JP3615277B2 - 洗浄装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被介護者を洗浄するための介護用洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
寝たきりの老齢者や身障者、病人等の介護の必要な人達(以下、「被介護者」という)が洗浄および入浴を行うための装置が本件出願人により提案されている(特願平7−141293号参照)。
【0003】
この装置によれば、導管から水を噴射させることにより、被介護者が着座した状態で洗浄および入浴を行うことができるため、被介護者を浴槽に入れる場合に比べて介護者の負担を軽減できる。しかも、被介護者の希望に応じて全身洗浄および全身入浴をも行うことができる。
【0004】
前記洗浄,入浴装置は、通常は浴室内に配置されて使用されるが、介護者および被介護者の双方にとっては、このような装置を浴室内ばかりでなく、室内においても使用したい場合がある。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、介護者の負担を軽減でき、しかも、浴室内ばかりでなく室内においても使用することが可能な洗浄装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る洗浄装置は、被介護者を洗浄するための洗浄装置であって、被介護者を着座させるためのシートおよびフットレストを有する移動可能なチェアーと、上方および下方に開口し、前記チェアーに着座した被介護者を前記チェアーごと収容して被介護者の下半身を覆う装置本体と、前記装置本体内に設けられ、被介護者に向けて洗浄水を噴出するための噴出部と、前記装置本体の上部開口部分に設けられ、被介護者の上半身を覆う遮蔽部と、前記装置本体の下部開口部分に設けられた排水口と、前記装置本体の下部に設けられ、前記チェアーを前記装置本体内に収容した状態で前記チェアーのフットレストに当接することにより、前記装置本体の下部開口部分から排水が漏出するのを防止するための当接部とを備えたことを特徴としている。
【0007】
請求項2の発明に係る洗浄装置は、請求項1において、前記装置本体内には、前記チェアーのシート面に沿う形状の座席面を有する座席部が設けられ、前記座席面には排水口が形成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項3の発明に係る洗浄装置は、請求項2において、前記チェアーのシートには開孔が形成されるとともに、前記座席面の排水口の下方には、上方に開口しかつオーバーフロー用の孔を有する小型便器が取り出し可能に設けられていることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図6は本発明の一実施例による洗浄装置を説明するための図であって、図1は本実施例装置の使用開始前の状態を示す全体斜視図、図2は本実施例装置の使用中の状態を示す全体斜視図、図3は本実施例装置の装置本体部分の縦断面部分図、図4ないし図6は被介護者による使用中の状態を説明するための図である。
【0010】
図1および図2に示すように、この洗浄装置1は、被介護者を着座させるためのチェアー2と、チェアー2に着座した被介護者をチェアー2ごと収容するとともに、被介護者の下半身を覆う装置本体3とから主として構成されている。
【0011】
チェアー2はメッシュ状のシート21とフットレスト22とを有し、キャスタ23により移動可能になっている。シート21の中央部分には開孔21aが形成されている。フットレスト22の下面にはブラシ25が植設されている。シート21の下方においてフットレスト22の後方部分には、洗浄後に被介護者の体から落ちる滴を受けるための受け皿24が設けられている。受け皿24は前後方向にスライド自在に設けられており、フットレスト22の下方に配設された図示しない圧縮ばねにより常時後方側に付勢されている。
【0012】
装置本体3は、上方,下方および前方に開口する箱状の部材であって、チェアー2のシート21に沿う形状の座席部31を有している。座席部31には、被介護者に向けて洗浄水を噴出させるための複数のノズル(噴出部)32が設けられている。座席部31の両側方の側壁部にも同様のノズル32が設けられている。これらのノズル32には、装置本体3内に配設された導管(図示せず)を介して、装置外部から洗浄水が導入されるようになっている。
【0013】
装置本体3の側面には操作パネル34が配設されており、この操作パネル34には、洗浄水導入のためのON/OFFスイッチおよび洗浄水の温度調節スイッチ等が設けられている。また、装置本体3の側面にはシャワー35が取り付けられている。
【0014】
装置本体3の前部開口部分には開閉可能な前扉36が設けられている。一方、装置本体3の側面にはレバー37が設けられており、このレバー37の操作により、前扉36の閉状態のロックおよびロック状態の解除が行われるようになっている。前扉36の上部には、被介護者が把持するための手摺38が配設されている。前扉36内には、装置本体3の上部開口を閉塞し得るシャッター(遮蔽部)40が取り出し可能に収納されている。
【0015】
装置本体3上部の左右両端部には、シャッター40の開閉時にシャッター40をスライド自在にガイドするための一対のガイドレール41が前後方向に配設されている。各ガイドレール41の前端は装置本体3の上部に係止されており、後端は各ガイドレール41を連結する連結板部42に係止されている。なお、連結板部42の下部には、図5に示すように、フレキシブルホース49を介して洗浄水噴出用のノズル32が設けられている。
【0016】
各ガイドレール41および連結板部42の下方には、上下方向伸縮自在な蛇腹43が設けられている。この蛇腹43が伸縮することにより、各ガイドレール41がそれぞれの前端側を中心に上下方向に回動するようになっている。また、このとき、連結板部42は、蛇腹43の後方に配設された係止機構39(図5)により、任意の高さ位置に保持されるようになっている。
【0017】
連結板部42の中央部分には、被介護者を後方から支持するサポート部44が取り付けられている。連結板部42上面の左右両端部には、シャッター40の先端を係脱自在に係止するためのマグネットまたは接着布等からなる係止部45が取り付けられている。また、シャッター40の先端には、被介護者を入れるための切欠き40aが形成されている。
【0018】
装置本体3の底壁部には排水口46が設けられている。排水口46は、図3に示すように、装置本体3内に配設された排水管47に接続されており、該排水管47は、装置本体3外部の排水ホース48に接続されている。本実施例装置1の使用時には、排水ホース48の先端は浴室等に配置される。
【0019】
座席部31の略中央部には排水口50が形成されている。排水口50は、装置本体3内に配設された排水管51を介して排水管47に接続されている。また、排水口50にはストレーナ52が着脱自在に装着されている。
【0020】
前扉36の裏面および座席部31の前面部には、横方向に延びるゴム製のパッキン(当接部)60,61がそれぞれ装着されている。これらのパッキン60,61は、チェアー2を装置本体3内に収容して前扉36を閉めたときに、チェアー2のフットレスト22の前,後端面に圧接するようになっており、これにより、洗浄装置1の使用中に、装置本体3の下部開口から下方に排水が漏出するのが防止されている。
【0021】
なお、チェアー2を装置本体3内に収容したとき、フットレスト22下部のブラシ25は、装置本体3の排水口46近傍の底壁部上に配置されており、これにより、フットレスト22の両側方から装置本体3の下方に排水が飛散するのが防止されている。
【0022】
従来の洗浄,入浴装置は、排水が装置外部に漏れるおそれがあったため、浴室内での使用に限られていたが、本実施例装置では、上述のように、装置の使用中に排水が漏れるのが確実に防止されていることから、浴室内ばかりでなく、室内においても使用することが可能である。
【0023】
上記のように構成される本実施例装置により、被介護者を洗浄する際には、まず、被介護者をチェアー2に着座させるとともに、装置本体3の前扉36を開け、チェアー2に着座させた被介護者をチェアー2ごと装置本体3内に入れる。被介護者を装置本体3内に収容後、介護者が前扉36を閉め、レバー37によりロックする。
【0024】
このとき、チェアー2のフットレスト22の前後端面は、それぞれ前扉36側のパッキン60,座席部31側のパッキン61に圧接し(図5参照)、フットレスト22下部のブラシ25は、装置本体3の底壁部上に配置されており、洗浄装置1からの水漏れが防止されている。
【0025】
また、チェアー2が装置本体3内に進入するときには、座席部31下部に設けられた突起部65が受け皿24の後端面に当接し、チェアー2の進入にともない、受け皿24が圧縮ばね(図示せず)のばね力に抗して徐々に前方(図5左方)に移動する。そして、チェアー2が装置本体3内に収容されたとき、受け皿24の大部分がフットレスト22の下方に配置されることになる。これにより、装置本体3内の排水管51と受け皿24との干渉が防止されている。
【0026】
次に、被介護者が全身入浴を希望する場合には、図4および図5に示すように、介護者が蛇腹43を持ち上げ、サポート部44を被介護者Pのたとえば首の辺りに配置するとともに、シャッター40を前扉36内から取り出してレール41に沿って引き出し、その先端を連結板部42上の係止部45に係止させる。
【0027】
この状態から、装置本体3内に洗浄水を導入して、各ノズル32から被介護者Pに向けて洗浄水を噴出させる。このとき、連結板部42下部のノズル32からも洗浄水が噴出することから、被介護者Pの下半身のみならず上半身をも洗浄されることになるので、被介護者Pが全身洗浄を行うことができる。また、この洗浄時には、被介護者Pが密閉した装置本体3内に収容されることになるので、装置全体の保温効果を高めることができる。
【0028】
なお、洗浄中の排水は、各排水口46および50から排水管47,排水ホース48を通って、たとえば浴室の排水口に排出されることになる。
【0029】
次に、被介護者Pが下半身のみの入浴を希望する場合には、図6に示すように、介護者が蛇腹43を押し下げ、サポート部44を被介護者Pのたとえば腰の辺りに配置するとともに、シャッター40を引き出して、その先端を係止部45に係止させる。
【0030】
この状態から、装置本体3内に洗浄水を導入すると、各ノズル32から被介護者Pの下半身に向けて洗浄水が噴出され、これにより、被介護者Pが下半身の洗浄を行うことができる。この洗浄時には、被介護者Pは手摺38を把持することによって、上半身を容易に支持することができる。
【0031】
この場合には、被介護者が着座した状態で洗浄を行うことができるため、介護者の負担を軽減できる。また、被介護者の希望に応じ、簡単な操作で全身洗浄あるいは下半身洗浄を行うことができる。
【0032】
洗浄後は、前扉36を開け、被介護者Pを着座させたまま、チェアー2を前方に引き出す。このチェアー2の移動時には、受け皿24が圧縮ばねのばね力により後方にスライドしてシート21下方に配置されることになるので、被介護者Pの体からの滴をこの受け皿24で受けることができ、滴が室内に落ちるのを防止できる。
【0033】
なお、前記実施例では、洗浄中の排水は、装置本体3下部の排水口46および座席部31の排水口50から装置外部に排出されるが、これらの排水口のうち、排水口50は省略することも可能である。この場合には、座席部31の座席面を前記実施例のような凹面状ではなく、平坦状にして、座席面上に水が溜まらないようにする必要がある。
【0034】
また、前記実施例では、排水口46および50からの排水を同じ排水管47に排出するようにしているが、図7に示すように、排水口50からの排水は、排水管47とは別個に配設されかつU字状部を有する排水管53に排出するようにしてもよい。
【0035】
図7において、排水管53の上部には、排水管53内を洗浄するための洗浄水が導入される洗浄管54と、開閉バルブ55とが接続されている。このような構成を採用することにより、排水管53を汚水管として使用することが可能である。すなわち、この場合には、被介護者Pが洗浄中に排便または排尿を行うことができ、排出された便または尿は、座席部31の排水口50から排水管53内に排出される。なお、排水管53は、装置本体3外部に設けられた図示しない汚水ホースに接続されており、該汚水ホースの先端はトイレの便器内等に配置される。
【0036】
さらに、図3および図7に示す前記各実施例において、座席部31の排水口50の下方に、取り出し可能なポータブル便器を設けるようにしてもよい。
【0037】
図8は、図3の実施例の排水口50の下方にポータブル便器70を設けた例を示している。
このポータブル便器70は、図9に示すような箱状の容器であって、座席部31の前面に形成された穴58内に着脱自在に収納される。ポータブル便器70は、上方に開口を有し、該開口部71が排水口50の下方に配置される。また、ポータブル便器の前面には把手72が取り付けられており、後面上部には排水をオーバーフローさせるための複数の孔73が形成されている。なお、座席部前面の穴68上には、開閉可能な蓋59が取り付けられている。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る洗浄装置によれば、介護者の負担を軽減でき、しかも、浴室内ばかりでなく室内においても使用することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による洗浄装置の使用開始前の状態を示す全体斜視図。
【図2】前記実施例装置の使用中の状態を示す全体斜視図。
【図3】前記実施例装置の装置本体の縦断面部分図。
【図4】被介護者による前記実施例装置の使用中の状態(全身洗浄状態)を説明するための図。
【図5】被介護者による前記実施例装置の使用中の状態(全身洗浄状態)を説明するための図。
【図6】被介護者による前記実施例装置の使用中の状態(下半身洗浄状態)を説明するための図。
【図7】本発明の他の実施例による洗浄装置の装置本体の縦断面部分図であって、前記実施例装置の図3に相当する図。
【図8】本発明のさらに他の実施例による洗浄装置の装置本体の縦断面部分図であって、前記実施例装置の図3に相当する図。
【図9】図8の実施例装置においてポータブル便器を取り出した状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1 洗浄装置
2 チェアー
21 シート
21a 開孔
22 フットレスト
3 装置本体
31 座席部
32 ノズル(噴出部)
40 シャッター(遮蔽部)
46,50 排水口
60,61 パッキン(当接部)
70 ポータブル便器
71 開口部
73 オーバーフロー用の孔
P 被介護者
【発明の属する技術分野】
本発明は、被介護者を洗浄するための介護用洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
寝たきりの老齢者や身障者、病人等の介護の必要な人達(以下、「被介護者」という)が洗浄および入浴を行うための装置が本件出願人により提案されている(特願平7−141293号参照)。
【0003】
この装置によれば、導管から水を噴射させることにより、被介護者が着座した状態で洗浄および入浴を行うことができるため、被介護者を浴槽に入れる場合に比べて介護者の負担を軽減できる。しかも、被介護者の希望に応じて全身洗浄および全身入浴をも行うことができる。
【0004】
前記洗浄,入浴装置は、通常は浴室内に配置されて使用されるが、介護者および被介護者の双方にとっては、このような装置を浴室内ばかりでなく、室内においても使用したい場合がある。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、介護者の負担を軽減でき、しかも、浴室内ばかりでなく室内においても使用することが可能な洗浄装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る洗浄装置は、被介護者を洗浄するための洗浄装置であって、被介護者を着座させるためのシートおよびフットレストを有する移動可能なチェアーと、上方および下方に開口し、前記チェアーに着座した被介護者を前記チェアーごと収容して被介護者の下半身を覆う装置本体と、前記装置本体内に設けられ、被介護者に向けて洗浄水を噴出するための噴出部と、前記装置本体の上部開口部分に設けられ、被介護者の上半身を覆う遮蔽部と、前記装置本体の下部開口部分に設けられた排水口と、前記装置本体の下部に設けられ、前記チェアーを前記装置本体内に収容した状態で前記チェアーのフットレストに当接することにより、前記装置本体の下部開口部分から排水が漏出するのを防止するための当接部とを備えたことを特徴としている。
【0007】
請求項2の発明に係る洗浄装置は、請求項1において、前記装置本体内には、前記チェアーのシート面に沿う形状の座席面を有する座席部が設けられ、前記座席面には排水口が形成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項3の発明に係る洗浄装置は、請求項2において、前記チェアーのシートには開孔が形成されるとともに、前記座席面の排水口の下方には、上方に開口しかつオーバーフロー用の孔を有する小型便器が取り出し可能に設けられていることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図6は本発明の一実施例による洗浄装置を説明するための図であって、図1は本実施例装置の使用開始前の状態を示す全体斜視図、図2は本実施例装置の使用中の状態を示す全体斜視図、図3は本実施例装置の装置本体部分の縦断面部分図、図4ないし図6は被介護者による使用中の状態を説明するための図である。
【0010】
図1および図2に示すように、この洗浄装置1は、被介護者を着座させるためのチェアー2と、チェアー2に着座した被介護者をチェアー2ごと収容するとともに、被介護者の下半身を覆う装置本体3とから主として構成されている。
【0011】
チェアー2はメッシュ状のシート21とフットレスト22とを有し、キャスタ23により移動可能になっている。シート21の中央部分には開孔21aが形成されている。フットレスト22の下面にはブラシ25が植設されている。シート21の下方においてフットレスト22の後方部分には、洗浄後に被介護者の体から落ちる滴を受けるための受け皿24が設けられている。受け皿24は前後方向にスライド自在に設けられており、フットレスト22の下方に配設された図示しない圧縮ばねにより常時後方側に付勢されている。
【0012】
装置本体3は、上方,下方および前方に開口する箱状の部材であって、チェアー2のシート21に沿う形状の座席部31を有している。座席部31には、被介護者に向けて洗浄水を噴出させるための複数のノズル(噴出部)32が設けられている。座席部31の両側方の側壁部にも同様のノズル32が設けられている。これらのノズル32には、装置本体3内に配設された導管(図示せず)を介して、装置外部から洗浄水が導入されるようになっている。
【0013】
装置本体3の側面には操作パネル34が配設されており、この操作パネル34には、洗浄水導入のためのON/OFFスイッチおよび洗浄水の温度調節スイッチ等が設けられている。また、装置本体3の側面にはシャワー35が取り付けられている。
【0014】
装置本体3の前部開口部分には開閉可能な前扉36が設けられている。一方、装置本体3の側面にはレバー37が設けられており、このレバー37の操作により、前扉36の閉状態のロックおよびロック状態の解除が行われるようになっている。前扉36の上部には、被介護者が把持するための手摺38が配設されている。前扉36内には、装置本体3の上部開口を閉塞し得るシャッター(遮蔽部)40が取り出し可能に収納されている。
【0015】
装置本体3上部の左右両端部には、シャッター40の開閉時にシャッター40をスライド自在にガイドするための一対のガイドレール41が前後方向に配設されている。各ガイドレール41の前端は装置本体3の上部に係止されており、後端は各ガイドレール41を連結する連結板部42に係止されている。なお、連結板部42の下部には、図5に示すように、フレキシブルホース49を介して洗浄水噴出用のノズル32が設けられている。
【0016】
各ガイドレール41および連結板部42の下方には、上下方向伸縮自在な蛇腹43が設けられている。この蛇腹43が伸縮することにより、各ガイドレール41がそれぞれの前端側を中心に上下方向に回動するようになっている。また、このとき、連結板部42は、蛇腹43の後方に配設された係止機構39(図5)により、任意の高さ位置に保持されるようになっている。
【0017】
連結板部42の中央部分には、被介護者を後方から支持するサポート部44が取り付けられている。連結板部42上面の左右両端部には、シャッター40の先端を係脱自在に係止するためのマグネットまたは接着布等からなる係止部45が取り付けられている。また、シャッター40の先端には、被介護者を入れるための切欠き40aが形成されている。
【0018】
装置本体3の底壁部には排水口46が設けられている。排水口46は、図3に示すように、装置本体3内に配設された排水管47に接続されており、該排水管47は、装置本体3外部の排水ホース48に接続されている。本実施例装置1の使用時には、排水ホース48の先端は浴室等に配置される。
【0019】
座席部31の略中央部には排水口50が形成されている。排水口50は、装置本体3内に配設された排水管51を介して排水管47に接続されている。また、排水口50にはストレーナ52が着脱自在に装着されている。
【0020】
前扉36の裏面および座席部31の前面部には、横方向に延びるゴム製のパッキン(当接部)60,61がそれぞれ装着されている。これらのパッキン60,61は、チェアー2を装置本体3内に収容して前扉36を閉めたときに、チェアー2のフットレスト22の前,後端面に圧接するようになっており、これにより、洗浄装置1の使用中に、装置本体3の下部開口から下方に排水が漏出するのが防止されている。
【0021】
なお、チェアー2を装置本体3内に収容したとき、フットレスト22下部のブラシ25は、装置本体3の排水口46近傍の底壁部上に配置されており、これにより、フットレスト22の両側方から装置本体3の下方に排水が飛散するのが防止されている。
【0022】
従来の洗浄,入浴装置は、排水が装置外部に漏れるおそれがあったため、浴室内での使用に限られていたが、本実施例装置では、上述のように、装置の使用中に排水が漏れるのが確実に防止されていることから、浴室内ばかりでなく、室内においても使用することが可能である。
【0023】
上記のように構成される本実施例装置により、被介護者を洗浄する際には、まず、被介護者をチェアー2に着座させるとともに、装置本体3の前扉36を開け、チェアー2に着座させた被介護者をチェアー2ごと装置本体3内に入れる。被介護者を装置本体3内に収容後、介護者が前扉36を閉め、レバー37によりロックする。
【0024】
このとき、チェアー2のフットレスト22の前後端面は、それぞれ前扉36側のパッキン60,座席部31側のパッキン61に圧接し(図5参照)、フットレスト22下部のブラシ25は、装置本体3の底壁部上に配置されており、洗浄装置1からの水漏れが防止されている。
【0025】
また、チェアー2が装置本体3内に進入するときには、座席部31下部に設けられた突起部65が受け皿24の後端面に当接し、チェアー2の進入にともない、受け皿24が圧縮ばね(図示せず)のばね力に抗して徐々に前方(図5左方)に移動する。そして、チェアー2が装置本体3内に収容されたとき、受け皿24の大部分がフットレスト22の下方に配置されることになる。これにより、装置本体3内の排水管51と受け皿24との干渉が防止されている。
【0026】
次に、被介護者が全身入浴を希望する場合には、図4および図5に示すように、介護者が蛇腹43を持ち上げ、サポート部44を被介護者Pのたとえば首の辺りに配置するとともに、シャッター40を前扉36内から取り出してレール41に沿って引き出し、その先端を連結板部42上の係止部45に係止させる。
【0027】
この状態から、装置本体3内に洗浄水を導入して、各ノズル32から被介護者Pに向けて洗浄水を噴出させる。このとき、連結板部42下部のノズル32からも洗浄水が噴出することから、被介護者Pの下半身のみならず上半身をも洗浄されることになるので、被介護者Pが全身洗浄を行うことができる。また、この洗浄時には、被介護者Pが密閉した装置本体3内に収容されることになるので、装置全体の保温効果を高めることができる。
【0028】
なお、洗浄中の排水は、各排水口46および50から排水管47,排水ホース48を通って、たとえば浴室の排水口に排出されることになる。
【0029】
次に、被介護者Pが下半身のみの入浴を希望する場合には、図6に示すように、介護者が蛇腹43を押し下げ、サポート部44を被介護者Pのたとえば腰の辺りに配置するとともに、シャッター40を引き出して、その先端を係止部45に係止させる。
【0030】
この状態から、装置本体3内に洗浄水を導入すると、各ノズル32から被介護者Pの下半身に向けて洗浄水が噴出され、これにより、被介護者Pが下半身の洗浄を行うことができる。この洗浄時には、被介護者Pは手摺38を把持することによって、上半身を容易に支持することができる。
【0031】
この場合には、被介護者が着座した状態で洗浄を行うことができるため、介護者の負担を軽減できる。また、被介護者の希望に応じ、簡単な操作で全身洗浄あるいは下半身洗浄を行うことができる。
【0032】
洗浄後は、前扉36を開け、被介護者Pを着座させたまま、チェアー2を前方に引き出す。このチェアー2の移動時には、受け皿24が圧縮ばねのばね力により後方にスライドしてシート21下方に配置されることになるので、被介護者Pの体からの滴をこの受け皿24で受けることができ、滴が室内に落ちるのを防止できる。
【0033】
なお、前記実施例では、洗浄中の排水は、装置本体3下部の排水口46および座席部31の排水口50から装置外部に排出されるが、これらの排水口のうち、排水口50は省略することも可能である。この場合には、座席部31の座席面を前記実施例のような凹面状ではなく、平坦状にして、座席面上に水が溜まらないようにする必要がある。
【0034】
また、前記実施例では、排水口46および50からの排水を同じ排水管47に排出するようにしているが、図7に示すように、排水口50からの排水は、排水管47とは別個に配設されかつU字状部を有する排水管53に排出するようにしてもよい。
【0035】
図7において、排水管53の上部には、排水管53内を洗浄するための洗浄水が導入される洗浄管54と、開閉バルブ55とが接続されている。このような構成を採用することにより、排水管53を汚水管として使用することが可能である。すなわち、この場合には、被介護者Pが洗浄中に排便または排尿を行うことができ、排出された便または尿は、座席部31の排水口50から排水管53内に排出される。なお、排水管53は、装置本体3外部に設けられた図示しない汚水ホースに接続されており、該汚水ホースの先端はトイレの便器内等に配置される。
【0036】
さらに、図3および図7に示す前記各実施例において、座席部31の排水口50の下方に、取り出し可能なポータブル便器を設けるようにしてもよい。
【0037】
図8は、図3の実施例の排水口50の下方にポータブル便器70を設けた例を示している。
このポータブル便器70は、図9に示すような箱状の容器であって、座席部31の前面に形成された穴58内に着脱自在に収納される。ポータブル便器70は、上方に開口を有し、該開口部71が排水口50の下方に配置される。また、ポータブル便器の前面には把手72が取り付けられており、後面上部には排水をオーバーフローさせるための複数の孔73が形成されている。なお、座席部前面の穴68上には、開閉可能な蓋59が取り付けられている。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る洗浄装置によれば、介護者の負担を軽減でき、しかも、浴室内ばかりでなく室内においても使用することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による洗浄装置の使用開始前の状態を示す全体斜視図。
【図2】前記実施例装置の使用中の状態を示す全体斜視図。
【図3】前記実施例装置の装置本体の縦断面部分図。
【図4】被介護者による前記実施例装置の使用中の状態(全身洗浄状態)を説明するための図。
【図5】被介護者による前記実施例装置の使用中の状態(全身洗浄状態)を説明するための図。
【図6】被介護者による前記実施例装置の使用中の状態(下半身洗浄状態)を説明するための図。
【図7】本発明の他の実施例による洗浄装置の装置本体の縦断面部分図であって、前記実施例装置の図3に相当する図。
【図8】本発明のさらに他の実施例による洗浄装置の装置本体の縦断面部分図であって、前記実施例装置の図3に相当する図。
【図9】図8の実施例装置においてポータブル便器を取り出した状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1 洗浄装置
2 チェアー
21 シート
21a 開孔
22 フットレスト
3 装置本体
31 座席部
32 ノズル(噴出部)
40 シャッター(遮蔽部)
46,50 排水口
60,61 パッキン(当接部)
70 ポータブル便器
71 開口部
73 オーバーフロー用の孔
P 被介護者
Claims (3)
- 被介護者を洗浄するための洗浄装置であって、
被介護者を着座させるためのシートおよびフットレストを有する移動可能なチェアーと、
上方および下方に開口し、前記チェアーに着座した被介護者を前記チェアーごと収容して被介護者の下半身を覆う装置本体と、
前記装置本体内に設けられ、被介護者に向けて洗浄水を噴出するための噴出部と、
前記装置本体の上部開口部分に設けられ、被介護者の上半身を覆う遮蔽部と、
前記装置本体の下部開口部分に設けられた排水口と、
前記装置本体の下部に設けられ、前記チェアーを前記装置本体内に収容した状態で前記チェアーのフットレストに当接することにより、前記装置本体の下部開口部分から排水が漏出するのを防止するための当接部と、
を備えた洗浄装置。 - 前記装置本体内には、前記チェアーのシート面に沿う形状の座席面を有する座席部が設けられ、前記座席面には排水口が形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の洗浄装置。 - 前記チェアーのシートには開孔が形成されるとともに、前記座席面の排水口の下方には、上方に開口しかつオーバーフロー用の孔を有する小型便器が取り出し可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項2記載の洗浄装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP21284195A JP3615277B2 (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 洗浄装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21284195A JP3615277B2 (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 洗浄装置 |
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JPH0938170A JPH0938170A (ja) | 1997-02-10 |
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Family
ID=16629233
Family Applications (1)
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JP21284195A Expired - Fee Related JP3615277B2 (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 洗浄装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3615277B2 (ja) |
-
1995
- 1995-07-28 JP JP21284195A patent/JP3615277B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0938170A (ja) | 1997-02-10 |
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