JP3612103B2 - マグネットホルダユニットおよびその生産方法 - Google Patents

マグネットホルダユニットおよびその生産方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、マグネットホルダユニットおよびその生産方法に関し、特に、回転電機の界磁子を構成する界磁マグネット(以下、マグネットという。)と、これをヨーク内において固定的に保持するマグネットホルダとを備えたマグネットホルダユニットに係り、例えば、車載用モータの固定子に使用されるマグネットホルダユニットに利用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車載用モータのヨーク内においてマグネットを固定するのに、樹脂が使用されて一体成形されマグネットホルダであって、リングの一端面に柱形状の隔壁部が複数本周方向に間隔を置かれて一体的に突設されたマグネットホルダを備えており、このマグネットホルダにおける隣合う隔壁部間によってそれぞれ形成された各保持部内に各マグネットが収容されて保持されたマグネットホルダユニットが、使用されている。
【0003】
この種のマグネットホルダにおいては、樹脂の弾性力による隔壁部の撓みによってマグネットを挟んで保持している。ところが、樹脂の弾性力だけではマグネットの寸法のばらつきを充分に吸収することができずに、隔壁部による挟持力が不足する場合がある。そこで、隣合う隔壁部の間隔を小さく設定することで大きな挟持力を確保しようとすると、マグネットの寸法が大きい方にばらついた場合に、隔壁部間へのマグネットの圧入に際してマグネットが隔壁部の樹脂を削ぎとってしまい、その切り屑が異物になって不具合を派生させる危惧がある。
【0004】
隔壁部の切り屑の発生を回避しつつ、マグネットの寸法ばらつきを充分に吸収する技術として、隔壁部の径方向内側を向く側面の中央に縦溝を全高にわたって没設するとともに、隔壁部の保持部側面にマグネットの側面に押圧する押圧凸部を隔壁部の全高にわたって突設する構造が、提案され得る。つまり、この構造によれば、押圧凸部のマグネットへの押圧に伴って隔壁部の両側壁が縦溝内に弾性変形することができるため、マグネットの寸法ばらつきを吸収することができ、他方、隔壁部は両側壁の弾性変形による撓み力によってマグネットを強力に挟持することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記したマグネットの寸法ばらつきを吸収する構造においては、隔壁部における弾性変形のスパンが短いため、マグネットの寸法ばらつきを充分に吸収することができないという問題点があることが、本発明者によって明らかにされた。つまり、マグネットの寸法が大きい方にばらついた場合には隔壁部は押圧凸部を介して縦溝内に大きく押し込まれる状態になるが、縦溝の径方向の深さが小さいことにより充分に撓むことができないため、樹脂の弾性限界を越えて隔壁部が破損される可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、マグネットの寸法ばらつきを充分に吸収することができるとともに、マグネットの圧入に際しての損傷を確実に防止することができるマグネットホルダを備えたマグネットホルダユニットおよびその合理的な生産方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るマグネットホルダユニットは、リングの一端面に柱形状の隔壁部が複数本、周方向に間隔を置かれて一体的に突設されたマグネットホルダにおける前記隣合う隔壁部間によってそれぞれ形成された各保持部内に各マグネットがそれぞれ嵌入されているマグネットホルダユニットにおいて、
前記各マグネットの周方向の側面同士は互いに対称形に形成されており、
前記各隔壁部の周方向の両側面は前記マグネットの前記両側面とそれぞれ平行に形成されており、
前記隔壁部の先端面に凹部が前記隔壁部の高さよりも浅く一体的にそれぞれ没設されているとともに、この凹部の周方向の両側壁により一対の弾性変形部がそれぞれ形成されており、さらに、前記各弾性変形部の先端部には前記保持部側に突出する各押圧凸部がそれぞれ一体的に突設されていることを特徴とするマグネットホルダユニット
【0008】
本発明に係るマグネットホルダユニットの生産方法は、前記リング、前記各隔壁部および前記押圧凸部が互いに型合わせ型開きされる第1型と第2型との合わせ面に形成されたキャビティーによって成形されるとともに、前記押圧凸部を成形する成形部に対して第1型と第2型との開閉方向と同一方向に進退する第3型によって前記凹部がそれぞれ成形された後に、第3型が成形品から先に離型され、次いで、前記押圧凸部を成形された前記弾性変形部が第3型の離型によって形成された凹部の空所側に弾性変形されながら成形品が離型される成形工程を、備えていることを特徴とする。
【0009】
【作用】
前記したマグネットホルダにおいて、保持部にマグネットを固定するに際して、弾性変形部には押圧凸部が保持部側に突設されているため、弾性変形部は保持部と反対側に押される状態になる。この際、弾性変形部の保持部と反対側には凹部の空所が形成されているため、弾性変形部は凹部の空所内に撓み込む状態に変形することができる。しかも、弾性変形部は凹部の両側壁によって形成されているため、凹部の底を起点にして凹部の深さ分の長いスパンを持って大きく弾性変形することができる。つまり、隔壁部を形成する材料自体の弾性範囲内において、マグネットの大きな寸法ばらつきを充分に吸収することができるとともに、所定の押圧力をもってマグネットを確実に保持することができる。
【0010】
このマグネットホルダの成形に際して、隔壁部の周方向側面には押圧凸部が外向きに突出した状態になるため、隔壁部を成形した型から隔壁部をリングの軸方向に離型させることができない。しかし、前記したマグネットホルダの成形方法においては、隔壁部の先端面に凹部を成形した第3型が成形品から先に離型されることにより弾性変形部の内側に凹部の空所が予め形成されるため、成形品を軸方向に離型させることができる。つまり、隔壁部の軸方向への離型に際して、押圧凸部がキャビティーの押圧凸部成形部の内面に干渉した状態になるが、その干渉の進行に伴う押圧凸部成形部の内面からの押圧凸部への押し力によって弾性変形部が凹部の空所内に弾性変形するため、押圧凸部の突出にかかわらず隔壁部は軸方向へ離型させることができる。
【0011】
【実施例】
図1は本発明の一実施例であるマグネットホルダユニットを示しており、(a)はマグネットホルダの斜視図、(b)は拡大部分斜視図、(c)はマグネット組付状態の一部省略一部切断平面図、(d)はその正面断面図である。図2は本発明の一実施例であるマグネットホルダユニットの生産方法のマグネットホルダの成形方法に使用される成形装置を示す外観斜視図である。図3以降はそのマグネットホルダの成形方法の各工程を示す展開断面を含む正面図である。
【0012】
本実施例において、本発明に係るマグネットホルダユニットは、車載用モータの固定子に使用されるマグネットホルダユニットとして構成されており、電気的絶縁性および非磁性を有する樹脂が用いられて、後述するマグネットホルダ成形方法によって一体成形されたマグネットホルダと、このマグネットホルダによって保持された複数個のマグネットとを備えている。
【0013】
ここで、マグネットホルダに保持される被保持物としてのマグネット1は車載用モータの固定子における界磁極を構成するものとして設定されており、フェライトや希土類金属系の永久磁石材料(ハード磁性材料)が用いられて円弧形状の六面体に焼成されている。本実施例において、マグネット1の外径は固定子のヨークの内径と略等しく設定され、その内径はマグネット1の内面とモータの回転子の外周面との間に所定のエアギャップが形成される寸法に設定されている。本実施例において、マグネット1の周方向の幅はヨークの内周を6等分した寸法よりも後記する隔壁部に対応して小さく設定されている。さらに、マグネット1の周方向の両側面同士および軸方向の両端面同士はそれぞれ互いに平行に形成されている。
【0014】
成形品としてのマグネットホルダ10は本体であるリング11を備えている。リング11は断面が略正方形の円形リング形状に一体成形されており、その外径はマグネット1の外径と略等しく設定され、内径はマグネット1の内径よりも若干小さく設定されている。リング11の一端面(以下、上面とする。)には支柱形状の隔壁部12が複数本(本実施例においては、6本)、周方向に等間隔に配されて上面に直角にそれぞれ突設されており、隔壁部12の高さはマグネット1の高さよりも低く設定されている。そして、隣合う隔壁部12、12の間の各区画によってマグネット1を保持するための保持部13がそれぞれ構成されており、各保持部13の平面形状はマグネット1の平面形状と略等しく、その高さはマグネット1の高さよりも低くなっている。各隔壁部12の横断面形状は斜辺同士が等しい略台形に形成され、その台形は中心線がリング11の法線に一致されて短辺側が径方向内側に向けられた状態に配置されている。本実施例において、隔壁部12の斜辺の底角は、隣合う隔壁部12、12の互いに対向する側面(以下、対向側面という。)同士が平行になるように60度に設定されており、対向側面がマグネット1の平行な側面同士と合致するようになっている。
【0015】
各隔壁部12の先端面である上端面には弾性変形を吸収するための凹部14が一体的に没設されており、各隔壁部12の上端部における凹部14の両脇には一対の弾性変形部15、15が相対的にそれぞれ形成されている。凹部14の平面形状は隔壁部12の台形よりも小さい略台形に設定されており、その台形が凹部14の内側に相似形に配置された状態になっている。したがって、両弾性変形部15、15は互いに等しい横断面長方形の平板形状にそれぞれ形成されている。凹部14の深さは弾性変形部15がその基端部を起点にして凹部14の空所内側へ撓むように弾性変形し得る充分なスパンを確保する寸法に設定されている。本実施例において、弾性変形部15の弾性変形スパンを規定する凹部14の深さ寸法は、隔壁部12の高さよりも小さく、隔壁部12の径方向の厚さよりも大きくなるように設定されている。
【0016】
各弾性変形部15の対向側面における上端部には保持部13側に突出する押圧凸部16が上端辺に沿って一体的に突設されている。押圧凸部16は先端面が丸められた山形状に形成されており、山形状の高さおよび幅が径方向の全長にわたって一定に設定されて横向きに突設されている。したがって、押圧凸部16の頂部はマグネット1の側面に径方向の全長にわたって均一に接するようになっている。また、押圧凸部16の山の高さはマグネット1の側面に押圧した状態で弾性変形部15を充分に弾性変形させ得る寸法に設定されている。
【0017】
ここで、以上のように構成されたマグネットホルダ10の作用を説明する。
マグネットホルダ10の隣合う隔壁部12、12間で構成された保持部13にマグネット1が上から挿入されると、押圧凸部16が保持部13側に突出されているため、弾性変形部15はマグネット1の側面によって相対的に反対側へ押される状態になる。この際、弾性変形部15の保持部13と反対側には凹部14の空所が形成されているため、弾性変形部15は凹部14の空所内に撓み込む状態に変形する。しかも、弾性変形部15は凹部14の両側壁によって形成されているため、凹部14の底を起点にして凹部14の深さ分の長いスパンを持って大きく弾性変形することになる。つまり、隔壁部12を形成する樹脂自体の弾性範囲内において、大きく弾性変形することができる。
【0018】
このようにして弾性変形部15がマグネット1の挿入に際して、大きく弾性変形するため、マグネット1の側面は押圧凸部16に押接しながら挿入されて行くにもかかわらず、損傷されることはない。
【0019】
以上のようにして全ての保持部13にマグネット1が挿入された状態において、マグネット1は両脇の隔壁部12、12の弾性変形部15、15の弾性力によって両側面を向き合う方向に押圧されるため、強固に保持された状態になる。すなわち、各弾性変形部15はそれら自体の弾性変形による弾性力によって各マグネット1を介して相互に押し合う状態になることにより、全てのマグネット1を一括的に保持した状態になる。
【0020】
ところで、マグネット1は焼成されるため、完成品の寸法ばらつきが比較的大きいのが通例である。例えば、保持されるマグネット1の周方向の寸法が小さい場合には、弾性変形部15がマグネット1によって押される量が小さくなるため、それに伴う弾性変形部15の弾性変形量は小さくなり、マグネット1の両側の弾性変形部15、15による保持力が低下してしまう。そこで、押圧凸部16の突出量を大きく設定することにより、弾性変形部15がマグネット1によって押される量を増加させて保持力を増強させることが考えられる。しかし、周方向の寸法が大きい方にばらついたマグネット1が保持される場合には、マグネット1によって弾性変形部15が押される量が大きくなるため、弾性変形量が樹脂の弾性限界を越える程過剰になってしまい、弾性変形部15が破損される危惧が発生する。
【0021】
しかし、本実施例においては、弾性変形部15が撓み変形するスパンはきわめて長いため、弾性変形部15が大きく変形しても樹脂自体の弾性限界を越えるのを回避することができる。つまり、弾性変形部15が破損される危険性は未然に防止することができる。すなわち、本実施例によれば、弾性変形部15の弾性変形によってマグネット1の大きな寸法ばらつきを充分に吸収することができるとともに、比較的に大きな寸法ばらつきを有するマグネット1を全ての寸法ばらつきについて予め設定された保持力の範囲内で確実に保持することができる。
【0022】
次に、以上の構成および作用を有するマグネットホルダ10の成形方法を説明する。
まず、このマグネットホルダ成形方法には図2以下に示されているマグネットホルダ成形装置20が使用される。このマグネットホルダ成形装置20は第1取付板21と第2取付板22とを備えており、両取付板21と22とは互いに平行に配置された状態で複数本のガイドレール23によって連結されている。第2取付板22の一主面(以下、上面とする。)には第2型である固定型25が上向きに据え付けられており、固定型25には後記するキャビティーに成形材料としての液状樹脂(以下、レジンという。)を注入するためのゲート24が開設されている。このゲート24には射出成形機のノズル(図示せず)が流体的に接続されるようになっている。
【0023】
固定型25の上面には第1型としての可動型26が離脱可能に型合わせされるように配設されており、固定型25と可動型26との合わせ面にはキャビティー27が形成されている。キャビティー27は前記したマグネットホルダ10におけるリング11、各隔壁部12および押圧凸部16を一体的に成形するように、内形がそられの外形に倣って形成されている。すなわち、キャビティー27はリング成形部28と、複数本(本実施例においては、6本)の隔壁部成形部29と、一対で複数組(同じく6組)の押圧凸部成形部30とを備えており、リング成形部28が固定型25側に向けられて各隔壁部成形部29が垂直になるように配置されている。そして、成形空間としては存在しないが、キャビティー27にはマグネットホルダ10の保持部13を成形するための保持部成形部31が複数箇所(同じく6箇所)に、リング成形部28の上面における隣合う隔壁部成形部29と29との間に相対的に形成されている。
【0024】
可動型26における各隔壁部成形部29の先端面(天井面)に対向する位置には第3型を案内するためのガイド孔32が、可動型26の上面と各隔壁部成形部29の内部とを連通させるように垂直方向にそれぞれ開設されており、各ガイド孔32には第3型としての凹部成形型33のそれぞれが摺動自在に嵌入されている。各凹部成形型33の可動型26への挿入端部はマグネットホルダ10の凹部14の内形に倣う外形を有する略台形の角柱形状に形成されている。各凹部成形型33の上端部は可動型26の上方に平行に配されてガイドレール23群に摺動自在に支承された可動盤34に固定的に連結されており、可動盤34は第1取付板21の上面に下向きに据え付けられたシリンダ装置35のラム36に吊持されて、シリンダ装置35によって往復運動されるようになっている。
【0025】
可動型26における複数箇所の保持部成形部31に対応する位置にはノックアウトピン37を挿通するための挿通孔38が、リング成形部28に開口するように開設されており、この挿通孔38にはスプリング装着室39が連続して開設されている。挿通孔38にはノックアウトピン37の先端部が摺動自在に挿通されており、ノックアウトピン37の後端はスプリング装着室39を挿通して可動型26の上方に配置された可動盤34を貫通して上方に達している。また、ノックアウトピン37の中間部にはスプリングシート部37aが突設されており、ノックアウトピン37のスプリング装着室39内の外周にはスプリング40がスプリング装着室39とスプリングシート部37aとの間で蓄力状態に装着されている。可動型26の上面には係合板41が止着されており、係合板41のノックアウトピン37に対応する位置の下面にはスプリングシート部37aがスプリング装着室39側から係合されている。したがって、ノックアウトピン37はスプリング40によって常時上方に付勢された状態になっているが、スプリングシート部37aが係合板41に係合した状態において上方への移動を阻止されることになる。また、ノックアウトピン37の可動盤34の上方に突き出た上端部外周にはクッション42が固着されている。
【0026】
可動型26における外周辺部の複数箇所にはガイド穴43が垂直にそれぞれ開設されており、各ガイド穴43には可動盤34に上端が固定的に連結された各ロッド44の下端部が摺動自在にそれぞれ挿入されている。各ロッド44のガイド穴43に挿入された下端部には係合板41の下面にガイド穴43側から係合する係合部44aが突設されており、各ロッド44のガイド穴43から突き出た部分にはスプリング45が係合板41と可動盤34との間で蓄力状態に外装されている。したがって、可動型26は各ロッド44の係合部44aが係合板41に係合しない範囲において可動盤34に反力を取ったスプリング45によって常時下方に付勢される状態になっており、各ロッド44の係合部44aが係合板41に係合した状態において可動型26は可動盤34にロッド44群および係合板41を介して吊持されるようになっている。つまり、可動型26は可動盤34に所定の範囲内で独立懸架された状態になっている。
【0027】
次に、以上の構成を有するマグネットホルダ成形装置20の作用を説明することにより、本発明の一実施例である前記構成に係るマグネットホルダ10の成形方法並びにその作用を説明する。
【0028】
図2および図3に示されているように、シリンダ装置35が伸長作動されて可動型26および凹部成形型33が固定型25に型締めされてキャビティー27が形成されると、レジン46がゲート24からキャビティー27に注入されて充填される。このレジン46の充填に伴って可動型26および凹部成形型33に作用する型を開こうとする応力は、シリンダ装置35のラム36によって支持されている可動盤34に反力をとったスプリング45群によって押さえられる。キャビティー27に充填されたレジン46が硬化すると、キャビティー27によって前記構成に係るマグネットホルダ10が成形される。
【0029】
レジン46が硬化した後、図4に示されているように、シリンダ装置35が短縮作動されて可動盤34が第1段だけ上昇されると、可動盤34に固定された各凹部成形型33が可動型26の各ガイド孔32を摺動してマグネットホルダ10の各凹部14から離型される。この際、可動盤34に固定された各ロッド44も上昇されるが、各ロッド44は各ガイド穴43を摺動するため、可動型26は上昇されない。また、可動盤34の上昇に伴って各スプリング45も伸長するが、各スプリング45は可動型26を押さえ続けるようにスプリング力を予め設定されている。
【0030】
続いて、図5に示されているように、シリンダ装置35がさらに短縮作動されて可動盤34が第2段上昇されると、可動盤34に固定された各ロッド44の係合部44aが係合板41に下から係合するため、可動型26は吊り上げられる。この際、キャビティー27によって成形されたマグネットホルダ10はその各押圧凸部16が可動型26の各押圧凸部成形部30にそれぞれ係合した状態になっているため、可動型26側のキャビティー27に嵌入した状態のまま一緒に吊り上げられる。
【0031】
次いで、図6に示されているように、シリンダ装置35がさらに短縮作動されて可動盤34が第3段上昇されると、可動型26は可動盤34に固定された各ロッド44を介してさらに上昇され、各ノックアウトピン37のクッション42が第1取付板21の下面に突き当たり各ノックアウトピン37が可動型26に対して相対的に下降される。この可動型26に対する下降に伴って、各ノックアウトピン37はキャビティー27のリング成形部28内に突出することにより、リング11の上面における各保持部13が位置する部位を押し下げるため、成形品であるマグネットホルダ10は可動型26のキャビティー27から離型される。このノックアウトピン37の押し下げによる離型に際して、各押圧凸部16が各押圧凸部成形部30にそれぞれ係合した状態になっているため、マグネットホルダ10のキャビティー27からの離型は妨げられる。
【0032】
しかし、本実施例においては、各隔壁部12の先端面に各凹部14を成形した各凹部成形型33が成形品であるマグネットホルダ10から先に離型されることにより、各弾性変形部15の内側に各凹部14の空所が予め形成されているため、ノックアウトピン37の押し下げによってマグネットホルダ10をキャビティー27から離型させることができる。すなわち、図6に示されているように、マグネットホルダ10がノックアウトピン37によって押し下げられるのに伴って、押圧凸部16がキャビティー27の隔壁部成形部29の内面に移行することにより、押圧凸部16が隔壁部成形部29の内面から突出している分だけ、この押圧凸部16が突設された弾性変形部15は隔壁部成形部29の内面と反対方向に押し力を付勢される状態になる。このとき、弾性変形部15の隔壁部成形部29の内面と反対側には凹部14の空所が形成されているため、弾性変形部15はこの空所内に逃げるように撓むことができる。その結果、押圧凸部16は押圧凸部成形部30との係合状態を離脱することができるとともに、キャビティー27の隔壁部成形部29の内面を通過することができるため、成形品であるマグネットホルダ10はキャビティー27からノックアウトピン37による軸方向への押し力によって離型することができる。
【0033】
ところで、押圧凸部16を係合した押圧凸部成形部30から軸方向に離型させる方法として、リング成形部28に固定型(第2型)25側からスライド型を挿通して押圧凸部成形部30に押圧凸部16を逃げるため空所を形成させる成形方法が考えられる。しかし、この成形方法によれば、マグネットホルダ10のリング11のスライド型の挿通部位に貫通孔が開設されてしまうため、成形品であるマグネットホルダ10におけるリング11の強度が低下してしまうという問題点が発生する。本実施例によれば、リング11には貫通孔が開設されないため、強度が低下することはない。
【0034】
また、マグネットホルダ成形装置においてマグネットホルダ10の保持部13を成形する第3型を第1型に対してマグネットホルダ10の径方向にスライドするように構成することによっても、隔壁部12の側面に押圧凸部16を突設することができる。しかし、このマグネットホルダ成形装置においては、第3型を第1型に対して直角にスライドされる構造がきわめて複雑になってしまうという問題点がある。本実施例においては、第3型である押圧凸部成形型は第1型である可動型26と同一方向にスライドされるため、その構造は単純である。
【0035】
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0036】
例えば、マグネットホルダを成形する材料としての樹脂は、熱可塑性のものに限らず、熱硬化性のものを使用することができる。また、マグネットホルダを成形する材料としては樹脂に限らず、アルミニウム等の金属を使用してもよい。
【0037】
前記実施例においては、車載用モータに使用されるマグネットホルダユニットについて説明したが、本発明に係るマグネットホルダユニットはこれに限らず、他の用途のモータや磁石発電機の回転子等の回転電機の界磁子に使用することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、マグネットの寸法ばらつきを充分に吸収することができるとともに、マグネットのマグネットホルダへの圧入に際しての損傷を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるマグネットホルダユニットを示しており、(a)はマグネットホルダの斜視図、(b)は拡大部分斜視図、(c)はマグネット組付状態の一部省略一部切断平面図、(d)はその正面断面図である。
【図2】本発明の一実施例であるマグネットホルダユニットの生産方法のマグネットホルダの成形方法に使用される成形装置を示す外観斜視図である。
【図3】そのマグネットホルダの成形方法の成形工程を示す展開断面を含む正面図である。
【図4】凹部成形型の離型工程を示す展開断面を含む正面図である。
【図5】型開き工程を示す展開断面を含む正面図である。
【図6】成形品の離型工程を示す展開断面を含む正面図である。
【符合の説明】
1…マグネット、10…マグネットホルダ、11…リング、12…隔壁部、13…保持部、14…凹部、15…弾性変形部、16…押圧凸部、20…マグネットホルダ成形装置、21…第1取付板、22…第2取付板、23…ガイドレール、24…ゲート、25…固定型(第2型)、26…可動型(第1型)、27…キャビティー、28…リング成形部、29…隔壁部成形部、30…押圧凸部成形部、31…保持部成形部、32…ガイド孔、33…凹部成形型(第3型)、34…可動盤、35…シリンダ装置、36…ラム、37…ノックアウトピン、37a…スプリングシート部、38…挿通孔、39…スプリング装着室、40…スプリング、41…係合板、42…クッション、43…ガイド穴、44…ロッド、44a…係合部、45…スプリング、46…レジン。

Claims (2)

  1. リングの一端面に柱形状の隔壁部が複数本、周方向に間隔を置かれて一体的に突設されたマグネットホルダにおける前記隣合う隔壁部間によってそれぞれ形成された各保持部内に各マグネットがそれぞれ嵌入されているマグネットホルダユニットにおいて、
    前記各マグネットの周方向の側面同士は互いに対称形に形成されており、
    前記各隔壁部の周方向の両側面は前記マグネットの前記両側面とそれぞれ平行に形成されており、
    前記隔壁部の先端面に凹部が前記隔壁部の高さよりも浅く一体的にそれぞれ没設されているとともに、この凹部の周方向の両側壁により一対の弾性変形部がそれぞれ形成されており、さらに、前記各弾性変形部の先端部には前記保持部側に突出する各押圧凸部がそれぞれ一体的に突設されていることを特徴とするマグネットホルダユニット
  2. 請求項1に記載のマグネットホルダユニット生産方法であって、
    前記リング、前記各隔壁部および前記押圧凸部が互いに型合わせ型開きされる第1型と第2型との合わせ面に形成されたキャビティーによって成形されるとともに、前記押圧凸部を成形する成形部に対して第1型と第2型との開閉方向と同一方向に進退する第3型によって前記凹部がそれぞれ成形された後に、第3型が成形品から先に離型され、次いで、前記押圧凸部を成形された前記弾性変形部が第3型の離型によって形成された凹部の空所側に弾性変形されながら成形品が離型される成形工程を、備えていることを特徴とするマグネットホルダユニットの生産方法。
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