JP3614455B2 - 収斂・結着性化合物および医療用・化粧用製剤 - Google Patents

収斂・結着性化合物および医療用・化粧用製剤 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、医薬品、医薬部外品または化粧品に添加して用いる収斂・結着性化合物および医療用・化粧用製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、グリチルレチン酸(以下、GT−Hと略記する。)またはその配糖体であるグリチルリチン酸(グリチルリチンまたはグリシルリチンに同じ、以下、GZ−Hと略記する。)は、以下に示すような多くの薬理作用が知られており、遊離酸の状態またはアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、高級アルコールエステルなどの状態で各種の医薬品、医薬部外品または化粧品に配合されている。
【0003】
すなわち、GZ−HまたはGT−Hの薬理作用としては、副腎皮質の水電解質、糖質ホルモン様作用、エストロゲン様作用、鎮咳作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、解毒作用、高脂肪血症改善作用、胃粘膜細胞内サイクリックAMP濃度増加作用などがこれまでに知られている。
【0004】
したがって、GZ−HまたはGT−Hは、鎮咳作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用に基づいて医薬品としての感冒薬、鎮咳薬に配合され、実験的肝障害回復作用、ホスホリパーゼA阻害作用等により疲労回復栄養剤にも配合されている。
【0005】
また、GZ−HまたはGT−Hは、医薬部外品である歯槽膿漏予防剤として、薬用歯磨きに、また肌荒れ防止剤として薬用クリーム、薬用ローションなどに配合され、その他、薬用ヘアートニック、薬用制汗剤、薬用ベビーパウダーなどにも添加されている。
【0006】
また、GZ−HまたはGT−Hは、基礎化粧品であるマッサージクリーム、クレンジングクリーム、乳液、エモリエントクリーム、スキンローション、頭髪化粧品ではヘアートニック、ヘアーリキッド、ヘアージェルなど、全身用スキンケア製品としてのローション、乳液、その他浴剤、白粉、メイクアップ製品などの化粧品にも用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のGZ−HまたはGT−Hやこれらの誘導体においては、薬理作用としての収斂作用または止血作用は全くなく、たとえこれらの作用が知見されたとしても非常に弱いという問題点がある。
【0008】
また、このような薬理作用以外であって、粉剤を成形した錠剤、または固形白粉などの化粧品のひび割れ防止に有効な結着性に関しても、従来のGZ−HまたはGT−Hやこれらの関連化合物にはその効用がみられなかった。
【0009】
さらにまた、従来のGZ−HまたはGT−Hやこれらの関連化合物には、粉状の化粧品における皮膚への付着性を向上させるという付着性についての効用もない。
【0010】
そこで、この発明は、グリチルリチン酸またはグリチルレチン酸系の化合物を、収斂作用および止血作用を有し、しかも固型製剤の結合作用、皮膚への付着作用、即ち結着作用のあるものとして、さらにこれを含有する高品質の医療用・化粧用製剤とすることを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明においては、下記の化3の式で示されるグリチルリチン酸亜鉛からなる収斂・結着性化合物とし、または下記の化4の式で示されるグリチルレチン酸亜鉛からなる収斂・結着性グリチルリチン系化合物としたのである。
【0012】
または、医療用製剤または化粧用製剤を、下記の化3の式で示されるグリチルリチン酸亜鉛もしくは下記の化4の式で示されるグリチルレチン酸亜鉛または両者併用した混合物から構成したのである。
【0013】
【化3】
Figure 0003614455
【0014】
【化4】
Figure 0003614455
【0015】
以下に、その詳細を述べる。
この発明に用いる化3の式で示されるグリチルリチン酸亜鉛(以下、GZ−Znと略記する。)は、下記の化5の式に示されるグリチルリチン酸(C426216)と亜鉛との組成比が1:0.01〜3の化合物である。なぜなら、亜鉛の組成比が0.01未満ではこの発明の所期した効果が得られず、また化合物の組成式からみて、亜鉛の組成比が3を越えることは不可能だからである。
【0016】
【化5】
Figure 0003614455
【0017】
また、この発明に用いる化4の式で示されるグリチルレチン酸亜鉛(以下、GT−Znと略記する。)は、下記化6に示すようなグリチルレチン(C3046)と亜鉛との組成比が1:0.01〜1の化合物である。なぜなら、亜鉛の組成比が0.01未満ではこの発明に所期した作用が得られず、1を越えることは化合物の組成式からみて不可能だからである。
【0018】
【化6】
Figure 0003614455
【0019】
【実施例】
〔実施例1〕
GZ−Znの調製:
50gのGZ−Hを500mlのエタノール水(1:1)に溶解し、かき混ぜながら120mlの1Nの水酸化カリウム水溶液を加え、さらに50mlの水に溶解した8.63gの硫酸亜鉛・七水和物を徐々に加えた。50℃に加温した後、冷却し、析出物をろ過し、水洗、乾燥後36gのGZ−Znを得た。
【0020】
得られたGZ−Znに対して赤外線吸収スペクトルを測定し、極大吸収が認められた波長を表1に示した。また、原料のGZ−Hについても同様に赤外線吸収スペクトルを調べ、結果を表1中に併記した。
【0021】
【表1】
Figure 0003614455
【0022】
表1の結果から、遊離のカルボン酸に特有の1732cm−1がGZ−Znでは非常に減少した。また、原料のGZ−Hの1647cm−1の吸収がGZ−Znでは幅広くなり、1640cm−1に極大吸収が認められ、また糖質に見られる1000〜1200cm−1の吸収は、いずれにも確認できた。これらのことから、生成物がGZ−Hの亜鉛塩であるGZ−Znであることがわかる。
【0023】
得られたGZ−Znに対して、その止血作用、収斂作用、創傷治癒作用、抗炎症作用、付着作用、結合作用のあることを確認するため、以下の実験を行なった。
【0024】
[止血作用確認実験]
J. Soc. Cosmet. Chem. Japan., Vol.24(3),p187(1991)浅沼らの方法(改良 Bleeding 法)を応用して行なった。
【0025】
すなわち、一晩絶食したWistar系雄性ラット(体重200〜250g)をペントバルビタール(80mg/kg)を腹腔内投与して麻酔後、肋骨より下2cmの位置縦に2.5cm円形の腹膜を用いた。
【0026】
その後、直ちに euglobulin−SK mixture 2ml/kg相当量を左足大腿静脈より投与した。投与後、すばやく出血している腹膜上に濾紙(2×2cm)をのせ、その濾紙に試験液0.2mlを投与した。投与5分後、この濾紙を取り除き、前もって37℃の温水に浸しておいた濾紙(1.5×3cm)を露出面の上にのせ、出血している血液を30分間吸収させた。30分毎にこの濾紙を取り替え、試験液投与後から2時間までこの操作を行なった。
【0027】
血液を吸収させた濾紙を水4mlの入った試験管に入れ、37℃の水浴中で30分間浸盪し血液を溶出させた。これの波長540nmの吸光度を測定し、30分毎の出血量とした。すなわち、出血量を吸光度で評価しこの結果を表2に示した。
【0028】
【表2】
Figure 0003614455
【0029】
[収斂作用確認実験1]
10名の正常な味覚保持者に20mlの試験液で口をゆすがせ、舌がひきしまり、渋い感覚が有るか否かを調べた。この結果は、10名共に一致した回答であり表3に示した。なお、渋い味がするものを収斂作用有り、しないものを同作用無しと評価した。
【0030】
【表3】
Figure 0003614455
【0031】
[収斂作用確認実験2]
3mlのコラーゲン水溶液(市販品ソリュブルコラーゲン)を試験管に入れ、その上から1mlの試験液を加え、緩やかにかき混ぜた。そして、直後に沈殿生成の有無を確認した。この場合、蛋白質の変質により沈殿が認められたものを収斂作用有り(+)、沈殿が認められないものを収斂作用なし(−)と評価して、結果を表4に示した。
【0032】
【表4】
Figure 0003614455
【0033】
[創傷治癒作用確認実験]
日本薬理学会誌Vol.100,162(1992) 清水らの方法を参照し、以下のように行なった。
すなわち、ハートレイ系雄性モルモット(体重300g前後)をネンブタール麻酔下(30mg/kg,i.p.)において背部を剪毛、消毒し、メスで左右対象に2箇所切創(1.5cm)を作り、絹糸で1つの創傷当たり2箇所等分縫合した。切創作成後、3日後に切創が1cmとなるように幅1cmで長さ2cmの皮膚を摘出した。試験液は、2mg/0.4ml/個体となるように生理食塩水で溶解または分散し、創傷部周辺に0.1ml/サイトの割合で1つの創傷当たり2箇所、計4箇所に1日1回3日間皮下投与した。
【0034】
切創の癒着度を判定するため、レオメーターで創傷部の耐創張力(g/cm)を測定した。なお、左右2箇所の創傷張力の平均値をもって1個体の耐創張力とし、結果を表5に示した。
【0035】
【表5】
Figure 0003614455
【0036】
[付着作用確認実験]
表6に示す組成のパウダー(実験例A、実験例B)を調製し、成人10名の被験者による官能試験を行なった。すなわち、実験例Aまたは実験例Bの0.2gを前腕部に塗布させ、スムーズでむらのない付着性の優劣を判定させ、結果を表6中に併記した。
【0037】
【表6】
Figure 0003614455
【0038】
[結合作用確認実験]
表7に示す組成のパウダー(実験例C、実験例D)を混合し、各0.5gずつを直径16mmの錠剤成形器に入れ、200kgの重さ(100kg/cm)で1分間加圧した後、常圧とした。
【0039】
得られた錠剤を試験材料としてレオメーターにて破壊強度を測定し、結果を表7に併記した。
【0040】
【表7】
Figure 0003614455
【0041】
〔比較例1〕
一般試薬のグリチルリチン酸ジカリウム(以下、GZ−K2と略記する。)を比較例1として用いた。
このGZ−K2をGZ−Znに代えて用いたこと以外は全く同様にして、上記した止血作用・収斂作用・創傷治癒作用の各確認試験を行ない、結果をそれぞれ表2、表3、表4、表5に併記した。
【0042】
〔比較例2〕
一般試薬のグリチルリチン酸(GZ−H)を比較例2として用いた。
このGZ−HをGZ−Znに代えて用いたこと以外は全く同様にして、上記した創傷治癒作用確認試験を行ない、結果を表5に併記した。
【0043】
以上述べた実施例1と比較例1、2についてみると、表2の結果から明らかなように、比較例1は蒸留水(コントロール)に対して有意差が認められないが、実施例1は、P<0.05の有意差で止血作用が認められた。
【0044】
表3または表4の結果からは、実施例1に収斂性のあることがわかる。
また、表5の結果からは、比較例1は生理食塩水(コントロール)に対して有意差が認められないが、実施例1は、P<0.01の有意差で耐創張力が認められ、創傷治癒作用のあることがわかる。
【0045】
表6の官能試験の結果からは、実施例1を含む実験例Bの組成のパウダーにGZ−Znの良好な付着作用が認められた。
【0046】
また、表7の結果から、実施例1を含む実験例Dの錠剤は、実施例1を含有しない実験例Cに比べて1.5倍以上の強度が得られた。
【0047】
〔実施例2〕
GT−Znの調製:
50gのGT−Hに1000mlの水を加え、かき混ぜながら210mlの0.5Nの水酸化カリウムのエタノール溶液を加え、溶解後300mlの水に溶解した15.01gの硫酸亜鉛・七水和物を徐々に加えた。50℃に加温した後、冷却し、析出物をろ過し、水洗、乾燥後52gのGT−Znを得た。
【0048】
得られたGT−Znに対して赤外線吸収スペクトルを測定し、極大吸収が認められた波長を表8に示した。また、原料のGT−Hについても同様に赤外線吸収スペクトルを調べ、結果を表8中に併記した。
【0049】
【表8】
Figure 0003614455
【0050】
表8の結果から、遊離のカルボン酸に特有の1705cm−1がGT−Znでは消失した。また、原料のGT−Hの1663cm−1の吸収がGT−Znでは幅広くなり、1647cm−1に極大吸収が認められた。これらのことから、生成物はGT−Hの亜鉛塩であるGT−Znであることがわかる。
【0051】
得られたGT−Znに対して、その止血作用、創傷治癒作用、抗炎症作用、付着作用、結合作用のあることを確認するため、以下の実験を行なった。なお、付着作用、結合作用の各確認試験については、前記した試験方法と全く同様の条件で行ない、結果をそれぞれ、表9(付着作用確認実験)、表10(結合作用確認実験)にまとめた。
【0052】
【表9】
Figure 0003614455
【0053】
【表10】
Figure 0003614455
【0054】
[創傷治癒作用確認実験]
日本薬理学会誌Vol.100,162(1992) 清水らの方法を応用し、以下のように行なった。
すなわち、ハートレイ系雄性モルモット(体重300g前後)をネンブタール麻酔下(30mg/kg,i.p.)において背部を剪毛、消毒し、メスで左右対象に2箇所切創(1.5cm)を作り、絹糸で1つの創傷当たり2箇所等分縫合した。切創作成後、3日後に切創が1cmとなるように幅1cmで長さ2cmの皮膚を摘出した。試験液は、2mg/0.4ml/個体となるように白色ワセリンで分散し、1つの創傷当り、創傷部を中心に0.2mlの量を1日1回の割合で3日間塗布した。
【0055】
切創の癒着度を判定するため、レオメーターで創傷部の耐創張力(g/cm)を測定した。なお、左右2箇所の創傷張力の平均値をもって1個体の耐創張力とし、結果を表11に示した。
【0056】
【表11】
Figure 0003614455
【0057】
[抗炎症作用確認試験]
慶応医学44(1), p17 (1967) 富沢らの方法に準じた。すなわち、150g前後の雄性Wister系ラットを使用し、試験液をそれぞれ1.0%ポリソルベート、ゴマ油に分散し、背部皮下に500mg/2.0ml/kgの割合で連日皮下投与し、7日後に抗炎症作用を調べた。
【0058】
この場合の抗炎症作用の評価方法は、rat foot test を採用し、10%ホルマリン−生理食塩水の0.1mlをラットの片方の後足背皮下に投与し、1時間、2時間、3時間後の足嵩増加の平均値を算出し、コントロールに対する試験液投与群の抑制率を求め、表12中に示した。
【0059】
【表12】
Figure 0003614455
【0060】
[止血作用確認実験]
J. Soc. Cosmet. Chem. Japan., Vol.24(3),p187(1991)浅沼らの方法(改良 Bleeding 法)を応用して行なった。
【0061】
すなわち、一晩絶食したWistar系雄性ラット(体重200〜250g)にペントバルビタール(80mg/kg)を腹腔内投与して麻酔後、肋骨より下2cmの位置縦に2.5cm円形の腹膜を用いた。
【0062】
その後、直ちに euglobulin−SK mixture 2ml/kg相当量を左足大腿静脈より投与した。すばやく出血している腹膜上に濾紙(2×2cm)をのせ、10分後にこの濾紙を取り除き、試験品100mgを塗布した。そして、直ちに前もって37℃の温水に浸しておいた濾紙(1.5×3cm)を露出面上にのせ、出血する血液を30分間吸収させた。30分毎にこの濾紙を取り替え、試験品塗布後から1時間30分までこの操作を行なった。
【0063】
血液を吸収させた濾紙を水4mlの入った試験管に入れ、37℃の水浴中で30分間浸盪し血液を溶出させろ過した。これの波長540nmの吸光度を測定し、30分毎の出血量とした。すなわち、出血量を吸光度で評価し、結果を表13に示した。
【0064】
【表13】
Figure 0003614455
【0065】
〔比較例3〕
一般試薬のグリチルリチン酸ステアリル:C4882(以下、GT−Stと略記する。)を比較例3として用いた。
このGT−StをGT−Znに代えて用いたこと以外は全く同様にして、上記した創傷治癒作用および抗炎症作用の確認試験を行ない、結果をそれぞれ表9、表12に併記した。
【0066】
〔比較例4〕
一般試薬のグリチルレチン酸(GT−H)を比較例4として用いた。
このGT−HをGT−Znに代えて用いたこと以外は全く同様にして、上記した創傷治癒作用、抗炎症作用、および止血作用の確認試験を行ない、結果をそれぞれ表11(創傷治癒性)、表12(抗炎症性)、表13(止血性)に併記した。
【0067】
ここで、表11の結果からは、比較例3および比較例4は、白色ワセリン(コントロール)に比べて耐創張力は大きいものの、有意差は認められなかった。しかし、実施例2は、P<0.05で有意差が認められ、創傷治癒作用があるといえる。
【0068】
表9の結果からは、実施例2を含む実験例Fの組成のパウダーにGT−Znの良好な付着作用が認められた。
【0069】
また、表10の結果から、実施例2を含む実験例Hの錠剤は、実施例2を含有しない実験例Gに比べて1.5倍以上の強度が得られパウダーを強く結合していることがわかる。
【0070】
表12の結果から明らかなように、抗炎症作用の程度は比較例4<比較例3<実施例2であり、等量においてGT−Hに対しGT−Stがその1.34倍、GT−Znが1.44倍の効果であった。
【0071】
表13の結果から、比較例4はコントロール(無投与)に対して有意差は認められないが、実施例2はP<0.05の有意差で止血作用が認められた。
【0072】
次に、医療用・化粧用製剤の実施例について、以下に説明する。なお、配合割合は全て重量部(以下、単に部と記す。)である。
【0073】
Figure 0003614455
(1)〜(4)を65〜70℃に加温して溶解した後、固まるまで冷却・攪拌を行ない、マクロゴール軟膏を調製した。
得られた軟膏を軽度の擦傷に塗布すると、止血作用が認められた。
【0074】
Figure 0003614455
(1)〜(3)を65〜70℃に加温して溶解した後、固まるまで冷却・攪拌を行ない、軟膏を調製した。
得られた軟膏を潰瘍面に塗布すると、患部を保護し、分泌物の吸収および患部の乾燥が認められた。
【0075】
Figure 0003614455
(1)〜(3)を均一になるまで混合して散布剤を調製した。
得られた散布剤を創傷部位に塗布すると、患部を保護し、分泌物の吸収および患部の乾燥が認められた。
【0076】
Figure 0003614455
(1)〜(4)を均一になるまで混合してリニメント剤を調製した。
得られたリニメント剤を火傷した部位に塗布すると、患部を保護し、分泌物の吸収および患部の乾燥、さらには炎症の消退が認められた。
【0077】
Figure 0003614455
(1)〜(3)を65〜70℃に加温して均一になるまで攪拌し、座薬成型器にて成型した。
得られた座薬を痔疾患者の肛門より挿入すると、痔疾患部を保護し、分泌物の吸収および患部の乾燥さらには炎症の消退、止血などの効果が認められた。
【0078】
Figure 0003614455
(1)〜(6)を均一になるまで混合して散布剤(汗疹等予防パウダー)を調製した。
得られた散布剤を首、胸、背中、脇などの汗を多く分泌する部位に散布すると、汗疹予防に有効であった。また、汗疹の既にある部位に散布すると、患部を保護し、分泌物の吸収および患部の乾燥が認められた。
【0079】
Figure 0003614455
(1)〜(9)を均一になるまで混合して粉白粉(おしろい)を調製した。得られた粉白粉は、肌に対する付着性に大変優れたものであった。
【0080】
Figure 0003614455
(1)〜(14)を均一になるまで混合し成型器で加圧成型して、固形白粉を得た。
得られた固形白粉は、室温で半年間以上ひび割れがなく安定した品質であり、その使用感は汗を抑え、落ちにくく付着性の良いものであった。
【0081】
Figure 0003614455
(1)と(2)を混合し、(3)と(4)を添加し溶解して制汗ローションを調製した。
得られた制汗ローションは、汗を抑え、さっぱりした良好な使用感であった。
【0082】
Figure 0003614455
(1)〜(5)を均一になるまで混合して制汗パウダーを得た。この制汗パウダーを脇などの汗を多く分泌する部位に散布したところ、散布部位を乾燥させると共に、汗のにおいを抑えて良好な使用感であった。
【0083】
Figure 0003614455
(1)〜(6)を均一になるまで攪拌して均一に溶解し、(7)と(8)を添加して溶解して収斂化粧水を得た。得られた収斂化粧水は、収斂性により良好な使用感であった。
【0084】
Figure 0003614455
(1)〜(5)を均一になるまで攪拌して均一に溶解し、(6)と(7)を添加して溶解してアフターシェービングローションを得た。得られたアフターシェービングローションは、収斂性、止血性、抗炎症作用を有し、さっぱりした感触でひげそり後に良好な使用感であった。
【0085】
Figure 0003614455
80℃に加温した(1)に(2)を攪拌しつつ添加し、完全溶解させた。その後、冷却し、均一溶解した(3)〜(8)50℃にて添加し、35℃にて冷却と攪拌を止め、パック料を得た。得られたパック料は、毛穴が広がりすぎないでさっぱりしたパックのできるものであった。
【0086】
Figure 0003614455
80℃に加温した(1)に(2)〜(7)を順次混練し、その後(8)を加えて混練し、練り歯磨きを得た。
得られた練り歯磨きは、収斂作用や抗炎症作用を有し、歯槽膿漏の予防やその治療に適したものであった。
【0087】
Figure 0003614455
(1)と(2)に(3)〜(5)を入れて練り込む。(6)〜(14)を80℃に加温し、攪拌しつつ前記(1)〜(5)を加え、さらに80℃に加温した(15)と(16)を加える。そして、攪拌しつつ35℃にまで冷却して下地クリームを得た。
得られた下地クリームは、収斂作用や抗炎症作用を合わせ持ち、汗ばむことのなく肌になじみのよい下地クリームであった。
【0088】
Figure 0003614455
(1)〜(9)を80℃に加温溶解し、これに80℃の(10)を加え、攪拌し均一化後、攪拌しつつ45℃にまで冷却して(11)と(12)を添加して35℃まで攪拌と冷却を続けて洗顔料を得た。
得られた洗顔料は、洗い上がりがしっとりすると共に、さっぱりとして使用感の非常に優れたものであった。
【0089】
【効果】
この発明は、以上説明したように、所定の化学組成で示されるグリチルリチン酸亜鉛もしくはグリチルレチン酸亜鉛からなる収斂・結着性化合物であり、またはそれぞれ単独または両者併用した混合物から構成した医療用または化粧用製剤としたので、収斂作用および止血作用、固形状の医薬品等や化粧品の結着作用、皮膚への付着作用のある化合物または医療用または化粧用製剤となる利点がある。

Claims (2)

  1. 下記の化1の式で示されるグリチルリチン酸亜鉛もしくは下記の化2の式で示されるグリチルレチン酸亜鉛または両者の混合物を含有してなる収斂性化粧用製剤。
    Figure 0003614455
    Figure 0003614455
  2. 請求項1の化1の式で示されるグリチルリチン酸亜鉛もしくは同請求項の化2の式で示されるグリチルレチン酸亜鉛または両者の混合物からなる固形化粧品用結着剤。
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