JP3614325B2 - 貼り合わせ成形方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表皮材と溶融樹脂を一体的に成形する貼り合わせ成形方法に係わり、特にその外観に透明もしくは略透明の樹脂層を形成し深みがあり高級感のある貼り合わせ成形品を成形する貼り合わせ成形方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来から、成形品の外観や触感等を向上させて成形品の付加価値を高めるための方法として、型開した一対の金型の間に所定形状に切断した表皮材を入れて型閉した後、金型内にコア材である溶融樹脂を充填して表皮材とコア材の樹脂を一体的に成形する貼り合わせ成形方法が行われている。
【0003】
貼り合わせ成形方法に用いる表皮材は、成形後に外観面を形成することとなる表皮材の表面(表面側と称することもある)に付加価値を高めるための加飾として、絵柄が印刷されていたりなど様々な加工が施されているが、近年、深みがあり高級感のある貼り合わせ成形品を成形するため、表皮材の表面に透明もしくは略透明の樹脂層(クリヤー樹脂層と称することもある)が形成された表皮材を用いて貼り合わせ成形を行なうことが多くなっている。
【0004】
このようなクリヤー樹脂層を表面に有する表皮材は、一般的にはベースとなるフィルム(ベースフィルムと称することもある)上に絵柄や文字などを印刷し、その印刷面の上にクリヤー樹脂層をコーティングすることによって製造されている。クリヤー樹脂層は、表皮材に印刷された絵柄等を保護して耐擦傷性、耐候性を向上させるといった機能を有するとともに、その層厚が厚いほど成形品の光沢を増して深みがあり高級感のある外観を形成することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した従来の貼り合わせ成形方法に用いる表皮材は、クリヤー樹脂層の厚みを増して光沢を上げようとすると、表皮材の厚みが増して表皮材の重量あたりの巻長さが短くなりハンドリングが低下するといった問題を有しており、また、クリヤー樹脂層の厚みを増すと表皮材の厚みが厚くなり表皮材の賦形性が悪くなり、表皮材を金型に挟み込んだ際にしわが生じ易くなるといった問題点を有している。
【0006】
従来の貼り合わせ成形方法では、金型に挟み込んだ際にしわや破れが生じることなく賦形できる表皮材でなければ用いることができないため、クリヤー樹脂層の厚みを薄くするか、あるいはクリヤー樹脂層の樹脂の種類を柔らかいものとしなければならなかった。
【0007】
しかし、クリヤー樹脂層の厚みを薄くすれば成形品の外観に深みがなくなり高級感を喪失し、また、クリヤー樹脂層の樹脂の種類を柔らかいものとした場合、クリヤー樹脂層の硬度が落ちてしまうため、金型の中で表皮材を賦形する際において、予めコーティングしたクリヤー樹脂層が、金型で擦ったり、引っかいたりすることによって傷つくといった問題や、出来上がった成形品表面に傷がつきやすく耐久性に劣るといった欠点を生じる。
【0008】
また、貼り合わせ成形時においては、表皮材を所定形状に切断した残り表皮材(切れ端部分等)を処分する際において、表皮材のベースフィルムとコーティングするクリヤー樹脂層の樹脂の種類が違うと表皮材は異種材の複合材となり、成形の際に残った表皮材をリサイクルすることは困難である。
【0009】
本発明は、以上のような従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、金型の中で表皮材の表面に透明、もしくは略透明な樹脂層を積層して形成することによって、外観の良い貼り合わせ成形品を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、
(1) 第一の発明による貼り合わせ成形方法は,一対の金型の間に表皮材を配して該表皮材の裏面と該表皮材の裏面に対向する金型のキャビティ面との間に第一の樹脂を充填した後、該表皮材の表面と該表皮材の表面に対向する金型のキャビティ面との間に空隙を形成し、該空隙に第二の樹脂を充填することにより該表皮材の表面に透明、もしくは略透明な樹脂層を積層して形成することを構成とする。
【0011】
(2) 第二の発明による貼り合わせ成形方法は,第一の発明において前記第一の樹脂を充填した後、金型をわずかに開くことにより表皮材の表面と該表皮材の表面に対向する金型のキャビティ面との間に空隙を形成することを構成とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1〜図6は本発明の実施の形態に係り、図1は本発明の方法に使用する貼り合わせ成形装置の全体構成図であり、図2は貼り合わせ成形の際におけるステップを示す金型と金型内の状態を説明する概念図であり、図3は図2のA部詳細を説明する要部断面図である。図4は本発明の実施形態による貼り合わせ成形方法のフローチャートである。図5は本発明方法に係る貼り合わせ成形品の構造を説明する縦断面図である。図6は本発明の第2の実施形態による貼り合わせ成形方法のフローチャートである。
【0014】
図1に示すように、本発明の貼り合わせ成形方法に使用される貼り合わせ成形装置100は、金型10と型締装置20と多層射出装置30と制御装置60とで構成される。
【0015】
ここで、金型10は固定盤1に取り付けられた固定金型3と可動盤2に取り付けられた可動金型4とからなり、本実施形態に用いた金型10で成形した成形品は可動金型4のキャビティ面に付着して残る構造であり、製品突き出し装置によって可動金型3より突き出して、取りだすことができる構造となっている。
【0016】
以下、本実施形態に用いた型締装置20を説明する。
型締装置20は、固定盤1と可動盤2と型締シリンダ22と、型締シリンダ22に所望の油圧を供給する油圧源とを備え、可動盤2は型締シリンダ22の作動により図示しないタイバーに案内されて、固定盤1に対して前後進できるよう構成されている。
【0017】
また、本実施形態においては、位置センサHが可動盤2の位置を検出できるよう配されており、可動盤2の位置を検出した該位置センサHの出力信号は、詳細を後述する制御装置60に入力される。
制御装置60は、該位置センサHの出力信号よって可動盤2の位置を検知し、型締シリンダ22に油圧を供給する型締シリンダ制御バルブを制御して、可動盤2を所望の速度で所望の位置に正確に移動させることにより、可動盤2に取り付けられた可動金型4を所望の速度で所望の位置に正確に移動させて金型10を自在に開閉し、また、型締できるよう構成されている。
【0018】
なお、本実施形態においては図1に示すようなトグルタイプの型締装置20を使用したが、可動盤2を所望の速度で所望の位置に、正確に、かつ、自在に移動させることができ、金型に十分な型締力を負荷することのできる型締装置であれば、本実施形態で説明したものに限らず、直圧タイプ、あるいは、他のタイプの型締装置を本発明に用いても良い。
【0019】
次に、本実施形態に用いた多層射出装置30を説明する。
多層射出装置30は図1に示す第一の射出装置30Aと第二の射出装置30Bから構成されている。そして、射出装置30A、および、射出装置30Bは、その各々に、バレルと、バレルに内装されるスクリュと、該バレル内にコア材樹脂を供給するホッパと、該スクリュを前後進させる射出シリンダと、該スクリュを回転させる油圧モータと、射出シリンダと油圧モータに所望の油圧を供給する油圧源を備え、前記バレル外周面には、図示しないヒータが取付けられている。
【0020】
また、前記射出装置30A、および、射出装置30Bは、油圧モータによってスクリュが回転することにより、前記ホッパからペレット形状の樹脂がバレル内に供給される構造となっており、該供給された樹脂は、バレルに取付けられたヒータによって加熱され、また、スクリュの回転によって混練圧縮作用を受けることによって溶融しながらスクリュ前方に送られる。
【0021】
本実施形態においては、前記射出装置30Aのバレル先端部にあるノズル部には回転式のバルブ31Aが配され、バルブ31Aが回転することによって、樹脂流路の開閉をおこなう。従って、スクリュの前方に送られた溶融樹脂はバルブ31Aが開の状態となっている場合にのみ、射出シリンダにより前進するスクリュにより、バレルの先端部にあるノズルから押出(射出と称することもある)ことができる。
【0022】
同様に射出装置30Bについてもバレル先端部にあるノズル部には回転式のバルブ31Bが配され、溶融樹脂はバルブ31Bが開の状態となっている場合にのみ、射出シリンダにより前進するスクリュにより、バレルの先端部にあるノズルから押出すことができる。
【0023】
次に、本実施形態に用いた制御装置60の構成を説明する。
制御装置60は、型締装置20を制御する型締制御部と型締条件設定器(型締条件設定部と称することもある)、および、多層射出装置30を制御する射出装置制御部と射出条件設定器(射出条件設定部と称することもある)とからなり、また、本実施形態では、金型10の型開量Ltを制御するため、可動盤2の動きを位置センサHで検知し常時測定しており、測定結果が制御装置60に入力される構成となっている。
【0024】
上記のような構成の貼り合わせ成形装置を用いて行った本発明の第1の実施形態に係る貼り合わせ成形方法の工程を、図2、および、図4に基づいて以下に詳細に説明する。
貼り合わせ成形工程は、図4(1)で成形開始(サイクルスタート)を始め、次の図4(2)、(3)の工程で、型締装置20の作動により金型10を大きく型開きする。そして、図2(1)に示すように、金型が大きく型開き状態のとき、上下のロールR、Rにより、表皮材である表皮シートSを固定金型3側に表面を向けた状態で張架して、固定金型3と可動金型4の間に供給し、表皮シートSを金型間にセットする。
【0025】
表皮シートSを型内にセット完了後、図4(4)の工程に進み、金型10は型締装置20の作動により型閉される。この時、表皮シートSは可動金型4により一定の張力を保って引っ張られたまま、固定金型3側に押しつけられて固定金型3と可動金型4の間に挟み込まれる。
【0026】
第1実施形態においては、表皮シートSを固定金型3と可動金型4の間に挟み込んだ際において、図3に示すようにホットランナHAのゲート先端が表皮シートSの裏面側に入り込む構造となっている。また、表皮シートSは、図示しない真空吸引装置によって固定金型3の金型キャビティ5に密着するよう吸引されることにより、固定金型3のキャビティ形状にそって伸ばされて変形し固定金型3のキャビティ形状とほぼ同様な形状になって金型10の中に配される。
なお、第1実施形態においてはホットランナHAのゲート先端が表皮シートSを貫通して裏面側に入り込みやすいように、予め表皮シートSの所定の位置に穴をあけてホットランナHAのゲート先端が貫通できるようにした。
【0027】
また、第1実施形態においては型閉時に、金型10内に内蔵された図示していないシート切断機構が作動し金型10の上下両端部で表皮シートSを切断する。なお、第1実施形態で表皮材として使用した表皮シートSは表面側に絵柄が印刷された加飾シートであり、その材質はポリプロピレンである。
しかし、本発明に使用できる表皮材は、第1実施形態にあるような単層構造の加飾シートに限らず、多層構造のシートであっても良い。また、前記表皮材は、予めプレス成形などによって金型のキャビティ形状とほぼ同形状に賦形された表皮材(プリフォーム表皮材と称することもある)を用いても良く、また、プリフォーム表皮材は単層構造であっても多層構造であっても良い。
【0028】
また、表皮材の裏面(裏面側と称することもある)を形成する材料は、第一の樹脂であるコア材の溶融樹脂との融着性のある材質を選定することが好ましく、表皮材の裏面とコア材の溶融樹脂とに融着性がない場合は、表皮材の裏面に表面処理等を施すことによって、表皮材の裏面とコア材の溶融樹脂とが融着、あるいは接着により一体化するように処理しておく必要がある。
また、同様に表皮材の表面を形成する材料は前記透明、もしくは略透明な樹脂層との融着性のある材質を選定することが好ましく、融着性がない場合は、表皮材の表面に表面処理等を施すことによって、表皮材の表面と前記透明、もしくは略透明な樹脂層の溶融樹脂とが融着、あるいは接着により一体化するように処理しておく必要がある。
【0029】
次に、金型10が型閉された後、図4(5)、(6)の工程に進む。
図4(5)、(6)の工程では、切替のバルブ31Aを閉から開に切替え、射出装置30Aが射出動作を行うことによって、図2(3)に示すように、第一の樹脂(本実施形態においては、ポリプロピレン)をホットランナHAを介して表皮シートSの裏面と可動金型4のキャビティ5と間に射出充填する。
第一の樹脂を射出充填後に保圧して予め設定された時間の間、冷却を行なう。
【0030】
図4(7)の工程として、型締装置20は第一の樹脂の冷却完了直後から型開動作をはじめる。
型開動作は、可動盤2の位置を位置センサーHでモニターして、予め型締条件設定器に設定された所望の型開量Lt(本実施形態においては2.0mm)まで、正確に金型を型開きする。
型開きを行うと、第一の樹脂は表皮シートSの裏面と融着した状態で可動金型4とともに移動するため、表皮シートSの表面と固定金型3との間にわずかな空隙を生じる。
【0031】
第1実施形態においては、型開き後、可動金型4が常に所望の位置(型開量制御と称することもある)にあるように可動盤2の位置を制御する。
勿論、この型開き時には、両金型3,4間に形成されるキャビティ空間は、樹脂が漏れ出さないように封止されている。
なお、この時の両金型3,4の相対位置は図2(4)に示す通りである。
【0032】
第1実施形態に使用した第一の樹脂(ポリプロピレン)は射出装置30Aのバレル設定温度200℃で可塑化溶融している。
【0033】
次の図4(8)、(9)の工程では、切替のバルブ31Bが閉から開に切替わり、射出装置30Bの射出動作することにより、第二の樹脂(本実施形態においては固化すると透明になるポリプロピレン)を図2(5)に示すように、前記表皮シートSの表面と固定金型3との間に生じた空隙に射出充填した後、保圧して予め設定した時間の間冷却する。
第1実施形態においては、金型をわずかに開くことにより表皮シートSの表面と該表皮シートSの表面に対向する金型のキャビティ5面との間に空隙を形成し、該空隙に固化すると透明になる第二の樹脂を充填することによって、表皮シートSの表面に透明な樹脂層を積層して形成し、図5に示したような貼り合わせ成形品を成形する。
なお、前記空隙に樹脂を射出充填、保圧する際において、金型10を開こうとする樹脂の型開力が発生するが、第1の実施形態においては型締力を増加させることによって、常に一定の型開量になるように制御した。
【0034】
なお、第1実施形態において使用した第二の樹脂であるポリプロピレンは、射出装置30Bのバレル設定温度200℃で可塑化溶融している。
【0035】
冷却完了後、図4(10)の工程に進み、可動盤2の型開量制御を解除する。そして、図4(11)から(13)までの工程では、図2(6)に示すように型締シリンダ22の作動により金型10を大きく型開きし、成形品を金型より取出すことにより1サイクルを終了する。
【0036】
本発明による第1実施形態によれば、クリヤー樹脂層を有していない表皮シートSを表皮材として用いるため、クリヤー樹脂層によって成形する前の表皮材の厚みが厚くなるといったことがないため、前記した表皮材の重量あたりの巻長さが短くなりハンドリングが低下するといった問題を生じず、また表皮材の厚さを薄くすることにより表皮材の柔軟性が高められ賦形性が向上するので表皮材を金型に挟み込んだ際にしわが生じるといった問題を生じない。
【0037】
また、金型10の中でクリヤー樹脂層を形成するため、予め表皮シートSの表面にコーティングしたクリヤー樹脂層が金型の中で賦形される際に、擦ったり、引っかいたりすることによって傷つくといったことがない。
【0038】
また、金型10の中でクリヤー樹脂層を形成するため、金型10内に射出するクリヤー樹脂層の種類や量を変えることにより、貼り合わせ成形品の色調や硬度など様々に変えることができ、また表皮シートSの表面にコーティングして使用できないような硬い樹脂(例えば、ポリスチレン、ポリカーボネイト等)をクリヤー樹脂層として用いることもできる。
なお、第1実施形態における表皮シートSは、単層構造であるため表皮材を所定形状に切断した残り表皮材(切れ端部分等)を処分する際においてリサイクルが容易である。
【0039】
また、第1実施形態においては、第一の樹脂の充填とともに、金型をわずかに開いて型開状態として第一の樹脂と固定金型3の金型キャビティ5面との間に空隙を生じさせたが、金型のキャビティ部に中子(可動コア)を配してキャビティ可変機構とし、第一樹脂の充填冷却完了後、油圧シリンダ等の駆動手段によって該中子を摺動させることにより前記空隙を生じさせる方法を、本発明に用いても良い。
【0040】
次に、本発明による第2の実施形態として図6に示すような工程の貼り合わせ成形方法を以下に説明する。
第2の実施形態には、前述した実施形態(第1の実施形態と称することもある)と同一の材料(表皮材、第一の樹脂、および第二の樹脂)を使用した。
第2の実施形態は、図6のフローチャートに示すように、図6(4)の工程までは第1の実施形態と同一の工程である。
【0041】
第2の実施形態では、第一の樹脂が射出充填される前に、金型の型締力を調整して、第一の樹脂の充填により金型10が開くような型締力に設定する。(射出圧縮成形と称することもある)
第2の実施形態では、第一の樹脂の射出充填圧力の設定が300kg/cmであり、金型キャビティの投影面積が600cmであったので、型締力を30トン(30000kg)として、第一の樹脂の充填により金型10が容易に開くような型締力に調整した。
【0042】
通常、樹脂の充填時の圧力で金型10は開かない型締力で型締されているため、第一の樹脂の射出充填圧力の設定が300kg/cmの時には、金型10内に最大300kg/cmの充填圧力が発生する可能性がある。
しかし、金型10内に充填される樹脂の平均圧力は、型締力を投影面積で除した値を超えることはないので、型締力を低く抑えれば該平均圧力を低く抑えることができる。従って、第2の実施形態おいては、該第一の樹脂の充填時の平均圧力は、50kg/cmを超えることはなく、表皮シートSにかかる圧力を低減化することができる。
【0043】
第一の樹脂の射出充填完了後、切替バルブ30Aを開から閉に切替えるとともに、予め型締条件設定器に設定された型締力を金型10に負荷することにより金型内に充填された第一の樹脂に圧力をかけながら(型締による保圧工程と称することもある)成形品の冷却を行ない、第一の樹脂の冷却にともない発生するひけの発生を防止する。
【0044】
次に、図6(7)の工程に進み、型締力を解除して金型10所望の位置にまで開いて型開きする。
第2の実施形態においてはこの際において、型開量を大きくし前記空隙を形成するクリヤー樹脂層の厚みより十分に大きくした状態で射出充填を行う。
そのため、第2の実施形態においては、射出充填の際に前記空隙が大きいため、低い射出圧力で溶融樹脂を金型10内に充填することができる。
なお、この際において前記空隙は形成するクリヤー樹脂層の厚みより大きくなっているが、射出充填する第二の樹脂の量は形成するクリヤー樹脂層の分量だけのため、前記大きくなった空隙の隅々にまでに第二の樹脂は充填されていない。
【0045】
第二の樹脂の射出充填完了後、切替バルブ30Aを開から閉に切替えるとともに、金型の型開量を小さくし、予め型締条件設定器に設定された型締力を金型10に負荷する。
金型10を型閉されることにより、金型10内に充填された溶融樹脂は金型キャビティ5によって押されて金型キャビティ5内の前記空隙を流され該空隙内の隅々に充填される。
【0046】
そして、該空隙内の隅々にまで第二の樹脂が充填した後も、さらに型開量を小さくすることによって、第二の樹脂は圧力かけられた状態(型締による保圧工程と称することもある)となり、その状態で冷却される。
第2の実施形態においては前記型締による保圧工程により冷却にともない発生するひけの発生を防止することができる。
【0047】
ここで、前記型締による保圧工程は型開量を大から小にして金型キャビティ全面で第二の樹脂に保圧をかけることになるため、ゲート部より樹脂を補填する一般的な保圧工程と比較して、クリヤー樹脂層にかかる圧力がどこも均一となり、クリヤー樹脂層にかかる圧力を全体として低く抑えることができる。
そのため、前記一般的な保圧工程と比較して、前記型締による保圧工程によれば歪みが少なく光学的に優れたクリヤー樹脂層を形成することができる。
なお、射出充填開始時において型開量を大きくし、充填完了とともに型開量を小さくする方法は射出プレスと称されることもある。
【0048】
冷却完了後、図6(11)の工程に進み、可動盤2の型締力制御を解除する。その後は、第1の実施形態と同様な工程を進み、型締シリンダ22の作動により金型10を大きく型開きし、成形品を金型より取出すことにより1サイクルを終了する。
【0049】
第2の実施形態は、以上のような工程により、第一の樹脂の充填時においては充填圧力を低くして表皮シートSの損傷を抑え、第二の樹脂の充填時においては充填圧力を低くするとともにかかる第二の樹脂にかかる圧力を均一にすることによって歪みの少ない良質なクリヤー樹脂層を形成することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、
第1の発明では、クリヤー樹脂層を有していない表皮材を用いて貼り合わせ成形方法をおこなうため、貼り合わせ成形の際にクリヤー樹脂層によって表皮材の厚みが増し表皮材の重量あたりの巻長さが短くなりハンドリングが低下するといった問題を生じることがなく、また表皮材が厚くなり賦形性が悪くなって金型に挟み込んだ際等に表皮材にしわが生じるといった問題や、金型で擦ったりする等することによって傷つくといった問題を防止することができる。
また、金型の中でクリヤー樹脂層を形成するため、表皮材の表面にコーティングして使用できないような硬い樹脂(例えば、ポリスチレン、ポリカーボネイト等)をクリヤー樹脂層として用いることもできる。
また、射出成形で積層させて形成するクリヤー樹脂層の種類を変えることにより、同じ表皮材で、その色調や硬度など様々に変えることができる。
【0051】
第2の発明では、金型をわずかに開くことにより表皮材の表面と該表皮材の表面に対向する金型のキャビティ面との間に空隙を形成することにより、金型の中に中子等を設ける必要がなく、簡単な構造の金型で貼り合わせ成形方法を実施することができる。
【0052】
本発明の方法により得られる貼り合わせ成形品は、製品の表面に透明もしくは略透明の樹脂層が形成されて深みがある高級感のある貼り合わせ成形品であり、金型の中でクリヤー樹脂層を形成するため、金型で擦ったりする等することがなく傷ついていない美麗な成形品である。また金型内に射出するクリヤー樹脂層の種類や量を変えることにより、貼り合わせ成形品の色調や硬度など様々に変えることができ、表皮材の表面に硬い樹脂を厚く形成してクリヤー樹脂層を形成した場合は、耐擦傷性、耐候性を非常に優れた貼り合わせ成形品となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に適用される貼り合わせ成形装置の実施形態に係る全体構成図である。
【図2】本発明の貼り合わせ成形の実施形態に係る際におけるステップを示す金型と金型内の状態を説明する概念図であり、(1)は金型間に表皮材をセットした状態を示す図であり、(2)は金型を閉じ表皮材を金型内にセットした状態を示す図であり、(3)は第一の樹脂を射出充填した状態を示す図であり、(4)は金型を開いて第二の樹脂を充填するための空隙を形成した図であり、(5)は第二の樹脂を射出充填した状態を示す図であり、(6)は成形品を金型より取出した状態を示す図である。
【図3】図2の(2)のA部詳細図である。
【図4】本発明の貼り合わせ成形方法の実施形態に係る工程フローチャートである。
【図5】本発明の貼り合わせ成形方法の実施形態に係る成形品の構造を説明する縦断面図である。
【図6】本発明の貼り合わせ成形方法の第2の実施形態に係る工程フローチャートである。
【符号の簡単な説明】
3 固定金型
4 可動金型
5 金型キャビティ
10 金型
20 型締装置
30 多層射出装置
30A 射出装置(第一の射出装置)
30B 射出装置(第二の射出装置)
31A バルブ
31B バルブ
60 制御装置
100 貼り合わせ成形装置
HA ホットランナ
HB ホットランナ
R ロール
S 表皮シート

Claims (2)

  1. 一対の金型の間に表皮材を配して該表皮材の裏面と該表皮材の裏面に対向する金型のキャビティ面との間に第一の樹脂を充填した後、該表皮材の表面と該表皮材の表面に対向する金型のキャビティ面との間に空隙を形成し、該空隙に第二の樹脂を充填することにより該表皮材の表面に透明、もしくは略透明な樹脂層を積層して形成することを特徴とする貼り合わせ成形方法。
  2. 前記第一の樹脂を充填した後、金型をわずかに開くことにより表皮材の表面と該表皮材の表面に対向する金型のキャビティ面との間に空隙を形成することを特徴とした請求項1に記載の貼り合わせ成形方法。
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