JP3611454B2 - 電子レンジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、調理物がセットされる回転体を有する電子レンジに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
電子レンジの場合、調理室内にマイクロ波を照射する励振口の位置,調理室内の定在波等の影響で調理室内のマイクロ波分布が不均一になる。このため、円皿状の回転体を連続的に回転させることに伴い調理室内の定在波の分布を乱し(ステファラン効果)、回転体の全面にマイクロ波を均一照射し、回転体上の調理物の加熱むらを低減していた。
【0003】
しかしながら、回転体の直径寸法は調理物に比べて大きく(具体的には270mm〜330mm程度)、特に調理物が少量である場合、回転体の全面にマイクロ波を均一照射することは効率が悪い。そこで、回転体のうちマイクロ波が集中する部分に調理物をセットし、回転体の停止状態で調理物を加熱することが考えられている。しかしながら、この構成の場合、調理物のうち励振口側の特定部分にマイクロ波が集中し易くなるので、加熱むらが生じる虞れがある。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、調理物をむらなく効率的に加熱できる電子レンジを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の電子レンジは、内壁に励振口を有する調理室と、前記調理室内に設けられ調理物がセットされる回転体と、前記調理室内に前記記励振口を通してマイクロ波を照射するマグネトロンと、前記回転体を回転駆動するモータと、前記マグネトロンおよび前記モータを駆動制御する制御手段とを備え、前記回転体が「360°/N(Nは2以上の整数)」回転した状態で回転前と形状が略同一な回転対称形に設けられ、前記制御手段が前記回転体の停止状態で前記調理室内にマイクロ波を照射する動作と、前記回転体を略「360°/N」の整数倍単位で回転させる動作と、前記回転体の停止状態で前記調理室内にマイクロ波を照射する動作とを順次行うところに特徴を有している。
【0006】
上記手段によれば、回転体の停止状態で調理室内にマイクロ波を照射する動作と、回転体を略「360°/N」の整数倍単位で回転させる動作と、回転体の停止状態で調理室内にマイクロ波を照射する動作とが順次行われるので、調理物の特定部分が励振口に対向して強く加熱されることが防止される。しかも、回転体が略「360°/N」の整数倍単位で回転しても回転体の形状が回転前後で実質的に変わらず、回転体の形状変化の影響で調理室内のマイクロ波分布が変わることが防止されるので、総じて、調理物がむらなく効率的に加熱される。
【0007】
請求項2記載の電子レンジは、回転体の回転角度を検出する角度検出手段を備え、制御手段が角度検出手段の検出結果に基づいて回転体を基準位置で停止させる動作と、回転体を基準位置から略「360°/N」の整数倍単位で回転させる動作とを行うところに特徴を有している。
上記手段によれば、回転体を調理物に応じた基準位置で停止させることに伴い、調理室内のマイクロ波分布を調理物に適した形態に変化させることができる。しかも、回転体が上述の基準位置から「360°/N」の整数倍単位で回転するので、調理物の特定部分が励振口に対向して強く加熱されることがなくなる上、調理室内のマイクロ波分布が回転前後で一定に保たれるので、調理物が最適なマイクロ波分布でむらなく効率的に加熱される。
【0008】
請求項3記載の電子レンジは、回転体が「360°/N」の整数倍単位で回転する毎に角度検出手段が電気信号を出力するところに特徴を有している。
上記手段によれば、回転体を基準位置に停止させるにあたって、回転体の回転量が少なくて済むので、回転体の位置決めに要する時間が短縮される。
【0009】
請求項4記載の電子レンジは、回転体が径方向へ延びる3本の導電部を略等ピッチで有する120°回転対称形をなし、周方向に隣接する導電部間に最大寸法がマイクロ波波長の「1/2」以上の開口部が形成されているところに特徴を有している。
上記手段によれば、回転体の3本の導電部が調理室内の左右方向・前後方向に沿うマイクロ波分布に対して傾斜する上、回転体の開口部を通過するマイクロ波の割合が回転体の角度に応じて変化する。このため、バラエティーに富んだマイクロ波分布が得られるので、調理物に応じた所望のマイクロ波分布を形成し易くなる。
【0010】
請求項5記載の電子レンジは、回転体が軸芯を中心に略同心状に配置された複数の導電部群を有し、各導電部群が径方向へ延びる3本の導電部を略等ピッチで有する120°回転対称形をなしているところに特徴を有している。
上記手段によれば、回転体の角度に応じて調理室内のマイクロ波分布が大きく変わる。このため、マイクロ波分布のバラエティーが豊富になるので、調理物に応じたマイクロ波分布を一層形成し易くなる。
【0011】
請求項6記載の電子レンジは、内壁に励振口を有する調理室と、前記調理室内に設けられ調理物がセットされる回転体と、前記調理室内に前記励振口を通してマイクロ波を照射するマグネトロンと、前記回転体を回転駆動するモータと、前記マグネトロンおよび前記モータを駆動制御する制御手段とを備え、前記回転体が前記回転体の軸心に対して略点対称な網目状をなし、前記励振口が前記回転体の軸心に対して偏心する部分に配置され、前記制御手段が前記回転体の停止状態で前記調理室内にマイクロ波を照射する動作と、前記回転体を略180°の整数倍単位で回転させる動作と、前記回転体の停止状態で前記調理室内にマイクロ波を照射する動作とを順次行うところに特徴を有している。
【0012】
上記手段によれば、回転体の停止状態で調理室内にマイクロ波を照射する動作と、回転体を略180°の整数倍単位で回転させる動作と、回転体の停止状態で調理室内にマイクロ波を照射する動作とが順次行われるので、調理物の特定部分が励振口に対向して強く加熱されることが防止される。しかも、回転体が略180°の整数倍単位で回転しても回転体の網目形状が回転前後で変わらないので、調理室内のマイクロ波分布が回転前後で略一定に保たれ、総じて、調理物がむらなく効率的に加熱される。
【0013】
請求項7記載の電子レンジは、制御手段が設定された調理時間が略半分経過することに基づいて回転体を回転させるところに特徴を有している。
上記手段によれば、調理時間が略半分経過すると、回転体が回転するので、回転体を1回だけ駆動する簡単な制御によって、調理物をむらなく効率的に加熱できる。
【0014】
請求項8記載の電子レンジは、内壁に励振口を有する調理室と、前記調理室内に設けられ調理物がセットされる回転体と、前記調理室内に前記励振口を通してマイクロ波を照射するマグネトロンと、前記回転体を回転駆動するモータと、前記マグネトロンおよび前記モータを駆動制御する制御手段とを備え、前記回転体が前記回転体の軸心を通る中心線に対して略左右対称および略前後対称な網目状をなす90°回転対称形をなし、前記励振口が前記回転体の軸心に対して偏心する部分に配置され、前記制御手段が前記回転体の停止状態で前記調理室内にマイクロ波を照射する動作と、前記回転体を略90°の整数倍単位で回転させる動作と、前記回転体の停止状態で前記調理室内にマイクロ波を照射する動作とを順次行うところに特徴を有している。
【0015】
上記手段によれば、回転体の停止状態で調理室内にマイクロ波を照射する動作と、回転体を略90°の整数倍単位で回転させる動作と、回転体の停止状態で調理室内にマイクロ波を照射する動作とが順次行われるので、調理物の特定部分が励振口に対向して強く加熱されることが防止される。しかも、回転体の網目形状が回転前後で変わらず、調理室内のマイクロ波分布が回転前後で略一定に保たれるので、総じて、調理物がむらなく効率的に加熱される。
【0016】
請求項9記載の電子レンジは、励振口が調理室の側壁に設けられているところに特徴を有している。
上記手段によれば、回転体の停止時には、調理物のうち励振口に対向する特定部分が特に強く加熱されるが、回転体が回転するので、励振口の影響で調理物に加熱むらが生じることが防止される。
【0017】
請求項10記載の電子レンジは、調理物から発生するガス量を検出するガス検出手段を備え、制御手段がガス検出手段からの出力信号が基準値に達することに基づいて回転体を回転させるところに特徴を有している。
上記手段によれば、調理物から発生するガス量が基準値に達すると、回転体が回転する。このため、調理時間が予め設定されていない場合でも、調理物の各部が励振口に略同一時間だけ対向するように、回転体を回転させることができるので、加熱むらが低減される。
【0018】
請求項11記載の電子レンジは、調理物の温度を検出する温度検出手段を備え、制御手段が温度検出手段からの出力信号が基準値に達することに基づいて回転体を回転させるところに特徴を有している。
上記手段によれば、調理物の温度が基準値に達すると、回転体が回転する。このため、調理時間が予め設定されていない場合でも、調理物の各部が励振口に略同一時間だけ対向するように、回転体を回転させることができるので、加熱むらが低減される。
【0019】
請求項12記載の電子レンジは、制御手段が調理物に応じて基準値を変えるところに特徴を有している。
上記手段によれば、調理物に応じて調理時間が異なる場合でも、調理物の各部が励振口に略同一時間だけ対向するように、回転体を回転させることができるので、加熱むらが低減される。
【0020】
請求項13記載の電子レンジは、所定時間が経過する毎に制御手段が回転体を回転させるところに特徴を有している。
上記手段によれば、調理中に調理時間が変更された場合でも、所定時間が経過する毎に回転体が回転するので、調理物の各部にマイクロ波が比較的均一に照射され、加熱むらが低減される。
【0021】
請求項14記載の電子レンジは、回転体の中央部に調理物をセットすることを指示する指示手段を備えているところに特徴を有している。
上記手段によれば、回転体の中央部に指示に従って調理物をセットすれば、励振口と調理物との位置関係が回転体の回転角度に拘らず略等しくなる。このため、回転体の回転角度によって励振口と調理物との位置関係が変わり、調理物に加熱むらが生じることが防止される。
【0022】
請求項15記載の電子レンジは、調理室の側壁のうち前後方向中央部で且つ回転体の上方に励振口が設けられているところに特徴を有している。
上記手段によれば、励振口の正面である回転体の中央部にマイクロ波集中領域が形成される。この回転体の中央部は使用者が無意識のうちに調理物をセットする部分であるため、大きな注意を払わなくてもマイクロ波集中領域に調理物をセットできる。
【0023】
請求項16記載の電子レンジは、制御手段が回転体を請求項1,4,6のいずれかに記載の態様で回転させる場合と連続回転させる場合とを調理物に応じて選択するところに特徴を有している。
上記手段によれば、例えば調理物が平面的である場合には、回転体を連続的に回転させながらマイクロ波を照射できる。このため、調理物全体にマイクロ波が均一照射されるので、加熱むらが低減される。
【0024】
請求項17記載の電子レンジは、制御手段が調理時間内で回転体の停止,回転,停止を複数回繰返すところに特徴を有している。
上記手段によれば、回転体が断続的に回転している印象を使用者に与えることができるので、回転体が回転しない故障等の違和感を与えることが防止される。
【0025】
請求項18記載の手段によれば、制御手段が回転体を予め設定された一定時間だけ停止させるところに特徴を有している。
上記手段によれば、調理物の各部が励振口に対向する時間を確実に一定化できるので、調理物の特定部分が集中的に長時間加熱され、調理物に加熱むらが生じることが確実に防止される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例を図1ないし図5に基づいて説明する。まず、図1の(a)において、キャビネット1は、外箱1aの内部に内箱1bを配設してなるものであり、内箱1bの内部には調理室2が形成されている。また、キャビネット1には扉3が回動可能に装着されており、調理室2の前面開口部は、扉3の回動操作に伴い開閉される。
【0027】
キャビネット1内には、図1の(b)に示すように、調理室2の右側部に位置して機械室4が形成されており、機械室4内には、導波管5およびマグネトロン6が配設されている。また、調理室2の右側壁には、図1の(a)に示すように、前後方向中央部に位置して励振口7が設けられており、励振口7は、図1の(b)に示すように、導波管5に通じている。この励振口7は、調理室2内の底部に位置するものであり、マグネトロン6が作動すると、導波管5から励振口7を通して調理室2内にマイクロ波が照射される。
【0028】
キャビネット1内には、図2に示すように、調理室2の下方に位置してRTモータ8が配設されている。このRTモータ8は同期モータからなるものであり、RTモータ8の回転軸8aは、調理室2内の底部に突出し、回転軸8aの先端部には、断面長方形状をなす差込部8bが形成されている。
【0029】
RTモータ8の回転軸8aには、回転体に相当する回転網9が装着されている。この回転網9は、図1の(a)に示すように、励振口7より下方に配置されたものであり、図2に示すように、RTモータ8の差込部8bの外面に着脱可能に嵌合された筒部9aと、円形状をなす枠部9bと、枠部9b内に位置する網部9cとから構成され、網部9cは、図3に示すように、枠部9bの軸心(=筒部9a)に対して点対称な格子状をなしている。
【0030】
回転網9の網部9c上には、図1の(a)に示すように、同心状の調理皿10が載置されている。この調理皿10は、ガラスやセラミック等のマイクロ波透過材料からなるものであり、調理皿10には、調理皿10の中央部に調理物を載せることを指示するイラスト(図示せず)が印刷されている。
【0031】
調理皿10の中央部は励振口7に対向する部分であり、マイクロ波が集中して照射される。このため、イラストに従って調理皿10の中央部に調理物を載置すれば、調理物にマイクロ波が集中照射され、調理物が効率的に加熱される。尚、調理皿10のイラストは、回転網9の中央部に調理物をセットすることを指示する指示手段に相当するものである。
【0032】
調理室2の左側壁には、ガス検出手段に相当するガスセンサ11が装着されている。このガスセンサ11は調理物から放出されるガス量(水蒸気量)を検出するものであり、検出したガス量に応じた電気信号を出力する。また、機械室4内には制御回路基板(図示せず)が配設されており、制御回路基板には制御装置12(図5参照)が搭載されている。この制御装置12は、マグネトロン6およびRTモータ8を駆動制御する制御手段に相当するものであり、マイクロコンピュータを主体に構成されている。
【0033】
キャビネット1には、図1の(a)に示すように、機械室4の前方に位置して操作パネル13が配設されており、操作パネル13の前面には、図5に示すように、自動調理キー14a,時間ダイアル14b,スタートキー14c,液晶表示装置14dが装着されている。自動調理キー14aは、鳥肉の蒸し物,炊飯,シューマイ,煮魚,酒のあたため,生解凍等の自動調理を選択するためのものであり、制御装置12は、自動調理キー14aが操作されている場合、ガスセンサ11からの出力信号に基づいて調理終了を判断する。時間ダイアル14bは調理時間を設定するためのものであり、制御装置12は、時間ダイアル14bが操作されている場合、時間ダイアル14bによる設定時間が経過した時点で調理を終了する。
【0034】
RTモータ8の回転軸8bには、図2に示すように、円形状のカム板15が連結されており、カム板15の外周面にはカム凸部15aが取付けられている。そして、カム板15の側方にはリミットスイッチ16が配設されており、初期状態では、リミットスイッチ16のプランジャがカム凸部15aにより押圧され、リミットスイッチ16がオンされている。尚、図2の符号17は、カム板15およびリミットスイッチ16から構成された角度検出手段を示している。
【0035】
次に上記構成の作用について説明する。尚、下記動作は、制御装置12が内部ROMに予め記憶された制御プログラムに基づいて実行するものである。
<手動調理>
制御装置12は、時間ダイアル14bの回動操作を検出すると、時間ダイアル14bの操作量に応じて調理時間Tを設定する。この状態でスタートキー14cの操作を検出すると、マグネトロン6に電源を供給し、導波管5から励振口7を通して調理室2内にマイクロ波を照射する。これと共に、表示装置14dに残り調理時間を表示し、調理の進行に伴い残り調理時間の表示を減らす。
【0036】
尚、機械室4内には駆動回路基板(図示せず)が配設され、図5に示すように、駆動回路基板にはマグネトロン駆動回路6aが搭載されており、制御装置12は、マグネトロン駆動回路6aを介してマグネトロン6を駆動制御する。
【0037】
制御装置12の内部ROMには、RTモータ8の駆動時間と回転網9の回転量との関係が記憶されており、制御装置12は、図4の(a)に示すように、調理開始から時間(T−t)/2が経過したことを検出すると、内部ROMの記憶データに基づいてRTモータ8に時間tだけ電源を供給し、RTモータ8の回転軸8bと一体的に回転網9を180°回転させる。尚、tは、回転網9が180°回転するのに要する時間である。
【0038】
制御装置12は、設定時間Tが経過すると、マグネトロン6を断電し、調理を終了する。そして、RTモータ8に電源を供給し、回転網9を回転させた後、リミットスイッチ16のプランジャがカム板15のカム凸部15aにより押圧され、リミットスイッチ16がオンされたことを検出すると、RTモータ8を断電し、回転網9を初期状態に復帰させる。
【0039】
<ガスセンサによる自動調理>
制御装置12の内部ROMには、酒のあたため,シューマイ等の調理物に応じたガス量基準値が記憶されており、制御装置12は、自動調理キー14aの操作を検出すると、選択された調理物に応じたガス量基準値および調理プログラムを内部ROMから読出し、内部RAMに書込む。
【0040】
例えば、酒のあたため等の非平面的な調理が選択されている場合、制御装置12は、スタートキー14cの操作を検出すると、調理プログラムに基づいてマグネトロン6に電源を供給し、調理室2内にマイクロ波を照射する。
【0041】
制御装置12は、マイクロ波の照射を開始すると、ガスセンサ11からの出力信号を検出し、出力信号を内部RAMのガス量基準値と比較する。そして、図4の(b)に示すように、ガスセンサ11からの出力信号がガス量基準値まで上昇したことを検出すると、RTモータ8に電源を時間tだけ供給し、回転網9と共に調理皿10を180°回転させる。
【0042】
制御装置12は、ガスセンサ11からの出力信号の変化率が調理終了値に達したことを検出すると、マグネトロン6を断電し、調理を終了させる。そして、リミットスイッチ16がオンされるまでRTモータ8を駆動し、回転網9を初期状態に復帰させる。尚、ガス量基準値は、調理時間Tが半分程度経過した時点で回転網9の回転が行われるように予め設定されたものである。
【0043】
また、シューマイ等の平面的な調理が選択されている場合、制御装置12は、スタートキー14cの操作を検出すると、調理プログラムに基づいてマグネトロン6およびRTモータ8に電源を供給し、回転網9と共に調理皿10を連続回転させながら調理室2内にマイクロ波を照射する。そして、ガスセンサ11からの出力信号の変化率が調理終了値に達したことを検出すると、マグネトロン6を断電し、調理を終了させる。これと共に、リミットスイッチ16がオンされるまでRTモータ8を駆動し、回転網9を初期状態に復帰させる。尚、調理終了値は、制御装置12の内部ROMに予め記憶されたものである。
【0044】
上記実施例によれば、回転網9の回転停止状態で調理室2内にマイクロ波を照射した後、回転網9を180°回転させ、回転網9の回転停止状態で調理室2内にマイクロ波を照射した。このため、回転網9のマイクロ波集中部分(中央部)に調理物を載置しても、調理物の特定部分が励振口7に対向して強く加熱されることがなくなるので、調理物が効率的にむらなく加熱される。
【0045】
ところで、図3に示すように、回転網9の網目の長手方向に沿う長さ寸法Laは、マイクロ波が通過し易い「λ/2」以上に設定され、短手方向に沿う長さ寸法Lbは、マイクロ波が通過し難い「λ/4」未満に設定されている。このため、調理室2の底面から上方へ向って反射するマイクロ波が網目を通過するにあたって、マイクロ波の通過量が網目の回転角度に応じて変わる。しかも、回転網9を流れる壁面電流が長尺な縦棒9dの延び方向に整流されるので、回転網9の回転角度によって調理室2内のマイクロ波分布に変化ができる。
【0046】
これに対して上記実施例では、回転網9の網目形状を点対称にした。このため、回転網が180°回転しても網目形状が回転前と実質的に変わらず、調理室2内のマイクロ波分布が一定に保たれるので、網目形状の影響で調理物に加熱むらが生じることが防止される。
【0047】
また、調理室2の右側壁に励振口7を配置したので、回転網9の回転停止時には、調理物のうち励振口7に面する部分が特に強く加熱される。しかしながら、回転網9の回転に伴い調理物の別の部分が励振口7に対向する上、回転網9の網目形状を点対称にしたので、励振口7の影響で調理物に加熱むらが生じること,網目形状の変化の影響で調理物に加熱むらが生じることが防止される。
【0048】
また、手動調理時には、設定された調理時間Tが略半分経過することに基づいて回転網9を180°回転させた。このため、回転網9を1回だけ駆動する簡単な制御によって、調理物の各部の励振口7に対向する時間が均等化されるので、加熱むらが低減される。しかも、回転網9を高頻度で180°回転させる場合とは異なり、回転網9の回転で調理室2内のマイクロ波が撹拌され、マイクロ波分布が変化してしまうことが防止されるので、この点からも、加熱むらが低減される。
【0049】
また、自動調理時には、調理物から発生するガス量がガス量基準値に達することに基づいて回転網9を180°回転させた。このため、調理時間Tが予め設定されていない場合でも、調理物の各部の励振口7に対向する時間が略均等化されるように、調理時間が約半分経過した適切なタイミングで回転網9を回転させることができるので、加熱むらが低減される。
【0050】
また、自動調理時には、調理物に応じてガス量基準値を変更した。このため、調理物に応じて調理時間が変わるにも拘らず、調理時間が約半分経過した適切なタイミングで回転網9を回転させることができるので、調理物の種類に拘らず加熱むらが低減される。
【0051】
また、調理皿10にイラストを印刷し、調理皿10の中央部に調理物をセットするように指示した。このため、調理皿10の中央部に指示に従って調理物をセットすれば、調理物が回転網9の回転の影響を受けず、励振口7と調理物との位置関係が回転網9の回転角度に拘らず等しくなるので、この点からも、加熱むらが低減される。
【0052】
また、励振口7を調理室2の前後方向中央部で且つ回転網9の上方に配置したので、励振口7の正面である調理皿10の中央部にマイクロ波集中領域が形成される。このため、調理皿10の中央部に調理物をセットすれば、回転網9の回転角度に拘らず励振口7から調理物にマイクロ波が集中照射されるので、調理物が効率的にむらなく加熱される。しかも、回転網9の中央部は使用者が無意識のうちに調理物をセットする部分であるため、大きな注意を払わなくてもマイクロ波集中領域に調理物をセットできる利点もある。
【0053】
また、シューマイ等の平面的な調理物が選択されたときには、調理開始から終了に至るまでRTモータ8を駆動し、回転網9を回転させながら調理室2内にマイクロ波を照射した。このため、回転網9の回転によりマイクロ波が撹拌され、調理物全体にマイクロ波が均一照射されるので、加熱むらが低減される。
【0054】
次に本発明の第2実施例を図6および図7に基づいて説明する。尚、上記第1実施例と同一の部材については同一の符号を付して説明を省略し、以下、異なる部材についてのみ説明を行う。まず、図6において、調理室2の天井壁には赤外線センサ18が装着されている。この赤外線センサ18は、調理物の表面温度を検出する温度検出手段に相当するものであり、調理物の表面温度に応じた電気信号を出力する。
【0055】
制御装置12の内部ROMには、酒のあたため,シューマイ等の調理物に応じた温度基準値が記憶されており、制御装置12は、自動調理キー14aの操作を検出すると、選択された調理物に応じた温度基準値および調理プログラムを内部ROMから読出し、内部RAMに書込む。例えば非平面的な調理が選択されている場合、スタートキー14cの操作を検出すると、調理プログラムに基づいてマグネトロン6に電源を供給し、調理室2内にマイクロ波を照射する。
【0056】
制御装置12は、マイクロ波の照射を開始すると、赤外線センサ18からの出力信号を検出し、出力信号を内部RAMの温度基準値と比較する。そして、図7に示すように、赤外線センサ18からの出力信号が温度基準値まで上昇したことを検出すると、RTモータ8に電源を時間tだけ供給し、回転網9と共に調理皿10を180°回転させる。尚、温度基準値は、調理時間Tが半分程度経過した時点で回転網9の回転が行われるように予め設定されたものである。
【0057】
制御装置12は、赤外線センサ18からの出力信号が調理終了値に達したことを検出すると、マグネトロン6を断電し、調理を終了させる。そして、リミットスイッチ16がオンされるまでRTモータ8を駆動し、回転網9を初期状態に復帰させる。尚、調理終了値は、制御装置12の内部ROMに予め記憶されたものである。
【0058】
また、平面的な調理が選択されている場合、制御装置12は、スタートキー14cの操作を検出すると、調理プログラムに基づいてマグネトロン6およびRTモータ8に電源を供給し、回転網9と共に調理皿10を連続回転させながら調理室2内にマイクロ波を照射する。そして、赤外線センサ18からの出力信号が調理終了値に達したことを検出すると、マグネトロン6を断電し、調理を終了させる。これと共に、リミットスイッチ16がオンされるまでRTモータ8を駆動し、回転網9を初期状態に復帰させる。
【0059】
上記実施例によれば、自動調理時には、調理物の温度が温度基準値に達することに基づいて回転網9を180°回転させた。このため、調理時間Tが予め設定されていない場合でも、調理物の各部の励振口7に対向する時間が略均等化されるように、調理時間が約半分経過した適切なタイミングで回転網9を回転させることができるので、加熱むらが低減される。
【0060】
尚、上記第1および第2実施例においては、調理時間Tが略半分経過した時点で回転網9を180°回転させたが、これに限定されるものではなく、例えば調理時間Tが略1/4,略1/6……経過する毎に回転網9を180°ずつ回転させても良い。
【0061】
次に本発明の第3実施例を図8に基づいて説明する。尚、上記第1実施例と同一の部材については同一の符号を付して説明を省略し、以下、異なる部材についてのみ説明を行う。操作パネル13には、増キーおよび減キー(いずれも図示せず)が設けられており、制御装置12は、手動調理中に増キーの操作を検出すると、増キーの操作回数に応じて調理時間Tを加算し、減キーの操作を検出すると、減キーの操作回数に応じて調理時間Tを減算する。
【0062】
上記構成の場合、制御装置12は、手動調理を開始すると、マグネトロン6に電源を供給し、調理室2内にマイクロ波を照射する。そして、所定時間Taだけ経過する毎にRTモータ8に電源を時間tだけ供給し、回転網9を180°回転させる。
【0063】
上記実施例によれば、所定時間Taが経過する毎に回転網9を回転させた。このため、調理中に調理時間が変更された場合でも、調理物の各部にマイクロ波が比較的均一に照射されるので、加熱むらが低減される。
また、調理時間T内で回転網9の停止,回転,停止を複数回繰返した。このため、回転網9が断続的に回転している印象を使用者に与えることができるので、回転網9が回転しない故障等の違和感を与えることが防止される。
また、回転網9を予め設定された一定時間Taだけ停止させた。このため、調理物の各部が励振口7に対向する時間が確実に一定化されるので、調理物の特定部分が集中的に長時間加熱され、調理物に加熱むらが生じることが確実に防止される。
【0064】
尚、上記第1ないし第3実施例においては、回転網9を180°回転させたが、これに限定されるものではなく、要は、調理物の各部が励振口7に略均等時間だけ対向するように略180°回転させれば良い。
また、上記第1ないし第3実施例においては、回転網9を180°回転させたが、これに限定されるものではなく、例えば「180×(2n+1)」°回転させても良く、要は180°単位であれば良い。但し、nは自然数である。
【0069】
尚、上記第1ないし第3実施例においては、回転網9を初期位置から回転させたが、これに限定されるものではなく、回転網9の初期位置を設定しない構成としても良い。この構成の場合、カム板15,カム凸部15a,リミットスイッチ16が廃止されるので、構成が簡素化される。
また、上記第1ないし第3実施例においては、励振口7を調理室2の右側壁に設けたが、これに限定されるものではなく、例えば調理室2の左側壁に設けても良く、要は、回転網9の回転軸に対して偏心した部分に設ければ良い。
【0070】
次に本発明の第4実施例を図9および図10に基づいて説明する。尚、上記第1実施例と同一の部材については同一の符号を付して説明を省略し、以下、異なる部材についてのみ説明を行う。まず、図9において、回転板19は鋼板等の導電材を円皿状にプレス加工してなるものであり、回転板19には、扇形状をなす3個の開口部19aが周方向に並べて形成されており、各開口部19aの最大寸法Lはマグネトロン6から発振されるマイクロ波波長λの「1/2」以上に設定されている。尚、回転板19は回転体に相当するものであり、回転板19の上面には調理皿10が載置される。
【0071】
3個の開口部19aは120°の等ピッチで配置されたものであり、回転板19に円板状のベース部19bと、円環状の枠部19cと、4本のステー部19dとを形成している。これら4本のステー部19dは導電部に相当するものであり、120°の等ピッチで配置され、各ステー部19dは径方向へ延びる直状をなしている。また、回転板19の下面には、図10に示すように、中央部に位置して筒状のボス部19eが固定されている。このボス部19eは横断面が長方形状をなすものであり、RTモータ8の回転軸8aの差込部8bの外面に着脱可能に嵌合される。
【0072】
RTモータ8のカム板15は調理室2外に配置されたものであり、カム板15の上面には1本のピン20aと2本のピン20bとが固定され、1本のピン20aと2本のピン20bとはRTモータ8の回転軸8aを挟んで180°対向配置されている。また、キャビネット1内の底部には透過形の光センサ20cが固定されている。この光センサ20cは、コ字状をなすホルダの両端部に投光素子および受光素子を装着してなるものであり、カム板15が回転すると、投光素子および受光素子間を1本のピン20aおよび2本のピン20bが通過する。尚、符号20は、1本のピン20aと2本のピン20bと光センサ20cとから構成された角度検出手段を示すものである。
【0073】
制御装置12は、時間ダイアル14bの回動操作およびスタートキー14cの操作を検出すると、時間ダイアル14bの操作量に応じて調理時間Tを設定した後、RTモータ8に電源を与え、回転板19およびカム板15を回転させる。このとき、光センサ20cの投光素子および受光素子間を1本のピン20aが通過すると、投光素子から投射された光が1本のピン20aによって遮られ、受光素子に対する入射光がなくなるので、受光素子から第1の基準位置信号が出力される。また、投光素子および受光素子間を2本のピン20bが通過すると、投光素子から投射された光が2本のピン20bによって断続的に遮られ、受光素子に対する入射光が断続的になくなるので、受光素子から第1の基準位置信号とは異なる第2の基準位置信号が出力される。
【0074】
制御装置12は、光センサ20cから第1の基準位置信号あるいは第2の基準位置信号が出力されたことを検出すると、RTモータ8を断電し、回転板19を停止させる。そして、マグネトロン6に電源を供給し、調理室2内にマイクロ波を照射する。この後、調理開始から時間T1 およびT2 が経過する毎にRTモータ8を時間「2t/3」だけ駆動し、回転板18を120°ずつ回転させる。尚、時間T1 〜T2 の詳細は下記の通りである。
T1 ={T−2(2t/3)}/3
T2 =2{T−2(2t/3)/3}+2t/3
【0075】
制御装置12は、自動調理キー14aの操作後にスタートキー14cが操作されたことを検出すると、自動調理キー14aの選択内容に応じた回転板19の停止角度θ°,第1のガス量基準値G1 ,第2のガス量基準値G2 ,調理プログラムを読出す。
【0076】
回転板19の回転角度が変わると、壁面電流がステー部19dの延び方向に整流されることによる電界分布の変化,開口部19aの向きによるマイクロ波の透過/反射の変化に基づいて調理室2内のマイクロ波分布に変化が生じる。上述の停止角度θ°は「御飯のあたため」,「酒かん」等、調理物に応じた最適なマイクロ波分布が得られる回転板19の停止角度を調理物別に実験的に求めたものであり、光センサ20cを1本のピン20aが通過して第1の基準位置信号が出力される第1の基準位置からの回転板19の進み角度,光センサ20cを2本のピン20bが通過して第2の基準位置信号が出力される第2の基準位置からの回転板19の進み角度の2種類で定義されている。
【0077】
制御装置12は、調理物に応じた停止角度θ°を読出すと、第1の基準位置信号の出力から時間「t×θ°/180°」だけ経過したRTモータ8のオフタイミングを設定し、停止角度θを60°と比較する。ここで、「θ<60°」を検出すると、第2の基準位置信号の出力から時間「t(θ+60)°/180°」だけ経過したRTモータ8の別のオフタイミングを設定する。
【0078】
制御装置12は、「θ≧60°」を検出すると、第2の基準位置信号の出力から時間「t(θ−60)°/180°」だけ経過したRTモータ8の別のオフタイミングを設定する。回転板19の場合、3本のステー部19dが等ピッチで配置された120°回転対称形をなしており、RTモータ8を設定タイミングでオフすると、回転板19が回転前後で同一のステー形状になって停止する。
【0079】
制御装置12は、RTモータ8のオフタイミングを設定すると、RTモータ8に電源を与え、回転板19およびカム板15を回転させる。このとき、光センサ20cから第1の基準位置信号が出力されたことを検出すると、第1の基準位置信号を起点とする設定タイミングでRTモータ8をオフし、回転板19を設定角度θで停止させる。また、光センサ20cから第2の基準位置信号が出力されたことを検出すると、第2の基準位置信号を起点とする設定タイミングでRTモータ8をオフし、回転板19を設定角度θで停止させる。
【0080】
制御装置12は、回転板19を停止させると、マグネトロン6に電源を供給し、調理室2内にマイクロ波を照射する。この後、ガスセンサ11からの出力信号が第1のガス量基準値G1 および第2のガス量基準値G2 に達する毎にRTモータ8を時間「2t/3」だけ駆動し、調理時間が上述のT1 〜T2 に達するタイミングで回転板19を120°ずつ回転させる。
【0081】
上記実施例によれば、回転板19を基準位置に位置決めしたので、調理室2内のマイクロ波分布が調理物に適した形態になる。しかも、120°回転対称形の回転板19を基準位置から120°ずつ回転させた。このため、調理物の特定部分が励振口7に対向して強く加熱されることがなくなる上、調理室2内のマイクロ波分布が回転前後で一定に保たれるので、調理物が最適なマイクロ波分布でむらなく効率的に加熱される。
【0082】
また、調理室2の形状が略立方体であるため、調理室2内のマイクロ波分布は左右・前後に対称になり易い。このため、180°回転対称形の図3の回転網9あるいは90°回転対称形の図9の回転網9を用いた場合、調理室2内のマイクロ波分布に回転網9の網目形状が沿ってしまう。
【0083】
これに対して上記実施例では、回転板19に径方向へ延びる3本のステー部19dを等ピッチで設け、回転板19を120°回転対称形に形成した。このため、回転体19の回転位置に応じてバラエティーに富んだマイクロ波分布が得られるので、調理物に応じた所望のマイクロ波分布を形成し易くなる。しかも、回転板19の形状が簡単になり、導電板のプレス成形によって回転板19を製造できるので、回転板19の製造作業性が向上する。
【0084】
また、回転体19の角度を検出するにあたって、マイクロ波の影響を受けない光センサ20cを用いたので、ピン20aおよび20bの検出精度が向上し、回転板19が停止位置θで一層確実に停止するようになる。
【0085】
また、カム板15,1本のピン20a,2本のピン20b,光センサ20cを調理室2の外部に配置した。このため、各部材が調理室2内からの熱影響を受け難くなるので、各部材の熱対策構造を簡略化できる。
【0086】
また、角度検出手段20で異なる第1の基準位置信号および第2の基準位置信号を生成し、第1の基準位置信号および第2の基準位置信号のどちらかを起点にRTモータ8のオフタイミングを設定した。このため、角度検出手段20で1つの基準位置信号を生成し、1つの基準位置信号を起点にRTモータ8のオフタイミングを設定する場合に比べ、RTモータ8の回転開始から基準位置信号の出力に至る時間,基準位置信号の出力からRTモータ8のオフに至る時間が短縮される。
【0087】
次に本発明の第5実施例を図11に基づいて説明する。尚、上記第4実施例と同一の部材については同一の符号を付して説明を省略し、以下、異なる部材についてのみ説明を行う。カム板15にはカム21が固定されている。このカム21は、一端部に1つのカム突部21aを有し、他端部に2つのカム突部21bを有するものであり、1つのカム突部21aおよび2つのカム突部21bはRTモータ8の回転軸8aを挟んで180°対向している。
【0088】
キャビネット1内の底部にはマイクロスイッチ22が固定されており、カム板15と一体的にカム21が回転し、マイクロスイッチ22のプランジャ22aが1つのカム突部21aにより押圧されると、マイクロスイッチ22からオン信号が1回出力される。また、マイクロスイッチ22のプランジャ22aが2つのカム突部21bにより連続的に押圧されると、マイクロスイッチ22からオン信号が連続的に2回出力される。尚、符号23は、カム21とマイクロスイッチ22とから構成された角度検出手段を示すものである。
【0089】
上記構成の場合、制御装置12は、マイクロスイッチ22からの単発的なオン信号を第1の基準位置信号として処理し、連続的なオン信号を第2の基準位置信号として処理し、回転板19を調理物に応じた角度θで停止させる。この場合、角度検出手段23をカム21およびマイクロスイッチ22によって機械的に構築したので、角度検出手段23の熱的な強度が高まる。
【0090】
次に本発明の第6実施例を図12に基づいて説明する。尚、上記第4実施例と同一の部材については同一の符号を付して説明を省略し、以下、異なる部材についてのみ説明を行う。カム板15には3本のピン24が120°の等ピッチで固定されており、光センサ20cの投光素子および受光素子間を各ピン24が通過すると、投光素子から投射された光が各ピン24によって遮られ、受光素子から基準位置信号が出力される。尚、符号25は、3本のピン24と光センサ20cとから構成された角度検出手段を示している。
【0091】
制御装置12は、自動調理キー14aの操作後にスタートキー14cが操作されたことを検出すると、自動内容に応じた回転板19の停止角度θ等を読出し、基準位置信号の出力から時間「t×θ°/180°」だけ経過したRTモータ8のオフタイミングを設定する。
【0092】
制御装置12は、RTモータ8のオフタイミングを設定すると、RTモータ8に電源を与え、回転板19およびカム板15を回転させる。このとき、光センサ20cから基準位置信号が出力されたことを検出すると、基準位置信号の出力から設定時間「t×θ°/180°」経過したタイミングでRTモータ8をオフし、回転板19を調理物に応じた角度θで停止させる。そして、調理室2内にマイクロ波を照射した後、ガスセンサ11からの出力信号が第1のガス量基準値G1 および第2のガス量基準値G2 に達する毎にRTモータ8を時間「2t/3」だけ駆動し、回転板19を120°ずつ回転させる。
【0093】
上記実施例によれば、回転板19が「120°」回転する毎に光センサ20cから基準位置信号を出力したので、RTモータ8の回転開始から基準位置信号の出力に至る時間,基準位置信号の出力からRTモータ8のオフに至る時間が一層短縮される。
【0094】
尚、上記第6実施例においては、カム板15に3本のピン24を固定し、各ピン24を光センサ20cによって検出することに基づいて基準位置信号を生成したが、これに限定されるものではなく、例えば本発明の第7実施例を示す図13のように、カム板15に3個の永久磁石26を120°の等ピッチで固定し、カム板15の外周部にホール素子等の磁気センサ27を配設しても良い。この場合、各永久磁石26が磁気センサ27に接近すると、磁気センサ27がオンされ、磁気センサ27から基準位置信号が出力される。ここで、符号28は3個の永久磁石26と磁気センサ27とから構成された角度検出手段を示している。
【0095】
次に本発明の第8実施例を図14に基づいて説明する。尚、上記第4実施例と同一の部材については同一の符号を付して説明を省略し、以下、異なる部材についてのみ説明を行う。回転板19のベース部19aには扇形状をなす3個の開口部19fが周方向に並べて形成されている。これら3個の開口部19fは120°の等ピッチで配置されたものであり、120°の等ピッチで配置された3本の短尺なステー部19gを回転板19に形成している。
【0096】
各ステー部19gは導電部に相当するものであり、回転板19の径方向へ延びる短尺な直状をなし、長尺な2本のステー部19d間の周方向中間部に位置している。尚、符号29は回転板19の内周部に位置する短尺な3本のステー部19gから構成された第1の導電部群、符号30は回転板19の外周部に位置する長尺な3本のステー部19dから構成された第2の導電部群を示すものであり、第1の導電部群29および第2の導電部群30は回転板19のボス部19e(回転板19の軸芯に相当する)を中心に同心状に配置され、各々120°単位で回転しても形状が変わらない120°回転対称形をなしている。
【0097】
上記実施例によれば、回転板19に第1の導電部群29および第2の導電部群30を設けた。このため、回転板19の停止位置に応じて調理室2内のマイクロ波分布が一層大きく変わり、一層バラエティーに富んだマイクロ波分布が得られるので、調理物に応じた所望のマイクロ波分布を一層形成し易くなる。
【0098】
尚、上記第4ないし第8実施例においては、増キーおよび減キーを設け、手動調理中に増キーあるいは減キーが操作された場合には、増キーあるいは減キーの操作後は一定時間Taが経過する毎に回転板19を120°ずつ回転させると良い。
また、上記第4ないし第8実施例においては、回転板19を120°ずつ回転させたが、これに限定されるものではなく、例えば480°ずつ回転させても良く、要は120°(120°の整数倍)単位であれば良い。
【0099】
また、上記第4ないし第8実施例においては、回転板19を調理物に応じた停止位置θを基準に120°ずつ回転させたが、これに限定されるものではなく、例えば調理物に応じた停止位置θを設定せず、初期状態から120°ずつ回転させても良い。この場合でも、調理物の各部が励振口7に対向する時間が均等化される上、回転板19の回転前後で調理室2内のマイクロ波分布が一定化されるので、調理物がむらなく効率的に加熱される。
【0100】
次に本発明の第9実施例を図15に基づいて説明する。回転板31は鋼板等の導電材を円皿状にプレス加工してなるものであり、回転板31には、扇形状をなす4個の開口部31aが周方向に並べて形成されている。この回転板31は回転体に相当するものであり、回転板31の上面には調理皿10が載置される。
【0101】
4個の開口部31aは90°の等ピッチで配置されたものであり、回転板31に円板状のベース部31bと、円環状の枠部31cと、4本のステー部31dとを形成している。これら4本のステー部31dは導電部に相当するものであり、90°の等ピッチで配置され、各ステー部31dは径方向へ延びる直状をなしている。また、回転板31の下面には、中央部に位置して筒状のボス部31eが固定されている。このボス部31eは横断面が長方形状をなすものであり、RTモータ8の回転軸8aの差込部8bの外面に着脱可能に嵌合される。
【0102】
制御装置12は、スタートキー14cの操作を検出すると、マグネトロン6に電源を供給する。そして、調理時間Tが手動設定されている場合および自動調理が設定されている場合に拘らず、所定時間Ta(例えば10秒)が経過する毎にRTモータ8に電源を時間「t/2」だけ供給し、回転板31を90°ずつ調理が終了するまで断続的に回転させる。
【0103】
上記実施例によれば、回転板31を90°回転対称形に形成し、回転板31の停止状態で調理室2内にマイクロ波を照射する動作と、回転板31を90°回転させる動作と、回転板31の停止状態で調理室2内にマイクロ波を照射する動作とを順次行ったので、調理物がむらなく効率的に加熱される。
【0104】
尚、上記第9実施例においては、回転網9および回転板31を一定の90°ずつ回転させたが、これに限定されるものではなく、例えば一定の450°ずつ回転させたり、あるいは、180°,90°,180°で変則的に回転させても良く、要は、90°(90°の整数倍)単位で回転させれば良い。
【0105】
次に本発明の第10実施例を図16に基づいて説明する。尚、上記第1実施例と同一の部材については同一の符号を付して説明を省略し、以下、異なる部材についてのみ説明を行う。回転板32は鋼板等の導電材を円皿状にプレス加工してなるものであり、回転板32には、扇形状をなす5個の開口部32aが周方向に並べて形成されている。この回転板32は回転体に相当するものであり、回転板32の上面には調理皿10が載置される。
【0106】
5個の開口部32aは72°の等ピッチで配置されたものであり、回転板32に円板状のベース部32bと、円環状の枠部32cと、5本のステー部32dとを形成している。これら5本のステー部32dは導電部に相当するものであり、72°の等ピッチで配置され、各ステー部32dは径方向へ延びる直状をなしている。また、回転板32の下面には、中央部に位置して筒状のボス部32eが固定されている。このボス部32eは横断面が長方形状をなすものであり、RTモータ8の回転軸8aの差込部8bの外面に着脱可能に嵌合される。
【0107】
制御装置12は、スタートキー14cの操作を検出すると、マグネトロン6に電源を供給する。そして、調理時間Tが手動設定されている場合および自動調理が設定されている場合に拘らず、所定時間Ta(例えば10秒)が経過する毎にRTモータ8に電源を時間「72t/180」だけ供給し、回転板31を72°ずつ調理が終了するまで回転させる。
【0108】
上記実施例によれば、回転板32を72°回転対称形に形成し、回転板32の停止状態で調理室2内にマイクロ波を照射する動作と、回転板32を72°回転させる動作と、回転板32の停止状態で調理室2内にマイクロ波を照射する動作とを順次行ったので、調理物がむらなく効率的に加熱される。
【0109】
尚、上記第4ないし第10実施例においては、ガスセンサ11からの出力信号に基づいて自動調理の終了を判断したが、これに限定されるものではなく、例えば第2実施例のように、赤外線センサ18からの出力信号に基づいて自動調理の終了を判断しても良い。
【0110】
また、上記第9実施例においては、回転網9および回転板31を90°ずつ回転させ、上記第4ないし第8実施例においては、回転板19を120°ずつ回転させ、上記第10実施例においては、回転板32を72°ずつ回転させたが、これに限定されるものではなく、要は、調理物の各部が励振口7に略均等時間だけ対向するように略90°ずつ,略120°ずつ,略72°ずつ回転させれば良い。
【0111】
また、上記第1ないし第10実施例においては、RTモータ8の駆動時間に基づいて回転網9,回転板19,回転板31,回転板32の回転量を制御したが、これに限定されるものではなく、例えば、RTモータ8をサーボモータから構成し、エンコーダからの出力信号に基づいて回転網9,回転板19,回転板31,回転板32の回転量を制御しても良い。
【0112】
また、上記第1〜第10実施例においては、回転皿10上に載置された調理物の重量を検出する重量センサを設け、重量センサからの出力信号に基づいて調理前に調理時間Tを自動的に設定しても良い。
【0113】
また、上記第1ないし第10実施例においては、マグネトロン6を駆動したまま回転網9,回転板19,回転板31,回転板32を回転させたが、これに限定されるものではなく、例えば回転網9,回転板19,回転板31,回転板32の回転時にマグネトロン6を駆動停止させても良い。
【0114】
また、上記第1ないし第10実施例においては、調理皿10の中央部に調理物を載置するように指示したが、これに限定されるものではなく、例えば調理皿10の中央部に対して偏心した位置に調理物を載置するように指示しても良いが、調理物の載置部分は、マイクロ波の集中部分であることが好ましい。
【0115】
また、上記第1ないし第10実施例においては、レンジ調理専用の電子レンジに本発明を適用したが、これに限定されるものではなく、例えばヒータ調理機能を有する電子レンジに本発明を適用しても良い。
【0116】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の電子レンジは次の効果を奏する。 請求項1記載の手段によれば、回転体の停止状態で調理室内にマイクロ波を照射する動作と、回転体を略「360°/N」の整数倍単位で回転させる動作と、回転体の停止状態で調理室内にマイクロ波を照射する動作とが順次行ったので、調理物がむらなく効率的に加熱される。
請求項2記載の手段によれば、回転体を基準位置から略「360°/N」の整数倍単位で回転させたので、調理物が最適なマイクロ波分布でむらなく効率的に加熱される。
【0117】
請求項3記載の手段によれば、回転体が略「360°/N」の整数倍単位で回転する毎に電気信号を出力したので、回転体を基準位置に位置決めするのに要する時間が短縮される。
請求項4記載の手段によれば、回転体にマイクロ波波長の「1/2」以上の開口部を設け、導電部を径方向へ延ばしたので、バラエティーに富んだマイクロ波分布が得られ、調理物に応じた所望のマイクロ波分布を形成し易くなる。
【0118】
請求項5記載の手段によれば、回転体に複数の導電部群を設けたので、マイクロ波分布のバラエティーが一層豊富になり、調理物に応じたマイクロ波分布を一層形成し易くなる。
請求項6記載の手段によれば、回転体の停止状態で調理室内にマイクロ波を照射した後、回転体を略180°の整数倍単位で回転させ、回転体の停止状態で調理室内にマイクロ波を照射したので、調理物がむらなく効率的に加熱される。
【0119】
請求項7記載の手段によれば、調理時間が略半分経過することに基づいて回転体を回転させたので、回転体を1回だけ駆動する簡単な制御で対応できる。
請求項8記載の手段によれば、回転体の停止状態で調理室内にマイクロ波を照射した後、回転体を略90°の整数倍単位で回転させ、回転体の停止状態で調理室内にマイクロ波を照射したので、調理物がむらなく効率的に加熱される。
【0120】
請求項9記載の手段によれば、調理室の側壁に励振口を設けたが、回転体を断続的に回転させたので、励振口の影響で調理物に加熱むらが生じることが防止される。
請求項10記載の手段によれば、調理物から発生するガス量が基準値に達することに基づいて回転体を回転させたので、調理時間が予め設定されていない場合でも、調理物の各部が均一に加熱される。
【0121】
請求項11記載の手段によれば、調理物の温度が基準値に達することに基づいて回転体を回転させたので、調理時間が予め設定されていない場合でも、調理物の各部が均一に加熱される。
請求項12記載の手段によれば、調理物に応じてガス量基準値あるいは温度基準値を変更したので、調理物に応じて調理時間が異なる場合でも、調理物の各部が均一に加熱される。
【0122】
請求項13記載の手段によれば、所定時間が経過する毎に回転網を回転させたので、調理中に調理時間が変更された場合でも、調理物の各部が均一に加熱される。
請求項14記載の手段によれば、回転網の中央部に調理物をセットするように指示したので、回転体の回転に影響されずに調理物の加熱むらが低減される。
【0123】
請求項15記載の手段によれば、励振口を調理室の側壁のうち前後方向中央部で且つ回転網の上方に設けたので、使用者が大きな注意を払わなくても回転体のマイクロ波集中領域に調理物をセットできる。
請求項16記載の手段によれば、調理物が平面的である場合には回転体を回転させながら調理室内にマイクロ波を照射したので、調理物が平面的であっても、加熱むらが低減される。
【0124】
請求項17記載の手段によれば、調理時間内で回転体の停止,回転,停止を複数回繰返したので、回転体が回転しない故障等の違和感を使用者に与えることが防止される。
請求項18記載の手段によれば、回転体を予め設定された一定時間だけ停止させたので、調理物の各部が励振口に対向する時間が確実に一定化され、調理物に加熱むらが生じることが確実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図(aは全体構成を概略的に示す外観図、bは機械室の内部を示す縦断正面図)
【図2】回転網のRTモータに対する取付状態を示す斜視図
【図3】回転網を示す上面図
【図4】調理時間と回転網の回転状態との関係を示す図(aは手動調理時,bは自動調理時)
【図5】電気的構成の概略を示すブロック図
【図6】本発明の第2実施例を示す図(全体構成を概略的に示す外観図)
【図7】図4の(b)相当図
【図8】本発明の第3実施例を示す図4の(a)相当図
【図9】本発明の第4実施例を示す図3相当図
【図10】図2相当図
【図11】本発明の第5実施例を示す図2相当図
【図12】本発明の第6実施例を示す図2相当図
【図13】本発明の第7実施例を示す図2相当図
【図14】本発明の第8実施例を示す図3相当図
【図15】本発明の第9実施例を示す図3相当図
【図16】本発明の第10実施例を示す図3相当図
【符号の説明】
2は調理室、6はマグネトロン、7は励振口、8はRTモータ(モータ)、9は回転網(回転体)、11はガスセンサ(ガス検出手段)、12は制御装置(制御手段)、17は角度検出手段、18は赤外線センサ(温度検出手段)、19は回転板(回転体)、19aは開口部、19dはステー部(導電部)、19gはステー部(導電部)、20は角度検出手段、23は角度検出手段、25は角度検出手段、28は角度検出手段、29は導電部群、30は導電部群、31は回転板(回転体)、31dはステー部(導電部)、32は回転板(回転体)、32dはステーブ(導電部)を示す。
Claims (18)
- 内壁に励振口を有する調理室と、
前記調理室内に設けられ、調理物がセットされる回転体と、
前記調理室内に前記記励振口を通してマイクロ波を照射するマグネトロンと、
前記回転体を回転駆動するモータと、
前記マグネトロンおよび前記モータを駆動制御する制御手段とを備え、
前記回転体は、「360°/N(Nは2以上の整数)」回転した状態で回転前と形状が略同一な回転対称形に設けられ、
前記制御手段は、前記回転体の停止状態で前記調理室内にマイクロ波を照射する動作と、前記回転体を略「360°/N」の整数倍単位で回転させる動作と、前記回転体の停止状態で前記調理室内にマイクロ波を照射する動作とを順次行うことを特徴とする電子レンジ。 - 回転体の回転角度を検出する角度検出手段を備え、
制御手段は、角度検出手段の検出結果に基づいて回転体を基準位置で停止させる動作と、回転体を基準位置から略「360°/N」の整数倍単位で回転させる動作とを行うことを特徴とする請求項1記載の電子レンジ。 - 角度検出手段は、回転体が略「360°/N」の整数倍単位で回転する毎に電気信号を出力することを特徴とする請求項2記載の電子レンジ。
- 回転体は、径方向へ延びる3本の導電部を略等ピッチで有する120°回転対称形をなし、
周方向に隣接する導電部間には、最大寸法がマイクロ波波長の「1/2」以上の開口部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子レンジ。 - 回転体は、軸芯を中心に略同心状に配置された複数の導電部群を有し、
各導電部群は、径方向へ延びる3本の導電部を略等ピッチで有する120°回転対称形をなしていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子レンジ。 - 内壁に励振口を有する調理室と、
前記調理室内に設けられ、調理物がセットされる回転体と、
前記調理室内に前記励振口を通してマイクロ波を照射するマグネトロンと、
前記回転体を回転駆動するモータと、
前記マグネトロンおよび前記モータを駆動制御する制御手段とを備え、
前記回転体は、前記回転体の軸心に対して略点対称な網目状をなし、
前記励振口は、前記回転体の軸心に対して偏心する部分に配置され、
前記制御手段は、前記回転体の停止状態で前記調理室内にマイクロ波を照射する動作と、前記回転体を略180°の整数倍単位で回転させる動作と、前記回転体の停止状態で前記調理室内にマイクロ波を照射する動作とを順次行うことを特徴とする電子レンジ。 - 制御手段は、設定された調理時間が略半分経過することに基づいて回転体を回転させることを特徴とする請求項6記載の電子レンジ。
- 内壁に励振口を有する調理室と、
前記調理室内に設けられ、調理物がセットされる回転体と、
前記調理室内に前記励振口を通してマイクロ波を照射するマグネトロンと、
前記回転体を回転駆動するモータと、
前記マグネトロンおよび前記モータを駆動制御する制御手段とを備え、
前記回転体は、前記回転体の軸心を通る中心線に対して略左右対称および略前後対称な網目状をなす90°回転対称形をなし、
前記励振口は、前記回転体の軸心に対して偏心する部分に配置され、
前記制御手段は、前記回転体の停止状態で前記調理室内にマイクロ波を照射する動作と、前記回転体を略90°の整数倍単位で回転させる動作と、前記回転体の停止状態で前記調理室内にマイクロ波を照射する動作とを順次行うことを特徴とする電子レンジ。 - 励振口は、調理室の側壁に設けられていることを特徴とする請求項1,6,8のいずれかに記載の電子レンジ。
- 調理物から発生するガス量を検出するガス検出手段を備え、 制御手段は、ガス検出手段からの出力信号が基準値に達することに基づいて回転体を回転させることを特徴とする請求項1,6,8のいずれかに記載の電子レンジ。
- 調理物の温度を検出する温度検出手段を備え、
制御手段は、温度検出手段からの出力信号が基準値に達することに基づいて回転体を回転させることを特徴とする請求項1,6,8のいずれかに記載の電子レンジ。 - 制御手段は、調理物に応じて基準値を変えることを特徴とする請求項10または11記載の電子レンジ。
- 制御手段は、所定時間が経過する毎に回転体を回転させることを特徴とする請求項1,6,8のいずれかに記載の電子レンジ。
- 回転体の中央部に調理物をセットすることを指示する指示手段を備えていることを特徴とする請求項1,6,8のいずれかに記載の電子レンジ。
- 励振口は、調理室の側壁のうち前後方向中央部で且つ回転体の上方に設けられていることを特徴とする請求項1,6,8,14のいずれかに記載の電子レンジ。
- 制御手段は、回転体を請求項1,6,8のいずれかに記載の態様で回転させる場合と連続回転させる場合とを調理物に応じて選択することを特徴とする請求項1,6,8のいずれかに記載の電子レンジ。
- 制御手段は、調理時間内で回転体の停止,回転,停止を複数回繰返すことを特徴とする請求項1,6,8のいずれかに記載の電子レンジ。
- 制御手段は、回転体を予め設定された一定時間だけ停止させることを特徴とする請求項1,6,8のいずれかに記載の電子レンジ。
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