JP3608351B2 - エンボスロール金型とその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス成型などに用いられるエンボスロ−ル金型に関し、特に金型表面の硬度が高く、化学的耐性の優れたエンボスロール金型及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンボスロ−ル金型を用いた成型品としては、LCD用バックライトやリヤプロジェクションスクリーン等に用いられるプリズムシート、レンチキュラーシート、フレネルシートが例示される。
従来、これらのレンズシート類を成型する方法として、鉄芯に銅めっきを行い、このめっき層をダイヤモンドバイトによる切削加工によってエンボスロール金型を作成し、下記の様な成型方法が取られていた。
【0003】
(1)エクストル−ダによる溶融押出し成型の際に、溶融状態で押し出される樹脂表面にエンボスロール金型を用いて型押しする。
(2)紫外線や電子線硬化性樹脂をエンボスロール金型の成型面に塗工し、透明基材をエンボスロール金型に供給して、前記透明基材を介して紫外線や電離放射線の照射により、前記樹脂を硬化させると同時に樹脂成型物を透明基材に重合接着せしめる。
等が挙げられる。(以下、これらの成型を「プレス成型」と総称する)
【0004】
上記プレス成型にて、光学部品としてのレンズシート類を成型する場合、成型品の形状の再現性や金型の耐久性が光学特性や製品のコストに大きく影響する。従って、長期の繰り返しのプレス成型によって、エンボスロール金型が変形や腐食等の起こらない、安定した形状を再現できるエンボスロール金型が要求される。
【0005】
従来、エンボスロール金型を実用に供する際には、下記の理由により成型面にクロムやニッケル等のめっきを施していた。
(イ)プレス成型時の耐久性(機械的強度)に乏しい。
(ロ)表面が酸化し易く、成型面の平滑性(光沢性)が低下しやすい。
【0006】
そこで、成型面に厚さ2乃至4μm 程度のクロムめっきを施すことによって硬度が向上し(ビッカース硬度約400)、耐久性を向上させることができるが、それでもなお下記のような欠点があった。
(a)レベリング(めっき層の厚さの均一性)が悪く、成型面の形状が切削加工を行った形状に比較して厳密には異なるため、成型品がレンズシートの場合には目的とする光学特性を正確に反映できない。
(b)クロムめっき層は表面にマイクロクラックが入り、成型品表面の光学特性を低下させる。
【0007】
クロムめっきに代えてニッケルめっき(電解ニッケルめっき)を施した場合には、成型面の平滑性は良好であるが、一方で硬度が低下し(ビッカース硬度約300)、耐久性が低下するだけでなく、上記(a)の欠点は依然として残ることになる。
【0008】
上記した理由からエンボスロール金型の表面耐性を向上させるために、本出願人による提案として特開平8ー133306号公報が公知であり、
シリンダーロール表面にニッケルめっき層、銅めっき層、TiN層がこの順に形成されている構成のエンボスロール金型を提案している。
【0009】
上記提案は、エンボスロール金型の成型面の平滑性の向上と、めっき表面の硬度を高いものにすることによって、耐久性の向上を図ったものであるが、銅めっき層の上に直接TiN層を設けると錆が発生しやすいという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような従来技術の欠点を解決し、機械的耐久性のみならず、使用による錆の発生のない化学的耐久性と成型面の平滑性が良好で、エンボスにより得られる成型品の形状が金型の表面形状を良く再現できるエンボスロール金型とその製造方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題は下記の手段によって解決できる。
すなわち本発明は、シリンダーロール表面に、銅めっき層、ニッケルめっき層、TiN層がこの順に形成されている構成のエンボスロール金型であることを特徴とする。
また、そのエンボスロール金型の製造方法は、シリンダーロール表面に、銅めっき層を形成し、その表面を切削加工によってパターンを形成した後、ニッケルめっき層を設け、さらにその表面に、イオンプレーティング法によりTiN層を形成することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
まずはじめに図3に示すように、直径250mmで面長800mmのシリンダー(32)を砥石研磨し、水洗して、希硫酸による活性化を行なった後、その表面に銅めっき層(31)を形成した。めっき層の膜厚は500乃至700μm の範囲が望ましい。使用した硫酸銅めっき浴は、硫酸銅200ー250g/L、硫酸80ー100g/L、光沢剤適量、めっき温度30ー35°Cの組成のものを用いた。
【0013】
銅めっき終了後、めっき層膜厚にバラツキがあることから均一なめっき膜厚にするために、専用の旋盤にセットして、超硬バイトを用いて表面荒さを3μm以下になるように調整し、さらにダイヤモンドバイトを用いて表面荒さが1μm以下になるように下地切削を行った。
【0014】
次に、ダイヤモンドバイト(33)を用いて銅めっき層を切削加工によって所望の形状を有する溝を切削した。
【0015】
エンボスロ−ルを専用旋盤から降ろして、アルカリ脱脂(摂氏40度)を15分以上行い、水洗し、稀塩酸に3乃至5分間浸せきして、再度水洗し、電解脱脂(室温)を2乃至6分間行い、水洗した後、電解ニッケルめっき層を形成した。めっき層の膜厚は1乃至2μm の範囲が望ましい。めっき後、水洗及び湯洗し、乾燥させてた。使用したニッケルめっき浴は、スルファミン酸ニッケル300ー450g/L、硼酸30ー40g/L、塩化ニッケル10ー20g/L、光沢剤適量、pH4.0ー4.5の組成のものを用いた。このニッケルめっき層は電解ニッケルめっきでも、無電解ニッケルめっきでも良く、適宜何れかのめっき法を選択することができる。
【0016】
次に、エンボスロールを有機溶剤液中に浸せきした後、引き上げて液残りの無いように窒素ガンを用いてロール表面の溶剤を完全に吹き飛ばした。溶剤は、トルエン、キシレン、アセトンなどの何れでもよい。続いて、脱脂を行ったロール表面にイオンプレーティングによりTiN膜を形成した。形成方法は図4に示すように、脱脂処理を行ったエンボスロール(40)を予め200ー400℃に加熱しておき、次に、該エンボスロールに60ー80Vの電圧をかけて、マイナスに帯電させる。一方、TiN処理チャンバー(50)全体に電圧をかけてプラスに帯電させる。この時、チャンバー内に配置してあるチタンターゲット(51)からプラズマ状のチタンを発生させ、TiN処理チャンバー(50)内に約100sccmの流量で導入した窒素ガスと共にプラスに帯電したTiNがマイナスに帯電したエンボスロール(40)に引き寄せられ、その表面にTiN膜を形成されたエンボスロール得られる。
【0017】
このようにしてシリンダー表面に、銅めっき層、ニッケルめっき層、TiN層がこの順に形成されている構成のエンボスロール金型(20)得られた。
【0018】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、表面硬度が高く、成型面の平滑性と機械的耐久性が良好である上に、TiN層の下層にニッケルめっきを設けたことにより、錆の発生が完全に防止でき、化学的耐久性の優れたエンボスロール金型が提供できる。
従って、本発明のエンボスロール金型を使用したプレス成型において、光学部品としてのレンズシート類を成型する場合、成型品の形状の再現性に優れているために、光学部品としての良好な光学性能を有する製品が得られる。また、金型の耐久性に優れているため、長期の繰り返しのプレス成型においても、エンボスロール金型の変形や腐食等が起こらない。金型寿命が長く、結果的に製品のコストダウンが可能となった。
【0019】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のエンボスロール金型断面を示す説明図である。
【図2】本発明のエンボスロール金型断面を示す説明図である。
【図3】エンボスロール金型の製造工程を示す説明図である。
【図4】イオンプレーティングによるTiN処理を示す説明図である。
【符号の説明】
10,20……エンボスロール金型
13,24,32……シリンダー
12,23,31……銅めっき層
11,21……TiN層
22……ニッケルめっき層
40……エンボスロール
50……TiN処理チャンバー
51……Tiターゲット
52……窒素ガス導入口
53……排気口
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス成型などに用いられるエンボスロ−ル金型に関し、特に金型表面の硬度が高く、化学的耐性の優れたエンボスロール金型及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンボスロ−ル金型を用いた成型品としては、LCD用バックライトやリヤプロジェクションスクリーン等に用いられるプリズムシート、レンチキュラーシート、フレネルシートが例示される。
従来、これらのレンズシート類を成型する方法として、鉄芯に銅めっきを行い、このめっき層をダイヤモンドバイトによる切削加工によってエンボスロール金型を作成し、下記の様な成型方法が取られていた。
【0003】
(1)エクストル−ダによる溶融押出し成型の際に、溶融状態で押し出される樹脂表面にエンボスロール金型を用いて型押しする。
(2)紫外線や電子線硬化性樹脂をエンボスロール金型の成型面に塗工し、透明基材をエンボスロール金型に供給して、前記透明基材を介して紫外線や電離放射線の照射により、前記樹脂を硬化させると同時に樹脂成型物を透明基材に重合接着せしめる。
等が挙げられる。(以下、これらの成型を「プレス成型」と総称する)
【0004】
上記プレス成型にて、光学部品としてのレンズシート類を成型する場合、成型品の形状の再現性や金型の耐久性が光学特性や製品のコストに大きく影響する。従って、長期の繰り返しのプレス成型によって、エンボスロール金型が変形や腐食等の起こらない、安定した形状を再現できるエンボスロール金型が要求される。
【0005】
従来、エンボスロール金型を実用に供する際には、下記の理由により成型面にクロムやニッケル等のめっきを施していた。
(イ)プレス成型時の耐久性(機械的強度)に乏しい。
(ロ)表面が酸化し易く、成型面の平滑性(光沢性)が低下しやすい。
【0006】
そこで、成型面に厚さ2乃至4μm 程度のクロムめっきを施すことによって硬度が向上し(ビッカース硬度約400)、耐久性を向上させることができるが、それでもなお下記のような欠点があった。
(a)レベリング(めっき層の厚さの均一性)が悪く、成型面の形状が切削加工を行った形状に比較して厳密には異なるため、成型品がレンズシートの場合には目的とする光学特性を正確に反映できない。
(b)クロムめっき層は表面にマイクロクラックが入り、成型品表面の光学特性を低下させる。
【0007】
クロムめっきに代えてニッケルめっき(電解ニッケルめっき)を施した場合には、成型面の平滑性は良好であるが、一方で硬度が低下し(ビッカース硬度約300)、耐久性が低下するだけでなく、上記(a)の欠点は依然として残ることになる。
【0008】
上記した理由からエンボスロール金型の表面耐性を向上させるために、本出願人による提案として特開平8ー133306号公報が公知であり、
シリンダーロール表面にニッケルめっき層、銅めっき層、TiN層がこの順に形成されている構成のエンボスロール金型を提案している。
【0009】
上記提案は、エンボスロール金型の成型面の平滑性の向上と、めっき表面の硬度を高いものにすることによって、耐久性の向上を図ったものであるが、銅めっき層の上に直接TiN層を設けると錆が発生しやすいという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような従来技術の欠点を解決し、機械的耐久性のみならず、使用による錆の発生のない化学的耐久性と成型面の平滑性が良好で、エンボスにより得られる成型品の形状が金型の表面形状を良く再現できるエンボスロール金型とその製造方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題は下記の手段によって解決できる。
すなわち本発明は、シリンダーロール表面に、銅めっき層、ニッケルめっき層、TiN層がこの順に形成されている構成のエンボスロール金型であることを特徴とする。
また、そのエンボスロール金型の製造方法は、シリンダーロール表面に、銅めっき層を形成し、その表面を切削加工によってパターンを形成した後、ニッケルめっき層を設け、さらにその表面に、イオンプレーティング法によりTiN層を形成することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
まずはじめに図3に示すように、直径250mmで面長800mmのシリンダー(32)を砥石研磨し、水洗して、希硫酸による活性化を行なった後、その表面に銅めっき層(31)を形成した。めっき層の膜厚は500乃至700μm の範囲が望ましい。使用した硫酸銅めっき浴は、硫酸銅200ー250g/L、硫酸80ー100g/L、光沢剤適量、めっき温度30ー35°Cの組成のものを用いた。
【0013】
銅めっき終了後、めっき層膜厚にバラツキがあることから均一なめっき膜厚にするために、専用の旋盤にセットして、超硬バイトを用いて表面荒さを3μm以下になるように調整し、さらにダイヤモンドバイトを用いて表面荒さが1μm以下になるように下地切削を行った。
【0014】
次に、ダイヤモンドバイト(33)を用いて銅めっき層を切削加工によって所望の形状を有する溝を切削した。
【0015】
エンボスロ−ルを専用旋盤から降ろして、アルカリ脱脂(摂氏40度)を15分以上行い、水洗し、稀塩酸に3乃至5分間浸せきして、再度水洗し、電解脱脂(室温)を2乃至6分間行い、水洗した後、電解ニッケルめっき層を形成した。めっき層の膜厚は1乃至2μm の範囲が望ましい。めっき後、水洗及び湯洗し、乾燥させてた。使用したニッケルめっき浴は、スルファミン酸ニッケル300ー450g/L、硼酸30ー40g/L、塩化ニッケル10ー20g/L、光沢剤適量、pH4.0ー4.5の組成のものを用いた。このニッケルめっき層は電解ニッケルめっきでも、無電解ニッケルめっきでも良く、適宜何れかのめっき法を選択することができる。
【0016】
次に、エンボスロールを有機溶剤液中に浸せきした後、引き上げて液残りの無いように窒素ガンを用いてロール表面の溶剤を完全に吹き飛ばした。溶剤は、トルエン、キシレン、アセトンなどの何れでもよい。続いて、脱脂を行ったロール表面にイオンプレーティングによりTiN膜を形成した。形成方法は図4に示すように、脱脂処理を行ったエンボスロール(40)を予め200ー400℃に加熱しておき、次に、該エンボスロールに60ー80Vの電圧をかけて、マイナスに帯電させる。一方、TiN処理チャンバー(50)全体に電圧をかけてプラスに帯電させる。この時、チャンバー内に配置してあるチタンターゲット(51)からプラズマ状のチタンを発生させ、TiN処理チャンバー(50)内に約100sccmの流量で導入した窒素ガスと共にプラスに帯電したTiNがマイナスに帯電したエンボスロール(40)に引き寄せられ、その表面にTiN膜を形成されたエンボスロール得られる。
【0017】
このようにしてシリンダー表面に、銅めっき層、ニッケルめっき層、TiN層がこの順に形成されている構成のエンボスロール金型(20)得られた。
【0018】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、表面硬度が高く、成型面の平滑性と機械的耐久性が良好である上に、TiN層の下層にニッケルめっきを設けたことにより、錆の発生が完全に防止でき、化学的耐久性の優れたエンボスロール金型が提供できる。
従って、本発明のエンボスロール金型を使用したプレス成型において、光学部品としてのレンズシート類を成型する場合、成型品の形状の再現性に優れているために、光学部品としての良好な光学性能を有する製品が得られる。また、金型の耐久性に優れているため、長期の繰り返しのプレス成型においても、エンボスロール金型の変形や腐食等が起こらない。金型寿命が長く、結果的に製品のコストダウンが可能となった。
【0019】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のエンボスロール金型断面を示す説明図である。
【図2】本発明のエンボスロール金型断面を示す説明図である。
【図3】エンボスロール金型の製造工程を示す説明図である。
【図4】イオンプレーティングによるTiN処理を示す説明図である。
【符号の説明】
10,20……エンボスロール金型
13,24,32……シリンダー
12,23,31……銅めっき層
11,21……TiN層
22……ニッケルめっき層
40……エンボスロール
50……TiN処理チャンバー
51……Tiターゲット
52……窒素ガス導入口
53……排気口
Claims (5)
- シリンダーロール表面に、銅めっき層、ニッケルめっき層、TiN層がこの順に形成されている構成のエンボスロール金型。
- 銅めっき層表面に、切削加工による溝形状からなるパターンが形成されてなる請求項1に記載のエンボスロール金型。
- 前記パターンがV字溝形状、U字溝形状、球面溝形状、非球面溝形状の何れかであることを特徴とする請求項2に記載のエンボスロール金型。
- 前記パターン表面にニッケルめっき層とTiN層がこの順に形成されている構成の請求項1乃至請求項3に記載の何れかのエンボスロール金型。
- (1)シリンダーロール表面に、銅めっき層を形成する工程と、
(2)刃先が所定形状のバイトを用いたネジ切り法による切削加工によって銅めっき層の表面にパターンを形成する工程と、
(3)前記パターン表面に、電解ニッケルめっきまたは無電解ニッケルめっきの何れかによる方法によってニッケルめっき層を形成する工程と、
(4)前記ニッケルめっき層の表面に、イオンプレーティング法により、TiN層を形成する工程とからならるエンボスロール金型の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25879897A JP3608351B2 (ja) | 1997-09-24 | 1997-09-24 | エンボスロール金型とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25879897A JP3608351B2 (ja) | 1997-09-24 | 1997-09-24 | エンボスロール金型とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11100683A JPH11100683A (ja) | 1999-04-13 |
JP3608351B2 true JP3608351B2 (ja) | 2005-01-12 |
Family
ID=17325219
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25879897A Expired - Fee Related JP3608351B2 (ja) | 1997-09-24 | 1997-09-24 | エンボスロール金型とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3608351B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4592244B2 (ja) * | 2002-01-24 | 2010-12-01 | 三菱レイヨン株式会社 | 光学シート製造用金型 |
JP2007316292A (ja) * | 2006-05-25 | 2007-12-06 | Hitachi Chem Co Ltd | 光学シート及び、その光学シートを用いた光源 |
-
1997
- 1997-09-24 JP JP25879897A patent/JP3608351B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11100683A (ja) | 1999-04-13 |
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