JP3614644B2 - 積層体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂層と金属薄膜層とからなる積層体の製造法に関するものである。詳しくは、周回する支持体上で樹脂層と金属薄膜層とを交互に積層して、積層体を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
樹脂層を積層する工程と金属薄膜層を積層する工程とを一単位として、これを周回する支持体上で繰り返すことにより、樹脂層と金属薄膜層とが交互に積層された積層体を製造する方法は、例えば、欧州特許公開第808667号により公知である。
【0003】
樹脂層と金属薄膜層との積層体の製造方法の一例を図面を用いて説明する。
【0004】
図12は、従来の積層体の製造方法を実施するための製造装置の一例の概略を模式的に示した断面図である。
【0005】
積層体製造装置900は、真空槽901内に、回転する円筒形状のキャンローラ910と、キャンローラ910の周囲に配された樹脂層形成装置920と、樹脂硬化装置940と、金属薄膜形成装置930とを有する。真空槽901内は、真空ポンプ902により、減圧状態に維持されている。
【0006】
樹脂材料供給管921から流量調整バルブ922で所定流量に調整された液体状態の樹脂材料が、樹脂層形成装置920に供給される。液体状態の樹脂材料は、加熱容器923に蓄積され、加熱されて蒸発し、回転方向924の向きに回転する加熱ロール925の外表面に付着し、再び蒸発して、回転方向911の向きに回転するキャンローラ910の外周面上に付着する。
【0007】
キャンローラ910は樹脂材料の凝縮点以下に冷却されているから、付着した樹脂材料は、キャンローラ910の表面で冷却されて、樹脂材料からなる固体状の樹脂層を形成する。
【0008】
形成された樹脂層は、樹脂硬化装置940により紫外線が照射されて硬化される。
【0009】
次いで、金属薄膜形成装置930により、樹脂層表面にアルミニウム薄膜が蒸着により形成される。
【0010】
このように、キャンローラ910が周回することにより、キャンローラ910の外周面上に、樹脂層形成装置920による樹脂層と、金属薄膜形成装置930による金属薄膜層とが交互に形成されていき、樹脂層と金属薄膜層とからなる積層体を製造することができる。
【0011】
上記の方法によれば、樹脂層厚みが0.1〜1μm程度、金属薄膜層厚みが50nm程度のものを製造することが可能であり、得られた積層体を、樹脂層を誘電体層とするコンデンサに応用すれば、小型で、大容量、低価格のコンデンサが製造できる可能性があるとして開発が進められている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らの検討によれば、上記の方法を実用化するに際しては、解決すべき各種問題が存在していることが判明した。
【0013】
まず、樹脂層及び金属薄膜層のそれぞれの積層厚みが薄くなればなるほど、積層体内部に侵入する固体状異物の存在が無視できなくなる。異物の侵入形態として、真空槽901を開いて内部の各種装置の調整などを行った後、真空槽901を閉じて最初に積層体を製造する際に、キャンローラ910の表面に微細な固体状異物が付着している場合が多い。図13は、キャンローラ910の表面に固体状異物961が付着した状態で積層した場合の樹脂層951及び金属薄膜層952の積層状態を模式的に示した断面図である。図示したように、積層厚みが薄くなると各層の厚みに対する異物の相対的大きさが無視できなくなってきて、得られる積層体の表面には、侵入した異物の大きさ以上の大きさを有する突起956が形成される。更に、このような突起形成部分では樹脂層や金属薄膜層の厚みが不均一になりやすい。従って、例えば、積層体をコンデンサとして使用した場合には、樹脂層が薄くなった部分の存在によりコンデンサの耐電圧が低下したり、最悪の場合はピンホールを生じて短絡したりする。また、金属薄膜層が薄くなると、その部分で耐電流特性の低下を招く。従って、異物の混入の可能性が少ない積層体の製造方法が望まれる。
【0014】
また、積層体の用途によっては、その積層厚みが所望する通りに正確であることが特に要求される場合がある。また、金属薄膜層が形成されない絶縁領域(マージン部ともいう)を形成することにより、同一の樹脂層表面上に形成された金属薄膜層を複数の領域に分割するような場合にも、その絶縁領域の位置、幅等が所望する通りに正確であることが要求される場合がある。例えば、積層体をコンデンサとして使用する場合には、誘電体層となる樹脂層の厚みや、誘電体となる部分の面積を決定する絶縁領域の位置及び幅は、コンデンサの静電容量に直接影響を与える。従来は、経験と机上計算を参考にして、試行錯誤して製造条件を設定していた。しかしながら、製造時の環境(雰囲気)を常に一定に維持することは困難であるから、同一条件に設定したつもりでも常に同一の積層体が得られるとは限らない。また、薄膜の実際の積層状態を机上計算により予め正確に予測することにも限界がある。従って、積層体を製造するに先だって、樹脂層及び金属薄膜層、更に必要に応じて絶縁領域を実際に形成してみて、その形成状態を確認し、それに基づき最適な製造条件を設定でき、しかも、最適化された際の環境(雰囲気)や各種条件が変更されることなく、そのまま引き続いて積層体の製造に移行できる方法が望まれる。
【0015】
従って、本発明は、樹脂材料を付着させて樹脂層を積層する工程と、金属薄膜層を積層する工程とを一単位とし、これを周回する支持体上で所定回数繰り返すことにより、樹脂層と金属薄膜層とからなる積層体を製造する方法において、簡易な方法により、キャンローラ上に付着した異物を予め除去することが可能な積層体の製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は、上記積層体の製造方法において、簡易な方法により、積層体を製造するに先だって、樹脂層及び金属薄膜層、更に必要に応じて絶縁領域を実際に形成してみて、その形成状態を確認しておいてから、その後連続して積層体を製造することができる積層体の製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る積層体の製造方法は、真空中で樹脂材料を付着させて樹脂層を積層する工程と、金属薄膜層を積層する工程とを一単位とし、これを周回する支持体上で所定回数繰り返すことにより、樹脂層と金属薄膜層とからなる積層体を前記支持体上に直接製造する積層体の製造工程を有する積層体の製造方法であって、前記支持体上に帯状物を走行させる走行工程と、前記支持体上に前記帯状物を走行させながら前記帯状物に前記樹脂層及び前記金属薄膜層のうちの少なくともいずれかを積層し、その積層状態を確認する工程と、確認した前記樹脂層又は前記金属薄膜層の積層状態を調整する調整工程と、前記帯状物を前記支持体から除去する除去工程とを有し、前記調整工程において所定の積層状態に調整した後に前記除去工程へ連続して移行し、且つ、前記除去工程後に前記積層体の製造工程に連続して移行することを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、支持体上に付着した異物を前記帯状物に付着させて取り除くことが可能になるために、異物の混入のない積層体を製造することができる。
【0019】
また、本発明によれば、支持体上を走行する帯状物に、樹脂層及び金属薄膜層、更に必要に応じて絶縁領域を実際に形成してみて、その形成状態を確認し、必要に応じて各種条件を調整し、最適化してから、帯状物を除去し、そのまま連続して支持体上に積層体を製造することができるから、所望する通りの積層厚みや絶縁領域を有する積層体を容易に製造することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の積層体の製造方法を、図面を用いて説明する。
【0021】
図1は、本発明の積層体の製造方法を実施するための製造装置の一例を模式的に示した概略断面図である。
【0022】
一定の角速度又は周速度で図中の矢印102方向に回転するキャンローラ101の下部に金属薄膜形成装置103が配され、これに対してキャンローラ101の回転方向下流側に樹脂層形成装置250が配されている。
【0023】
また、本例では、金属薄膜形成装置103の上流側に、絶縁領域(マージン)を形成するためのパターニング材料付与装置300が、金属薄膜形成装置103と樹脂層形成装置250との間にパターニング材料除去装置109が、樹脂層形成装置250とパターニング材料付与装置300との間に樹脂硬化装置106及び樹脂表面処理装置107が、それぞれ配されているが、これらは必要に応じて設ければよい。
【0024】
これらの装置は、真空容器104内に納められ、その内部は真空ポンプ105により真空に保たれる。真空容器104内の真空度は2×10−4Torr程度である。
【0025】
キャンローラ101の外周面は、平滑に、好ましくは鏡面状に仕上げられており、好ましくは−20〜40℃、特に好ましくは−10〜10℃に冷却されている。回転速度は自由に設定できるが、15〜70rpm程度、周速度は好ましくは20〜200m/minである。本実施の形態では、周回する支持体として円筒状のドラムからなるキャンローラ101を使用したが、この他、2本又はそれ以上のロールの間を周回するベルト状の支持体、あるいは回転する円盤状支持体等であってもよい。
【0026】
樹脂層形成装置250は、樹脂層を形成する樹脂材料を蒸発気化又は霧化させて、キャンローラ101表面に向けて放出する。樹脂材料は、キャンローラ101の外周面に付着して樹脂層を形成する。樹脂材料としては、このように蒸発気化又は霧化した後、堆積して薄膜を形成できるものであれば特に限定されず、得られる積層体の用途に応じて適宜選択できるが、反応性モノマー樹脂であるのが好ましい。例えば、電子部品材料用途に使用する場合には、アクリレート樹脂またはビニル樹脂を主成分とするものが好ましく、具体的には、多官能(メタ)アクリレートモノマー、多官能ビニルエーテルモノマーが好ましく、中でも、シクロペンタジエンジメタノールジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルモノマー等若しくはこれらの炭化水素基を置換したモノマーが電気特性、耐熱性、安定性等の点で好ましい。樹脂材料を飛散させる手段としては、ヒータ等の加熱手段、超音波又はスプレー等による気化又は霧化させる方法が用いられる。特に、ヒータ等の加熱手段により樹脂材料を蒸発気化させる方法が好ましい。
【0027】
図1に示した樹脂層形成装置250は、反応性モノマー樹脂を加熱して蒸発気化させて樹脂層を形成する場合の装置の一例であり、図2は、その内部構造を示した概略断面図である。
【0028】
樹脂層を形成する液体状の反応性モノマーは、原料供給管251を通じ、流量調整バルブ260で流量を調整されて、樹脂層形成装置250内部に傾斜して設置された加熱板A252に滴下される。反応性モノマーは加熱板A252上を下方に流動しながら加熱され、その一部は蒸発し、蒸発しきれなかった反応性モノマーは、所定の回転速度で回転する加熱ドラム253上に落下する。加熱ドラム253上の反応性モノマーは、その一部は蒸発し、蒸発しきれなかった反応性モノマーは加熱板B254上に落下する。反応性モノマーは加熱板B254上を下方に流動しながら、その一部は蒸発し、蒸発しきれなかった反応性モノマーは、加熱板C255上に落下する。反応性モノマーは加熱板C255上を下方に流動しながら、その一部は蒸発し、蒸発しきれなかった反応性モノマーは、加熱されたカップ256内に落下する。カップ256内の反応性モノマーは、徐々に蒸発していく。以上により蒸発した気体状の反応性モノマーは、周囲壁258内部を上昇し、遮蔽板257a、257b、257cの間を通り抜けて、キャンローラ101の外周面上に到達し、液化し、固化して樹脂層を形成する。なお、反応性モノマーを蒸発させる手段は、上記の構成に限られず、適宜変更することは可能である。
【0029】
このように、蒸発気化させた反応性モノマーをキャンローラ101上で液化させて樹脂層を形成するために、液体状態の樹脂材料を直接キャンローラ101上に塗布する場合と異なり、表面が平滑で極めて薄い樹脂層が得られる。
【0030】
また、蒸発した反応性モノマーがキャンローラ101に到達する過程に、上記の遮蔽板217a、217b、217cを設けておくことにより、より平滑な表面を有する樹脂層を形成することができる。原料供給管251により供給された液体状の反応性モノマーは加熱板A252により急激に加熱され、粗大粒子となって一部が飛散する場合がある。そこで、反応性モノマーの蒸発地点からキャンローラ表面の被付着地点が直接見通せないように遮蔽板を設けることにより、粗大粒子の付着は大幅に減少できるから、樹脂層表面は非常に平滑なものとなる。従って、遮蔽板の配置は上記の効果が奏されれば、図2に示した形状、配置に限定されない。
【0031】
更に、本実施の形態の樹脂層形成装置250は、表面が平滑な樹脂層を形成するために、気化された反応性モノマーを荷電させるために、反応性モノマーの通過点に荷電粒子線照射装置259を設けている。荷電した反応性モノマー粒子は静電引力により加速され、付着の際は静電力のミクロ的な反発により、先に付着した荷電粒子部分を避けて付着する。このような作用により、極めて平滑な樹脂薄膜層が形成される。なお、荷電粒子線照射装置は、パターニング材料除去装置109の下流側であって、樹脂薄膜形成装置250の上流側に、キャンローラ101の外周面に向けて設置して、被付着表面を荷電してもよい。使用する樹脂材料によっては荷電粒子照射装置は必ずしも必要ではないが、特に粘度の高い材料を用いて平滑な薄膜を得る場合に、荷電粒子の照射が有効である。
【0032】
荷電粒子線照射装置としては、反応性モノマー粒子又はその被付着面に静電荷を付与するものであればその手段は問わないが、例えば、電子線照射装置、イオンビームを照射するイオン源、プラズマ源などが使用できる。
【0033】
本発明の金属薄膜層は非常に薄いため、それが形成される下地層表面の形状がほぼそのまま金属薄膜層表面に反映される。したがって、以上の手段により形成された樹脂層はその表面が非常に平滑であるから、その表面に形成される金属薄膜層表面も非常に平滑なものになる。
【0034】
樹脂層の表面粗さは、得られる積層体の用途に応じて適宜決定されるが、0.1μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.04μm以下、特に好ましくは0.02μm以下である。また、金属薄膜層の表面粗さは、0.1μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.04μm以下、特に好ましくは0.02μm以下である。表面粗さがこれより大きいと、積層体が使用される各種用途で特性の高度化が達成できず、また、特性の不安定化をまねく。例えば、磁気記録媒体用途では、高密度記録が困難となり、また、表面粗大突起がドロップアウト等をまねき、記録の信頼性が低下する。また、電子部品用途では、高集積化が困難となり、また、表面粗大突起部に電界集中が発生し、樹脂薄膜層の溶失や金属薄膜層の焼失などをまねく。
【0035】
また、樹脂層の表面粗さが樹脂層の厚みの1/10以下、更に1/25以下、特に1/50以下であるのが好ましい。樹脂層の表面粗さが樹脂層の厚みに対して大きすぎると電界や磁界の集中、隣接金属薄膜層の平坦化障害が生じる。また、金属薄膜層の表面粗さが樹脂層の厚み又は金属薄膜層の厚みの1/10以下、更に1/25以下、特に1/50以下であるのが好ましい。金属薄膜層の表面粗さが樹脂層の厚み又は金属薄膜層の厚みに対して大きすぎると電界や磁界の集中、隣接樹脂層の平坦化障害、電流の集中が生じる。
【0036】
なお、本発明でいう表面粗さは、先端径が10μmのダイアモンド針を用い、測定荷重が10mgの接触式表面粗さ計で測定した十点平均粗さRaである。なお、樹脂層の表面粗さの測定は樹脂層表面に直接触針を当てて、また金属薄膜層の表面粗さの測定は金属薄膜層表面に直接触針を当てて測定したものである。また、この際、他の積層部の影響(例えば、絶縁領域の存在に基づく段差)を排除して測定する必要があることはもちろんである。
【0037】
堆積した樹脂材料は、必要に応じて樹脂硬化装置106により所望の硬化度に硬化処理してもい。硬化処理としては、樹脂材料を重合及び/又は架橋する処理が例示できる。樹脂硬化装置としては、例えば電子線照射装置、紫外線照射装置、又は熱硬化装置等を用いることができる。硬化処理の程度は、製造する積層体の要求特性により適宜変更すれば良いが、例えばコンデンサなどの電子部品用の積層体を製造するのであれば、硬化度が50〜95%、更には50〜75%になるまで硬化処理するのが好ましい。硬化度が上記範囲より小さいと、本発明の方法により得た積層体をプレスしたり、電子部品として回路基板に実装したりする工程において、外力等が加わると容易に変形したり、金属薄膜層の破断又は短絡等を生じてしまう。一方、硬化度が上記範囲より大きいと、積層体を製造後キャンローラから円筒状の積層体を取り外す場合、または、その後これをプレスして平板状の積層体を得る場合などに割れるなどの問題が生じることがある。なお、本発明の硬化度は、赤外分光度計でC=O基の吸光度とC=C基(1600cm−1)の比をとり、各々のモノマーと硬化物の比の値をとり、減少分吸光度を1から引いたものと定義する。
【0038】
本発明において、樹脂層の厚みは特に制限はないが、1μm以下、更に0.7μm以下、特に0.4μm以下であることが好ましい。本発明の方法によって得られる積層体の小型化・高性能化の要求に答えるためには樹脂層の厚みは薄い方が好ましい。例えば、本発明の製造方法により得られた積層体をコンデンサに使用する場合、誘電体層となる樹脂層は薄い方が、コンデンサの静電容量はその厚みに反比例して大きくなる。また、厚みが薄くなっても、本発明の効果は達成でき、むしろ薄い場合に本発明の効果がより一層顕著に発現する。
【0039】
形成された樹脂層は、必要に応じて樹脂表面処理装置107により表面処理される。例えば、酸素プラズマ処理等を行って、樹脂層表面を活性化させて金属薄膜層との接着性を向上させることができる。
【0040】
パターニング材料付与装置300は、パターニング材料を樹脂層表面に所定の形状に付着させるためのものである。パターニング材料が付着した箇所には金属薄膜は形成されず、絶縁領域(マージン)となる。本実施の形態では、パターニング材料は、キャンローラ101上に形成された樹脂層表面に、円周方向に所定の位置に、所定の形状で、所定の数だけ付着する。
【0041】
パターニング材料の付与の手段は、蒸発気化させたパターニング材料を微細孔から噴射して樹脂薄膜表面で液化させる方法、または液状のパターニング材料を噴射する方法等の非接触付着手段の他、リーバースコート、ダイコート等の塗布による方法があるが、本発明では、樹脂層表面に外力が付与されて、樹脂層やその下の金属薄膜層の変形、それに伴う各層の破断、表面荒れなどが発生するのを防止するために、非接触付着手段が好ましい。
【0042】
パターニング材料を樹脂表面に非接触で付着させる方法としては、蒸発気化させたパターニング材料を微細孔から噴射して樹脂層表面で液化させる方法、または液状のパターニング材料を微細孔から噴射して付着させる方法等がある。
【0043】
図3に、図1の製造装置に使用されたパターニング材料付与装置の正面図を示す。図3のパターニング材料付与装置300は、蒸発気化させたパターニング材料を微細孔から噴射するものであり、パターニング材料を必要十分な厚さで、所定の範囲に安定して付着でき、しかも構造的にも簡単であるという利点を有する。
【0044】
パターニング材料付与装置300の正面には、微細孔301が所定の間隔で所定の数だけ並んで配されている。微細孔301が被付着面となるキャンローラ101の外周面に対向するように、かつ矢印302の方向が被付着面の進行方向に一致するように、パターニング材料付与装置300を設置する。そして、微細孔301から気化したパターニング材料を放出することにより、被付着面にパターニング材料が付着し、冷却して液化して、パターニング材料の付着膜を形成する。したがって、同図の微細孔301の間隔と数は、樹脂層表面に帯状にパターニング材料を付着させる場合の間隔とその数に対応する。
【0045】
図4は、図3のI−I線矢印方向から見た断面図である。微細孔301は、ノズル303に接続し、更にノズル303は容器304に接続されている。そして、本例では容器304に外部からパターニング材料が供給される。
【0046】
ノズルの微細孔301の形状は、図3に示すように丸形(円形)であっても良いが、例えば、楕円形、長孔形、矩形などであっても使用できる。この場合、微細孔の最大径Dは、10〜500μm、特に30〜100μmとすると、適度な付着厚みで境界の明確なパターニング材料の付着膜が得られる。更に、上の各種形状の微細孔を複数個近設して一つのパターニング材料付着位置を構成させても良い。微細孔の形状、大きさ、数、配列は、パターニング材料の種類、付着幅、被付着面の走行速度などの各種条件に応じて適宜選択する。
【0047】
微細孔301の最大径をD、微細孔の深さをLとしたとき、L/Dを1〜10、更に2〜8、特に3〜7にするのが好ましい。L/Dが上記範囲より小さいと放出されたパターニング材料が広く拡散し、所定の幅で、境界が明確な付着膜を得るのが困難になる。一方、上記範囲より大きいとパターニング材料の拡散の指向性はあまり向上しないのに、微細孔の加工が困難になりコストが上昇する。
【0048】
パターニング材料付与装置300へのパターニング材料の供給は、例えば以下の通りに行うのが好ましい。
【0049】
図5は、パターニング材料付与装置に気化させたパターニング材料を供給する場合の構成の一例を示した概略図である。液体状態のパターニング材料313は、リザーブタンク310に蓄えられ、バルブ314aを有する配管315aを通じて気化装置312に供給される。気化装置312は、パターニング材料を昇温し、気化させる。気体状態のパターニング材料は、バルブ314bを有する配管315bを通じてパターニング材料付与装置300の容器304に送られる。その後、パターニング材料はノズル303及びその微細孔301を通って被付着面に向け放出される。この場合、配管315bとパターニング材料付与装置300は、パターニング材料が液化しないように所定の温度に加熱・保温されている。リザーブタンク310及び気化装置312は、真空装置104(図1参照)の外に置かれる。本例によれば、パターニング材料の気化をパターニング材料付与装置300以前の気化装置312で予め行うので、経時的に安定したパターニング材料蒸気が得られる。
【0050】
なお、図5の他、液体状態のパターニング材料をパターニング材料付与装置300の容器304に送り、容器304の内部で気化させる構成であってもよい。また、パターニング材料付与装置300が、容器304を有さず、気体状態又は液体状態のパターニング材料をパターニング材料付与装置300のノズル303に直接送り込み、液体状態のものはそこで気化させた後、微細孔301から放出する構成であってもよい。
【0051】
なお、パターニング材料の気化は、分子量の小さいものから気化する傾向があるため、工程の最初と最後とでは気化した蒸気の成分が異なることも起こり得る。従って、気化が安定化してからパターニングするようにする必要がある。
【0052】
パターニング材料付与装置の微細孔と被付着面(樹脂層表面)との間の距離Dw(図1参照)は、500μm以下、更には400μm以下、特に300μm以下とするのが好ましい。また、その下限は、50μm以上、更には100μm以上、特に200μm以上であるのが好ましい。上記の通り、気化したパターニング材料は、微細孔から放出されると、一定の指向性をもちながら拡散する。従って、パターニング材料の付着膜を意図した幅に、かつその境界が明確になるように安定して形成するためには、微細孔と被付着面との距離は小さい方が好ましい。一方、近付けすぎると、付着膜の厚みの制御が困難になったり、中央部と周辺部との付着膜の厚みの差が大きくなったり、付着しないで拡散してしまう蒸気の割合が多くなったりする。
【0053】
次に、液状のパターニング材料を微細孔から噴射して付着させる方法について説明する。
【0054】
図6に、液状のパターニング材料を微細孔から噴射することができるパターニング材料付与装置の一例の正面図を示す。パターニング材料付与装置300′は矢印302の方向が被付着面の進行方向に一致するように設置される。パターニング材料付与装置300′の正面には、ノズルヘッド320が矢印302と直角をなすように配置されている。
【0055】
図7に図6のノズルヘッド320を正面から見た部分拡大図を示す。図中、矢印302は図6の矢印302の方向と一致する。ノズルヘッドの表面には微細孔321が配されている。本例では、3つの微細孔を矢印302と略45°の角度をなすように所定間隔で配したものを1組として、これをノズルヘッド内で所定間隔で所定の数だけ配している。そして、これらの微細孔321は、これを矢印302と垂直な面に投影させて見れば等間隔になるように配置されている。なお、微細孔の配列は、図6、図7に示すものに限られないことはもちろんである。
【0056】
図8は、図7のII−II線矢印方向から見た微細孔の部分断面図である。
【0057】
ベースプレート323には、微細孔321の位置に相当する部分にシリンダ328が加工されており、該シリンダ328にピエゾ圧電素子324及びピストンヘッド325が順に挿入されている。ベースプレート323の前面にはオリフィスプレート326が配され、両者の間に液体状態のパターニング材料327が充填されている。微細孔321の径は適宜設計することができるが例えば70μm程度である。
【0058】
微細孔321からの液体状態のパターニング材料の噴射は以下のようにして行う。圧電素子324の圧電効果により、圧電素子324を収縮させ、ピストンヘッド325を図中左方向に後退させる。これによりピストンヘッド325の前面が負圧になってパターニング材料327がベースプレートのシリンダ328内に吸い込まれる。その後、圧電素子を元の状態に戻すことにより、シリンダ328に蓄えられたパターニング材料が微細孔321を通って放出される。本方式ではパターニング材料は液滴となって不連続に放出される。従って、1回の放出により、パターニング材料は被付着面(樹脂層表面)にひとつのドットとして付着する。1回当たりのパターニング材料の放出量(液滴の大きさ)及び間隔を調整することにより、パターニング材料を連続した液膜として付着させることができる。
【0059】
本方式では、被付着面(樹脂層表面)の移動方向と垂直な方向に複数個配列された微細孔から任意に選択してパターニング材料を放出させることができるので、パターニング材料の付着領域の変更が容易になる。また、各々の作動、停止が容易に行えるので、帯状以外の任意形状(例えば不連続形状)にパターニング材料を付着させることも容易である。更に、先に説明した気化したパターニング材料を放出して被付着面上で液化させる方法に比べて、放出されたパターニング材料の指向性が鋭く、意図する通りに正確にパターニング材料を付着させることが容易である。しかも、微細孔と被付着面との距離を大きくとることができるため(例えば、500μm程度)、装置の設計の自由度が高まり、後述するパターニング材料付与装置の後退といった精密な制御を簡略化できる可能性もある。
【0060】
本方式では、更に、放出されたパターニング材料の液滴粒子を帯電させ、放出された空間に電場を形成しておくのが好ましい。電場の向きを微細孔から被付着面の向きに一致させると、パターニング材料の液滴粒子は被付着面表面に向かって加速する。従って、放出されたパターニング材料粒子の指向性が鋭くなり、また微細孔と被付着面との距離を更に拡大することが可能である。また、電場の向きをこれ以外の向きとして、液滴粒子の軌道を任意方向に曲げることもできる。これにより、装置設計の自由度が向上できる。なお、液滴粒子を帯電させるには、例えば電子線照射、イオン照射、プラズマによるイオン化等の方法を用いることができる。
【0061】
なお、本発明の積層体の製造方法は、周回する支持体上に樹脂層と金属薄膜層とを所定数積層するものである。パターニング材料を付着させる場合は、金属薄膜層を形成する直前に、その都度付着させる必要がある。従って、積層数が多くなれば、上記の微細孔と被付着面(樹脂層表面)との間隔は次第に狭くなる。よって、両者の間隔を上記の範囲内に維持するためには、積層が進行するのに応じてパターニング材料付与装置300を後退させるのが好ましい。
【0062】
パターニング材料付与装置300の後退は、例えば図9に示す装置により行うことができる。即ち、可動ベース351上にアクチュエータA352が固定されており、アクチュエータA352の移動端にパターニング材料付与装置300が取り付けられている。パターニング材料付与装置300は、アクチュエータA352により、可動ベース351上で矢印353方向に移動可能に設置されている。パターニング材料付与装置300には、キャンローラ101表面(積層体形成過程においては、積層体外周面)との距離を測定するギャップ測定装置354が設置されている。ギャップ測定装置354としては、例えばレーザを利用した非接触測距装置が利用できる。ギャップ測定装置354は、積層体の製造中、常にキャンローラ101表面の積層体の外周面との距離を測定しており、その信号はギャップ計測回路355に送られる。ギャップ計測回路355は、パターニング材料付与装置300の微細孔とキャンローラ101表面(積層体形成過程においては、積層体外周面)との距離が所定範囲内にあるかどうかを常時チェックし、積層が進んで該距離が所定範囲より小さいと判断した場合には、アクチュエータA352に対してパターニング材料付与装置300を所定量後退させるよう指示し、これに基づきパターニング材料付与装置300が所定量後退する。かくして、パターニング材料付与装置300の微細孔端とキャンローラ101上の積層体外周面との距離Dwが常に一定間隔に維持されながら積層が進行する。
【0063】
なお、上記のようなギャップ測定装置354及びギャップ計測回路355を用いた制御を行わずに、キャンローラ101の回転数(例えば1回転)に応じて、積層厚さに基づき予め設定した量だけ順次後退するようにしたものであってもよい。また、これに上記のギャップ測定装置354による距離計測を確認のために併用して適宜微調整を加えるものでもよい。
【0064】
本発明の製造方法においては、パターニング材料の付着位置は、積層体の製造途中において適宜変更できるようにしておくのが好ましい。例えば、周回する支持体が所定の回数回転するごとにパターニング材料の付着位置を支持体の被付着面と平行な面内で、被付着面の移動方向に垂直な方向に所定量だけ移動するようにしてもよい。このようにすると、樹脂層と金属薄膜層とが順次積層された積層体において、絶縁領域(マージン)の位置を各層ごとに変化させた積層体を得ることができる。例えば、積層体を電子部品として使用する場合には、樹脂層を挟む上下の金属薄膜層を異なる電位を有する電極にすることが容易に実現できる。
【0065】
パターニング材料の付着位置の変更は、例えば図9に示す装置により行うことができる。即ち、固定ベース356上にアクチュエータB357が固定されており、アクチュエータB357の移動端に前記可動ベース351が取り付けられている。可動ベース351は、アクチュエータB357により、固定ベース356上で矢印358方向に移動可能に設置されている。キャンローラ101の回転は回転検出器(図示せず)により監視されており、キャンローラ101が1回転するごとに回転信号S1が回転検出回路359に送られる。回転検出回路359は、回転信号S1を所定回数(例えば1回)検知するたびに、アクチュエータB357に対して可動ベース351を矢印358方向の所定の向きに所定量移動させるよう指示し、これに基づき可動ベース351、即ちパターニング材料付与装置300が矢印358方向の所定の向きに所定量移動する。かくして、パターニング材料の付着位置は、キャンローラ101が所定回数回転するごとに、キャンローラ101表面の回転移動方向と直角方向に、所定量だけ変更される。
【0066】
パターニング材料としては、エステル系オイル、グリコール系オイル、フッ素系オイル及び炭化水素系オイルよりなる群から選ばれた少なくとも一種のオイルであることが好ましい。更に好ましくは、エステル系オイル、グリコール系オイル、フッ素系オイルであり、特に、フッ素系オイルが好ましい。
【0067】
パターニング材料は、金属薄膜形成時の熱負荷などに耐え、その付着領域には確実に金属薄膜を形成させないものであることが必要とされる。しかしながら、本発明では、これに止まらず、非接触で、気化して又は液体のままで樹脂層表面に付着できるものである必要がある。また、その際に、パターニング材料付与装置の微細孔を詰まらせるものであってはならない。更に、本発明の方法によって形成された樹脂層と相溶性があり、適度の濡れ性を有することが必要な場合がある。更に、真空中で、加熱又は分解により容易に除去可能であることが必要な場合もある。このような特殊な条件が加わることにより、本発明で使用されるパターニング材料は特定種類のオイルであることが特に好ましい。上記以外のパターニング材料を使用すると、積層表面の荒れ、樹脂層や金属薄膜層のピンホール、金属薄膜層の積層領域の不安定化等の問題を生じる。
【0068】
微細孔から気体で噴出させるパターニング材料は、その蒸気圧が0.1torrとなる温度が80〜250℃の範囲内にあることが好ましい。この条件を満足しないパターニング材料では上記の問題を生じることがある。また、オイルの平均分子量は、200〜3000、更に300〜3000、特に350〜2000であることが好ましい。平均分子量がこの範囲より大きいと微細孔の詰まりが発生しやすくなり、逆にこの範囲より小さいとマージン形成が不十分となることがある。
【0069】
必要に応じてパターニング材料を付着した後、金属薄膜層形成装置103により金属薄膜層が形成される。金属薄膜の形成方法としては、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等周知の手段が適用できるが、本発明では蒸着、特に電子ビーム蒸着が耐湿性の優れた膜が生産性良く得られる点で好ましい。また、電子ビーム蒸着とすれば、その電子ビームを後述する帯状物への電子線照射に利用できるという利点もある。金属薄膜層の材料としては、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、鉄、コバルト、シリコン、ゲルマニウム若しくはその化合物、若しくはこれらの酸化物、若しくはこれらの化合物の酸化物などが使用できる。中でも、アルミニウムが接着性と経済性の点で好ましい。なお、金属薄膜層には、上記以外の他成分を含むものであっても構わない。
【0070】
本実施の形態の金属薄膜形成装置103は、真空容器104内に設けられた隔壁110,111により、より高度の真空状態に維持されている。また、金属薄膜層の形成を中止する場合のために、金属薄膜形成装置103とキャンローラ101との間に、外部からの操作により移動可能に設けられた遮蔽板112を有している。本発明の製造方法によれば、樹脂層と金属薄膜層とが交互に積層された積層体を製造することができるが、必要に応じて遮蔽板112を使用して、樹脂層が連続して積層された領域を有する積層体にすることもできる。
【0071】
金属薄膜層の厚みは、本発明の製造方法により得られる積層体の用途により適宜決定すればよいが、電子部品用途に使用する場合は、50nm以下、更に10〜50nm、特に20〜40nmであるのが好ましい。また、膜抵抗は、20Ω/□以下、さらに15Ω/□以下、特に1〜10Ω/□、最適には3〜10Ω/□であるのが好ましい。
【0072】
また、積層体を電子部品、特にコンデンサとして使用する場合には、(樹脂層の厚み)/(金属薄膜層の厚み)を20以下、特に15以下にしておくと、樹脂層のピンホールなどにより対向する金属薄膜層が電気的に短絡した場合に、過電流により当該金属薄膜層が消失又は溶失して、欠陥を除去するという自己回復機能がより良好に発現するために好ましい。
【0073】
金属薄膜層を形成した後であって、樹脂層を積層する前に、残存するパターニング材料を除去することが好ましい。パターニング材料付与装置によって付着したパターニング材料の大部分は金属薄膜の形成の際に再蒸発して消失してしまう。しかしながら、一部は金属薄膜層の形成後も残存し、積層表面の荒れ、樹脂層や金属薄膜層のピンホール(積層抜け)、金属薄膜層の積層領域の不安定化等の問題が生じるからである。
【0074】
パターニング材料の除去は、金属薄膜層形成装置103と樹脂層形成装置250との間に設置したパターニング材料除去装置109により行う。パターニング材料の除去手段は特に制限はなく、パターニング材料の種類に応じて適宜選択すればよいが、例えば加熱及び/又は分解により除去することができる。加熱して除去する方法としては、例えば、光照射や電熱ヒータによる方法が例示できるが、光照射による方法が装置が簡単であり、かつ除去性能も高い。なお、ここで光とは、遠赤外線及び赤外線を含む。一方、分解して除去する方法としては、プラズマ照射、イオン照射、電子照射などが使用できる。このとき、プラズマ照射は、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ、窒素プラズマ等が使用できるが、この中でも特に酸素プラズマが好ましい。
【0075】
上記の装置を用いることにより、周回する支持体上に樹脂層と金属薄膜層とからなる積層体を製造することができる。本発明は、このような積層体の製造方法において、支持体上に樹脂層及び金属薄膜層を積層するに先だって、前記支持体上に帯状物を走行させた後、前記帯状物を除去することを特徴とする。
【0076】
帯状物としては、樹脂フィルム、布帛、紙等が使用できるが、中でも樹脂フィルムが好ましい。樹脂フィルムは、以下に説明する本発明の効果を最も有効に発現でき、取り扱い性が良好で、キャンローラ101表面に損傷を与えず、更にコスト面でも有利であるからである。特に、ポリエステルフィルム、中でもポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートからなるフィルムは、耐熱性、電気絶縁性、機械強度、取り扱い性が良好で、価格も比較的安いために好ましい。
【0077】
図1は、積層体の製造前の段階であって、巻き出しロール221に巻き取られた樹脂フィルム220が、ガイドロール223、キャンローラ101、及びガイドロール224で順に搬送されて、巻き取りロール222に巻き取られるようにセットされた状態を示している。
【0078】
本発明の第1の目的である、キャンローラ101の外周面上に付着した異物の除去は、以下のようにして達成される。
【0079】
図1の状態において、巻き出しロール221、キャンローラ101、及び巻き取りロール222をそれぞれ回転方向225,102,225の向きに回転させ、キャンローラ101上に樹脂フィルム220を走行させる。樹脂フィルムは、フィルムの製造工程や、本実施の形態にかかる走行によって静電気を帯びた状態でキャンローラ101に接する。これによってキャンローラ101の外周面上に付着した異物は静電引力により樹脂フィルム220に吸着されて除去される。また、樹脂フィルムは、走行時の張力によりキャンローラ101表面に一定の圧力で接しているため、キャンローラ101の外周面上に付着した異物が、表面硬度の小さい樹脂フィルム表面に食い込んで、機械的に結合し、キャンローラ101の外周面上から除去されることもある。
【0080】
更に、このとき、キャンローラ101の外周面に向けて設置された電子線照射装置108を作動させ、樹脂フィルム220に電子線を照射して、樹脂フィルム220を帯電させると、キャンローラ101の外周面上に付着した異物はより強い静電引力により樹脂フィルム220に更に強く吸着されるため、異物の除去能力が一層向上する。静電引力による異物の除去能力を高めるためには、樹脂フィルムの体積固有抵抗が1010Ω・m以上であることが好ましく、より好ましくは1012Ω・m以上である。
【0081】
なお、図1のように電子線照射装置108を別個に設けなくても、金属薄膜形成装置103として電子ビーム蒸発源を使用する場合には、その電子ビームが樹脂フィルムに照射するようにしておくことにより、同様の効果を得ることができる。
【0082】
また、電子線を照射しているときは、樹脂フィルムの走行速度を、積層体を製造する際のキャンローラ101の外周面の通常の走行速度より遅くするのが好ましい。ゆっくりと樹脂フィルムを走行させることにより、樹脂フィルムの帯電量が強くなり、異物除去能力が向上するからである。また、異物除去に必要なフィルムの使用量も少なくすることができる。
【0083】
なお、上記の異物除去工程中は、金属薄膜形成装置103の遮蔽板112を閉じておき、樹脂層形成装置250の流量調整バルブ260、及びパターニング材料付与装置300のバルブ314bを閉じておくのが好ましい。樹脂フィルム220の帯電を確実なものにし、異物除去効力を高めるためである。但し、このとき、これらの装置はいずれも待機状態にしておくと、本工程が終了して積層体の製造を開始しようとしたときに、バルブ260,314bを開くだけですぐに立ち上げることができ、時間のロスが減少するので好ましい。
【0084】
次に、本発明の第2の目的である、積層体を製造するに先だって、樹脂層及び金属薄膜層、更に必要に応じて絶縁領域を実際に形成してみて、その形成状態を確認することは、上記の樹脂フィルムの走行中に、樹脂フィルム表面上にこれらを形成することで達成できる。
【0085】
このとき、これ以前に上記異物除去工程を行っていた場合は、まず、樹脂フィルムの走行速度を、積層体の製造時のキャンローラ101の外周面の通常の走行速度に一致させる。本工程では、各層の形成状態を事前に確認するのが目的だからである。
【0086】
金属薄膜層についての確認は、金属薄膜形成装置103の遮蔽板112を開き、走行中の樹脂フィルム220の表面上に金属薄膜層を形成してみることで行う。形成された金属薄膜層の積層厚みは、樹脂フィルム220を走行させた状態で、例えばガイドロール224と巻き取りロール222の間に配された透過光量式厚み計227で測定する。積層厚みが所望する厚みと異なる場合は、金属薄膜形成装置103の設定条件を最適厚みになるまで適宜変更する。
【0087】
なお、この金属薄膜層確認工程中は、樹脂層形成装置250の流量調整バルブ260、及びパターニング材料付与装置300のバルブ314bを閉じておくのが好ましい。透過光量式厚み計227による金属薄膜層の厚み測定が正確にできなくなるからである。
【0088】
絶縁領域(マージン)についての確認は、パターニング材料付与装置300を作動させて、パターニング材料を走行中の樹脂フィルム220の表面上に付着させ、その後、金属薄膜形成装置103により金属薄膜層を形成することにより行う。絶縁領域の形成状態は、フィルムを走行させながら、透過光量式厚み計227をフィルム幅方向に走査して、透過光量の変化とその時の透過光量式厚み計227の移動量をもとに求める。あるいは、金属薄膜層側に画像認識装置を設置して、フィルムを走行させながら、絶縁領域の形成状態を画像認識により確認してもよい。
【0089】
絶縁領域の形成状態(例えば、絶縁領域の位置、幅、境界部のコントラスト等)が所望する通りでないときには、パターニング材料付与装置300を樹脂フィルムの幅方向、またはキャンローラ101の半径方向に移動させたり、パターニング材料の付着量を変えるなどして、最適な絶縁領域になるまで適宜調整する。
【0090】
なお、この絶縁領域確認工程中は、樹脂層形成装置250の流量調整バルブ260を閉じておくのが好ましい。金属薄膜層の上に樹脂層が積層されると、絶縁領域の確認が正確にできなくなるからである。
【0091】
樹脂層についての確認は、樹脂層形成装置250を作動させて、走行中の樹脂フィルム220の表面上に樹脂層を形成させることにより行う。樹脂層の積層厚みは、樹脂フィルム220を走行させた状態で、例えば樹脂層形成装置250の下流側に設けられた色彩計200により計測する。積層厚みが所望する厚みと異なる場合は、樹脂層形成装置250の設定条件を最適厚みになるまで適宜変更する。
【0092】
樹脂層の形成後、樹脂層硬化装置106により、樹脂層を所望する硬度まで硬化させてもい。このとき、色彩計200を樹脂層硬化装置106の下流側に設置しておくと、硬化された樹脂層の積層厚みを計測することができ、積層体の製造条件により近い条件で樹脂層の確認を行うことができる。
【0093】
なお、この樹脂層確認工程は、金属薄膜形成装置103の遮蔽板112を開き、金属薄膜層を形成し、その上に樹脂層を形成するのが好ましい。積層体の製造時の条件に近付けて、より正確な確認を行うためである。但し、この場合、積層厚みは、測定原理によっては金属薄膜層の厚みも同時に測定することになる可能性があり、注意を要する。
【0094】
また、パターニング材料付与装置300のバルブ314bは開いておいても閉じておいてもよいが、閉じておくと残存するパターニング材料の影響を考慮しなくてよい。一方、バルブ314bを開いておき、同時にパターニング材料除去装置109を作動させた状態で樹脂層を積層してもよい。これによりパターニング材料除去装置109の作動状態を事前に確認しておくことが可能になる。
【0095】
以上の異物除去工程、金属薄膜層確認工程、絶縁領域確認工程、及び樹脂層確認工程を行う順序は特に制限はなく、実際の作業に際して適宜変更可能である。
【0096】
以上の各工程が終了すると、キャンローラ101の外周面上に積層体を直接製造することになるが、その際、走行中の樹脂フィルムを除去する必要がある。
【0097】
図1の装置は、樹脂フィルム220の除去を、樹脂フィルム220を走行させながら、カッター刃226で切断することにより行う。樹脂フィルム220を走行させながら切断することにより、キャンローラ101を停止させる必要がなく、また、真空装置104を開く必要もないので、真空装置104内の環境変化がなく、それまでに最適化した各種装置の設定条件がそのまま最適なものとして維持でき、また、キャンローラ101外周上に再び異物が付着する可能性もない。しかも、上記各種工程の終了から積層体の製造工程へ移行するまでの時間的な無駄が生じない。
【0098】
なお、樹脂フィルム220を走行させながら切断する際は、樹脂フィルムの走行速度をやや遅くして行うと、トラブルなく切断することが容易になることが多い。また、樹脂フィルムの切断方法は、上記カッター刃226による方法に限られず、帯状物の種類に応じて適宜選択すればよく、例えば加熱による熱切断等であってもよい。
【0099】
本発明の積層体の製造方法は、樹脂材料を付着させて樹脂層を積層する工程と、金属薄膜層を積層する工程とを一単位とし、これを周回する支持体上で所定回数繰り返すことにより、樹脂層と金属薄膜層とからなる積層体を製造するものであるが、その製造過程の前後又は途中において、樹脂層又は金属薄膜層のいずれかを積層せずに、金属薄膜層のみ又は樹脂層のみを連続して積層する工程が存在していてもよい。また、積層体の製造過程の前後又は途中において、本発明の樹脂層又は金属薄膜層のいずれとも異なる他の層を積層する工程を有していてもよい。
【0100】
【実施例】
次に、実施例を通して本発明の構成及び効果をより具体的に説明する。
【0101】
(実施例1)
図1に示す装置を用いてコンデンサ用積層体を製造した。
【0102】
最初に真空容器104を開き、図1に示すように、巻き出しロール221に巻き取られた樹脂フィルム220をガイドロール223、キャンローラ101、及びガイドロール224に順にかけ、巻き取りロール222に巻き取られるようにセットした。樹脂フィルム220として、厚さ6μm、体積固有抵抗が1015Ω・mの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用した。この状態で真空容器104を閉じ、真空ポンプ105により真空容器104内を2×10−4Torrとし、また、キャンローラ101の外周面を5℃にまで冷却し、以後これを維持するようにした。キャンローラ101の直径は500mmである。
【0103】
次に、巻き出しロール221、キャンローラ101、及び巻き取りロール222をそれぞれ回転方向225,102,225の向きに回転させ、樹脂フィルム220を走行させた。
【0104】
この状態で、まず異物除去工程を実施した。キャンローラ101の外周面に向けて設置された電子線照射装置108を作動させ、走行中の樹脂フィルム220に電子線を照射して、樹脂フィルム220を帯電させた。この状態のまま約10分間放置した。このときのフィルムの走行速度は5m/分である。この間、金属薄膜形成装置103の遮蔽板112を閉じ、樹脂層形成装置250の流量調整バルブ260、及びパターニング材料付与装置300のバルブ314bを閉じた状態にしておいたが、いずれもすぐに起動可能なように、待機状態に維持しておいた。
【0105】
次に、金属薄膜層確認工程を実施した。フィルムの走行速度を、積層体の製造時のキャンローラ101外表面の移動速度と同じ50m/分に上昇させた。そして、待機状態にしていた金属薄膜形成装置103の遮蔽板112を開き、走行中の樹脂フィルム220の表面上にアルミニウムからなる金属薄膜層を形成した。形成された金属薄膜層の積層厚みは、樹脂フィルム220を走行させた状態で透過光量式厚み計227で測定した。そして、樹脂フィルム220を走行させたままで、積層厚みが所望する300オングストロームになるように、金属薄膜形成装置103の設定条件を最適化した。このとき、樹脂層形成装置250の流量調整バルブ260、及びパターニング材料付与装置300のバルブ314bは閉じたままである。
【0106】
金属薄膜形成装置103の条件設定が終了した後、絶縁領域確認工程を実施した。パターニング材料付与装置300のバルブ314bを開き、パターニング材料を走行中の樹脂フィルム220の表面上に付着させ、その後、金属薄膜形成装置103により金属薄膜層を形成した。
【0107】
パターニング材料は、後の積層体の製造時に使用するのと同じフッ素系オイルを使用した。このパターニング材料の蒸気圧が0.1torrとなる温度は100℃である。オイルの平均分子量は1500である。
【0108】
パターニング材料の供給は図5に示す方法により、気化装置312で予め気化した後、パターニング材料付与装置に供給した。また、パターニング材料付与装置としては図3、図4に示す装置を使用し、直径75μm、深さ500μmの丸形(円形)の微細孔より気体状のパターニング材料を噴出させた。
【0109】
絶縁領域の形成状態は、フィルムを走行させながら、透過光量式厚み計227をフィルム幅方向に走査して、透過光量の変化とその時の透過光量式厚み計227の移動量をもとに求めた。絶縁領域の形成幅が所望する150μmになるように、パターニング材料付与装置300を樹脂フィルムの幅方向、またはキャンローラ101の半径方向に移動させたり、パターニング材料の付着量を変えるなどして調整した。これにより、パターニング材料付与装置300の保持温度は170℃、パターニング材料付与装置の微細孔301と被付着表面との距離Dwは250〜300μmとする最適条件を得た。
【0110】
なお、この間、樹脂層形成装置250の流量調整バルブ260は閉じたままである。
【0111】
次に、樹脂層確認工程を行った。図1及び図2に示す樹脂層形成装置250を作動させて、走行中の樹脂フィルム220に形成された金属薄膜層上に樹脂層を形成させた。樹脂層材料としては、ジシクロペンタジエンジメタノールジアクリレートを使用した。樹脂層の積層厚みは、樹脂フィルム220を走行させた状態で、樹脂層形成装置250の下流側に設けられた色彩計200により計測した。積層厚みの設計値は、コンデンサとしての容量を発生する素子層部分が0.4μm、素子層部分に隣接する補強層部分(詳細は後述する)が0.6μmであり、積層厚みがそれぞれの設計値になるように、樹脂層形成装置250の設定条件を適宜変更して、それぞれの最適条件を決定した。
【0112】
これらの作業が完了後、金属薄膜形成装置103の遮蔽板112を閉じ、また、樹脂層形成装置250の流量調整バルブ260、及びパターニング材料付与装置300のバルブ314bを閉じ、待機状態とした。
【0113】
そして、樹脂フィルム220を走行させながら、カッター刃226で樹脂フィルム220を切断し、切断された樹脂フィルム220が完全に巻き取りロール222に巻き取られたのを真空容器104の覗き窓(図示せず)から確認後、巻き出しロール221、巻き取りロール222、及びガイドロール223,224の回転を停止させた。
【0114】
引き続き、コンデンサ用積層体の製造を開始した。
【0115】
まず最初に、樹脂層形成装置250の流量調整バルブ260を開き、保護層となる部分をキャンローラ101の外周面に積層させた。
【0116】
保護層とは、樹脂層のみからなる層であり、コンデンサとしての容量を発生することはないが、積層体又はこれを用いたコンデンサの製造過程において、あるいはこれをプリント基板等に実装する過程において、容量発生部分である素子層が熱負荷や外力により損傷を受けるのを防止するのに有効に機能する層である。また、外部電極との付着強度の向上に関しても、金属薄膜層の寄与に比べるとその程度は低いものの、一定の効果を有するものである。
【0117】
保護層の材料として、樹脂層と同様にジシクロペンタジエンジメタノールジアクリレートを用い、これを気化して樹脂層形成装置250よりキャンローラ101の外周面に堆積させた。形成条件は上記樹脂層確認工程で補強層用の樹脂層として最適化した条件の通りである。次いで樹脂硬化装置106として、紫外線硬化装置を用い、上記により堆積させた保護層材料を重合し、硬化させた。この操作を、キャンローラ101を回転させることにより繰返し、キャンローラ101外周面に厚さ15μmの保護層を形成した。
【0118】
次いで、補強層となる部分を積層させた。
【0119】
補強層は、積層体又はこれを用いたコンデンサの製造過程において、あるいはこれをプリント基板等に実装する過程において、容量発生部分である素子層の部分が熱負荷や外力により損傷を受けるのを防止するのに有効に機能する層である。補強層は、樹脂層と、必要に応じて金属薄膜層を有するが、金属薄膜層を有していることにより、外部電極の付着強度を高めるのに有効である。即ち、外部電極の付着強度は、金属薄膜層との接続強度の如何に左右され、樹脂層との接続強度は余り寄与しない。従って、金属薄膜層が存在する補強層とすることで、コンデンサとしたときの外部電極の付着強度は大幅に向上する。なお、補強層は、コンデンサとして使用した場合にコンデンサの容量発生部分として機能してもよいが、本実施例では、コンデンサの設計等の容易のために容量発生部分として機能しないタイプのものとした。
【0120】
補強層を構成する樹脂層の材料は、上記の保護層材料と同じものを用い、これを気化して樹脂層形成装置250より保護層上に堆積させた。形成条件は上記樹脂層確認工程で補強層用の樹脂層として最適化した条件の通りである。次いで樹脂硬化装置106として、紫外線硬化装置を用い、上記により堆積させた樹脂層材料を重合し、硬化度が70%になるまで硬化させた。その後、樹脂表面処理装置107により、表面を酸素プラズマ処理した。次ぎに、パターニング材料付与装置300のバルブ314bを開き、パターニング材料を帯状に付着させた。付着条件は上記絶縁領域確認工程で最適化した条件の通りである。
【0121】
次に、金属薄膜形成装置103からアルミニウムを金属蒸着させた。付着条件は上記金属薄膜確認工程で最適化した条件の通りである。その後、パターニング材料除去装置109により、遠赤外線ヒータによる加熱及びプラズマ放電処理により残存したパターニング材料を除去した。
【0122】
以上の操作を、キャンローラ101を回転させることにより500回繰り返し、総厚さ315μmの補強層を形成した。なお、パターニング材料付与装置300の、キャンローラ101の外周面の移動方向と垂直方向(図9の矢印358の方向)の移動は、図9に示す装置を用いて、以下のパターンで行った。即ち、キャンローラ101が1回転すると、ある向きに60μm移動し、次の1回転後同じ向きに60μm移動し、次の1回転後逆向きに60μm移動し、次の1回転後同じ向きに60μm移動するという動きを1周期として、以下この動きを繰り返した。また、パターニング材料付与装置の微細孔と被付着表面との距離Dwは、常に250〜300μmが維持できるように制御した。
【0123】
次に、コンデンサとしての容量発生部分となる素子層部分を積層した。樹脂層(誘電体層)材料は、上記の保護層及び補強層の樹脂層の材料と同じものを用い、これを気化して補強層上に堆積させた。形成条件は上記樹脂層確認工程で素子層用の樹脂層として最適化した条件の通りである。次いで樹脂硬化装置106として、紫外線硬化装置を用い、上記により堆積させた樹脂層材料を重合し、硬化度が70%になるまで硬化させた。その後、樹脂表面処理装置107により、表面を酸素プラズマ処理した。次に、パターニング材料付与装置300によりパターニング材料を帯状に付着させた。付着条件は上記絶縁領域確認工程で最適化した条件の通りである。
【0124】
次に、金属薄膜形成装置103からアルミニウムを金属蒸着させた。付着条件は上記金属薄膜確認工程で最適化した条件の通りである。その後、パターニング材料除去装置109により、赤外線ヒータによる加熱及びプラズマ放電処理により残存したパターニング材料を除去した。
【0125】
以上の操作を、キャンローラ101を回転させることにより約2000回繰り返し、総厚さ860μmの素子層部分を形成した。なお、なお、パターニング材料付与装置の、キャンローラ101の外周面の移動方向と垂直方向(図9の矢印358の方向)の移動は、図9に示す装置を用いて、以下のパターンで行った。即ち、キャンローラ101が1回転すると、ある向きに1000μm移動し、次の1回転後逆向きに940μm移動し、次の1回転後逆向きに1000μm移動し、次の1回転後逆向きに940μm移動し、次の1回転後逆向きに1000μm移動し、次の1回転後逆向きに1060μm移動し、次の1回転後逆向きに1000μm移動し、次の1回転後逆向きに1060μm移動するという動きを1周期として、以下この動きを繰り返した。また、パターニング材料付与装置の微細孔と被付着表面との距離Dwは、常に250〜300μmが維持できるように制御した。
【0126】
次に、素子層部分表面に、厚さ315μmの補強層部分を形成した。形成方法は上記の補強層の形成方法と全く同一とした。
【0127】
最後に、補強層表面に、厚さ15μmの保護層部分を形成した。形成方法は上記の保護層の形成方法と全く同一とした。
【0128】
次いで、キャンローラ101の外周面上に得られた円筒状の積層体を半径方向に8分割(45°ごとに切断)して取り外し、加熱下でプレスして図10に示すような平板状の積層体母素子400を得た。同図中矢印401は、キャンローラ101の外周面の移動方向を示す。積層体母素子400は、キャンローラ101側(紙面下側)から順に、保護層404bになる層、補強層403bになる層、素子層402になる層、補強層403aになる層、保護層404aになる層が積層されている。図中、406は金属薄膜層、407は樹脂層、408は絶縁領域(マージン部)である。なお、図では積層状態を模式化しており、積層数は実際より極めて少なく描いている。また、素子層402となる部分の絶縁領域408は、積層厚さ方向に僅かにずれて位置するが、図ではこのずれを省略している。
【0129】
これを、切断面405aで切断し、切断面に黄銅を金属溶射して外部電極を形成した。更に、金属溶射表面に熱硬化性フェノール樹脂中に銅、Ni、銀の合金等を分散させた導電性ペーストを塗布し、加熱硬化させ、更にその樹脂表面に溶融ハンダメッキを施した。その後、図10の切断面405bに相当する箇所で切断し、シランカップリング剤溶液に浸漬して外表面をコーティングし、図11に示すようなチップコンデンサ410を得た。図11において411a,411bは外部電極である。
【0130】
得られたチップコンデンサは、積層方向厚み約1.5mm、奥行約1.6mm、幅(両外部電極間方向)約3.2mmであり、小型ながら容量は0.47μFであった。耐電圧は、50Vであった。また、直流印加電圧16Vでの絶縁抵抗値は1011Ωであり、金属薄膜層同士の短絡、金属薄膜層の破断などは認められなかった。
【0131】
チップコンデンサを分解して素子層部分の誘電体層表面及び金属薄膜層表面の表面粗さRaを測定したところ、順に0.005μm、0.005μmであり、平滑で粗大突起等は見当たらなかった。
【0132】
素子層及び補強層の樹脂層の厚みは、順に0.4μm、0.6μmであり、いずれも当初の設計通りであり、積層方向の厚みむらもほとんどなかった。また、素子層の樹脂層(誘電体層)、補強層の樹脂層、及び保護層の硬化度は、それぞれ95%、95%、90%であった。
【0133】
素子層及び補強層の金属薄膜層の厚みは設計通り300オングストローム、膜抵抗は6Ω/□であり、積層方向の厚みむらもほとんどなかった。
【0134】
また、素子層部分の金属薄膜層の非積層部(非金属部)の幅は150μm、補強層の金属薄膜層の非積層部(非金属部)の幅は150μmであり、当初の設計通りのマージン幅が一定幅で形成されていた。
【0135】
(比較例1)
実施例1において、異物除去工程を行わない以外は実施例1と同様にしてコンデンサを製造した。
【0136】
即ち、実施例1と同様に二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムをセットし、真空容器を閉じ、真空状態にした後、フィルムを積層体の製造時のキャンローラ101外表面の移動速度と同じ50m/分に上昇させた。その後、実施例1と同様に、金属薄膜層確認工程、絶縁領域確認工程、樹脂層確認工程を順に行い、フィルム切断後、積層体の製造工程に移行した。
【0137】
得られたチップコンデンサは、積層方向厚み約1.5mm、奥行約1.6mm、幅(両外部電極間方向)約3.2mmであり、小型ながら容量は0.47μFであった。耐電圧は35V、直流印加電圧16Vでの絶縁抵抗値は10Ωであり、実施例1で得られたコンデンサより劣っていた。
【0138】
チップコンデンサを分解して素子層部分の誘電体層表面及び金属薄膜層表面を観察したところ、粗大突起が多数存在し、粗大突起のないところは平滑であった。また、表面粗さRaを測定したところ、順に0.02μm、0.02μmであり、実施例1に比べて大きかった。
【0139】
素子層及び補強層の樹脂層の厚みは、順に0.4μm、0.6μmであり、いずれも当初の設計通りであり、積層方向の厚みむらもほとんどなかった。また、素子層の樹脂層(誘電体層)、補強層の樹脂層、及び保護層の硬化度は、それぞれ95%、95%、90%であった。
【0140】
素子層及び補強層の金属薄膜層の厚みは設計通り300オングストローム、膜抵抗は6Ω/□であり、積層方向の厚みむらもほとんどなかった。
【0141】
また、素子層部分の金属薄膜層の非積層部(非金属部)の幅は150μm、補強層の金属薄膜層の非積層部(非金属部)の幅は150μmであり、当初の設計通りのマージン幅が一定幅で形成されていた。
【0142】
(比較例2)
実施例1において、金属薄膜層確認工程、絶縁領域確認工程、及び樹脂層確認工程を行わない以外は実施例1と同様にしてコンデンサを製造した。
【0143】
即ち、実施例1と同様に二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムをセットし、真空容器を閉じ、真空状態にした後、フィルムを走行速度5m/分で走行させ、電子線照射装置108により走行中の樹脂フィルム220に電子線を照射して、約10分間放置した。
【0144】
その後、フィルムを切断して、キャンローラ101外表面の移動速度を50m/分に上昇させ、実施例1と同様に積層体の製造工程に移行した。なお、このときの樹脂層と金属薄膜層の形成条件、及びパターニング材料の付着条件は、机上計算及び過去の設定条件を参考にして設定した。
【0145】
得られたチップコンデンサは、積層方向厚み約1.5mm、奥行約1.6mm、幅(両外部電極間方向)約3.2mmであり、容量は0.42μFであった。耐電圧は40Vであった。金属薄膜層同士の短絡、金属薄膜層の破断などは認められなかったものの、当初の計画値(容量:0.47μF、耐電圧:50V)に対して、容量は10%、耐電圧は20%のずれを有していた。
【0146】
チップコンデンサを分解して素子層部分の誘電体層表面及び金属薄膜層表面の表面粗さRaを測定したところ、順に0.005μm、0.005μmであり、平滑で粗大突起等は見当たらなかった。
【0147】
素子層及び補強層の樹脂層の厚みは、順に0.45μm、0.65μmであり、当初の設計値(素子層:0.4μm、補強層:0.6μm)に対して、それぞれ10%、10%のずれを有していた。また、素子層の樹脂層(誘電体層)、補強層の樹脂層、及び保護層の硬化度は、それぞれ95%、95%、90%であった。
【0148】
素子層及び補強層の金属薄膜層の厚みは250オングストローム、膜抵抗は8Ω/□であり、当初の設計値(厚み:300オングストローム、膜抵抗:6Ω/□)に対して、それぞれ20%、30%のずれを有していた。
【0149】
また、素子層部分の金属薄膜層の非積層部(非金属部)の幅は180μm、補強層の金属薄膜層の非積層部(非金属部)の幅は180μmであり、当初の設計値(素子層部分:150μm、補強層部分:150μm)に対して、それぞれ20%、20%のずれを有しており、また、マージン部の輪郭が不鮮明な箇所が散見された。
【0150】
以上の結果を表1、表2にまとめる。
【0151】
【表1】
Figure 0003614644
【0152】
【表2】
Figure 0003614644
【0153】
【発明の効果】
本発明は、周回する支持体上に樹脂層及び金属薄膜層を積層するに先だって、前記支持体上に帯状物を走行させた後、前記帯状物を除去することにより、前記帯状物に支持体上の異物を付着させて取り除くことが可能になるために、異物の混入のない積層体を製造することができる。
【0154】
また、本発明によれば、支持体上を走行する前記帯状物に、樹脂層及び金属薄膜層、更に必要に応じて絶縁領域を実際に形成してみて、その形成状態を確認し、必要に応じて各種条件を調整し、最適化してから、帯状物を除去し、真空容器内の環境を変化させることなくそのまま連続して支持体上に積層体を製造することができるから、所望する通りの積層厚みや絶縁領域を有する積層体を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層体の製造方法を実施するための製造装置の一例を模式的に示した概略断面図である。
【図2】図1の樹脂層形成装置の内部構造を示した概略断面図である。
【図3】図1のパターニング材料付与装置の正面図である。
【図4】図3のI−I線矢印方向から見た断面図である。
【図5】パターニング材料付与装置に気化させたパターニング材料を供給する場合の構成の一例を示した概略図である。
【図6】液状のパターニング材料を微細孔から噴射するパターニング材料付与装置の一例の正面図である。
【図7】図6のノズルヘッドを正面から見た部分拡大図である。
【図8】図7のII−II線矢印方向から見た微細孔の部分断面図である。
【図9】パターニング材料付与装置の後退及びパターニング材料の付着位置の移動を行うための装置の一例を示した概略図である。
【図10】実施例1で得られた平板状の積層体母素子の概略構成を示した一部斜視図である。
【図11】実施例1で得られたチップコンデンサの概略構成を示した斜視図である。
【図12】従来の積層体の製造方法を実施するための製造装置の一例の概略を模式的に示した断面図である。
【図13】キャンローラの表面に固体状異物が付着した状態で積層した場合の樹脂層及び金属薄膜層の積層状態を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
101 キャンローラ
102 回転方向
103 金属薄膜形成装置
104 真空容器
105 真空ポンプ
106 樹脂硬化装置
107 樹脂表面処理装置
108 電子線照射装置
109 パターニング材料除去装置
110,111 隔壁
112 遮蔽板
200 色彩計
220 樹脂フィルム
221 巻き出しロール
222 巻き取りロール
223,224 ガイドロール
225 回転方向
226 カッター刃
227 透過光量式厚み計
250 樹脂層形成装置
251 原料供給管
252 加熱板A
253 加熱ドラム
254 加熱板B
255 加熱板C
256 カップ
257a,257b,257c 遮蔽板
258 周囲壁
259 荷電粒子線照射装置
260 流量調整バルブ
300,300′ パターニング材料付与装置
301 微細孔
302 矢印(被付着面の進行方向)
303 ノズル
304 容器
310 リザーブタンク
312 気化装置
313 液体状態のパターニング材料
314a,314b バルブ
315a,315b 配管
320 ノズルヘッド
321 微細孔
323 ベースプレート
324 ピエゾ圧電素子
325 ピストンヘッド
326 オリフィスプレート
327 液体状態のパターニング材料
328 シリンダ
351 可動ベース
352 アクチュエータA
353 矢印(移動方向)
354 ギャップ測定装置
355 ギャップ計測回路
356 固定ベース
357 アクチュエータB
358 矢印(移動方向)
359 回転検出回路
400 積層体母素子
401 矢印(キャンローラ外周面の移動方向)
402 素子層
403a,403b 補強層
404a,404b 保護層
405a,405b 切断面
406 金属薄膜層
407 樹脂層
408 絶縁領域(マージン部)
410 チップコンデンサ
411a,411b 外部電極
900 積層体製造装置
901 真空槽
902 真空ポンプ
910 キャンローラ
911 回転方向
920 樹脂層形成装置
921 樹脂材料供給管
922 流量調整バルブ
923 加熱容器
924 回転方向
925 加熱ロール
930 金属薄膜形成装置
940 樹脂硬化装置
951 樹脂層
952 金属薄膜層
956 突起
961 固体状異物

Claims (10)

  1. 真空中で樹脂材料を付着させて樹脂層を積層する工程と、金属薄膜層を積層する工程とを一単位とし、これを周回する支持体上で所定回数繰り返すことにより、樹脂層と金属薄膜層とからなる積層体を前記支持体上に直接製造する積層体の製造工程を有する積層体の製造方法であって、
    前記支持体上に帯状物を走行させる走行工程と、
    前記支持体上に前記帯状物を走行させながら前記帯状物に前記樹脂層及び前記金属薄膜層のうちの少なくともいずれかを積層し、その積層状態を確認する工程と、
    確認した前記樹脂層又は前記金属薄膜層の積層状態を調整する調整工程と、
    前記帯状物を前記支持体から除去する除去工程と
    を有し、
    前記調整工程において所定の積層状態に調整した後に前記除去工程へ連続して移行し、且つ、前記除去工程後に前記積層体の製造工程に連続して移行することを特徴とする積層体の製造方法。
  2. 前記帯状物が樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 前記帯状物がポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートからなるフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
  4. 前記帯状物の体積固有抵抗が1010Ω・m以上であることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
  5. 前記帯状物の走行中に、帯状物に電子線を照射することを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
  6. 電子線の照射中は帯状物の走行速度を積層体を製造する際の支持体表面の走行速度より遅くすることを特徴とする請求項5に記載の積層体の製造方法。
  7. 前記帯状物に金属薄膜を積層し、前記帯状物を走行させながら前記金属薄膜の積層厚みを計測することを特徴とする請求項に記載の積層体の製造方法。
  8. 前記金属薄膜層を積層する前に、前記帯状物にパターニング材料を付着させ、前記パターニング材料が付着したことにより前記金属薄膜層が積層されていない領域の形成状態を、前記帯状物を走行させながら計測することを特徴とする請求項に記載の積層体の製造方法。
  9. 前記帯状物に樹脂材料を付着させて樹脂層を積層し、積層された前記樹脂層の厚みを、前記帯状物を走行させながら計測することを特徴とする請求項に記載の積層体の製造方法。
  10. 前記帯状物の除去を、前記帯状物を走行させながら前記帯状物を切断することにより行うことを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
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