JP3616284B2 - 回転検出センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転検出センサに係り、詳しくは磁気検知素子を備えた回転検出センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、回転体の回転を検出するための回転検出センサとして、図8に示す回転位置センサを提案している。回転位置センサ1はモータのモータ軸の回転角度を検出するものであって、鉄板よりなる回転板2と磁気検知部材3とから構成されている。回転板2は、モータ軸4の回転とともに、その軸心Oを回転中心に回転する。回転板2は円板状の基板部2aを備え、基板部2aが回転面を構成する。基板部2aの最外周部において、前記軸心Oを中心とする円弧状の3個の磁路変更片6a,6b,6cが同回転板2から延出形成されている。各磁路変更片6a,6b,6cが互いになす間隔は、前記軸心Oからみて60度の角度に設定されている。従って、回転板2の回転面内の最外周部において、軸心Oからみて60度の角度毎にこれらの磁路変更片6a,6b,6cと、これら磁路変更片6a,6b,6cが形成されていない空間7a,7b,7cが交互に存在している。
【0003】
又、基板部2aの中心部には磁路変更片としての円柱状の磁路形成凸部8が前記磁路変更片6a〜6cと同じ方向に同回転板2から延出形成されている。
従って、図9に示すように、磁路変更片6a,6b,6cから軸心Oに向かって回転板2を切断した場合の断面形状は、磁路変更片6a,6b,6c、基板部2a及び磁路形成凸部8とでコの字状となる。
【0004】
又、磁路形成凸部8には貫通孔9が形成され、前記モータ軸4が貫挿固着されている。
前記磁気検知部材3は、検知部本体10と支持アーム11とから構成されている。図9に示すように、検知部本体10は、回転板2に形成した磁路変更片6a,6b,6cの内側であって、その磁路変更片6a,6b,6cと磁路形成凸部8との間に位置する空間内に配設される。検知部本体10は複数の磁気検知体13を樹脂モールド材12にて封止することにより構成されている。各磁気検知体13は、回転板2に対して対向して配置されるとともに所定の向きに配設されたバイアスマグネット13bと該バイアスマグネット13bの磁束を検出する磁気抵抗素子13aとを備えている。そして、この回転位置センサ1は、回転中の回転板2とともに一体に移動する磁路変更片6a,6b,6cの各端部が検出ポイントとなっており、これらの検出ポイントが各磁気検知体13と対応する位置を通過する際にバイアスマグネット13bの磁束の向きが変更されたことを磁気抵抗素子13aにて検出するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、回転位置センサ1は磁路変更片6a,6b,6cの端部の検出ポイントにてバイアスマグネット13bの磁束の向きが大きく変化するように、検知部本体10の内外両側を挟むように基板部2aの外端及び内端に対して磁路変更片6a,6b,6c及び磁路形成凸部8を設けている。そのため、回転板2の質量が大きいものとなる。従って、例えばモータ軸の回転を検出するためにこの回転位置センサ1を使用すると、回転板2の質量が大きいためモータに負荷がかかり、しかも、高速回転させると磁路変更片6a,6b,6cの空気抵抗が大きくなるため、電流消費が増大するという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであって、その目的は、回転板の軽量化を図り、回転体の負荷を低減することができる回転検出センサを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、基板部の周方向に所定の角度間隔に形成される複数の支持板部と、該複数の支持板部の外端部にそれぞれ立設される外側の磁路変更片と、前記外側の磁路変更片に対向させて前記基板部に立設される内側の磁路変更片と、前記支持板部に対して所定の向きに配設される磁石と、該磁石の磁束を検出する磁気検知素子とを備え、前記磁石及び磁気検知素子を前記内側の磁路変更片及び外側の磁路変更片間に配設した回転検出センサを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回転検出センサにおいて、前記内側の磁路変更片は前記外側の磁路変更片に対応して所定の角度間隔に複数設けられていることを要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を回転位置センサに具体化した第1実施形態を図1〜図4に従って説明する。なお、説明の便宜上、図8に示した従来形態と共通の部材について符号を同じにしてその説明を一部省略する。
【0011】
図1は、モータのモータ軸の回転角度を検出するための回転位置センサの要部分解斜視図である。回転位置センサ21は鉄板よりなる回転板22と磁気検知部材3とから構成されており、回転板22の構成が前記回転板2の構成と異なっている。回転板22は、モータ軸4の回転とともに、その軸心Oを回転中心に回転する。回転板22は小径の円板状の基板部22aを備え、基板部22aの周方向において、前記軸心Oを中心とする扇形状の3つの支持板部23a,23b,23cが延出形成されており、基板部2a及び支持板部23a,23b,23cが回転面を構成する。各支持板部23a,23b,23cが互いになす間隔は、前記軸心Oからみて60度の角度に設定されている。従って、回転板22の基板部22aの最外周部において、軸心Oからみて60度の角度毎にこれらの支持板部23a,23b,23cと、これら支持板部23a,23b,23cが形成されていない空間24a,24b,24cとが交互に存在することになる。
【0012】
各支持板部23a,23b,23cの最外周部において、前記軸心Oを中心とする円弧状の3個の磁路変更片6a,6b,6cが各支持板部23a,23b,23cから前記モータ軸4の延びる方向に延出形成されている。
【0013】
又、基板部22aの中心部には磁路変更片としての円柱状の磁路形成凸部8が前記磁路変更片6a〜6cと同じ方向に同回転板2から延出形成されている。磁路形成凸部8は基板部22aと同一の径を有している。
【0014】
従って、図3に示すように磁路変更片6a,6b,6cから軸心Oに向かって回転板22を切断した場合の断面形状は、磁路変更片6a,6b,6c、支持板部23a,23b,23c及び磁路形成凸部8とでコの字状となる。
【0015】
前記磁気検知部材3は、検知部本体10と支持アーム11とから構成されている。検知部本体10は、回転板22に形成した磁路変更片6a,6b,6cの内側であって、その磁路変更片6a,6b,6cと磁路形成凸部8との間に位置する空間内に配設される。
【0016】
検知部本体10は、3個の第1〜第3の磁気検知体13,14,15が樹脂モールド材12にて封止され、前記支持アーム11の先端部に固設されている。支持アーム11の基端部は図示しない固定部材に固定されている。
【0017】
第1の磁気検知体13は、第1磁気抵抗素子13aと第1バイアスマグネット13bとから構成されている。第1バイアスマグネット13bは軸心O側がS極で外側がN極となるように配設されるとともに、第1磁気抵抗素子13aに対して軸心O側で、且つ図2において時計回り方向にオフセットさせて配置されている。
【0018】
第1磁気抵抗素子13aは、第1バイアスマグネット13bの磁束の向きによって、検出電圧が変化する磁気検知素子であって、図4に示すような磁束の向きによってその抵抗値が変化する4個の抵抗体R1,R2,R3,R4を備えている。2個の抵抗体R1,R4のグループは、同じ配列方向に向かって配置され、2個の抵抗体R2,R3のグループは前記抵抗体R1,R4の向く配列方向とは直交する配列方向に向かって配置されている。
【0019】
なお、各抵抗体R1〜R4はNi−CO薄膜を基板に対してジグザグ状にすなわち、折れ線状に成膜されている。抵抗体R1〜R4は、同温度雰囲気下において抵抗値が同一となるように設定されている。なお、抵抗体R1〜R4は雰囲気温度が上昇すると、感度が変化する感度温度特性を備えている。この感度温度特性は、感度温度変化率と抵抗温度変化率とが一致しているのが好ましい。
【0020】
そして、磁束の向きが前記軸心Oから略半径方向に対し略+45°の向きになるときは、抵抗体R1,R4は抵抗値が大きくなる第1の状態になるとともに、抵抗体R2,R3は抵抗値が小さくなる第2の状態になる。又、磁束の向きが前記略半径方向に対して略−45度の向きになるとき、抵抗体R1,R4は抵抗値が小さくなる第2の状態になるとともに、抵抗体R2,R3は抵抗値が大きくなる第1の状態となる。これらの状態は、磁束の変化に応じて交互に生ずる。
【0021】
前記各抵抗体R1〜R4は図4に示すようにブリッジ回路としての4端子ブリッジ回路Bを構成するように接続されている。
前記抵抗体R1と抵抗体R2との接続点(中点)aは、回路基板に設けられたコンパレータCPの非反転入力端子に接続され、抵抗体R3と抵抗体R4との接続点(中点)bは、同コンパレータCPの反転入力端子に接続されている。
【0022】
前記コンパレータCP、4端子ブリッジ回路Bとにより検出回路DCが構成されている。
前記検出回路DCの4端子ブリッジ回路Bを構成する抵抗体R1,R4は、磁束の向きが前記軸心Oから略半径方向に対し略−45°の向きになる場合、中点aの電位は、A0よりも大きいHレベルとなる。又、磁束の向きが前記略半径方向に対して略+45度の向きになる場合、中点aの電位はA0よりも小さいLレベルとなる。なお、A0は中点aの飽和出力の1/2の電圧レベルである。
【0023】
なお、本実施形態での検出ポイントPは移動(回転)中の磁路変更片6a,6b,6cの回転方向のエッジ部分である。
第2の磁気検知体14は、第2磁気抵抗素子14aと、第2バイアスマグネット14bとから構成されている。第2磁気抵抗素子14aと第2バイアスマグネット14bとの間の配置関係は前記第1磁気抵抗素子13aと第1バイアスマグネット13bとの間の配置関係と同じである。そして、第2磁気抵抗素子14aと第2バイアスマグネット14bとは、それぞれ前記第1磁気抵抗素子13aと第1バイアスマグネット13bとに対して、図2において、前記軸心Oを中心に時計回り方向に40度の位置に配設される。
【0024】
第2磁気抵抗素子14aは、前記第1磁気抵抗素子13aと同様に第2バイアスマグネット14bの磁束の向きによって、検出電圧が変化する磁気検知素子であって、前記第1磁気抵抗素子13aの4個の抵抗体R1,R2,R3,R4と同一構成及び同様に電気的に接続された抵抗体を4個備えている。第2磁気抵抗素子14aの抵抗体R1〜R4は、第1磁気抵抗素子13aの場合と同様の4端子ブリッジ回路を構成する。さらに、第2磁気抵抗素子14aの抵抗体R1〜R4は、コンパレータCPとともに、検出回路DCを構成している。この検出回路DC及び4端子ブリッジ回路Bは前記第1磁気抵抗素子13aの場合の検出回路DCと同様に機能(作用)する。
【0025】
第3の磁気検知体15は、第3磁気抵抗素子15aと第3バイアスマグネット15bとから構成されている。第3磁気抵抗素子15aと第3バイアスマグネット15bとの間の配置関係は前記第1磁気抵抗素子13aと第1バイアスマグネット13bとの間の配置関係と同じである。そして、第3磁気抵抗素子15aと第3バイアスマグネット15bとは、それぞれ前記第1磁気抵抗素子13aと第1バイアスマグネット13bとに対して、図2において、前記軸心Oを中心に反時計回り方向に40度の位置に配設される。
【0026】
第3磁気抵抗素子15aは、前記第1磁気抵抗素子13aと同様に第3バイアスマグネット15bの磁束の向きによって、検出電圧が変化する磁気検知素子であって、前記第1磁気抵抗素子13aの4個の抵抗体R1,R2,R3,R4と同一構成及び同様に電気的に接続された抵抗体を4個備えている。第3磁気抵抗素子15aの抵抗体R1〜R4は、第1磁気抵抗素子13aの場合と同様の4端子ブリッジ回路を構成する。さらに、第3磁気抵抗素子15aの抵抗体R1〜R4は、コンパレータCPとともに、検出回路DCを構成している。この検出回路DC及び4端子ブリッジ回路Bは前記第1磁気抵抗素子13aの場合の検出回路DCと同様に機能(作用)する。
【0027】
そして、第1〜第3バイアスマグネット13b〜15bと磁路変更片6a〜6cとの相対位置関係において、第1〜第3バイアスマグネット13b〜15bの各々が、図2に示す第3バイアスマグネット15bの位置に位置したとき、即ち、N極の前方に磁路変更片6a〜6cのいずれかがある場合には、それら第1〜第3バイアスマグネット13b〜15bの磁束の向きは磁束は半径方向の向きとなる。これは、磁路変更片6a〜6c、支持板部23a〜23c及び磁路形成凸部8とからなるコ宇状の磁路が形成され、第1〜第3バイアスマグネット13b〜15bのN極から磁束が磁路変更片6a〜6cに引き寄せられるからである。その結果、磁束の向きは、磁路変更片6a〜6c側、即ち半径方向の向きとなる。
【0028】
従って、この場合には、4端子ブリッジ回路Bの中点aの電圧はHレベルとなとなる。
又、第1〜第3バイアスマグネット13b〜15bと磁路変更片6a〜6cとの相対位置関係において、第1〜第3バイアスマグネット13b〜15bの各々が、図2に示す第2バイアスマグネット14bの位置に位置したとき、即ち、N極の前方に磁路変更片6a〜6cのいずれもない場合には、それら第1〜第3バイアスマグネット13b〜15bの磁束は半径方向に対して45度の向きとなる。これは、磁路を形成する磁路変更片6a〜6cがないため、磁束は引き込まれるものがないからである。その結果、磁束は放射状にのび、磁束の向きは半径方向に対して45度の向きとなる。
【0029】
従って、この場合には4端子ブリッジ回路Bの中点aの電圧はLレベルの電圧を出力する。
さらに、第1〜第3バイアスマグネット13b〜15bと磁路変更片6a〜6cとの相対位置関係において、第1〜第3バイアスマグネット13b〜15bの各々が、図2に示す第1バイアスマグネット13bの位置に位置して、N極の前方に磁路変更片6a〜6cのいずれもない状態から磁路変更片6a〜6cのいずれかの端部が通過する時には、それら第1〜第3バイアスマグネット13b〜15bの磁束の向きは半径方向に対して45度の向きから半径方向の向きに変わる。
【0030】
従って、この場合には、4端子ブリッジ回路Bの中点aの電圧はLレベルからHレベルに立ち上がる電圧を出力する。
また、第1〜第3バイアスマグネット13b〜15bと磁路変更片6a〜6cとの相対位置関係において、第1〜第3磁気抵抗素子13a〜15aの前方に磁路変更片6a〜6cのいずれかが位置する状態から磁路変更片6a〜6cのいずれかの端部が通過する時には、それら第1〜第3バイアスマグネット13b〜15bの磁束の向きは半径方向から45度の向きに変わる。
【0031】
従って、この場合には、4端子ブリッジ回路Bの中点aの電圧はHレベルからLレベルに立ち下がる電圧を出力する。
このようにして、4端子ブリッジ回路Bの中点aの電位は、Hレベル、Lレベルとなり、検出回路DCのコンパレータCPによって基準電圧(閾値電圧)となる側の中点bの電位と比較される。このコンパレータCPによって、中点aの電位が中点bの電位よりも大きい時Hレベル、中点aの電位が中点bの電位未満の時Lレベルとなる立ち上がり及び立ち下がりが急峻となる検出信号に波形整形される。
【0032】
次に、上記のように構成した回転位置センサ21の特徴について説明する。
(1)本実施形態では、回転板22は小径の基板部22aの外周に複数(3つ)の扇形状の支持板部23a,23b,23cを設け、各支持板部23a,23b,23cの外端部に磁路変更片6a,6b,6cを延出形成するとともに、回転板22の中心部には円柱状の磁路形成凸部8を形成している。
【0033】
従って、本実施形態の回転板22は各支持板部23a,23b,23c間が切り欠かれて空間24a,24b,24cとなっている分だけ従来の回転板2と比較して質量を小さくすることができる。よって、例えばモータ軸4の回転を検出するためにこの回転位置センサ21を使用する場合、モータにかかる負荷を低減して電流消費の増大を抑制することができる。
【0034】
(2)本実施形態では、第1〜第3磁気抵抗素子13a〜15aと第1〜第3バイアスマグネット13b〜15bからなる検知部本体10を磁路変更片6a〜6cと磁路形成凸部8との間に位置する空間内に配設した。
【0035】
従って、第1〜第3バイアスマグネット13b〜15bが出す磁束に悪影響を与える外側からノイズをその磁路変更片6a〜6cにより低減させることができる。さらに、第1〜第3磁気抵抗素子13a〜15aは、その前を通過する磁路変更片6a〜6cを正確に検知することができる。
【0036】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の回転位置センサを図5に従って説明する。
第2実施形態は、従来形態の構成を変更したものである。この回転位置センサ25の回転板26では、前記従来形態の構成中、回転板2の磁路形成凸部8に代えて、3個の磁路変更片27a,27b,27cが設けられている。
【0037】
すなわち、磁路変更片27a,27b,27cは前記基板部2aに対して、前記モータ軸4から若干離間した位置において、モータ軸4の軸心を中心とした断面円弧状に、延出形成されている。磁路変更片27a,27b,27cは、一端から他端までが、磁路変更片6a,6b,6cにそれぞれ対応するように前記軸心からみて60度の角度をなすように形成されている。又、各磁路変更片27a,27b,27cが互いになす間隔は、前記軸心からみて60度の角度をなすように形成されている。
【0038】
従って、回転板26の回転面内の内周部において、軸心からみて60度の角度毎にこれらの磁路変更片27a,27b,27cと、これら磁路変更片27a,27b,27cが形成されていない空間28a,28b,28cとが交互に存在することになる。
【0039】
なお、他の構成は、従来形態と同一構成であるため、従来形態と同一構成については同一符号を付してその説明を省略する。
このように、本実施形態の回転位置センサ25では、回転板26の最外周部には3個の磁路変更片6a,6b,6cを設けるとともに、回転板26の内周部には磁路変更片6a,6b,6cに対応する磁路変更片27a,27b,27cを形成した。従って、本実施形態の回転板26は従来の回転板2と比較して質量を小さくすることができる。よって、回転位置センサ25は第1実施形態における(1),(2)と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0040】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の回転位置センサを図6に従って説明する。
第3実施形態は、第1実施形態の構成を変更したものである。この回転位置センサ30の回転板31は、前記第1実施形態の構成中、回転板22の磁路形成凸部8に代えて、3個の磁路変更片27a,27b,27cが設けられている。
【0041】
すなわち、磁路変更片27a,27b,27cは回転板31の基板部22aに対して、前記モータ軸4から若干離間した位置において、モータ軸4の軸心を中心とした断面円弧状に、延出形成されている。磁路変更片27a,27b,27cは、一端から他端までが、磁路変更片6a,6b,6cにそれぞれ対応するように前記軸心からみて60度の角度をなすように形成されている。又、各磁路変更片27a,27b,27cが互いになす間隔は、前記軸心からみて60度の角度をなすように形成されている。
【0042】
従って、回転板31の回転面内の内周部において、軸心からみて60度の角度毎にこれらの磁路変更片27a,27b,27cと、これら磁路変更片27a,27b,27cが形成されていない空間28a,28b,28cとが交互に存在することになる。
【0043】
なお、他の構成は、第1実施形態と同一構成であるため、第1実施形態と同一構成については同一符号を付してその説明を省略する。
このように、本実施形態の回転位置センサ30では、回転板31には扇形状の支持板部23a,23b,23cを設け、支持板部23a,23b,23cの外端部に磁路変更片6a,6b,6cを延出形成するとともに、回転板31の内周部には磁路変更片6a,6b,6cに対応する磁路変更片27a,27b,27cを形成した。従って、本実施形態の回転板31は従来の回転板2と比較して質量を小さくすることができる。よって、回転位置センサ30は第1実施形態における(1),(2)と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0044】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態の回転位置センサを図7に従って説明する。
第4実施形態は、従来形態の構成を変更したものである。この回転位置センサ35の回転板36では、前記従来形態の構成中、回転板2の円柱状の磁路形成凸部8に代えて、3個の磁路変更片37a,37b,37cが設けられている。
【0045】
すなわち、磁路変更片37a,37b,37cは、前記モータ軸4の軸心を中心とした扇形状に延出形成されている。磁路変更片37a,37b,37cは、一端から他端までが、磁路変更片6a,6b,6cにそれぞれ対応するように前記軸心からみて60度の角度をなすように形成されている。又、各磁路変更片37a,37b,37cが互いになす間隔は、前記軸心からみて60度の角度をなすように形成されている。
【0046】
従って、回転板36の回転面内の内周部において、軸心からみて60度の角度毎にこれらの磁路変更片37a,37b,37cと、これら磁路変更片37a,37b,37cが形成されていない空間38a,38b,38cとが交互に存在することになる。
【0047】
なお、他の構成は、従来形態と同一構成であるため、従来形態と同一構成については同一符号を付してその説明を省略する。
このように、本実施形態の回転位置センサ35では、回転板36の基板部2aの最外周部には磁路変更片6a,6b,6cを延出形成するとともに、基板部2aの内周部には磁路形成凸部8に代えて、磁路変更片6a,6b,6cに対応する磁路変更片37a,37b,37cを形成した。従って、本実施形態の回転板36は従来の回転板2と比較して質量を小さくすることができる。よって、回転位置センサ35は第1実施形態における(1),(2)と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0048】
次に、上記した実施の形態から把握できる請求項に記載した発明以外の技術的思想について記載する。
・ 前記磁気検知部材の前記磁気検知素子は磁束の向きによってその出力信号のレベルが変化する磁気抵抗素子である。
【0049】
・ 基板部の周方向に所定の角度間隔に複数の支持板部を形成し、該複数の支持板部の外端部にそれぞれ外側の磁路変更片を立設するとともに、複数の支持板部の内端部には前記外側の磁路変更片に対向させて内側の磁路変更片を立設した回転検出センサ用回転板。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、各請求項に記載の発明によれば、回転板の軽量化を図ることができ、よって回転角度が検出される回転体の負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転位置センサの要部分解斜視図。
【図2】回転板と磁気検知部材の配置関係を示す平面図。
【図3】回転位置センサの要部断面図。
【図4】磁気抵抗素子の等価回路図。
【図5】第2実施形態の回転位置センサの要部分解斜視図。
【図6】第3実施形態の回転位置センサの要部分解斜視図。
【図7】第4実施形態の回転位置センサの要部分解斜視図。
【図8】従来の回転位置センサの分解斜視図。
【図9】従来の回転板と磁気検知部材の配置関係を示す平面図。
【符号の説明】
3…磁気検知部材、4…回転体としてのモータ軸、6a,6b,6c,27a,27b,27c,37a,37b,37c…外側の磁路変更片、7a,7b,7c,24a,24b,24c,28a,28b,28c,38a,38b,38c…空間、8…内側の磁路変更片としての磁路形成凸部、10…検知部本体、13,14,15…第1〜第3の磁気検知体、13a,14a,15a…磁気検知素子としての第1〜第3磁気抵抗素子、13b,14b,15b…磁石としての第1〜第3バイアスマグネット、21,25,30,35…回転検出センサとしての回転位置センサ、22,26,31,36…回転板。
Claims (2)
- 基板部の周方向に所定の角度間隔に形成される複数の支持板部と、
該複数の支持板部の外端部にそれぞれ立設される外側の磁路変更片と、
前記外側の磁路変更片に対向させて前記基板部に立設される内側の磁路変更片と、
前記支持板部に対して所定の向きに配設される磁石と、
該磁石の磁束を検出する磁気検知素子とを備え、
前記磁石及び磁気検知素子を前記内側の磁路変更片及び外側の磁路変更片間に配設した回転検出センサ。 - 請求項1に記載の回転検出センサにおいて、
前記内側の磁路変更片は前記外側の磁路変更片に対応して所定の角度間隔に複数設けられている回転検出センサ。
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