JP3617359B2 - 赤外線式人体検知器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体から放射される赤外線を検知することにより、検知エリア内の人の存否を検出する赤外線式人体検知器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の人体検知器は、赤外線センサを用いて人体から放射される赤外線を検知し、あらかじめ設定した検知エリア内で人の存否や人の動きが検知されると、照明負荷や防犯用の報知器などの各種負荷を制御するように構成されている。赤外線センサとしては微分形センサである焦電型赤外線センサが広く用いられている。この種の赤外線センサは入射する赤外線量の変化率が小さいと出力が得られないものであるから、赤外線センサへの赤外線の入射経路にレンズ本体やミラーのような光学系を配置することによって赤外線センサの視野内に感度むらを付与し、視野内での人の微小な動きによっても赤外線センサに入射する赤外線量の変化率が大きくなるようにしている。以下では、赤外線センサへの赤外線の入射量がピーク付近になる小範囲を検知ビームと呼ぶ。つまり、赤外線センサへの赤外線の入射経路に光学系を配置することによって、1つの赤外線センサに対して複数の検知ビームが設定されることになる。
【0003】
ところで、この種の人体検知器Xとしては、たとえば、図23に示すように、壁面の上部などに取り付けられるものがある。このような形態で使用する人体検知器Xでは人体検知器Xの前下方に検知エリアが設定され、検知エリアの床面上での範囲は人体検知器Xの直下を中心とし、人体検知器Xの正面方向に平行な直線を中心線とする160〜180度の扇形に設定される。図示例では、床面上において人体検知器Xの直下を中心としかつ160度の扇形の範囲に検知エリアを設定している。また、人体検知器Xを床面から1.2mの高さに設置したときに、検知ビームBmと床面との交点が、人体検知器Xの直下を中心とする半径1.5mと半径3mとの扇形の弧上であって、かつそれぞれの扇形の弧を略7等分した位置に設定されるように設計してある。なお、図示例では焦電型赤外線センサとして、2個の素子エレメント(つまり、受光素子)を1つのパッケージに設けたものを用いている。この種の焦電型赤外線センサをデュアルタイプ素子と称している。デュアルタイプ素子では、各素子エレメントに入射する赤外線量が変化したときに出力の変化方向が互いに逆になるように両素子エレメントを接続してある。
【0004】
上述した人体検知器Xにおいて半径の小さい弧上に一端が位置するように設定した検知ビームBmは、人体検知器Xの取付高さよりも身長の低い人が人体検知器Xの周辺で動く場合でも検知可能とするために設定されている。このように、検知ビームBmの一端を大小2つの弧上に位置させていることによって、身長の大小にかかわらず人の存否や動きを検知することが可能になる。
【0005】
ところで、上述のような検知ビームを設定するために、図24に示すように、焦電型赤外線センサ(以下では、センサと略称する)1への赤外線の入射経路に配置される光学系は、レンズ本体2とミラー3とを組み合わせて構成される(類似構成は特開平10−213772号公報参照)。
【0006】
上述のように14本の検知ビームBmを設定するために、レンズ本体2には14個のレンズ21が形成され、各レンズ21の光軸がそれぞれ検知ビームBmの中心線になる。いま、床面上において人体検知器Xの直下から人体検知器Xの正面方向に平行な方向の直線(つまり、上述した扇形の中心線)を基準線とすれば、床面上で検知ビームBmの中心線の一端と上記中心とを結ぶ直線が基準線となす角度は、0度、26度、52度、79度になる。レンズ本体2は、センサ1の受光面に略平行な前片2aと、前片2aの両側縁から斜め後方に延長された左右一対の側部片2bとを備え、前片2aと側部片2bとの間の角度は(180−52)度に設定されている。各レンズ21は前片2aと側部片2bとにおいてセンサ1側の面が凸となる形状に形成された平凸レンズになっている。
【0007】
ここに、前片2aに設けた6個のレンズ21は0度と26度とに対応する検知ビームBmを設定し、各側部片2bにそれぞれ4個ずつ設けたレンズ21は52度と79度とに対応する検知ビームBmを設定する。0度に対応する検知ビームBmを設定するレンズ21(a1,a2)は前片2aの中央部の上下に配置され、26度に対応するレンズ21(b1,b2)は前片2aにおいてレンズ21(a1,a2)の左右両側部の上下に配置されている。また、52度に対応するレンズ21(c1,c2)は側部片2bの後部の上下に形成され、79度に対応するレンズ21(d1,d2)は側部片2bの前部の上下に形成される。
【0008】
レンズ21は上述のように配置されているから、79度に対応するレンズ21(d1,d2)を通る赤外線は、そのままではセンサ1の受光面に入射させることができない。そこで、79度に対応するレンズ21を通過した赤外線をセンサ1に入射させるように変向させるためにミラー3が設けられている。ミラー3は左右一対設けられ、それぞれ前片2aに設けたレンズ21の境界付近に配置される。ただし、ミラー3の寸法および位置は、前片2aに設けたレンズ21を通過する赤外線がセンサ1に入射可能となるように設定されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、レンズ本体2は上下2段に配列された複数個のレンズ21を備える。各レンズ21が配列される前片2aと側部片2bとはそれぞれ平板状であって、しかも前片2aと側部片2bとにはそれぞれレンズ21が上下2段に配列されているものであるから、レンズ本体2は全体として比較的大型になる。また、この構成では下段のレンズ21に対応して形成される検知ビームでの感度が上段のレンズ21に対応して形成される検知ビームでの感度よりも低くなる。これは以下の理由による。いま、上下のレンズ21の口径が等しいものとする。ここで、前片2aないし側部片21bの法線(つまりはセンサ1の受光面の法線)に対して、センサ1の受光面の中心と下段のレンズ21の中心とを通る直線のなす角度は、センサ1の受光面の中心と上段のレンズ21の中心とを通る直線のなす角度よりも大きいから、センサ1の受光面に対する検知ビームの見込む角度が、下段のレンズ21では上段のレンズ21よりも小さくなる。その結果、下段のレンズ21を通してセンサ1に入射する光量が上段のレンズ21を通してセンサ1に入射する光量よりも少なくなる。しかも、上述のような位置関係であるから、下段のレンズ21に対応して形成される検知ビームは上段のレンズ21に対応して形成される検知ビームに比較して焦点がぼけているから、このことからも感度が低くなる。
【0010】
図24に示したレンズ本体2では、上述の問題を解決すべく、下段のレンズ21の面積を上段のレンズ21よりも大きくし、かつ肉厚も大きくすることによって、下段のレンズ21を通る光量を上段のレンズ21を通る光量よりも相対的に多くしているが、上段のレンズ21と下段のレンズ21とが重なり合っているから、十分に目的を達成することができないという問題が生じる。
【0011】
ところで、上述のように検知ビームを設定すると、検知エリア内のほぼ全域に亘ってほぼ均等に人の存否や動きを検知することが可能になる。しかしながら、人体検知器Xを取り付ける場所によっては、検知ビームが不要な箇所にも設定されることがある。そこで、検知ビームの設定される位置を制限するために、不要な検知ビームを設定するレンズ21を遮光部材で覆うことが考えられている。遮光部材はシート状に形成され粘着剤が塗布されている。この種の遮光部材を用いると、簡単な作業で不要な検知ビームを除くことができるが、施工業者や一般の使用者には、検知ビームとレンズ21との対応関係がわかりにくいという問題があり、結果的に検知エリアの変更が難しいという問題がある。また、遮光部材はレンズ本体2の外面に貼着されるから外観を損なうという問題があり、さらには、長期に使用すると粘着剤の粘着力が低下して遮光部材が剥がれることもある。
【0012】
この種の問題を解決するために、2枚の遮光部材を人体検知器Xの器体に設けたガイド溝に沿ってスライドさせることによって遮光部材間の距離を変化させ、両遮光部材の間から入射する赤外線のみをセンサ1に入射させる構成のものが提供されている。つまり、両遮光部材をスライドさせることによって、レンズ本体2の両側部のレンズ21から順に遮光部材で覆われるようにし、両遮光部材間に形成される隙間の幅を調節することが考えられている。このような構成を採用すると、シート状の遮光部材を用いる場合に比較すると検知エリアの調整や変更が容易になり、また粘着剤の粘着力の低下についても配慮する必要がないものである。したがって、検知ビームの制限のために、スライド可能な遮光部材を設けることが望ましい。
【0013】
しかしながら、遮光部材をスライドさせるには、遮光部材を案内するガイドが必要であって、遮光部材を全開にしても検知ビームの一部にガイドによるけられが生じることがあり、センサへの入射光量が低減して検知感度の低下につながることがある。また、両遮光部材間の隙間の幅を調節するのであるから、遮光部材間を狭くするに従って正面方向に対して角度の大きい検知ビームが順に不使用になるのが望ましいが、上述のように、57度に対応するレンズ21が79度に対応するレンズ21よりも外側に位置しているから、遮光部材を全開の状態から次第に閉じると、57度に対応する検知ビームが不使用となった後に、79度に対応する検知ビームが不使用になることになり、順序が逆転するという問題がある。この問題を解決するには、両検知ビームが交差する部位よりも遠方に遮光部材を配置する必要があり、レンズ本体2から遮光部材までの距離が大きくなって全体として大型化するという問題が生じる。
【0014】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、検知エリアを広く設定しながらも感度が高く、しかも検知エリアを制限するための遮光部材を設ける場合も大型化することのない赤外線式人体検知器を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、人体から放射される赤外線を検出する赤外線センサと、赤外線センサの受光面の前方で列設され赤外線センサの視野内に感度むらを付与することにより赤外線センサに複数本の検知ビームを入射させる複数個のレンズと、各レンズを通して赤外線センサに入射する検知ビームの本数をレンズの個数よりも多くするように少なくとも1つの列に並ぶレンズの両端に位置するレンズを複数本の検知ビームに共用させ当該レンズを通る検知ビームのうち赤外線センサの受光面に直接入射しない検知ビームの一部を赤外線センサの受光面に向かって変向させるミラーとを備え、レンズを共用する複数本の検知ビームのうちミラーで反射される検知ビームは、レンズの並ぶ方向において赤外線センサの受光面の正面に対する角度がミラーで反射されない検知ビームよりも大きく、かつ赤外線センサに対してレンズより遠方では他のレンズを通る検知ビームとは交差しないように設定されているものである。この構成によれば、1つの列に並ぶレンズのうちの両端のレンズについては、赤外線センサに検知ビームを直接入射する経路とミラーを介して検知ビームを入射する経路とに兼用されることになり、検知エリアを広角化しながらもレンズの枚数の増加がないものである。しかも、列の両端のレンズを通して赤外線センサに入射する検知ビームは赤外線センサの受光面に対する入射角度が大きいから、赤外線センサに検知ビームを直接入射させたのでは他のレンズを通る検知ビームよりも赤外線センサへの入射量が少なくなるが、ミラーを設けて変向することによって入射量の低減を抑制することができ、しかもレンズの枚数が少ないことによって両端のレンズの面積を大きくとることが可能になり、このことによっても入射量の低減を抑制することができる。また、一つのレンズを赤外線センサに直接入射する検知ビームとミラーで変向して入射する検知ビームとの経路に兼用しているから、赤外線センサの受光面から両経路が交差する部位までの距離を比較的小さくすることができ、検知エリアを制限するための遮光部材をレンズより外側に設ける場合でも全体としての大型化を避けることができる。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、1つの列に並ぶレンズの両端に位置するレンズの第一面の最大高さ位置に立てた法線が、レンズの中心と赤外線センサの受光面の中心とを結ぶ直線に略一致するものである。この構成によれば、1つの列の両端のレンズの第1面と赤外線センサの受光面とが比較的浅い角度で交差するから、各レンズを一体に成形する場合に金型を抜きやすく、製造コストを比較的低く抑えることができる。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記複数個のレンズが外側面が滑らかに連続する凸曲面となったドーム部に一体に配列され、各レンズの第1面がドーム部の外側面に一致するものである。この構成によれば、ドーム部の外側面が滑らかに連続する凸曲面になるから、優れた外観を呈することになる。
【0018】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、1つの列に並ぶレンズの両端に位置するレンズの第一面の最大高さ位置に立てた法線が、レンズの中心から前記ミラーを介して赤外線センサの受光面の中心を見込む直線に略一致するものである。この構成によれば、レンズを通る赤外線のうちミラーにより反射される光量を赤外線センサに直接入射する光量よりも多くすることになるから、赤外線センサの受光面に対してもっとも大きい角度でレンズに入射する赤外線に対する感度を比較的高く保つことができる。また、ミラーによる損失にもかかわらず、レンズを通して赤外線センサに直接入射する赤外線との感度差を小さくすることができる。
【0019】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、1つの列に並ぶレンズの両端に位置するレンズの第一面を他のレンズよりも突出した凸曲面としたものである。この構成によれば、レンズにおける赤外線センサ側の面を平面とすることができるから、各レンズを一体に成形する場合に金型の形状が比較的簡単になり、製造コストを比較的低く抑えることができる。
【0020】
請求項6の発明は、請求項1の発明において、1つの列に並ぶレンズの両端に位置するレンズの第一面の最大高さ位置に立てた法線が赤外線センサの受光面に対してなす角度が、レンズの中心と赤外線センサの受光面の中心とを結ぶ直線が赤外線センサの受光面に対してなす角度と、レンズの中心から前記ミラーを介して赤外線センサの受光面の中心を見込む直線が赤外線センサの受光面に対してなす角度との中間の角度に設定されているものである。この構成によれば、請求項2の発明と請求項4の発明との中間の効果が得られる。つまり、金型構造を簡単にして製造を比較的容易としながらも、1つの列の両端のレンズを通して赤外線センサに直接入射する赤外線とミラーを介して赤外線センサに入射する赤外線とに対する感度差を抑制することができる。
【0021】
請求項7の発明は、請求項1の発明において、1つの列に並ぶレンズの両端に位置するレンズを通る赤外線の光線束のうち赤外線センサの受光面に直接入射する光線束と前記ミラーを介して赤外線センサの受光面に入射する光線束とが交差する部位よりも赤外線センサの受光面から離れた部位で移動自在である遮光部材が設けられ、遮光部材により一部のレンズへの赤外線の入射を阻止可能としたものである。この構成によれば、遮光部材を移動させることによって検知エリアを容易に調節することができ、遮光部材を貼着する場合のような手間がかからないものである。しかも、1つのレンズを通る光線束の交差部位よりも外側に遮光部材を配置しているから、遮光部材を移動させることで検知エリアの広狭と遮光部材の位置とを一致させることができる。
【0022】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、赤外線センサの受光面と前記交差部位との距離を小さくするように赤外線の光線束の一部を遮光する遮光片を前記ミラーに設けたものである。この構成によれば、遮光片を設けたことによって遮光部材の位置を赤外線センサに近付けることができるから、小型化につながるものである。
【0023】
請求項9の発明は、請求項7の発明において、赤外線センサの受光面と前記交差部位との距離を小さくするように赤外線の光線束の一部を遮光する遮光壁を赤外線センサの受光面の側方に設けたものである。この構成によれば、遮光壁を設けたことによって遮光部材の位置を赤外線センサに近付けることができて小型化につながるとともに、ミラーを介して赤外線センサに入射する赤外線よりも損失量が少ない経路で赤外線の一部を遮光するから、最小感度の低下がなく、比較的高い感度に保つことができる。
【0024】
請求項10の発明は、請求項1の発明において、前記ミラーが、少なくとも一部のレンズを通る赤外線のうち赤外線センサの受光面の中心と1つの列の各レンズの中心とを含む曲面に交差する赤外線の一部を赤外線センサの受光面に向かって変向させる反射部を備えるものである。この構成によれば、レンズの配列方向だけではなく、レンズの配列方向に交差する方向においても検知エリアを広げることができるのであり、たとえば、人体検知器を壁面に取り付ける場合に、検知エリアを左右に広げるだけではなく、検知エリアの遠近も広げることができる。つまり、検知エリアに死角の少ない人体検知器を提供することができ、しかも、レンズを検知エリア内の複数の領域で兼用することになるから、全体的に小型化されることになる。なお、反射部は実施の形態における第2反射部を意味する。
【0025】
請求項11の発明は、請求項10の発明において、前記反射部が複数の反射面を備えるものである。この構成によれば、反射部を複数設けることによって、すべてのレンズに共通の反射面を形成する必要がないから、反射面の調整が容易になる。
【0026】
請求項12の発明は、請求項11の発明において、1つの列に並ぶレンズのうちの1つが赤外線センサの受光面の正面側に配置され、前記反射部は、このレンズを通して入射する赤外線のみを反射して赤外線センサに入射させる反射面を備えるものである。この構成によれば、赤外線センサの正面側に配置されたレンズを通った赤外線が専用の反射面を介して赤外線センサに入射するから、反射面の調整が一層容易になる。
【0027】
請求項13の発明は、請求項11または請求項12の発明において、前記各反射面が1つの列に並ぶ各レンズごとに設けられているものである。この構成では、レンズごとに反射面を調節するから、赤外線センサにより精度よく赤外線を導くことができる。
【0028】
請求項14の発明は、請求項10ないし請求項13の発明において、前記レンズが2列設けられているものである。この構成では、赤外線センサの受光面に対する入射角度の小さい赤外線については反射部を介さずにレンズから赤外線センサに直接入射させるようにすれば、両側のレンズを通る赤外線を変向するためのミラーによるけられを低減することができ、結果的に高い感度を保つことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
まず、焦電型赤外線センサ(以下、センサ)の出力により人の存否ないし動きを検知するための回路構成について説明する。人体から放射された赤外線は、図2に示すように、後述する光学系4を通してセンサ1により検知される。センサ1の出力は増幅部11により増幅された後、雑音となる不要な周波数成分を除去するために帯域フィルタ12に通され、比較回路13において基準レベル以上の出力が得られているか否かが判定される。センサ1の出力レベル(実際には帯域フィルタ12の出力)が基準レベル以上であれば、遅延回路14および出力回路15を通して照明負荷などの負荷が制御される。
【0030】
ここに、センサ1は微分形であってセンサ1に入射する赤外線量の変化率が小さいときには出力が得られないから、センサ1の視野(検知エリア)内に人が存在していてもセンサ1の出力レベルが基準レベル以下になる期間が生じる。そこで、センサ1の視野内に存在する人の動きが微小であってもセンサ1に入射する赤外線の変化率が比較的大きくなるように、センサ1の視野内に感度むらを生じさせる光学系4を用いている。また、センサ1の出力レベルが基準レベル以下になる期間が生じても、その期間が短時間であれば負荷の制御(たとえば、照明負荷の点灯)が継続されるように遅延回路14を設けてある。つまり、遅延回路14の時定数は検知エリア内に人が存在している間には負荷の制御が継続される程度に設定されている。出力回路15は負荷に応じて構成されるものであり、たとえば、負荷への電源の供給経路に挿入されるリレーやトライアックが用いられる。
【0031】
しかして、負荷が照明負荷であるとすれば、照明負荷を設置している室内に検知エリアを設定しておくことによって、室内における人の存否に応じて照明負荷を点灯・消灯させることが可能になる。つまり、センサ1の出力に基づいて人が最初に検知されると照明負荷が点灯し、その後、遅延回路14により設定された時間内にセンサ1の出力に基づいて人の存在が再度検知されると照明負荷の点灯状態が継続し、最終的に遅延回路14により設定された時間内に人が検知されなくなるまで照明負荷の点灯状態が延長される。言い換えると、センサ1の検知エリアに人が存在する間には照明負荷が点灯し続け、人が存在しなくなってから遅延回路14に設定された時間が経過すると照明負荷が消灯する。
【0032】
ところで、センサ1として1個の素子エレメントを備えるものを用いるとすると、帯域フィルタ12の出力は、人の移動速度に応じて図3(a)〜(c)のように変化する。人の移動速度に応じて帯域フィルタ12の出力波形が変化するのは、センサ1の出力の周波数成分と帯域フィルタ12の周波数特性との関係による。また、2個の素子エレメントを備えるデュアルタイプ素子をセンサ1を用い、両素子エレメントに対応する領域を人が順に通過したときには、帯域フィルタ12の出力は、人の移動速度に応じて図4(a)〜(c)のように変化する。ここに、2個の素子エレメントに対応する領域を人が通過するときには、人の移動方向が両領域を結ぶ方向に対してなす角度が大きくなるほど、低速時の変化波形に近付くことになる。
【0033】
上述のように、センサ1として2個の素子エレメントをパッケージに収納したデュアルタイプ素子を用いると人の移動方向によって検知状態が大きく変化するものであるから、本実施形態では、センサ1として図5に示すように4個の素子エレメント16をパッケージ17に収納した4エレメントタイプ素子を用いる。以下では素子エレメント16を配列した面を受光面と呼ぶ。このセンサ1の各素子エレメント16はそれぞれ0.5mm×0.5mmであって、正方形の頂点に位置するように配置され、かつその正方形の各対角線上に位置する各2個の素子エレメント16が同極性、互いに他の対角線上の素子エレメント16が異極性になるように配置してある。また、人体検知器Xに組み込む際には、各素子エレメント16を頂点とする正方形の一方の対角線が上下方向となるように配置する。つまり、図5の位置から45度回転させた状態で配置する。
【0034】
本実施形態では、従来構成との比較を容易にするために、床面上において人体検知器X(図6参照)の直下を中心としかつ略160度の扇形の範囲に検知エリアを設定する。また、人体検知器Xを床面から1.2mの高さに設置したときに、検知ビームの中心線と床面との交点が、人体検知器Xの直下を中心とする半径1.5mと半径3mとの扇形の弧上であって、かつそれぞれの扇形の弧を略7等分した位置に設定されるように光学系4を設計してある。いま、床面上において人体検知器Xの直下から人体検知器Xの正面方向に平行な方向の直線(つまり、上述した扇形の中心線)を基準線とすれば、床面上で検知ビームの中心線の一端と上記中心とを結ぶ直線が基準線となす角度は、0度、26度、52度、79度になる。そして、検知ビームの中心線と床面との交点を中心として各素子エレメント16に対応した4個の検知ビームが形成されることになる。また、上述のように検知ビームを設定するから、検知ビームの中心線の伏角は半径3mの弧に対して約20度、半径1.5mの弧に対して約40度に設定される。このような設定により、身長が70cm以上であれば検知エリア内での存否ないし動きを検知することが可能になる。以下では、図6に示すように、半径3mの弧上の0度、26度、52度、79度の検知ビームを、それぞれビームA、ビームB、ビームC、ビームDと呼ぶ。また、半径1.5mの弧上の0度、26度、52度、79度の検知ビームについては、それぞれビームA’、ビームB’、ビームC’、ビームD’と呼ぶことにする。なお、検知ビームは左右対称に形成されるから、ビームA,ビームA’以外は2個ずつ形成されることになる。
【0035】
本実施形態では、上述のような14本の検知ビームを形成するために、図1(a)のように円筒状のパッケージ17を有するセンサ1に被嵌されるミラー3と、ミラー3の前方に配置されるレンズ本体2とにより光学系4を構成している。レンズ本体2は、従来構成と同様に複数個のレンズ21を備えるものであるが、各検知ビームごとにレンズ21を設けるのではなく、図1(b)のように2個のレンズ21については4本ずつの検知ビーム(ビームC,C’,D,D’)に共用されるようになっている。また、残りの6本の検知ビーム(ビームA,A’,B,B’)では個別のレンズ21を用いる。したがって、レンズ21は8個設けてある。本実施形態においては、8個のレンズ21のうちの5個を上段に配列し、3個を下段に配列しているのであって、上段の両端部に位置する2個のレンズ21を4本の検知ビームで共用する構成としてある。
【0036】
各レンズ21は図7、図8に示すように、球面の一部(4分の1程度)を形成するドーム部22に沿って配列されており、ドーム部22の外側面はほぼ滑らかに連続し、ドーム部22の内側面は各レンズ21に対応する部位が突出する凹凸面になる。ここに、上段の左右両端部のレンズ21は外側面(第一面)が平面状に形成された平凸レンズであり、このレンズ21の光軸はビームC,Dの中心線の間を通るように設定してある。つまり、水平面内ではビームC,Dの中心線はそれぞれ52度,79度であるから、レンズ21の光軸を67度程度に設定してある。また、各レンズ21の内側面は球面の一部を形成している。
【0037】
ドーム部22は、人体から放射される赤外線を透過させることができるように高密度ポリエチレンを用いて形成され、センサ1や上述した回路部を収納する器体に取り付けられるフレーム20と連続一体に形成されている。フレーム20は、中空のフレーム本体23の後端部の左右両側に一対の取付片24が延設され、フレーム本体23の前面上部にドーム部22が突設されたものであって、フレーム本体23の前面上下にはガイド片25a,25bが延設されている。取付片24は器体に結合され、器体とともにセンサ1や回路部を収納する。また、ガイド片25a,25bの周縁はフレーム本体23の側縁に連続して半円状をなし、両ガイド片25a,25bの投影面内にドーム部22が収まるように形成されている。ドーム部22の上端は上側のガイド片25aに連続し、ドーム部22の下端は下段のガイド片25bの上方に離間している。フレーム本体23と各取付片24との間には隙間26が形成されており、後述する遮光部材の端部を隙間26に挿入するとともにガイド片25a,25bの周縁に沿ってスライド可能となるように配置することによって、遮光部材による検知エリアの調節が可能になる。また、ガイド片25a,25bの周縁には遮光部材を係止して位置決めするための複数個の係止溝27が形成されている。
【0038】
ここに、水平面内においてガイド片25bよりもドーム部22の曲率のほうが小さく、しかもドーム部22は下部ほど水平面内での径が小さくなるから、ドーム部22の周面からガイド片25bの周縁までの水平面内での距離は、ドーム部22の正面方向でもっとも小さく側部ほど大きくなる。つまり、各レンズ21に対応して形成される検知ビームに、ガイド片25bによるけられが生じる可能性は、ドーム部22の下部かつ側方で大きくなる。そこで、上下のレンズ21のうち下段のレンズ21を正面付近に配置し、左右両端部にレンズ21を設けないことによって、ガイド片25bによる検知ビームのけられを防止することができる。つまり、レンズ21の全面を赤外線の入射経路に用いることになり、高い検知感度を得ることができる。
【0039】
一方、ミラー3は、後端面が開放された円筒状のミラー本体31の前壁下部にセンサ1の素子エレメント16を露出させる開口窓32を有している。また、ミラー3には、開口窓32の左右の中央付近で開口窓32の上端から上下方向の中間部まで上下方向に延長された左右一対の第1反射部33と、開口窓32の上縁に沿って前方に突出する左右一対の第2反射部34とが設けられる。このミラーはセンサ1とともに回路基板に固定される。
【0040】
左右の第1反射部33の間には、上下両段の中央に位置するレンズ21に対応するビームA,A’をセンサ1の受光面に直接入射させることができる間隙35が形成され、両第1反射部33は前端側ほど互いの距離を広げるように配置されている。また、両第1反射部33は 下段の左右両側に位置するレンズ21およびその上段のレンズ21に対応するビームB,B’を、両第1反射部33の間を通さずにセンサ1の受光面に直接入射させることができるように配置されている。さらに、第1反射部33の外側面は、上段の左右両端に位置するレンズ21を通るビームDを反射してセンサ1の受光面に入射させるように機能する。上段の左右両端に位置するレンズ21は上述のようにビームCも通過させるが、ビームCはセンサ1の受光面に直接入射される。
【0041】
ところで、第2反射部34は、上段の左右両端のレンズ21を通るビームC’を反射させてセンサ1の受光面に導くように形成される。また、第2反射部34には、同じレンズ21を通るビームD’を反射して第1反射部33により反射させた後にセンサ1の受光面に導入させる機能もある。
【0042】
上述のように、ビームC’,D,D’は第1反射部33と第2反射部34との少なくとも一方により反射されてセンサ1の受光面に導かれる。また、上述の構成によって第1反射部33および第2反射部34の反射面の面積を比較的大きくとることができ、かつ各レンズ21を通った赤外線について第1反射部33や第2反射部34によるけられを回避することが可能であり、けられによる感度の低下を防止することができる。しかも、ビームA’,B’については光路中に第1反射部33が介在しないから反射による損失が生じないのであり、ビームA’,B’についての感度の低下が生じない。
【0043】
ここにおいて、レンズ21の焦点距離を6mmに設定すると、レンズ21およびミラー3を通る光路でのバックフォーカスは約7mmになり、焦点が一致しないが、下段のレンズ21は上段のレンズ21と重なることがなく、レンズ21の全面を有効に利用しているから、高い感度が得られることになる。また、ミラー3を用いることによってセンサ1の受光面に対する赤外線の入射角度(入射光線が受光面の法線となす角度)が小さくなるから、検知ビームの焦点のぼけも小さくなり、このことによっても検知感度が向上する。
【0044】
なお、本実施形態においてはセンサ1に4エレメントタイプ素子を用いているが、デュアルタイプ素子を用いてもよい。デュアルタイプ素子を用いるときには両素子エレメントを壁面に沿った方向ないし壁面に直交する方向に配置すればよい。また、レンズ21の一部のみを平凸レンズとしているが、すべてのレンズ21を平凸レンズとすることによってドーム部22を多角形状に形成してもよい。ビームC,C’,D,D’の通過するレンズ21は、4本のいずれかの検知ビームの中心線に光軸を一致させるようにしてもよい。
【0045】
(第2の実施の形態)
本実施形態は、図9に示すように、第1の実施の形態に示したレンズ本体2において下段の3個のレンズ21を省略したものである。本実施形態の構成においては、ビームA’,B’,C’,D’のいずれもが、一旦は第2反射部34により反射されるようにしてある。また、第1の実施の形態と同様に、ビームDは第1反射部33により反射され、ビームD’は第1反射部33と第2反射部34との両方で反射される。ただし、第1の実施の形態における第2反射部34が左右一対設けられているのに対して、本実施形態では1枚の平板状の第2反射部34を左右一対の第1反射部33に跨る形で設けてある。他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0046】
本実施形態の構成ではレンズ21を1段だけ配置すればよいから、従来のような14個のレンズ21を設ける場合に比較するとレンズ21の個数を大幅に低減することができ、レンズ本体2の小型化が可能になる。要するに、ビームD,D’については従来構成と同様にミラー3に設けた第1反射部33により視野を広げることになり、しかも、ミラー3に設けた第2反射部34により下段のレンズ21が不要になって大幅な小型化につながるのである。
【0047】
しかも、図10に破線で示すように下段のレンズ21を設けたときには、下側のガイド片25bとの位置関係によっては、下段のレンズ21を通す視野内にガイド片25bが位置してけられが生じることがあるが、本実施形態では図10に実線で示すように上段のレンズ21のみを用いているから、レンズ21を通す視野内にガイド片25bが存在せず、けられが生じないのである。
【0048】
(第3の実施の形態)
第2の実施の形態のように、第2反射部34が1枚の平板状であると、外側の検知ビーム(ビームA〜D)と内側の検知ビーム(ビームA’〜D’)とは水平面内での角度を等しくしたり、すべての内側の検知ビームについて垂直面内での角度を等しくしたりするように調節するのが困難である。これに対して、第1の実施の形態のように、第2反射部34を2面設けるようにすれば、これらの調整を容易に行うことができる。そこで、本実施形態では、図11に示すように、1枚の第2反射部34の中央部に屈曲部を設けて第2反射部34を水平面に対して傾斜させてある。また、本実施形態では、図12に示すように、内側と外側とにそれぞれ8本の検知ビームを形成している。各検知ビームの水平面内での角度は、正面方向を0度とするときに、11度、34度、57度、78度であって、ほぼ等しい角度間隔に設定してある。ここに、外側の検知ビームを角度の小さいほうからビームA、ビームB、ビームC、ビームDと呼び、内側の検知ビームを角度の小さいほうからビームA’、ビームB’、ビームC’、ビームD’と呼ぶことにする。
【0049】
上述のように、合計16本の検知ビームを形成するためにレンズ本体2には6個のレンズ21を形成してあり、左右両端のレンズ21はそれぞれ4本ずつの検知ビーム(ビームC,C’,D,D’)に対応する。また、他のレンズ21はそれぞれ上下2本ずつの検知ビームに対応する。他の構成および動作は第2の実施の形態と同様である。
【0050】
本実施形態の構成では、第2反射部34が内側の検知ビームを反射させてセンサ1に導く点では第2の実施の形態と同様であるが、第2反射部34が2面を有していることによって、各面は4本ずつの検知ビームを反射させるだけであって、内側の検知ビームを1面ですべて反射させている第2の実施の形態に比較すると、1面で反射させる検知ビームの本数が低減する。その結果、左右の検知ビームについて個別に反射角度を調節することが可能になり、検知ビームの角度の微調整が可能になる。
【0051】
(第4の実施の形態)
第3の実施の形態においては、内側と外側とに8本ずつの検知ビームを形成しており、レンズ本体2にレンズ21を左右3個ずつ設けているから、第2反射部34に左右2面を設けることによって左右各レンズ21に対応する検知ビームをセンサ1に導くことができる。しかしながら、第2の実施の形態のようにレンズ21が奇数個であるとセンサ1の正面に位置するレンズ21に対応する検知ビームの経路が、第2反射部34の左右の2面に分離されることになる。センサ1の正面に位置するレンズ21に対応する検知ビームが2分されないようにするには、検知ビームを2分しない位置に第2反射部34の2面の境界を設けることが考えられるが、第2反射部34が左右非対称になるから、検知ビームの角度調整に不都合が生じる。
【0052】
そこで、本実施形態では、図13のように、第2反射部34に3面を設けるようにし、中央の一面によってセンサ1の正面方向のレンズ21に対応する検知ビームのみを反射させるようにしてある。このような構成によって、ビームA’のみを反射させる反射面が形成されることになり、レンズ21が奇数個である場合もビームA’を2分することなくセンサ1に導くことが可能になるとともに、検知ビームを左右対称に形成することができる。しかも、第2反射部34の他の2面をそれぞれ用いる検知ビームの本数が少なくなるから、検知ビームの反射角度の調整が一層容易になる。他の構成および動作は第3の実施の形態と同様である。
【0053】
(第5の実施の形態)
本実施形態は、第4の実施の形態の技術思想をさらに拡張したものであって、図14に示すように、第2反射部34において各検知ビームに対応する部位ごとに異なる反射面を形成したものである。具体的には、レンズ本体2に7個のレンズ21を設ける場合には、第2反射部34を7面に分割する。このような構成によって、すべての検知ビームについて反射角度の調整が可能になり、各検知ビームを所望位置に設定することができる。他の構成および動作は第4の実施の形態と同様である。
【0054】
(第6の実施の形態)
上述した各実施形態では、検知ビームを内側と外側とに設定する例を示したが、本実施形態では人体検知器Xを床面から1.2mの高さ位置に配置したときに、人体検知器Xの直下の床面を中心として半径3mの弧上に検知ビームの一端が到達するように検知ビームを設定した例を示す。つまり、上述した各実施形態にける外側の検知ビームのみを設定したことに相当する。したがって、検知ビームの伏角は22度に設定されている。また、検知ビームは7本設定してあり、水平面内での検知ビームの角度は正面方向を0度とするときに、0度、26度、52度、79度の設定になっている。以下では、角度の小さい検知ビームから順に、ビームA、ビームB、ビームC、ビームDと呼ぶことにする。
【0055】
本実施形態において用いるレンズ本体2は、図15のように、従来例と同様な多角形状に形成されており、前片2aに3個のレンズ21が設けられ、各側部片2bに1個ずつのレンズ21が設けられている。また、センサ1の前方にはミラー3(第1反射部33)が配置される。従来構成では、各側部片2bに2個ずつのレンズ21を設けて一方のレンズ21に対応する検知ビームはミラー3を介してセンサ1に入射させ、他方のレンズ21に対応する検知ビームはミラー3を介さずにセンサ1に直接入射させていたが、本実施形態では、側部片2bに設けたレンズ21を2本の検知ビームに兼用し、一方の検知ビームはミラー3を介さずにセンサ1に直接入射させ、他方の検知ビームはミラー3により反射させてセンサ1に入射させるように構成してある。つまり、前片2aに設けた各レンズ21はビームA,Bにそれぞれ対応し、側部片2bに設けたレンズ21はビームC,Dに兼用されることになる。
【0056】
本実施形態におけるレンズ21は第1面が平面であり内側面が凸状に形成された平凸レンズになっている。各レンズ21は、たとえば以下のように設計される。前片2aのレンズ21の凸部は非球面であって最大厚みが0.8mm、側部片2bのレンズ21の突部は球面であって最大厚みが1mmに設定される。また、焦点距離は、前片2aの中央および側部片2bについては6mm、前片2aの両側については6.7mmに設定される。
【0057】
すなわち、側部片2bの寸法を従来構成と同寸法とすれば、レンズ21を2個設けていた従来構成に比較して、レンズ21が1個である本実施形態の構成のほうが側部片2bにおけるレンズ21の占有面積を大きくとることができ、結果的にビームC,Dに対する検知感度が高くなる。
【0058】
他の構成および動作は第1の実施の形態と同様であって、側部片2bに設けたレンズ21の焦点距離を上述のように6mmに設定すると、ミラー3を通した場合のバックフォーカスは7mm程度となってビームDについてはセンサ1が焦点位置に位置せず、焦点位置に位置する場合よりはセンサ1に入射する赤外線量が低減するが、レンズ21の占有面積が大きく、またミラー3によってセンサ1の受光面への入射角度を小さくしているから、焦点の不一致による検知感度の低下分よりも検知感度の向上分のほうを大きくすることが可能である。
【0059】
(第7の実施の形態)
本実施形態は、第6の実施の形態と同様の7本の検知ビームを設定するにあたって、図16に示すように、レンズ本体2に第1の実施の形態と同様のドーム部22を形成したものである。ドーム部22は球面の一部に近似した形状を有し、ビームA,Bに対応するレンズ21については第1面が滑らかに連続する凸曲面となり、ビームC,Dに兼用されるレンズ21の第一面はビームCの中心線に略直交する平面になっている。また、各レンズ21の内側面は球面の一部の形状になっている。このようなドーム部22を設けることによって、各レンズ21の焦点距離をほぼ等しく設計することができる。他の構成および動作は第6の実施の形態と同様である。
【0060】
また、本実施形態の構成において、ビームC,Dに兼用されるレンズ21の第一面をビームCの中心線に略直交する平面とする代わりに、図17のように、ビームDの中心線に略直交する平面としてもよい。この場合、ビームC,Dに兼用されるレンズ21を通してセンサ1に入射する光量よりもこのレンズ21を通してミラー3に入射する光量のほうが多くなるから、ミラー3の反射による損失分を補償できることになる。
【0061】
また、ビームC,Dに兼用されるレンズ21の第一面をビームC,Dの中間の方向に直交する平面としてもよい。つまり、ビームC,Dは水平面内で52度と79度とであるから、66度の方向に直交する平面としてもよい。このような角度に設定すれば、ビームC,Dのセンサ1への入射光量を確保しながらも、ドーム部22の成形が容易になる。つまり、本実施形態の構成は、ドーム部22の開口付近に形成されるレンズ21の内側面を凸曲面とした形状であるから、ドーム部22の開口面に対してレンズ21を設けている面が90度に近くなると凸曲面を形成する金型をドーム部22から抜くのが困難になるが、上述のような66度の方向に直交する平面をレンズ21の第一面とすれば、ドーム部22の内側に挿入される金型を容易に抜くことができ、しかもドーム部22の外側面は比較的滑らかであって凹凸面が形成されないから、特殊な金型を用いることなくドーム部22を成形することができる。
【0062】
(第8の実施の形態)
本実施形態は、第7の実施の形態とほぼ同様の構成であって、図18に示すように、ビームC,Dに兼用されるレンズ21の第一面を平面状とせず、ビームA,Bに対応するレンズ21の第一面に滑らかに連続する凸曲面としたものである。このような構成を採用すれば、ドーム部22の外側面が滑らかに連続した曲面になるから、優れた外観を呈することになる。また、第7の実施の形態ではドーム部22の外側面に平面が形成されているから、金型を作成するために放電加工が必要であって、金型の作成に費用と時間とがかかるものであるが、本実施形態ではドーム部22の外側面に平面を設けていないことによって金型の作成に要する時間および費用を低減することができる。他の構成および動作は第7の実施の形態と同様である。
【0063】
(第9の実施の形態)
本実施形態は、第7の実施の形態とほぼ同様の構成であるが、図19に示すように、ビームC,Dに兼用されるレンズ21の内側面をビームDに略直交する平面とし、第一面を球面ないし非球面である凸曲面としたものである。
【0064】
すなわち、第7の実施の形態として示した構成のうちビームC,Dに兼用されるレンズ21の第一面をビームDに略直交させ内側面を凸曲面(球面)とした構成は、金型をドーム部22から抜くのが困難な形状であって、複雑な構成の金型を用いたり、レンズ21の設計を一部変更しなければならない場合がある。そこで、本実施形態のようにビームC,Dで兼用されるレンズ21については、ドーム部22の内側面を平面とすることで成形が容易になるのである。このような形状のドーム部22の外側面を形成するキャビティは分割金型により容易に実現することができる。他の構成および動作は第7の実施の形態と同様である。
【0065】
上述した各実施形態において、検知ビームの方向を制限するには、以下に説明する構成を採用することができる。従来構成としても説明した一対の遮光部材を用いる場合には、図20のように、ガイド片25a,25bの周縁に沿ってスライド自在となった断面弧状の板材を遮光部材5に用いる。遮光部材5はABS樹脂により形成され、それぞれ独立してスライドさせることが可能になっている。このような遮光部材5を用いることによって、左右の検知ビームを各別に制限することができ、所望の検知エリアを設定することができる。ここに、遮光部材5はビームC,Dの交差部位よりも外側に配置される。この位置関係によって、人体検知器Xの正面方向に対してもっとも角度の大きい検知ビームから順に遮光することができるのである。
【0066】
ところで、ビームC,Dの交差部位がセンサ1から離れているほど遮光部材5をセンサ1から遠い位置に配置することになるから、大型化につながることになる。そこで、図21に示すようにミラー3における反射面の外端側に遮光片6を設けるようにすれば、ビームDの一部が遮光されることによってビームC,Dの交差部位をセンサ1に近付けることが可能になる。つまり、遮光片6を設けない場合に比較して遮光部材5をセンサ1に近付けることになり、人体検知器Xが小型化されることになる。ここにおいて、遮光片6はミラー3の反射面に対して直交させ、かつビームCを遮らない突出寸法に設定する。
【0067】
上述のようにビームC,Dの交差部位をセンサ1に近付けるには、図22に示すように、ビームCの一部を遮光してもよい。図示する構成では、センサ1の側方に遮光壁7を形成することによりビームCの一部を遮光している。このような遮光壁7は図1に示したような円筒状に形成されているミラー3に一体に設けることができる。ビームCの一部を遮光することによってビームC,Dの交差部位をセンサ1に近付けるようにすれば、ビームDの感度を低下させることなく人体検知器Xを小型化することができ、たとえば廊下の壁面に人体検知器Xを設置する場合には、廊下の遠方まで人を検出することが可能になる。
【0068】
【発明の効果】
請求項1の発明は、人体から放射される赤外線を検出する赤外線センサと、赤外線センサの受光面の前方で列設され赤外線センサの視野内に感度むらを付与することにより赤外線センサに複数本の検知ビームを入射させる複数個のレンズと、各レンズを通して赤外線センサに入射する検知ビームの本数をレンズの個数よりも多くするように少なくとも1つの列に並ぶレンズの両端に位置するレンズを複数本の検知ビームに共用させ当該レンズを通る検知ビームのうち赤外線センサの受光面に直接入射しない検知ビームの一部を赤外線センサの受光面に向かって変向させるミラーとを備え、レンズを共用する複数本の検知ビームのうちミラーで反射される検知ビームは、レンズの並ぶ方向において赤外線センサの受光面の正面に対する角度がミラーで反射されない検知ビームよりも大きく、かつ赤外線センサに対してレンズより遠方では他のレンズを通る検知ビームとは交差しないように設定されているものであり、1つの列に並ぶレンズのうちの両端のレンズについては、赤外線センサに検知ビームを直接入射する経路とミラーを介して検知ビームを入射する経路とに兼用されることになり、検知エリアを広角化しながらもレンズの枚数の増加がないという利点がある。しかも、列の両端のレンズを通して赤外線センサに入射する検知ビームは赤外線センサの受光面に対する入射角度が大きいから、赤外線センサに検知ビームを直接入射させたのでは他のレンズを通る検知ビームよりも赤外線センサへの入射量が少なくなるが、ミラーを設けて変向することによって入射量の低減を抑制することができ、かつまたレンズの枚数が少ないことによって両端のレンズの面積を大きくとることが可能になり、このことによっても入射量の低減を抑制することができるという利点がある。また、一つのレンズを赤外線センサに直接入射する検知ビームとミラーで変向して入射する検知ビームとの経路に兼用しているから、赤外線センサの受光面から両経路が交差する部位までの距離を比較的小さくすることができ、検知エリアを制限するための遮光部材をレンズより外側に設ける場合でも全体としての大型化を避けることができるという利点がある。
【0069】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、1つの列に並ぶレンズの両端に位置するレンズの第一面の最大高さ位置に立てた法線が、レンズの中心と赤外線センサの受光面の中心とを結ぶ直線に略一致するものであり、1つの列の両端のレンズの第1面と赤外線センサの受光面とが比較的浅い角度で交差するから、各レンズを一体に成形する場合に金型を抜きやすく、製造コストを比較的低く抑えることができるという利点がある。
【0070】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記複数個のレンズが外側面が滑らかに連続する凸曲面となったドーム部に一体に配列され、各レンズの第1面がドーム部の外側面に一致するものであり、ドーム部の外側面が滑らかに連続する凸曲面になるから、優れた外観を呈するという利点がある。
【0071】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、1つの列に並ぶレンズの両端に位置するレンズの第一面の最大高さ位置に立てた法線が、レンズの中心から前記ミラーを介して赤外線センサの受光面の中心を見込む直線に略一致するものであり、レンズを通る赤外線のうちミラーにより反射される光量を赤外線センサに直接入射する光量よりも多くすることになるから、赤外線センサの受光面に対してもっとも大きい角度でレンズに入射する赤外線に対する感度を比較的高く保つことができるという利点がある。また、ミラーによる損失にもかかわらず、レンズを通して赤外線センサに直接入射する赤外線との感度差を小さくすることができるという利点がある。
【0072】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、1つの列に並ぶレンズの両端に位置するレンズの第一面を他のレンズよりも突出した凸曲面としたものであり、レンズにおける赤外線センサ側の面を平面とすることができるから、各レンズを一体に成形する場合に金型の形状が比較的簡単になり、製造コストを比較的低く抑えることができるという利点がある。
【0073】
請求項6の発明は、請求項1の発明において、1つの列に並ぶレンズの両端に位置するレンズの第一面の最大高さ位置に立てた法線が赤外線センサの受光面に対してなす角度が、レンズの中心と赤外線センサの受光面の中心とを結ぶ直線が赤外線センサの受光面に対してなす角度と、レンズの中心から前記ミラーを介して赤外線センサの受光面の中心を見込む直線が赤外線センサの受光面に対してなす角度との中間の角度に設定されているものであり、金型構造を簡単にして製造を比較的容易としながらも、1つの列の両端のレンズを通して赤外線センサに直接入射する赤外線とミラーを介して赤外線センサに入射する赤外線とに対する感度差を抑制することができるという利点がある。
【0074】
請求項7の発明は、請求項1の発明において、1つの列に並ぶレンズの両端に位置するレンズを通る赤外線の光線束のうち赤外線センサの受光面に直接入射する光線束と前記ミラーを介して赤外線センサの受光面に入射する光線束とが交差する部位よりも赤外線センサの受光面から離れた部位で移動自在である遮光部材が設けられ、遮光部材により一部のレンズへの赤外線の入射を阻止可能としたものであり、遮光部材を移動させることによって検知エリアを容易に調節することができ、遮光部材を貼着する場合のような手間がかからないという利点がある。しかも、1つのレンズを通る光線束の交差部位よりも外側に遮光部材を配置しているから、遮光部材を移動させることで検知エリアの広狭と遮光部材の位置とを一致させることができるという利点がある。
【0075】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、赤外線センサの受光面と前記交差部位との距離を小さくするように赤外線の光線束の一部を遮光する遮光片を前記ミラーに設けたものであり、遮光片を設けたことによって遮光部材の位置を赤外線センサに近付けることができるから、小型化につながるという利点がある。
【0076】
請求項9の発明は、請求項7の発明において、赤外線センサの受光面と前記交差部位との距離を小さくするように赤外線の光線束の一部を遮光する遮光壁を赤外線センサの受光面の側方に設けたものであり、遮光壁を設けたことによって遮光部材の位置を赤外線センサに近付けることができて小型化につながるとともに、ミラーを介して赤外線センサに入射する赤外線よりも損失量が少ない経路で赤外線の一部を遮光するから、最小感度の低下がなく、比較的高い感度に保つことができるという利点がある。
【0077】
請求項10の発明は、請求項1の発明において、前記ミラーが、少なくとも一部のレンズを通る赤外線のうち赤外線センサの受光面の中心と1つの列の各レンズの中心とを含む曲面に交差する赤外線の一部を赤外線センサの受光面に向かって変向させる反射部を備えるものであり、レンズの配列方向だけではなく、レンズの配列方向に交差する方向においても検知エリアを広げることができるという利点がある。つまり、検知エリアに死角の少ない人体検知器を提供することができ、しかも、レンズを検知エリア内の複数の領域で兼用することになるから、全体的に小型化されるという利点がある。
【0078】
請求項11の発明は、請求項10の発明において、前記反射部が複数の反射面を備えるものであり、反射部を複数設けることによって、すべてのレンズに共通の反射面を形成する必要がないから、反射面の調整が容易になるという利点がある。
【0079】
請求項12の発明は、請求項11の発明において、1つの列に並ぶレンズのうちの1つが赤外線センサの受光面の正面側に配置され、前記反射部は、このレンズを通して入射する赤外線のみを反射して赤外線センサに入射させる反射面を備えるものであり、赤外線センサの正面側に配置されたレンズを通った赤外線が専用の反射面を介して赤外線センサに入射するから、反射面の調整が一層容易になるという利点がある。
【0080】
請求項13の発明は、請求項11または請求項12の発明において、前記各反射面が1つの列に並ぶ各レンズごとに設けられているものであり、レンズごとに反射面を調節するから、赤外線センサにより精度よく赤外線を導くことができるという利点がある。
【0081】
請求項14の発明は、請求項10ないし請求項13の発明において、前記レンズが2列設けられているものであり、赤外線センサの受光面に対する入射角度の小さい赤外線については反射部を介さずにレンズから赤外線センサに直接入射させるようにすれば、両側のレンズを通る赤外線を変向するためのミラーによるけられを低減することができ、結果的に高い感度を保つことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、(a)は要部分解斜視図、(b)は要部の概略正面図である。
【図2】同上に用いる回路のブロック図である。
【図3】同上の動作説明図である。
【図4】同上の動作説明図である。
【図5】同上に用いる赤外線センサの正面図である。
【図6】同上の検知エリアの設定例を示す動作説明図である。
【図7】同上に用いるレンズ本体を示し、(a)は断面図、(b)は背面図、(c)は正面図である。
【図8】同上に用いるレンズ本体の水平断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態を示す要部の概略正面図である。
【図10】同上の動作説明図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態を示す要部の概略正面図である。
【図12】同上の検知エリアの設定例を示す動作説明図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態を示す要部の概略正面図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態を示す要部の概略正面図である。
【図15】本発明の第6の実施の形態を示す要部の概略断面図である。
【図16】本発明の第7の実施の形態を示す要部の概略断面図である。
【図17】同上の他の構成例を示す要部の概略断面図である。
【図18】本発明の第8の実施の形態を示す要部の概略断面図である。
【図19】本発明の第9の実施の形態を示す要部の概略断面図である。
【図20】本発明において遮光部材を設けた例を示す概略断面図である。
【図21】同上において遮光片を設けた例を示す概略断面図である。
【図22】同上において遮光壁を設けた例を示す概略断面図である。
【図23】従来例を示す検知エリアの設定例を示す動作説明図である。
【図24】従来例を示し、(a)は要部断面図、(b)は要部正面図である。
【符号の説明】
1 赤外線センサ(センサ)
2 レンズ本体
3 ミラー
4 光学系
5 遮光部材
6 遮光片
7 遮光壁
21 レンズ
22 ドーム部
25a,25b ガイド片
33 第1反射部
34 第2反射部
Claims (14)
- 人体から放射される赤外線を検出する赤外線センサと、赤外線センサの受光面の前方で列設され赤外線センサの視野内に感度むらを付与することにより赤外線センサに複数本の検知ビームを入射させる複数個のレンズと、各レンズを通して赤外線センサに入射する検知ビームの本数をレンズの個数よりも多くするように少なくとも1つの列に並ぶレンズの両端に位置するレンズを複数本の検知ビームに共用させ当該レンズを通る検知ビームのうち赤外線センサの受光面に直接入射しない検知ビームの一部を赤外線センサの受光面に向かって変向させるミラーとを備え、レンズを共用する複数本の検知ビームのうちミラーで反射される検知ビームは、レンズの並ぶ方向において赤外線センサの受光面の正面に対する角度がミラーで反射されない検知ビームよりも大きく、かつ赤外線センサに対してレンズより遠方では他のレンズを通る検知ビームとは交差しないように設定されていることを特徴とする赤外線式人体検知器。
- 1つの列に並ぶレンズの両端に位置するレンズは、第一面の最大高さ位置に立てた法線が、レンズの中心と赤外線センサの受光面の中心とを結ぶ直線に略一致することを特徴とする請求項1記載の赤外線式人体検知器。
- 前記複数個のレンズは外側面が滑らかに連続する凸曲面となったドーム部に一体に配列され、各レンズの第1面がドーム部の外側面に一致することを特徴とする請求項1または請求項2記載の赤外線式人体検知器。
- 1つの列に並ぶレンズの両端に位置するレンズは、第一面の最大高さ位置に立てた法線が、レンズの中心から前記ミラーを介して赤外線センサの受光面の中心を見込む直線に略一致することを特徴とする請求項1記載の赤外線式人体検知器。
- 1つの列に並ぶレンズの両端に位置するレンズは、第一面が他のレンズよりも突出した凸曲面であることを特徴とする請求項4記載の赤外線式人体検知器。
- 1つの列に並ぶレンズの両端に位置するレンズは、第一面の最大高さ位置に立てた法線が赤外線センサの受光面に対してなす角度が、レンズの中心と赤外線センサの受光面の中心とを結ぶ直線が赤外線センサの受光面に対してなす角度と、レンズの中心から前記ミラーを介して赤外線センサの受光面の中心を見込む直線が赤外線センサの受光面に対してなす角度との中間の角度に設定されていることを特徴とする請求項1記載の赤外線式人体検知器。
- 1つの列に並ぶレンズの両端に位置するレンズを通る赤外線の光線束のうち赤外線センサの受光面に直接入射する光線束と前記ミラーを介して赤外線センサの受光面に入射する光線束とが交差する部位よりも赤外線センサの受光面から離れた部位で移動自在である遮光部材が設けられ、遮光部材により一部のレンズへの赤外線の入射が阻止可能であることを特徴とする請求項1記載の赤外線式人体検知器。
- 赤外線センサの受光面と前記交差部位との距離を小さくするように赤外線の光線束の一部を遮光する遮光片を前記ミラーに設けたことを特徴とする請求項7記載の赤外線式人体検知器。
- 赤外線センサの受光面と前記交差部位との距離を小さくするように赤外線の光線束の一部を遮光する遮光壁を赤外線センサの受光面の側方に設けたことを特徴とする請求項7記載の赤外線式人体検知器。
- 前記ミラーは、少なくとも一部のレンズを通る赤外線のうち赤外線センサの受光面の中心と1つの列の各レンズの中心とを含む曲面に交差する赤外線の一部を赤外線センサの受光面に向かって変向させる反射部を備えることを特徴とする請求項1記載の赤外線式人体検知器。
- 前記反射部は複数の反射面を備えることを特徴とする請求項10記載の赤外線式人体検知器。
- 1つの列に並ぶレンズのうちの1つは赤外線センサの受光面の正面側に配置され、前記反射部は、このレンズを通して入射する赤外線のみを反射して赤外線センサに入射させる反射面を備えることを特徴とする請求項11記載の赤外線式人体検知器。
- 前記各反射面は1つの列に並ぶ各レンズごとに設けられていることを特徴とする請求項11または請求項12記載の赤外線式人体検知器。
- 前記レンズは2列設けられていることを特徴とする請求項10ないし請求項13のいずれかに記載の赤外線式人体検知器。
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