JP3610777B2 - 赤外域用反射防止膜及び透過窓 - Google Patents

赤外域用反射防止膜及び透過窓 Download PDF

Info

Publication number
JP3610777B2
JP3610777B2 JP14138798A JP14138798A JP3610777B2 JP 3610777 B2 JP3610777 B2 JP 3610777B2 JP 14138798 A JP14138798 A JP 14138798A JP 14138798 A JP14138798 A JP 14138798A JP 3610777 B2 JP3610777 B2 JP 3610777B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
substrate
antireflection film
film
infrared region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14138798A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11337703A (ja
Inventor
孝典 曽根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP14138798A priority Critical patent/JP3610777B2/ja
Publication of JPH11337703A publication Critical patent/JPH11337703A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3610777B2 publication Critical patent/JP3610777B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、赤外線による光学機器のレンズ材料、透過窓などに用いられる8〜12μm帯の赤外域用反射防止膜及びこれを用いた透過窓に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、赤外線による光学機器の利用が盛んになっており、低コストの光学部品が要望されている。赤外線の主な利用波長帯は、3〜5μm帯と8〜12μm帯であり、赤外線センサもこの波長帯に感度を有するものが一般的である。これらの帯域の窓材料やレンズ材料にはSiやGe、ZnSeなどが使われるが、これらの材料の屈折率は一般に高く、窓やレンズに適応する場合、透過率の向上のため反射防止膜が施される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、3〜5μm帯の窓材料やレンズ材料としては安価なSiが用いられていたが、8〜12μm帯では、Siに比べて極めて高価であるGeやZnS、ZnSeなどの光学部材を使用しており、コストが高くなるという問題点がった。
【0004】
また、8〜12μm帯での良好な反射防止膜としては、Ge基板ではZnSによる単層の反射防止膜が良く知られているが、これをSi基板にそのまま適用すると、密着性が小さく、剥離するなど耐久性に問題があった。
【0005】
また、このような単層の反射防止膜の場合は、基板の屈折率をnとしたとき、n 1/2の屈折率を、透過させたい波長のおよそ1/4の光学膜厚(=屈折率×物理的膜厚)で基板上にコーティングすることにより良好なものとなるが、Siの屈折率3.4に対し、ZnSは2.2であるため、屈折率のミスマッチが大きく良好な反射防止特性が得られないという問題点があった。
【0006】
一方、光学膜材料としてよく使われるAl、Sb、HfO、In、Nd、Sc、SiO、Ta、TiO、Y、ZrOなどの金属酸化物は、Siとの密着性は良好であるが、8〜12μm帯での吸収が大きく、反射防止膜としては不適であった。
【0007】
本発明は以上のような問題点を解決するためになされたもので、低コストで耐久性に優れ反射防止特性が良好な8〜12μm帯の赤外域用反射防止膜を得ることを目的とする。また、この赤外域用反射防止膜を用いた赤外域用透過窓を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る赤外域用反射防止膜は、Siからなる基板上に形成され8〜12μm帯の波長を透過するものであって、基板からの第1層目は光学膜厚が0.86〜4.80μmのGe層、第2層目は光学膜厚が2.31〜2.57μmのZnS層である。
【0009】
また、Siからなる基板上に形成され8〜12μm帯の波長を透過するものであって、基板からの第1層目は光学膜厚が1.44〜4.74μmのGe層、第2層目は光学膜厚が2.38〜2.56μmのZnSe層である。
【0010】
また、Siからなる基板上に形成され8〜12μm帯の波長を透過するものであって、基板からの第1層目がGe、第2層目がZnSe、第3層目がZnSである。
【0011】
また、Siからなる基板上に形成され8〜12μm帯の波長を透過するものであって、基板からの第1層目がGe、第2層目がSi、第3層目が金属フッ化物である。
【0012】
また、Siからなる基板上に形成され8〜12μm帯の波長を透過するものであって、基板からの第1層目がGe、第2層目がSi、第3層目がGe、第4層目が金属フッ化物である。
【0013】
また、金属フッ化物は、CeF、 YF、CaF及びクライオライトのいずれか一つである。
【0014】
また、この発明に係る赤外域用透過窓は、請求項1から6のいずれか一項に記載の赤外域用反射防止膜を用いたものである。
【0015】
また、基板の厚みは0.1mmから2mmである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の赤外域用反射防止膜及び透過窓について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1ないし図5は、本発明の赤外域用反射防止膜を示す断面図である。図において、1はSi平板、2はGe層、3はZnS層、4はZnSe層、5はSi層、6は金属フッ化物層である。
【0018】
一般に赤外線反射防止膜を設計する際には、基板材料と膜材料の密着性ならびに膜材料間の密着性、及び選定した材料が反射防止膜を構成する上で適当な屈折率と膜厚を有していることが重要となる。なお、本発明において対象としている赤外域は波長8〜12μm帯であり、本発明の反射防止膜はこの波長域の反射率を抑制することを意味する。本発明による材料の組み合わせと膜厚は、発明者らが本発明の目的に合致するように、コンピュータによる光学多層膜の演算と試作とを繰り返し、あらゆる組み合わせの中から鋭意研究してきた結果として選ばれたものである。
【0019】
本発明の赤外域用反射防止膜は、図1に示されるように、Si製の平板1を基板として、順番にGe層2、ZnS層3を配したことに特徴がある。GeはSiとの密着性がよく、またGeとZnSとの密着性もよいため、耐久性は良好なものとなる。膜厚はGeとZnSの屈折率を考慮し、Geは8〜12μmの中心波長である10μmの1/2の光学膜厚(=物理的膜厚×屈折率)かまたは1/4の光学膜厚、ZnSは10μmの1/4の光学膜厚を基準とすると良好な反射防止膜が得られる。これは、反射防止膜の典型的な設計例であるHQ型反射防止膜ならびにQQ型反射防止膜に従ったためであるが、最終的な膜厚は、コンピュータによる数値計算により最適化を実施することにより決定された。
【0020】
また、本発明の別の赤外域用反射防止膜は、図2に示されるように、Si製の平板1を基板として、順番にGe層2、ZnSe層4を配したことに特徴がある。この材料の配し方は、基本的には図1に示したZnS層3の代わりにZnSe層4を用いたものである。ZnSeはZnSと特徴がよく似ており、Geとの密着性もよく、同様の効果が期待されるが、ZnSより若干屈折率が高いため、反射防止膜の透過曲線に違いが生じ、使用目的によってはZnSより好ましい特性となる。
【0021】
また、本発明の別の赤外域用反射防止膜は、図3に示されるように、Si製の平板1を基板として、順番にGe層2、ZnSe層4、ZnS層3を配したことに特徴がある。この材料の配し方は、図2に示したZnSe層4を、ZnSe、ZnSの2層で置き代えたものであるが、ZnSeはZnSと比較して硬度が小さく傷のつきやすい材料であるので、ZnSeと密着性のよいZnSをZnSeの保護膜として配したものである。膜厚は、HQ型反射防止膜ならびにQQ型反射防止膜に従うことにより良好な反射防止特性が得られるが、この場合、ZnSとZnSeの2層により10μmの1/4の等価膜かまたは1/2の等価膜としなくてはならない。最終的な膜厚は、コンピュータによる数値計算により最適化を実施することにより決定された。
【0022】
また、本発明の別の赤外域用反射防止膜は、図4に示されるように、Si製の平板1を基板として、順番にGe層2、Si層5、金属フッ化物層6を配したことに特徴がある。この材料の配し方は、膜材料間の密着性が良好なだけでなく、膜厚をすべて中心波長の1/4としたQQQ型反射防止膜構造とし、さらに膜厚の最適化を実施することにより極めて良好な反射防止特性が得られる。
【0023】
上記金属フッ化物としては、例えば、MgF、CeF、YF、CaF、クライオライト(NaAlF)、AlF、LiF、BaF、ThFなどの金属フッ化物をあげることができ、そのうち波長8〜12μmの赤外光に対し透明であることや材料の屈折率や毒性、また反射防止膜の最外層としての耐久性を考慮すれば、CeF、YF、CaF及びクライオライトから選ばれた1種であることが好ましい。
【0024】
また、本発明の別の赤外域用反射防止膜は、図5に示されるように、Si製の平板1を基板として、順番にGe層2、Si層5、Ge層2、金属フッ化物層6を配したことに特徴がある。基板から3層目のGe層2を除いては図4と同じ構成となっている。3層目のGe層2は、Si層5と金属フッ化物層6の密着性を改善するために配したもので、Siと金属フッ化物を直接密着させた場合より、SiとGe、Geと金属フッ化物を直接密着させたときの方が、密着性が大幅に改善される。この3層目のGe層2はSiと金属フッ化物の密着性を改善するために配されたものであるから、層の厚さは薄くてもよく、この場合の設計変更は些少なものとなる。また上限はGe層2を含めて設計変更を行い、反射防止特性を劣化させない程度にとどめておけばよい。最外層の金属フッ化物層6は、すでにのべたとおり、YF、CeF、CaFまたはクライオライトから選ばれた1種であることが好ましい。
【0025】
以上のような赤外域用反射防止膜を用いて赤外域用透過窓を作製する場合、基板となるSi平板1は、厚さをあまり薄くすると、ハンドリングや衝撃を与えた際に破損したりするため、0.1mmまでにとどめるのが好ましい。また、Siは波長9μm近傍と10μm以上で赤外線の吸収を有するため、あまり厚くすることは好ましくない。また、両面を研磨したSi平板では、厚さ2mmで波長8〜12μmの平均吸収率が13%となったが、これ以上の赤外線透過率の減少は好ましくなく、従って、Si平板の厚さの上限は2mm程度が好ましい。
【0026】
赤外域用反射防止膜の形成法については、特に限定されないが、たとえば真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、CVD法などがあげられる。なかでも光学多層膜の形成を目的とした真空蒸着法が膜厚のコントロールと膜厚の均一性の点から好ましい。以下、該方法及び該方法を実施する場合の真空蒸着装置について説明する。
【0027】
図6は、本発明の赤外域用反射防止膜の製造に用いられる蒸着装置を示す構成図である。図において、10は高真空を得るための真空容器、11は基板取り付けドーム、12は蒸着すべき基板、13は蒸着物質を入れるるつぼ、14はるつぼ回転ステージ、15は電子ビームを放出する電子銃、16は蒸着膜の膜厚を測る反射式光学膜厚計、17はモニタ用基板、18はシャッタである。
【0028】
次に製造方法について説明する。まず、蒸着すべき基板12を基板取り付けドーム11に取り付ける。なお、基板取り付けドーム11は、蒸着中において膜の均一性を向上させるために回転される。次に、るつぼ13に必要な量の蒸着物質を入れてるつぼ回転ステージ14に配置する。るつぼ13は、るつぼ回転ステージ14によって、電子銃15から放出される電子ビームの当たる位置に移動される。電子銃15から放出された電子ビームによってるつぼ13内が加熱されると、蒸発した蒸着物質は基板12及びモニタ基板17の表面に蒸着され、膜となる。この蒸着膜の厚さは、真空容器10の上方に取り付けられた反射式光学膜厚計16により、モニタ用基板17の膜厚を蒸着中に計測することによって同時に測定され、所望の厚さになったときにシャッタ18が閉じる。以下、同様にして順次異なる層の蒸着膜を所定の厚さだけ形成することによって、本発明の赤外域用反射防止膜が得られる。
【0029】
なお、以下に述べる各実施例における電子ビーム蒸着法は、上記方法により行ったが、蒸着物質の加熱には電子ビーム法だけでなく、金属製のるつぼに電流を流して加熱する抵抗加熱法も用いることができる。また、光学式膜厚計としても、反射式だけでなく、真空容器の下部に光源を設けた透過式膜厚計等も用いることができる。
【0030】
以上のように、本発明の8〜12μm帯の赤外域用反射防止膜によれば、基板に安価なSiを用ると共に、Ge、ZnS、ZnSeは反射防止膜として積層するので、安価に製造できる効果が得られる。また、Si基板の直上を積層れる層はSiと密着性の良いGeであるので、優れた耐久性が得られる効果がある。さらに、Si基板と各反射防止膜層との屈折率が設計上の整合性がとれているので、良好な反射防止特性が得られるという効果が得られる。
【0031】
次に、以下の実施例に基づいて、本発明の赤外域用反射防止膜及び赤外域用透過窓について、さらに詳細に説明する。
【0032】
【実施例】
実施例1〜5.
直径30mmφ、厚さ0.5mmの両面を研磨したSi製の平板を、蒸着装置内の基板取り付けドームに取り付け、真空度1×10−4torr以下で、電子ビーム蒸着法によって基板から順に表1記載の材料と光学膜厚で積層して赤外域用反射防止膜を形成した(実施例1から3が図1に記載、実施例4、5が図2に記載のものにそれぞれ対応)。なお、光学膜厚を決めるための屈折率値は赤外線の波長10μm近傍での値を使うこととした。具体的にはGe膜、ZnS膜、ZnSe膜の屈折率はそれぞれ4.0、2.2、2.4、Si平板の屈折率は3.4となる。なお、基板の反対の面についても同じ手順により蒸着を行った。
【0033】
【表1】
Figure 0003610777
【0034】
得られた赤外域用反射防止膜の透過率を、フーリエ変換赤外分光光度計(日本電子(株)製JIR−7000)により測定した。その分光透過率曲線を図7及び図8に示す。
【0035】
実施例6〜10.
直径30mmφ、厚さ0.5mmの両面を研磨したSi製の平板を、実施例1〜5と同様の方法によって、基板の両面に表2記載の材料と光学膜厚を有する膜を積層して赤外域用反射防止膜を形成した(実施例6、7が図3に記載、実施例8から10が図4に記載のものにそれぞれ対応)。なお、材料の屈折率値は、Ge膜、ZnS膜、ZnSe膜、Si平板については実施例1〜5と同じであり、さらにSi膜、CeF膜、YF膜、CaF膜についてはそれぞれ3.4、1.6、1.6、1.4となる。
【0036】
【表2】
Figure 0003610777
【0037】
得られた赤外域用反射防止膜の透過率を、実施例1〜5と同様の方法により測定した。その分光透過率曲線を図9及び図10に示す。
【0038】
実施例11〜13.
直径30mmφ、厚さ0.5mmの両面を研磨したSi製の平板を、実施例1〜5と同様の方法によって、基板の両面に表3記載の材料と光学膜厚を有する膜を積層して赤外域用反射防止膜を形成した(図5に記載のものに対応)。実施例6〜10と同じ材料については同じ屈折率値であり、さらにクライオライトについては1.4となる。
【0039】
【表3】
Figure 0003610777
【0040】
得られた赤外域用反射防止膜の透過率を、実施例1〜5と同様の方法により測定した。その分光透過率曲線を図11に示す。
【0041】
実施例14.
直径30mmφ、厚さ0.1mm、0.5mm、1.0mm、2.0mmの両面を研磨したSi製の平板をそれぞれ実施例1〜5と同様の方法によって、基板の両面に実施例1と同じ材料を積層して赤外域用透過窓を形成した。得られた赤外域用透過窓の透過率を、実施例1〜5と同様の方法により測定した。その分光透過率曲線を図12に示す。
【0042】
以上の結果から、実施例1〜13における赤外域用反射防止膜は、8〜12μm帯の赤外域において、9μm付近で吸収があるものの、全体的に良好な反射防止特性を有していることが分かる。
【0043】
また、実施例14における赤外域用透過窓は、実施例1における赤外域用反射防止膜を用いているため、8〜12μm帯の赤外域において、9μm付近で吸収があるものの、全体的に良好な反射防止特性を有していることが分かる。また、Si基板の厚さは、0.1〜2.0mmが適当であることが分かる。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明によれば、Siからなる基板上に形成され8〜12μm帯の波長を透過するものであって、基板からの第1層目は光学膜厚が0.86〜4.80μmのGe層、第2層目は光学膜厚が2.31〜2.57μmのZnS層であるので、低コストで耐久性に優れ反射防止特性が良好な8〜12μm帯の赤外域用反射防止膜を得る効果がある。
【0045】
また、請求項2記載の発明によれば、Siからなる基板上に形成され8〜12μm帯の波長を透過するものであって、基板からの第1層目は光学膜厚が1.44〜4.74μmのGe層、第2層目は光学膜厚が2.38〜2.56μmのZnSe層であるので、低コストで耐久性に優れ反射防止特性が良好な8〜12μm帯の赤外域用反射防止膜を得る効果がある。
【0046】
また、請求項3記載の発明によれば、Siからなる基板上に形成され8〜12μm帯の波長を透過するものであって、基板からの第1層目がGe、第2層目がZnSe、第3層目がZnSであるので、低コストで耐久性に優れ反射防止特性が良好な8〜12μm帯の赤外域用反射防止膜を得る効果がある。
【0047】
また、請求項4記載の発明によれば、Siからなる基板上に形成され8〜12μm帯の波長を透過するものであって、基板からの第1層目がGe、第2層目がSi、第3層目が金属フッ化物であるので、低コストで耐久性に優れ反射防止特性が良好な8〜12μm帯の赤外域用反射防止膜を得る効果がある。
【0048】
また、請求項5記載の発明によれば、Siからなる基板上に形成され8〜12μm帯の波長を透過するものであって、基板からの第1層目がGe、第2層目がSi、第3層目がGe、第4層目が金属フッ化物であるので、低コストで耐久性に優れ反射防止特性が良好な8〜12μm帯の赤外域用反射防止膜を得る効果がある。
【0049】
また、請求項6記載の発明によれば、金属フッ化物は、CeF、 YF、CaF及びクライオライトのいずれか一つであるので、低コストで耐久性に優れ反射防止特性が良好な8〜12μm帯の赤外域用反射防止膜を得る効果がある。
【0050】
また、請求項7記載の発明によれば、請求項1から6のいずれか一項に記載の赤外域用反射防止膜を用いたので、低コストで耐久性に優れ反射防止特性が良好な8〜12μm帯の透過窓を得る効果がある。
【0051】
また、請求項8記載の発明によれば、基板の厚みは0.1mmから2mmであるので、低コストで耐久性に優れ反射防止特性が良好な8〜12μm帯の透過窓を得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態による赤外域用反射防止膜を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の形態による別の赤外域用反射防止膜を示す断面図である。
【図3】この発明の実施の形態による別の赤外域用反射防止膜を示す断面図である。
【図4】この発明の実施の形態による別の赤外域用反射防止膜を示す断面図である。
【図5】この発明の実施の形態による別の赤外域用反射防止膜を示す断面図である。
【図6】この発明の実施の形態による赤外域用反射防止膜の製造に用いられる蒸着装置を示す構成図である。
【図7】この発明の実施例1から3による赤外域用反射防止膜の赤外線分光透過率を示す図である。
【図8】この発明の実施例4、5による赤外域用反射防止膜の赤外線分光透過率を示す図である。
【図9】この発明の実施例6、7による赤外域用反射防止膜の赤外線分光透過率を示す図である。
【図10】この発明の実施例8から10による赤外域用反射防止膜の赤外線分光透過率を示す図である。
【図11】この発明の実施例11から13による赤外域用反射防止膜の赤外線分光透過率を示す図である。
【図12】この発明の実施例14によるSi基板の赤外線分光透過率を示す図である。
【符号の説明】
1 Si平板、2 Ge層、3 ZnS層、4 ZnSe層、5 Si層、6 金属フッ化物層、10 真空容器、11 基板取り付けドーム、12 基板、13 るつぼ、14 回転ステージ、15 電子銃、16 反射式光学膜厚計、17 モニタ用基板、18 シャッタ。

Claims (8)

  1. Siからなる基板上に形成され8〜12μm帯の波長を透過するものであって、上記基板からの第1層目は光学膜厚が0.86〜4.80μmのGe層、第2層目は光学膜厚が2.31〜2.57μmのZnS層であることを特徴とする赤外域用反射防止膜。
  2. Siからなる基板上に形成され8〜12μm帯の波長を透過するものであって、上記基板からの第1層目は光学膜厚が1.44〜4.74μmのGe層、第2層目は光学膜厚が2.38〜2.56μmのZnSe層であることを特徴とする赤外域用反射防止膜。
  3. Siからなる基板上に形成され8〜12μm帯の波長を透過するものであって、上記基板からの第1層目がGe、第2層目がZnSe、第3層目がZnSであることを特徴とする赤外域用反射防止膜。
  4. Siからなる基板上に形成され8〜12μm帯の波長を透過するものであって、上記基板からの第1層目がGe、第2層目がSi、第3層目が金属フッ化物であることを特徴とする赤外域用反射防止膜。
  5. Siからなる基板上に形成され8〜12μm帯の波長を透過するものであって、上記基板からの第1層目がGe、第2層目がSi、第3層目がGe、第4層目が金属フッ化物であることを特徴とする赤外域用反射防止膜。
  6. 金属フッ化物は、CeF3、 YF3、CaF2及びクライオライトのいずれか一つであることを特徴とする請求項4または5記載の赤外域用反射防止膜。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の赤外域用反射防止膜を用いたことを特徴とする透過窓。
  8. 基板の厚みは0.1mmから2mmであることを特徴とする請求項7記載の透過窓。
JP14138798A 1998-05-22 1998-05-22 赤外域用反射防止膜及び透過窓 Expired - Fee Related JP3610777B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14138798A JP3610777B2 (ja) 1998-05-22 1998-05-22 赤外域用反射防止膜及び透過窓

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14138798A JP3610777B2 (ja) 1998-05-22 1998-05-22 赤外域用反射防止膜及び透過窓

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11337703A JPH11337703A (ja) 1999-12-10
JP3610777B2 true JP3610777B2 (ja) 2005-01-19

Family

ID=15290821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14138798A Expired - Fee Related JP3610777B2 (ja) 1998-05-22 1998-05-22 赤外域用反射防止膜及び透過窓

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3610777B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6982951B2 (ja) * 2016-06-17 2021-12-17 株式会社ニデック 赤外線用機能性膜付シリコン基板
CN114002763A (zh) * 2021-11-05 2022-02-01 哈尔滨工程大学 一种中远红外与激光兼容隐身薄膜及其设计方案
CN115079314B (zh) * 2022-07-25 2024-01-16 无锡泓瑞航天科技有限公司 一种适用于低温与高温环境下的中红外光谱段光学窗口

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11337703A (ja) 1999-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2012073791A1 (ja) 赤外線用光学機能膜
US20110229659A1 (en) Ion beam assisted deposition of ophthalmic lens coatings
JPH0763915A (ja) 薄膜型ndフィルター及びその製造方法
CN110462451A (zh) 具有低折射率层与高折射率层的厚度比得到优化的耐磨且耐温干涉涂层的光学制品
JP2007520738A (ja) 可視光吸収性多層抗反射コーティングで被覆された光学体とその製造方法
US20220011601A1 (en) Optical Lens Having a Filtering Interferential Coating and a Multilayer System for Improving Abrasion-Resistance
US20220011600A1 (en) Optical Lens Having an Interferential Coating and a Multilayer System for Improving Abrasion-Resistance
EP3884315A2 (en) Optical lens having an enhanced interferential coating and a multilayer system for improving abrasion-resistance
JP2006317603A (ja) 表面鏡
JP2005165249A (ja) 反射防止膜及びこれを備える光学レンズ並びに光学レンズユニット
JP3610777B2 (ja) 赤外域用反射防止膜及び透過窓
EP3884314B1 (en) Optical lens having a mirror coating and a multilayer system for improving abrasion-resistance
JP3894107B2 (ja) 赤外域用反射防止膜
US10605959B2 (en) Antireflective stack for low luminance conditions
JP3399159B2 (ja) 赤外域用光学膜および光学素子
JP2006072031A (ja) 赤外域用反射防止膜およびこれを用いた赤外線レンズ
JP3894108B2 (ja) 赤外域用反射防止膜
JPH052101A (ja) 光学部品
JP2566634B2 (ja) 多層反射防止膜
JP3361621B2 (ja) 赤外域用反射防止膜
JP2003149434A (ja) 赤外域用光学膜および光学素子
EP3640688B1 (en) Optical article having an interferential coating with an improved abrasion-resistance
WO2020079241A1 (en) Optical article having an interferential coating with a high abrasion-resistance
JPH02291502A (ja) プラスチックレンズ用多層反射防止膜
JP2020522744A (ja) 耐久性向上のためナノラミネートを備えた光学コーティング

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040525

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040628

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040722

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040928

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041011

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071029

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081029

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091029

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091029

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101029

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111029

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121029

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131029

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees