JP3616336B2 - 画像処理装置、情報処理システム、及びデータ処理方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、情報処理システム、及びデータ処理方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
周知の様に、プリンターやデジタル複合機等の装置は、複数の端末装置からネットワークを通じて画像やテキスト等を用紙に記録するというそれぞれのジョブの実行を依頼され、これらのジョブを順次又は優先順位に従って実行する。このときに用紙切れ、用紙ジャム、トナー切れ等が発生して、ジョブの実行が中断すると、このジョブを依頼してきた端末装置に、エラーの発生をネットワークを通じて通知する。この端末装置のユーザーは、エラーの通知を見て、装置まで出向き、この装置のエラーを解消して、ジョブの実行を再開させる。
【０００３】
しかしながら、エラーの通知先のユーザーが不在であれば、装置のエラーが解消されず、他のジョブが何時まで経っても実行されないという不都合を生じる。
【０００４】
このため、特開平１１−８７２７号公報においては、エラーが発生すると、このエラーの影響を受ける全てのジョブを検索し、これらのジョブの実行を依頼してきたそれぞれの端末装置に、エラーの発生をネットワークを通じて通知するという技術が提案されている。この様にエラーの発生を複数の端末装置に通知すれば、いずれかの端末装置のユーザーによって装置のエラーが解消される。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の様にエラーの発生を端末装置に通知しても、エラーの発生がユーザに知らされたとは限らない。例えば、エラーの発生を示すメッセージを端末装置に送信しても、端末装置側で、メッセージが開封されて、その内容が表示されなければ、エラーの発生がユーザに知らされない。エラーの発生を複数の端末装置に通知したとしても、これが習慣になれば、他人任せとなり易く、いずれの端末装置でも、メッセージが開封されないことがあり得る。この結果、何時まで経っても、エラーが解消されず、ユーザのジョブが実行されないという事態を招く。
【０００６】
そこで、本発明は、上記従来の問題点を解決するために、エラーの発生を通知するだけでなく、この通知に対するユーザの確認状態を監視する画像処理装置、情報処理システム、及びデータ処理方法を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、クライアントからネットワークを通じてジョブの実行を依頼され、エラーの発生に際しては、このジョブの実行を依頼してきたクライアントに、エラーの発生をネットワークを通じて通知する画像処理装置において、エラーの発生の通知に対するクライアントの確認状態を監視するエラージョブ管理手段を備えている。
【０００８】
この様な構成の画像処理装置によれば、エラーの発生の通知に対するクライアントの確認状態を監視しているので、エラーの発生の通知がクライアントにより確認されなければ、エラーを早期に解消するための処置を適宜に施すことができ、画像処理装置の使用効率の向上を図ることができる。
【０００９】
また、本発明においては、エラーの発生を通知してから、予め設定された第１時間を経過するまでに、クライアントによってエラーの発生の通知が確認されなければ、エラーの発生をネットワーク上の予め登録された装置に通知している。
【００１０】
あるいは、本発明においては、クライアントがエラーの発生を確認してから、予め設定された第２時間を経過するまでに、エラーが解消されなければ、エラーの発生をネットワーク上の予め登録された装置に通知している。
【００１１】
この様にエラーの発生の通知がクライアントにより確認されないまま、第１時間が経過したり、エラーが解消されないまま、第２時間が経過したときに、エラーの発生をネットワーク上の予め登録された装置に通知する。例えば、エラーの発生を他のクライアントや管理者の端末装置に通知する。これにより、エラーを早期に解消することが可能となり、画像処理装置の使用効率の向上を図ることができる。
【００１２】
次に、本発明は、クライアントと、クライアントにネットワークを通じて接続された画像処理装置とを備え、画像処理装置は、クライアントからネットワークを通じてジョブの実行を依頼され、エラーの発生に際しては、このジョブの実行を依頼してきたクライアントに、エラーの発生をネットワークを通じて通知する情報処理システムにおいて、クライアントは、エラーの発生の通知を受けると、エラーの発生の通知に対する確認状態をネットワークを通じて画像処理装置に通知し、画像処理装置は、確認状態の通知を受けて、この確認状態を監視している。
【００１３】
この様な構成の情報処理システムでも、画像処理装置は、エラーの発生の通知に対するクライアントの確認状態を監視しており、エラーの発生の通知がクライアントにより確認されなければ、エラーを早期に解消するための適宜の処置を施すことができる。
【００１４】
また、本発明においては、画像処理装置は、エラーの発生を通知してから、予め設定された時間を経過するまでに、確認状態の通知を受けなければ、エラーの発生をネットワーク上の予め登録された装置に通知している。
【００１５】
例えば、所定の時間が経過したときに、エラーの発生を他のクライアントや管理者の端末装置に通知する。これにより、エラーを早期に解消することが可能となり、画像処理装置の使用効率の向上を図ることができる。
【００１６】
更に、本発明においては、クライアントは、エラーの発生を示すメッセージを受け取り、このメッセージが開封されると、エラーの発生が確認されたという確認状態を画像処理装置に通知している。
【００１７】
あるいは、本発明においては、クライアントは、エラーの発生を示すメッセージを受け取り、このメッセージに対する入力操作がなされると、エラーの発生が確認されたという確認状態を画像処理装置に通知している。
【００１８】
この様にメッセージが開封されたり、メッセージに対する入力操作がなされたときには、エラーの発生が確認されたものとみなし、エラーの発生が確認されたことを画像処理装置に通知する。
【００１９】
更に、本発明においては、画像処理装置は、エラーの発生を通知してから、予め設定された時間を経過するまでに、エラーが解消されなければ、エラーの発生をネットワーク上の予め登録された装置に通知している。
【００２０】
例えば、所定の時間が経過したときに、エラーの発生を他のクライアントや管理者の端末装置に通知し、これによりエラーの早期解消、及び画像処理装置の使用効率の向上を図る。
【００２１】
次に、本発明は、クライアントからネットワークを通じてジョブの実行を依頼され、エラーの発生に際しては、このジョブの実行を依頼してきたクライアントに、エラーの発生をネットワークを通じて通知する画像処理装置のデータ処理方法において、エラーの発生の通知に対するクライアントの確認状態を監視するステップと、エラーの発生を通知してからの時間を計時するステップと、予め設定された時間を経過するまでに、エラーの発生の通知が確認されなければ、エラーの発生をネットワーク上の装置に通知するステップとを含んでいる。
【００２２】
この様な画像処理装置のデータ処理方法でも、画像処理装置は、エラーの発生の通知に対するクライアントの確認状態を監視しており、エラーの発生の通知がクライアントにより確認されないまま、所定の時間が経過すると、例えばエラーの発生を同一のクライアントに再度通知したり、エラーの発生を管理者の端末装置に通知し、これによりエラーの早期解消、及び画像処理装置の使用効率の向上を図っている。
【００２３】
また、本発明は、クライアントからネットワークを通じてジョブの実行を依頼され、エラーの発生に際しては、このジョブの実行を依頼してきたクライアントに、エラーの発生をネットワークを通じて通知する画像処理装置のデータ処理方法において、エラーの発生の通知に対するクライアントの確認状態を監視するステップと、エラーの発生を通知してからの時間、及びクライアントがエラーの発生を確認してからの時間を計時するステップと、エラーの発生を通知してからの時間が予め設定された第１時間を経過するまでに、エラーの発生の通知が確認されないか、エラーの発生を確認してからの時間が予め設定された第２時間を経過するまでに、エラーが解消されなければ、エラーの発生をネットワーク上の装置に通知するステップとを含んでいる。
【００２４】
この画像処理装置のデータ処理方法では、エラーの発生の通知がクライアントにより確認されないまま、第１時間が経過したり、エラーが解消されないまま、第２時間が経過すると、例えばエラーの発生を同一のクライアントに再度通知したり、エラーの発生を管理者の端末装置に通知している。
【００２５】
更に、本発明においては、エラーの発生が通知されるネットワーク上の装置を画像処理装置に予め登録している。
【００２６】
この場合、エラーの発生の通知先として、任意の装置を設定することができる。例えば、この画像処理装置そのものでも良いし、他のクライアント、各種の端末装置を設定しても構わない。
【００２７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【００２８】
図１は、本発明の情報処理システムの一実施形態を示すブロック図である。本実施形態の情報処理システムは、各コンピュータ１，２，３と、携帯端末装置４と、各画像処理装置５，６と、これらを相互に接続するローカルエリアネットワークＬＡＮとを備えている。画像処理装置５は、コピー機能、プリント機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、及びインターネットファクシミリ機能等を有する多機能型のデジタル複合機である。また、画像処理装置６は、プリンタ機能のみを有している。
【００２９】
各コンピュータ１〜３及び携帯端末装置４は、画像やテキスト等のデータのプリント要求があると、プリント可能であるか否かをネットワークＬＡＮを通じて各画像処理装置５，６のいずれかに問い合わせる。例えば、コンピュータ１からネットワークＬＡＮを通じて画像処理装置５へと、プリント可能であるか否かを問い合わせる。そして、コンピュータ１は、画像処理装置５によるプリントが可能であることを確認すると、データをネットワークＬＡＮを通じて画像処理装置５に送信する。画像処理装置５は、このデータを展開して、画像やテキスト等を用紙に記録し、この用紙を排出する。このとき、このデータを記録するというプリントジョブの進行状況等が画像処理装置５からネットワークＬＡＮを通じてコンピュータ１へと送信され、コンピュータ１側で、この進行状況が表示される。他の各コンピュータ２，３及び携帯端末装置４のいずれであっても、また他の画像処理装置６であっても、同一の手順で、データの記録が行われる。
【００３０】
図２は、多機能型のデジタル複合機である画像処理装置５を示すシステムブロック図である。この画像処理装置５は、ＣＰＵ１１と、ＲＡＭ１２と、ＲＯＭ１３と、外部記憶装置１４と、数字や記号、あるいは画像等を表示する表示部１５と、各種の条件や指示等を入力するために操作される操作部１６と、表示部１５及び操作部１６を制御するユーザインターフェース１７と、データを用紙に記録するプリンタデバイス１８と、原稿の画像を読み取るスキャナデバイス１９と、ファクシミリ通信を行うファクシミリデバイス２０と、各デバイス１８，１９，２０を制御するエンジンインターフェース２１と、ネットワークＬＡＮに対する接続制御を行い、各種のデータを送受するネットワークインターフェース２２と、これらを相互に接続するシステムバス２３とを備えている。
【００３１】
ＣＰＵ１１は、ＲＯＭ１３に記憶されている制御プログラム等に基づいて、システムバス２３に接続されている各部位の相互間のアクセスを統括的に制御する。
【００３２】
ＲＯＭ１３は、上記制御プログラムの他に、フォントデータ等を記憶している。
【００３３】
ＲＡＭ１２は、ＣＰＵ１１がプログラムを実行するためのワークエリアとして機能する。
【００３４】
外部記憶装置１４は、ハードディスク等であり、画像処理装置５に受け取ったプリントジョブをスプールしたり、プログラムや各種のデータを格納し、その一方でワークエリアとしても利用される。
【００３５】
表示部１５としては、ドットマトリクス型の表示画面を持つものが好ましく、例えば液晶表示パネルが挙げられる。この表示部１５の表示画面にタッチパネルを設けても良い。これにより、表示画面上の表示に従って、タッチパネルを触れるという入力操作が可能となり、画像処理装置５への入力内容が複雑であっても、入力操作が複雑化せずに済む。従って、ユーザにとっては操作性が向上し、また操作部１６の操作キーの数を低減する等、操作部１６の構成の簡単化を図ることができる。
【００３６】
図３は、多機能型のデジタル複合機である画像処理装置５を示す機能ブロック図である。尚、図３において、図２と同様の機能を果たす部位には同じ符号を付している。
【００３７】
図３において、プリント待ちジョブキュー３１、回線待ちジョブキュー３２、スキャナ待ちジョブキュー３３、及び登録データ３４は、ＲＡＭ１２もしくは外部記憶装置１４内に形成される。また、ＲＯＭ１３内のそれぞれのプログラムをＣＰＵ１１により実行し、それぞれの処理をＲＡＭ１２内のワークエリアを用いて行うことにより、ジョブ管理部３５、エラージョブ管理部３６、及びジョブ実行コントロール部３７の機能が果たされる。
【００３８】
図４は、画像処理装置５におけるジョブの格納処理を示すフローチャートである。
【００３９】
まず、画像処理装置５では、各コンピュータ１〜３及び携帯端末装置４のいずれかよりネットワークＬＡＮを通じてジョブが送信されてくると、このジョブをネットワークインターフェース２２で受信して、このジョブをジョブ管理部３５に入力する（ステップＳ４０１）。
【００４０】
ジョブ管理部３５は、ジョブの種類、ジョブの優先度、ジョブを依頼してきた装置、及びユーザの識別データ等を該ジョブの付随データから抽出してＲＡＭ１２もしくは外部記憶装置１４に記憶する（ステップＳ４０２）。そして、ジョブ管理部３５は、ジョブの種類に応じて、このジョブを各ジョブキュー３１，３２，３３のいずれに格納するのかを決定する。更に、ジョブ管理部３５は、ジョブの優先度に基づいて、ジョブの実行順序を決定し、この実行順序で、ジョブを先に決定したジョブキューに挿入する（ステップＳ４０３）。これにより、プリンタデバイス１８によるデータの記録に係わるジョブがプリント待ちジョブキュー３１に格納され、またスキャナデバイス１９による原稿の読み取りに係わるジョブがスキャナ待ちジョブキュー３３に格納され、更にファクシミリデバイス２０によるファクシミリ通信に係わるジョブが回線待ちジョブキュー３２に格納される。
【００４１】
図５は、画像処理装置５におけるジョブの実行処理を示すフローチャートである。
【００４２】
まず、ジョブ実行コントロール部３７は、各ジョブキュー３１，３２，３３のいずれかより先頭のジョブを取り出す（ステップＳ５０１）。ジョブ実行コントロール部３７は、ジョブを実行するときに占有されるデバイス資源の動作状態、例えばメモリや各デバイス１８〜２０の動作状態を監視し（ステップＳ５０２）、取り出したジョブが実行可能か否かを判定する（ステップＳ５０３）。そして、実行可能でなければ（ステップＳ５０３，Ｎｏ）、デバイス資源の動作状態の監視を続ける（ステップＳ５０２）。
【００４３】
また、実行可能であれば（ステップＳ５０３，Ｙｅｓ）、ジョブ実行コントロール部３７は、デバイス資源を動作させて、ジョブを実行する（ステップＳ５０４）。
【００４４】
この後、各ジョブキューのいずれかにジョブがあれば（ステップＳ５０５，Ｙｅｓ）、ステップＳ５０１に戻り、ジョブが無ければ（ステップＳ５０５，Ｎｏ）、この処理を終了する。
【００４５】
図６は、画像処理装置５におけるエラー処理を示すフローチャートである。
【００４６】
まず、例えばプリンタデバイス１８においてトナー切れ、用紙ジャム、用紙切れ等のエラーが発生すると、ジョブ実行コントロール部３７は、エラーの発生と種類をジョブ管理部３５に通知する（ステップＳ６０１）。
【００４７】
ジョブ管理部３５は、エラーの種類に応じて、このエラーにより実行に影響が出る全てのジョブ、つまりエラーの発生を招いたジョブ及びプリント待ちジョブキュー３１の全てのジョブに関するデータをＲＡＭ１２もしくはハードディスク１４から検索して（ステップＳ６０２）、これらのジョブの実行を依頼してきたそれぞれの装置並びにユーザの識別データを読み出し（ステップＳ６０３）、エラーの発生と種類、及び該各装置並びにユーザの識別データをエラージョブ管理部３６に通知する（ステップＳ６０４）。
【００４８】
エラージョブ管理部３６は、エラーの種類に応じて、ＲＡＭ１２もしくはハードディスク１４に予め記憶されている複数のエラーメッセージのいずれかを選択する（ステップＳ６０５）。また、エラージョブ管理部３６は、エラーの影響を受ける各ジョブの実行を依頼してきたそれぞれの装置並びにユーザの識別データを用いて、これらの装置並びにユーザの氏名等を登録データ３４から検索し（ステップＳ６０６）、各ユーザの氏名を該各ユーザのジョブの実行順序に従って配列したエラー情報通知先リストを生成する。更に、エラージョブ管理部３６は、各装置並びにユーザの識別データを用いて、エラーメッセージ及びエラー情報通知先リストをネットワークインターフェース２２を通じて該各装置に送信する（ステップＳ６０７）。そして、エラージョブ管理部３６は、このエラーメッセージの送信と同時に、時間Ｔ１ の計時を開始する（ステップＳ６０８）。
【００４９】
各コンピュータ１〜３や携帯端末装置４（以下端末装置と称す）は、エラーの影響を受けるジョブの実行を画像処理装置５に依頼していれば、エラーメッセージ及びエラー情報通知先リストを受け取る。そして、ジョブの実行を依頼した各端末装置は、他のアプリケーションの実行中であっても、まずエラーメッセージに含まれる図７に示す様な表題７１、つまりエラーメッセージを受け取ったことを示す内容を表示画面に表示する。この表示画面上で、表題７１をダブルクリックするか、あるいは「詳細」というボタン７１ａをクリックすると、各端末装置は、図８に示す様なエラーメッセージの内容を示すメッセージテキスト７２及びエラー情報通知先リスト７３を表示画面に表示する。これにより、エラー情報通知先リスト７３の各ユーザは、画像処理装置５のエラーの発生を知ることができ、互いに連絡を取り合って、エラーの解消のためにいずれのユーザが画像処理装置５へと出向くかを決めることができる。
【００５０】
ジョブの実行を依頼した各端末装置は、メッセージテキスト７２及びエラー情報通知先リスト７３を表示すると、エラーメッセージを確認したことを示す確認情報を画像処理装置５に送信する。
【００５１】
また、ジョブの実行を依頼した各端末装置は、図７の表題７１を表示画面に表示したものの、表題７１のダブルクリックあるいは「詳細」というボタン７１ａのクリックが行わなければ、図８のメッセージテキスト７２及びエラー情報通知先リスト７３を表示せず、確認情報を画像処理装置５に送信することもない。
【００５２】
尚、メッセージテキスト７２及びエラー情報通知先リスト７３を表示したときではなく、メッセージテキスト７２及びエラー情報通知先リスト７３の表示画面を閉じたとき、あるいは図８に示す「確認」というボタン７４やチェックボックス（図示せず）をクリックしたときに、エラーメッセージを確認したことを示す確認情報を送信しても構わない。
【００５３】
画像処理装置５のエラージョブ管理部３６は、確認情報の受信を待機しており（ステップＳ６０９）、確認情報をネットワークインターフェース２２を通じて受信したか否かの判定（ステップＳ６１０）と、エラーメッセージの送信と同時に計時を開始した時間Ｔ１ が予め設定された第１時間に達したか否かの判定（ステップＳ６１１）とを繰り返す。そして、時間Ｔ１ が第１時間に達する前に（ステップＳ６１１，Ｎｏ）、確認情報を受信すると（ステップＳ６１０，Ｙｅｓ）、エラージョブ管理部３６は、時間Ｔ２ の計時を開始する（ステップＳ６１３）。
【００５４】
この後、エラージョブ管理部３６は、画像処理装置５のエラーの解消を監視し（ステップＳ６１４）、エラーを解消するための処理が開始されたか否かの判定（ステップＳ６１５）と、確認情報の受信と同時に計時を開始した時間Ｔ２ が予め設定された第２時間に達したか否かの判定（ステップＳ６１６）とを繰り返す。ここで、時間Ｔ２ が第２時間に達する前に（ステップＳ６１６，Ｎｏ）、エラーを解消するための処理が開始されると（ステップＳ６１５，Ｙｅｓ）、エラージョブ管理部３６は、画像処理装置５のエラーが解消されたことを確認してから（ステップＳ６１７）、この図６の処理を終了する。
【００５５】
また、確認情報を受信しないまま（ステップＳ６１０，Ｎｏ）、時間Ｔ１ が第１時間に達したり（ステップＳ６１１，Ｙｅｓ）、あるいは確認情報を受信しても、エラーを解消するための処理が開始されないまま（ステップＳ６１５，Ｎｏ）、時間Ｔ２ が第２時間に達すると（ステップＳ６１６，Ｙｅｓ）、エラージョブ管理部３６は、エラーの解消がなされないものとみなして、予め設定された端末装置（ネットワークＬＡＮに接続されている）の他のユーザもしくは管理者の識別データ等を登録データ３４から検索し、この端末装置並びに他のユーザもしくは管理者の識別データを用いて、エラーメッセージ及びエラー情報通知先リストをネットワークインターフェース２２を通じて該端末装置に送信する（ステップＳ６１２）。この端末装置でも、エラーメッセージ及びエラー情報通知先リストを図７及び図８に示す様に表示画面に表示する。
【００５６】
この端末装置の他のユーザもしくは管理者は、画像処理装置５のエラーを解消するための代理人である。このため、他のユーザもしくは管理者は、エラーメッセージを受け取ると、画像処理装置５へと直ちに出向いて、画像処理装置５のエラーを解消する。
【００５７】
この様に本実施形態では、画像処理装置５のエラーが発生すると、このエラーの発生をユーザの端末に通知するだけでなく、このエラーの発生の通知に対するユーザの確認状態を監視し、エラーの発生の通知が確認されなかったり、あるいは確認されても、エラーが解消されなければ、エラーの発生を予め定められた他のユーザもしくは管理人に通知している。このため、画像処理装置５のエラーが放置されずに速やかに解消され、画像処理装置５の使用効率を向上させることができる。
【００５８】
尚、本実施形態では、画像処理装置５の処理を例示しているが、全く同様の処理を画像処理装置６でも行うことができる。また、ユーザの装置の表示内容を多様に変形しても良い。更に、画像処理装置５は、確認情報の受信を待機せずに、エラーメッセージの送信先の各装置を巡回して、エラーメッセージが確認されているか否かをチェックしても良い。また、エラーの発生の通知が確認されなかったり、エラーが解消されなければ、エラーメッセージを同じ装置に再度送信しても構わない。あるいは、エラーの発生を予め定められた他のユーザもしくは管理人に通知したときにも、エラーの発生の通知に対する確認状態を監視し、エラーの発生の通知が確認されなかったり、あるいはエラーが解消されなければ、更に別のユーザもしくは管理人に、エラーの発生を通知しても構わない。
【００５９】
【発明の効果】
以上説明した様に本発明によれば、エラーの発生の通知に対するクライアントの確認状態を監視しているので、エラーの発生の通知がクライアントにより確認されなければ、エラーを早期に解消するための処置を適宜に施すことができ、画像処理装置の使用効率の向上を図ることができる。
【００６０】
また、本発明によれば、エラーの発生の通知がクライアントにより確認されないまま、第１時間が経過したり、エラーが解消されないまま、第２時間が経過したときに、エラーの発生をネットワーク上の予め登録された装置に通知する。例えば、エラーの発生を他のクライアントや管理者の端末装置に通知する。これにより、エラーを早期に解消することが可能となり、画像処理装置の使用効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の情報処理システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図２】図１のシステムにおける多機能型のデジタル複合機である画像処理装置を示すシステムブロック図である。
【図３】図２の画像処理装置を示す機能ブロック図である。
【図４】図３の画像処理装置におけるジョブの格納処理を示すフローチャートである。
【図５】図３の画像処理装置におけるジョブの実行処理を示すフローチャートである。
【図６】図３の画像処理装置におけるエラー処理を示すフローチャートである。
【図７】エラーメッセージを受け取ったことを示す表題を示す図である。
【図８】エラーメッセージの内容を示すメッセージテキスト及びエラー情報通知先リストを示す図である。
【符号の説明】
１，２，３ コンピュータ
４ 携帯端末装置
５，６ 画像処理装置
１１ ＣＰＵ
１２ ＲＡＭ
１３ ＲＯＭ
１４ 外部記憶装置
１５ 表示部
１６ 操作部
１７ ユーザインターフェース
１８ プリンタデバイス
１９ スキャナデバイス
２０ ファクシミリデバイス
２１ エンジンインターフェース
２２ ネットワークインターフェース
２３ システムデバイス
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、情報処理システム、及びデータ処理方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
周知の様に、プリンターやデジタル複合機等の装置は、複数の端末装置からネットワークを通じて画像やテキスト等を用紙に記録するというそれぞれのジョブの実行を依頼され、これらのジョブを順次又は優先順位に従って実行する。このときに用紙切れ、用紙ジャム、トナー切れ等が発生して、ジョブの実行が中断すると、このジョブを依頼してきた端末装置に、エラーの発生をネットワークを通じて通知する。この端末装置のユーザーは、エラーの通知を見て、装置まで出向き、この装置のエラーを解消して、ジョブの実行を再開させる。
【０００３】
しかしながら、エラーの通知先のユーザーが不在であれば、装置のエラーが解消されず、他のジョブが何時まで経っても実行されないという不都合を生じる。
【０００４】
このため、特開平１１−８７２７号公報においては、エラーが発生すると、このエラーの影響を受ける全てのジョブを検索し、これらのジョブの実行を依頼してきたそれぞれの端末装置に、エラーの発生をネットワークを通じて通知するという技術が提案されている。この様にエラーの発生を複数の端末装置に通知すれば、いずれかの端末装置のユーザーによって装置のエラーが解消される。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の様にエラーの発生を端末装置に通知しても、エラーの発生がユーザに知らされたとは限らない。例えば、エラーの発生を示すメッセージを端末装置に送信しても、端末装置側で、メッセージが開封されて、その内容が表示されなければ、エラーの発生がユーザに知らされない。エラーの発生を複数の端末装置に通知したとしても、これが習慣になれば、他人任せとなり易く、いずれの端末装置でも、メッセージが開封されないことがあり得る。この結果、何時まで経っても、エラーが解消されず、ユーザのジョブが実行されないという事態を招く。
【０００６】
そこで、本発明は、上記従来の問題点を解決するために、エラーの発生を通知するだけでなく、この通知に対するユーザの確認状態を監視する画像処理装置、情報処理システム、及びデータ処理方法を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、クライアントからネットワークを通じてジョブの実行を依頼され、エラーの発生に際しては、このジョブの実行を依頼してきたクライアントに、エラーの発生をネットワークを通じて通知する画像処理装置において、エラーの発生の通知に対するクライアントの確認状態を監視するエラージョブ管理手段を備えている。
【０００８】
この様な構成の画像処理装置によれば、エラーの発生の通知に対するクライアントの確認状態を監視しているので、エラーの発生の通知がクライアントにより確認されなければ、エラーを早期に解消するための処置を適宜に施すことができ、画像処理装置の使用効率の向上を図ることができる。
【０００９】
また、本発明においては、エラーの発生を通知してから、予め設定された第１時間を経過するまでに、クライアントによってエラーの発生の通知が確認されなければ、エラーの発生をネットワーク上の予め登録された装置に通知している。
【００１０】
あるいは、本発明においては、クライアントがエラーの発生を確認してから、予め設定された第２時間を経過するまでに、エラーが解消されなければ、エラーの発生をネットワーク上の予め登録された装置に通知している。
【００１１】
この様にエラーの発生の通知がクライアントにより確認されないまま、第１時間が経過したり、エラーが解消されないまま、第２時間が経過したときに、エラーの発生をネットワーク上の予め登録された装置に通知する。例えば、エラーの発生を他のクライアントや管理者の端末装置に通知する。これにより、エラーを早期に解消することが可能となり、画像処理装置の使用効率の向上を図ることができる。
【００１２】
次に、本発明は、クライアントと、クライアントにネットワークを通じて接続された画像処理装置とを備え、画像処理装置は、クライアントからネットワークを通じてジョブの実行を依頼され、エラーの発生に際しては、このジョブの実行を依頼してきたクライアントに、エラーの発生をネットワークを通じて通知する情報処理システムにおいて、クライアントは、エラーの発生の通知を受けると、エラーの発生の通知に対する確認状態をネットワークを通じて画像処理装置に通知し、画像処理装置は、確認状態の通知を受けて、この確認状態を監視している。
【００１３】
この様な構成の情報処理システムでも、画像処理装置は、エラーの発生の通知に対するクライアントの確認状態を監視しており、エラーの発生の通知がクライアントにより確認されなければ、エラーを早期に解消するための適宜の処置を施すことができる。
【００１４】
また、本発明においては、画像処理装置は、エラーの発生を通知してから、予め設定された時間を経過するまでに、確認状態の通知を受けなければ、エラーの発生をネットワーク上の予め登録された装置に通知している。
【００１５】
例えば、所定の時間が経過したときに、エラーの発生を他のクライアントや管理者の端末装置に通知する。これにより、エラーを早期に解消することが可能となり、画像処理装置の使用効率の向上を図ることができる。
【００１６】
更に、本発明においては、クライアントは、エラーの発生を示すメッセージを受け取り、このメッセージが開封されると、エラーの発生が確認されたという確認状態を画像処理装置に通知している。
【００１７】
あるいは、本発明においては、クライアントは、エラーの発生を示すメッセージを受け取り、このメッセージに対する入力操作がなされると、エラーの発生が確認されたという確認状態を画像処理装置に通知している。
【００１８】
この様にメッセージが開封されたり、メッセージに対する入力操作がなされたときには、エラーの発生が確認されたものとみなし、エラーの発生が確認されたことを画像処理装置に通知する。
【００１９】
更に、本発明においては、画像処理装置は、エラーの発生を通知してから、予め設定された時間を経過するまでに、エラーが解消されなければ、エラーの発生をネットワーク上の予め登録された装置に通知している。
【００２０】
例えば、所定の時間が経過したときに、エラーの発生を他のクライアントや管理者の端末装置に通知し、これによりエラーの早期解消、及び画像処理装置の使用効率の向上を図る。
【００２１】
次に、本発明は、クライアントからネットワークを通じてジョブの実行を依頼され、エラーの発生に際しては、このジョブの実行を依頼してきたクライアントに、エラーの発生をネットワークを通じて通知する画像処理装置のデータ処理方法において、エラーの発生の通知に対するクライアントの確認状態を監視するステップと、エラーの発生を通知してからの時間を計時するステップと、予め設定された時間を経過するまでに、エラーの発生の通知が確認されなければ、エラーの発生をネットワーク上の装置に通知するステップとを含んでいる。
【００２２】
この様な画像処理装置のデータ処理方法でも、画像処理装置は、エラーの発生の通知に対するクライアントの確認状態を監視しており、エラーの発生の通知がクライアントにより確認されないまま、所定の時間が経過すると、例えばエラーの発生を同一のクライアントに再度通知したり、エラーの発生を管理者の端末装置に通知し、これによりエラーの早期解消、及び画像処理装置の使用効率の向上を図っている。
【００２３】
また、本発明は、クライアントからネットワークを通じてジョブの実行を依頼され、エラーの発生に際しては、このジョブの実行を依頼してきたクライアントに、エラーの発生をネットワークを通じて通知する画像処理装置のデータ処理方法において、エラーの発生の通知に対するクライアントの確認状態を監視するステップと、エラーの発生を通知してからの時間、及びクライアントがエラーの発生を確認してからの時間を計時するステップと、エラーの発生を通知してからの時間が予め設定された第１時間を経過するまでに、エラーの発生の通知が確認されないか、エラーの発生を確認してからの時間が予め設定された第２時間を経過するまでに、エラーが解消されなければ、エラーの発生をネットワーク上の装置に通知するステップとを含んでいる。
【００２４】
この画像処理装置のデータ処理方法では、エラーの発生の通知がクライアントにより確認されないまま、第１時間が経過したり、エラーが解消されないまま、第２時間が経過すると、例えばエラーの発生を同一のクライアントに再度通知したり、エラーの発生を管理者の端末装置に通知している。
【００２５】
更に、本発明においては、エラーの発生が通知されるネットワーク上の装置を画像処理装置に予め登録している。
【００２６】
この場合、エラーの発生の通知先として、任意の装置を設定することができる。例えば、この画像処理装置そのものでも良いし、他のクライアント、各種の端末装置を設定しても構わない。
【００２７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【００２８】
図１は、本発明の情報処理システムの一実施形態を示すブロック図である。本実施形態の情報処理システムは、各コンピュータ１，２，３と、携帯端末装置４と、各画像処理装置５，６と、これらを相互に接続するローカルエリアネットワークＬＡＮとを備えている。画像処理装置５は、コピー機能、プリント機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、及びインターネットファクシミリ機能等を有する多機能型のデジタル複合機である。また、画像処理装置６は、プリンタ機能のみを有している。
【００２９】
各コンピュータ１〜３及び携帯端末装置４は、画像やテキスト等のデータのプリント要求があると、プリント可能であるか否かをネットワークＬＡＮを通じて各画像処理装置５，６のいずれかに問い合わせる。例えば、コンピュータ１からネットワークＬＡＮを通じて画像処理装置５へと、プリント可能であるか否かを問い合わせる。そして、コンピュータ１は、画像処理装置５によるプリントが可能であることを確認すると、データをネットワークＬＡＮを通じて画像処理装置５に送信する。画像処理装置５は、このデータを展開して、画像やテキスト等を用紙に記録し、この用紙を排出する。このとき、このデータを記録するというプリントジョブの進行状況等が画像処理装置５からネットワークＬＡＮを通じてコンピュータ１へと送信され、コンピュータ１側で、この進行状況が表示される。他の各コンピュータ２，３及び携帯端末装置４のいずれであっても、また他の画像処理装置６であっても、同一の手順で、データの記録が行われる。
【００３０】
図２は、多機能型のデジタル複合機である画像処理装置５を示すシステムブロック図である。この画像処理装置５は、ＣＰＵ１１と、ＲＡＭ１２と、ＲＯＭ１３と、外部記憶装置１４と、数字や記号、あるいは画像等を表示する表示部１５と、各種の条件や指示等を入力するために操作される操作部１６と、表示部１５及び操作部１６を制御するユーザインターフェース１７と、データを用紙に記録するプリンタデバイス１８と、原稿の画像を読み取るスキャナデバイス１９と、ファクシミリ通信を行うファクシミリデバイス２０と、各デバイス１８，１９，２０を制御するエンジンインターフェース２１と、ネットワークＬＡＮに対する接続制御を行い、各種のデータを送受するネットワークインターフェース２２と、これらを相互に接続するシステムバス２３とを備えている。
【００３１】
ＣＰＵ１１は、ＲＯＭ１３に記憶されている制御プログラム等に基づいて、システムバス２３に接続されている各部位の相互間のアクセスを統括的に制御する。
【００３２】
ＲＯＭ１３は、上記制御プログラムの他に、フォントデータ等を記憶している。
【００３３】
ＲＡＭ１２は、ＣＰＵ１１がプログラムを実行するためのワークエリアとして機能する。
【００３４】
外部記憶装置１４は、ハードディスク等であり、画像処理装置５に受け取ったプリントジョブをスプールしたり、プログラムや各種のデータを格納し、その一方でワークエリアとしても利用される。
【００３５】
表示部１５としては、ドットマトリクス型の表示画面を持つものが好ましく、例えば液晶表示パネルが挙げられる。この表示部１５の表示画面にタッチパネルを設けても良い。これにより、表示画面上の表示に従って、タッチパネルを触れるという入力操作が可能となり、画像処理装置５への入力内容が複雑であっても、入力操作が複雑化せずに済む。従って、ユーザにとっては操作性が向上し、また操作部１６の操作キーの数を低減する等、操作部１６の構成の簡単化を図ることができる。
【００３６】
図３は、多機能型のデジタル複合機である画像処理装置５を示す機能ブロック図である。尚、図３において、図２と同様の機能を果たす部位には同じ符号を付している。
【００３７】
図３において、プリント待ちジョブキュー３１、回線待ちジョブキュー３２、スキャナ待ちジョブキュー３３、及び登録データ３４は、ＲＡＭ１２もしくは外部記憶装置１４内に形成される。また、ＲＯＭ１３内のそれぞれのプログラムをＣＰＵ１１により実行し、それぞれの処理をＲＡＭ１２内のワークエリアを用いて行うことにより、ジョブ管理部３５、エラージョブ管理部３６、及びジョブ実行コントロール部３７の機能が果たされる。
【００３８】
図４は、画像処理装置５におけるジョブの格納処理を示すフローチャートである。
【００３９】
まず、画像処理装置５では、各コンピュータ１〜３及び携帯端末装置４のいずれかよりネットワークＬＡＮを通じてジョブが送信されてくると、このジョブをネットワークインターフェース２２で受信して、このジョブをジョブ管理部３５に入力する（ステップＳ４０１）。
【００４０】
ジョブ管理部３５は、ジョブの種類、ジョブの優先度、ジョブを依頼してきた装置、及びユーザの識別データ等を該ジョブの付随データから抽出してＲＡＭ１２もしくは外部記憶装置１４に記憶する（ステップＳ４０２）。そして、ジョブ管理部３５は、ジョブの種類に応じて、このジョブを各ジョブキュー３１，３２，３３のいずれに格納するのかを決定する。更に、ジョブ管理部３５は、ジョブの優先度に基づいて、ジョブの実行順序を決定し、この実行順序で、ジョブを先に決定したジョブキューに挿入する（ステップＳ４０３）。これにより、プリンタデバイス１８によるデータの記録に係わるジョブがプリント待ちジョブキュー３１に格納され、またスキャナデバイス１９による原稿の読み取りに係わるジョブがスキャナ待ちジョブキュー３３に格納され、更にファクシミリデバイス２０によるファクシミリ通信に係わるジョブが回線待ちジョブキュー３２に格納される。
【００４１】
図５は、画像処理装置５におけるジョブの実行処理を示すフローチャートである。
【００４２】
まず、ジョブ実行コントロール部３７は、各ジョブキュー３１，３２，３３のいずれかより先頭のジョブを取り出す（ステップＳ５０１）。ジョブ実行コントロール部３７は、ジョブを実行するときに占有されるデバイス資源の動作状態、例えばメモリや各デバイス１８〜２０の動作状態を監視し（ステップＳ５０２）、取り出したジョブが実行可能か否かを判定する（ステップＳ５０３）。そして、実行可能でなければ（ステップＳ５０３，Ｎｏ）、デバイス資源の動作状態の監視を続ける（ステップＳ５０２）。
【００４３】
また、実行可能であれば（ステップＳ５０３，Ｙｅｓ）、ジョブ実行コントロール部３７は、デバイス資源を動作させて、ジョブを実行する（ステップＳ５０４）。
【００４４】
この後、各ジョブキューのいずれかにジョブがあれば（ステップＳ５０５，Ｙｅｓ）、ステップＳ５０１に戻り、ジョブが無ければ（ステップＳ５０５，Ｎｏ）、この処理を終了する。
【００４５】
図６は、画像処理装置５におけるエラー処理を示すフローチャートである。
【００４６】
まず、例えばプリンタデバイス１８においてトナー切れ、用紙ジャム、用紙切れ等のエラーが発生すると、ジョブ実行コントロール部３７は、エラーの発生と種類をジョブ管理部３５に通知する（ステップＳ６０１）。
【００４７】
ジョブ管理部３５は、エラーの種類に応じて、このエラーにより実行に影響が出る全てのジョブ、つまりエラーの発生を招いたジョブ及びプリント待ちジョブキュー３１の全てのジョブに関するデータをＲＡＭ１２もしくはハードディスク１４から検索して（ステップＳ６０２）、これらのジョブの実行を依頼してきたそれぞれの装置並びにユーザの識別データを読み出し（ステップＳ６０３）、エラーの発生と種類、及び該各装置並びにユーザの識別データをエラージョブ管理部３６に通知する（ステップＳ６０４）。
【００４８】
エラージョブ管理部３６は、エラーの種類に応じて、ＲＡＭ１２もしくはハードディスク１４に予め記憶されている複数のエラーメッセージのいずれかを選択する（ステップＳ６０５）。また、エラージョブ管理部３６は、エラーの影響を受ける各ジョブの実行を依頼してきたそれぞれの装置並びにユーザの識別データを用いて、これらの装置並びにユーザの氏名等を登録データ３４から検索し（ステップＳ６０６）、各ユーザの氏名を該各ユーザのジョブの実行順序に従って配列したエラー情報通知先リストを生成する。更に、エラージョブ管理部３６は、各装置並びにユーザの識別データを用いて、エラーメッセージ及びエラー情報通知先リストをネットワークインターフェース２２を通じて該各装置に送信する（ステップＳ６０７）。そして、エラージョブ管理部３６は、このエラーメッセージの送信と同時に、時間Ｔ１ の計時を開始する（ステップＳ６０８）。
【００４９】
各コンピュータ１〜３や携帯端末装置４（以下端末装置と称す）は、エラーの影響を受けるジョブの実行を画像処理装置５に依頼していれば、エラーメッセージ及びエラー情報通知先リストを受け取る。そして、ジョブの実行を依頼した各端末装置は、他のアプリケーションの実行中であっても、まずエラーメッセージに含まれる図７に示す様な表題７１、つまりエラーメッセージを受け取ったことを示す内容を表示画面に表示する。この表示画面上で、表題７１をダブルクリックするか、あるいは「詳細」というボタン７１ａをクリックすると、各端末装置は、図８に示す様なエラーメッセージの内容を示すメッセージテキスト７２及びエラー情報通知先リスト７３を表示画面に表示する。これにより、エラー情報通知先リスト７３の各ユーザは、画像処理装置５のエラーの発生を知ることができ、互いに連絡を取り合って、エラーの解消のためにいずれのユーザが画像処理装置５へと出向くかを決めることができる。
【００５０】
ジョブの実行を依頼した各端末装置は、メッセージテキスト７２及びエラー情報通知先リスト７３を表示すると、エラーメッセージを確認したことを示す確認情報を画像処理装置５に送信する。
【００５１】
また、ジョブの実行を依頼した各端末装置は、図７の表題７１を表示画面に表示したものの、表題７１のダブルクリックあるいは「詳細」というボタン７１ａのクリックが行わなければ、図８のメッセージテキスト７２及びエラー情報通知先リスト７３を表示せず、確認情報を画像処理装置５に送信することもない。
【００５２】
尚、メッセージテキスト７２及びエラー情報通知先リスト７３を表示したときではなく、メッセージテキスト７２及びエラー情報通知先リスト７３の表示画面を閉じたとき、あるいは図８に示す「確認」というボタン７４やチェックボックス（図示せず）をクリックしたときに、エラーメッセージを確認したことを示す確認情報を送信しても構わない。
【００５３】
画像処理装置５のエラージョブ管理部３６は、確認情報の受信を待機しており（ステップＳ６０９）、確認情報をネットワークインターフェース２２を通じて受信したか否かの判定（ステップＳ６１０）と、エラーメッセージの送信と同時に計時を開始した時間Ｔ１ が予め設定された第１時間に達したか否かの判定（ステップＳ６１１）とを繰り返す。そして、時間Ｔ１ が第１時間に達する前に（ステップＳ６１１，Ｎｏ）、確認情報を受信すると（ステップＳ６１０，Ｙｅｓ）、エラージョブ管理部３６は、時間Ｔ２ の計時を開始する（ステップＳ６１３）。
【００５４】
この後、エラージョブ管理部３６は、画像処理装置５のエラーの解消を監視し（ステップＳ６１４）、エラーを解消するための処理が開始されたか否かの判定（ステップＳ６１５）と、確認情報の受信と同時に計時を開始した時間Ｔ２ が予め設定された第２時間に達したか否かの判定（ステップＳ６１６）とを繰り返す。ここで、時間Ｔ２ が第２時間に達する前に（ステップＳ６１６，Ｎｏ）、エラーを解消するための処理が開始されると（ステップＳ６１５，Ｙｅｓ）、エラージョブ管理部３６は、画像処理装置５のエラーが解消されたことを確認してから（ステップＳ６１７）、この図６の処理を終了する。
【００５５】
また、確認情報を受信しないまま（ステップＳ６１０，Ｎｏ）、時間Ｔ１ が第１時間に達したり（ステップＳ６１１，Ｙｅｓ）、あるいは確認情報を受信しても、エラーを解消するための処理が開始されないまま（ステップＳ６１５，Ｎｏ）、時間Ｔ２ が第２時間に達すると（ステップＳ６１６，Ｙｅｓ）、エラージョブ管理部３６は、エラーの解消がなされないものとみなして、予め設定された端末装置（ネットワークＬＡＮに接続されている）の他のユーザもしくは管理者の識別データ等を登録データ３４から検索し、この端末装置並びに他のユーザもしくは管理者の識別データを用いて、エラーメッセージ及びエラー情報通知先リストをネットワークインターフェース２２を通じて該端末装置に送信する（ステップＳ６１２）。この端末装置でも、エラーメッセージ及びエラー情報通知先リストを図７及び図８に示す様に表示画面に表示する。
【００５６】
この端末装置の他のユーザもしくは管理者は、画像処理装置５のエラーを解消するための代理人である。このため、他のユーザもしくは管理者は、エラーメッセージを受け取ると、画像処理装置５へと直ちに出向いて、画像処理装置５のエラーを解消する。
【００５７】
この様に本実施形態では、画像処理装置５のエラーが発生すると、このエラーの発生をユーザの端末に通知するだけでなく、このエラーの発生の通知に対するユーザの確認状態を監視し、エラーの発生の通知が確認されなかったり、あるいは確認されても、エラーが解消されなければ、エラーの発生を予め定められた他のユーザもしくは管理人に通知している。このため、画像処理装置５のエラーが放置されずに速やかに解消され、画像処理装置５の使用効率を向上させることができる。
【００５８】
尚、本実施形態では、画像処理装置５の処理を例示しているが、全く同様の処理を画像処理装置６でも行うことができる。また、ユーザの装置の表示内容を多様に変形しても良い。更に、画像処理装置５は、確認情報の受信を待機せずに、エラーメッセージの送信先の各装置を巡回して、エラーメッセージが確認されているか否かをチェックしても良い。また、エラーの発生の通知が確認されなかったり、エラーが解消されなければ、エラーメッセージを同じ装置に再度送信しても構わない。あるいは、エラーの発生を予め定められた他のユーザもしくは管理人に通知したときにも、エラーの発生の通知に対する確認状態を監視し、エラーの発生の通知が確認されなかったり、あるいはエラーが解消されなければ、更に別のユーザもしくは管理人に、エラーの発生を通知しても構わない。
【００５９】
【発明の効果】
以上説明した様に本発明によれば、エラーの発生の通知に対するクライアントの確認状態を監視しているので、エラーの発生の通知がクライアントにより確認されなければ、エラーを早期に解消するための処置を適宜に施すことができ、画像処理装置の使用効率の向上を図ることができる。
【００６０】
また、本発明によれば、エラーの発生の通知がクライアントにより確認されないまま、第１時間が経過したり、エラーが解消されないまま、第２時間が経過したときに、エラーの発生をネットワーク上の予め登録された装置に通知する。例えば、エラーの発生を他のクライアントや管理者の端末装置に通知する。これにより、エラーを早期に解消することが可能となり、画像処理装置の使用効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の情報処理システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図２】図１のシステムにおける多機能型のデジタル複合機である画像処理装置を示すシステムブロック図である。
【図３】図２の画像処理装置を示す機能ブロック図である。
【図４】図３の画像処理装置におけるジョブの格納処理を示すフローチャートである。
【図５】図３の画像処理装置におけるジョブの実行処理を示すフローチャートである。
【図６】図３の画像処理装置におけるエラー処理を示すフローチャートである。
【図７】エラーメッセージを受け取ったことを示す表題を示す図である。
【図８】エラーメッセージの内容を示すメッセージテキスト及びエラー情報通知先リストを示す図である。
【符号の説明】
１，２，３ コンピュータ
４ 携帯端末装置
５，６ 画像処理装置
１１ ＣＰＵ
１２ ＲＡＭ
１３ ＲＯＭ
１４ 外部記憶装置
１５ 表示部
１６ 操作部
１７ ユーザインターフェース
１８ プリンタデバイス
１９ スキャナデバイス
２０ ファクシミリデバイス
２１ エンジンインターフェース
２２ ネットワークインターフェース
２３ システムデバイス
Claims (6)
- クライアントからネットワークを通じてジョブの実行を依頼され、エラーの発生に際しては、このジョブの実行を依頼してきたクライアントに、エラーの発生をネットワークを通じて通知する画像処理装置において、
エラーの発生の通知に対するクライアントの確認状態を監視しており、エラーの発生を通知してから、予め設定された第１時間を経過するまでに、クライアントによってエラーの発生の通知が確認されないか、クライアントがエラーの発生を確認してから、予め設定された第２時間を経過するまでに、エラーが解消されなければ、エラーの発生をネットワーク上の予め登録された装置に通知するエラージョブ管理手段を備えることを特徴とする画像処理装置。 - クライアントと、クライアントにネットワークを通じて接続された画像処理装置とを備え、画像処理装置は、クライアントからネットワークを通じてジョブの実行を依頼され、エラーの発生に際しては、このジョブの実行を依頼してきたクライアントに、エラーの発生をネットワークを通じて通知する情報処理システムにおいて、
クライアントは、エラーの発生の通知を受けると、エラーの発生の通知に対する確認状態をネットワークを通じて画像処理装置に通知し、
画像処理装置は、確認状態の通知を受けて、この確認状態を監視しており、エラーの発生を通知してから、予め設定された第１時間を経過するまでに、確認状態の通知を受けないか、クライアントがエラーの発生を確認してから、予め設定された第２時間を経過するまでに、エラーが解消されなければ、エラーの発生をネットワーク上の予め登録された装置に通知することを特徴とする情報処理システム。 - クライアントは、エラーの発生を示すメッセージを受け取り、このメッセージが開封されると、エラーの発生が確認されたという確認状態を画像処理装置に通知することを特徴とする請求項２に記載の情報処理システム。
- クライアントは、エラーの発生を示すメッセージを受け取り、このメッセージに対する入力操作がなされると、エラーの発生が確認されたという確認状態を画像処理装置に通知することを特徴とする請求項２に記載の情報処理システム。
- クライアントからネットワークを通じてジョブの実行を依頼され、エラーの発生に際しては、このジョブの実行を依頼してきたクライアントに、エラーの発生
をネットワークを通じて通知する画像処理装置のデータ処理方法において、
エラーの発生の通知に対するクライアントの確認状態を監視するステップと、
エラーの発生を通知してからの時間、及びクライアントがエラーの発生を確認してからの時間を計時するステップと、
エラーの発生を通知してからの時間が予め設定された第１時間を経過するまでに、エラーの発生の通知が確認されないか、エラーの発生を確認してからの時間が予め設定された第２時間を経過するまでに、エラーが解消されなければ、エラーの発生をネットワーク上の装置に通知するステップと
を含むことを特徴とする画像処理装置のデータ処理方法。 - エラーの発生が通知されるネットワーク上の装置を画像処理装置に予め登録したことを特徴とする請求項５に記載の画像処理装置のデータ処理方法。
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