JP3614123B2 - 熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱間スラブの幅圧下プレス手段を備えた熱間圧延設備における熱延鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱間圧延設備に供給されるスラブは、通常は連続鋳造機により製造されたものが使用されるが、これらのスラブ幅はいくつかのサイズに統合されている。そのため、熱間圧延において、熱間スラブを幅方向に圧下して所定幅のスラブを得る幅圧下技術が開発されてきた。特に近年、従来の垂直圧延機を用いる方法よりも幅圧下量が大きく取れることから、熱間スラブの搬送ラインを挟んで対向したプレス金型を用いて幅圧下する幅圧下プレス加工法が普及してきている。
【0003】
この幅圧下プレス加工法では、熱間スラブを長手方向に所定量ずつ送り込みつつ、熱間スラブの搬送ラインを挟んで対向したプレス金型を開閉動作することにより、熱間スラブの全長を順次所定幅に幅圧下する。その際、プレス金型の加工面は、高温のスラブと長時間接触するため温度上昇が著しく、金型加工面にヒートクラック、肌荒れ、変形、摩耗、塑性流動などが発生する。そのため、幅圧下プレス加工中のプレス金型加工面に冷却水を噴射することにより、金型の温度上昇を抑制することが一般に行われている。しかし、幅圧下プレス加工中は、プレス金型加工面と熱間スラブとが接触もしくは非常に狭い間隔で相対しているために、噴射した冷却水が熱間スラブにもかかることが避けられない。そのため、特にスラブ幅方向端部の温度が低下し、材質不良などにより製品品質を劣化させるという問題点があった。
【0004】
上記のような問題点を解決する方法、すなわち、熱間スラブに多量の冷却水がかかることによるスラブ幅端部の過冷却を防止しつつ、プレス金型の温度上昇を抑制する方法として、特開昭63−5837号公報には、熱間スラブの幅圧下プレス金型を冷却する際に、幅圧下プレス加工中は該プレス金型の加工面を緩冷却し、次に処理すべき熱間スラブが該プレス金型に到着するまでの待機中は、該プレス金型の加工面を強冷却する方法が示されている。
【0005】
また、特開平10−180301号公報には、熱間スラブの幅圧下プレス金型を冷却する際に、熱間スラブがプレス金型に至るまでの待機中はプレス金型の加工面を強冷却し、幅圧下プレス加工中はプレス金型を一切冷却しない方法、および熱間スラブがプレス金型に至るまでの待機中は冷却し、熱間スラブの先端部および後端部の幅圧下時は冷却せず、先端部および後端部の幅圧下時以外は冷却する方法が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本発明者等は、熱間スラブに冷却水がかかることによる問題点として、上記のスラブ幅端部の冷却以外に、スラブ上面に冷却水が溜まることによりスラブの上下面に温度差が生じ、その後に引き続き行われる粗圧延機による水平圧延において、被圧延材の上反りが発生することを見出した。この上反り量は、50mm程度までであれば問題は生じないが、例えば200mmを超えると次の水平圧延機に噛み込まなくなるなどのトラブルが発生する。
【0007】
図4は幅圧下プレス加工された後の熱間スラブを示したものであるが、幅圧下加工を行うと、幅方向両端部よりやや中心よりにドッグボーンと呼ばれる盛り上がった部分が生じる。したがって、幅方向中央付近に流れた冷却水は幅方向に流れ落ちることができず、スラブ上面に溜まることとなり、熱間スラブ上面の温度を低下させて水平圧延時の上反りの原因となる。ただし、スラブ後端部付近では、スラブの進行により冷却水は後端から流れ落ちるため、問題とはならない。また、スラブ先端部付近では上下面に温度差があると水平圧延時に大きな上反りが発生するが、それ以降の部分は圧延機よりも先行側の材料が上反りを抑制する方向に拘束するために、大きな上反りは発生しにくい。
【0008】
特開昭63−5837号公報による方法では、幅圧下プレス中にプレス金型に対して緩冷却を施しているが、強冷却時ほどではないとしてもスラブ上面への水乗りは避けられず、スラブ上面に冷却水が溜まるため、スラブ先端部の水平圧延時の上反りは回避することができない。
【0009】
一方、特開平10−180301号公報による方法では、少なくともスラブ先端部および後端部の幅圧下プレス中はプレス金型に対する冷却を行わないので、スラブ先端部での水平圧延時の上反りの問題は生じない。しかし、この方法では、プレス金型の温度が最も高くなるスラブ後端部での金型への冷却を行っていないことから、冷却効率が悪く、また金型の寿命延長にとっては好ましい方法ではない。
【0010】
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点を解決し、熱延鋼板を製造するに際し、熱間スラブの幅圧下プレス加工時におけるプレス金型の温度上昇を抑えて金型の寿命低下を抑制するとともに、その後の粗圧延における水平圧延時のスラブ先端部での上反りを抑制することができる熱延鋼板の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、熱間スラブの幅圧下プレス加工時におけるプレス金型の冷却方法について種々検討を行った結果、熱間スラブの先端部の幅圧下時はプレス金型加工面の冷却を行わず、少なくとも前記熱間スラブ後端部の幅圧下時および前記熱間スラブの幅圧下終了後次に処理すべき熱間スラブがプレス金型に到達するまでの待機中にプレス金型の加工面を冷却するという方法を見出した。この方法によれば、プレス金型の温度が最も高くなるスラブ後端部の幅圧下時に金型の冷却を行うことにより、冷却効率の確保と金型の寿命延長を図ることができる。この金型温度が最高温度となる時に金型を冷却することが、金型寿命を延長させる上で非常に重要である。また、スラブ先端部の幅圧下時に金型の冷却を行わないことにより、スラブ先端部では上面へ冷却水が溜まることはなく、その後の水平圧延時の上反りを防止することができる。
【0012】
また、この方法によれば、スラブ後端部などのプレス金型の冷却を実施した位置においては、特開平10−180301号公報等で指摘されているスラブ幅端部の温度低下が生じることとなるが、粗圧延機と仕上圧延機間に粗バー(熱間スラブが粗圧延されたもの)を加熱する加熱手段を設け、少なくとも温度低下部分を加熱することにより、材質等の製品品質を確保することができ、問題が生じることはない。したがって、スラブ先後端部以外(長手方向中央部)で冷却を行うかどうかは、前述のプレス金型の寿命(例えば金型加工面の表面温度)と粗圧延における水平圧延時の上反り発生状況から適宜決定すればよい。
【0013】
本発明の熱延鋼板の製造方法は以上のような知見に基づきなされたもので、以下のような特徴を有する。
【0014】
(1)プレス金型を用いて熱間スラブを幅圧下プレス加工した後、粗圧延して粗バーとし、さらに仕上圧延して熱延鋼板とする熱延鋼板の製造方法において、熱間スラブの幅圧下プレス加工を行う前記プレス金型の加工面の冷却を、熱間スラブの先端部の幅圧下時には実施せず、少なくとも前記熱間スラブの後端部の幅圧下時および前記熱間スラブの幅圧下終了後次に処理すべき熱間スラブが前記プレス金型に到達するまでの待機中に実施することを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
【0015】
(2)前記熱間スラブの先後端部以外の幅圧下時におけるプレス金型加工面の冷却は、熱間スラブとの接触により上昇するプレス金型加工面の表面温度および/または幅圧下に引き続き行う粗圧延において発生する水平圧延時の上反り量が許容範囲となるように、熱間スラブ先端部以降での冷却開始位置を決定して実施することを特徴とする前記(1)に記載の熱延鋼板の製造方法。
【0016】
(3)少なくとも、前記熱間スラブの幅圧下時に冷却をされた熱間スラブの部位に対応する粗バーの部位を、加熱手段により加熱することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の熱延鋼板の製造方法。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1〜図3は本発明の一実施形態を示すもので、図1は熱間圧延設備の全体構成図、図2は幅圧下プレス装置による熱間スラブの幅圧下加工状況を示す平面図、図3はプレス金型の冷却装置の説明図である。図1において、1は熱間スラブの幅圧下プレス装置、2は粗圧延機、4は仕上圧延機、5はコイラーである。また、図2および図3において、6は幅圧下プレス装置に供給された熱間スラブ、7は幅圧下プレス装置1のプレス金型、8は前記プレス金型のプレス加工面、9は前記プレス金型の加工面を冷却するための冷却水噴射ノズルである。
【0018】
熱間圧延設備に供給された熱間スラブは、まず幅圧下プレス装置1により所定幅に幅圧下され、引き続き粗圧延機2および仕上圧延機4により所定板厚に圧延された後、コイラー5に巻取られる。この幅圧下プレス装置1は、図2に示すように、熱間スラブ6が搬送されてくると、熱間スラブが所定量送りこまれる毎にプレス金型7が矢印方向に開閉動作を行い、熱間スラブ6を幅方向に圧下する。例えば、熱間スラブを400mm送りこむ毎にプレス金型を片側200mmのストロークで開閉動作することを1サイクルとする場合、全長6mのスラブに対して前記サイクルを15回程度繰り返すことにより、スラブ全長の幅を最大で350mm程度減少させることができる。また、幅圧下プレス装置1には、図3に示すように、プレス金型7の加工面8へ対向して冷却水噴射ノズル9が設けられており、冷却水を噴射してプレス金型の加工面8を冷却する。
【0019】
本発明では、先行の熱間スラブの幅圧下終了後から後行の熱間スラブの幅圧下開始までの待機中は、冷却水噴射ノズル9から冷却水を噴射して、プレス金型7の加工面8の冷却を行う。そして、熱間スラブ6の先端が幅圧下プレス装置1の入側に到達すると、冷却水噴射ノズル9からの冷却水噴射を停止する。この冷却水を停止した状態で、プレス金型7の開閉動作により熱間スラブ6の先端部を幅圧下プレス加工する。ここで、冷却水を停止する目的は、前述のように、噴射した冷却水がスラブ上面に溜まり、引き続き粗圧延機2で行う水平圧延時に上反りを発生させないためである。したがって、冷却水を停止とすべき熱間スラブ先端部の長さは、冷却水がスラブ上面に溜まった場合に、その後の水平圧延時に上反りが発生する範囲に定める。具体的には、スラブの幅、厚さによって異なるため、各サイズ毎にテーブル値を持つなどすればよい。一般には、最低でも先端部から1.0mは必要であり、例えば、代表的なスラブサイズである厚さ230mm、幅1250mm程度であれば、先端部から1.2m程度が一般的に必要となる。
【0020】
一方、熱間スラブ後端部の幅圧下時は、熱間スラブの幅圧下によりプレス金型7の温度が上昇してくるため、冷却水噴射ノズル9からプレス金型の加工面8へ向けて冷却水を噴射する。このプレス金型温度が最も高くなる熱間スラブ後端部でのプレス金型の冷却は、金型の寿命延長のためには不可欠である。通常はプレス金型7の開閉動作にかかわらず冷却水は噴射したままとするが、金型の開動作中は冷却水を噴射し、金型の閉動作中は冷却水の噴射を停止するなどの方法としてもよい。ただし、その場合であっても、プレス金型加工面8と熱間スラブとは非常に狭い間隔で相対しているので、スラブ上面に冷却水がかかることは避けられない。しかし、スラブ後端部付近では、スラブ上面にかかった冷却水はスラブ後端部から流れ落ちるためにスラブ上面には溜まりにくい。したがって、スラブ上面にかかった冷却水がスラブ後端から流れ落ちる位置、例えば後端から1.5m程度の位置から冷却水の噴射を開始すれば、その後の水平圧延時に上反りの問題は生じない。
【0021】
ここで、熱間スラブの先後端部以外(長手方向中央部)については、冷却水を停止したままとしてもよいし、冷却水の噴射を行ってもよい。すなわち、金型の寿命延長のためには冷却水を噴射することが好ましいが、特に先端寄りではその後の水平圧延時に若干の上反り傾向となる場合があること、またスラブ幅端部の温度低下が生じるといった問題も発生する。したがって、プレス金型加工面の許容温度を定め、それを超えないように冷却水を噴射してもよい。例えば、プレス金型として使用する材質の高温強度が低下する温度(ダクタイルの例であれば約550℃)を許容温度とすることができる。また、水平圧延時の上反り量の許容範囲(例えば高さ200mmを超えないこと)を定め、先行材の上反り発生状況などからそれを超えないように冷却水の噴射開始位置を決定してもよい。
【0022】
熱間スラブ6の後端部が幅圧下プレス装置1を抜けた後、次に処理すべき熱間スラブがプレス金型7に到達するまでの待機中は、引き続き冷却水噴射ノズル9から冷却水を噴射し、プレス金型の加工面8を冷却する。
【0023】
次に、幅圧下プレス装置1を抜けた熱間スラブ5は、引き続き粗圧延機2へ搬送され、粗圧延される。この際、スラブ先端部付近の上面に冷却水が溜まっていると、スラブ上下面の温度差により、水平圧延時に上反りが発生することとなるが、本発明においてはスラブ先端部の幅圧下プレス時の冷却水は停止しているため、上反りは発生しない。また、長手方向中心部以降においては、圧延機よりも先行側の材料が上反りを抑える方向に拘束するため、冷却水が溜まっていても上反りは問題とならない。
【0024】
粗圧延機2を出た粗バーは、仕上圧延機4へ送られることとなるが、後端部などの幅圧下プレス加工時に冷却水を噴射したスラブ位置に対応する位置では、幅端部の温度が低下しているため、そのままでは材質不良などの製品不良を起こす可能性がある。そこで、図1に示すように、粗圧延機2と仕上圧延機4の間に加熱装置3を設置し、この加熱装置3により粗バーを加熱することが好ましい。加熱装置3は、エッジヒーターと呼ばれる粗バーの幅端部付近のみを加熱するものでよいが、粗バーの幅方向全体を加熱するものであってもよい。また、加熱を行う粗バーの長手方向の位置は、少なくとも幅端部の温度低下が発生している位置を加熱する必要がある。その位置を特定する方法としては、熱間スラブの幅圧下の際に冷却水噴射ノズル9から噴射された実績をトラッキングして、温度低下が発生している粗バー位置を求める方法や、加熱装置3の入側に粗バーの幅端部の温度を実測する温度計を設置し、温度実測結果により加熱装置3の制御を行う方法などを用いることができる。なお、粗バーの全長を加熱してもよく、またその際には温度低下位置での加熱装置の出力をその他の位置よりも大きくするとより好適である。
【0025】
また、図1では、加熱装置3を粗圧延機2と仕上圧延機4の間に備えているが、幅圧下プレス装置1と粗圧延機2の間に設置しても、同様の効果が得られる。
【0026】
【実施例】
図1〜図3に示す熱間圧延設備および幅圧下プレス装置を用いて熱延鋼板の製造を行った。ここで、加熱装置3としては、粗バーの幅端部を誘導加熱するエッジヒータを採用した。また、幅圧下プレス装置1には温度計(図示せず)を設置し、プレス金型加工面8の表面温度をリアルタイムで計測できるようにした。用いた熱間スラブは、厚さ125〜250mm、幅600〜1950mm、長さ3.5〜9.6mであり、幅圧下プレス前の熱間スラブの表面温度は1000〜1300℃であった。なお、プレス金型7の材質はダクタイルとし、金型加工面8の冷却条件は、平均熱伝達係数が1000〜4000kcal/m・hr・℃程度とした。
【0027】
表1において、No.1〜3は粗バーの加熱を行わなかった本発明例、No.4〜6は粗バーの加熱を行った本発明例、No.7,8は比較例である。また、それぞれの条件毎に、プレス金型の寿命、粗圧延時の上反りおよび製品幅端部の材質についての評価を行った。ここで、プレス金型の寿命とは、熱間スラブを10万トン幅圧下後の金型表面の肌荒れ状況を、また上反りとは、粗圧延機2による水平圧延時に発生する上反りの高さを評価した。
【0028】
【表1】
Figure 0003614123
【0029】
まず、スラブ全長で冷却を行った比較例7は、粗圧延時に先端部の上反りが発生するとともに、製品幅端部の材質も劣化した。また、スラブ全長で全く冷却を行わなかった比較例8では、プレス金型の肌荒れがひどく、金型寿命が問題であった。
【0030】
それに対し、スラブ後端1.5mのみで冷却を行った本発明例1では、プレス金型の寿命が他の本発明例よりもやや不十分であるが、粗圧延時の上反りもなく、良好であった。また、冷却水を停止とすべき熱間スラブ先端部長さを表2のテーブル値として定め、この位置以降で冷却を行った本発明例3では、スラブによって先端部が粗圧延時にやや上反り傾向となる場合もあったが、プレス金型の寿命は良好であった。
【0031】
【表2】
Figure 0003614123
【0032】
また、本発明例2では、幅圧下プレス中のプレス金型の加工面8の表面温度を計測し、その温度が500℃となった時点からプレス金型の冷却を開始し、スラブ後端まで冷却を継続した。その時のプレス金型加工面の表面温度の変化を、図5に示す。比較として、冷却を全く行わなかった比較例2の場合も図示している。比較例2のように冷却を行わなかった場合には約800℃にまで達する金型加工面温度を、金型加工面温度が500℃に達した時点で冷却を開始することにより、約550℃以下に抑えることができた。その結果、金型寿命、粗圧延時の上反りともに良好な結果が得られた。
【0033】
ただし、本発明例のNo.1〜3は粗バーの加熱を行っていないため、製品の幅端部で材質の劣化が見られる場合もあった。
【0034】
一方、本発明例のNo.4〜6は、本発明例のNo.1〜3のそれぞれについて、加熱装置3(エッジヒータ)により粗バーの加熱を行ったものである。加熱の方法は、幅圧下プレス装置1での冷却水の噴射を開始したスラブ位置からそれに対応する粗バー位置をトラッキングし、その位置がエッジヒータに到達した時点でエッジヒータの加熱を開始し、粗バー後端まで加熱を継続した。その結果、No.4〜6のどの条件においても製品の幅端部の材質は良好であった。その他の金型寿命、粗圧延時の上反りについては、それぞれ対応するNo.1〜3の結果と同様であった。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、熱延鋼板を製造するに際し、幅圧下プレス手段のプレス金型加工面の冷却を適切に行うことにより、プレス金型加工面の温度上昇による金型寿命低下を抑制することができるとともに、その後の粗圧延における上反りを抑制し、安定した熱延鋼板の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に供する熱間圧延設備の一例を示す全体構成図
【図2】幅圧下プレス装置による熱間スラブの幅圧下加工状況を示す平面図
【図3】幅圧下プレス金型の冷却設備の一例を示す説明図
【図4】幅圧下プレス装置により幅圧下された熱間スラブの斜視図
【図5】実施例における本発明例2および比較例2のプレス金型加工面の表面温度推移を示すグラフ
【符号の説明】
1 幅圧下プレス装置
2 粗圧延機
3 加熱装置
4 仕上圧延機
5 コイラー
6 熱間スラブ
7 幅圧下プレス金型
8 プレス金型の加工面
9 冷却水噴射ノズル
10 ドッグボーン
11 スラブ上面に溜まった冷却水

Claims (3)

  1. プレス金型を用いて熱間スラブを幅圧下プレス加工した後、粗圧延して粗バーとし、さらに仕上圧延して熱延鋼板とする熱延鋼板の製造方法において、熱間スラブの幅圧下プレス加工を行う前記プレス金型の加工面の冷却を、熱間スラブの先端部の幅圧下時には実施せず、少なくとも前記熱間スラブの後端部の幅圧下時および前記熱間スラブの幅圧下終了後次に処理すべき熱間スラブが前記プレス金型に到達するまでの待機中に実施することを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
  2. 前記熱間スラブの先後端部以外の幅圧下時におけるプレス金型加工面の冷却は、熱間スラブとの接触により上昇するプレス金型加工面の表面温度および/または幅圧下に引き続き行う粗圧延において発生する水平圧延時の上反り量が許容範囲となるように、熱間スラブ先端部以降での冷却開始位置を決定して実施することを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼板の製造方法。
  3. 少なくとも、前記熱間スラブの幅圧下時に冷却をされた熱間スラブの部位に対応する粗バーの部位を、加熱手段により加熱することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱延鋼板の製造方法。
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