JP3612428B2 - ソフトウェア信頼性予測方法および装置と記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴンペルツ曲線モデルおよびロジスティック曲線モデルを含むソフトウェア信頼性成長モデルを用いてソフトウェアの信頼性を予測するソフトウェア信頼性予測方法および装置と記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ソフトウェアの完成後の品質を保証するために、一般的にシステムの動作確認試験を行う。動作確認試験において、ソフトウェアの最終段階での品質予測、いわゆる信頼性予測が行われる。この信頼性予測に関して、従来から各種の手法が提案されている。それらのうち、統計的手法として、ゴンペルツ曲線モデルやロジスティック曲線モデルなどが知られていて、ソフトウェアのバグ実績データから、各曲線モデルのパラメータを推定することにより、達成予測値(レベル)、達成期間、予測曲線などを得ている。
【0003】
図2は、こうした統計的手法を用いて実績試験結果データから予測曲線を得る装置の構成概念図で、図3は、それによって得られる予測曲線の例を示した図である。図2において、1は信頼性予測装置、2は入力である試験実績データ、3は予測データを示し、実績データに基づく予測曲線が得られる。
【0004】
まずはじめに、ゴンペルツ曲線モデルとそのパラメータの推定方法について説明する。ゴンペルツ曲線は式(1)の関係式で与えられる曲線である。
【0005】
【数1】
ここで、tは時間(期間)であり、G(t)はtまでに発見される総バグ数、a,bは実績から求められるパラメータである。式(1)から
G(t)→k(t→∞) …(2)
より、kはテスト開始前に潜在するバグ数を表す。また、式(1)は微分方程式
【数2】
の解でもある。このままでは、パラメータa,b,kは求められないので、式(3)の両辺をG(t)で割り、更に対数をとると次式(4)となる。
【0006】
【数3】
とおくと次式(8)が得られる。
【0007】
Y=A+Bt …(8)
現実には、微分値
【数4】
は、求められないので、δをデータ集計期間(発生したバグ数を集計する予め決められた期間)として、
【数5】
とおくと、実際に使用する回帰式は次式(12)となる。
【0008】
Yn =A+Btn …(12)
ここで、Yn として
【数6】
式(12)を回帰式として、回帰分析を行うことにより、A,Bの推定値A^,B^を求める。a,b,kの推定値a^,b^,k^は
【数7】
から得られる。
【0009】
早期のデータによる推定結果は精度が悪いといわれており、少なくとも曲線モデルの変曲点を超えた時点のデータでパラメータ推定を行うことが必要である。三觜武:“ソフトウェアの品質評価法”、日科技連(1981)によれば、ソフトウェアの潜在バグ数の予測値をk〜としてソフトウェアの累積バグ数をy−とすると
【数8】
となれば、その時点までのデータでパラメータ推定を行うとしている。wは経験的にw=0.6〜0.8としている。また、k〜は経験的または統計的に予測する。
【0010】
次に、ロジスティック曲線モデルについて説明する。ロジスティック曲線モデルは式(18)の関係式で与えられる曲線である。
【0011】
【数9】
ゴンペルツ曲線モデルと同様にtは時間(期間)であり、L(t)はtまでに発見される総バグ数、m,αは実績から求められるパラメータである。式(18)より
L(t)→k(t→∞) …(19)
となるからゴンペルツ曲線と同様にkはテスト開始前に潜在するバグ数を表す。式(18)は微分方程式
【数10】
の解でもある。パラメータk,α,mを求めるために式(20)を次のように書き直す。
【0012】
【数11】
とおくと
Y=A+BX …(26)
が得られる。現実には、微分値
【数12】
は、求められないので、δをデータ集計期間(発生したバグ数を集計する予め決められた期間)として、
【数13】
とおくと、実際に使用する回帰式は次式(30)となる。
【0013】
Yn =A+BLn …(30)
ここで、Yn として
【数14】
を利用することもある。
【0014】
式(30)を回帰式として、回帰分析を行うことにより、A,Bの推定値A^,B^を求める。m,k,αの推定値m^,k^,α^は
【数15】
から得られる。
【0015】
ゴンペルツ曲線と同様に、早期のデータによる推定結果は精度が悪いといわれており、少なくとも曲線モデルの変曲点を超えた時点のデータでパラメータ推定を行うことが必要である。どの時点までのデータでパラメータ推定を行うべきかについてはゴンペルツ曲線と同様である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
前記ソフトウェア信頼性モデルにおけるパラメータ推定方法では、試験早期での推定精度は低く、ある程度の精度を要求するには、変曲点を超えた時点までのデータが必要となる。後述するように、従来手法では実データが各曲線モデルに完全に一致していたとしても、試験開始間もないとき、すなわち潜在バグ件数に対して、発見されたバグ件数の割合が小さい時には正確なパラメータ推定ができず、そのため信頼性分析の結果の精度はかなり低いものとなっている。どの時点までのデータを利用してパラメータ推定を行うかの判定基準に、式(17)があるが、式(17)内のk〜の精度そのものが低く、経験に頼った判定基準になっている。また、従来技術では、実データとモデルによる分析が一致しなかった場合には、パラメータ推定の精度が低いため、その原因はモデルの不適切によるものなのか、パラメータの推定精度によるものなのかがはっきりしなかった。
【0017】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、バグ発見件数が少ない段階や試験開始間もない時点からソフトウェア信頼性成長モデルのパラメータを正確に推定し、ソフトウェアの信頼性を適確に予測し得るソフトウェア信頼性予測方法および装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1の本発明は、ゴンペルツ曲線モデル又はロジスティック曲線モデルによるソフトウェア信頼性成長モデルを用いてソフトウェアの信頼性を予測するソフトウェア信頼性予測方法であって、入力手段によりソフトウェアのテスト時にソフトウェアにバグが発生したバグ発生日時およびバグ発生件数を入力して記憶手段に記憶させ、回帰分析手段により前記記憶手段から前記バグ発生日時およびバグ発生件数のデータを読み出し、厳密解を持ち、差分間隔0の極限で前記ソフトウェア信頼性成長モデルと方程式、厳密解ともに一致する差分方程式を用いて、前記バグ発生日時および件数のデータからソフトウェア信頼性成長モデルのパラメータを回帰分析により推定し、予測手段によりこの推定された値のパラメータをもつソフトウェア信頼性成長モデルを用いて、バグ発生累積件数の予測曲線を推定し、この予測曲線からソフトウェアの信頼性を予測することことを要旨とする。
【0019】
本発明にあっては、厳密解を持ち、差分間隔0の極限でソフトウェア信頼性成長モデルと方程式、厳密解ともに一致する差分方程式を用い、ソフトウェアのテスト時のバグ発生日時および件数の入力データからソフトウェア信頼性成長モデルのパラメータを回帰分析により推定し、このソフトウェア信頼性成長モデルを用いて、バグ発生累積件数の予測曲線を推定し、この予測曲線からソフトウェアの信頼性を予測するため、バグ発見件数が少ない段階やテスト開始間もない時点でもパラメータを正確に推定でき、ソフトウェアの信頼性を適確に予測することができる。
【0020】
また、第2の本発明は、ゴンペルツ曲線モデル又はロジスティック曲線モデルによるソフトウェア信頼性成長モデルを用いてソフトウェアの信頼性を予測するソフトウェア信頼性予測装置であって、ソフトウェアのテスト時にソフトウェアにバグが発生したバグ発生日時およびバグ発生件数を入力する入力手段と、前記入力手段により入力されたバグ発生日時およびバグ発生件数を記憶する記憶手段と、前記記憶手段から前記バグ発生日時およびバグ発生件数のデータを読み出し、厳密解を持ち、差分間隔0の極限で前記ソフトウェア信頼性成長モデルと方程式、厳密解ともに一致する差分方程式を用いて、前記バグ発生日時および件数のデータからソフトウェア信頼性成長モデルのパラメータを回帰分析により推定する回帰分析手段と、パラメータが該回帰分析手段によって推定された値をもつソフトウェア信頼性成長モデルを用いて、バグ発生累積件数の予測曲線を推定し、この予測曲線からソフトウェアの信頼性を予測する予測手段とを有することを要旨とする。
本発明にあっては、厳密解を持ち、差分間隔0の極限でソフトウェア信頼性成長モデルと方程式、厳密解ともに一致する差分方程式を用い、ソフトウェアのテスト時のバグ発生日時および件数の入力データからソフトウェア信頼性成長モデルのパラメータを回帰分析により推定し、このソフトウェア信頼性成長モデルを用いて、バグ発生累積件数の予測曲線を推定し、この予測曲線からソフトウェアの信頼性を予測するため、バグ発見件数が少ない段階やテスト開始間もない時点でもパラメータを正確に推定でき、ソフトウェアの信頼性を適確に予測することができる。
【0021】
さらに第3の本発明は、ゴンペルツ曲線モデル又はロジスティック曲線モデルによるソフトウェア信頼性成長モデルを用いてソフトウェアの信頼性を予測するソフトウェア信頼性予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、コンピュータに対し、ソフトウェアのテスト時にソフトウェアにバグが発生したバグ発生日時およびバグ発生件数を記憶手段に記憶させる処理と、前記記憶手段から前記バグ発生日時およびバグ発生件数のデータを読み出し、厳密解を持ち、差分間隔0の極限で前記ソフトウェア信頼性成長モデルと方程式、厳密解ともに一致する差分方程式を用いて、前記バグ発生日時および件数のデータからソフトウェア信頼性成長モデルのパラメータを回帰分析により推定する処理と、この推定された値のパラメータをもつソフトウェア信頼性成長モデルを用いて、バグ発生累積件数の予測曲線を推定し、この予測曲線からソフトウェアの信頼性を予測する処理と、を実行させることを要旨とする。
本発明にあっては、ソフトウェアのテスト時にソフトウェアにバグが発生したバグ発生日時およびバグ発生件数を入力し、厳密解を持ち、差分間隔0の極限で前記ソフトウェア信頼性成長モデルと方程式、厳密解ともに一致する差分方程式を用い、前記入力されたソフトウェアのテスト時の前記バグ発生日時および件数のデータからソフトウェア信頼性成長モデルのパラメータを回帰分析により推定し、この推定された値のパラメータをもつソフトウェア信頼性成長モデルを用いて、バグ発生累積件数の予測曲線を推定し、この予測曲線からソフトウェアの信頼性を予測するプログラムを記録媒体として記録しているため、該記録媒体を利用して、そのソフトウェア信頼性予測プログラムの流通性を高めることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るソフトウェア信頼性予測装置の構成を示すブロック図である。同図に示すソフトウェア信頼性予測装置は、ソフトウェア信頼性成長モデルのパラメータを推定するために回帰分析に厳密解を持ち、差分間隔0の極限でソフトウェア信頼性成長モデルと方程式、厳密解ともに一致する差分方程式を用いることを特徴とするものであり、ソフトウェアのテスト時にソフトウェアにバグが発生したバグ発生日時およびバグ発生件数を入力装置4から入力し、この入力されたバグ発生日時および件数を記憶装置5に記憶するとともに、バグ件数集計部6で集計し、回帰分析部7に入力している。
【0023】
回帰分析部7は、厳密解を持ち、差分間隔0の極限で前記ソフトウェア信頼性成長モデルと方程式、厳密解ともに一致する差分方程式を用い、バグ件数集計部6からのバグ発生日時および件数のデータからソフトウェア信頼性成長モデルのパラメータを回帰分析により推定し、表示出力部8に出力するようになっている。なお、回帰分析部7でソフトウェア信頼性成長モデルのパラメータを推定すると、このソフトウェア信頼性成長モデルを用いて、バグ発生累積件数の予測曲線を推定し、この予測曲線からソフトウェアの信頼性を予測することになる。
【0024】
ところで、従来手法では、既に示したようにパラメータ推定を行うための回帰分析の際、微分方程式で表されるソフトウェア信頼性成長モデルを差分方程式に書き直して回帰分析を行う。差分方程式は、あくまで微分方程式の近似でしかない。通常用いる差分方程式は前進差分であり、これは元の微分方程式を差分間隔の何乗のオーダで近似するかに主眼が置かれている。そのため解の形状、ここでは時間を無限大にしたときにバグの数が一定値に収束するという性質などは一般的に保たれない。しかし、本発明で使用する差分方程式では、厳密解を持ち、その解は差分間隔0の極限で微分方程式の解と一致するため、上記のような性質を保存することができる。これにより、従来手法よりも精度の高いパラメータ推定が可能となる。
【0025】
次に、ソフトウェア信頼性成長モデルとしてゴンペルツ曲線モデルを用いた場合について説明する。なお、ゴンペルツ曲線モデルには別の解法もあるので、ここで説明するゴンペルツ曲線モデルをゴンペルツ曲線モデル1として説明する。また、従来技術は、微分方程式を差分方程式に書き直し、回帰式を得て、その回帰式から求めたパラメータの推定値を得ているが、本発明では、微分方程式を従来技術とは異なった差分方程式に書き直している。
【0026】
まず、ゴンペルツ曲線モデル1について説明する。まず、ゴンペルツ曲線モデルの満たす微分方程式を再度次式に示す。
【0027】
【数16】
式(37)はδ→0で式(1)に一致する。更に
|1+δlog b|<1 …(38)
の条件の下で、
Gn →k(tn →∞) …(39)
となり、式(1)が持っている性質を保存していることがわかる。
【0028】
パラメータk,a,bを求めるために式(36)の両辺に対数を2回とる。
【0029】
【数17】
とおくと回帰式
Yn =A+Bn …(46)
が得られる。式(46)を使った回帰分析によって得られるA,Bの推定値をA^,B^とするとa,b,kの推定値をa^,b^,k^は次のように求められる。
【0030】
【数18】
また、別の解法として、ゴンペルツ曲線モデルは、次式の微分方程式の解として表現することもできる。この場合のゴンペルツ曲線モデルをゴンペルツ曲線モデル2と称することにする。
【0031】
【数19】
となり、式(37)と同じである。
【0032】
パラメータk,a,bを求めるために式(51)の両辺をGn で割り、更に両辺に対数を取り、δ=1とおくと
【数20】
log Gn+1 −log Gn−1 =−(log b)(log k)+(log b)log Gn …(53)
ここで、
Yn =log Gn+1 −log Gn …(54)
A=−(log b)(log k) …(55)
B=log b …(56)
とおくと回帰式
Yn =A+Blog Gn …(57)
が得られる。式(57)を使った回帰分析によって得られるA,Bの推定値をA^,B^とするとa,b,kの推定値a^,b^,k^は次のように求められる。
【0033】
【数21】
次に、ロジスティック曲線モデルについて説明する。再度、ロジスティック曲線が満たす微分方程式を次式に示す。
【0034】
【数22】
式(63)はδ→0で式(18)に一致する。更に
|1−δα|<1 …(64)
の条件の下で、
Ln →k(tn →∞) …(65)
となり、式(18)が持っている性質を保存していることがわかる。
【0035】
パラメータk,α,mを求めるために、tn =nδ,δ=1とおいて式(62)を次のように書き替える。
【0036】
Yn =A+BLn …(66)
ここで、
【数23】
式(66)を回帰式として回帰分析を行うことによりA,Bの推定値A^,B^を求める。m,k,αの推定値m^,k^,α^は次のように求められる。
【0037】
【数24】
次に、データがゴンペルツ曲線モデル、ロジスティック曲線モデルに完全に一致しているときの従来手法との精度比較を行う。
【0038】
まず、ゴンペルツ曲線モデル1の場合について説明する。この場合には、k=100,a=0.01,b=0.5として、式(1)から得られるGn の値で、潜在バグ数までのデータ(t=0,1,2,…,25までのデータ)を利用することとする。回帰式は、従来手法が式(12)、本発明手法が式(46)を利用している。この場合において、すべてのデータを利用した時には、次の表1のようになる。
【0039】
【表1】
また、変曲点前までのデータ(t=0,1,2)を利用した場合には、次の表2のようになる。
【0040】
【表2】
ここで、b^における括弧内の値は、1+log b^の値である。データとして、潜在バグ数までのすべてのデータを用いた場合には、従来手法でも十分な精度を持つが、変曲点前までのデータでは、従来手法の精度は低い。それに対し、本発明手法では、高精度で推定されていることがわかる。1+log bを時間連続のときのbに対応するものとみなせば、bについても本発明手法は高精度で推定していることがわかる。
【0041】
次に、ゴンペルツ曲線モデル2の場合について説明する。この場合に使用したデータはゴンペルツ曲線モデル1と同じである。回帰式は、従来手法が式(12)、本発明手法が式(57)を利用している。まず、すべてのデータを利用した時には、次の表3のようになる。
【0042】
【表3】
また、変曲点前までのデータ(t=0,1,2)を利用した場合には、次の表4のようになる。
【0043】
【表4】
ここで、b^における括弧内の値は、1+log b^の値である。データとして、潜在バグ数までのすべてのデータを用いた場合には、従来手法でも十分な精度を持つが、変曲点前までのデータでは、従来手法の精度は低い。それに対し、本発明手法では、高精度で推定されていることがわかる。1+log bを時間連続のときのbに対応するものとみなせば、bについても本発明手法は高精度で推定していることがわかる。
【0044】
次に、ロジスティック曲線モデルの場合について説明する。この場合、k=100,m=99,α=4として、式(18)から得られるLn の値を入力データとする。ここで、潜在バグ数までのデータ(t=0,0.2,0.4,…,3までのデータ)を利用することとする。回帰式は、従来手法が式(30)、本発明手法が式(66)を利用している。この場合において、すべてのデータを利用した時には、次の表5のようになる。
【0045】
【表5】
また、変曲点前までのデータ(t=0,0.2,…,0.8)を利用した時には、次の表6のようになる。
【0046】
【表6】
データとして、潜在バグ数までのすべてのデータを用いた場合には、従来手法でも十分な精度を持つが、変曲点前までのデータでは、従来手法の精度は低い。それに対し、本発明手法では、潜在バグ件数の推定に関して高精度であることがわかる。
上述してきたようなソフトウェア信頼性成長モデルを用いたソフトウェアの信頼性の予測はソフトウェア信頼性予測プログラムにより実施され、該プログラムは記録媒体に記録して提供されるため、該記録媒体を利用して、そのソフトウェア信頼性予測プログラムの流通性を高めることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、差分間隔0の極限でソフトウェア信頼性成長モデルと方程式、厳密解ともに一致する差分方程式を用い、ソフトウェアのテスト時のバグ発生日時および件数の入力データからソフトウェア信頼性成長モデルのパラメータを回帰分析により推定し、このソフトウェア信頼性成長モデルを用いて、バグ発生累積件数の予測曲線を推定し、この予測曲線からソフトウェアの信頼性を予測するので、バグ発見件数が少ない段階やテスト開始間もない時点でもパラメータを正確に推定でき、信頼性分析の結果の精度を向上させることができるとともに、予測結果と実績値とが不一致の場合にも予測モデルの不適切によるものかパラメータ推定精度によるものであるかの切り分けを適確に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るソフトウェア信頼性予測装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ソフトウェア信頼性予測装置の概念図である。
【図3】信頼性予測曲線および実累積バグデータ曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
4 入力装置
5 記憶装置
6 バグ件数集計部
7 回帰分析部
8 表示出力部
Claims (3)
- ゴンペルツ曲線モデル又はロジスティック曲線モデルによるソフトウェア信頼性成長モデルを用いてソフトウェアの信頼性を予測するソフトウェア信頼性予測方法であって、
入力手段によりソフトウェアのテスト時にソフトウェアにバグが発生したバグ発生日時およびバグ発生件数を入力して記憶手段に記憶させ、
回帰分析手段により前記記憶手段から前記バグ発生日時およびバグ発生件数のデータを読み出し、厳密解を持ち、差分間隔0の極限で前記ソフトウェア信頼性成長モデルと方程式、厳密解ともに一致する差分方程式を用いて、前記バグ発生日時および件数のデータからソフトウェア信頼性成長モデルのパラメータを回帰分析により推定し、
予測手段によりこの推定された値のパラメータをもつソフトウェア信頼性成長モデルを用いて、バグ発生累積件数の予測曲線を推定し、この予測曲線からソフトウェアの信頼性を予測すること
を特徴とするソフトウェア信頼性予測方法。 - ゴンペルツ曲線モデル又はロジスティック曲線モデルによるソフトウェア信頼性成長モデルを用いてソフトウェアの信頼性を予測するソフトウェア信頼性予測装置であって、
ソフトウェアのテスト時にソフトウェアにバグが発生したバグ発生日時およびバグ発生件数を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力されたバグ発生日時およびバグ発生件数を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から前記バグ発生日時およびバグ発生件数のデータを読み出し、厳密解を持ち、差分間隔0の極限で前記ソフトウェア信頼性成長モデルと方程式、厳密解ともに一致する差分方程式を用いて、前記バグ発生日時および件数のデータからソフトウェア信頼性成長モデルのパラメータを回帰分析により推定する回帰分析手段と、
パラメータが該回帰分析手段によって推定された値をもつソフトウェア信頼性成長モデルを用いて、バグ発生累積件数の予測曲線を推定し、この予測曲線からソフトウェアの信頼性を予測する予測手段と
を有することを特徴とするソフトウェア信頼性予測装置。 - ゴンペルツ曲線モデル又はロジスティック曲線モデルによるソフトウェア信頼性成長モデルを用いてソフトウェアの信頼性を予測するソフトウェア信頼性予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
コンピュータに対し、
ソフトウェアのテスト時にソフトウェアにバグが発生したバグ発生日時およびバグ発生件数を記憶手段に記憶させる処理と、
前記記憶手段から前記バグ発生日時およびバグ発生件数のデータを読み出し、厳密解を持ち、差分間隔0の極限で前記ソフトウェア信頼性成長モデルと方程式、厳密解ともに一致する差分方程式を用いて、前記バグ発生日時および件数のデータからソフトウェア信頼性成長モデルのパラメータを回帰分析により推定する処理と、
この推定された値のパラメータをもつソフトウェア信頼性成長モデルを用いて、バグ発生累積件数の予測曲線を推定し、この予測曲線からソフトウェアの信頼性を予測する処理と、
を実行させることを特徴とするソフトウェア信頼性予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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