JP3608759B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置あるいはそれらの複合機等の画像形成装置に関し、特に画像形成部にて片面に画像形成を受けた用紙を中間トレイに一時収納して再び画像形成部に送り出して裏面に画像形成を行う画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の両面複写機能を備えた画像形成装置は、画像形成部において片面に画像形成を受けた用紙を排出せずに、中間トレイに一時収納して、再び画像形成部に送り出して裏面に画像を形成することにより自動的に両面に画像形成を行う構成、機能を備えている。
図7及び図8は従来の両面複写機能を備えた画像形成装置の全体概要図、及び中間トレイの要部斜視図であり、従来の両面画像形成装置について、更に、詳細に説明する。
この画像形成装置においては、電子写真式の画像形成部101に、ペーパバンク109から搬送路110を通って用P紙が搬送され、感光体111と転写分離装置112により感光体上のトナー像が用紙上に転写されてから定着器113で定着されて、片面コピーの場合は排紙部114から排紙される。
他方、両面コピーの場合、用紙は、定着器113で定着された後に、分岐爪115により案内されて中間トレイ102に排出されて一時収納されるが、収納される直前に、一対のL字形状の整合板103aと整合板103bは図示の矢印A方向の外側方向に移動して開いて、用紙の排出の障害にならないように退避する。
【0003】
また、分岐爪115により中間トレイ側にガイド搬送されてきた用紙Pを中間トレイ102上に排出する時に、用紙が中間トレイ102から飛び出さないように、後端押し部材105が矢印B方向に移動可能に支持され、且つ垂直に突出した姿勢で配置されているので、用紙のサイズに合わせて、所定の位置に固定され、用紙の飛び出しを防止する。用紙Pの中間トレイ102上への排出が終了すると、一対の整合板103aと整合板103bは矢印A方向とは逆方向の内側方向に移動して中間トレイ上の用紙の両端縁に接した位置で閉じると同時に、寄せころ116が用紙上に下がって、用紙を給紙位置に寄せる動作を、用紙の排出毎に繰り返す。
こうして中間トレイ上に全用紙のストックが終了すると、裏面への画像形成の為の再給紙(最下部の用紙から中間トレイから排出する)が行われることになる。加圧部材106が用紙上に下がって用紙を給紙ころ117に押し付けて給紙が行われると、ベルトとローラとの組み合わせから成る分離部118により、セットされた複数枚の用紙が一枚ずつに分離給紙されて、用紙搬送路107、搬送路110を通り、画像形成部101の感光体111と転写分離装置112により裏面にコピーされ、定着器113で定着されて、両面にコピーされた用紙は排紙部114から排紙される。
そこで、このような両面コピーが多く作成されるようになったことに伴い、両面可能枚数の増加の要請も多くなっている。然し、画像形成装置で主に使用されているFRR分離方式又はベルト分離方式によって、セットされた複数枚の用紙を最下部から一枚づつ分離給紙する下給紙の場合は50枚が限界であった。
【0004】
そこで、下給紙タイプでありながら50枚以上のスタックが可能な中間トレイを備えることにより、両面コピー枚数を増加させるようにした種々の画像形成装置が提案されて公知である。
例えば、中間トレイを複数段装備し、それぞれ行き先き指定及び給紙段として指定が出来るようにすることにより、両面複写枚数を増加することを可能にした画像処理装置は公知である(特開昭62−293258号の公報を参照)。
又、両面複写モード時の複写時間短縮を図る為に、中間トレイに送りこまれる用紙を検知して、給紙ローラと分離コロとが用紙後端を挟持したまま駆動を停止するための検知信号を発生するセンサを設けるようにした技術も公知である(特開平3−227886号の公報を参照)。
更に、中間トレイから再給紙される用紙束を弾性体の給送量規制部材で上層部を規制しつつ、下層部のみを通過させることで、用紙束の先端を楔形状になるようにして、下送り給紙の信頼性を高めるようにした技術も公知である(特開平5−124774号の公報を参照)。
更に、用紙が再給紙トレイに進入する毎に幅方向に進退移動するジョガフェンスに連動して回動する押さえ板が、ジョガフェンスが用紙から離れたり近づく時に、用紙を上から抑えつけたり離れたりするようにして、次の用紙が再給紙トレイに進入しても再給紙トレイ上の用紙の搬送方向の整合性を良くするようにした技術も公知である(特開平5−193810号の公報を参照)。
更に、一つの中間トレイを複数に分割して用いることにより、使用頻度の高いサイズの用紙の収納枚数を装置の大型化をまねくことなく増やすことができ、また高速コピーの場合の収納性の向上を可能にしたり、様々なサイズのシートを中間トレイ上に位置決めした状態で保留し得るようにした技術も公知である(特開平6−43710号、特開平6−289671号等の公報を参照)。
然し、従来のこのような画像形成装置においては、中間トレイを使用した両面コピーの枚数が増加すると、新たな装置、新たな部材、新たなスペース等が必要になって大型化したり、コスト高になるだけでなく、作動時間が長くなり画像形成の生産性も悪く、駆動負荷も増加すると言う不具合が生じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の画像形成装置にあっては、中間トレイを使用した両面コピーの枚数が増加すると、新たな装置、新たな部材、新たなスペース等が必要になり大型化したり、コスト高になるだけでなく、作動時間が長くなり画像形成の生産性も悪く、駆動負荷も増加すると言う問題があった。
そこで本発明の課題は、このような問題点を解決するものである。即ち、中間トレイを使用した両面コピーの枚数が増加しても、新たな装置等を必要とせず大型化やコスト高になることもなく、画像形成の生産性も良く、駆動負荷も増加しない画像形成装置を提供することを目的にしている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、用紙上に画像を形成する画像形成部において片面に画像形成を受けた用紙を一時収納してから再び画像形成部に送り出して裏面に画像形成を行わせる中間トレイと、上記中間トレイに排出される片面画像形成済みの用紙の幅方向へ夫々進退移動することにより用紙束を整合する一対の整合手段と、上記整合手段で整合された用紙束を給紙方向に移動させる移動手段と、上記移動手段により給紙位置に移動された用紙束の上面を加圧する加圧手段と、を備えた画像形成装置であって、上記一対の整合手段は夫々複数束の用紙を上下の複数段に分けて収納する収納段を備え、下方の収納段に収納された全ての用紙が送り出された後で、整合手段が開放方向へ移動することにより上方の収納段に収納されていた用紙束を下方の収納段に落下収納させるように構成されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、上記各整合手段は夫々収納段を有し、各収納段は収納段下と収納段上の2段構成を有し、各収納段下の対向間隙の底幅は、上記収納段上の対向間隙の底幅よりも狭いことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、上記収納段から給紙される最終用紙を、下流側に位置する用紙搬送路に設けた検知手段によって検知することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1、2又は3記載の画像形成装置において、上記一対の整合手段の内の一方に設けた収納段は、上記収納段上の外側フェンス面が、上記収納段下のフェンス面よりも幅方向外側に突出していることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1、2、3又は4記載の画像形成装置において、上記加圧手段が回動して上下方向位置を変更することにより、上記画像形成部から中間トレイに向けて搬送されてくる用紙の排紙方向を切り換え、中間トレイ上における用紙の収納位置を、上記収納段下又は上記収納段上のいずれかに切り換えることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1、2、3、4又は5記載の画像形成装置において、上記加圧手段は、上記収納段下に収納された用紙束の上面を加圧することを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6記載の画像形成装置において、上記移動手段は、収納段上に収納された用紙束の先端縁を、給紙方向に向けて下方の用紙を先行させるような傾斜面を有することを特徴とする。
【0007】
【作用】
上記のように構成された給紙装置は、請求項1においては、画像形成部で片面に画像が形成された用紙を一時収納した後に再び画像形成部に送り出す中間トレイを備えた画像形成装置に於て、中間トレイに装備した整合手段にて整合する複数束の用紙を、上下の複数段に分けた収納段に収納して給紙するようにしたので、中間トレイを使用した両面コピーの枚数が大幅に増加したとしても、整合手段等の新たな装置等が必要でなく大型化やコスト高になることもなく、画像形成の生産性も良く、駆動負荷も増加しない画像形成装置を提供することが出来る。
請求項2においては、画像形成部で片面に記録を受けた用紙を受入れて一時収納した後に再び画像形成部に送り出す中間トレイを備え、複数束の用紙を上下の複数段に分け、収納段下と収納段下の対向間隙の底幅よりも広い対向間隙を有する収納段上に夫々収納して給紙するようにしたので、中間トレイを使用した両面コピーの枚数が大幅に増加しても、整合手段等の新たな装置等が必要でなく大型化やコスト高になることもなく、画像形成の生産性も良くなり、用紙の移動距離とその駆動所要時間も少なくなり駆動負荷も増加しない画像形成装置を提供することが出来る。
【0008】
請求項3においては、中間トレイに排出された用紙を整合手段で整合する際に、複数束の用紙を上下の複数段に分けた収納段に収納して給紙すると共に、収納段から給紙される最終用紙を用紙搬送路に設けた検知手段によって検知するようにしたので、中間トレイを使用した両面コピーの枚数が大幅に増加しても、整合手段等の新たな装置等が必要でなく大型化やコスト高になることもなく、給紙動作が短縮されて画像形成の生産性も良く、駆動負荷も増加しない画像形成装置を提供することが出来る。
請求項4においては、中間トレイに排出された用紙を整合手段で整合する際に、複数束の用紙を上下の複数段に分けた収納段に収納して給紙すると共に、一方の整合手段を構成する収納段上を収納段下よりも幅方向外側に広くなるようにしたので、中間トレイを使用した両面コピーの枚数が大幅に増加しても、整合手段等の新たな装置等が必要でなく大型化やコスト高になることもなく、画像形成の生産性も良く、整合手段の開閉駆動が不要で駆動負荷も増加しない画像形成装置を提供することが出来る。
【0009】
請求項5においては、中間トレイに排出された用紙を整合手段で整合する際に、複数束の用紙を上下の複数段に分けた収納段に収納して給紙すると共に、加圧手段の回動により用紙の搬送方向を切り換えて、収納段下又は収納段上を選択するようにしたので、中間トレイを使用した両面コピーの枚数が大幅に増加しても、整合手段等の新たな装置等が必要でなく大型化になることもなく、各整合手段への用紙の切り換えを加圧手段で兼用するから省スペースで低コストになり、画像形成の生産性も良く、駆動負荷も増加しない画像形成装置を提供することが出来る。
請求項6においては、中間トレイに排出された用紙を整合手段で整合する際に、複数束の用紙を上下の複数段に分けた収納段に収納して給紙すると共に、加圧手段が収納段下に収納された用紙を加圧するようにしたので、中間トレイを使用した両面コピーの枚数が大幅に増加しても、整合手段等の新たな装置等が必要でなく大型化やコスト高になることもなく、用紙のずれも防止され画像形成の生産性も良く、駆動負荷も増加しない画像形成装置を提供することが出来る。
請求項7においては、中間トレイに排出された用紙を整合手段で整合する際に、複数束の用紙を上下の複数段に分けた収納段に収納すると共に、移動手段の前面に位置する傾斜面で給紙方向に下方の用紙が先行するようにして給紙するようにしたので、中間トレイを使用した両面コピーの枚数が大幅に増加しても、整合手段等の新たな装置等が必要でなく大型化やコスト高になることもなく、確実に用紙の分離が行われ画像形成の生産性も良く、駆動負荷も増加しない画像形成装置を提供することが出来る。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一形態例の画像形成装置の全体構成略図、図2は中間トレイ部の要部斜視図である。同図に示す本発明の画像形成装置において、電子写真式の画像形成部1には、用紙(P)がペーパバンク9から搬送路10を通り搬送され、感光体11と転写分離装置12との間位置において感光体上のトナー像を片面にコピーされ、定着器13で定着されて、片面コピーの場合は排紙部14から排紙されて排紙トレイ上に収納される。
他方、両面コピーを行う場合、用紙(P)は、上記定着器13で定着された後に、点線位置に回動する分岐爪15により中間トレイへ向かう経路に案内されて中間トレイ2上に排出されて一時収納されるが、収納される直前に、整合手段3としての一対の整合板3aと整合板3bが矢印C方向の外側方向に移動して開いて、用紙(P)の排出の障害にならないようになっている。
各整合板3a、3bは、いずれも収納段4(収納段下4a、収納段上4b)を有した階段状であり、中間トレイ2に排出されて整合される複数束の用紙(P)は、各整合板3a、3bに夫々設けられた下方の収納段下4aと、上方の収納段上4bとに、それぞれ上下に分けて収納されるようになっている。
【0011】
また、用紙(P)が分岐爪15にてガイドされて中間トレイ上に排出される時に、用紙(P)が中間トレイ2から飛び出さないように、移動手段5の用紙(P)の後端押し部材が矢印D方向に移動可能に垂直姿勢で配置されていて、用紙(P)のサイズに合わせて、所定の位置に固定されるようになっている。
なお移動手段5の前面は、傾斜面5aとなっているため、中間トレイ2上の用紙束の積層状態もこの傾斜面の形状に整合した状態となって、セットされた下方の用紙(P)が給紙方向に先行する楔形状となる。
用紙(P)の中間トレイ2への排出が終了すると、整合手段3としての一対の整合板3a、3bは矢印C方向と逆方向の内側方向に移動して閉じると同時に、寄せころ16が軸16aを中心として回動して用紙上に下がって、用紙(P)を給紙位置に寄せる動作を、用紙(P)の排出毎に繰り返す。
中間トレイ上へのストックが終了すると裏面への画像形成の為の再給紙が最下部の用紙から行われることになる。回動軸6aを中心として上下動する加圧部材6が下がって用紙(P)上を加圧すると同時に、用紙が給紙ころ17に押し付けられて給紙ころの回転により給紙が行われると、分離部18(ベルト18aとローラ18bから成る)により、セットされた複数枚の用紙(P)を一枚ずつに分離して、用紙搬送路7、搬送路10を通り、画像形成部1の感光体11と転写分離装置12により他面にもコピーされ、定着器13で定着されて、両面にコピーされた用紙(P)は排紙部14から排紙される。
【0012】
図3は中間トレイの全体詳細を示す正面図であり、用紙(P)の後端押し部材(移動手段)5は、使用される用紙(P)のサイズに合わせた所定の位置に図示しない固定手段で固定されて待機している。
最初は、加圧手段6は、収納段4の下方の収納段下4a上に用紙(P)は排出して収納されるので、回動軸6aを支点として回動して、図示の破線の回動位置に停止している。
例えば、収納段4の各々の収納段4a,4b上に用紙(P)が50枚ずつ収納可能であるとすると、50枚まで収納段下4aに収納される。収納される直前に、一対の整合板3aと整合板3bは、図示の前後方向の外側方向に移動して、用紙(P)の排出の障害にならないように開いて、用紙(P)の排出が完了すると閉じて、寄せころ16が回動軸16aを支点として矢印E方向に回動して下がって矢印F方向への回転によって、用紙(P)を給紙位置に寄せる動作を、用紙(P)の排出毎に繰り返えす。
下方の収納段下4aに用紙(P)が50枚まで収納されると、加圧手段6は、回動軸6aを支点として矢印G方向(下降方向)に回動して、図示の実線の回動位置で、収納段下4aに収納された用紙(P)を加圧した状態となり、用紙(P)の上面を押すことで、続いて行われる2段目の収納段上4bへの用紙(P)の収納時に、整合板3a、3bの前後方向の開閉によって、収納段下4aに収納された用紙(P)がずれを起こすことを防止する。
【0013】
加圧手段6が実線で示した下降状態にある時に、中間トレイへ向かう用紙(P)の搬送路は、2段目の収納段上4bの方向に切り換えられて、51枚からは、2段目の上方の収納段上4bに収納される。つまり、加圧手段6の加圧部先端6Aは三角形状となっており、破線で示した上昇位置にある時には、排出ローラ20から排出される用紙を収納段下4a上に排出することを妨げないが、実線で示すように下降した時には、排出ローラ20のニップ部から出た用紙は加圧部先端6Aの上面に沿って排出される為、収納段下4a上には排出されない。その代わりに、加圧部先端6Aの上面が用紙を収納段上4b上に導くようにその形状が設計されている。
また、図3から明らかなように、収納段下4a上に積層される用紙束と、収納段上4b上に積層される用紙束の給紙方向位置はずれており、前者の方が先方側に突出している。
2段目の収納段上4bに用紙(P)を収納する場合には、加圧手段6(加圧部先端6Aの後端部)と移動手段5との間の距離(l)が、用紙(P)サイズよりも3mm程度長い位置となるように移動手段5が移動して待機するので、寄せころ16は動作しない。
【0014】
1段目の収納段下4aの排出時の移動手段5の待機位置は、加圧手段6の先端(H)から同様に(l)だけ後方の位置にある。
整合板3a、3bは、1段目の収納段下4aと同様に1枚毎に、図示の前後方向へ開閉するにより、用紙を整合する。
最終の用紙(P)が収納されると、両面の給紙が始まり、1段目の収納段下4aの最下位の用紙(P)から給紙を行う。
2段目の収納段上4bに収納される用紙(P)束は、収納段上4bにより仕切られている為、用紙(P)の自重の影響を、1段目の収納段下4aに収納される用紙(P)束に与えない。
1段目の収納段下4aに収納された用紙(P)束は、寄せころ16の寄せ動作によってすでに給紙位置に待機しており、加圧手段6も図示の実線の加圧状態にある。
【0015】
1段目の収納段下4aに収納された用紙(P)束の給紙の終了を、収納段下4aに収納された用紙(P)の収納枚数をメモリーし、両面の給紙枚数と比較することで、1枚目の給紙される最終用紙(P)を検知し、最終用紙(P)の先端を用紙搬送路7に設けた検知手段8のセンサが検知すると、次に、上記加圧手段6を回動軸6aを支点として図示の矢印G方向の逆方向に回動して上昇させて破線の状態にして、整合板3a、3bを図示の前後方向に開くことによって、2段目の収納段上4bに収納されていた用紙(P)束は、収納段下4aに落される。その直後に、整合板3a、3bを図示の前後方向に再び閉じて、移動手段5を図示の矢印(I)方向に図示しない駆動手段で移動することによって、用紙(P)束が給紙位置に移動するようになっている。
【0016】
移動手段5は、矢印I方向の移動方向に傾斜面5aを有しているので、用紙(P)が収納段4の収納段下4a、2段目の収納段上4bに収納された状態で、下方の用紙(P)ほど、先端が給紙方向に先行して収納されている。
移動手段5が、矢印I方向の移動方向に移動する際にも、2段目の収納段上4bに収納された用紙(P)が、上記傾斜面5aに倣って、給紙位置において分離に有利な状態を作りながら移動する。
従って、用紙(P)の移動距離は、約30mm程度あれば上記挙動の実現は可能であり、従来技術では用紙(P)のサイズ以上、例えば、A4横送りでは210mm以上必要だから、用紙(P)の移動距離とその駆動所要時間も少なく、上記中間トレイ2を使用した両面コピーの用紙(P)の枚数が増加しても、新たな装置等が必要でなく大型化やコスト高になることもなく、給紙動作が短縮されて画像形成の生産性も良く、駆動負荷も増加しない画像形成装置を提供することが出来るようになった。
尚、整合板3a、3b等の給紙方向長さを延長することによって、用紙(P)のサイズの制約をうけない画像形成装置を提供することも出来る。
【0017】
図4の模式図によって、整合板3a、3bの図示の前後方向の開閉動作について、更に、詳しく説明する。通常の用紙(P)の1枚毎の整合時は、用紙(P)の幅(l1)に対して、整合板3a、3bが前後方向に開いた状態での幅(l2)は、若干広く、例えば、(l2)=(l1)+10(mm)である。2段目の収納段上4bに収納されていた用紙(P)束を、収納段下4aに落す(落下収納させる)ときは、用紙(P)の幅(l1)に対して、上方の収納段上4bの対向間隙の底幅(L2)は、若干広く、例えば、(L2)=(l1)+5(mm)まで、整合板3a、3bは各々矢印K方向とM方向(開放方向)に開くようになっている。図示の状態は、2段目の収納段上4bに収納されていた用紙(P)束を、収納段下4aに落すときの開いた状態を示す。そのとき、下方の収納段下4aの対向間隙の底幅(L1)は、上方の収納段上4bの対向間隙の底幅(L2)よりも狭く(L1<L2)、下方の収納段下4aが用紙(P)とオーバラップ(J)するように、下方の収納段下4aの対向間隙の底幅(L1)を決め、整合板3a、3bが各々矢印K方向の逆方向とM方向の逆方向(閉止方向)に閉じるときの障害にならないようになっている。
【0018】
図5は本発明の他の形態例の収納段の具体的な動作説明図であり、この形態例では整合板3a,3bの形状が異なっており、一方の整合板3aの収納段上4bは下側の収納段下4aよりも外側に突出しており、他方の整合板3bは、収納段下4aの長さが内側に向かって長い略コ字状を有している。
図5(a)において、収納段下4aに用紙(P)を収納した場合の、整合板3a、3bによる整合及び傾斜寄せころ16bによる寄せる動作は、用紙(P)の1枚毎に行われるようになっている。
収納段下4aに用紙(P)の収納が終了すると、2段目の収納段上4bに用紙(P)が収納される。そのとき、整合板3a、3bは閉じたままである。
整合板3a又は整合板3bのどちらか一方の用紙(P)の寄せ側の面における、2段目の収納段上4bのフェンス面(N)は、下方の収納段下4aのフェンス面(O)よりも外側に、若干広く(寸法l3分だけ)、例えば、5mm(l3=5mm)広くなっているから、整合板3a、3bは閉じたままでも、用紙(P)の排出の障害にならない。
次に、傾斜寄せころ16bで、フェンス面(N)に寄せることにより、2段目の収納段上4bに用紙(P)の収納が終了すると、収納段下4aに収納された用紙(P)束は給紙される。
【0019】
図5(b)において、収納段下4aに収納された用紙(P)束の給紙が終了すると、整合板3a、3bは、各々矢印K方向とM方向に開き、2段目の収納段上4bに収納されていた用紙(P)束が矢印Q方向の収納段下4aに落ちて収納される。
図5(c)において、収納段下4aに落ちて収納された用紙(P)束は、その幅方向位置が(l3)分ずれているが、整合板3a、3bが、各々矢印K方向の逆方向とM方向の逆方向に閉じられることによって、収納段下4aに落ちて収納された用紙(P)束は、給紙直前には図示のように正しい位置に移動するようになっている。
【0020】
図6は中間トレイの平面図であり、傾斜寄せころ16bは、用紙(P)をフェンス面(N)に寄せられるように、給紙方向に対して若干、例えば約4度、傾斜している。
収納段下4aに、用紙(P)を収納する時には、移動手段5は矢印Rの位置にあり、排出された用紙(P)は、傾斜寄せころ16bによって、給紙位置まで、閉じた一対の整合板3aと整合板3bに向けて(沿って)寄せられる。
2段目の収納段上4bに、用紙(P)を収納する時には、移動手段5は矢印Sの位置に移動し、排出された用紙(P)を整合板3aのフェンス面(N)に寄せるのに充分な後退位置(距離(l4)後退した位置)まで排出する。
次に、傾斜寄せころ16bが下がって、用紙(P)を、整合手段3の整合板3aのフェンス面(N)に寄せながら、加圧手段6に突き当てた後に(図3の状態)、上昇する。
従って、2段目の収納段上4bに収納される用紙(P)の整合に際しては、整合板3a、3bを開閉する必要がないから、中間トレイ2を使用した両面コピーの用紙(P)の枚数が増加しても、新たな装置等が必要でなく大型化やコスト高になることもなく、画像形成の生産性も良く、駆動負荷も増加しない画像形成装置を提供することが出来るようになった。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、画像形成部で片面に画像が形成された用紙を一時収納した後に再び画像形成部に送り出す中間トレイを備え、この中間トレイに排出された用紙を整合手段で整合する際に、複数束の用紙を上下の複数段に分けた収納段に収納して給紙するようにしたので、中間トレイを使用した両面コピーの枚数が大幅に増加しても、整合手段等の新たな装置等が必要でなく大型化やコスト高になることもなく、画像形成の生産性も良く、駆動負荷も増加しない画像形成装置を提供することが出来るようになった。
請求項2の発明によれば、中間トレイに排出された用紙を整合手段で整合する際に、複数束の用紙を上下の複数段に分けた収納段下と収納段下の対向間隙の底幅よりも広い対向間隙を有する収納段上に収納して給紙するようにしたので、中間トレイを使用した両面コピーの枚数が大幅に増加しても、整合手段等の新たな装置等が必要でなく大型化やコスト高になることもなく、画像形成の生産性も良く、用紙の移動距離とその駆動所要時間も少なくなり駆動負荷も増加しない画像形成装置を提供することが出来るようになった。
【0022】
請求項3の発明によれば、中間トレイに排出された用紙を整合手段で整合する際に、複数束の用紙を上下の複数段に分けた収納段に収納して給紙すると共に収納段から給紙される最終用紙を用紙搬送路に設けた検知手段によって検知するようにしたので、中間トレイを使用した両面コピーの枚数が大幅に増加しても、整合手段等の新たな装置等が必要でなく大型化やコスト高になることもなく、給紙動作が短縮されて画像形成の生産性も良く、駆動負荷も増加しない画像形成装置を提供することが出来るようになった。
請求項4の発明によれば、中間トレイに排出された用紙を整合手段で整合する際に、複数束の用紙を上下の複数段に分けた収納段に収納して給紙すると共に用紙の寄せ側における収納段上を収納段下よりも幅方向外側に広くなるようにした(収納段上のフェンスを収納段下のフェンスよりも幅方向外側に突出させた)ので、中間トレイを使用した両面コピーの枚数が大幅に増加したとしても、整合手段等の新たな装置等が必要でなく大型化やコスト高になることもなく、画像形成の生産性も良く、整合手段の開閉駆動が不要で駆動負荷も増加しない画像形成装置を提供することが出来るようになった。
【0023】
請求項5の発明によれば、中間トレイに排出された用紙を整合手段で整合する際に、複数束の用紙を上下の複数段に分けた収納段に収納して給紙すると共に加圧手段の回動により収納段下又は収納段上を選択するようにした(加圧手段が中間トレイ上に排出されてくる用紙の収納方向を上下に仕分ける役割を果たす)ので、中間トレイを使用した両面コピーの枚数が大幅に増加しても、整合手段等の新たな装置等が必要でなく大型化になることもなく、各整合手段への用紙の切り換えを加圧手段で兼用するから省スペースで低コストになり、画像形成の生産性も良く、駆動負荷も増加しない画像形成装置を提供することが出来る。
請求項6の発明によれば、中間トレイに排出された用紙を整合手段で整合する際に、複数束の用紙を上下の複数段に分けた収納段に収納して給紙すると共に、加圧手段が選択した用紙が収納される収納段下に収納された用紙を加圧するようにしたので、中間トレイを使用した両面コピーの枚数が大幅に増加しても、整合手段等の新たな装置等が必要でなく大型化やコスト高になることもなく、用紙のずれも防止され画像形成の生産性も良く、駆動負荷も増加しない画像形成装置を提供することが出来るようになった。
請求項7の発明によれば、中間トレイに排出された用紙を整合手段で整合する際に、複数束の用紙を上下の複数段に分けた収納段に収納すると共に移動手段の傾斜面で給紙方向に下方の用紙が先行するようにして給紙するようにしたので、中間トレイを使用した両面コピーの枚数が大幅に増加しても、整合手段等の新たな装置等が必要でなく大型化やコスト高になることもなく、確実に用紙の分離が行われ画像形成の生産性も良く、駆動負荷も増加しない画像形成装置を提供することが出来るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態例の画像形成装置の概略を説明する説明図。
【図2】図1の画像形成装置の要部を説明する斜視図。
【図3】図1の画像形成装置の他の要部を説明する正面図。
【図4】図1の画像形成装置の整合手段の構成及び動作説明図。
【図5】(a) (b) 及び(c) は本発明の他の実施の形態例の画像形成装置の要部を説明する図。
【図6】図5の形態例の平面図。
【図7】従来の画像形成装置の概略を説明する説明図。
【図8】従来の画像形成装置の要部を説明する説明図。
【符号の説明】
1 画像形成部、2 中間トレイ、3 整合手段、3a 整合板、3b 整合板、4 収納段、4a 収納段下、4b 収納段上、5 移動手段、5a 傾斜面、6 加圧手段、6a 回動軸、7 用紙搬送路、8 検知手段、9 ペーパバンク、10 搬送路、11 感光体、12 転写分離装置、13 定着器、14排紙部、15 分岐爪、16 寄せころ、16a 回動軸、16b 傾斜寄せころ、17 給紙ころ、18 分離部、101 画像形成部、102 中間トレイ、103a 整合板、103b 整合板、105 後端押し部材、106 加圧部材、107 用紙搬送路、109 ペーパバンク、110 搬送路、111 感光体、112 転写分離装置、113 定着器、114 排紙部、115
分岐爪、116 寄せころ、117 給紙ころ、118 分離部
Claims (7)
- 用紙上に画像を形成する画像形成部において片面に画像形成を受けた用紙を一時収納してから再び画像形成部に送り出して裏面に画像形成を行わせる中間トレイと、上記中間トレイに排出される片面画像形成済みの用紙の幅方向へ夫々進退移動することにより用紙束を整合する一対の整合手段と、上記整合手段で整合された用紙束を給紙方向に移動させる移動手段と、上記移動手段により給紙位置に移動された用紙束の上面を加圧する加圧手段と、を備えた画像形成装置であって、
上記一対の整合手段は夫々複数束の用紙を上下の複数段に分けて収納する収納段を備え、下方の収納段に収納された全ての用紙が送り出された後で、整合手段が開放方向へ移動することにより上方の収納段に収納されていた用紙束を下方の収納段に落下収納させるように構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、上記各整合手段は夫々上記収納段を有し、各収納段は収納段下と収納段上の2段構成を有し、各収納段下の対向間隙の底幅は、上記収納段上の対向間隙の底幅よりも狭いことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1又は2記載の画像形成装置において、上記収納段から給紙される最終用紙を、下流側に位置する用紙搬送路に設けた検知手段によって検知することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1、2又は3記載の画像形成装置において、上記一対の整合手段の内の一方に設けた収納段は、上記収納段上の外側フェンス面が、上記収納段下のフェンス面よりも幅方向外側に突出していることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1、2、3又は4記載の画像形成装置において、上記加圧手段が回動して上下方向位置を変更することにより、上記画像形成部から中間トレイに向けて搬送されてくる用紙の排紙方向を切り換え、中間トレイ上における用紙の収納位置を、上記収納段下又は上記収納段上のいずれかに切り換えることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1、2、3、4又は5記載の画像形成装置において、上記加圧手段は、上記収納段下に収納された用紙束の上面を加圧することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1、2、3、4、5又は6記載の画像形成装置において、上記移動手段は、収納段上に収納された用紙束の先端縁を、給紙方向に向けて下方の用紙を先行させるような傾斜面を有することを特徴とする画像形成装置。
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