JP3613558B2 - 音声ガイド - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、美術館や博物館等の各種展示場、または観光名所等において用いられる音声ガイドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、美術館や各種展示場において、来客に対して展示物の紹介・説明を音声で行うガイド用の装置(以下「音声ガイド」という)が用意されていることが多くなっている。
特に、高齢者や若年者を伴う家族連れの場合には、配布されたり展示物の前に掲示される説明書を読むことを躊躇することが多く、簡単な操作でその説明を聞くことができることは、こうした見学者にとっても非常に好ましい。
また、主催者にとっても、説明のために停滞を招き見学者の流れが悪くなることは好ましくない。
こうした両者の不都合を改善する手段としても音声ガイドの有用性が認められている。
【0003】
具体的には、図3のようなイヤホン付きの音声ガイドがよく用いられており、本体にある展示物の番号を押すと、その展示物のガイド情報が音声として出力される装置が多く用いられている。
【0004】
また、特定の美術館等では、展示物の設置場所近房から所定の光または電波を放射し、音声ガイドがその光等を受けるとガイド情報を出力する装置も使用されている。
【0005】
こうした装置は、従来、対象物の説明内容が限定しやすいことや使用範囲が限定されて管理のし易いことから、美術工芸品等の展示会場や美術館等のようなクローズな場所において利用されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、こうした従来の技術を適用して各種の要求に対応しようとする場合においては、以下のような課題を克服する必要があった。
【0007】
一般に、高齢者や若年者を伴う家族連れにとって、展示物等の紹介・説明を音声で確保できるガイド情報を得ることによる有用性は、上記のような美術館等のクローズな場所に限られるものではない。
各地の観光を目的とする高齢者等が多くなってきた昨今では、広域のオープンな場所での音声ガイドに対する需要も多く、こうした利用に適用できる装置が求められている。例えば、京都市内観光を例にとれば、金閣寺・清水寺等の名所旧跡における音声によるガイド情報を1の音声ガイドで確保する要求等がこれに該当する。
一定の規模の主催者であれば、特定の団体ツアー向けにこうした要求に応じた専用ガイドの準備は可能であるが、予め準備された名所旧跡に限定され、利用者が自由に行動しつつ、個別的に希望する適切なガイド情報を入手できることは難しい。特に、小人数が利用できるような音声ガイドは、その困難性が強くなる。
【0008】
また、従来技術を用いた装置を、こうしたオープンな場所に適用するとすれば、装置の回収は利用者のモラルに頼らざるを得ず、バス等の移動手段において回収する必要があったりホテルや旅館等の連泊客に限られてしまうこととなる。この場合、多数のホテル等に所定の設備が必要で、多大な投資や作業から採算性に問題がある。
【0009】
さらに、従来の音声ガイドでは、保存されたガイド情報の活用も利用者が聞くだけの機能にとどまっており、顧客からの情報収集手段としての活用は殆どできなかった。別途アンケート等により情報収集を行うことが一般的であるが、多大な作業を必要とするものであり、利用者・装置提供者の負担も大きい。
【0010】
また昨今、各自治体においても当地の観光等産業の促進を図る活動が活発化しているが、利用者・業者にとって利便性の高い音声ガイドの供給が可能となることは、こうした活動に役立つこととなり、公的な観点からも有用である。
従って、安価でかつ確実な返却・回収が可能な音声ガイドは、上記のようないくつかの観点からも必要とされるのである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、以下の特徴を有する音声ガイド用の装置を提供するものである。
【0012】
音声ガイドに関し、その使用地域範囲を設定し、その範囲を超えると本体から警報及び送信信号が発するようにするとともに、ガイドのすべての機能を停止することを特徴とする。(請求項1)
こうした特徴を有する装置を供給することにより、利用者に返却の必要性を認識させるとともに、装置供給者にその情報を伝え、装置の確実な回収を行うことができるようになる。
【0013】
上記〔0012〕の特徴を有する装置であって、本体にGPS機能を設け本体の位置が検知できることを特徴とする。(請求項2)
こうした特徴を有する装置を供給することにより、広範囲の装置の使用であっても、利用者に正確な自己の位置及び装置返却の必要性を認識させるとともに、装置供給者にその情報を伝え、装置の確実な回収を行うことが可能となる。
【0014】
上記〔0012〕または〔0013〕の特徴を有する装置であって、その使用地域範囲に設けられた双方向の通信手段によりガイド本体の位置情報を検知できることを特徴とする。(請求項3)
こうした特徴を有する装置を供給することにより、利用者に返却の必要性を認識させるとともに、装置供給者にその情報を伝え、装置の確実な回収を行うことが可能となる。
【0015】
上記〔0012〕乃至は〔0014〕の特徴を有する装置であって、音声ガイド本体からの信号を受信器を介して監視用装置に送信することを特徴とする。(請求項4)
こうした特徴を有する装置を供給することにより、利用者に返却の必要性を認識させるとともに、装置供給者にその情報を伝え、装置位置の追跡を可能にして装置の確実な回収を行うことが可能となる。また同時に、利用者の使用状況を記録することも可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
ここでは都合上、位置情報を画面表示するとともに、GPS等いくつかの機能を有する音声ガイドを例に説明する。
【0017】
図1は、本発明を利用した装置である音声ガイドの外観・機能を示す。
音声ガイド1の画面表示部3に、画像情報として地図情報または対象物情報が表示される。
また、画面表示部3の下部には、キー部4があり、画面表示部3に示された番号(図2上では▲1▼〜▲3▼で表示されている)に対応する番号キーを押すと、その位置の名所・古跡等に対応する音声情報2を出力する。
これらの音声情報及び地図情報は、メモリカード5を介してガイド内に取り込まれる。
地図情報が画面表示される場合、ガイドに内蔵されたGPS機能により得られた情報から、利用者の位置を画面表示部3の▲印部6に表示する。
これにより、利用者は自己の位置を知ることができとともに、次に訪問しようとする名所等の情報を予め知ることも可能であり、いくつかの情報を知った上で次の訪問先を決定することも可能である。
なお、本体にGPS機能を有していない場合であっても、ガイド使用地域範囲に設けられ複数の特定発信地からの電波や無線を受信して使用範囲内での本***置を検知する方法を採用することが可能であり、さらに、ガイド使用地域範囲に設置された双方向の通信手段により行うことも可能である。後者の例としては、本体からの電波等を受信した特定発信地からこれに対する応答信号を発信し、これら複数の発信地からの信号を本体で受信して本体の位置を検知する方法が考えられる。
【0018】
こうした音声ガイドを装置供給者が特定の利用者に提供する場合、具体的にはまず、利用者に提供する前に、音声ガイド使用地域範囲の設定が必要となる。
音声ガイド使用地域範囲とは、例えば、美術館であれば、その建物の中心から建物を取り囲む一定の範囲を超えた場合をいい、京都市内地域であれば、地図上亀岡市や八幡市等との境界を一定範囲越えた場合をいう。
設定は、装置内部のメモリに地図情報が内蔵できるタイプでは、地図上の境界をインプットする方法が可能であり、具体的には、地図情報に関連付けた情報として既述のメモリカード5に書き込む方法が考えられる。1つの実施例として、図2における太線に囲われた音声ガイド使用地域範囲21を示す。
なお、GPS機能を使用しない場合で外部からの電波・無線等を検知するタイプでは、特定発信地からの電波の強度つまり発信地からの距離や複数の発信地からの電波の時間差等をインプットして範囲を設定する方法が可能である。
また、双方向の通信手段によりガイド本体の位置情報を検知できるタイプでは、特定発信地からの一方的な電波等による検知方法に比べ、時間差等を2倍とすることができ、本***置の検知及び範囲の設定に対する精度を高めることができる。
【0019】
装置は、上記使用地域範囲を超えると、本体から警報及び送信信号が発するようにするとともに、ガイドのすべての機能を停止するように設定する。
警報及び送信信号を連続的なものに設定するか断続的なものに設定するかは、装置の動作時間・動作機能に必要とされる容量を考慮し、内蔵可能な電池の容量から決定されるが、いずれかを選択することができる機能を有することも可能である。
【0020】
さらに、本体からの送信信号については、使用地域範囲を超えた場合のみならず、常時発信しておき、受信器を介して監視用装置にデータとして格納する方法も考えられる。こうした場合には、その装置の利用状況から、利用者の足跡を情報として入手することができる。
【0021】
次に、装置を使用の際の手順を具体的に述べる。
まず、貸出し時に、装置供給者は装置本体に「貸出開始」入力をする。
入力は本体に専用キーを設けるか、電池のセットにより行うようにする方法等がある。
このとき、音声ガイド機能を使用可能な状態にするとともに、GPS機能を有する場合には、装置本体の位置の特定を行う動作を開始する。
【0022】
装置が使用地域範囲にあれば、継続してその状態が維持される。
利用者が装置上にある対象物に対応した番号のキーを操作すると、それに対応した圧縮保存されている情報が解凍されて、音声出力または/及び画像表示される。
また、利用者が装置上にある例えば番号(0)のキーを操作すると、名所・旧跡等についての感想・要望等の「生の声」を音声入力することも可能であり、入力された情報は、他の入力と同様、圧縮処理されて保存される。
【0023】
装置が使用地域範囲を超えた場合、まず利用者に警告を与える。
警告は、例えば、イヤホンまたは直接装置本体からの音声による方法や本体表示部のフラッシング等の視覚による方法がある。
音声による警報の場合、一定の音を所定の音圧・音量でイヤホンからまたは直接本体から発するようにし、時間的には、所定の時間連続的発音するものや断続的発音するものが考えられる。
【0024】
その時、併せて、警告と同時に本体から一定の信号を発信を開始し、装置供給者に対して異常使用状態であることを伝達する。送信信号についても、装置提供者に対し装置が使用範囲を超えていること及び装置の現在地を確認できるように連続的または断続的に発信するものとする。
【0025】
その後、一定時間経過して尚、同様の状態が継続していれば、ガイドに関する全ての機能を停止するとともに、上記伝達信号を継続して発信する。
装置供給者は、この伝達信号により、装置の異常な使用状態を認識することができ、利用者の位置を検知して回収手段を講ずることができる。
【0026】
最後に利用者から返却された時、装置供給者は、装置の「貸出終了」入力をする。入力は専用キーを押すか、電池のリセットにより行うようにする方法等がある。
利用者のトータル利用時間や回収までの経緯のデータは、本体のメモリカードまたは別途のパーソナルコンピュータによりデータ保存すれば、装置の使用範囲の設定や回収方法の改善に利用することも可能である。
【0027】
【発明の効果】
以上のような特徴を有する発明を実施することにより、音声ガイドを使用地域範囲外で使用しても、所定の警告を発して利用者及び装置供給者にその状況を通知することができる。これによって、利用者の注意を喚起して利用者の返却忘れ等を防止するとともに、装置供給者による確実な装置の返却・回収を可能とすることができる。
また、利用場所が建物内であれば、GPS機能を有する必要はなく、建物内から発せられる一定時間毎に無線等の信号を受信して、その位置が建物内であるか外であるかの判断も可能であり、一層簡単な装置で、確実な装置の返却・回収を可能とすることができる。
さらに、装置からの信号を常時発信しておき、受信器を介して監視用装置にデータとして格納した場合には、その装置の利用状況から、利用者が必要とする観光情報の重要度を推考することができる。これらのデータは、従来のアンケート情報とは異なり、実際に観光客が利用した信頼性の高い情報として利用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施方法を示した説明図である。
【図2】本発明の実施例を示した説明図である。
【図3】従来の実施方法を示した説明図である。
【符号の説明】
1 音声ガイド
2 音声情報
3 画面表示部
4 キー部
5 メモリカード
6 利用者の位置(▲印部)
21 音声ガイド使用地域範囲
Claims (4)
- 音声ガイドに関し、その使用地域範囲を設定し、その範囲を超えると本体から警報及び送信信号が発するようにするとともに、ガイドのすべての機能を停止することを特徴とする装置。
- 音声ガイドに関し、本体にGPS機能を設け本体の位置が検知できることを特徴とする請求項1の装置。
- 音声ガイドに関し、その使用地域範囲に設けられた双方向の通信手段によりガイド本体の位置情報を検知できることを特徴とする請求項1または2の装置。
- 音声ガイドに関し、音声ガイド本体からの信号を受信器を介して監視・記録用装置に送信することを特徴とする請求項1乃至は3の装置。
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