JP3606282B2 - 液体噴射装置 - Google Patents
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Description
本発明は、液体噴射装置、それに用いられるバルブユニット及びバルブユニットの製造方法に関するものである。
背景技術
従来、微量の液体をターゲットに噴射する装置として、複数のインク滴を噴射させて印刷するインクジェット式プリンタがある。この種のプリンタは、微少な開口部を有する複数のノズルが形成された記録ヘッドを備え、各ノズルの開口部からインク滴を吐出する。なお、主としてホームユーズとして利用されるこの種の記録装置の多くは、記録ヘッドにインクを供給するための各インクカートリッジが、前記記録ヘッドを搭載したキャリッジ上に着脱可能に装着できるように構成されている。
このような、いわゆるオンキャリッジタイプと称されるプリンタにおいては、比較的大量の印刷を実行しようとする場合には、インクカートリッジの頻繁な交換を余儀なくされる。このために、カートリッジの交換作業に人手を要するだけでなく、結果としてランニングコストも上昇することは免れない。従って、業務用として用いられるプリンタにおいては、大容量のインクカートリッジをキャリッジとは離隔して配置し、前記インクカートリッジから可撓性のチューブを介して、キャリッジに搭載された記録ヘッドにそれぞれインクを供給するような構成(オフキャリッジタイプ)が採用される。
このようなオフキャリッジタイプの構成においては、プリンタサイズ(用紙サイズ)が大きくなるほど、インク供給チューブの引き回し距離が大きくなり、インクカートリッジからキャリッジに至る前記インク供給チューブにおける動圧(圧力損失)が大きくなる。このために、各インク供給チューブの内径が大きなものを採用する必要が生じ、それに応じて発生する各チューブの曲げ抵抗の増加を克服するために、例えばキャリッジの駆動力を一層高める必要が生じ、記録装置が大型化せざるを得ない。
そこで、前記チューブにおける動圧の影響を無くすために、インクカートリッジにおけるインクパックを空気で加圧し、キャリッジに搭載された各サブタンクに対してインクを供給するようにしたインクの加圧供給システムの構成について、本件出願人において既に提案がなされている(例えば、特開2001−199080号公報)。
この加圧供給システムを採用した記録装置によると、各インクカートリッジから加圧空気により各サブタンクに対して常にインクが供給されて、それぞれのサブタンク内には常に一定の範囲のインクが貯留される。これにより、記録ヘッドのより安定したインク滴の吐出作用を保証することができる。
一方、前記各サブタンクには、加圧空気により送られる各インクカートリッジからのインクを、それぞれ所定の液面となるようにして貯留するために、各サブタンクに対して液面検出機構を配置する必要が生ずる。このような液面検出機構を採用する場合においては、液面検出機構のメカニズムの信頼性を向上させるためにコストが上昇することは免れない。また、記録装置の使用環境や、振動を受ける等のアブノーマルな使用条件にも対応するために、その制御系統が複雑化し、更に機構も大型化することは免れない。
また、特開平9−11488号公報には、インクを蓄えるリザーバと、リザーバからインクを受け取ってプリントヘッドに送るための背圧調整器とを備えたインク供給装置が記載されている。この装置では、リザーバとプリントヘッドとの間にノズルが設けられ、リザーバの圧力に応じてそのノズルが弁座により開放されて、インクがプリントヘッドに供給される。また、弁座によりノズルを開放する際には、背圧調整器のダイヤフラム、ダイヤフラムピストン及びレバーを介して弁座がノズルから離間させられるようになっている。
ところが、ダイヤフラムと弁座との間には複数の部品が介在されているため、構成が複雑になって、小型化が難しく、動力伝達のロスが生じやすいという問題があった。
この発明は、前記した技術的な課題に着目してなされたものであり、キャリッジとは別に固定配置した液体収容体からの液体を、キャリッジ側において自己封止機能を有するバルブユニットにおいて受けるように構成した液体噴射装置を提案するものである。これにより、小型かつ低コストにして液体供給の信頼性を向上させることができる液体噴射装置、それに用いられるバルブユニット及びバルブユニットの製造方法を提供することを目的とする。
発明の開示
上記問題点を解決するために、本発明の一実施態様によれば、キャリッジに搭載されてターゲットの幅方向に往復移動される液体噴射ヘッドと、液体収容体から供給路を介して液体の供給を受けると共に、前記液体噴射ヘッドに対して液体を供給するために、前記キャリッジに搭載されたバルブユニットとを備えた液体噴射装置が提供される。前記バルブユニットは、前記供給路を介して前記液体収容体に接続された圧力室と、前記圧力室に液体を供給するために前記供給路を開放又は閉鎖するバルブと、前記供給路を閉鎖する方向へ前記バルブを付勢する付勢部材と、前記圧力室内の液体の減少に伴って発生する負圧に基づいて変位し、その変位を前記バルブに直接伝達することにより、前記付勢部材の付勢力に抗して前記バルブを動作させる可撓性のフィルム部材とを備える。
本発明の別の実施態様によれば、ユニットケースに形成された凹部と、その凹部を被覆する可撓性のフィルム部材とにより圧力室が構成され、前記フィルム部材によって前記圧力室内の液体の減少に伴う負圧を感知して、液体収容体から液体を圧力室に導入するためのバルブを備えたバルブユニットの製造方法が提供される。その製造方法は、前記ユニットケースを加熱する工程と、加熱されたユニットケースの凹部を覆うようにして前記フィルム部材をユニットケースに載置する工程と、前記フィルム部材をユニットケースに対して熱溶着することにより前記圧力室を形成する工程とを有する。
本発明の更に別の実施態様によれば、バルブユニットの別の製造方法が提供される。その方法は、前記フィルム部材の第一表面に受圧板を取り付ける工程と、前記ユニットケースの凹部を覆うようにして前記フィルム部材をユニットケースに載置する工程と、前記フィルム部材をユニットケースに対して熱溶着することにより前記圧力室を形成する工程とを有する。
本発明の別の実施態様によれば、キャリッジに搭載されて記録用紙の幅方向に往復移動される記録ヘッドと、インクカートリッジからインク供給路を介してインクの供給を受けると共に、前記記録ヘッドに対してインクを供給するために、前記キャリッジに搭載されたインク供給用バルブユニットとを備えたインクジェット式記録装置が提供される。前記インク供給用バルブユニットは、前記インク供給路を介して前記インクカートリッジに接続された圧力室と、前記圧力室にインクを供給するために前記インク供給路を開放又は閉鎖するバルブと、前記記録ヘッドによるインクの消費に伴い、圧力室内に発生する負圧を感知して、前記バルブを動作させる駆動体と、前記駆動体に当接して前記圧力室の容積を拡張する方向に付勢する負圧保持バネとを備えている。
本発明の一実施態様によれば、液体を貯留する液体貯留部材と、前記液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体貯留部材から前記液体噴射ヘッドへ前記液体を供給するための液体供給路と、この液体供給路上に設けられ前記液体を一時貯留するバルブユニットとを備えた液体噴射装置が提供される。前記バルブユニットは、前記液体貯留部材から供給される液体が流入する供給室と、前記液体噴射ヘッドへ流出される液体が貯留される圧力室と、前記液体が前記液体噴射ヘッドから噴射されて前記圧力室内に発生した負圧により、前記供給室と前記圧力室とを連通させるバルブとを備えている。前記圧力室には、前記液体噴射ヘッドへと流出する液体出口が、重力方向において、前記圧力室の容積の25%以下の位置に設けられている。
本発明の別の実施態様によれば、液体を貯留する液体貯留部材と、前記液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体貯留部材から前記液体噴射ヘッドへ前記液体を供給するための液体供給路と、この液体供給路上に設けられ前記液体を一時貯留するバルブユニットと、このバルブユニットより上流の前記液体供給路上に配置され、この液体供給路を開閉する流路バルブとを備えた液体噴射装置が提供される。前記バルブユニットは、前記液体貯留部材から供給される液体が流入する供給室と、前記液体噴射ヘッドへ流出される液体が貯留される圧力室と、前記液体が前記液体噴射ヘッドから噴射されて前記圧力室内に発生した負圧により、前記供給室と前記圧力室とを連通させるバルブとを備えている。前記圧力室には、前記液体噴射ヘッドへと流出する液体出口が、重力方向において、前記圧力室の容積の40%以下の位置に設けられている。
本発明の別の実施態様によれば、液体噴射ヘッドが設けられたキャリッジと、前記キャリッジに搭載されて、前記液体噴射ヘッドに供給する液体を収容した液体収容部とを備え、前記液体噴射ヘッドから液体をターゲットに対して噴射する液体噴射装置が提供される。前記液体噴射ヘッドと前記液体収容部との間にバルブユニットが配設されており、前記バルブユニットは、前記液体収容部側に区画された供給室と前記液体噴射ヘッド側に区画された圧力室とを連通または遮断するバルブと、前記供給路を閉鎖する方向へ前記バルブを付勢する付勢部材と、前記圧力室内の液体の減少に伴う負圧を感知して、前記付勢部材の付勢力に抗して、前記バルブにより前記供給室と圧力室とを連通させる駆動体とを備えている。
【図面の簡単な説明】
図1はこの発明の実施に好適に採用し得る第1のインク供給システムを示した模式図。
図2は同じく第2のインク供給システムを示した模式図。
図3は図1に示す第1のインク供給システムを採用した場合の、この発明にかかる第1実施形態のプリンタの全体構成を示した平面図。
図4はバルブユニットと記録ヘッドとをバルブユニットの左方から見た斜視図。
図5はバルブユニットの右方から見た斜視図。
図6はバルブユニットの左側面図。
図7はバルブユニットの右側面図。
図8(a),(b)は図6の8−8線における断面図であり、図8(a)は閉弁状態、図8(b)は開弁状態を示す。
図9はバルブユニットの隔壁に形成された支持孔の構成を示す部分断面図。
図10(a)−(d)は可撓性のフィルム部材をユニットケースに対して熱溶着する場合の第1の好ましい製造工程図であって、図10(a)はユニットケースを熱膨張させた状態、図10(b)はフィルム部材を載置した状態、図10(c)はフィルム部材を熱溶着させた状態、図10(d)はフィルム部材及びユニットケースを冷却した状態を示す。
図11(a)−(c)は第2の好ましい製造工程図であって、図11(a)は受圧板をフィルム部材に張り合わせる状態、図11(b)は受圧板を張り合わせたフィルム部材をユニットケースに載置した状態、図11(c)はフィルム部材を熱溶着させた状態を示す。
図12は他の好ましいインク供給用バルブユニットを示した断面図。
図13(a),(b)はさらに他の好ましいインク供給用バルブユニットを示した図であって、図13(a)はその正面図、図13(b)は図13(a)における13b−13b線に沿った断面図。
図14は本発明の第2実施形態のバルブユニットを右方から見た斜視図。
図15は同じくバルブユニットを左方から見た斜視図。
図16は図14におけるバルブユニットの右側面図。
図17はバルブユニットの左側面図。
図18は図17における18−18線に沿った断面図。
図19は第2実施形態におけるバルブユニットに使用されるフィルム部材を示す要部拡大断面図。
図20は第2実施形態におけるバルブユニットの弁体の断面図。
図21(a),(b)はフィルム部材をユニットケースに対して熱溶着する場合の第3の製造工程図であって、図21(a)は受圧板を張り合わせたフィルム部材をユニットケースに載置した状態を示し、図21(b)はフィルム部材を熱溶着させた状態を示す。
図22(a),(b)は第4の好ましい製造工程図であって、図22(a)は受圧板を張り合わせたフィルム部材をユニットケースに載置した状態を示し、図22(b)はフィルム部材を熱溶着させた状態を示す。
図23は変更例の製造方法に用いられるヒータブロックの断面図。
図24は変更例におけるバルブユニットを左方から見た斜視図。
図25は同じくバルブユニットを右方から見た斜視図。
図26(a),(b)はバルブユニットの変形例を示す断面図であって、図26(a)は閉弁状態を示し、図26(b)は開弁状態を示す。
図27はフィルム部材の移動を規制する規制片の配置状態を示す図。
図28(a),(b)はバルブユニットの更なる変形例を示す断面図であって、図28(a)は閉弁状態を示し、図28(b)は開弁状態を示す。
図29(a),(b)は第3の実施形態におけるバルブユニットを示し、図29(a)は閉弁状態を示し、図29(b)は開弁状態を示す。
図30は負圧保持バネと可動バルブのストロークとの関係を示した拡大断面図である。
図31(a)は変形例におけるバルブユニットの断面図。
図31(b)は別の変形例におけるバルブユニットの断面図。
図32(a)は更に別の変形例におけるバルブユニットの断面図。
図32(b)は図32(a)のバルブユニットに使用する板バネの斜視図である。
図33は第4実施形態における液体噴射装置としてのプリンタの平面図。
図34は第4実施形態のプリンタに搭載されたバルブユニットの斜視図。
図35は図34のバルブユニットを反対側から見た斜視図。
図36は図34のバルブユニットの右側面図。
図37は図34のバルブユニットの左側面図。
図38(a),(b)は図37における38−38線断面図であって、図38(a)は閉弁時、図38(b)は開弁時を示す。
図39は第5実施形態のプリンタに搭載されたバルブユニットの斜視図。
図40(a),(b)は第5実施形態のプリンタに搭載されたバルブユニットであって、図40(a)は平面図、図40(b)は図40(a)における40b−40b線断面図。
図41は液体出口の位置と残留インク濃度の関係を示す図。
図42(a),(b)は第6実施形態のプリンタに搭載されたバルブユニットであって、図42(a)は平面図、図42(b)は図42(a)における42b−42b線断面図。
図43は第6実施形態のプリンタに搭載されたバルブユニットの斜視図。
図44は第7実施形態のプリンタの斜視図。
図45は図44のプリンタの要部を示す部分拡大断面。
図46は図44のプリンタの要部を示す平面図。
図47は図44のプリンタに使用するバルブユニットの左側面図。
図48は同じくバルブユニットの右側面図。
図49はバルブユニットに作用する力を示す概念図。
図50はバルブユニットの高さと圧力損失との関係を示す図。
図51は第8実施形態のプリンタの要部を示す斜視図。
図52は図51におけるプリンタの要部を示す部分拡大断面図。
図53は従来例におけるプリンタの正面図。
図54は図53のプリンタの構成を示す概略図。
図55は第9実施形態におけるプリンタの一部を破断して示す斜視図。
図56は図55のプリンタのキャリッジを左方から見た斜視図。
図57は図55のプリンタのキャリッジを右方から見た斜視図。
図58(a),(b)はインクカートリッジの組付状態を示し、図58(a)は右側面図、図58(b)は図58(a)における58b−58b線断面図。
図59(a),(b)はインクカートリッジの取外し状態を示し、図59(a)は左側面図、図59(b)は図59(a)における59b−59b線断面図。
図60(a),(b)は図59(a)における60−60線断面図であって、図60(a)は閉弁状態を示し、図60(b)は開弁状態を示す。
図61はバルブユニットの支持孔を示す部分拡大断面図。
図62は第10実施形態におけるキャリッジを右方から見た斜視図。
図63は図62のキャリッジを左方から見た斜視図。
図64はインクカートリッジの右側面図。
図65はインクカートリッジの左側面図。
図66(a),(b)は図65における66−66線断面図であって、図66(a)はインクカートリッジの組付状態を示し、図66(b)はインクカートリッジの取外し状態を示す。
発明を実施するための最良の形態
以下、この発明の第1の実施形態にかかる液体噴射装置を具体化したインクジェット式記録装置について、図面に基づいて説明する。まず、図1および図2は、この発明を実施する場合において好適に採用し得る液体噴射装置としての記録装置のインク供給システムの基本構成を示す。図1および図2に示すように、液体収容体としてのインクカートリッジ1は、記録装置の本体側に固定配置されており、インク供給路を構成する可撓性のチューブ2を介して、後述するキャリッジ上に搭載されたバルブユニット3に接続されている。そして、インクカートリッジ1のインクは、バルブユニット3を介して前記キャリッジ上に搭載された記録ヘッド4に供給される。
図1に示したインク供給システムは、空気加圧供給タイプである。すなわち、インクカートリッジ1は、気密状態に形成された外郭ケース7を有しており、この外郭ケース7内にインクを封入した可撓性材料によるインクパック1aが収納されている。そして、前記外郭ケース7とインクパック1aとの間に形成された空間部1bには、空気加圧ポンプ5により生成される加圧空気が導入される。これによりインクパック1aは加圧空気を受け、インクパック1a内に封入されたインクは、チューブ2を介してキャリッジ上のバルブユニット3に供給される。そして、バルブユニット3に供給されたインクは、記録ヘッド4に送られ、同記録ヘッド4から吐出される。
一方、図2に示すインク供給システムは、水頭差によりカートリッジ1からインクを供給するタイプである。すなわち、インクカートリッジ1にはインクを封入した可撓性材料によるインクパック1aが収納されている。このインクカートリッジ1の導出部1cは、重力方向に沿い、バルブユニット3よりも上方に配置されている。これにより発生する水頭差に基づく正圧により、インクパック1a内のインクは、可撓性のチューブ2を介して、キャリッジ上に搭載されたバルブユニット3に供給される。
この発明にかかるインクジェット式記録装置は、前記したいずれのインク供給システムにも利用することができる。そして、図3は図1に示すインク供給システムを採用したインクジェット式記録装置の基本構成を示したものである。図3において、キャリッジは符号11で示され、このキャリッジ11はキャリッジモータ12によって駆動されるタイミングベルト13を介し、走査ガイド部材14に案内されて紙送り部材15の長手方向、すなわち記録用紙の幅方向である主走査方向に往復移動される。そして、図3には示されていないが、キャリッジ11の紙送り部材15に対向する面には、インクジェット式記録ヘッド4(図4参照)が搭載されている。
また、キャリッジ11上には記録ヘッド4にインクを供給するためのバルブユニット3B,3C,3M,3Yが搭載されている。なお、以下の説明においては各バルブユニットを、単に符号3を用いて示す場合もある。バルブユニット3B,3C,3M,3Yは、この実施の形態においては、その内部において各インクを一時的に貯留するために、それぞれのインク(例えば、ブラックインクBと、シアンC、マゼンタM及びイエローYの各カラーインク)に対応して4個、具備されている。
そして、バルブユニット3B,3C,3M,3Yに対し、記録装置の本体側に配置されたカートリッジホルダ17に装着されたインクカートリッジ1B,1C,1M,1Yから、インク供給路を構成する可撓性の各チューブ2をそれぞれ介して、前記したブラックインクおよび各カラーインクが供給される。なお、以下の説明においては各インクカートリッジを、単に符号1を用いて示す場合もある。
一方、前記キャリッジ11の移動経路上における非印字領域(ホームポジョン)には、記録ヘッド4のノズル形成面を封止し得るキャッピング手段18が配置されている。さらにこのキャッピング手段18には、前記記録ヘッド4のノズル形成面に密着してそのノズル形成面を封止し得るゴム等の弾性材料により形成されたキャップ部材18aが配置されている。そして、キャリッジ11がホームポジョンに移動したときに、キャッピング手段18が記録ヘッド4に向かって移動(上昇)して、キャップ部材18aによって記録ヘッド4のノズル形成面が封止される。
このキャップ部材18aは、記録装置の休止期間中において記録ヘッド4のノズル形成面を封止し、ノズル開口の乾燥を防止する。また、このキャップ部材18aの下底部には、クリーニング動作を行うための吸引ポンプ(チューブポンプ)におけるチューブの一端が接続され、そのクリーニング動作時には吸引ポンプによる負圧を記録ヘッド4に作用させて、記録ヘッド4からインクを吸引及び排出させる。
一方、キャッピング手段18の印字領域側には、そのキャッピング手段18に隣接して、ゴム等の弾性材料を短冊状に形成したワイピング部材19が配置されており、必要に応じて記録ヘッド4の移動経路に進出して、ノズル形成面を払拭して清掃する。また、符号5は空気加圧ポンプを示しており、カートリッジホルダ17に装着された状態において、この空気加圧ポンプ5により加圧された空気は、各インクカートリッジ1B,1C,1M,1Yにおける外郭ケース7内に導入される。そして、そのポンプ5の正圧により各インクカートリッジ1B,1C,1M,1Yからのインクを、各チューブ2を介して、キャリッジ11上の各バルブユニット3B,3C,3M,3Yに対して供給する。
図4および図5は、前記したバルブユニット3と、このバルブユニット3からインクの供給を受ける記録ヘッド4の構成を示す。図4および図5においては、説明の便宜上、記録ヘッド4の上部に2つのバルブユニット3がそれぞれ搭載されている状態を示しているが、1つの記録ヘッド4から吐出されるインク色に対応してさらに複数のバルブユニット3が搭載される場合もある。また、図4および図5に示したように、1つの記録ヘッド4に対して2つのバルブユニット3を搭載したものを、複数組備えることもできる。
図4および図5に示すように、バルブユニット3の外郭は、偏平状に形成された合成樹脂製のユニットケース20により構成されており、その一端にはチューブ2が接続される接続部21が形成されている。そして、各インクカートリッジ1から供給されるインクが、接続部21を介してバルブユニット3内に導入される。前記バルブユニット3には、図4に示されたように、その一側面に駆動体を構成する可撓性のフィルム部材22が熱溶着により貼着されて、後述する圧力室34の一部を構成している。
また、フィルム部材22は、負圧状態を効率的に感知できるように軟質であると共に、インク性状に化学的な影響を及ぼさないこと、更に水分透過度や、酸素や窒素透過度の低い材質であることが重要である。そこで、フィルム部材22は、高密度ポリエチレンフィルムあるいはポリプロピレンフィルムに、塩化ビニリデン(サラン)をコーティングしたナイロンフィルムを接着ラミネートした構成であることが望ましい。
また、前記フィルム部材22の中央部には、そのフィルム部材22に比較して硬質の材料により形成された受圧板23が取り付けられている。この受圧板23は、印刷動作等によりキャリッジが動いた場合に、受圧板23自体の自重とキャリッジの加速度とによりフィルム部材22を動かして圧力室34内の圧力を変化させることがないように、軽量であることが必要である。そこで、受圧板23はポリエチレンやポリプロピレンといったプラスチック材料で形成することが望ましい。
この受圧板23は、フィルム部材22がユニットケース20に取り付けられる前に、前記フィルム部材22に対して熱溶着により、あらかじめ取り付けるようにしてもよく、また、フィルム部材22をユニットケース20に取り付けた後、そのフィルム部材22に接着剤、あるいは両面接着テープ等により取り付けるようにしてもよい。この受圧板23は、図に示す実施の形態においては、円板状に形成されているが、特に円板状のものに限られることはない。しかしながら、バルブユニット3内に形成される圧力室34が、後述するようにごく薄い円筒状の空間を形成する場合においては、前記受圧板23として円板状のものを用い、受圧板23を圧力室34に対して同心円状に配置することが望ましい。
前記バルブユニット3には、図5に示されたようにインク導出部24が形成されており、このインク導出部24と記録ヘッド4のヘッド支持体26との間には、円環状の接続部材25が介在されている。そして、バルブユニット3より接続部材25を介して記録ヘッド4に対して、それぞれインクが供給される。
前記バルブユニット3の外郭を構成するユニットケース20には、図7に示されたように溝状のインク導入路31が形成されている。チューブ2を介して接続部21から供給されるインクは、インク導入路31を介して、ユニットケース20のほぼ中央部に形成されたインク供給室32に供給される。
このインク供給室32は、図8に示されたように小容積の円筒状空間により構成されており、そのインク供給室32には、バネ受け座33がユニットケース20の側面において嵌め込まれる。そして、バネ受け座33を嵌め込んだ状態で、インク供給室32およびインク導入路31を覆うように、フィルム部材37をユニットケース20に対して熱溶着することで、インク供給室32およびインク導入路31が密閉される。
また、インク供給室32と圧力室34とを区画するように、両者の間には隔壁35が形成されており、この隔壁35には、開閉弁を構成する可動バルブ38を摺動可能に支持するための支持孔36が形成されている。前記可動バルブ38は、板状部材38aと、この板状部材38aの中央部に一体に成形されて前記支持孔36内を摺動移動するロッド部材38bより構成されている。
さらに、前記板状部材38aとバネ受け座33との間には、付勢部材としてのコイル状のシールバネ39が配置されており、このシールバネ39の作用により、板状部材38aは前記隔壁35側に、すなわち、インク供給孔42を閉鎖する方向に、僅かな押圧力をもって付勢される。
一方、前記隔壁35には、前記支持孔36を囲むようにして円環状に形成されたゴム製のシール部材41が熱溶着などにより取り付けられている。したがって、可動バルブ38における前記板状部材38aは、シールバネ39の付勢力によりシール部材41に当接する。なお、前記シール部材41はOリング等でもよいが、エラストマー樹脂等をユニットケース20と2色成形により一体に成形してシール部材として使用してもよい。
前記隔壁35の支持孔36には、図9に拡大して示したように支持孔36の周囲に沿って間欠的に複数の切欠き孔42aが形成され、それらの切欠き孔42aにより、前記インク供給室32から圧力室34に至るインク供給孔42が構成されている。なお、図9に示す実施の形態においては、支持孔36の周囲に沿って4つの切欠き孔42aが形成されている。そして、前記シール部材41は、インク供給孔42の外側を囲むようにして、前記隔壁35に設けられている。
一方、ユニットケース20の圧力室34は、ユニットケース20を円筒状にくりぬいた凹部44により構成されている。そして、ユニットケース20の前記凹部44が形成された面には、前記したフィルム部材22が熱溶着手段により密着した状態で取り付けられている。すなわち、圧力室34はユニットケース20に形成された前記凹部44と、これを覆うフィルム部材22とにより構成されている。
前記圧力室34の出口45は、図6に示されたように重力方向における最上部に形成されている。そして、圧力室の出口45に連通するインク導出路46が、前記凹部44に沿って円弧状に形成されている。なお、前記圧力室34の出口45とインク導出路46は、それぞれに対応してユニットケース20に形成された溝部分と、それらの溝部分を覆う前記フィルム部材22とから構成されている。そして、インク導出路46はインク導出部24の近傍においてユニットケース20の内部を貫通してインク導出部24に接続されている。インク導出部24においては鉛直方向にインクが導出され、前記のように記録ヘッド4に対してインクが供給される。
以上の構成において、図1または図2に示したインク供給システムを利用することで、前記バルブユニット3には、正圧によりインクが供給される。この場合のインクの供給流速は、記録ヘッド4が印刷動作において消費するインク量を賄える程度に設定されていればよい。また、前記したクリーニング動作の実行時には、キャッピング手段18を利用して記録ヘッド4のノズル形成面を吸引するため、バルブユニット3に供給されるインクの流速はより増大する。
ここで、前記記録ヘッド4が非印刷状態、すなわちインクを消費しない状態においては、バルブユニット3における前記シールバネ39によるバネ荷重W1(図示略)が、可動バルブ38における板状部材38aに加わっており、また、前記板状部材38aにはインク供給室32に供給されるインクの加圧力P1(図示略)も加わっている。これにより、前記板状部材38aは図8(a)に示されたように、シール部材41に当接し、可動バルブ38は閉弁状態になる。すなわち、バルブユニット3は自己封止の状態になる。
一方、前記記録ヘッド4が印刷状態となり、インクを消費した場合においては、圧力室34内のインクの減少に伴い前記フィルム部材22がユニットケース20の凹部44側に変位し、フィルム部材22の中央部が可動バルブ38のロッド部材38bの端部に当接する。この時のフィルム部材22の変位に対する変位反力をWd(図示略)で表す。そして、記録ヘッド4においてさらにインクが消費されることにより、圧力室34内には負圧P2(図示略)が発生する。そして、その負圧P2が、バネ荷重W1、インクの加圧力P及びフィルム部材22の変位反力Wdの和よりも大きくなった場合、すなわち、
P2>W1+P1+Wdの関係が成立した場合に、フィルム部材22がロッド部材38bを押圧し、これにより、板状部材38aによるシール部材41への当接が解かれ、図8(b)に示されたように、可動バルブ38は開弁状態になる。
したがって、インク供給室32内におけるインクは、インク供給孔42を介して圧力室34内に供給され、圧力室34の負圧は解消される。これに伴い、可動バルブ38が移動して図8(a)に示されたように再び閉弁状態に切り換えられ、インク供給室32から圧力室34へのインクの供給は停止される。
なお、前記可動バルブ38は、図8(a)および図8(b)に示す状態の間で、頻繁に切り換えられるということはなく、印刷動作中においては、フィルム部材22は可動バルブ38のロッド部材38bの端部に当接した均衡状態を保ち、インクの消費にしたがって僅かに開弁しつつ、圧力室34に対してインクを逐次補給するように作用する。
前記受圧板23は、前記フィルム部材22の変位作用を受圧板23の全面積において受けることができる。したがって、フィルム部材22の変位作用を確実に可動バルブ38に伝達させることができ、可動バルブ38の動作の信頼性を向上させることができる。また、前記した実施の形態においては、圧力室34の出口45が重力方向に沿ってその最上部に形成されているので、例えば記録装置に初めてインクを導入する初期充填時において、圧力室34内に空気(気泡)を残さずにインクを充填することができる。
換言すれば、圧力室34内に空気が存在する場合においては、環境温度の変化により気泡の体積が変化することとなり、これに基づいて圧力室34内の内圧が変化するという問題が発生し、正常な弁の動作を期待することができなくなる。それ故、圧力室34の出口45を、重力方向に沿ってその最上部に形成させることは、この種のインク供給用バルブユニットにおいて、重要な要件となる。
また、第1実施形態では、インクカートリッジ1から記録ヘッド4に至るインクの供給系は密閉経路から構成され、この密閉経路内にインクを充填させることができる。したがって、この構成によると、脱気インクを用いることにより、インクの供給系に僅かに残る気泡等もインクに吸収させることが可能となる。したがって、気泡の存在により環境温度の変化に基づいて生じる前記の開閉弁動作の信頼性の低下を解消することができると共に、インク供給系に残留する気泡により、いわゆるドット抜けと称する印刷不良の発生度合いも遥かに低減させることができる。
次に、図10(a)乃至(d)は、前記したバルブユニット3の製造方法、特にバルブユニット3の圧力室34の一部を構成する可撓性のフィルム部材22を、ユニットケース20に対して熱溶着する場合の好ましい製造工程を示している。前記フィルム部材22は、負圧検出のバラツキを低減させるため、また、圧力室34の小型化を図るために、ユニットケース20に対して適度にたわみをもたせて熱溶着することが重要な課題となる。
図10(a)乃至(d)に示す製造工程によると、ユニットケース20を加熱することで膨張せしめ、この状態でフィルム部材22をユニットケース20に対して熱溶着させることで、常温の使用状態においては、フィルム部材22は適度にたわみをもった状態になされる。
すなわち、図10(a)に示すように、先ずユニットケース20を、加熱用のヒータブロック51上に、圧力室34を構成する凹部44が上面となるようにして載置する。これにより、ユニットケース20はヒータブロック51により加熱され、図10(a)に示す矢印C方向、すなわち両外側に向かって熱膨張する。続いて、図10(b)に示すように、加熱された状態のユニットケース20における凹部44を覆うようにして、フィルム部材22を載置する。
次に、図10(c)に示すように、フィルム部材22の上部から熱溶着用のヒータブロック52を下降させて、適度な圧力を加えることで、フィルム部材22をユニットケース20に対して熱溶着させる。そして、図10(d)に示すように、ユニットケース20を各ヒータブロック51,52から取り外し、常温まで自然冷却させることにより、ユニットケース20の熱膨張は解消し、若干収縮する。これにより、適度なたわみを持ってフィルム部材22を熱溶着させたユニットケースを得ることができる。
次に、図11(a)乃至(c)は、可撓性のフィルム部材22をユニットケース20に対して熱溶着する場合の他の好ましい製造工程を示している。図11(a)乃至(c)に示す製造工程においては、フィルム部材22に取り付けられた受圧板23の厚さを利用して、フィルム部材22を適度にたわませた状態で、ユニットケース20に対してフィルム部材22を熱溶着させることができる。
すなわち、図11(a)に示すように、先ず、フィルム部材22の一面に対して、受圧板23を取り付ける。この場合、受圧板23は前記フィルム部材22に対して、接着剤または両面接着テープ等により取り付けるようにしてもよいが、受圧板23に対してフィルム部材22を熱溶着により取り付けるようにすることが好ましい。
受圧板23を取り付けたフィルム部材22は、図11(b)に示すように、凹部44が上面となるようにして配置されたユニットケース20に対して、受圧板23が上となるようにして載置される。この状態で、図11(c)に示すように、フィルム部材22の上部から熱溶着用のヒータブロック52を下降させて、適度な圧力を加えることで、フィルム部材22をユニットケース20に対して熱溶着させる。
この場合、図11(c)に示したヒータブロック52の下面は平坦な一つの面によって形成されているため、熱溶着の工程において、受圧板23が取り付けられたフィルム部材22の中央部は、受圧板23の厚さに対応して凹部44側に押し込められる。その状態で、フィルム部材22の周縁部がヒータブロック52によってユニットケース20に熱溶着される。これにより、適度なたわみを持ってフィルム部材22を熱溶着させたユニットケース20を得ることができる。
次に、フィルム部材22を熱溶着したユニットケース20のユニットケース20のインク供給室32には、図8に示す可動バルブ38と、シールバネ39とを挿入し、バネ受け座33をインク供給室32の端面に嵌め込み、更にインク供給室32とインク導入路31をフィルム部材37によって密閉することで、バルブユニット3を得ることができる。
図12は、バルブユニット3の他の好ましい形態を断面図で示したものである。なお、図12に示すバルブユニット3の基本構成は、既に説明した図8に示されており、その主要部を同一部号で示している。図12に示すバルブユニット3においては、ユニットケース20に熱溶着された前記フィルム部材22の外面が水分非透過性のフィルム部材54でさらに被覆されている。
すなわち、圧力室34の一部を構成するフィルム部材22においては、負圧状態を効率的に感知することができるように軟質の材料が利用され、且つインク性状に化学的な影響を及ぼさない材料が選択されている。したがって、フィルム部材22としては、前記したように高密度ポリエチレンまたはポリプロピレンを好適に利用することができる。しかしながら、前記材料は若干の水分透過性を有しているため、圧力室34内のインクから蒸発した水分が圧力室34から外部へ散逸するという技術的な課題がある。
そこで、図12に示したように、フィルム部材22の外面を水分非透過性のフィルム部材54でさらに被覆することで、圧力室34内のインクから蒸発した水分が圧力室34の外部へ散逸する度合いを低減するようにしている。前記した水分非透過性のフィルム部材54としては、アルミニュウム箔または高分子フィルムにアルミニュウム蒸着を施したものを採用することができる。
また、同じ目的で図13(a),(b)に示したバルブユニット3も好適に採用することができる。なお、図13(a),(b)に示すバルブユニット3の基本構成は、既に説明した図6〜図8に示されており、その主要部を同一部号で示している。
すなわち、図13に示す形態においては、図6〜図8に示した形態に対して、フィルム部材22の外面を封止する蓋体56が具備されている。この蓋体56の一部には貫通孔57が形成されており、この貫通孔57に連通して蓋体56の表面には、蛇行する一つの溝部58が形成されている。そして、前記溝部58の端部は蓋体56に形成された有底の孔59に連通されている。また、前記貫通孔57、溝部58、及び孔59は、一枚のフィルム部材60により覆われている。この場合、好ましくは前記フィルム部材60は、熱溶着手段により蓋体56に対して貼着される。そして、孔59を覆うフィルム部材60を鋭利な工具等で破壊することで、大気開放口が形成される。
従って、バルブユニット3における圧力室34の一部を構成するフィルム部材22は、前記蓋体56によって気密状態に覆われ、蓋体56に形成された前記貫通孔57及び溝部58をフィルム部材60により覆うことにより形成された空気流通路(溝部と同じ符号58で示す)を介して、大気開放口(有底の孔と同じ符号59で示す)に連通されている。
この構成によると、蓋体56の内部は、蓋体56の貫通孔57、空気流通路58、および大気開放口59を介して、圧力室34が大気に開放されているため、蓋体56内の圧力は一定に保たれ、問題は発生しない。また、圧力室34の一部を構成するフィルム部材22を介した水分の散逸は、長大な空気流通路58を介するために効果的に抑制される。
次に、本発明を具体化した液体噴射装置の第2実施形態を図14〜図22に従って説明する。なお、本実施形態は、上記第1の実施形態のバルブユニット3の構成が異なるだけであるので、本実施形態では上述の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付しその詳細な説明は省略する。
第2実施形態のバルブユニット3においては、図14〜図17に示すように、そのユニットケース20の上部に、チューブ2を接続するための接続部21が形成され、同ユニットケース20の下部に、インク導出部24が設けられている。また、ユニットケース20の第一側面には、フィルタ室用凹部61、中央凹部62、この中央凹部62に連通する第1溝部63及びこれらと離隔した第2溝部64が形成されている。ユニットケース20の第一側面には、フィルム部材37が、フィルタ室用凹部61、中央凹部62及び第1,第2溝部63,64を覆うように熱溶着されている。そのため、フィルタ室用凹部61はフィルタ収容室66となり、第1溝部63がインク導入路31となり、第2溝部64がインク導出路46となる。
また、フィルタ室用凹部61の下部には、図18に示すように、貫通孔h1が形成されるとともに、この貫通孔h1に向かうにつれて第一側面からの深さが増加する傾斜面を有した傾斜部61aが形成されている。そして、この傾斜部61aを覆うように、フィルタ部材67が、フィルタ室用凹部61の重力方向に沿ってその下部に対して熱溶着により固定されている。従って、フィルタ収容室66内には、フィルタ部材67の上方に気泡が停滞する気泡停滞部66aが形成されている。なお、フィルタ部材67は、綾織りのステンレススチール又は不織布などから成る。
図14及び図16に示すように、ユニットケース20の第一側面とは反対側の第二側面には、圧力室34を形成する凹部69、前記フィルタ室用凹部61と第1溝部63とを連通するための第3溝部70が形成されている。そして、第二側面にはフィルム部材72が熱溶着され、そのフィルム部材72によって凹部69が圧力室34とされ、かつ第3溝部70がインク導入路31の一部とされる。本実施形態では、このフィルム部材72は、高密度ポリエチレン又はポリプロピレンに、アルミナ(Al2O3)蒸着を施したPET(ポリエチレン−テレフタレート)を張り合わせたものである。なお、PETに蒸着されたアルミナがガスバリア層に相当する。また、PETは、湿度変化などの環境変化に対して、寸法変化、剛性の変化が小さく、同じ圧力に対して同様な撓みを呈する材料である。本実施形態では、図19に示すように、このフィルム部材72は、高密度ポリエチレン又はポリプロピレンのフィルムS1を20μm、アルミナ蒸着層S2を500オングストローム、PETのフィルムS3を12μmの厚さとしたものを使用する。
また、第2実施形態の可動バルブ38には、図20に示すように、上記第1実施形態ではユニットケース20に設けられていたシール部材41が、一体成形されている。また、受圧板23は、上記第1実施形態と同様に、ポリエチレンやポリプロピレンといったプラスチック材料で形成され、その厚みは例えば0.8mm程度となっている。
次に、第2実施形態のバルブユニット3の製造方法について、図21(a),(b)及び図22(a),(b)を参照して説明する。まず、図21(a),(b)を参照しながら、バルブユニット3の一部を構成する可撓性のフィルム部材72をユニットケース20に対して熱溶着する製造方法について述べる。
図21(a)に示すように、受圧板23を張り合わせたフィルム部材72をユニットケース20に載置し、フィルム部材72に対してヒータブロック52を下降させる。本実施形態のヒータブロック52には、中央に、断熱材料からなる突部52aが設けられている。すなわち、ヒータブロック52が下降して適度の圧力がフィルム部材72に加えられた際には、図21(b)に示すように、突部52aが受圧板23を押圧する。この状態で、ヒータブロック52はフィルム部材72をユニットケース20に圧着し、フィルム部材72をユニットケース20に熱溶着させる。従って、ユニットケース20からヒータブロック52を取り外すと、十分な撓みを有するフィルム部材72が熱溶着されたユニットケース20が得られる。
または、バルブユニット3の製造に当たり、図22(b)に示すように、中央に吸着孔52bが形成されたヒータブロック52を用いることもできる。この場合においても、まず、図22(a)に示すように、ユニットケース20に受圧板23が貼着されたフィルム部材72を載置する。
そして、図22(b)に示すように、ヒータブロック52を降下させるとともに、ヒータブロック52とユニットケース20との間の空気を、前記吸着孔52bから排気する。これにより、受圧板23が吸着孔52bに吸着された状態となる。この状態で、ヒータブロック52はフィルム部材72をユニットケース20に圧着して熱溶着させる。そして、ヒータブロック52を取り外すと、十分な撓みを持ったフィルム部材72が熱溶着されたユニットケース20が得られる。
以上、第2実施形態においては、上記第1実施形態と同様な効果が得られるとともに、以下の効果を得ることができる。
第2実施形態においては、インク導出部24からインク供給室32の途中に、フィルタ収容室66を設け、このフィルタ収容室66にフィルタ部材67を設けた。従って、フィルタ部材67によりゴミなどの異物を捕集することができるので、異物混入によるシール部材41のシール不良を低減することができる。
また、フィルタ部材67をフィルタ収容室66の下部に配置し、フィルタ部材67の上方に空間を形成したので、図17の二点鎖線で示すように気泡buは、フィルタ部材67の上方の気泡停滞部66aに浮力により停滞する。従って、フィルタ収容室66内の気泡は、貫通孔h1に進入し難く、インクをインク供給室32及び圧力室34に、より確実に供給することができるとともに、可動バルブ38の動きをより確実に行わせることができる。
第2実施形態では、フィルタ部材67が配設されたフィルタ収容室66の下部に、インク供給室32に続く貫通孔h1が接続されている。気泡buがフィルタ部材67を通過するには大きな抵抗を受けるので、フィルタ収容室66に気泡buが残った場合、多少の衝撃を受けても、下方へと移動し難い。従って、フィルタ収容室66内に残留した気泡buが、フィルタ収容室66の下部に位置する貫通孔h1を介してインク供給室32へと進入することは、一層困難である。そのため、インクをインク供給室32及び圧力室34により確実に供給することができ、かつ印刷途中で気泡buを記録ヘッド4へと流出させることがない。
第2実施形態のフィルム部材72は、図19に示すように、アルミナ蒸着層が合成樹脂フィルムの間(高密度ポリエチレン又はポリプロピレンフィルムと、PETフィルムとの間)に挟まれた状態となっている。従って、フィルム部材27は軟質な合成樹脂から形成されていて、液体の吐出による小さい負圧により容易に変位するので、開閉弁を確実に開くことができる。また、合成樹脂フィルムの間にアルミナ蒸着層S2が設けられているので、フィルム部材72をガス透過度の低い材質にすることができ、水分蒸発などによる圧力室34内の液体の性状や粘度などの変化が少ない。更に、アルミナ蒸着層S2は、アルミニウム酸化物からなっているため、圧力室34内のインクに影響を与える可能性のある材料であるが、合成樹脂フィルムに挟まれているので、液体の性状に化学的な変化を及ぼすことがない。従って、バルブユニット3の動作信頼性を向上することができる。
第2実施形態のフィルム部材72は、高密度ポリエチレン又はポリプロピレンフィルムに、アルミナ蒸着を施したPETフィルムを貼り合わせたものとした。このような材質のフィルム部材72を用いることにより、湿度変化などの環境変化に対して、寸法変化、剛性の変化が小さく、同じ圧力に対して同様な撓みをほとんど常に得ることができる。また、このフィルム部材72は、ガス透過性及び水分透過性が低いので、フィルム部材72を介した水分の蒸発やガスの混入などを抑えることができる。従って、フィルム部材72により区画されている圧力室34内のインクの粘度変化や気泡の発生を抑えることができる。
第2実施形態においては、図20に示すように、可動バルブ38にシール部材41を一体形成した。シール部材41は、ユニットケース20に溶着されずに、可動バルブ38に一体形成されている。一般に、ユニットケース20にシール部材41及びフィルム部材22,37を溶着するには、それらの材質を同じにすることが望ましい。しかし、本実施形態のように、シール部材41を可動バルブ38に一体成型することにより、ユニットケース20がシール部材41と全く異なる材料で形成されていても、良好なシール性を確保できる。従って、ユニットケース20及びこれに溶着するフィルム部材72,37の材質の選択の幅が広がり、より低コストの材質を選択することが可能となる。
第2実施形態の受圧板23は、その厚みが0.8mm以上のポリエチレンやポリプロピレンといったプラスチック材料で形成した。従って、その受圧板23をフィルム部材72,37に容易に熱溶着するために、フィルム部材72,37とほぼ同質で可撓性の材料で形成しても、十分な剛性を得ることができる。そのため、受圧板23自体が変形せずに、圧力室34の圧力変化を受けて、可動バルブ38をより確実に作動させることができる。
図21(a),(b)に示す第2実施形態の製造方法において、フィルム部材72をユニットケース20に熱溶着するために用いられるヒータブロック52は、その中央に突部52aを有している。従って、この突部52aが受圧板23を押圧した状態で、フィルム部材72がユニットケース20に溶着される。すなわち、フィルム部材72が撓みをもってユニットケース20に溶着されたバルブユニット3を得ることができる。従って、その撓みにより、圧力室34内に負圧が発生してフィルム部材72が可動バルブ38を押圧する際の反力を極力抑えることができる。また、環境変化が生じてもフィルム部材72が緊張することなく、フィルム部材72の反力を極力抑えて、フィルム部材72の作動圧力を均一に保つことができる。
第2実施形態において、受圧板23を押圧するヒータブロック52の突部52aは、断熱材料からなる。そのため、受圧板23を介してフィルム部材72に熱が伝わり難く、必要な部分のみを容易に熱溶着することができる。
図22(a),(b)に示すように、第2実施形態においては、ヒータブロック52の中央に、吸着孔52bを設けた。従って、この吸着孔52bから空気が排気されて、吸着孔52bに受圧板23が吸着させられる。この状態で、フィルム部材72をユニットケース20に溶着するので、簡単な構成で、十分な撓みをもたせた状態のフィルム部材72を、ユニットケース20に溶着することができる。従って、圧力室34内に負圧が発生してフィルム部材72が可動バルブ38を押圧する際の反力を極力抑えることができ、フィルム部材72の作動圧力を均一に保つことができる。
なお、上記第1及び第2実施形態は以下のように変更してもよい。
第2実施形態において、フィルタ収容室66内に設けるフィルタ部材67の大きさや形状を変更すること。
第2実施形態において、受圧板23をフィルム部材72の外側に設ける代わりに、内側(ユニットケース20側)に設けてもよい。
第2実施形態において、図23に示すように、ヒータブロック52に複数の突部52aを設けて、これら突部52aにより受圧板23が複数箇所で押圧された状態で、ユニットケース20にフィルム部材72が熱溶着されるようにしてもよい。また、ヒータブロック52に環状の突部を設けて、この突部で受圧板23を押圧して、ユニットケース20にフィルム部材72が熱溶着されるようにしてもよい。
第2実施形態において、図24及び図25に示すようにユニットケース20のフィルタ室用凹部61、凹部62及び溝部63,64などの間、溝部64の外側、凹部69の外側に、軽量化を図るために凹部75を設けてもよい。この場合、キャリッジ11がその分だけ軽量化になるので、これを稼働する機構の負荷を小さくすることができ、記録装置を小さくすることができる。
第2実施形態においては、突部52aを断熱材で形成するようにしたが、この突部52aを突部52a以外の部分と同じ材料で一体形成してもよい。
第2実施形態のフィルム部材72を、高密度ポリエチレン又はポリプロピレンに、シリカ(SiOx)蒸着を施したPETを貼り合わせたものとすること。あるいは、シリカ蒸着又はアルミナ蒸着を施したPS(ポリスチレン)を高密度ポリエチレン又はポリプロピレンに貼り合わせたものを使用してもよい。
各実施形態においては、液体噴射装置として、インクを吐出するプリンタ(ファクス、コピー機等を含む印刷装置)について説明したが、他の液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。例えば、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。
さらに、図26(a),(b)及び図27に示すように、例えば、クリーニング動作時に圧力室34内の圧力が大幅に減圧されたとき、フィルム部材22の変位を規制するため、受圧板23に対向して複数の規制突起76を凹部44の底面に形成しても良い。この変形例の突起76は4個の円弧状の突起からなり、ロッド部材38bを包囲するように凹部44の底面から突出している。隣接する2つの規制突起76の間にはインクの通路が形成されている。これらの規制突起76はロッド部材38bの軸線と同心の円周上に配置されている。各規制突起76とフィルム部材22との間隔Hは、閉弁状態において可動バルブ38の板状部材38aがシール部材41に当接したときに、板状部材38aとバネ受け座33との間に形成される隙間Gよりも小さく設定されている。
従って、圧力室34内が減圧されることにより、フィルム部材22が変位する時、受圧板23がフィルム部材22を介してロッド部材38bに当接し、可動バルブ38をシールバネ39の付勢力に抗して移動させ、可動バルブ38を開弁状態に切り換える。この状態において、インク供給室32から支持孔36を通ってロッド部材38bの近傍へ移動したインクは、規制突起76の間の通路を通って圧力室34のほぼ全体に分散される。
その後、受圧板23がフィルム部材22を介して規制突起76に当接すると、フィルム部材22のそれ以上の変位が規制される。従って、この変形例によれば、例えば、クリーニング時に圧力室34内が大幅に減圧された場合でも、可動バルブ38のロッド部材38bに大きな荷重が加わることがなく、そのロッド部材38bの変形や折れを未然に防止することができる。
また、この変形例では、各規制突起76の高さHが隙間Gよりも小さく形成されているため、フィルム部材22の変位が規制された時でも、可動バルブ38の板状部材38aとバネ受け座33との間に隙間が確保される、よって、シールバネ39が必要以上に圧縮されることがない。
図28(a),(b)に示す更なる変形例では、受圧板及び各規制突起の構成が図26(a),(b)の変形例と異なっている。すなわち、更なる変形例では、前記受圧板23がフィルム部材22の内面に装着され、前記各規制突起76がその受圧板23から凹部44の底面に向かって突設されている。そして、各規制突起76と凹部44の底面との間の間隔Iは、閉弁状態において可動バルブ38の板状部材38aがシール部材41に当接したときに、板状部材38aとバネ受け座33との間に形成される隙間Gよりも小さく設定されている。
従って、この変形例においては、フィルム部材22の変位に伴い、可動バルブが開弁状態に切り換えられた後、図28(b)に示すように、受圧板23上の規制突起76が凹部44の底面に当接すると、フィルム部材22のそれ以上の変位が規制される。そのため、この変形例においても、図26(a),(b)の変形例と同様の効果が得られる。
次に、本発明を具体化した第3の実施形態について、前記各実施形態との相違点を中心に、図29(a),(b)及び図30に従って説明する。
図29(a),(b)に示すように、前記圧力室34内にはコイル状の負圧保持バネ40が、可動バルブ38のロッド部材38bを取り巻くようにして配置されている。この負圧保持バネ40は、前記隔壁35に形成された円環状の凸部によって、その一端が保持されており、その他端は前記フィルム部材22に当接している。従って、負圧保持バネ40の付勢方向は、フィルム部材22に取り付けられた前記受圧板23の移動方向に一致し、その付勢力は前記圧力室34の容積を拡張する方向に作用する。
負圧保持バネ40のコイル径は、前記したシールバネ39のコイル径とほぼ同寸法で、比較的小径である。したがって、負圧保持バネ40はフィルム部材22を介して、前記受圧板23のほぼ中央部に当接する。
第3実施形態のインク供給用バルブユニット3には、図1または図2に示したインク供給システムを利用することで、前記各実施形態と同様に、正圧によりインクが供給される。また、クリーニング動作の実行時には、キャッピング手段18を利用して記録ヘッド4のノズル形成面を吸引するため、バルブユニット3に供給されるインクの流速はより増大する。
ここで、前記記録ヘッド4が非印刷状態、すなわちインクを消費しない状態においては、バルブユニット3における前記シールバネ39によるバネ荷重W1(図示略)が、可動バルブ38における前記板状部材38aに加わっており、また、前記板状部材38aにはインク供給室32に供給されるインクの加圧力P1(図示略)も加わる。これにより、前記板状部材38aは図29(a)に示されたように、シール部材41に当接して、可動バルブ38は閉弁状態になる。すなわち、バルブユニット3は自己封止の状態になる。
一方、前記記録ヘッド4が印刷状態となり、インクを消費した場合においては、圧力室34のインクの減少に伴い前記フィルム部材22が凹部44側に変位し、これに取り付けられた受圧板23は、圧力室34の容積を縮小する方向に移動する。この時、前記負圧保持バネ40が圧縮されると共に、受圧板23の中央部がフィルム部材22を介して可動バルブ38のロッド部材38bの端部に当接する。
この時の負圧保持バネ40のバネ荷重をW2(図示略)で表し、フィルム部材22の変位に対する変位反力をWd(図示略)で表す。そして、記録ヘッド4においてさらにインクが消費されることにより、圧力室34内には負圧P2が発生する。そして、P2>W1+P1+Wd+W2の関係が成立した場合に、フィルム部材22がロッド部材38bを押圧し、これにより、板状部材38aによるシール部材41の当接が解かれ、図29(b)に示されたように、可動バルブ38は開弁状態になる。
したがって、インク供給室32内におけるインクは、インク供給室32から圧力室34に至るインク供給孔42を介して圧力室34内に補給され、圧力室34内へのインクの流入により圧力室34の負圧は解消される。これに伴い、可動バルブ38が移動して図29(a)に示されたように再び閉弁状態にされ、インク供給室32から圧力室34へのインクの補給は停止される。
前記のように、負圧保持バネ40は、フィルム部材22に当接して受圧板23を押圧し、圧力室34の容積を拡張する方向に付勢している。したがって、例えばキャリッジの往復移動により、前記受圧板23が多少の加減速作用を受けても、前記受圧板23が妄りに移動するおそれがない。これにより、前記可動バルブ38に誤動作が生じるおそれを効果的に低減することができる。
また、負圧保持バネ40は、インクがその重力により圧力室34の下方に集まって前記フィルム部材22をより外側に膨出させるという現象も、効果的に抑制する。すなわち、負圧保持バネ40は、圧力室34を常に若干の負圧状態に維持する作用を備えているので、フィルム部材22に取り付けられた受圧板23を、常に垂直状態に維持させるように働く。これにより、前記可動バルブ38の誤動作を効果的に低減させることができる。
さらに、前記圧力室34内にインクが補給された場合においても、前記負圧保持バネ40が拡張しつつ圧力室34を若干の負圧状態に保つように作用するので、圧力室34内の圧力変動を低減させることができる。これにより、記録ヘッドからの正常なインク滴の吐出動作を保証することができる。
加えて、この実施の形態によると、負圧保持バネ40とシールバネ39とによるバネ荷重が可動バルブに加えられることにより、前記圧力室34の負圧状態が確保されるようになっている。換言すれば、バネ荷重を前記負圧保持バネ40とシールバネ39とに分割させることができ、したがって、閉弁状態において可動バルブ38をシール部材41に当接させるためのシールバネ39のバネ荷重を、小さく選定することが可能となる。
したがって、エラストマー樹脂等からなるシール部材41への当接圧を低減させることができ、これによりシール部材41の異常な変形を防止することができる。また、シール部材41に過大なバネ荷重が加わるのを抑制することができるので、シール部材41を構成するエラストマー樹脂に含有する油脂等の不純物がインクに混入する等の問題を未然に回避することができる。
一方、前記した第3実施形態においては、前記可動バルブ38が、前記圧力室の容積の縮小に基づいて最大限に移動した場合において、前記負圧保持バネ40が、さらに圧縮可能なストロークを残すように寸法関係が設定されていることが望ましい。図30は、その例を示したものであり、インク供給用バルブユニットのほぼ中央部を拡大して示している。そして、図30においては、圧力室34の容積の縮小に基づいて負圧保持バネ40が最大限に変形、すなわち、縮小された場合の様子を示している。
図30においては、可動バルブ38が最大限に移動した場合のシールバネ39の密着高さをL1で示しており、この状態における負圧保持バネ40の圧縮された高さをL2で示している。すなわち、シールバネ39の各巻回部分がたとえ密着された場合においても、負圧保持バネ40の各巻回部分は密着されない状態を保つように、各部の寸法関係が設定される。換言すれば、シールバネ39および負圧保持バネ40として同一規格(寸法)のバネ部材をそれぞれ用いた場合には、L1<L2の関係が成立するように、各部の寸法が設定される。この図に示す形態において、インクは負圧保持バネ40の隙間を通って圧力室34内に流れ込む構成であるため、もし負圧保持バネ40の各巻回部分が密着してしまった場合には、インクの流路が塞がれる形となり、インクの供給に支障を来すおそれがある。したがって、前記したようにL1<L2とすることで、この問題を回避することが可能となる。
例えば、第3実施形態について、図1に示したようなインクの加圧供給システムを採用した場合においては、可動バルブ38の僅かな開弁状態で、圧力室34内にインクを導入することができるので、図30に示したような寸法設定は必ずしも必要ではない。しかしながら、図2に示したように水頭差によりインクを供給するシステムを採用した場合においては、インクの供給圧力が低いために、可動バルブ38が大きく開弁した状態が継続される。そこで、前記したように可動バルブ38の移動ストロークに対して負圧保持バネ40の密着高さに余裕を持たせる設定になっていることは重要である。
次に、図31(a),(b)に示す変形例におけるインク供給用バルブユニットについて前記実施形態との相違点を中心に説明する。
図31(a)に示す変形例においては、負圧保持バネ40として同様にコイルバネが用いられているが、そのコイル径は図29(a)に示した形態に比較して、より大きく設定されている。これにより、負圧保持バネ40はフィルム部材22を介して、円板状に形成された前記受圧板23の周縁付近に当接する。
この構成によると、受圧板23はその周縁付近で負圧保持バネ40に当接するため、インクが重力により圧力室34の下方に集まってフィルム部材22をより外側に膨出させようとしても、バネ40は前記受圧板23を常に垂直状態に維持するように働く。したがって、前記可動バルブ38の誤動作を効果的に低減させることができる。
図31(b)に示す変形例においては、負圧保持バネとして同様にコイルバネが用いられているが、この形態においてはコイル径の小さな複数のコイルバネ40a,40bが利用されている。そして、各コイルバネ40a,40bは、円板状に形成された前記受圧板23の周縁付近にそれぞれ当接するように配置されている。この構成においても、インクが重力により圧力室34の下方に集まってフィルム部材22をより外側に膨出させようとしても、各バネ40a,40bは前記受圧板23を常に垂直状態に維持するように働く。したがって、前記可動バルブ38の誤動作を効果的に低減させることができる。
なお、図31(b)に示す変形例においては、2本のコイルバネ40a,40bを用いたが、それ以上の複数本のコイルバネを利用することができる。したがって、整数(n)本のコイルバネを利用する場合において、負圧保持バネによるバネ荷重を前記したようにW2に設定する場合には、1本あたりのコイルバネによるバネ荷重を、W2/nに設定する必要がある。
図32(a),(b)に示す変形例においては、負圧保持バネとして板バネ40Aが採用されている。この板バネ40Aは、図32(b)に示すようにその両端部が同方向に折り曲げられ、一対の脚部40d,40eを構成している。そして、その板バネ40Aの中央部には、前記脚部40d,40eの折り曲げ方向とは逆方向に突出する切り起こし部40fが形成されている。
図32(a)に示すように、前記板バネ40Aの一方の脚部40dは、圧力室34内においてユニットケース20に固定され、他方の脚部40eは圧力室34の内壁に当接している。また、切り起こし部40fを形成することにより穿設された開口には、可動バルブのロッド部材38bが挿入されている。切り起こし部40fの先端部は、フィルム部材22を介して前記受圧板23のほぼ中央部に当接するように配置されている。
この構成においても、前記板バネ40Aが圧力室34の容積を拡張する方向にフィルム部材22を付勢し、例えば、キャリッジの往復移動による加減速を受けても、可動バルブ38の誤作動を効果的に抑制するように作用する。
次に、本発明を具体化した液体噴射装置の第4実施形態を図33〜図38(a),(b)に従って説明する。
図33に示すように、液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ(以下、プリンタという。)121は、略直方体形状のフレーム122と、そのフレーム122に架設された紙送り部材123とを備え、図示しない紙送り機構により同紙送り部材123上を紙が給送されるようになっている。さらに、フレーム122には前記紙送り部材123に平行にガイド部材124が架設されており、このガイド部材124には、キャリッジ125がガイド部材124の軸線方向に沿って移動可能に支持されている。また、同キャリッジ125は、タイミングベルト127を介してキャリッジモータ128に接続されており、キャリッジモータ128の駆動によってガイド部材124に沿って往復移動される。
また、キャリッジ125には、その紙送り部材123に対向する面に液体噴射ヘッド、すなわち、記録ヘッド129が搭載されている。そして、キャリッジ125上には記録ヘッド129に液体、すなわち、インクを供給するバルブユニット131が搭載されている。本実施形態では、インクの色(ブラックインクBと、シアンC、マゼンタM、イエローYの各カラーインク)に対応して、バルブユニット131B,131C,131M,131Yの4個が設けられている。
また、記録ヘッド129の下面には図示しないノズル吐出口が設けられており、図示しない圧電素子の駆動により、前記バルブユニット131B,131C,131M,131Yから記録ヘッド129にインクが供給され、紙上にインク滴が吐出され、印刷が行われる。
一方、フレーム122の右端には4つのカートリッジホルダ132が形成されている。そして、各カートリッジホルダ132には、液体貯留手段としてのインクカートリッジ133が着脱可能に搭載されている。本実施形態では、インクの色に対応して、インクカートリッジ133B,133C,133M,133Yの4個が設けられている。各インクカートリッジ133B,133C,133M,133Yは、それぞれ、内部が気密状態となっている外郭ケース134と、その内側に設けられた図示しないインクパックとによって構成されており、インクパックには、前記したブラックインクBおよび各カラーインクC,M,Yがそれぞれ貯留されている。
インクカートリッジ133のインクパックと、バルブユニット131とは、可撓性を有する液体供給路としてのチューブ138を介して接続されている。本実施形態では、インクの色に対応して、チューブ138B,138C,138M,138Yの4個が設けられている。
また、イエローYのインクを貯留するインクカートリッジ133Yの上には、空気加圧ポンプ139が備えられている。この空気加圧ポンプ139は、空気供給チューブ136B,136C,136M,136Yを介して前記インクカートリッジ133B,133C,133M,133Yの各外郭ケース134と接続されている。従って、空気加圧ポンプ139により加圧された空気は、空気供給チューブ136B,136C,136M,136Yを介して各インクカートリッジ133B,133C,133M,133Yの外郭ケース134内に導入され、外郭ケース134とインクパックとの間に形成された空間に導入されるようになっている。すなわち、空気加圧ポンプ139が駆動されて外郭ケース134内に空気が導入されると、インクパックは加圧空気によって押圧されて、インクパックに貯留されている各インクがチューブ138B,138C,138M,138Yを介してバルブユニット131B,131C,131M,131Yに供給される。
一方、前記キャリッジ125の移動経路上における非印字領域(ホームポジョン)には、記録ヘッド129のノズル形成面を封止するキャッピング手段141が配置されている。また、このキャッピング手段141の上面には、前記記録ヘッドのノズル形成面に密着して封止し得るゴム等の弾性素材により形成されたキャップ部材141aが配置されている。従って、キャッピング手段141は、キャリッジ125がホームポジョンに移動すると、キャッピング手段141を記録ヘッド129側に上昇させ、キャップ部材141aによって記録ヘッド129のノズル形成面を封止して、ノズルの開口の乾燥を防止する。
また、このキャップ部材141aの下方には、図示しない吸引ポンプ(チューブポンプ)が配置されている。この吸引ポンプは、吸引管を介してキャップ部材141aの下部に接続されている。この吸引ポンプが駆動されると、記録ヘッド129を覆っているキャップ部材141aから空気が吸引されて、記録ヘッド129からインクを吸引し、排出させる。更に、キャッピング手段141の印字領域側に隣接して、ワイピング部材142が配設されている。このワイピング部材142は、ゴム等の弾性素材を短冊状に形成してなる。また、同ワイピング部材142は、必要に応じて記録ヘッド129の移動経路上に進出し、ノズル形成面を払拭して清掃する。
次に、上記バルブユニット131について図34〜図38(a),(b)に従って説明する。
図34及び図35に示すように、バルブユニット131は、合成樹脂製のユニットケース145を備えている。なお、このユニットケース145は、直方体部分と半円柱状部分とを一体にした形状を有している。このユニットケース145には、その上部に接続部146が設けられ、この接続部146には前記チューブ138が接続されている。また、同ユニットケース145には、その下部にインク導出部147が一体形成されており、このインク導出部147は、キャリッジ125の接続部材125aを介して記録ヘッド129に接続されている。
また、図34、図36及び図38に示すように、ユニットケース145の第一側面145aには、フィルタ148が収容されたフィルタ室用凹部149、略円筒状の小凹部150、小凹部150に連通している直線状の溝151及び水平方向に延びる直線上の溝152が形成されている。また、第一側面145aには、これらフィルタ室用凹部149、小凹部150及び溝151を覆うフィルム部材153と、溝152を覆うフィルム部材154とが熱溶着により貼り付けられている。従って、フィルタ室用凹部149とフィルム部材153によってフィルタ室155が形成され、小凹部150とフィルム部材153によって供給室156が形成され、溝151とフィルム部材153によって第1インク導入路157が形成される。また、溝152とフィルム部材154によって、インク導出部147に連通する流出路158が形成される。
なお、上記フィルム部材153,154は、インク性状に化学的な影響を及ぼさず、更に水分透過度や、酸素や窒素透過度の低い材質からなる。すなわち、フィルム部材153,154は、例えば、高密度ポリエチレンフィルムあるいはポリプロピレンフィルムに、塩化ビニリデン(サラン)をコーティングしたナイロンフィルムを接着ラミネートした構成のフィルムによって形成されている。
また、図38(a),(b)に示すように、前記フィルム部材153には、供給室156の内径よりも若干小さな外径を有するバネ受け部材159が、供給室156と同心円状にかつその内部に位置するように取り付けられている。
一方、図35、図37及び図38に示すように、ユニットケース145の第二側面145bには、上記小凹部150と同心円状に設けられた略円筒形状の大凹部161と、直線状の溝162とが形成されている。また、この大凹部161の周壁部161aは、開口に向かって拡径するように傾斜している。大凹部161の底壁は、上方に向かって大凹部161の深さが徐々に低減するように傾斜する傾斜面161bを備えている。更に、大凹部161の最下部には、第一側面145aの溝152に連通する貫通孔152aが形成されている。
また、このユニットケース145の第二側面145bには、大凹部161を覆うフィルム部材163と、溝162を覆うフィルム部材164とが熱溶着により貼り付けられている。従って、大凹部161とフィルム部材163によって圧力室165が形成され、溝162とフィルム部材164によって第2インク導入路166が形成される。また、溝162には、上記フィルタ室用凹部149に連通する貫通孔162aと、上記溝151に連通する貫通孔162bとが形成されている。このため、第2インク導入路166は、貫通孔162aを介してフィルタ室155に連通し、貫通孔162bを介して第1インク導入路157に連通している。すなわち、チューブ138から供給されたインクは、フィルタ室用凹部149、貫通孔162a、第2インク導入路166、貫通孔162b及び第1インク導入路157を介して供給室156に供給される。なお、圧力室165を形成する大凹部161と貫通孔152aとの接続部が、液体出口Eとなる。なお、フィルム部材163,164は、上記フィルム部材153,154と同じ材質によって構成されている。
また、上記フィルム部材163には、上記圧力室165の反対側の面に、略円板形状の受圧板167が取り付けられている。この受圧板167は、圧力室165の内径よりも小さい外径を有し、圧力室165に対して同心円状に配設されている。同受圧板167は、フィルム部材163より硬い材料、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンといった軽量のプラスチック材料で形成されている。なお、この受圧板167は、フィルム部材163に対して熱溶着によって、または接着剤や両面接着テープ等を用いることにより取り付けられる。また、図38に示すように圧力室165内には、フィルム部材163を付勢するバネ170が、フィルム部材163及び受圧板167を外部に押圧するように配設されている。
一方、ユニットケース145の上述した供給室156と圧力室165とを区画している隔壁168には、供給室156と圧力室165とを連通する支持孔169が形成されている。この支持孔169には、可動バルブ171が摺動可能に支持されている。可動バルブ171は、支持孔169に挿通された円柱状のロッド部171aと、支持孔169の外形より大きい略円板形状の板状部171bとを備え、ロッド部171a及び板状部171bは一体に形成されている。詳述すると、ロッド部171aは支持孔169及びバネ170に挿通され、その先端が上記フィルム部材163に当接可能となっている。また、上記板状部171bは、供給室156内に配設されている。板状部171bの支持孔169側には、例えばOリングなどの円形状のシール部材172が支持孔169を囲むように固着されている。従って、可動バルブ171は、その板状部171bのシール部材172が隔壁168より離隔されると、供給室156と圧力室165とを連通し、そのシール部材172が隔壁168に当接すると、支持孔169の周囲を覆って、供給室156と圧力室165とを遮断する。また、可動バルブ171のフィルム部材153側には段部が形成されている。この段部には、コイル状のバネ174がその一端にて嵌合され、バネ174の他端は上記バネ受け部材159に係合されている。このため、バネ174は可動バルブ171を圧力室165側に付勢している。
また、図37に示すように、上記支持孔169は、等間隔に配置された4つの切欠き溝を備え、全体として略十字形状に形成されている。従って、支持孔169に可動バルブ171のロッド部171aが挿通された状態では、ロッド部171aと支持孔169とによって、4つのインク流路173が形成される。
次に、以上のように構成されたバルブユニット131を用いたプリンタ121の作用について説明する。
プリンタ121の製造が完了すると、その性能試験が行われる。この性能試験においては、まず、カートリッジホルダ132に各色のインクカートリッジ133B,133C,133M,133Yが収容される。そして、加圧空気が、空気加圧ポンプ139から空気供給チューブ136B,136C,136M,136Yを介して各インクカートリッジ133B,133C,133M,133Yの外郭ケース134に供給され、インクパックを押圧する。これにより、インクパック内の各インクが加圧される。そして、記録ヘッド129がキャップ部材141aに覆われた状態で、図示しない吸引ポンプが駆動される。これにより、チューブ138B,138C,138M,138Yを介してバルブユニット131B,131C,131M,131Yにインクが供給される。また、フィルタ室155、第2インク導入路166、第1インク導入路157、供給室156及び圧力室165、流出路158の空気が、インクの供給に伴って、記録ヘッド129から排出される。このとき、圧力室165の大凹部161は、その上部に傾斜面161bを備えていて、圧力室165の上部空間が小さくなっており、フィルムが圧力室の形状に沿った形に変形し、圧力室165内の負圧を容易に高くすることが可能なため、空気が排出されやすい。
そして、チューブ138B,138C,138M,138Y、バルブユニット131B,131C,131M,131Y及び記録ヘッド129の図示しないノズルがインクで満たされたとき、吸引ポンプを停止する。すると、可動バルブ171は、バネ174によって付勢されているため、圧力室165側に移動し、シール部材172を隔壁168に押圧して、インク流路173を塞ぐ。よって、可動バルブ171は、図38(a)に示す閉弁状態となる。すなわち、供給室156と圧力室165とは非連通の状態となり、バルブユニット131は自己封止の状態になる。
その後、プリンタ121は、性能試験のためのテスト印刷を行う。すなわち、プリンタ121は、図示しないテスト用のデータに基づいて、キャリッジ125の記録ヘッド129から適宜インクを噴射しながら、キャリッジ125を図33の左右方向に移動させて印刷を行う。
テスト印刷中に、記録ヘッド129からインクが外部に噴射されると、圧力室165のインクが減少して、圧力室165が負圧となる。これに伴って、フィルム部材163がバネ170に抗して撓んで、フィルム部材163の中央及び受圧板167が供給室156側に変位する。撓んだフィルム部材163は、可動バルブ171のロッド部171aをバネ174に抗して押圧し、可動バルブ171を供給室156側に押圧する。押圧された可動バルブ171が供給室156側に移動して、そのシール部材172が隔壁168から離脱すると、可動バルブ171は、図38(b)に示すように、開弁状態になる。すなわち、インク流路173を介して供給室156と圧力室165とが連通して、供給室156のインクが圧力室165に流入し、圧力室165の負圧が解消される。これに伴い、可動バルブ171がバネ174の付勢力により圧力室165側に移動して、図38(a)に示すように再び閉弁状態となり、供給室156から圧力室165へのインクの供給が停止される。
なお、実際の印刷動作中においては、可動バルブ171が開放状態及び開閉状態に頻繁に切り換えられるわけではなく、フィルム部材163は可動バルブ171のロッド部171aの端部に当接した均衡状態に保たれ、インクの消費に従って僅かに可動バルブ171が開弁しつつ、圧力室165に対してインクを逐次補給するように作用する。
すなわち、圧力室165内におけるインクの圧力変動は、可動バルブ171の開閉によって、所定の範囲内に制限されており、供給室156内のインクの圧力変化とは切り離されている。従って、キャリッジ125の往復移動によりチューブ138B,138C,138M,138Yに圧力変動が生じていても、その影響を受けることがない。そして、その結果、圧力室165から記録ヘッド129へのインクの供給は、良好に行われる。
初期充填後に圧力室165内に空気が残った場合、プリンタの置かれた環境(温度)が変化(上昇)すると、空気が膨張して圧力室165内の圧力が上昇するおそれがある。しかし、本実施形態では、バネ170がフィルム部材163を外側に押し広げて空気の体積変化を吸収するため、空気室165内の圧力が上昇することが無い。
このようにプリンタ121の記録ヘッド129からインクが噴射されて性能試験が終了すると、各インクカートリッジ133B,133C,133M,133Yからインクパックが外される。そして、キャリッジ125がキャッピング手段141の上面に移動し、記録ヘッド129がキャップ部材141aに覆われた状態で、図示しない吸引ポンプが駆動される。これにより、フィルタ室155、第2インク導入路166、第1インク導入路157、供給室156及び圧力室165、流出路158から、インクが記録ヘッド129を介して排出される。このとき、圧力室165の最下部に、液体出口Eが形成されているので、スムーズにインクが排出される。
そして、インクがほとんど排出されたならば、各インクカートリッジ133B,133C,133M,133Yの代わりに、カートリッジホルダ132に洗浄液供給管が接続される。そして、この洗浄液供給管よりチューブ138B,138C,138M,138Y、バルブユニット131B,131C,131M,131Y及び記録ヘッド129に洗浄液が供給されて、洗浄が行われる。
本実施形態のプリンタ121によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、プリンタ121のバルブユニット131には、圧力室165の最下部に流出路158に連通する液体出口Eが設けられている。従って、プリンタ121の性能試験で使用されたインクが、スムーズに記録ヘッド129から排出される。従って、バルブユニット131内に残留するインク量を少なくすることができ、液体の排出性が良好となって洗浄回数や洗浄時間を少なくすることができる。
(2)本実施形態では、バルブユニット131の圧力室165を形成している大凹部161は、その上部に傾斜面161bを備え、液体出口Eよりも上方の空間が、液体出口Eよりも下方の空間よりも小さくなっている。そのため、初期充填時にフィルム163が圧力室165の形状に沿った形に変形するため、圧力室内の負圧を容易に高めることができ、空気を排出しやすくなって、圧力室165には空気が残り難い。
(3)本実施形態では、大凹部161の周壁部161aがフィルム部材163に向かって拡径している。従って、大凹部161の加工が容易である。また、フィルム部材163が圧力を受ける面積をより大きくすることができ、従って、可動バルブ171をより確実に駆動することができる。
(4)本実施形態では、大凹部161の周壁部161aがフィルム部材163側に拡径するように傾斜している。従って、フィルム部材163が圧力室165の形状に沿った形に変形して負圧を容易に高めることが可能となり、空気を排出しやすくなる。
(5)本実施形態では、圧力室165内にバネ170を配置したことにより、フィルム部材163及び受圧板167を均等に押圧することができ、従って、フィルム部材163が不規則に撓むことをより一層確実に防止することができる。また、インク充填後に圧力室165内に空気が残り、プリンタの置かれた温度が上昇したとしても、バネ170がフィルム部材163を外側に押し広げて体積膨張を吸収するので、圧力室165内の圧力上昇を防止することができる。
以下、本発明を具体化した液体噴射装置の第5実施形態を図33、図39〜図41に従って説明する。なお、以下の各実施形態において、上述の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、図39及び図40(a)においては、説明の便宜上、受圧板167を二点鎖線で示している。
本実施形態のプリンタ121は、図33に二点鎖線で示されているように、チューブ138の流路途中に、流路バルブ175が備えられている。この流路バルブ175は、インクカートリッジ133の近傍において前記フレーム122に固定されており、チューブ138を流れるインクの流量を変化させることが可能となっている。
また、本実施形態のプリンタ121は、上記第4実施形態のバルブユニット131の代わりに、図39及び図40に示すバルブユニット181をキャリッジ125に搭載している。上記流路バルブ175は、バルブユニット181の上流側に配置されている。
図39及び図40に示すように、バルブユニット181は、圧力室165を構成する大凹部161に、上記第4実施形態の傾斜面161bの代わりに、支持孔169の近傍から大凹部161の周縁部に向かって大凹部161の深さを低減させる円錐面部181bが形成されている。また、同バルブユニット181においては、圧力室165の最下部ではなく、圧力室165の容積の40%の位置に液体出口Eが形成されて、貫通孔152aが接続されている。詳述すると、バルブユニット181がキャリッジ125に搭載された状態で、液体出口Eの中心を通る水平面の中心線より下方の圧力室165の容積が、圧力室165の容積の40%となるように、液体出口Eが設けられている。
次に、この液体出口Eの位置の設定方法について説明する。
液体出口Eの位置は、圧力室165の種々の位置に液体出口Eを設け、洗浄回数と、圧力室165に残留したインク濃度(残留インク濃度)との関係をシミュレーションすることにより設定される。この位置は、圧力室165の容積に対する液体出口Eの中心線Cより下方の圧力室165の容積(斜線部分の容積)の割合で定義されている。なお、液体出口Eの中心線Cはバルブユニット181のプリンタへの装着時において水平に延びる線分である。
洗浄を行う場合は、まず、キャッピング手段141の吸引ポンプを駆動して、チューブ138、バルブユニット181及び記録ヘッド129のノズルを満たしていたインクを吸引する。続いて、上記第4実施形態と同様に、チューブ138に洗浄液供給管が接続されて、バルブユニット181及び記録ヘッド129のノズルに洗浄液が供給される。そして、図示しない吸引ポンプが駆動されて、インクが記録ヘッド129より排出され、1回の洗浄が行われる。
図41は、洗浄回数と、洗浄が行われたときの排出されたインクと洗浄液の混合液中に含まれるインクの割合、すなわち残留インク濃度との関係を示している。なお、図41は、上記第4実施形態のように流路バルブ175を設けていない場合(弁無し)と、本実施形態のように流路バルブ175を設けた場合(弁有り)との両方の関係を示している。
流路バルブ175が設けられていない「弁無し」の場合には、吸引ポンプの吸引により発生する負圧により、圧力室165内の液体が容積の約50%となる水面Hn(図41参照)まで洗浄液が圧力室165に供給され、その後、吸引ポンプを停止すると、可動バルブ171が閉弁する。従って、この場合、洗浄液が圧力室165に充填されると水面Hnが得られ、インクと洗浄液との混合液が排出されると、液体出口Eの最下部の水面Hが得られる。
また、流路バルブ175が設けられている「弁有り」の場合には、インクを排出した後、流路バルブ175を閉弁した状態で吸引ポンプを駆動させる。このとき、圧力室165内に残留していた気泡は、圧力減少のため、体積が大きくなって、すなわち引き延ばされた状態となる。その後、流路バルブ175が開弁されると洗浄液が一気に流入し、圧力室165の容積の約80%となる水面Ha(図41参照)まで洗浄液が供給され、その後に吸引ポンプを停止すると、可動バルブ171が閉弁する。従って、流路バルブ175がある場合には、洗浄液が圧力室165に充填されると水面Haが得られ、インクと洗浄液との混合液が排出されると、水面Hが得られる。
通常、洗浄処理は10回以下で頻度で行われる。また、記録ヘッド129のノズルにインクが長期間残留しても、ほとんど目詰まりを起こさないための残留インク濃度は、0.1%以下である。
図41の表に示すように、本実施形態のように流路バルブ175がプリンタ121に設けられている場合においては、液体出口Eが圧力室165の容積の40%以下(液体出口Eの中心線Cより下方の容積が圧力室165の容積の40%以下)の位置よりも下方にあると、洗浄を10回行うことにより残留インク濃度はほぼ0.1%以下になる。また、上記第4実施形態のように、プリンタ121に流路バルブ175が設けられていない場合においては、液体出口Eが圧力室165の容積の25%以下(液体出口Eの中心線Cより下方の容積が圧力室165の容積の25%以下)の位置よりも下方にあると、洗浄を10回行うことにより残留インク濃度はほぼ0.1%以下になる。
なお、液体出口Eが圧力室165の容積の12%の位置にある場合には、流路バルブ175を設けていない「弁無し」の場合には5回の洗浄で、圧力室165内の残留インク濃度は0.1%以下となる。また、流路バルブ175を設けた「弁有り」の場合には4回の洗浄を行うことにより、圧力室165内の残留インク濃度は0.1%以下となる。すなわち、液体出口Eは、より下方に設けることにより、インクがより速く排出されて、記録ヘッド129のノズルにインクが長期間残留しても目詰まりを起こさない0.1%以下のインク濃度にすることができる。
以上のことから、通常の洗浄回数10回以下で、インクの目詰まりを起こさない0.1%以下の残留インク濃度を達成するための、液体出口Eの最も高い位置は、圧力室165の容積の40%の位置である。従って、本実施形態において、液体出口Eは、圧力室165の容積の40%の位置に設けた。
本実施形態のプリンタ121は、上記第1実施形態と同様に、組立完了後に性能試験が行われる。すなわち、上記第1実施形態と同様に、加圧された各インクが、吸引ポンプの駆動により各インクカートリッジ181B,181C,181M,181Yから、チューブ138B,138C,138M,138Yを介してバルブユニット131B,131C,131M,131Yに供給される。これにより、フィルタ室155、第2インク導入路166、第1インク導入路157、供給室156及び圧力室165、流出路158の空気が記録ヘッド129から排出される。
そして、インクが、チューブ138、バルブユニット181及び記録ヘッド129のノズルにほぼ供給されたならば、流路バルブ175を閉弁するとともに、キャリッジ125をキャップ部材141aで覆って、吸引ポンプを駆動させる。このとき、可動バルブ171は、そのシール部材172が隔壁168より離隔され開弁しているが、流路バルブ175が閉弁されているので、供給室156、圧力室165などの流路バルブ175から下流の領域(記録ヘッド129側)の圧力は大きく減圧される。圧力室165内に残留していた気泡は、圧力減少のため、体積が大きくなって、引き延ばされた状態となる。その後、流路バルブ175が開弁されると、インクが一気に圧力室165内に流れ込む。このため、圧力室165内で引き延ばされた気泡は、このインクの流れとともに、液体出口E、流出路158及び記録ヘッド129を介して外部に排出される。
そして、プリンタ121は、上記第4実施形態と同様に、性能試験のために印刷を行い、これが終了すると、カートリッジホルダ132から各インクカートリッジ133B,133C,133M,133Yが外される。そして、記録ヘッド129がキャップ部材141aに覆われた状態で、図示しない吸引ポンプが駆動される。すなわち、フィルタ室155、第2インク導入路166、第1インク導入路157、供給室156及び圧力室165、流出路158から、インクが記録ヘッド129を介して排出される。
インクがほとんど排出されたならば、各インクカートリッジ133B,133C,133M,133Yをカートリッジホルダ132から外し、チューブ138に洗浄液供給管を接続して洗浄を行う。詳述すると、流路バルブ175を閉弁した状態で、キャリッジ125をキャップ部材141aで覆って、吸引ポンプを駆動させて、圧力室165内を大きく減圧させる。その後、流路バルブ175を開弁して、洗浄液を圧力室165に一気に導いて、圧力室165内の洗浄を行う。これを約10回繰り返すことにより洗浄が完了する。
従って、本実施形態によれば、上記第4実施形態における(2)〜(5)項に記載の効果と同様な効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(6)本実施形態では、流路バルブ175より下流のチューブ138にバルブユニット131が設けられ、このバルブユニット131の圧力室165の液体出口Eが、重力方向において圧力室165の容積の約40%以下の位置にある。このため、流路バルブ175を適宜開閉することにより、インクがスムーズに置換されて、10回という少ない洗浄回数で、インクが記録ヘッド129のノズルに残留していても目詰まりがほとんど生じない0.1%以下の残留インク濃度まで洗浄することができる。すなわち、液体の充填性が良好となって、洗浄回数を少なくすることができる。
(7)本実施形態では、液体出口Eを圧力室165のより上方の位置、すなわち圧力室165の容積の40%の位置に設けた。すなわち、10回という少ない洗浄回数で、インクが記録ヘッド129のノズルに残留しても目詰まりがほとんど生じない0.1%以下とできる最も高い位置に液体出口Eを設けた。液体出口Eが高い位置にあるほど、インクの充填性は良好となるため、本実施形態では、インク排出性を良好にできるだけでなく、インク充填性をもより良好にすることができる。すなわち、インクをバルブユニット181に充填する際に、気泡が圧力室165内に、より残り難くすることができるので、印刷の信頼性をほとんど低下することがない。
(8)本実施形態では、バルブユニット181の大凹部161には、その中心である支持孔169の近傍から周壁部161aに向かって大凹部161の深さを低減させる円錐面部181bが形成されている。このため、圧力室165の中央に可動バルブ171が設けられていても、液体出口Eよりも上方の圧力室165をより小さくすることができ、フィルム部材163が大凹部161に沿った形に変形するため、圧力室165内の負圧を容易に高めることが可能となり、インクの充填性を向上させることが可能となる。
以下、本発明を具体化した液体噴射装置としてのプリンタ121の第6実施形態を図42(a),(b)及び図43に従って説明する。なお、図42(a)及び図43においては、説明のために、受圧板167を取り外した状態を示している。
第6実施形態のプリンタ121には、上記第4実施形態のバルブユニット131の代わりに、図42及び図43に示すバルブユニット191が設けられている。このバルブユニット191は、大凹部161の下方にはその大凹部161に連通する体積増大部としての凹部192が設けられている。この凹部192は、バルブユニット191がキャリッジ125に搭載された際に、液体出口Eよりも下方の空間が、より大きな体積となるように形成されている。また、この凹部192の上部は、第二側面145b側が高くなるように傾斜した傾斜面192aとなっている。
従って、第6実施形態のプリンタ121においても、上記第4実施形態と同様の機能を果たす。また、本実施形態形態によれば、上記実施形態に記載の(2)〜(5)及び(7)項に記載の効果と同様な効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(9)第6実施形態では、凹部192を設けて、圧力室165の下部の容積を大きくした。すなわち、圧力室165の上部の容積が、相対的に小さくなる。これにより、圧力室165を形成するフィルム部材163の表面積に対し、圧力室165内のインク容積を相対的に大きくできるので、例えば長期間プリンタ121が使用されることなく、フィルム部材163からの水分透過や酸素・窒素透過が起こった場合でも、圧力室165内のインクの粘度上昇を相対的に小さくすることができる。すなわち、長時間使用されていなかったプリンタ121を使用する場合でも、インクの噴射を良好に行うことができ、信頼性の高いプリンタ121を提供することができる。
(10)第6実施形態では、凹部192の上部は、大凹部161の開口側が高くなるように傾斜した傾斜面192aとなっているので、凹部192に気泡が残留することを極力抑制することができる。
なお、上記第4乃至第6実施形態は、以下のように変更してもよい。
上記各実施形態では、液体出口Eは、圧力室165の周壁部161aに設けた。この液体出口Eは、必ず周壁部161aに設ける必要はなく、例えば、図40(a)に二点鎖線で示すように、圧力室165の中心により近い位置に設けても良い。これを液体出口E1としてもよい。
上記第4乃至第6実施形態では、圧力室165の大凹部161の形状は、ほぼ円筒形状としたが、他の形状であってもよい。すなわち、圧力室165の上部空間が傾斜せずに、細長い形状となっていてもよい。また、圧力室165の下部空間に形成される容積増大部は、三角柱の形状や円錐形状であってもよい。
上記第4乃至第6実施形態では、大凹部161の液体出口Eに接続している貫通孔152aは、図38(a),(b)に示すように、水平方向に延びるように形成したが、水平方向に対して傾斜させて液体出口Eに接続していてもよい。
上記第4乃至第6実施形態では、バルブユニット131,181,191のユニットケース145の形状は、ほぼ直方体には限定されない。なお、同一の形状のバルブユニット131,181,191であっても、キャリッジ125に対する取り付け角度が異なる場合には、液体出口Eの位置が異なる。液体出口Eは、キャリッジ125にバルブユニット131,181,191が取り付けられて使用される際に、圧力室165の容積の25%以下の位置に設けられる。流路バルブ175が配設されている場合、液体出口Eは圧力室165の容積の40%以下の位置に設けられる。
次に、本発明を具体化した第7の実施形態を、図面に従って詳細に説明する。
一般に、A0版等の大型の紙に画像を印刷するプリンタは、インク消費量が多いため、大容量のインクを貯留したインクカートリッジが用いられる。そのため、インクカートリッジをキャリッジに搭載すると、キャリッジが重くなり多大な負荷がかかる。従って、図53に示す従来の大型プリンタでは、各色のインクカートリッジ271を、記録ヘッド272が設けられたキャリッジ273に搭載させない構成、いわゆるオフキャリッジ型、になっている。
インクは、交換可能に固定された各インクカートリッジ271から可撓性の各チューブ274(図53では1つのみ図示)を介してキャリッジ273の記録ヘッド272に供給される。そのため、キャリッジ273の移動に伴ってチューブ274内の圧力が変動すると、インクの吐出に影響し、所定量のインクを吐出することが難しくなる。そこで、キャリッジ273とチューブ274との間には、図54に示すように圧力ダンパ室275が設けられるとともに、インクカートリッジ271の吐出口の高さ位置Cがインクのノズル吐出口の高さ位置Nよりも常に下となるように配置されている。
このプリンタにおいて、図53に示すキャリッジ273の下方の領域Eは、印刷された紙Sの排出領域となっている。そして、印刷中にインクカートリッジ271のインクの交換を容易にするため、紙Sの排出領域Eの側方に、インクカートリッジ271が配設される。従って、チューブ274の長さは、印刷可能な紙Sの大きさの最大幅、すなわちキャリッジ273の最大移動幅W以上に必要となる。
ところで、インクの圧力損失は、チューブ274の長さに比例し、内径の4乗に反比例する。すなわち、多ノズル化や印字の高速化に伴ってインク消費量が増加してインクの圧力損失が大きくなる場合、インクをインクカートリッジ271から確実にキャリッジ273へと導くには、チューブ径を大きくする必要がある。そのため、チューブの屈曲径が大きくなり、プリンタを小型化することが難しかった。
本実施形態の液体噴射装置は、液体収容体の液体に加わる圧力損失を低減して、小型化を可能にするものである。図44に示すように、本実施形態の液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ(以下、プリンタ)210は、逆T字形状の1対の支持柱211,212を備えている。各支持柱211,212の下方には、プリンタの移動を容易に行うため、一対のキャスタ213が設けられている。また、支持柱211,212には、これらを連結する連結棒214が設けられるとともに、その上方に略直方体形状をしたハウジング215が支持されている。
ハウジング215の右側上部には、操作パネル216が突設されている。この操作パネル216は、複数の操作ボタン217及び表示画面218を有している。従って、操作パネル216は、処理内容を表示画面218に表示しながら、ユーザによる操作ボタン217の選択により、所定の印刷を行うことができる。また、ハウジング215には、その背面側に図示しない接続部が設けられており、この接続部を介して図示しないコンピュータが接続されている。従って、ハウジング215に内蔵されている図示しないメモリには、そのコンピュータから受信した印刷データが記憶される。
ハウジング215の背面側には、給紙部219が設けられ、この給紙部219には、巻心219aに巻かれたターゲットとしての紙Sが収容されている。また、このハウジング215には、図示しない紙送り機構が設けられており、この紙送り機構により紙Sが、後述するプラテン235へと送られる。
ハウジング215の外部においてその中央上部には、インクカートリッジ収容部220が固着されている。このインクカートリッジ収容部220には、液体収容体としての各色(例えばシアン、マゼンタ、イエロ及びブラックの4色)のインクカートリッジ221,222,223,224が前面から交換可能に配置されている。詳述すると、インクカートリッジ221〜224は、扁平な直方体の箱状であって、その最大面積部分が上向き及び下向きに配置され、かつ各インクカートリッジ221〜224が同一平面上に配設されている。各インクカートリッジ221〜224内には、図45に示すように、液体であるインクが貯留されたインクパック225が内蔵されている。各インクカートリッジ221〜224のインクパック225の中央には、外部に突出したインク導出口221a,222a,223a,224aが設けられている。各インク導出口221a,222a,223a,224aには、供給管としての可撓性のチューブ226,227,228,229の先端に設けられた針Iがそれぞれ装着される。
一方、ハウジング215の内部には、図46に示すように、左右一対の駆動プーリ231及び従動プーリ232に掛け装されたタイミングベルト233と、ガイド軸234とが配置されている。また、同ハウジング215の中央下側には、紙Sが載置されるプラテン235が配設されている。更に、このプラテン235の上方には、キャリッジ236が配設されている。このキャリッジ236は、前記ガイド軸234に係合されて案内されるとともに、前記タイミングベルト233に係合して駆動される。従って、このキャリッジ236は、前記プラテン235と所定の隙間をおいて、プラテン235の上方に配置されるとともに、X方向に移動可能となっている。
キャリッジ236には、図45に示すように、インクを吐出する複数のノズルが形成された記録ヘッド237が設けられている。また、このキャリッジ236には、記録ヘッド237の上方に位置するように、各インクカートリッジ221〜224に対応するバルブユニット241〜244が設けられている。各バルブユニット241〜244は、図45〜図47に示すように、同一の構造を有している。なお、図45において、バルブユニット241は図47の241−241線に沿った断面図によって示され、バルブユニット242,243は図48の242−242線に沿った断面図によって示され、バルブユニット244は図47の244−244線に沿った断面図によって示されている。
各バルブユニット241〜244は、図45、図47及び図48に示すように、例えば剛性のある合成樹脂などからなる略円筒状のケース245を備えている。図47に示すように、同ケース245の第一側面には、略円筒状の凹部245aと、屈曲された2つの溝部245b,245cとが形成されている。これら凹部245a、溝部245b及び溝部245cを覆うように、導入側フィルム248が、ケース245の第一側面に熱溶着により貼着されている。これにより、前記凹部245aが供給室250となり、溝部245bが供給室250に連通する供給路251となり、溝部245cが排出路253となる。
また、図48に示すように、同ケース245の第二側面には、略円筒状の凹部245dが形成されている。そして、第二側面には、駆動体としての排出側フィルム249が、熱溶着により貼着されており、これにより凹部245dは、圧力室252を構成する。
なお、導入側フィルム248及び排出側フィルム249は、軟質であって、インク性状に化学的な影響を及ぼさず、更に水分透過度や酸素や窒素透過度の低い材質が重要である。そこで、フィルム248及び249は、高密度ポリエチレンあるいはポリプロピレンフィルムに、塩化ビニリデン(サラン)をコーティングしたナイロンフィルムを接着ラミネートした構成から成る。これは、供給室250及び圧力室252の圧力状態を、両フィルムにて効率的に感知するためである。なお、本実施形態の導入側フィルム248及び排出側フィルム249は、透明である。
また、ケース245の中央には、前記供給室250及び圧力室252を互いに連通するための貫通孔245eが設けられるとともに、圧力室252と排出路253とを連通する連絡路253aが設けられている。
更に、同ケース245には、前記チューブ226〜229が接続される接続部246と、記録ヘッド237に接続されるインク導出部247とが形成されている。接続部246には前記供給路251と前記チューブ226〜229とを接続する通路形成孔246aが形成され、インク導出部247には前記排出路253から前記記録ヘッド237へと続く通路形成孔247aが形成されている。
従って、チューブ226〜229から接続部246の通路形成孔246aに至ったインクは、供給路251、供給室250、貫通孔245e、圧力室252、連絡路253a、排出路253及び通路形成孔247aを介して、記録ヘッド237に供給される。
一方、図45に示すように、弁体255は、軸部255a及びこの軸部255aと一体形成された円板部255bから成り、その軸部255aが前記貫通孔245eに挿通され、円板部255bが供給室250に位置している。また、円板部255bの背面には、閉弁用バネ257の一端が圧接され、この閉弁用バネ257の他端は、バネ座258に圧接されている。従って、閉弁用バネ257は、弁体255を排出側フィルム249側(図の右側)に付勢する。供給室250側(図の左側)の貫通孔245eの周囲には、シール部材259が固着されている。従って、閉弁用バネ257が弁体255を図45の右方に付勢することにより、前記弁体255の円板部255bがシール部材259を圧接して、弁体255は貫通孔245eを塞いで閉弁する(図45のバルブユニット242参照)。
一方、前記排出側フィルム249の外側には、剛性のある受圧板254が、前記ケース245の貫通孔245eに対して同心的に固着されている。受圧板254は、可撓性の排出側フィルム249が圧力室252の圧力を受ける度に変形してしまうことを極力防ぎ、常に同じ圧力を受けた場合には同じように供給室250側(左側)に撓んで、弁体255の軸部255aを同じように押圧するためのものである。また、圧力室252には、負圧保持バネ260が配設されている。この負圧保持バネ260は、貫通孔245eの周囲に当接しているとともに、排出側フィルム249を押圧している。従って、負圧保持バネ260は、圧力室252内のインクの自重によって圧力室252内の圧力が不均一となって、弁体255の軸部255aを偏った状態で押圧されることを極力防いでいる。
次に、バルブユニット241〜244の弁体255に対するインクカートリッジ収容部220の高さH(mm)の設定方法について、図45,49及び図50を参照して説明する。
記録ヘッドがインクを消費している際の圧力室252の圧力Pvは、弁体255の開放圧力Poに等しい。開放圧力Poは負圧であるから、マイナスの符号となり、以下の式で示される。
Pv=−Po ・・・(1)
また、この開放圧力Poは、図49に示すように供給室250に配設された閉弁用バネ257の付勢力Ke、圧力室252に配設された負圧保持バネ260の付勢力Ko、排出側フィルム249が変形する際の抵抗力fm、位置水頭Hにより弁体255の円板部255bの背面に加わる力Pcの和より大きい必要がある。そのため、開放圧力Poは以下の式で表される。
Po≧Ko+Ke+fm+Pc
ここで、弁体255の円板部255bにかかる力Pcは位置水頭により変化するため、圧力室252の圧力Pvは図50の点線dLに示すようになる。しかしながら、円盤部255bの面積が微小であるため、円板部255bにかかる力Pcは無視できる程小さい。そのため、位置水頭Hを変えても大きな開放圧力Poには影響が及びがたく、開放圧力Poは、Po=a(一定)の直線L1で表されると考えても差し支えない。
一方、供給室250の圧力Pkは、インクカートリッジ収容部220から供給室250までの高さによる位置水頭Hと、チューブ226〜229の圧力損失Ptの和となる。圧力損失Ptは負圧であるから、マイナスの符号となり、以下の式で表される。
Pk=−Pt+H ・・・(2)
位置水頭Hがゼロの場合、Pk=−Ptとなり、位置水頭Hを高くしていけば、供給室250の圧力Pkは図50の直線L2で示されるようになる。
そして、インク消費中における(2)式で示される供給室250の圧力Pkが、(1)式で示される圧力室252の圧力Pv以上である場合に、インクは供給室250から圧力室252へ十分供給されることになる。即ち、
Pk≧Pv = −Pt+H≧−Po
となり、上式よりインクが供給室250から圧力室252へ十分供給されるための位置水頭Heは以下の式で表されることになる。
He≧−Po+Pt
また、位置水頭Hを変化させた場合の、圧力室252の圧力Pvは図50の直線L1と直線L2とを結んだ線で表される。
H≧Heと設定した場合、記録ヘッドが印字のためにインクを消費した場合でも、インクは供給室250から圧力室252へ十分に供給される。従って、弁体255は圧力室252の圧力を調製しながら開閉(自己封止)することになり、圧力室252の圧力Pvは−Poに等しくなって、Pv=−Poが成立する。
H<Heと設定した場合、記録ヘッドが印字のためにインクを消費した場合に、供給室250から圧力室252へのインクの供給が不足気味となり、それを解消すべく、弁体255を常に開放した状態で圧力室252へインクが供給される。この場合、圧力室252の圧力Pvは次の式、Pv=−Po−H
によって表される。
圧力室252の圧力は記録ヘッドへの供給圧力となるため、小さい程良い。従って、本実施形態におけるカートリッジ収容部220の高さHはHe以上とすべきである。
次に、インクカートリッジ収容部220の高さH(mm)について、具体的な数値を用いて説明する。例えば、インクカートリッジ221〜224から供給室250に至るチューブ226〜229の圧力損失Ptが150(mmH2O)であって、弁体255の開放圧力Poが100(mmH2O)であるとする。このとき、インクが供給室250から圧力室252へ十分に供給されるために必要な位置水頭Heは以下のように表される。
He=−100(mmH2O)+150(mmH2O)=50(mmH2O)
また、開放圧力Pvと圧力損失Pfは同じで、例えば、チューブ226〜229を長くして、圧力損失Ptが200(mmH2O)まで増加した場合には、図50に二点鎖線で示すように位置水頭Heは100(mmH2O)と、高くなる。
次に、本実施形態のプリンタの作用について説明する。
プリンタ210を使用するにあたっては、給紙部219に巻心219aに巻かれた紙Sが収容され、インクカートリッジ収容部220に各色のインクカートリッジ221〜224が収容される。また、インクカートリッジ221〜224のインク導出口221a〜224aが針Iに係合される。
そして、プリンタ210は、接続された図示しないコンピュータから印刷データを受信すると、その印刷データをメモリに蓄積する。次に、印刷データの印刷が実行されると、図示しない紙送り装置により前記紙Sがハウジング215へと導入される。そして、プリンタ210は、紙Sがプラテン235及びキャリッジ236の間に至ると、キャリッジ236の記録ヘッド237の吐出口から適宜インクを吐出させながら、キャリッジ236をX方向に移動させて、印刷を行う。
詳述すると、記録ヘッド237からインクが吐出されると、その吐出されたインクの容積分だけバルブユニット241〜244の圧力室252の容積が減少し、一定の負圧が発生する。この負圧が上述した開放圧力Poとなる。この負圧により排出側フィルム249が、閉弁用バネ257及び負圧保持バネ260に抗して、導入側フィルム248側に変形する(図45のバルブユニット243参照)。排出側フィルム249が変形すると、排出側フィルム249に固着した受圧板254が移動して弁体255を当接し、弁体255を左方に押圧する。これにより弁体255が左方に移動して、円板部255bがシール部材259から離れ、供給室250は貫通孔245eを介して圧力室252と連通し、供給室250からインクが圧力室252に流入する。インクが圧力室252に流入すると、圧力室252の負圧が解消され、弁体255は閉弁用バネ257の付勢力により右方に移動されて、閉弁する(図45のバルブユニット242参照)。
プリンタ210は、上述のようにインクを吐出しながら、キャリッジ236がX方向に一往復移動させる度に、図示しない紙送り機構を駆動して、紙Sをプリンタ210の下方に移動させる。そして、上述した一連の動作を繰り返しながら、印刷を行う。
本実施形態のプリンタ210によれば、以下のような効果を得ることができる。
(a)本実施形態では、インクカートリッジ221〜224は、キャリッジ236の可動領域であって、記録ヘッド237の上方に設けられている。そのため、インクカートリッジ221〜224の記録ヘッド237からの水頭差によりインクが記録ヘッド237に供給されるので、加圧ポンプなどのインク供給装置を設ける必要がない。また、チューブ226〜229の長さは、各インク導出口221a〜224aから最も遠いキャリッジ236の可動範囲まであればよいので、従来の場合よりも、記録ヘッド237にインクを供給するチューブ226〜229を短くすることができる。すなわち、圧力損失を小さくすることができるので、記録ヘッド237からインクカートリッジ221〜224までの高さHを低くしても、インクを記録ヘッド237により確実に供給することができる。従って、記録ヘッド237からインクカートリッジ221〜224までの高さHを従来よりも低くすることができるので、プリンタ210を小型化することができる。
(b)本実施形態では、キャリッジ236の記録ヘッド237の上流側に、供給室250の圧力が圧力室252の圧力より高い場合に閉弁するバルブユニット241〜244を設けている。そのため、インクカートリッジ221〜224が記録ヘッド237より上方にあっても、その圧力によって記録ヘッド237からインクが漏出することがない。また、記録ヘッド237からインクカートリッジ221〜224までの水頭差を利用してインクカートリッジ221〜224のインクを記録ヘッド237に供給するので、インクを記録ヘッド237に供給するための加圧ポンプなどの大がかりな装置を設ける必要がない。そのため、一層、プリンタ210を小型化することができる。加えて、インクカートリッジ収容部220がキャリッジ236の上方に配設されているため、印刷中に、印刷された紙Sがキャリッジ236の下方に排出された場合であっても、インクの交換が容易に行える。
(c)本実施形態では、バルブユニット241〜244の弁体255からインクカートリッジ収容部220までの高さHは、チューブ226〜229の圧力損失Ptによる圧力水頭と、バルブユニット241〜244の弁体255の開放圧力Po(負圧)による圧力水頭との和に等しい位置水頭となっている。そのため、高さHにより生じるエネルギによって、インクカートリッジ221〜224のインクは、記録ヘッド237までより確実に供給することができる。従って、インクは記録ヘッド237からスムーズに吐出することができる。
(d)本実施形態では、バルブユニット241〜244の弁体255からインクカートリッジ収容部220までの高さHは、チューブ226〜229の圧力損失Ptの圧力水頭と、バルブユニット241〜244の弁体255の開放圧力Po(負圧)による圧力水頭との和に等しい位置水頭となっている。すなわち、インクカートリッジ221〜224のインクを記録ヘッド237に対してより確実に供給することができる最も低い高さHとなっている。従って、より一層、プリンタ210を小型化することができる。
(e)本実施形態では、インクカートリッジ221〜224を扁平な箱状に形成し、平らに配設したので、インクジェット式プリンタ210の高さ寸法をより小さくすることができる。
以下、本発明を具体化した液体噴射装置の第8実施形態を図51及び図52に従って説明する。ただし、以下の各実施形態において、第7の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第8実施形態の液体噴射装置としてのプリンタ210のインクカートリッジ収容部220は、プリンタ210のほぼ中央に配設されており、縦長形状のインクカートリッジ221〜224を収容している。
更に、本実施形態では、バルブユニット241〜244の弁体255からインクカートリッジ221〜224までの高さHは、インクカートリッジ221〜224内のインクパック225内における静水頭変化をdとすると、次の式のように設定されている。
H=He+d ・・・(3)
すなわち、本実施形態のインクカートリッジ収容部220の高さHは、インク消費によるインクカートリッジ221〜224内の静水頭の変化を考慮したものとなっている。
従って、本実施形態のプリンタ210においても、インクカートリッジ収容部220にインクカートリッジ221〜224が収容されて、針Iに係合され、弁体255が閉弁した状態となっている。そして、プリンタ210は、上記第7実施形態と同様に、印刷が実行されると、紙Sをプラテン235及びキャリッジ236の間に搬送しながら、かつキャリッジ236をX方向に移動させながら、キャリッジ236の記録ヘッド237からインクが吐出させて、印刷を行う。
その後、インクカートリッジ221〜224内のインクが消費されると、インクカートリッジ221〜224内の静水頭が負圧となる。従って、インクが記録ヘッド237のノズルの吐出口から吐出されて圧力室252内の容積が減少したことに伴って発生する負圧により、供給室250から圧力室252へのインクの供給が不足し、圧力室252の圧力が大幅に低下するおそれが発生する。しかしながら、本実施形態の高さHは、上記第7実施形態の位置水頭Heに、インクカートリッジ221〜24内のインクの深さによる静水頭変化dを加えた値に設定されている。そのため、インクカートリッジ221〜224内のインクがほとんど消費されたとしても、供給室250の圧力は、圧力室252の圧力より高く、供給室250から圧力室252へのインクの供給は十分に行われ、圧力室内の圧力は適切に保たれる。
従って、本実施形態は、上記実施形態の(a)、(b)及び(d)と同様の効果を得ることができるとともに、以下の効果を得ることができる。
(f)本実施形態においては、インクカートリッジ収容部220内に、プリンタ210のほぼ中央で左右に整列するように、インクカートリッジ221〜224が収容されている。従って、各インクカートリッジ221〜224から各バルブユニット241〜244にインクを供給するチューブ226〜229の長さは、キャリッジ236の可動範囲のほぼ半分とすることができる。従って、キャリッジにインクが供給されるチューブ226〜229をより短くすることができるので、圧力損失をより小さくすることができ、プリンタ210をより小型化することができる。
(g)本実施形態においては、高さHは、インクカートリッジ221〜224内のインクの深さによる水頭差変化を考慮した値に設定されている。そのため、インクカートリッジ221〜224内のインクがほとんど消費された場合であっても、スムーズにインクカートリッジ221〜224内のインクを記録ヘッド237へと供給することができる。
なお、上記第7,第8実施形態は、以下のように変更してもよい。
上記各実施形態においては、圧力室252に負圧保持バネ260を配設した。この負圧保持バネ260は、コストの低減などのために省略してもよい。
上記第7実施形態においては、バルブユニット241〜244の弁体255からインクカートリッジ221〜224までの高さHを、チューブ226〜229の圧力損失Ptによる圧力水頭と、バルブユニット241〜244の弁体255の開放圧力Po(負圧)による圧力水頭との和の位置水頭Heと同じにした。また、上記第8実施形態では、高さHをHe+dと同じとした。しかしながら、バルブユニット241〜244の弁体255からインクカートリッジ221〜224までの高さHは、位置水頭Heと全く同じでなくても、位置水頭He以上であればよい。この場合であっても、インクカートリッジ221〜224のインクを、より確実にバルブユニット241〜244に供給することができる。
上記第8実施形態においては、インクカートリッジ221〜224を収容するインクカートリッジ収容部220をハウジング215の中央に載置した。しかしながら、プリンタの他の構成部品の配置に応じて、インクカートリッジ収容部220はインクジェット式プリンタ210の中央でなくても、キャリッジ236の可動範囲内であればよい。この場合にも、従来よりチューブ226〜229を短くすることができるので、圧力損失を低減することができ、プリンタ210の小型化に寄与することができる。
上記各実施形態では、インクパック225を収容したインクカートリッジ221〜224について説明した。これに代えて、例えば、多孔質体にインクを貯留したインクカートリッジ221〜224を用いるようにしてもよい。
次に、本発明を具体化した液体噴射装置の第9実施形態を図55〜図61に従って説明する。図55に示すように、液体噴射装置としてのプリンタ320は、外部に給紙トレイ321及び排紙トレイ322を備えているとともに、内部にプリンタ本体323を備えている。プリンタ本体323には、プラテン324及び図示しない紙送り機構が設けられている。プラテン324は、ターゲットとしての紙Pを支持し、液体噴射時には、その上面に紙Pが配置される。紙送り機構は、図示しない駆動機構により駆動されて、給紙トレイ321から紙Pをプラテン324上に供給したり、プラテン324上の紙Pを排紙トレイ322に排出したりする。
また、プリンタ本体323には、フレーム325を介して、駆動プーリ326及び従動プーリ327が固定されており、同駆動プーリ326にはキャリッジモータ328が連結されている。これら一対のプーリ326,327には、タイミングベルト329が掛装されており、このタイミングベルト329には、上記プラテン324上に位置するキャリッジ330が固着されている。同キャリッジ330は、上記フレーム325に架設されたガイド軸331に沿って摺動可能である。従って、キャリッジ330は、ガイド軸331にガイドされながら、キャリッジモータ328の駆動によりタイミングベルト329を介して主走査方向Xに移動する。
キャリッジ330は、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド332を下面に有している。この記録ヘッド332には、図示しない複数のノズルが形成されているとともに、各ノズルのそれぞれに対応する図示しない圧電素子が配設されている。この圧電素子は、図示しない駆動機構により駆動されて、記録ヘッド332の下方に至った紙Pに向けて、各ノズルから液体であるインクを噴射する。
更に、キャリッジ330には、4つのバルブユニット335がその上部に搭載されているとともに、各バルブユニット335に係合して支持される4つの液体収容体としてのインクカートリッジ336が搭載されている。各インクカートリッジ336には、ブラック、マゼンタ、シアン、イエロの各色のインクが収容されている。
一方、図55において、プリンタ320の右端部には、クリーニング機構337が設けられている。このクリーニング機構337は、記録ヘッド332を覆うキャップ338と、このキャップ338に連通する図示しない吸引ポンプとを有している。従って、記録ヘッド332をキャップ338が覆った状態で、吸引ポンプが駆動されると、記録ヘッド332内のインク及び気泡等が排出される。
次に、キャリッジ330のバルブユニット335について、図面に従って詳述する。図56及び図57は、キャリッジ330及びこのキャリッジ330に搭載されているインクカートリッジ336を示し、1つのインクカートリッジ336が取り外された状態を示している。
図56〜図59(a),(b)に示すように、バルブユニット335は、合成樹脂製の複数のユニットケース340を備えている。各ユニットケース340は、扁平な箱状に形成され、半円筒部を有するとともに、その上部に段部341が形成されている。各ユニットケース340の段部341には、上方に突出する供給針342が形成されている。各供給針342は円筒状に形成され、内空342aを有する。各供給針342の上部外周には、相対向する2つの供給孔342bが設けられている。従って、供給針342がインクカートリッジ336に嵌合すると、内空342a及び供給孔342bを介して、インクカートリッジ336から液体がバルブユニット335に供給される。更に、各ユニットケース340の下部には、下方に突出するインク導出部343が一体に形成されている。このインク導出部343は、キャリッジ330の接続部材330aを介して記録ヘッド332に接続されている。
また、図56、図58(a),(b)及び図60(a),(b)に示すように、ユニットケース340の第一側面340aには、略円柱状の小凹部345、及び、この小凹部345に連通する略直線状の溝346が形成されている。第一側面340aには、これら小凹部345及び溝346を覆うフィルム部材347が熱溶着されている。従って、小凹部345とフィルム部材347によって供給室348が形成され、溝346とフィルム部材347によってインク導入路349が形成される。また、溝346の一端部には、上記供給針342の内空342aに接続する連通孔hが設けられている。従って、供給針342から導入されたインクは、連通孔h及びインク導入路349を介して供給室348に導入される。なお、フィルム部材347は、インク性状に化学的な影響を及ぼさない材質で、かつ水分透過度や、酸素や窒素透過度の低い材質からなる。このため、本実施形態では、フィルム部材347は、例えば、高密度ポリエチレンフィルムあるいはポリプロピレンフィルムに、塩化ビニリデン(サラン)をコーティングしたナイロンフィルムを接着ラミネートしたフィルムによって構成されている。
図60に示すように、フィルム部材347には、供給室348の内径よりも若干小さな外径を有するバネ受け部材350が、供給室348内にて、その供給室348と同心円状に位置するようにして取り付けられている。なお、バネ受け部材350はフィルム部材347に対して予め熱溶着させてもよく、また、接着剤、あるいは両面接着テープ等によって取り付けるようにしてもよい。更に、供給室348内には、バネ受け部材350に係合するバネ部材Sが圧縮状態で配設されている。
一方、図57、図59(a),(b)及び図60(a),(b)に示すように、ユニットケース340の第二側面340bには、上記小凹部345と同心円状に設けられた略円筒形状の大凹部351が形成されている。この大凹部351は、周壁部351aが開口に向かって拡径するように傾斜している。また、大凹部351の下部でインク導出部343の直上には、出口孔352が設けられている。この出口孔352は、上記インク導出部343の導出通路343aに連通している。また、このユニットケース340の第二側面340bには、大凹部351を覆う駆動体としてのフィルム部材353が熱溶着されている。従って、大凹部351とフィルム部材353とによって圧力室354が形成されている。なお、フィルム部材353は、上記フィルム部材347と同じ材質によって構成されている。
また、上記フィルム部材353には、上記圧力室354の反対側の面に位置するように、略円板形状の受圧板355が取り付けられている。この受圧板355は、圧力室354の内径よりも小さい外径を有し、圧力室354に対して同心円状に配設されている。同受圧板355は、フィルム部材353より硬い材料、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンといった軽量のプラスチック材料で形成されている。なお、この受圧板355は、フィルム部材353に対して熱溶着によって、または接着剤や両面接着テープ等により取り付けられる。
一方、図60(a),(b)に示すように、ユニットケース340の供給室348と圧力室354とを区画している隔壁357には、供給室348と圧力室354とを連通させる支持孔358が形成されている。この支持孔358には、開閉弁を構成する可動バルブ359が摺動可能に支持されている。可動バルブ359は、支持孔358に挿通された円柱状のロッド部359aと、支持孔358の外形より大きい略円板形状の板状部359bとが一体形成されてなる。詳述すると、ロッド部359aは支持孔358に挿通されるとともに、その先端が上記フィルム部材353に当接可能となっている。また、可動バルブ359の板状部359bは、供給室348内に配設されており、上記バネ部材Sにより、図60(a),(b)のR方向に付勢されている。更に、隔壁357の供給室348側には、円環状のシール部材360が支持孔358を囲むように固着されている。このシール部材360は、例えばOリング等のエラストマー樹脂等でなる。また、図61に示すように、上記支持孔358は、等間隔に配置された4つの切欠き溝を備え、全体として略十字形状をしている。従って、支持孔358に可動バルブ359のロッド部359aが挿通された状態では、ロッド部359aとこの支持孔358とによって、4つのインク流路361が形成されている。
従って、可動バルブ359は、通常、バネ部材Sの付勢力により図60(a)に示す位置に配置され、その板状部359bがシール部材360に圧接して支持孔358の周囲を覆い、供給室348と圧力室354とを遮断している。すなわち、可動バルブ359は閉弁状態にある。また、同可動バルブ359が図60(a),(b)のL方向に移動して、板状部359bが隔壁357のシール部材360から離脱すると、供給室348と圧力室354とがインク流路361を介して連通する。このとき、可動バルブ359は開弁状態になる。そして、圧力室354に供給されたインクは、出口孔352を介してインク導出部343の導出通路343aに導かれ、この導出通路343aを介して記録ヘッド332に供給される。
次に、インクカートリッジ336について、図56〜図59(a),(b)を参照して説明する。図56〜図59(a),(b)に示すように、インクカートリッジ336は、略直方体状に形成され、本体部371と蓋部材372とから構成されている。
本体部371の下部には、供給部374が突出形成されている。図58(a),(b)及び図59(a),(b)に示すように、供給部374内には、段付孔375が形成されている。この段付孔375は、本体部371の内部側の小径部375a及び開口側の大径部375bとから構成されており、小径部375a及び大径部375bに供給針342が挿入可能となっている。
段付孔375の小径部375aには、弁機構を構成する弁体376及び同じく弁機構を構成するバネ部材377が配設されている。弁体376は、中央上部が上方に突出した略円板形状をしており、中央上部に弁機構を構成するバネ部材377が嵌合されている。バネ部材377は、この弁体376と、段付孔375の上端との間に圧入されており、弁体376を下方に押圧する。なお、弁体376は、供給針342が供給部374に挿入されると、この供給針342によりバネ部材377の付勢力に抗し、供給針342の内空342aの上端を塞ぎながら、上方に押圧されて移動させられる。
段付孔375の大径部375bには、シール部材378が配設されている。このシール部材378は、上記弁体376の下部の外径及び供給針342の外径より小さい内径のリング部378aを有している。従って、バネ部材377により押圧されて弁体376が下方に移動すると、図59(b)に示すように、その弁体376がシール部材378に密着して、リング部378aの開口を閉鎖し、インクカートリッジ336内のインクの流出を防ぐ。また、図59(a)に示すように、供給部374にバルブユニット335の供給針342が挿入されると、シール部材378は供給針342に密着して段付き孔375と供給針342との間をシールし、本体部371内のインクを供給針342の内空342aに導く。
また、本体部371の上部には、図58(a),(b)及び図59(a),(b)に示すように、上方に開口した凹部380が形成されている。この凹部380が上記蓋部材372で覆われることにより、液体収容部としての収容室381が区画されている。各インクカートリッジ336の収容室381には、シアン、マゼンタ、イエロ及びブラックのインクがそれぞれ収容されている。また、この凹部380の底面は、凹部380と段付孔375とを接続する供給口380aに向かって傾斜している。従って、この収容室381に収容されたインクは、重力の作用により底面に沿って供給口380aに集合する。
図56に示すように、蓋部材372には、貫通孔383と、その貫通孔383に連通する細幅の連通溝384とが形成されている。蓋部材372の上面には、通路形成フィルム385が貼着されている。この通路形成フィルム385は、連通溝384の一端部384aを除いて、その連通溝384及び貫通孔383を覆っている。従って、収容室381は貫通孔383及び連通溝384を介して大気と連通可能となっており、これにより、収容室381からインクが排出されても、収容室381内が負圧とならないようにしている。
次に、本実施形態のプリンタ320の作用について説明する。
プリンタ320の使用の前に、ユーザは、キャリッジ330の各バルブユニット335の供給針342を、各インクカートリッジ336の供給部374に挿入させて、各インクカートリッジ336をキャリッジ330に搭載する。インクカートリッジ336がキャリッジ330に搭載される前には、図59(b)に示すように、収容室381内のインクが外部に漏れないように、弁体376がシール部材378に圧接されて、収容室381の供給口380aをシールしている。
そして、インクカートリッジ336の供給部374に、供給針342が挿入されると、図58(b)に示すように、供給針342は、シール部材378に圧接されて、供給口380aのシールを維持しながら、弁体376を押上げる。これにより、収容室381及び段付孔375内のインクは、供給針342の供給孔342b、内空342a、連通孔h及びインク導入路349を介して供給室348に供給される。このとき、収容室381は、蓋部材372の貫通孔383及び連通溝384を介して大気と連通しているので、収容室381内が負圧とならず、インクがスムーズに供給室348に供給される。
更に、このとき、クリーニング機構337の図示しない吸引ポンプが稼動されており、圧力室354内の空気が排気されている。このため、圧力室354内には負圧が発生しているので、フィルム部材353及び受圧板355は、圧力室354の容積を縮小する側に変位し、図60(b)に示す位置に配置される。従って、フィルム部材353及び受圧板355は、可動バルブ359をL方向に押圧して移動させ、板状部359bをシール部材360から離脱させる。これにより可動バルブ359が開弁されて、インク流路361を介して供給室348及び圧力室354とが連通状態となる。従って、インクカートリッジ336の収容室381から供給針342に供給されたインクが、圧力室354へと供給される。
そして、圧力室354内がインクで満たされると、可動バルブ359には供給室348内のインクの圧力及びバネ部材Sの付勢力が作用して、可動バルブ359は図60(a),(b)のR方向に押圧されて、同方向に移動する。なお、供給室348内のインクの圧力は、インクカートリッジ336の収容室381内のインクの位置水頭による圧力となっている。これにより、図60(a)に示すように、板状部359bがシール部材360に圧接されて、可動バルブ359は閉弁される。従って、供給室348と圧力室354とは遮断されて、供給室348から圧力室354へのインクの供給が停止される。
その後、プリンタ320が印刷状態となると、図示しない紙送り機構が駆動されて、給紙トレイ321上の紙Pが、キャリッジ330とプラテン324との間へ移送される。紙Pがキャリッジ330とプラテン324との間に至ると、キャリッジモータ328及び図示しない記録ヘッド332の圧電素子が駆動される。これにより、キャリッジ330がX方向に往復移動しながら、記録ヘッド332から紙Pに向けてインクが噴射される。
記録ヘッド332からインクが噴射されると、その噴射量に応じて圧力室354内のインクが減少する。このとき、供給室348内のインクの圧力をP1、バネ部材Sの付勢力をW1、フィルム部材353の変位に要する変位反力をWd、圧力室354内のインクの負圧をP2とすると、次の関係、
P2>P1+Wd+W1
が成立した場合に、フィルム部材353は、L方向に撓んで可動バルブ359をL方向に移動させる。従って、可動バルブ359が、図60(b)に示すように、シール部材360から離脱して、開弁させられ、供給室348と圧力室354とがインク流路361を介して供給室348から圧力室354にインクが供給される。
そして、供給室348から圧力室354にインクが供給されて、圧力室354内において消費されたインクが補充されると、圧力室354内の負圧が減少する。これにより、可動バルブ359は、板状部359bに加わる供給室348の圧力及びバネ部材Sの付勢力により、R方向に移動されて閉弁し、供給室348と圧力室354とを遮断する。
その後、インクカートリッジ336を交換する場合には、インクカートリッジ336をバルブユニット335から上方へ取り外す。すると、インクカートリッジ336の弁体376が、バネ部材377に押圧されて下方に移動し、シール部材378に圧接して、供給口380aをシールする。従って、一度使用したインクカートリッジ336は、その段付孔375及び収容室381内からインクが漏れることなく、キャリッジ330から取り外される。
本実施形態のプリンタ320によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第9実施形態では、インクカートリッジ336の収容室381と、記録ヘッド332との間に、バルブユニット335を設けた。このバルブユニット335は、記録ヘッド332に連通している圧力室354に負圧が発生したときに、可動バルブ359に開弁動作を行わせ、収容室381側の供給室348と、記録ヘッド332側の圧力室354との間を連通させる。
可動バルブ359が閉弁状態にあれば、収容室381内のインクの圧力は圧力室には伝達されない。従って、記録ヘッド332からインクが漏れ出ることがほとんどない。また、記録ヘッド332からのインクの噴射に応じて可動バルブ359が開弁されて、供給室348から圧力室354にインクが供給される。このため、収容室381に多孔質体を収容する必要がない。従って、多孔質体を収容しない分だけ収容室381により多くのインクを収容することができるとともに、多孔質体によるインク供給の停滞が生じることはない。
更に、多孔質体が収容室381に収容されていないため、インクカートリッジ336から記録ヘッド332に供給されるインクに、多孔質体の一部が不純物となって混入することがない。このため、インクカートリッジ336から記録ヘッド332の間に、不純物を除去するためのフィルタを配置する必要がなく、部品点数を減らすことができる。
(2)第9実施形態では、インクカートリッジ336は、バルブユニット335の供給室348より上方に設けられている。このため、インクカートリッジ336の収容室381に収容されたインクは、位置水頭による圧力により供給室348に供給される。従って、インクを加圧する手段を何ら設けずとも、収容室381内のインクは供給室348に供給される。この結果、簡単な構成で、収容室381内のインクを供給室348に供給することができる。
(3)第9実施形態では、バルブユニット335はキャリッジ330に一体的に設けられている。また、収容室381を有するバルブユニット335は記録ヘッド332から着脱可能となっている。従って、収容室381内に収容されたインクが消費されて、新たなインクカートリッジ336と交換する際には、バルブユニット335は交換せずに、インクカートリッジ336のみを交換すればよい。すなわち、必要最低限の部分のみを交換すればよいので、交換されるインクカートリッジ336を、少ない材料で、安価に製造することができる。
(4)第9実施形態では、インクカートリッジ336に、段付孔375を有する供給部374が設けられている。この段付孔375には、供給針342が挿入されると移動して開弁し、供給針342が離脱した状態ではシール部材378に圧接する弁体376が配設されている。このため、インクカートリッジ336が、一旦キャリッジ330に搭載された後にインクをすべて使用する前に取り外されても、インクの漏出がほとんどない。また、途中まで使用されたインクカートリッジ336の供給部374にバルブユニット335の供給針342を挿入すれば、収容室381内のインクをバルブユニット335に供給することができる。従って、インクカートリッジ336を使用途中で着脱しても、インクを有効に使用することができる。
(5)第9実施形態では、インクが紙Pに噴射されて圧力室354のインクが減少すると、この圧力室354の容積が減少するようにフィルム部材353が撓んで図60のL方向に変位する。そして、フィルム部材353がL方向に変位することにより、可動バルブ359が開弁し、供給室348及び圧力室354がインク流路361を介して連通する。従って、圧力室354には、消費されたインク量に応じて、インクが補給される。このとき、インクカートリッジ336の収容室381からバルブユニット335の供給室348に供給されるインクの圧力に関係なく、記録ヘッド332が消費したインクの量に応じて圧力室354にインクが供給室348から補給される。この結果、簡単な構成で、安定して供給室348から圧力室354にインクを供給することができる。
(6)第9実施形態では、収容室381の底面は、段付孔375の開口、すなわち、供給口380aに収束するように傾斜している。このため、インクカートリッジ336の収容室381内のインクは、重力の作用により供給口380aに集合する。従って、収容室381内のインクがごく少なくなっても、インクは、供給口380aを介して供給室348へと最後までより確実に供給され、収容室381内のインクを最後まで有効に使用することができる。
(7)第9実施形態では、収容室381が、蓋部材372に形成された貫通孔383及び連通溝384を介して大気に開放されている。このため、収容室381内のインクが供給室348及び圧力室354を介して記録ヘッド332に供給されて、記録ヘッド332からの噴射により消費されても、収容室381内が負圧となることがない。従って、スムーズに収容室381から圧力室354にインクを供給し、記録ヘッド332から適宜インクを噴射することができる。
(8)第9実施形態では、バルブユニット335の供給針342が、バルブユニット335の段部341に設けられている。このため、インクカートリッジ336の供給部374が、供給針342に嵌合しても、キャリッジ330の高さをできるだけ小さくすることができる。すなわち、プリンタ320をより小さくすることができる。
次に、本発明を具体化した液体噴射装置の第10実施形態を図62〜図66(a),(b)に従って説明する。なお、第10実施形態は、第9実施形態のプリンタ320のキャリッジ330及びインクカートリッジ336を変更しただけである。従って、第10実施形態において、第9実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図62及び図63は、本実施形態のキャリッジ388及びこのキャリッジ388に搭載されているインクカートリッジ390を示し、1つのインクカートリッジ390の1つが取り外された状態を示している。
図62及び図63に示すように、第10実施形態のキャリッジ388には、接続部材330aの上部に、4つの円筒状の供給針342(2つのみ図示)が設けられている。各供給針342は、第9実施形態と同様に、相対向する2つの供給孔342bを有し、この供給孔342bに内空342aが連通して、接続部材330aにインクを導くようになっている。
また、第10実施形態においても、4つの液体収容体としてのインクカートリッジ390が、各キャリッジ388の供給針342にそれぞれ嵌合するように、キャリッジ388に搭載されている。各インクカートリッジ390は、液体収容部としての収容室381と、バルブユニット335とが一体形成されたものであり、カートリッジケース391と蓋部材372とから構成されている。
各カートリッジケース391は、扁平な直方体状に形成されている。各カートリッジケース391の下部にはインク導出部393が突出形成されている。インク導出部393は、第1実施形態の供給部374と同様な構成をしており、図66(a),(b)に示すように、供給針342が挿入される段付孔375が形成されている。すなわち、段付孔375の小径部375aには、弁体376及びバネ部材377が収容されており、大径部375bには、シール部材378が収容されている。従って、カートリッジケース391は、図66(a)に示すように、インク導出部393の段付孔375のシール部材378に、上記供給針342がシールされながら挿入されることにより、キャリッジ388に搭載される。
図62及び図64に示すように、カートリッジケース391の第一側面391aには、小凹部345が形成されているとともに、この小凹部345を覆うフィルム部材347が熱溶着されている。従って、小凹部345とフィルム部材347により供給室348が形成されている。また、この供給室348内には、図66(a),(b)に示すように、バネ受け部材350及びバネ部材Sが配設されている。
また、図63及び図65に示すように、カートリッジケース391の第二側面391bには、小凹部345と同心円状の大凹部351が形成されるとともに、この大凹部351を覆うフィルム部材353が熱溶着されている。従って、大凹部351とフィルム部材353とによって圧力室354が形成されている。また、大凹部351には、インク導出部393の段付孔375に連通する出口孔352が形成されている。一方、フィルム部材353には、上記第9実施形態と同様に、受圧板355が設けられている。
更に、供給室348と圧力室354とを区画している隔壁357には、支持孔358が形成されており、この支持孔358には可動バルブ359が挿通されている。そして、この可動バルブ359のロッド部359aが上記フィルム部材353に当接可能となっており、可動バルブ359の板状部359bがバネ部材Sにより図66(a),(b)の右方に付勢されている。更に、隔壁357の供給室348側には、シール部材360が設けられている。
また、図66(a),(b)に示すように、カートリッジケース391の上部には、凹部395が形成されている。この凹部395は、上記大凹部351を避けるように、下部395bの幅が上部395aの幅よりも狭くなっている。下部395bの中央には、上記供給室348に連通する連通孔397が形成されている。凹部395の底面は、この連通孔397に収束するように、連通孔397に向かって傾斜している。従って、収容室381に収容されたインクは、重力の作用により連通孔397に集合することになる。
上記凹部395が上記蓋部材372で覆われることにより、液体収容部としての収容室381が区画される。各インクカートリッジ390の収容室381には、シアン、マゼンタ、イエロ及びブラックのインクがそれぞれ収容されている。一方、蓋部材372には、第9実施形態と同様に、貫通孔(図示略)と、これに連通する連通溝384(図66(a),(b)参照)とが形成されるとともに、通路形成フィルム385が貼り付けられており、連通溝384の一端部384aを除いて、連通溝384及び貫通孔が通路形成フィルム385によって覆われている。
従って、第10実施形態のキャリッジ388においても、第9実施形態と同様に作用する。詳述すると、供給室348には、収容室381内のインクの水頭差による圧力が常に作用している。このため、可動バルブ359は、常には、バネ部材Sの付勢力及び供給室348のインクの圧力により、図66(a),(b)の右方に移動させられてシール部材360に当接して閉弁し、供給室348と圧力室354とを遮断している。そして、記録ヘッド332から紙Pにインクが噴射されると、圧力室354のインクが減少するため、圧力室354に負圧が発生する。これにより、フィルム部材353及び受圧板355が圧力室354の容積を縮小する方向、すなわち図66(a),(b)の左方に移動する。このため、可動バルブ359は、フィルム部材353により左方に押圧されて、シール部材360から離脱し、開弁する。従って、供給室348からインク流路361を介して圧力室354にインクが供給される。そして、本実施形態の収容室381に収容されたインクは、連通孔397を介して供給室348に供給され、供給室348からインク流路361を介して圧力室354に供給される。
第10実施形態のプリンタによれば、第9実施形態の(1)、(2)、(5)〜(7)の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(9)第10実施形態のインクカートリッジ390では、バルブユニット335と収容室381とが一体的に設けられており、このインクカートリッジ390は、キャリッジ388に対して着脱可能となっている。このため、バルブユニット335を搭載していない従来のキャリッジに、バルブユニット335を簡単に装着することができ、より効率よくインクを使用できるインクカートリッジ390を取り付けることが可能となる。
また、収容室381に収容されたインクがすべて使用されると、インクカートリッジはバルブユニットごと交換される。すなわち、バルブユニットは、液体収容部に収容された液体をすべて消費する間だけ使用されるので、長期間の使用に耐えうるような剛性は必要ではない。このため、材料の選定をより自由に行うことができ、より安価に液体収容体を安価に製造することができる。更に、インクカートリッジ390には多孔質体が収容されていないため、多孔質体の一部が不純物となってインクに混入することがない。このため、インクカートリッジ336から記録ヘッド332までのインク流路間に、不純物を除去するためのフィルタを配置する必要がなく、部品点数を減らすことができる。
(10)第10実施形態では、段付孔375を有するインク導出部393が、バルブユニット335に設けられている。この段付孔375には、図66(a)に示すように供給針342が挿入されて開弁し、図66(b)に示すように供給針342が離脱した状態では、シール部材378に圧接する弁体376が配設されている。このため、インクカートリッジ390が、一旦キャリッジ388に搭載された後にインクをすべて使用する前に取り外されても、収容されているインクの漏出がほとんどない。
また、途中まで使用されたインクカートリッジ390の供給部374にキャリッジ388の供給針342を挿入すると、バルブユニット335のインクがインク導出部393に供給される。従って、インクカートリッジ390を使用途中で着脱しても、インクカートリッジ390に収容されているインクを有効に使用することができる。
なお、第9,第10実施形態は、以下のように変更してもよい。
第9,第10実施形態では、インクカートリッジ336,390の収容室381を、バルブユニット335の供給室348よりも上部に設けた。これに代えて、供給室348の側方及び下方にも延びる形状の収容室381を設けるようにしてもよい。
第9,第10実施形態では、段付孔375に供給針342が挿入されることにより、インクカートリッジ336,390をキャリッジ330,388に搭載するようにした。これに代えて、インクカートリッジ336,390が他の支持手段を介してキャリッジ330,388に支持されるようにしてもよい。この場合には、上部に配置する収容室381の容積をより大きくしても、安定してキャリッジ330,388を移動させることができる。
第9,第10実施形態では、インク導出部343,393をケース340,391の下方に突出させた。これらインク導出部343,393をケース340,391から突出しないように形成してもよい。また、これらケース340,391の形状は任意に選択可能である。
産業上の利用可能性
上記のように、本発明に係る液体噴射装置は、インクを吐出するプリンタ(ファクシミリ装置、コピー機等を含む印刷装置)に用いるのに適している。更に、本発明の装置は、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造等に用いられる電極材や色材等の液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置にも適用可能である。
Claims (68)
- キャリッジに搭載されてターゲットの幅方向に往復移動される液体噴射ヘッドと、液体収容体から供給路を介して液体の供給を受けると共に、前記液体噴射ヘッドに対して液体を供給するために、前記キャリッジに搭載されたバルブユニットとを備えた液体噴射装置であって、
前記バルブユニットは、
前記供給路を介して前記液体収容体に接続された圧力室と、
前記圧力室に液体を供給するために前記供給路を開放又は閉鎖するバルブと、
前記供給路を閉鎖する方向へ前記バルブを付勢する付勢部材と、
前記圧力室内の液体の減少に伴って発生する負圧に基づいて変位し、その変位を前記バルブに直接伝達することにより、前記付勢部材の付勢力に抗して前記バルブを動作させる可撓性のフィルム部材と
を備える液体噴射装置。 - 前記液体噴射装置は本体を備え、その本体に前記液体収容体が装着され、前記供給路は可撓性のチューブから構成され、前記液体収容体からチューブを介して、前記バルブユニットに対して液体が供給される請求項1に記載の液体噴射装置。
- 前記液体収容体の液体に正圧が加えられることにより、前記液体収容体から前記バルブユニットに対して液体が供給される請求項1または2に記載の液体噴射装置。
- 前記液体収容体は、気密状態になされた外郭ケースと、この外郭ケース内に収納され、かつ、液体を封入した可撓性材料による液体パックとから構成され、前記外郭ケースと前記液体パックとの間の空間部に加圧空気が加えられることで、前記液体収容体の液体に正圧が加えられる請求項3に記載の液体噴射装置。
- 前記液体収容体から前記供給路に液体を導くため、前記液体収容体に液体導出部が形成され、その液体導出部は重力方向に沿って前記バルブユニットの上部に配置され、その液体導出部とバルブユニットとの間の水頭差に基づいて前記正圧が生成される請求項3に記載の液体噴射装置。
- 前記フィルム部材は、高密度ポリエチレンフィルムあるいはポリプロピレンフィルムに、塩化ビニリデン共重合物をコーティングしたナイロンフィルムをラミネートしたものである請求項1に記載の液体噴射装置。
- 前記フィルム部材は、ガスバリア層を2つの合成樹脂フィルムの間に形成したものである請求項1に記載の液体噴射装置。
- 前記フィルム部材は、ポリエチレンあるいはポリプロピレンから成るフィルムに、アルミナ蒸着又はシリカ蒸着が施されたポリエチレンテレフタレートフィルムをラミネートしたものである請求項1に記載の液体噴射装置。
- 前記フィルム部材には受圧板が配置され、前記フィルム部材の変位による前記受圧板の移動に伴って前記バルブが動作する請求項6乃至8のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
- 前記受圧板は、ポリエチレンあるいはポリプロピレンから成る請求項9に記載の液体噴射装置。
- 前記バルブユニットは更に、
前記供給路と前記圧力室との間に位置する供給孔と、
その供給孔を閉鎖する方向へ前記バルブを付勢するバネと
を備え、前記バルブは前記バネの付勢力に抗する前記フィルム部材の変位を受けて、前記供給孔を開放する請求項1乃至11のいずれか一項に記載の液体噴射装置。 - 前記バルブは、板状部材と、その板状部材から突出するように板状部材と一体に成形されたロッド部材とを備え、そのロッド部材は前記供給孔に挿通され、前記板状部材は前記バネの付勢力を受けるとともに、前記ロッド部材が前記フィルム部材の変位による押圧作用を受けるようにした請求項11に記載の液体噴射装置。
- 前記供給孔は前記バルブのロッド部材を摺動可能に支持するためにユニットケースに形成された支持孔と、その支持孔の周囲に沿って間欠的に形成された複数の切欠き孔とから構成されている請求項12に記載の液体噴射装置。
- 前記ユニットケースには、前記供給孔の外側を囲むようにして環状に形成されたシール部材が配置され、前記バルブの板状部材がシール部材に当接したときに前記供給孔が閉鎖される請求項12又は13に記載の液体噴射装置。
- 前記バルブの板状部材には、円環状に形成されたシール部材が固着されており、前記シール部材が前記供給孔の外側を囲むように、ユニットケースに当接したときに前記供給孔が閉鎖される請求項12又は13に記載の液体噴射装置。
- 前記バルブユニットには、前記供給路と前記圧力室との間に位置するフィルタ室が設けられ、そのフィルタ室にフィルタ部材が配設されている請求項1乃至15のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
- 前記フィルタ室は、その下部においてフィルタ室を前記圧力室に連通する流路を備え、前記フィルタ部材は、前記流路を覆うように配設されている請求項16に記載の液体噴射装置。
- 前記圧力室は前記液体噴射ヘッドへ続く出口を備え、その出口が、重力方向に沿って前記圧力室の最上部に形成されている請求項1乃至17のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
- 前記フィルム部材を、水分非透過性のフィルムでさらに被覆してなる請求項1乃至18のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
- 前記フィルム部材の外面を封止する蓋体が具備され、前記蓋体には空気流通路及びその空気流通路を介して大気に開放される開放口が形成されている請求項1乃至19のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
- 前記空気流通路は、前記蓋体の壁面に形成された溝部と、前記蓋体の壁面に密着して前記溝部を覆うフィルム部材とにより構成され、前記開放口は前記空気流通路の端部に形成されている請求項20に記載の液体噴射装置。
- 前記フィルム部材の変位を規制するため、前記受圧板に対向する複数の規制突起が圧力室内に形成されている請求項9に記載の液体噴射装置。
- 前記フィルム部材の変位を規制するため、前記圧力室の内壁に対向する複数の規制突起が前記受圧板に形成されている請求項9に記載の液体噴射装置。
- ターゲットに対して相対移動するキャリッジに搭載された液体噴射ヘッドから液体を噴射する液体噴射装置に搭載され、前記キャリッジとは隔離された液体収容体から供給路を介して液体が供給されるバルブユニットであって、
前記バルブユニットは、
前記供給路を介して前記液体収容体に接続された圧力室と、
前記圧力室に液体を供給するために前記供給路を開放又は閉鎖するバルブと、
前記圧力室の一部を構成し、かつ、前記圧力室内の液体の減少に伴って発生する負圧に基づいて変位し、前記バルブを動作させる可撓性のフィルム部材と
を備えることを特徴とするバルブユニット。 - ユニットケースに形成された凹部と、その凹部を被覆する可撓性のフィルム部材とにより圧力室が構成され、前記フィルム部材によって前記圧力室内の液体の減少に伴う負圧を感知して、液体収容体から液体を圧力室に導入するためのバルブを備えたバルブユニットの製造方法であって、
前記ユニットケースを加熱する工程と、
加熱されたユニットケースの凹部を覆うようにして前記フィルム部材をユニットケースに載置する工程と、
前記フィルム部材をユニットケースに対して熱溶着することにより前記圧力室を形成する工程と
を有するバルブユニットの製造方法。 - ユニットケースに形成された凹部と、その凹部を被覆する可撓性のフィルム部材とにより圧力室が構成され、前記フィルム部材によって前記圧力室内の液体の減少に伴う負圧を感知して、液体収容体から液体を圧力室に導入するためのバルブを備えたバルブユニットの製造方法であって、
前記フィルム部材の第一表面に受圧板を取り付ける工程と、
前記ユニットケースの凹部を覆うようにして前記フィルム部材をユニットケースに載置する工程と、
前記フィルム部材をユニットケースに対して熱溶着することにより前記圧力室を形成する工程と
を有するバルブユニットの製造方法。 - 前記フィルム部材を載置する工程において、前記フィルム部材の第一表面とは反対側の第二表面を前記ユニットケースの前記凹部に対向させて載置し、
前記フィルム部材を前記ユニットケースに対して熱溶着する工程において、
ヒータブロックの平坦面により、前記受圧板を凹部に向かって押圧した状態で、前記フィルム部材を前記凹部の周縁に熱溶着するようにした請求項26に記載のバルブユニットの製造方法。 - 前記フィルム部材を前記ユニットケースに対して熱溶着する工程において、ヒータブロックの突部により、前記受圧板を凹部に向かって押圧するとともに、前記フィルム部材を前記凹部の周縁に熱溶着するようにした請求項26に記載のバルブユニットの製造方法。
- 前記ヒータブロックの前記突部が断熱材料から成る請求項28に記載のバルブユニットの製造方法。
- 前記フィルム部材を前記ユニットケースに対して熱溶着する工程において、ヒータブロックにてフィルム部材をユニットケースに圧着し、ヒータブロックの孔からヒータブロックとユニットケースとの間の空気を吸引及び排出してた状態で、前記フィルム部材が前記ユニットケースに熱溶着される請求項26に記載のバルブユニットの製造方法。
- キャリッジに搭載されて記録用紙の幅方向に往復移動される記録ヘッドと、インクカートリッジからインク供給路を介してインクの供給を受けると共に、前記記録ヘッドに対してインクを供給するために、前記キャリッジに搭載されたインク供給用バルブユニットとを備えたインクジェット式記録装置であって、
前記インク供給用バルブユニットは、
前記インク供給路を介して前記インクカートリッジに接続された圧力室と、
前記圧力室にインクを供給するために前記インク供給路を開放又は閉鎖するバルブと、
前記記録ヘッドによるインクの消費に伴い、圧力室内に発生する負圧を感知して、前記バルブを動作させる駆動体と、
前記駆動体に当接して前記圧力室の容積を拡張する方向に付勢する負圧保持バネと
が具備されてなるインクジェット式記録装置。 - 前記インク供給用バルブユニットには、前記インク供給路を閉鎖する方向に前記バルブを付勢するシールバネがさらに具備された請求項31に記載のインクジェット式記録装置。
- 前記駆動体は、前記圧力室の一部を構成する可撓性のフィルム部材からなる請求項31または請求項32に記載のインクジェット式記録装置。
- 前記フィルム部材には受圧板が配置され、前記フィルム部材の変位による前記受圧板の移動に伴って前記バルブが動作する請求項33に記載のインクジェット式記録装置。
- 前記負圧保持バネを、その付勢方向が前記受圧板の移動方向に一致するように配置してなる請求項34に記載のインクジェット式記録装置。
- 前記負圧保持バネがコイルバネであり、当該コイルバネが前記受圧板のほぼ中央部に当接し得るように配置した請求項35に記載のインクジェット式記録装置。
- 前記負圧保持バネがコイルバネからなり、当該コイルバネが前記受圧板の周縁付近に当接し得るように配置した請求項35に記載のインクジェット式記録装置。
- 前記負圧保持バネが複数のコイルバネにより構成され、各コイルバネが前記受圧板の周縁付近にそれぞれ当接し得るように配置した請求項35に記載のインクジェット式記録装置。
- 前記負圧保持バネが板バネからなり、当該板バネの長手方向における両端部が支持されて、その中央部が前記受圧板のほぼ中央部に当接し得るように配置した請求項35に記載のインクジェット式記録装置。
- 前記インク供給用バルブユニットは更に、
前記インク供給路と前記圧力室との間に位置する供給孔と、
その供給孔を閉鎖する方向へ前記バルブを付勢するシールバネと
を備え、前記バルブは前記シールバネの付勢力に抗する前記フィルム部材の変位を受けて、前記供給孔を開放する請求項32乃至39のいずれか一項に記載のインクジェット式記録装置。 - 前記バルブは、板状部材と、その板状部材から突出するように板状部材と一体に成形されたロッド部材とを備え、そのロッド部材は前記インク供給孔に挿通され、前記板状部材は前記シールバネの付勢力を受けるとともに、前記ロッド部材が前記フィルム部材の変位による押圧作用を受けるようにした請求項40に記載のインクジェット式記録装置。
- 前記インク供給孔は前記バルブのロッド部材を摺動可能に支持するためにユニットケースに形成された支持孔と、その支持孔の周囲に沿って間欠的に形成された複数の切欠き孔とから構成されている請求項41に記載のインクジェット式記録装置。
- 前記ユニットケースには、前記供給孔の外側を囲むようにして環状に形成されたシール部材が配置され、前記バルブの板状部材がシール部材に当接したときに前記供給孔が閉鎖される請求項42に記載のインクジェット式記録装置。
- 前記可動バルブが前記圧力室の容積変化に基づいて最大限移動した後にも、前記負圧保持バネはさらに圧縮可能に構成されている請求項40乃至43のいずれか一項に記載のインクジェット式記録装置。
- 前記インクカートリッジは、記録装置の本体に着脱可能に装着され、前記インク供給路は可撓性のインク供給チューブからなり、そのインク供給チューブを介して、インクカートリッジからインクが前記インク供給用バルブユニットに対して供給される請求項41乃至44のいずれか一項に記載のインクジェット式記録装置。
- 前記インクカートリッジ内のインクに正圧が加えられることにより、前記インクカートリッジからインク供給用バルブユニットに対してインクが供給される請求項45に記載のインクジェット式記録装置。
- 前記インクカートリッジは、気密状態になされた外郭ケースと、この外郭ケース内に収納され、かつ、インクを封入した可撓性材料によるインクパックとから構成され、前記外郭ケースとインクパックとの空間部に加圧空気が印加されることで、前記インクカートリッジ内のインクに正圧が加えられる請求項46に記載のインクジェット式記録装置。
- 前記インクカートリッジから前記インク供給用バルブユニットにインクを導くため、前記インクカートリッジにインク導出部が形成され、そのインク導出部は重力方向に沿って前記インク供給用バルブユニットの上部に配置され、前記インク導出部とバルブユニットとの間の水頭差に基づいて前記正圧が生成される請求項46に記載のインクジェット式記録装置。
- 液体を貯留する液体貯留部材と、前記液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体貯留部材から前記液体噴射ヘッドへ前記液体を供給するための液体供給路と、この液体供給路上に設けられ前記液体を一時貯留するバルブユニットとを備えた液体噴射装置において、
前記バルブユニットは、
前記液体貯留部材から供給される液体が流入する供給室と、
前記液体噴射ヘッドへ流出される液体が貯留される圧力室と、
前記液体が前記液体噴射ヘッドから噴射されて前記圧力室内に発生した負圧により、前記供給室と前記圧力室とを連通させるバルブとを備え、
前記圧力室には、前記液体噴射ヘッドへと流出する液体出口が、重力方向において、前記圧力室の容積の25%以下の位置に設けられた液体噴射装置。 - 液体を貯留する液体貯留部材と、前記液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
前記液体貯留部材から前記液体噴射ヘッドへ前記液体を供給するための液体供給路と、この液体供給路上に設けられ前記液体を一時貯留するバルブユニットと、このバルブユニットより上流の前記液体供給路上に配置され、この液体供給路を開閉する流路バルブとを備えた液体噴射装置において、
前記バルブユニットは、
前記液体貯留部材から供給される液体が流入する供給室と、
前記液体噴射ヘッドへ流出される液体が貯留される圧力室と、
前記液体が前記液体噴射ヘッドから噴射されて前記圧力室内に発生した負圧により、前記供給室と前記圧力室とを連通させるバルブとを備え、
前記圧力室には、前記液体噴射ヘッドへと流出する液体出口が、重力方向において、前記圧力室の容積の40%以下の位置に設けられている液体噴射装置。 - 前記液体出口が、重力方向に沿って前記圧力室の最下部に設けられている請求項49又は50に記載の液体噴射装置。
- 前記圧力室は、その圧力室の中心よりも重力方向に沿って上方に位置する上部空間が、中心より下方に位置する下部空間より小さく形成されている請求項49乃至51のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
- 前記圧力室の前記上部空間は、上方に向かうに従って狭くなっている請求項52に記載の液体噴射装置。
- 前記圧力室の前記上部空間は、前記圧力室の中心付近から周縁部に向かって狭くなっている請求項53に記載の液体噴射装置。
- 前記圧力室の前記下部空間には、体積増大部が形成されている請求項52乃至54のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
- 前記圧力室は、前記バルブユニットのユニットケースに形成される凹部と、この凹部の開口を覆うとともに、圧力室内の負圧に基づいて変形して前記バルブを開弁させる可撓性部材とから構成されており、
前記凹部の周縁部には、前記可撓性部材側が拡開するように斜面が形成されている請求項49乃至55のいずれか一項に記載の液体噴射装置。 - 液体を貯留する液体貯留部材から、前記液体を噴射する液体噴射ヘッドへ液体を供給するための液体供給路に設けられるバルブユニットにおいて、
前記液体貯留部材から供給される液体が流入する供給室と、
前記液体噴射ヘッドへ流出される液体が貯留される圧力室と、
前記液体が前記液体噴射ヘッドから噴射されて前記圧力室内に発生した負圧により、前記供給室と前記圧力室とを連通させるバルブとを備え、
前記圧力室には、前記液体噴射ヘッドへと流出する液体出口が、重力方向に沿って、前記圧力室の容積の25%以下の位置に設けられているバルブユニット。 - 液体を貯留する液体貯留部材から、前記液体を噴射する液体噴射ヘッドへ液体を供給するための液体供給路における前記液体の連通を制御する流路バルブの下流に設けられるバルブユニットにおいて、
前記液体貯留部材から供給される液体が流入する供給室と、
前記液体噴射ヘッドへ流出される液体が貯留される圧力室と、
前記液体が前記液体噴射ヘッドから噴射されて前記圧力室内に発生した負圧により、前記供給室と前記圧力室とを連通させるバルブとを備え、
前記圧力室には、前記液体噴射ヘッドへと流出する液体出口が、重力方向に沿って、前記圧力室の容積の40%以下の位置に設けられているバルブユニット。 - 液体噴射ヘッドが設けられたキャリッジと、前記キャリッジに搭載されて、前記液体噴射ヘッドに供給する液体を収容した液体収容部とを備え、前記液体噴射ヘッ ドから液体をターゲットに対して噴射する液体噴射装置において、
前記液体噴射ヘッドと前記液体収容部との間にバルブユニットが配設されており、前記バルブユニットは、
前記液体収容部側に区画された供給室と前記液体噴射ヘッド側に区画された圧力室とを連通または遮断するバルブと、
前記供給路を閉鎖する方向へ前記バルブを付勢する付勢部材と、
前記圧力室内の液体の減少に伴う負圧を感知して、前記付勢部材の付勢力に抗して、前記バルブにより前記供給室と圧力室とを連通させる駆動体とを備えている液体噴射装置。 - 請求項59に記載の液体噴射装置において、
前記液体収容部は、前記バルブユニットの前記供給室よりも上方に配置されている液体噴射装置。 - 請求項59又は60に記載の液体噴射装置において、
前記バルブユニットは、前記キャリッジに一体的に設けられるとともに、前記液体収容部は前記キャリッジに対して着脱可能である液体噴射装置。 - 請求項61に記載の液体噴射装置において、
前記バルブユニットには、前記液体収容部に挿入される供給針が形成されるとともに、前記液体収容部には、前記供給針が挿入される供給部が設けられており、この供給部には、前記供給針が挿入された状態で開弁し、かつ、前記供給針が離脱した状態で閉弁する弁機構が設けられている液体噴射装置。 - 請求項59又は60に記載の液体噴射装置において、
前記バルブユニットは、前記液体収容部と一体的に設けられており、
前記液体収容部は前記バルブユニットとともに、前記キャリッジから着脱可能である液体噴射装置。 - 請求項63に記載の液体噴射装置において、
前記キャリッジには、前記バルブユニットに挿入される供給針が形成されるとともに、前記バルブユニットには、前記供給針が挿入された状態で開弁し、その供給針が離脱した状態で閉弁する弁機構が設けられている液体噴射装置。 - 請求項61乃至64のいずれか一項に記載の液体噴射装置において、
前記駆動体は可撓性のフィルム部材からなり、このフィルム部材が前記圧力室内の液体の減少に伴う負圧を受けて変位し、前記バルブを動作させる液体噴射装置。 - 液体噴射ヘッドを備えたキャリッジに搭載され、前記液体噴射ヘッドに供給する液体を収容した液体収容部を有する液体収容体において、
前記液体収容部は、前記キャリッジに固定されたバルブユニットを介して前記キャリッジに搭載されており、
前記液体収容部の液体は、前記液体噴射ヘッドに連通している前記バルブユニットの圧力室内の液体の減少に伴う負圧を感知したときに、前記液体収容部に連通している前記バルブユニットの供給室と前記圧力室とを遮断しているバルブが開弁されて、前記圧力室に供給されることを特徴とする液体収容体。 - 請求項66に記載の液体収容体において、
前記液体収容部は、前記バルブユニットの前記供給室よりも高い位置となるように前記キャリッジに搭載されており、
前記液体収容部の底面は、前記キャリッジに搭載された状態で、前記供給室に連通する液体収容部の供給口に向かって傾斜している液体収容体。 - 液体噴射ヘッドを有するキャリッジに着脱可能に搭載される液体収容体において、
液体を収容する液体収容部と、前記液体噴射ヘッド側に設けられたバルブユニットとを有しており、
前記バルブユニットには、液体収容部側に区画された供給室と前記液体噴射ヘッド側に区画された圧力室とを連通または遮断するバルブ及び圧力室内の液体の減少に伴う負圧を感知して前記バルブを動作させる駆動体が設けられている液体収容体。
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