JP3610830B2 - 電源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源装置に係り、特に、入力された制御信号に基づいて電源入力をスイッチングすることにより制御信号に応じた大きさの電源出力を得る電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式のプリンタや複写機では、感光体の表面を高電圧が印加されたコロトロン等の帯電器によって所定の電圧に帯電した後、画像データに応じて感光体を露光して静電潜像を形成し、現像器により現像してトナー像を形成する。形成されたトナー像は転写器により記録用紙に転写されると共に感光体から剥離され、記録用紙上に画像が形成される。
【0003】
この時、感光体、帯電器、現像器等の負荷に傷がついていたり、又は導電性物質が付着していたりした場合や、コロトロンワイヤが切れてしまった場合には、異常負荷状態となり、帯電器には高電圧が印加されているため、急激なエネルギーの放出(所謂アーク放電)が発生する。このような場合、負荷及び電源装置を破損する恐れがある。
【0004】
このような電源装置のうち、アナログ制御方式の電源装置の例を図20に示す。図20に示すように、電源装置500は、制御部502、スイッチング素子504、トランス508、整流平滑回路510、電圧検出回路512、及び電流検出回路514等を備えている。制御部502からスイッチング素子504に対して制御信号が出力されると、制御信号に応じてトランス508の1次巻線側に印加される電圧がスイッチングされ、トランス508の2次巻線側に交流電圧が誘起される。誘起された交流電圧は整流平滑回路510により整流平滑され、直流電圧が負荷側へ出力される。
【0005】
制御部502では、例えば電圧検出回路512により検出される電圧を常時モニタし、所望の出力電圧が得られるように定電圧制御を行う。異常負荷状態となってアーク放電が発生した場合には出力電流は増大するのに対して出力電圧は垂下するため、アーク放電を抑制する制御が行われるまでは電圧を高くする方向に制御されてしまい、さらに出力を増大させてしまう。このため、アナログ制御方式の電源装置では、電流検出回路514をツェナ―ダイオード516を介して制御部502に接続し、アーク放電が発生した場合にツェナ―ダイオード516が導通することで制御部70により異常を瞬時に検出し、スイッチング素子504への制御信号の出力を停止又は抑制することでアーク放電を抑制している。
【0006】
アーク放電が発生した場合の図20のA点における電圧Vbの波形を図21に示す。図21に示すように、t1の時点においてアーク放電が発生すると、電圧Vbがツェナ―ダイオード516が導通する電圧Vzを超えるため、制御部502において異常が検出される。これにより、制御部502では、スイッチング素子504への制御信号の出力を停止してアーク放電を瞬時に抑制する。
【0007】
このようなアナログ制御方式の電源装置の他に、特開昭62−279366号公報に記載されているように、出力をモニタしてCPUにフィードバックし、モニタ値が目標値と一致するように、スイッチング素子に出力するPWM信号のデューティを制御するデジタル制御方式の電源装置が知られている。
【0008】
また、特開平1−111218号公報には、出力電流をモニタしてCPUにフィードバックし、モニタ値が目標値と一致するように演算されたPWM信号の操作量(デューティ値)が、入力変動及び負荷変動を考慮して設定された正常負荷時の設定範囲外の値となった場合に異常であると判断する技術が開示されている。
【0009】
また、特開平8−187918号公報には、画像形成装置の制御開始前、例えばウォームアップ時にPWM信号のデューティをステップ状に変化させ、このときの出力との関係を記憶する。また、ウォームアップ時にアーク放電が発生した場合には、そのときのデューティ値を記憶し、通常の制御中にはこの記憶したデューティ値以下で制御することによりアーク放電が発生するのを防ぐ技術が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平1−111218号公報に記載された技術では、モニタ値が目標値と一致するように演算されたPWM信号のデューティ値から異常であるか否かを判断しているため、異常が発生してから異常を判断して処理するまでに時間がかかるという問題がある。また、デジタル制御方式では、アナログ制御方式のようにリアルタイムに出力電流をモニタすることができず、出力電流を所定間隔でサンプリングしてモニタするため、サンプリングしてから次のサンプリングまでの間に発生した異常を検出することができないという問題がある。
【0011】
例えば、図22に示すように、出力電流の正常範囲が定格時の電流値Imnから異常負荷時の電流値Imeまでの範囲とした場合、アナログ制御方式の場合ではt1の時点ですぐに異常を検出できるのに対し、デジタル制御方式では、異常が発生しているにも関わらずt2、t3、t4のサンプリング時点においては検出した電流値が正常範囲内にあるため異常を検出することができず、t5の時点で初めて異常が検出されることになる。
【0012】
また、特開平8−187918号公報に記載された技術では、ウォームアップ時にアーク放電が発生しなかった場合には、通常の制御動作中にアーク放電の要因が発生した場合のアーク放電を抑制することができず、負荷や電源装置が破損する恐れがあるという問題があった。
【0013】
また、デジタル制御方式の電源装置において、例えば図23に示すように、PWM信号に応じてスイッチ手段520によりトランス522の一次巻線側に印加される電圧がスイッチングされることで誘起された交流電圧を、整流平滑手段524により整流平滑して出力された電圧を電圧検出回路526により検出し、この検出した電圧モニタ値Vmonに基づいてアーク放電を抑制することも考えられる。
【0014】
しかしながら、このようなデジタル制御方式の電源装置において、定電流制御で制御する場合には、定電流制御用の電流検出回路528と異常状態検出用の電圧検出回路526が必要となり、負荷530に直接流れる電流(Iz)と電流検出回路528に流れる電流(Iz’)に差異が生じ、正確な定電流制御ができなくなるという問題があった。
【0015】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、デジタル制御方式の電源装置において、異常負荷状態の検出漏れを簡単な構成で防止することができる電源装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明の電源装置は、トランスと、入力されたPWM信号のデューティに応じて前記トランスの1次巻線への電力の印加をスイッチングする第1のスイッチ手段と、前記トランスの2次巻線側に接続された負荷に対する出力値を検出する検出手段と、目標値に対応するデューティを第1の演算により算出し、該算出されたデューティのPWM信号を生成して前記スイッチ手段に出力するように制御する制御手段と、を備えた電源装置において、前記トランスの2次巻線側に接続された負荷に対する出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段の検出値が所定値よりも小さく、かつ前記検出値が前回の検出値よりも小さい場合が1回又は複数回連続して検出された場合を前記出力電圧が垂下している異常負荷状態として検出し、該異常負荷状態が検出された場合には、前記デューティを第2の演算により算出し、該算出されたデューティのPWM信号を生成して前記スイッチ手段に出力するように制御して異常処理を行う異常処理手段と、を備えたことを特徴としている。
【0017】
請求項1記載の発明によれば、スイッチ手段にはPWM信号が入力され、このPWM信号のデューティに応じてトランスの1次巻線への電力の印加がスイッチングされる。これにより、トランスの2次巻線側に例えば昇圧された電圧が誘起され、負荷に供給される。この負荷に供給される電圧は、例えばPWM信号のデューティが大きくなるに従って高くなり、デューティが小さくなるに従って低くなる。また、検出手段により負荷に対する出力値(電圧又は電流)が検出される。そして、制御手段は、検出された出力値に基づき、目標値に対応するデューティを第1の演算により算出し、該算出されたデューティのPWM信号を生成してスイッチ手段に出力するように制御する。第1の演算は、例えば検出した出力電圧値が目標値よりも小さい場合にはデューティを大きくし、検出した出力電圧値が目標値よりも大きい場合にはデューティを小さくする。これにより、出力電圧が目標値に一致するようにフィードバック制御される。
【0018】
このような電源装置において、異常処理手段は、電圧検出手段の検出値を所定間隔で取り込み、取り込んだ検出値が所定値よりも小さく、かつ取り込んだ検出値が前回取り込んだ検出値よりも小さい場合を検出する。そして、このような場合が1回又は複数回連続して検出された場合を前記出力電圧が垂下している異常負荷状態として検出する。ここで、所定値は異常負荷状態が発生している状態を示す値に設定される。なお、検出手段において電圧を検出して第1の演算を行うような場合には、該検出手段と電圧検出手段とを共用することができる。
【0019】
このように、所定値よりも検出値が小さい場合をすぐに異常負荷状態として検出せず、さらに前回取り込んだ検出値よりも小さい場合、すなわち、出力電圧が垂下している場合を検出することができるのでより確実に異常負荷状態を検出することができ、検出漏れを防ぐことができる。また、異常負荷状態から復帰する過程において検出値が所定値よりも小さい場合を誤って異常負荷状態として検出してしまうことがない。
【0020】
また、複数回連続して検出された場合を異常負荷状態として検出する場合、例えば、負荷に一時的に埃が付着した場合等、突発的に異常負荷状態が発生し、すぐに正常負荷状態に戻るような場合でも異常負荷状態として検出してしまうことがない。従って、必要以上に異常負荷状態であると判断してしまうのを防ぐことができる。
【0021】
そして、異常負荷状態が検出された場合にはデューティを第2の演算により算出し、該算出されたデューティのPWM信号を生成してスイッチ手段に出力するように制御して異常処理を行う。第2の演算は、異常負荷状態を回避することができるようなデューティ値となるように演算される。これにより、異常負荷状態が回避される。また、第2の演算を負荷の種類に応じて最適に行ってもよい。
【0022】
また、異常処理手段は、請求項4にも記載したように、作成手段により、異常処理手段が異常負荷状態を検出した場合、該検出結果を検出履歴として記憶し、該記憶した検出履歴に基づいて前記負荷の状態を示す情報を作成することができる。例えば、異常負荷状態が発生した回数や時間等を検出履歴として記憶しておき、この検出履歴に基づいて、例えば負荷の劣化具合等の情報を作成することができる。
【0023】
そして、作成手段により作成された情報は、請求項5にも記載したように、出力手段により出力することができる。この出力手段には、例えば負荷の劣化具合等を警告メッセージや警告音等で警告する表示装置や音声出力装置を用いることができる。また、警告メッセージ等を通信回線を介して外部へ出力するようにしてもよい。
【0024】
請求項2記載の発明は、トランスと、入力されたPWM信号のデューティに応じて前記トランスの1次巻線への電力の印加をスイッチングする第1のスイッチ手段と、前記トランスの2次巻線側に接続された負荷に対する出力値を検出する検出手段と、目標値に対応するデューティを第1の演算により算出し、該算出されたデューティのPWM信号を生成して前記スイッチ手段に出力するように制御する制御手段と、を備えた電源装置において、前記トランスの2次巻線側に接続された負荷に対する出力電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段からの検出結果に基づいてオンオフする第2のスイッチ手段と、前記第2のスイッチ手段の出力に基づいて前記第2のスイッチ手段の出力を保持する保持手段と、前記保持手段からの出力に基づいて異常負荷状態を検出し、該異常負荷状態が複数回連続して検出された場合には、前記デューティを第2の演算により算出し、該算出されたデューティのPWM信号を生成して前記スイッチ手段に出力するように制御して異常処理を行う異常処理手段と、を備えたことを特徴としている。
【0025】
請求項2記載の発明によれば、第2のスイッチ手段は、電流検出手段により検出された負荷に対する出力電流に基づいてオンオフする。例えば出力電流が異常負荷状態を示す所定値以上の場合にオンし、出力電流が異常負荷状態を示す所定値以下の場合にオフする。このような場合に保持手段は、例えば第2のスイッチング手段の出力がオンしたときの出力電位を保持する。このため、異常処理手段は、より確実に異常負荷状態を検出することができる。なお、検出手段において電流を検出して第1の演算を行うような場合には、該検出手段と電流検出手段とを共用することができる。
【0026】
この保持手段は、請求項3にも記載したように、第2のスイッチ手段の出力を充放電する充放電手段とすることができる。この充放電手段には、例えばコンデンサなどを用いることができる。従って、電源装置を安価に構成することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0028】
〔第1実施形態〕
第1実施形態では、本発明に係る電源装置を直流高圧電源装置として構成した場合について説明する。まず、図1を参照して、本第1実施形態に係る直流高圧電源装置10の構成について説明する。
【0029】
第1実施形態に係る直流高圧電源装置10は、負荷24に供給するための高圧電力を生成する高圧電源部(HVPS)12、及び装置全体の動作を司る制御手段としてのCPU22を含んで構成されている。
【0030】
高圧電源部12は、昇圧トランス14、入力された信号を整流平滑する整流平滑手段16、入力されているPWM信号のデューティに応じてスイッチング動作を行うスイッチ手段18、及び検出手段20を含んで構成されており、昇圧トランス14の1次巻線の一方の端子には図示しない外部の低圧安定化電源が接続されており、所定電圧値の直流電圧Vinが印加される。
【0031】
また、昇圧トランス14の1次巻線の他方の端子にはスイッチ手段18の出力端が接続されており、昇圧トランス14の2次巻線の端子には整流手段16の入力端が接続されており、更に整流平滑手段16の一方の出力端には検出手段20の入力端が接続されている。なお、整流平滑手段16の他方の出力端は負荷24に接続される。
【0032】
一方、CPU22の入力端には検出手段20の出力端が、CPU22の出力端にはスイッチ手段18の入力端が、各々接続されている。
【0033】
検出手段20は、昇圧トランス14の2次巻線側に接続された負荷24に対する出力値を検出して、出力電圧の電圧値又は出力電流の電流値をCPU22で判断可能な範囲の状態値とし、その値を示すモニタ信号Monを出力するものであり、CPU22は入力されたモニタ信号Monをデジタル値に変換することによって昇圧トランス14の2次巻線側の出力値を検知することができると共に、該モニタ値に応じたデューティのPWM信号をスイッチ手段18に入力する。なお、本直流高圧電源装置10が定電圧制御型である場合は検出手段20は出力電圧を検出するものとされ、定電流制御型である場合は検出手段20は出力電流を検出するものとされる。
【0034】
また、CPU22には、表示操作装置26が接続されており、異常時にエラーメッセージを表示したり、負荷24へ供給する出力電圧の出力目標値を設定したりすることができる。
【0035】
次に、第1実施形態の作用として、図2に示すフローチャートを参照して、直流高圧電源装置10のCPU22で実行される制御について説明する。また、本第1実施形態に係る直流高圧電源装置10の稼動時には、上記図示しない外部の低圧安定化電源によって昇圧トランス14の1次巻線の一方の端子には、所定電圧値(例えば+24V)の直流電圧Vinが印加されている。また、本実施形態に係るCPU22では、PWM信号のデューティ設定用のレジスタが内部に設けられており、該レジスタの記憶値は本制御プログラムの実行開始時にリセットされる。該レジスタに設定された値のデューティのPWM信号がスイッチ手段18に入力される。
【0036】
図2に示すステップ100では、直流高圧電源装置10の出力(定電圧制御の場合は出力電圧で、定電流制御の場合は出力電流)の最終的な目標値(以下、出力目標値という)を設定する。なお、本実施の形態における出力目標値の設定は、表示操作装置26を介してオペレータによって行われるが、この出力目標値の設定方法は一例であり、出力目標値の設定が実現可能な方法であれば如何なるものでも適用することができる。
【0037】
次のステップ102では、ステップ100において設定された出力目標値に対応する目標モニタ値を決定する。なお、目標モニタ値の決定は、例えば、直流高圧電源装置10における各種出力値に対するモニタ値のテーブルを予め実験等によって取得しておき、このテーブルを参照することによって行うことができる。
【0038】
次のステップ104では、検出手段20から入力されているモニタ信号Monをデジタル値に変換したモニタ値とした後にCPU22に設けられた図示しない記憶部に格納する。次のステップ106では、該記憶部に記憶したモニタ値に基づいて異常負荷状態か否かを判断し、異常負荷状態だった場合にはステップ108へ移行し、異常負荷状態でなかった場合にはステップ110へ移行する。ここで、異常負荷状態とはコロトロンワイヤが切断された場合等、アーク放電が発生した場合であり、この場合の出力電圧は垂下する。
【0039】
ステップ108では、異常負荷状態時の処理を行う。例えば、PWM信号のデューティ値を予め設定した値(例えば、最小値)に設定すると共に出力をモニタするサンプリング周期を予め設定した退避動作時間に設定する。従って、出力電力が略一定に保たれるため、アーク放電を抑制することができる。
【0040】
一方、ステップ110では、正常状態時の処理を行う。すなわち、例えば記憶部に記憶したモニタ値が目標モニタ値よりも小さければPWM信号のデューティ値を高くするように設定し、記憶部に記憶したモニタ値が目標モニタ値よりも大きければPWM信号のデューティ値を低くするように設定して、モニタ値が目標モニタ値と一致するように制御する。
【0041】
そして、次のステップ112では、図3に示すような検出履歴処理を行う。図3に示すステップ200では、ステップ108で異常負荷状態時の処理を行った回数をカウント(インクリメント)する。そして、次のステップ202で表示操作装置26に表示されるダイアグ(自己診断)画面に表示してリターンする。これにより、サービスエンジニア等が異常処理が発生している回数を把握でき、異常処理が発生している回数が多い場合には、装置を止めて異常箇所を点検して部品を交換する等の措置をとることができる。なお、例えば異常処理が発生している回数が所定回数以上になった場合に警告メッセージを表示するようにしたり、図4に示すように、直流高圧電源装置10が用いられる複写機28等の装置とサービスセンター30とを電話回線等の通信回線32で接続し、異常処理が発生している回数が所定回数以上になった場合にサービスセンターに通知するようにしてもよい。
【0042】
そして、ステップ114では、ステップ108又はステップ110で設定したデューティ値でPWM信号をスイッチ手段18に出力する。これにより、昇圧トランス14の1次巻線側に印加される直流電圧がスイッチングされ、2次巻線側に昇圧された交流電圧が誘起される。この交流電圧は整流平滑手段16により整流平滑され、負荷24へ供給される。
【0043】
次のステップ116では、高圧電源部12がオフされているか否かを判定し、オフされていないと判定された場合(否定判定)にはステップ104へ戻り、上述したステップ104乃至ステップ116の処理を繰り返し、高圧電源部12がオフされていると判定された場合(肯定判定)に本制御プログラムを終了する。
【0044】
図5に通常制御時と異常負荷制御時の出力電圧の波形及びPWM信号の波形を示す。図5に示すように、立ち上がり時には、モニタ値が目標モニタ値と一致するようにPWM信号のデューティ値を徐々に増加させる。そして、モニタ値が目標モニタ値と略一致している定常状態では、PWM信号のデューティ値は略一定値となる。そして、異常負荷状態となると、PWM信号のデューティ値が最小値に設定され、アーク放電が抑制される。
(回路構成例)
次に、本第1実施形態に係る直流高圧電源装置10における高圧電源部12の回路構成例について説明する。
【0045】
まず、図6を参照して、直流定電圧制御型の高圧電源部12の回路構成例について説明する。
【0046】
同図に示す高圧電源部12は、昇圧トランス14、整流平滑手段16、スイッチング手段18、検出手段20を含んで構成されている。
【0047】
整流平滑手段16は、ダイオード34及びコンデンサ36で構成されており、ダイオード34のアノード端子は、他方の端子が接地されたトランス14の2次巻線の一方の端子に接続されている。ダイオード34のカソード端子はコンデンサ36の一方の端子に接続されており、コンデンサ36の他方の端子は接地されている。
【0048】
このように構成された整流平滑回路16では、昇圧トランス14の2次巻線側に誘起された交流電圧を整流平滑して負荷24へ出力する
検出手段20は、抵抗38〜44及びオペアンプ46で構成され、オペアンプ46の非反転入力端子には他方の端子が抵抗38及び抵抗40の一方の端子に接続された抵抗42の一方の端子が接続されている。抵抗38の他方の端子は清流平滑回路16の出力端に接続され、抵抗40の他方の端子は接地されている。
【0049】
一方、オペアンプ46の反転入力端子には、抵抗44の一方の端子が接続されたオペアンプ46の出力端子が接続されている、抵抗44の他方の端子はCPU22に接続されている。
【0050】
このように構成された検出手段20は、負荷24へ出力される高圧出力電圧をCPU22で検出可能な範囲(ここでは、0Vから5Vまでの範囲)となるように抵抗38、40によって分圧してCPU22へ出力する。
【0051】
スイッチング手段18は、トランジスタ48、抵抗50、52で構成されており、トランジスタ48のコレクタ端子は、他方の端子が図示しない直流電源に接続された昇圧トランス14の1次巻線の一方の端子に接続されている。トランジスタ48のベース端子には、一方の端子が接地された抵抗50の他方の端子及び他方の端子がCPU22に接続された抵抗52の一方の端子が接続されている。
【0052】
このように構成されたスイッチング素子18では、CPU22から出力されるPWM信号のデューティに応じて昇圧トランス14の1次巻線側に印加される直流電圧をスイッチングする。
【0053】
次に、図7を参照して、直流定電流制御型の高圧電源部12の回路構成例について説明する。
【0054】
同図に示す高圧電源部12は、昇圧トランス14、整流平滑手段16、スイッチ手段18、検出手段20、21を含んで構成されている。なお、図6に示す高圧電源部12と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0055】
検出手段20は、抵抗38、42、44及びオペアンプ46で構成され、オペアンプ46の非反転入力端子は接地されており、反転入力端子には、抵抗42を介してオペアンプ46の出力端子が接続されている。
【0056】
検出手段21は、出力電流を検出するための回路であり、図7に示すように、オペアンプ54、抵抗56〜62で構成されている。オペアンプ54の非反転入力端子は、他方の端子が抵抗56及び抵抗58の一方の端子が接続された抵抗60の一方の端子が接続されている。また、抵抗56は、コンデンサ36と並列に接続されている。抵抗58の他方の端子は接続されている。
【0057】
オペアンプ54の反転入力端子は、抵抗62の一方の端子が接続されたオペアンプ54の出力端子が接続されている。抵抗62の他方の端子はCPU22に接続されている。
【0058】
このように構成された検出手段21は、負荷24へ出力される出力電流をCPU22で検出可能な範囲(ここでは、0V〜5Vまでの範囲)となるようにしてCPU22へ出力する。
【0059】
なお、本第1実施形態において図6に示した回路構成は一例であり、各部の機能を実現することができる回路構成であれば如何なるものでも適用することができる。
【0060】
〔第2実施形態〕
第2実施形態では、本発明に係る電源装置を定電圧制御を行う直流高圧電源装置として構成した場合について説明する。なお、装置構成は図1及び図6に示す直流高圧電源装置10と同一であるので、説明を省略し、図8に示すフローチャートを参照してCPU22において実行される制御について説明する。
【0061】
図8に示すステップ300では、直流高圧電源装置10の出力電圧の最終的な目標値(以下、出力目標値という)を設定する。なお、本実施の形態における出力目標値の設定は、表示操作装置26を介してオペレータによって行われるが、この出力目標値の設定方法は一例であり、出力目標値の設定が実現可能な方法であれば如何なるものでも適用することができる。
【0062】
次のステップ302では、ステップ300において設定された出力目標値に対応する目標モニタ値Vgを決定する。なお、目標モニタ値Vgの決定は、例えば、直流高圧電源装置10における各種出力値に対するモニタ値のテーブルを予め実験等によって取得しておき、このテーブルを参照することによって行うことができる。
【0063】
次のステップ304では、検出手段20から入力されているモニタ信号Vmonをデジタル値に変換したモニタ値とした後にCPU22に設けられた図示しない記憶部に格納する。次のステップ306では、当該記憶部に記憶されたモニタ値Vm(n)が、前回入力され、記憶部に記憶されているモニタ値Vm(n−1)よりも小さく、かつモニタ値Vm(n)が図9に示すモニタ値の正常範囲の下限値である所定閾値Vsよりも小さいか否かを判断する。モニタ値Vm(n)がモニタ値Vm(n−1)よりも小さく、かつモニタ値Vm(n)が所定閾値Vsよりも小さい場合にはステップ308へ移行し、それ以外の場合にはステップ310へ移行する。すなわち、ステップ306では、出力電圧が垂下する傾向にあり、かつ所定閾値以下の場合をアーク放電が発生する異常負荷状態として判断している。
【0064】
ステップ308では、異常負荷状態が2回連続して発生したか否かの判断をする。異常負荷状態が2回連続して発生した場合には、ステップ312へ移行し、PWM信号のデューティ値D(n)をD(n)=k×D(n−1)に設定する。ここで、kは、直流高圧電源装置10が転写・剥離用の負荷に接続される電源装置の場合には、動作の信頼性上、零又は限りなく零に近い値に設定される。また、直流高圧電源装置10が帯電器・現像器等の負荷に接続される電源装置の場合には、必要とされる復帰時間と出力電力との関係により0.1〜0.5の間の値に設定される。
【0065】
そして、次のステップ314でサンプリング周期を予め定めた退避動作時間Taに設定し、ステップ316で検出履歴処理を行ってステップ322へ移行する。この検出履歴処理は、図3に示す制御と同様であるので、説明を省略する。
【0066】
また、異常負荷状態が2回連続して発生していない場合には、ステップ318へ移行し、PWM信号のデューティ値D(n)を前回のCPU22の図示しない記憶部に記憶されたデューティ値D(n−1)に設定する。そして、次のステップ320でサンプリング周期を通常制御時と同じ時間Tに設定してステップ322へ移行する。
【0067】
一方、ステップ310では、正常状態時の処理を行う。すなわち、例えば記憶部に記憶したモニタ値Vm(n)が目標モニタ値Vgよりも小さければPWM信号のデューティ値を高くするように設定し、記憶部に記憶したモニタ値Vm(n)が目標モニタ値Vgよりも大きければPWM信号のデューティ値を低くするように設定し、モニタ値Vm(n)が目標モニタ値Vgと一致するようにデューティ値を設定してステップ322へ移行する。
【0068】
そして、ステップ322では、設定されたデューティ値でPWM信号をスイッチ手段18に出力する。これにより、昇圧トランス14の1次巻線側に印加される直流電圧がスイッチングされ、2次巻線側に昇圧された交流電圧が誘起される。この交流電圧は整流平滑手段16により整流平滑され、負荷24へ供給される。
【0069】
次のステップ324では、現在のモニタ値Vm(n)をモニタ値Vm(n−1)に、デューティ値D(n)をデューティ値(n−1)にそれぞれ代入し、ステップ326で高圧電源部12がオフされているか否かを判定する。オフされていないと判定された場合(否定判定)にはステップ304へ戻り、上述したステップ304乃至ステップ326の処理を繰り返し、高圧電源部12がオフされていると判定された場合(肯定判定)に本制御プログラムを終了する。
【0070】
このように、本実施の形態では、2回連続して異常負荷状態が検出された場合を異常として判断する。このため、例えば図10に示すようにモニタ値Vmが1回だけ異常負荷状態の値となったような場合(サンプリング周期以内で異常負荷状態が解除された場合)、例えばコロトロンワイヤに一瞬ほこりが付着したよう場合には異常と判断しないため、不必要に異常動作が行われてしまうのを防ぐことができる。
【0071】
また、例えば図9に示すようにモニタ値Vmが変化した場合には、t1の時点まではモニタ値Vmが正常範囲内にあるためステップ310において通常制御を行う。そして、t2の時点でモニタ値Vmが所定閾値Vs以下となり、ステップ306で肯定された場合でも、異常負荷状態となったのが1回目であるので、ステップ308で否定されてステップ318へ移行して出力が維持される。そして、t3の時点で異常負荷状態と判断されると、ステップ308で肯定されてステップ312へ移行してアーク放電を抑制するように退避動作を行う。
【0072】
この退避動作時間中に、例えば図11に示すように異常負荷状態が解除された場合には、退避動作時間(サンプリング周期)Ta時間経過後に出力電圧は自動的に復帰する。なお、図11に示すように、退避動作時間Ta経過後の立ち上がり時におけるモニタ値Vmは、所定閾値Vs以下であるが、前回のモニタ値よりも大きいのでステップ306で否定され、異常負荷状態と判断されることはない。また、退避動作時間Taは、立ち上がり時間を考慮して設定され、自動復帰時間≧退避動作時間+立ち上がり時間となるように設定される。例えば、立ち上がり時間が300msecの場合に自動復帰時間を1secとして設定した場合には退避動作時間が700msec以下となるように設定する。
【0073】
なお、本実施の形態では、2回連続して異常負荷状態が検出された場合を異常として判断するようにしているが、これに限らず、3回以上連続して異常負荷状態が検出された場合を異常として判断するようにしてもよい。これにより、負荷の特性等に応じて適正に異常負荷状態を判断することができる。
【0074】
また、本実施の形態では、定電圧制御を行う場合について説明したが、高圧電源部12を図7に示すような回路構成とすれば、定電流制御にも適用可能である。
【0075】
〔第3実施形態〕
本第3実施形態では、本発明に係る電源装置を定電流制御を行う直流高圧電源装置として構成した場合について図12を参照して説明する。なお、図1に示す直流高圧電源装置10と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0076】
第3実施形態に係る直流高圧電源装置10は、異常検出用電流検出手段70を備えており、整流平滑手段16からの出力電流が所定閾値以上となった場合に異常として一定時間オンするIe信号をCPU22に出力する。
【0077】
異常検出用電流検出手段70は、図13に示すように、電流電圧変換回路72、スイッチ手段74、充放電回路76で構成されており、整流平滑手段16からの出力電流を電圧に変換しスイッチ手段74へ出力する。スイッチ手段74は、電流電圧変換回路72から出力される電圧が所定閾値以上の場合にオンする。充放電回路76は、このスイッチ手段74のオン信号を一定時間保持した図13に示すようなIe信号をCPU22に出力する。
【0078】
図14に異常検出用電流検出手段の回路構成を示す。図14に示すように電流電圧変換回路72は、抵抗78で構成されている。スイッチ手段74は、ツェナーダイオード80、トランジスタ82、及び抵抗84、86で構成されている。充放電回路76は、コンデンサ88及び抵抗85、90で構成されている。
【0079】
充放電回路76から出力されるIe信号は、A/D変換器92でデジタル値に変換されてCPU22に入力される。また、検出手段20では、検出した出力電流をA/D変換器94へ出力し、A/D変換機94ではこれをデジタル値に変換してCPU22へ出力する。CPU22では検出した電流値に基づいてPWM信号のデューティ値を演算してPWM回路96へ出力する。これによりPWM回路96よりPWM信号が出力される。
【0080】
整流平滑回路16から出力される出力電流の波形を図15(A)に示す。この図15(A)に示す出力電流は、抵抗78により図15(B)に示すような波形の電圧値に変換される。そして、電圧値が異常負荷状態電圧値を超えるとツェナ―ダイオード80が導通してトランジスタ82をオンする。このため、スイッチ手段74は、図15(C)に示すようなオンオフ動作を行う。このオンオフ信号は、抵抗83、85、90により所定の電圧値に変換され、充放電回路76では、コンデンサ88が充放電される。そして、充放電回路76は図15(D)に示すような波形のIe信号を出力する。
【0081】
次に、第3実施形態の作用としてCPU22において実行される制御について図16に示すフローチャートを参照して説明する。
【0082】
図16に示すステップ400では、直流高圧電源装置10の出力電圧の最終的な目標値(以下、出力目標値という)を設定する。なお、本実施の形態における出力目標値の設定は、表示操作装置26を介してオペレータによって行われるが、この出力目標値の設定方法は一例であり、出力目標値の設定が実現可能な方法であれば如何なるものでも適用することができる。
【0083】
次のステップ402では、ステップ400において設定された出力目標値に対応する目標モニタ値Mgを設定する。なお、目標モニタ値Mgの決定は、例えば、直流高圧電源装置10における各種出力値に対するモニタ値のテーブルを予め実験等によって取得しておき、このテーブルを参照することによって行うことができる。
【0084】
次のステップ404では、検出手段20から入力されているモニタ信号ImonがA/D変換器94によりデジタル値に変換されたモニタ値M(n)、及び異常検出用電流検出手段70から入力されているモニタ信号IeがA/D変換器94によりデジタル値に変換されたモニタ値Ma(n)をCPU22に設けられた図示しない記憶部に格納する。
【0085】
次のステップ406では、当該記憶部に記憶されたモニタ値Ma(n)が、予め定めた異常負荷状態閾値Vmeよりも大きいか否かを判断する。モニタ値Ma(n)が異常負荷状態閾値Vmeよりも大きい場合にはステップ408へ移行し、モニタ値Ma(n)が異常負荷状態閾値Vme以下の場合にはステップ410へ移行する。
【0086】
ステップ408では、異常負荷状態が2回連続して発生したか否かの判断をする。異常負荷状態が2回連続して発生した場合には、ステップ412へ移行し、PWM信号のデューティ値D(n)をD(n)=k×D(n−1)に設定する。ここで、kは、直流高圧電源装置10が転写・剥離用の負荷に接続される電源装置の場合には、動作の信頼性上、零又は限りなく零に近い値に設定される。また、直流高圧電源装置10が帯電器・現像器等の負荷に接続される電源装置の場合には、必要とされる復帰時間と出力電力との関係により0.1〜0.5の間の値に設定される。
【0087】
そして、次のステップ414でサンプリング周期を予め定めた退避動作時間Taに設定し、ステップ416で検出履歴処理を行ってステップ422へ移行する。この検出履歴処理は、図3に示す制御と同様であるので、説明を省略する。
【0088】
また、異常負荷状態が2回連続して発生していない場合には、ステップ418へ移行し、PWM信号のデューティ値D(n)を前回のCPU22の図示しない記憶部に記憶されたデューティ値D(n−1)に設定する。そして、次のステップ420でサンプリング周期を通常制御時と同じ時間Tに設定してステップ422へ移行する。
【0089】
一方、ステップ410では、正常状態時の処理を行う。すなわち、例えば記憶部に記憶したモニタ値M(n)が目標モニタ値Mgよりも小さければPWM信号のデューティ値を高くするように設定し、記憶部に記憶したモニタ値M(n)が目標モニタ値Mgよりも大きければPWM信号のデューティ値を低くするように設定し、モニタ値M(n)が目標モニタ値Mgと一致するようにデューティ値を設定してステップ422へ移行する。
【0090】
そして、ステップ422では、設定されたデューティ値でPWM信号をスイッチ手段18に出力する。これにより、昇圧トランス14の1次巻線側に印加される直流電圧がスイッチングされ、2次巻線側に昇圧された交流電圧が誘起される。この交流電圧は整流平滑手段16により整流平滑され、負荷24へ供給される。
【0091】
次のステップ424では、現在のデューティ値D(n)をデューティ値(n−1)に代入し、ステップ426で高圧電源部12がオフされているか否かを判定する。オフされていないと判定された場合(否定判定)にはステップ404へ戻り、上述したステップ404乃至ステップ426の処理を繰り返し、高圧電源部12がオフされていると判定された場合(肯定判定)に本制御プログラムを終了する。
【0092】
このように、本実施の形態では、2回連続して異常負荷状態が検出された場合を異常として判断する。このため、例えば図17に示すようにモニタ値M(n)が1回だけt1の時点において異常負荷状態閾値Vme以上の値となったような場合(サンプリング周期以内で異常負荷状態が解除された場合)、例えばコロトロンワイヤに一瞬ほこりが付着したよう場合には異常と判断しないため、不必要に異常動作が行われてしまうのを防ぐことができる。
【0093】
また、例えば図18に示すようにモニタ値M(n)が変化した場合には、t1の時点まではモニタ値M(n)が正常範囲内にあるためステップ410において通常制御を行う。そして、t2の時点でモニタ値M(n)が異常負荷状態閾値Vme以上となり、ステップ406で肯定された場合でも、異常負荷状態となったのが1回目であるので、ステップ408で否定されてステップ418へ移行して出力が維持される。そして、t3の時点で異常負荷状態と判断されると、ステップ408で肯定されてステップ412へ移行してアーク放電を抑制するように退避動作を行う。
【0094】
この退避動作時間中に、異常負荷状態が解除された場合には、退避動作時間(サンプリング周期)Ta時間経過後に出力電圧は自動的に復帰する。また、退避動作時間Taは、立ち上がり時間を考慮して設定され、自動復帰時間≧退避動作時間+立ち上がり時間となるように設定される。例えば、立ち上がり時間が300msecの場合に自動復帰時間を1secとして設定した場合には退避動作時間が700msec以下となるように設定する。
【0095】
なお、本実施の形態では、2回連続して異常負荷状態が検出された場合を異常として判断するようにしているが、これに限らず、3回以上連続して異常負荷状態が検出された場合を異常として判断するようにしてもよい。これにより、負荷の特性等に応じて適正に異常負荷状態を判断することができる。
【0096】
また、本実施の形態では、定電流制御を行う場合について説明したが、高圧電源部12の検出手段20を、図19に示すようなオペアンプおよび抵抗により電圧検出回路として構成し、この検出手段20から出力される定電圧制御用モニタ値により定電圧制御する場合にも本発明を適用可能である。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、より確実に異常負荷状態を検出することができ、検出漏れを防ぐことができると共に、突発的に異常負荷状態が発生し、すぐに正常負荷状態に戻るような場合でも異常負荷状態として誤って検出するのを防ぐことができる、という効果を有する。
【0098】
請求項2記載の発明によれば、検出手段により検出された負荷に対する出力電流に基づいてオンオフ第2のスイッチング手段の出力を保持する保持手段を備えたので、より確実に異常負荷状態を検出することができる、という効果を有する。
【0099】
請求項3記載の発明によれば、保持手段を、第2のスイッチ手段の出力を充放電する充放電手段としたので、電源装置を安価に構成することができる、という効果を有する。
【0100】
請求項4記載の発明によれば、作成手段により、異常処理手段が異常負荷状態を検出した場合、該検出結果を検出履歴として記憶するので、負荷の劣化具合等を把握することができる、という効果を有する。
【0101】
請求項5記載の発明によれば、作成手段により作成された情報を、出力手段により出力することができるので、負荷の劣化具合等を外部へ報知することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における電源装置の概略構成図である。
【図2】第1実施形態におけるCPUで実行される制御ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図3】検出履歴処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図4】異常負荷状態の場合の制御について説明するための図である。
【図5】通常制御時及び異常負荷制御時における出力電圧及びPWM信号の波形を示す線図である。
【図6】定電圧制御を行う場合における高圧電源部の回路構成の一例を示す回路図である。
【図7】定電流制御を行う場合における高圧電源部の回路構成の一例を示す回路図である。
【図8】第2実施形態におけるCPUで実行される制御ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図9】異常負荷状態の場合の制御について説明するための線図である。
【図10】異常負荷状態の場合の制御について説明するための線図である。
【図11】異常負荷状態の場合の制御について説明するための線図である。
【図12】第3実施形態における電源装置の概略構成図である。
【図13】高圧電源部の概略構成図である。
【図14】異常検出用電流検出手段の回路図である。
【図15】異常負荷状態が発生した場合の各部の波形を示す波形図である。
【図16】第3実施形態におけるCPUで実行される制御ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図17】異常負荷状態の場合の制御について説明するための線図である。
【図18】異常負荷状態の場合の制御について説明するための線図である。
【図19】高圧電源部の他の例を示す回路図である。
【図20】従来における電源回路の概略構成を示す回路図である。
【図21】図20のA点における電圧波形を示す波形図である。
【図22】アナログ制御方式及びデジタル制御方式の電源装置における異常負荷状態の制御について説明するための図である。
【図23】定電流制御時の異常負荷状態について説明するための回路図である。
【符号の説明】
10 直流高圧電源装置
12 高圧電源部
14 昇圧トランス
16 整流平滑手段
18 スイッチ手段
20 検出手段
22 CPU
24 負荷
26 表示操作装置
28 複写機
30 サービスセンター
32 通信回線
70 異常検出用電流検出回路

Claims (5)

  1. トランスと、入力されたPWM信号のデューティに応じて前記トランスの1次巻線への電力の印加をスイッチングする第1のスイッチ手段と、前記トランスの2次巻線側に接続された負荷に対する出力値を検出する検出手段と、目標値に対応するデューティを第1の演算により算出し、該算出されたデューティのPWM信号を生成して前記スイッチ手段に出力するように制御する制御手段と、を備えた電源装置において、
    前記トランスの2次巻線側に接続された負荷に対する出力電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電圧検出手段の検出値が所定値よりも小さく、かつ前記検出値が前回の検出値よりも小さい場合が1回又は複数回連続して検出された場合を前記出力電圧が垂下している異常負荷状態として検出し、該異常負荷状態が検出された場合には、前記デューティを第2の演算により算出し、該算出されたデューティのPWM信号を生成して前記スイッチ手段に出力するように制御して異常処理を行う異常処理手段と、
    を備えたことを特徴とする電源装置。
  2. トランスと、入力されたPWM信号のデューティに応じて前記トランスの1次巻線への電力の印加をスイッチングする第1のスイッチ手段と、前記トランスの2次巻線側に接続された負荷に対する出力値を検出する検出手段と、目標値に対応するデューティを第1の演算により算出し、該算出されたデューティのPWM信号を生成して前記スイッチ手段に出力するように制御する制御手段と、を備えた電源装置において、
    前記トランスの2次巻線側に接続された負荷に対する出力電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段からの検出結果に基づいてオンオフする第2のスイッチ手段と、
    前記第2のスイッチ手段の出力に基づいて前記第2のスイッチ手段の出力を保持する保持手段と、
    前記保持手段からの出力に基づいて異常負荷状態を検出し、該異常負荷状態が複数回連続して検出された場合には、前記デューティを第2の演算により算出し、該算出されたデューティのPWM信号を生成して前記スイッチ手段に出力するように制御して異常処理を行う異常処理手段と、
    を備えたことを特徴とする電源装置。
  3. 前記保持手段は、前記第2のスイッチ手段の出力を充放電する充放電手段であることを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
  4. 前記異常処理手段が異常負荷状態を検出した場合、該検出結果を検出履歴として記憶し、該記憶した検出履歴に基づいて前記負荷の状態を示す情報を作成する作成手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の電源装置。
  5. 前記作成手段により作成された情報を出力する出力手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4記載の電源装置。
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