に取り付けられたワイヤ16が郵便物の重力により引っ張られるので、ばね14が伸び、動滑車12bがガイド板5の方向へ移動する。支持板4は、郵便物および支持板4の重力とばねの力が釣り合う位置まで移動する。ばね14のばねの強さは、ばね15よりも弱いので、ばね14は、ばね15よりも先に伸びる。また、背面板3は、ワイヤ16に引っ張られて移動する動滑車の移動距離を制限するストッパ18を備える。背面板3は、少なくとも、各ばねのうちで強さが最大でないばねに対応する動滑車の移動距離を制限するストッパ18を備える。図2に示すストッパ18は、強さが最大でないばね14に対応する動滑車12bの移動距離を制限する。弱い方のばね14は、ワイヤ16に引っ張られて伸びるが、伸びがある長さを越えると、ワイヤ16がばね14を引っ張ろうとする力と、ばね14が元の長さに復元しようとする力の釣り合いがとれなくなる。ストッパ18は、ばね14の伸びがこの長さになったときに動滑車12bの移動を止める位置に設けられる。集積郵便物が増加すると、ワイヤ16が引っ張られ、ばね14が伸びる。動滑車12bがストッパ18に当たると、その位置で動滑車12bは止まる。その後、ばね14より強いばね15が支持板4を支えながら伸び、動滑車12aもガイド板5の方向へ移動する。なお、ばね15は、動滑車12aがストッパ18に当たる前から伸び始めている。
【0027】
次に、動作について説明する。
郵便物が集積されていない状態では、保持摺動部7がワイヤ16に引かれ、ストッパ3aに接触する。このとき、支持板4とガイド板5との間に隙間が生じ、プレート21の羽根23a,23bが窓8から最も張り出したときに、羽根23a,23bの先端が支持板4に接する。プレート21は回転しているので、郵便物が集積されていない状態では、羽根23a,23bの先端が交互に現れ、プレート21は支持板4に断続的に接触する。
【0028】
郵便物80は、ベルト81,82に挟まれ、立った状態のまま搬送される。周回するベルト81,82によって搬送された郵便物80は、支持板4とガイド板5との間の隙間に投入される。ガイド板5の屈折部分5aは、投入された郵便物80が回転軸22の方向に進むことを防止し、ガイド板5は、郵便物を、支持板4とガイド板5との間の隙間に導く。
【0029】
底面板2は、辺50が辺51よりも高くなるように傾斜しているので、投入された郵便物80は、窓8から張り出すプレート21に達する。プレート21は回転しているので、接触した郵便物80を先端80aが側面板3に達するまで移動させる。窓8から張り出す羽根23a,23bの高さは、回転とともに変化する。したがって、側面板3に達した郵便物80は、常にプレート21に接触しているわけではなく、窓8から張り出す羽根23a,23bの高さが高くなったときに接触し、張り出す部分の高さが低くなったときには接触しない。このようにプレート21は、断続的に郵便物80に接触する。
【0030】
また、底面板2は、辺52が辺53よりも高くなるように傾斜するので、郵便物80は支持板4側に傾く。また、郵便物80は、羽根23a,23bによって叩かれるので支持板4に押しあてられる。したがって、郵便物80は、支持板4に押しあてられた状態で、支持板4によって支えられる。搬送された郵便物80は、集積郵便物90として集積される。
【0031】
図4は、郵便物が集積されたときの側面板3の背面を示す説明図である。頂点62は、頂点61よりも高い位置に配置される。したがって、図4に示すように、底面板2は、水平面に対して傾斜角42をなす。支持板4は、集積郵便物90を支えているので、集積郵便物90の重力を受ける。この重力により、保持摺動部7は、ストッパ3bの方向に向かう力を受け、保持摺動部7および支持板4はストッパ3bの方向に移動する。また、ワイヤ16が、保持摺動部7に引っ張られ、動滑車が移動する。このとき、ばねの強さが弱い方のばね14に取り付けられた動滑車12bが先に移動を開始する。ばね14は、動滑車12bがワイヤ16によって引っ張られることにより伸びる。
【0032】
続いて搬送される郵便物も、同様に集積される。すなわち、郵便物は、回転するプレート21によって先端が側面板3に達するまで移動する。また、底面板2は辺52が辺53よりも高くなるように傾斜しているので、郵便物は、支持板4側に傾く。そして、プレート21に叩かれることによって、支持板4に押しあてられる。また、集積郵便物90が増加することによって、保持摺動部7および支持板4は、ストッパ3bの方向に移動する。
【0033】
図5は、集積郵便物90が存在しているときに新たな郵便物80が搬送されるときの状況を示す説明図である。図5(a)に示すように、集積郵便物90の間に隙間が生じている状態が続くと、新たに搬送される郵便物80の先端80aが集積郵便物90の末端90bに当たり、円滑に集積しにくくなる。しかし、各集積郵便物90は、支持板4側に傾き、また、プレート21によって叩かれるので、図5(b)に示すように隙間なく集積する。したがって、新たに搬送される郵便物80の先端80aは、集積郵便物90の末端90bに当たらず、円滑に集積することができる。
【0034】
集積郵便物90が増加し、支持板4に加えられる集積郵便物90の重力が増加すると、ばね14だけでなく、ばね15も伸びる。すなわち、支持板4の移動によって、動滑車12bだけでなく、動滑車12aもワイヤ16によって引っ張られて移動する。ばね14,15は定加重ばねではなく、伸びが大きくなれば、元の長さに復元しようとする力も大きくなる。また、ばね14の伸びがある長さを越えると、ワイヤ16がばね14を引っ張ろうとする力と、ばね14が元の長さに復元しようとする力の釣り合いがとれなくなる。しかし、ばね14の伸びがこの長さに達すると、ワイヤ16に引っ張られる動滑車12bの移動はストッパ18によって止められる。したがって、力の釣り合いがとれずに支持板4とガイド板5との間隔が急に広がってしまうことはない。動滑車12bの移動がストッパ18に止められた後、ワイヤ16は動滑車12aを移動させてばね15を引っ張る。動滑車12bの移動がストッパ18に止められた後に増加した集積郵便物によって、ワイヤ16が各ばね14,15を引っ張る力が増加すると、その増加分の力はばね15のみにかかる。したがって、ばね14,15は、集積郵便物90が増加しても、ワイヤ16を介して保持摺動部7を引っ張ることができる。その結果、支持板4は、集積郵便物90が増加しても集積郵便物90を支えることができる。
【0035】
本発明では、投入された郵便物80が支持板4側に傾くように底面板2を傾斜させ、プレート21の羽23a,23bによって集積郵便物を叩いて支持板4に押し当てている。したがって、底面板にベルトを設ける必要がないので、紙葉類集積装置の構成を簡略化することができる。
また、本発明では、強さの違うばね14,15を使用し、ばね14が元の長さに復元しようとする力より大きな力でワイヤ16が引っ張られても、ばね14よりも強いばね15が働く。したがって、集積郵便物が増加しても集積郵便物を支えることができる。また、複数のばねを用いることで、集積できる郵便物の量を増やすことができる。
さらに、集積郵便物は、窓8から張り出す羽根23a,23bの高さが高くなったときにプレート21に接触する。したがって、プレート21と集積郵便物との接触時間を短縮することができる。
【0036】
上記の例では、2本のばねを用いた場合を示したが、3本以上のばねによってワイヤを引っ張る構成であってもよい。
【0037】
また、上記の例では、プレート21が羽根23a,23bを備える場合を示したが、プレート21が備える羽根の枚数は、1枚であってもよく、また、3枚以上であってもよい。さらに、羽根の先端がL字型に曲がっていてもよい。図6は、四枚の羽根23c〜23fを備え、各羽根の先端がL字型に曲がっている場合のプレートの例を示す。このようなプレートをガイド板5の背面に設けてもよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、立った状態で投入される紙葉類を集積する底面板と、底面板上に投入される紙葉類の移動を停止させる側面板と、回転することによって、投入される紙葉類に断続的に接触し、紙葉類を側面板の位置まで引き込むプレートと、プレートと対向し、立った状態で投入される紙葉類が底面板上に倒れることを防止する支持部材と、支持部材とプレートとの距離が変化するように支持部材を移動させるガイド棒と、支持部材をプレートの方向に引っ張るばね部材とを備え、底面板は、立った状態で投入される紙葉類が支持部材側に傾くように傾斜しているので、底面板にベルト等を設けなくても紙葉類は支持部材に押しあてられる。従って、簡易な構成の紙葉類集積装置を実現することができる。また、プレートは、断続的に紙葉類に接触するので、回転する部材と紙葉類との接触時間を短縮することができる。さらに、各紙葉類は、支持部材側に傾き、また、プレートによって叩かれるので、隙間なく集積する。したがって、新たに搬送される紙葉類の先端は、先の紙葉類の末端に当たらず、円滑に集積することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による紙葉類集積装置の一例である郵便物集積装置を示す斜視図である。
【図2】側面板の背面側から見た郵便物集積装置の例を示す斜視図である。
【図3】ガイド板からプレートが張り出す状況の例を示す説明図である。
【図4】郵便物が集積されたときの側面板の背面を示す説明図である。
【図5】新たな郵便物が搬送されるときの状況を示す説明図である。
【図6】他のプレートの形状の例を示す説明図である。
【図7】従来の紙葉類集積装置の例を示す斜視図である。
【図8】ベルトが集積紙葉類を支持板に押しあてる状態を示す説明図である。
【符号の説明】
2 底面板
3 側面板
4 支持板
5 ガイド板
6 ガイド棒
8 窓
11a〜11b 定滑車
12a,12b 動滑車
14,15 ばね
16 ワイヤ
18 ストッパ
21 プレート
22 回転軸
23a,23b 羽根
Claims (7)
- 紙葉類を立った状態で集積する紙葉類集積装置であって、
立った状態で投入される紙葉類を集積する底面板と、
前記底面板上に投入される紙葉類の移動を停止させる側面板と、
回転することによって、投入される紙葉類に断続的に接触し、紙葉類を前記側面板の位置まで引き込むプレートと、
前記プレートと対向し、立った状態で投入される紙葉類が底面板上に倒れることを防止する支持部材と、
前記支持部材と前記プレートとの距離が変化するように前記支持部材を移動させるガイド棒と、
前記支持部材を前記プレートの方向に引っ張るばね部材と、
前記プレートの回転軸と前記支持部材との間に設けられ、投入された紙葉類を前記側面板側に導き、投入された紙葉類が前記プレートの回転軸の方向に進むことを防止するガイド板とを備え、
前記底面板は、立った状態で投入される紙葉類が前記支持部材側に傾くように傾斜し、かつ、紙葉類が投入される側が、前記側面板が設けられる側よりも高くなるように傾斜し、
前記ガイド板は、プレートの一部が支持部材側に張り出す窓部を備え、
前記プレートは、一枚あるいは複数枚の羽根を備え、各羽根が紙葉類に接触する
ことを特徴とする紙葉類集積装置。 - プレートが備える羽根の先端は、L字型に曲がっている請求項1記載の紙葉類集積装置。
- ばね部材は、伸びが大きくなれば、元の長さに復元しようとする力も大きくなるばね部材である請求項1または請求項2記載の紙葉類集積装置。
- 強さが異なる複数のばね部材によって、支持部材をプレートの方向に引っ張る請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の紙葉類集積装置。
- 一端が支持部材に取り付けられ、他端が定位置に固定されるワイヤと、前記ワイヤがかけられる動滑車とを備え、ばね部材は、前記動滑車を引っ張ることにより支持部材をプレートの方向に引っ張る請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の紙葉類集積装置。
- 強さが異なる複数のばね部材を備え、ワイヤは、複数の動滑車にかけられ、各ばね部材は、各動滑車を引っ張ることにより支持部材をプレートの方向に引っ張る請求項5記載の紙葉類集積装置。
- ワイヤに引っ張られて移動する動滑車の移動距離を制限するストッパ部を備えた請求項6記載の紙葉類集積装置。
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