JP3605253B2

JP3605253B2 - Threaded joint for steel pipe

Info

Publication number: JP3605253B2
Application number: JP07242897A
Authority: JP
Inventors: 英司津留; 和士丸山
Original assignee: Nsct Premium Tubulars BV
Current assignee: Nsct Premium Tubulars BV
Priority date: 1997-03-25
Filing date: 1997-03-25
Publication date: 2004-12-22
Anticipated expiration: 2017-03-25
Also published as: JPH10267175A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体潤滑剤を継手構成要素の特定部分に用いた油井管用ねじ継手に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、石油掘削に使用されるケーシング、チュービングなどの油井管はねじ継手で締結される。最近では油井、ガス井は深井戸化し、特にシール性の点で金属接触部を有したプレミアムジョイントが盛んに使用されるようになってきた。また、原油の掘削効率の向上などを狙った水平坑井も隆盛を極め、係る油井では従来にも増して継手の捩り強度が要求されるようになって来た。
【０００３】
一方、環境面では油井管ねじ継手を締結するときに使用されるコンパンドグリスに含まれている重金属粉が環境汚染につながることが指摘され、特に北海、アラスカ地区ではコンパンド中に金属粉を含まないグリスが使用されるようになってきた。また、コンパンドグリスは極寒の使用では暖めて使う必要があり、グリス塗布、洗浄作用自身が作業効率上、省略されることが望ましかった。さらに、使用性能上へのグリスの弊害も指摘され、継手設計上の対策も取られてきた（特開昭６３−２１０４８号公報）。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
このような問題を抜本的に解決するために、特開昭６１−１３６０８７号公報や特開平８−１０３７２４号公報等の技術が提案されているが、これら技術はコンパンドグリスの第１の目的は継手締結中の耐焼付き防止にあり、その意味で固体潤滑剤はコンパンドグリス同等以上の性能を呈していた。しかしながら、固体潤滑剤では締結トルクがばらつくという新たな問題が生じた。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上述したような固体潤滑剤での問題を解決するため、発明者らは鋭意開発を進めた結果、コンパンドグリスの代わりに固体潤滑剤を用いる金属接触部、肩部を有する油井管用ねじ継手において、最終トルク抵抗を向上させ、適切な締結トルク範囲を拡大することを目的とした油井管用ねじ継手を提供するものである。
その発明の要旨とするところは、
（１）管外側に雄ねじ、シール面、ショルダー面を有するピンと管内側に該ピンにそれぞれ対応する雌ねじ、シール面、ショルダー面を有するボックスを嵌合するねじ継手において、金属接触面に固体潤滑剤を形成し、ねじロードフランク面の固体潤滑剤皮膜厚さを５μｍ以下に薄く形成したことを特徴とする鋼管用ねじ継手。
【０００６】
（２）管外側に雄ねじ、シール面、ショルダー面を有するピンと管内側に該ピンにそれぞれ対応する雌ねじ、シール面、ショルダー面を有するボックスを嵌合するねじ継手において、金属接触面に固体潤滑剤を形成し、ねじロードフランク面、およびショルダー面の固体潤滑剤皮膜厚さを５μｍ以下に薄く形成したことを特徴とする鋼管用ねじ継手。
【０００７】
（３）管外側に雄ねじ、シール面、ショルダー面を有するピンと管内側に該ピンにそれぞれ対応する雌ねじ、シール面、ショルダー面を有するボックスを嵌合するねじ継手において、ねじロードフランク面以外の金属接触面に固体潤滑剤皮膜を形成したことを特徴とする鋼管用ねじ継手。
【０００８】
（４）管外側に雄ねじ、シール面、ショルダー面を有するピンと管内側に該ピンにそれぞれ対応する雌ねじ、シール面、ショルダー面を有するボックスを嵌合するねじ継手において、ねじロードフランク面、およびショルダー面以外の金属接触面に固体潤滑剤皮膜を形成したことを特徴とする鋼管用ねじ継手にある。
【０００９】
以下、本発明について図面に従って詳細に説明する。
図１は継手締結中のメークアップトルクとターン数曲線との継手締結状態を示す模式図である。この図に示すように、継手嵌合に従い、ねじ部、あるいはシール部の摩擦抵抗によりトルクが生じ、肩部接触と同時にトルクは急激に上昇し、このときのトルクをショルダートルクと呼ぶ。肩部が接触することで図面上のシール干渉代、ねじ干渉代が得られたことになり、プレミアムジョイントでは締結が無事完了したことを示す最低限の指標となる。
【００１０】
締結トルクが最終的には推奨メークアップトルク値に到達した時点で締結終了となる。継手種によってはショルダートルクから最終トルクまでのショルダー吸収トルク（△Ｔ）を実質上、制御しなければならないものもある。ところが、固体潤滑剤を用いた場合、グリス締結に比べ、このショルダートルクも大きくばらつくし、また、ショルダートルクは機械加工公差によっても大きくばらつくため、ショルダートルクが必ず得られるような最終トルクを選定した場合、図２に示すように、ばらつきの下限値のショルダートルクの継手に対してはショルダー吸収トルクが大きくなり過ぎ、肩部、シール部が致命的な塑性変形を被ることが判った。
【００１１】
このようなオーバートルクによる塑性変形の問題は、従来のグリスを用いたメークアップでもあったが、摩擦抵抗、すなわち、ショルダートルクのばらつきはそれほど大きなものではなかった。この理由として、図３に示すように、ねじ界面に生じるグリス圧力がトルクを低位安定化させていることを解明した。
これに対して、図４に示すように、固体潤滑剤のみを設けた場合は摩擦係数のばらつき（０．０５〜０．１５）がそのままトルクのばらつきとなって現れることも突き止めた。従って、固体潤滑剤のみを用いる継手の締結では、従来にも増してトルク抵抗を改善する必要のあることが判った。
【００１２】
そこで、ショルダートルクまでの締結トルクは主にネジ部で発生するトルクであるのに対し、ショルダー吸収トルクは肩部とネジ部のロードフランク面で発生する反力によって生じることに注目した。摩擦抵抗はクーロンの摩擦則で近似できることから発生トルクＴは、Ｔ＝μＮ
ここでμは摩擦係数、Ｎは反力である。従って、ショルダー吸収トルクを大きくするためには摩擦係数μを大きくすればよいことが判る。しかし、μは焼付き性に密接な関係があり、一般的にμを大きくすることは耐焼付き性が劣化することを意味する。この相反する課題を同時に解決するために図５に示すようにねじのロードフランク面６に固体潤滑剤を塗布しないか、塗布しても施工上付着は不可避なレベルまで薄くし、他の面に固体潤滑皮膜を形成すれば良いことを見出したものである。
【００１３】
このような知見に基づいて、本発明に係るねじのロードフランク面、またはロードフランク面およびショルダー面の固体潤滑剤皮膜厚さを５μｍ以下に薄く形成した。このねじのロードフランク面、またはロードフランク面およびショルダー面の固体潤滑剤皮膜厚さを５μｍ以下にした理由は、５μｍを超える厚さであると、本発明の目的とする最終トルク抵抗の向上、および適切な締結トルク範囲の拡大を図ることができないからである。なお、好ましい範囲は１〜３μｍとする。
【００１４】
【発明の実施の形態】
図５は本発明に係る構成図である。図５（ａ）は継手構成部材の組立構成を示す図であり、図５（ｂ）はねじ部３の拡大図であり、また、図５（ｃ）は肩部接触面４の拡大図である。図５（ａ）に示すように、焼付きはピン２とボックス１の摺動面全てで起きる可能性があるが、油井管継手では高面圧になるシール面５で最も起きやすく、次に図５（ｂ）および（ｃ）に示すように、ねじのクレストールート面７、肩部接触面４などとなる。ロードフランク面における大半の面圧は肩部衝接後のわずかな摺動距離に対して生じるのみであり、なおかつ、肩部で生じるほぼ同程度の面圧相当が各ねじ山のロードフランク面に分散されるため、接触面でありながら、ロードフランク面の焼付きは極めて起きにくい。従って、ロードフランク面には固体潤滑剤を塗布しなくとも実質上、焼き付くことはない。一方、ロードフランク面に固体潤滑剤を塗布しないと摩擦抵抗が増大し、最終トルク抵抗が向上すると期待できる。
【００１５】
本発明のようにロードフランク面に固体潤滑剤を形成させないか、付けても極めて僅かしか形成させない施工方法として、カップリングを例に示す。図６は通常の施工でのコーテイング方法を示す図である。この図６に示すように、通常の施工で、カップリングを回転させながら放射状に角度をもって噴霧状にしてねじ面、シール面、ショルダー面に付着させ、さらに左右を入れ換えて均一化を図る。これに対して、図７は、ロードフランク面に密着しにくくする、本発明に通用した方法である。すなわち、一方にマスキングをして、樹脂の付着を防ぎ、常にカップリングの奥から手前方向にスプレーガンを移動させることで、焼付きの起こりやすいシール面、ショルダー面、ねじのクレスト面には十分に密着できるが、ロードフランク面はスプレーの入射角に対して大きな角度を持っていないため、ロードフランク面には樹脂は殆ど付着しなくなる。
【００１６】
【実施例】
以下、本発明について実施例により具体的に述べる。
供試材として、外径３−１／２゛のＬ−８０材のプレミアムジョイントで、下地処理に燐酸塩処理を施し、固体潤滑剤としてＭｏＳ_２を用い、これをポリアミドイミドをバインダーとしてコーテイングした。カップリングの両側をそれぞれの方法で施工し、片方を試験し、他方の断面を観察した。観察結果と電磁膜厚計から得られる膜厚から判定した結果を表１に示す。ここで焼付きは目視に判定結果であり、限界トルク値は次の図８による方法で判断した。
【００１７】
【表１】

【００１８】
表１において、Ｎｏ．９〜Ｎｏ．１１は代表的な従来技術例であり、最も焼付きが起こりやすいシール面の潤滑性を向上させるためにシール面に固体潤滑皮膜を施すとショルダー面、ネジロードフランク面にも固体潤滑剤が付着し、摩擦抵抗が下がり、結果的に限界トルク値が低下する。これに対してネジロードフランク面に固体潤滑皮膜を付着させないか、付着しても極少量、５μｍ以下であった場合、Ｎｏ．１〜Ｎｏ．８に見られるように限界トルクが向上する。さらに、ショルダー面への付着を避けることでも効果はさらに大きくなる。限界トルクのみに着目し、金属接触面全体を薄膜化した場合（Ｎｏ．１２）、限界トルクは高くなるが、シール部やねじ部クレスト面で焼付きが発生し、使用不能となった。
【００１９】
図８は本発明の効果をシール干渉代の減少率とショルダー吸収トルクの関係で示した図である。ここで縦軸は初期シール干渉代に対する残存シール干渉代の割合を示す。干渉代が急激に減少し始めるところがショルダー吸収トルクの限界値と考えられ、これ以上のトルクに対してはシール性が確保できなくなる恐れがある。ロードフランク面に潤滑剤を付着させた従来方法ではトルク限界が６０００Ｎｍであったのに対して、本発明による最終トルク限界は８５００Ｎｍと著しく向上した。このようにロードフランク面への固体潤滑剤を含んだ樹脂付着を意識的に避けることでショルダー吸収トルクが３０％近く向上し、尚且つ、いずれの接触面も焼付きが起こらないことが判った。
【００２０】
ねじのロードフランク面のみならず、ショルダー面に固体潤滑剤付着を意識的に避けることも継手のトルク抵抗を改善するためには有効であるが、継手径が大きくなったり、ショルダー吸収トルクが大きくなった場合、ショルダー面での焼付きが懸念される。この場合、下地処理として燐酸塩処理、窒化処理、鉄めっき、ショットブラスト、サンドフラスト等のそれ自身でも潤滑能力のある処理を行うことで、焼付きが最も厳しい、シール面、ねじのクレストールート面では固体潤滑剤を含む樹脂コーテイングの密着性を一層向上でき、継手サイズや締め付けトルクによっては焼付きの可能性があるショルダー面、ねじのロードフランク面でもある程度の耐焼付き性が確保でき、尚且つ、最終トルク抵抗を上げることが出来る。
【００２１】
本発明は固体潤滑剤の種類、樹脂の種類、下地処理の種類、方法を特定するものではないが、固体潤滑剤としては実施例に挙げたＭｏＳ_２の他、ＷＳ_２やＰＴＦＥが好ましい。樹脂はポリアミドイミドなどのポリイミド系樹脂の他、エポキシ系、フラン系樹脂が好ましい。
【００２２】
次に、ねじ形状と本発明との関係を示す。図９はねじ形状の例とコーテイング位置を示す図である。図９（ａ）は固体潤滑剤を用いた場合であって、最も好適と考えられるねじ形状でカップリング雌ねじ側に潤滑処理が施されている。この場合、カップリングクレスト面（ねじ山面）１１、ロードフランク面１２が接触しており、スタピングフランク面１３、カップリングルートーピンクレスト間１４は接触していない。この組み合わせの利点として、カップリングに固体潤滑剤を塗布した場合、カップリングルート面（ねじ底面）には固体潤滑剤が付着しにくいため、ねじ設計上間隙を設け、接触を避けた方が焼き付く恐れがない。また、クレスト面、ルート面が同時に接触するようなねじ設計にしておいてもカップリングクレスト面にはルート面より厚く固体潤滑剤が付着するため、同様の効果が現れる。ピン側に潤滑処理を行うときはこの逆になるが、通常、カップリング側への処理が容易なため、各種の組み合わせがよい。
【００２３】
一方、図９（ｂ）は他のねじ形状の例とコーテイング位置を示す図である。図９（ｂ）に示すようにロードフランク面１２が負角の場合、スプレー方式による通常の施工方法においても、ロードフランク面１２への固体潤滑剤の付着は実質上殆どないが、施工方法、ねじ形状にかかわらず、ロードフランク面１２への固体潤滑剤の塗布を行わないという点で本発明に含まれる。
図９（ｃ）は更に他のねじ形状の例とコーテイング位置を示す図である。図９（ｃ）に示すように、ロードフランク面１２とスタピングフランク面１３が接触するねじ形状の例である。この場合もロードフランク面１２への固体潤滑剤の付着を避けることでトルク抵抗は上昇し、本発明に含まれる。
【００２４】
本発明は金属接触、ねじ部と実質上の肩部を有していることを条件に皮膜位置を特定したものであり、それぞれの形状に特定されるものではない。例えば、図１０に示すように、カップリング側に肩部を有さず、お互いピン先端同時が衝接することで実質上の肩部の効果がある場合でもロードフランク面１２への実質上の固体潤滑皮膜がなければ本発明に含まれる。また、ＡＰＩのＥＬケーシングのように内面にシール部、外面に肩部がある場合でもロードフランク面１２への潤滑処理を行わないことでトルク抵抗は向上でき、本発明に含まれる。
さらに、ねじ界面、あるいはピン先端部にシール目的や耐食目的から樹脂リングが装着される継手においても樹脂リングに加え、金属接触部、肩部、ねじ部があれば本発明に含まれる。
【００２５】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によるねじ継手は、ねじロードフランク面およびショルダー面の固体潤滑皮膜厚さを５μｍ以下に極めて薄く形成したこと、またはねじロードフランク面およびショルダー面以外の金属接触面に固体潤滑皮膜を形成したことにより、最終トルク抵抗を向上させ、適切な締結トルク範囲の拡大を図ることが出来る工業上極めて優れた管ねじ継手を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】継手締結中のメークアップトルクとターン数曲線との継手締結状態を示す模式図である。
【図２】オーバートルクによる継手の変形の説明図である。
【図３】グリスを用いた締め付けによるトルクのばらつきを示す図である。
【図４】固体潤滑剤を用いた締め付けによるトルクのばらつきを示す図である。
【図５】本発明に係る構成図である。
【図６】通常の施工でのコーテイング方法を示す図である。
【図７】本発明に係るコーテイング方法を示す図である。
【図８】本発明の効果をシール干渉代の減少率とショルダー吸収トルクの関係で示した図である
【図９】ねじ形状の例とコーテイング位置を示す図である。
【図１０】本発明に係る適用継手の例を示す図である。
【符号の説明】
１ボックス
２ピン
３ねじ部
４肩部
５シール部
６ロードフランク面
７カップリングねじ山
８カップリングねじ底
９スタピングフランク面
１０固体潤滑剤含有コーテイング
１１カップリングねじ山−ピンねじ底の接触面
１２ロードフランク面
１３スタピングフランク面
１４カップリングねじ底−ピンねじ山面[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a threaded joint for an oil country tubular good using a solid lubricant in a specific part of a joint component.
[0002]
[Prior art]
Generally, oil country tubular goods such as casings and tubing used for oil drilling are fastened with threaded joints. Recently, oil wells and gas wells have been deepened, and premium joints having metal contact portions in particular in terms of sealing properties have been actively used. In addition, horizontal wells aiming at improving the efficiency of excavating crude oil have also become extremely prosperous, and in such oil wells, the torsional strength of joints has been required more than ever before.
[0003]
On the other hand, on the environmental side, it has been pointed out that heavy metal powder contained in compound grease used when fastening oil country tubular goods threaded joints leads to environmental pollution, especially in the North Sea and Alaska area, metal powder is not contained in compound. Grease has come to be used. In addition, it is necessary to use the compound grease warmed in extremely cold use, and it is desired that the grease application and cleaning actions themselves be omitted from the viewpoint of work efficiency. In addition, the harmful effect of grease on the performance in use has been pointed out, and measures have been taken in joint design (Japanese Patent Application Laid-Open No. 63-21048).
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In order to drastically solve such a problem, techniques such as JP-A-61-136087 and JP-A-8-103724 have been proposed, but these techniques have the first object of compound grease. In order to prevent seizure during fastening of the joint, the solid lubricant exhibited performance equal to or higher than compand grease in that sense. However, the solid lubricant has a new problem that the fastening torque varies.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the problem with the solid lubricant as described above, as a result of the inventors' intensive development, as a result of a metal contact using a solid lubricant instead of compound grease, in a threaded joint for oil country tubular goods having a shoulder, An object of the present invention is to provide a threaded joint for oil country tubular goods for the purpose of improving final torque resistance and expanding an appropriate fastening torque range.
The gist of the invention is that
(1) In a threaded joint in which a pin having an external thread, a sealing surface, and a shoulder surface on the outside of a pipe and a female screw, a sealing surface, and a box having a shoulder surface corresponding to the pin on the inside of the pipe are fitted, a solid lubricant is applied to the metal contact surface. Wherein the thickness of the solid lubricant film on the screw load flank surface is reduced to 5 μm or less.
[0006]
(2) In a screw joint in which a pin having an external thread, a sealing surface, and a shoulder surface on the outside of the tube and a box having a female screw, a sealing surface, and a shoulder surface corresponding to the pin on the inside of the tube are fitted, a solid lubricant is applied to the metal contact surface. A threaded joint for steel pipes, wherein the thickness of the solid lubricant film on the screw load flank surface and the shoulder surface is reduced to 5 μm or less.
[0007]
(3) In a threaded joint in which a pin having a male screw, a sealing surface, and a shoulder surface on the outside of a tube and a female screw, a sealing surface, and a box having a corresponding shoulder on the inside of the tube are fitted, a metal other than the screw flank surface is used. A threaded joint for steel pipes, wherein a solid lubricant film is formed on a contact surface.
[0008]
(4) In a screw joint in which a pin having a male screw, a sealing surface, and a shoulder surface on the outside of the tube and a box having a female screw, a sealing surface, and a shoulder surface corresponding to the pin on the inside of the tube are fitted, a screw load flank surface and a shoulder are provided. A threaded joint for steel pipes, wherein a solid lubricant film is formed on a metal contact surface other than the surface.
[0009]
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
FIG. 1 is a schematic diagram showing a joint fastening state between a make-up torque and a turn number curve during the joint fastening. As shown in this figure, a torque is generated by the frictional resistance of the screw portion or the seal portion in accordance with the fitting of the joint, and the torque rapidly increases simultaneously with the contact with the shoulder portion. The torque at this time is called a shoulder torque. The contact of the shoulders gives the seal interference allowance and the screw interference allowance on the drawing, and this is the minimum index indicating that the fastening is completed successfully in the premium joint.
[0010]
When the fastening torque finally reaches the recommended make-up torque value, the fastening is completed. For some types of joints, the shoulder absorption torque (ΔT) from the shoulder torque to the final torque must be substantially controlled. However, when a solid lubricant is used, the shoulder torque varies greatly as compared with the grease fastening, and the shoulder torque varies greatly due to the machining tolerance, so a final torque was selected so that the shoulder torque could always be obtained. In this case, as shown in FIG. 2, it was found that the shoulder absorption torque became too large for the joint having the shoulder torque of the lower limit value of the variation, and the shoulder portion and the seal portion suffered fatal plastic deformation.
[0011]
The problem of plastic deformation due to such overtorque was also the make-up using conventional grease, but the frictional resistance, that is, the variation in shoulder torque was not so large. As a reason for this, as shown in FIG. 3, it has been clarified that the grease pressure generated at the screw interface stabilizes the torque to a low level.
On the other hand, as shown in FIG. 4, it was also found that when only the solid lubricant was provided, the variation in the friction coefficient (0.05 to 0.15) appeared directly as the variation in the torque. Therefore, it has been found that in the case of fastening a joint using only a solid lubricant, it is necessary to improve torque resistance more than before.
[0012]
Therefore, it has been noted that the fastening torque up to the shoulder torque is mainly generated at the screw portion, whereas the shoulder absorption torque is generated by the reaction force generated at the shoulder and the load flank surface of the screw portion. Since the frictional resistance can be approximated by Coulomb's law of friction, the generated torque T is T = μN
Here, μ is a friction coefficient, and N is a reaction force. Therefore, it is understood that the shoulder absorption torque can be increased by increasing the friction coefficient μ. However, μ is closely related to the seizure property, and generally, increasing μ means that the seizure resistance is deteriorated. In order to solve these conflicting problems at the same time, as shown in FIG. 5, solid lubricant is not applied to the load flank surface 6 of the screw, or even if it is applied, the solid lubricant is thinned to an unavoidable level in construction, and is applied to other surfaces. It has been found that a solid lubricating film may be formed.
[0013]
Based on such knowledge, the thickness of the solid lubricant film on the load flank surface or the load flank surface and the shoulder surface of the screw according to the present invention was formed to be as thin as 5 μm or less. The reason for setting the thickness of the solid lubricant film on the load flank surface or the load flank surface and the shoulder surface of the screw to 5 μm or less is that if the thickness exceeds 5 μm, the final torque resistance aimed at by the present invention is improved. In addition, it is not possible to increase the appropriate fastening torque range. Note that a preferable range is 1 to 3 μm.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
FIG. 5 is a configuration diagram according to the present invention. FIG. 5A is a view showing an assembling structure of the joint constituting member, FIG. 5B is an enlarged view of the screw portion 3, and FIG. 5C is an enlarged view of the shoulder contact surface 4. is there. As shown in FIG. 5 (a), seizure may occur on all the sliding surfaces of the pin 2 and the box 1, but it is most likely to occur on the sealing surface 5 where a high surface pressure is applied in the oil country tubular goods joint. As shown in FIG. 5B and FIG. 5C, the crest root surface 7 of the screw, the shoulder contact surface 4 and the like are provided. Most surface pressure on the load flank surface occurs only for a small sliding distance after the shoulder abutment, and almost the same surface pressure generated on the shoulder is applied to the load flank surface of each thread. Since they are dispersed, seizure of the load flank surface is extremely unlikely to occur even though it is a contact surface. Therefore, even if the solid lubricant is not applied to the road flank surface, the surface is not substantially burned. On the other hand, when the solid lubricant is not applied to the road flank surface, the frictional resistance increases, and it can be expected that the final torque resistance is improved.
[0015]
A coupling is shown as an example of a construction method in which a solid lubricant is not formed on the load flank surface or is formed only very little even if it is attached as in the present invention. FIG. 6 is a diagram showing a coating method in normal construction. As shown in FIG. 6, in a normal construction, the coupling is rotated to be sprayed at an angle radially and adhered to the screw surface, the seal surface, and the shoulder surface, and the left and right sides are exchanged for uniformity. On the other hand, FIG. 7 shows a method commonly used in the present invention that makes it difficult to adhere to the load flank surface. In other words, masking one side to prevent resin adhesion and always moving the spray gun from the back of the coupling to the front, enough for the seal surface, shoulder surface, and screw crest surface where seizure is likely to occur. However, since the load flank does not have a large angle with respect to the angle of incidence of the spray, the resin hardly adheres to the load flank.
[0016]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be specifically described with reference to Examples.
As a test material, a premium joint of L-80 material having an outer diameter of 3-1 / 2 ゛ was subjected to a phosphate treatment as a base treatment, MoS ₂ was used as a solid lubricant, and this was coated using polyamideimide as a binder. . Both sides of the coupling were constructed in each way, one was tested, and the other cross-section was observed. Table 1 shows the results determined from the observation results and the film thickness obtained from the electromagnetic film thickness meter. Here, the seizure is visually determined, and the limit torque value is determined by the method shown in FIG.
[0017]
[Table 1]

[0018]
In Table 1, No. 9-No. Reference numeral 11 denotes a typical prior art example. When a solid lubricating film is applied to the seal surface to improve the lubricity of the seal surface where seizure is most likely to occur, the solid lubricant adheres to the shoulder surface and the screw load flank surface. As a result, the frictional resistance decreases, and as a result, the limit torque value decreases. On the other hand, when the solid lubricating film was not adhered to the screw load flank surface, or even when it was adhered, the amount was 5 μm or less. 1 to No. As shown in FIG. 8, the limit torque is improved. Further, the effect is further enhanced by avoiding the adhesion to the shoulder surface. Focusing only on the limit torque, when the entire metal contact surface was thinned (No. 12), the limit torque was high, but seizure occurred on the seal portion and the screw portion crest surface, and it became unusable.
[0019]
FIG. 8 is a view showing the effect of the present invention in the relationship between the reduction rate of the seal interference allowance and the shoulder absorption torque. Here, the vertical axis indicates the ratio of the remaining seal interference to the initial seal interference. The point at which the interference margin starts to decrease rapidly is considered to be the limit value of the shoulder absorption torque, and there is a possibility that the sealing performance cannot be secured for a torque larger than this. While the torque limit was 6,000 Nm in the conventional method in which the lubricant was applied to the load flank surface, the final torque limit according to the present invention was remarkably improved to 8500 Nm. By consciously avoiding the resin containing the solid lubricant on the load flank surface, the shoulder absorption torque was improved by nearly 30%, and it was found that seizure did not occur on any of the contact surfaces. .
[0020]
It is also effective to improve the torque resistance of the joint by consciously avoiding the solid lubricant from adhering to the shoulder surface as well as the load flank surface of the screw.However, the joint diameter increases or the shoulder absorption torque increases. If this happens, there is a concern about seizure on the shoulder surface. In this case, by performing a treatment with a lubricating ability by itself such as a phosphate treatment, a nitriding treatment, an iron plating, a shot blast, and a sand blast as a base treatment, the most severe seizure, the sealing surface, the screw crest root. On the surface side, the adhesion of the resin coating containing the solid lubricant can be further improved, and a certain degree of seizure resistance can be secured even on the shoulder surface and the load flank surface of the screw, which may cause seizure depending on the joint size and tightening torque. First, the final torque resistance can be increased.
[0021]
Type of the present invention is a solid lubricant, the type of resin, the type of substrate treatment is not intended to specify a method, other MoS ₂ mentioned in the examples as a solid lubricant, WS ₂ or PTFE is preferred. The resin is preferably an epoxy-based or furan-based resin in addition to a polyimide-based resin such as polyamideimide.
[0022]
Next, the relationship between the screw shape and the present invention will be described. FIG. 9 is a diagram showing an example of a screw shape and a coating position. FIG. 9A shows a case in which a solid lubricant is used, and the coupling female screw side is lubricated in a thread shape considered to be the most suitable. In this case, the coupling crest surface (thread surface) 11 and the load flank surface 12 are in contact, and the stamping flank surface 13 and the coupling root-pink rest space 14 are not in contact. The advantage of this combination is that when solid lubricant is applied to the coupling, solid lubricant does not easily adhere to the coupling root surface (screw bottom surface). There is no fear. Further, even if the screw design is such that the crest surface and the root surface are in contact at the same time, the same effect appears because the solid lubricant adheres to the coupling crest surface thicker than the root surface. The opposite is true when lubrication is performed on the pin side, but usually various combinations are preferable because the processing on the coupling side is easy.
[0023]
On the other hand, FIG. 9B shows another example of the screw shape and the coating position. As shown in FIG. 9 (b), when the load flank surface 12 has a negative angle, the solid lubricant hardly adheres to the load flank surface 12 even in the ordinary spraying method. This is included in the present invention in that the solid lubricant is not applied to the load flank surface 12 irrespective of the screw shape.
FIG. 9C is a diagram showing still another example of the screw shape and the coating position. As shown in FIG. 9C, this is an example of a screw shape in which the load flank surface 12 and the stamping flank surface 13 are in contact with each other. Also in this case, the torque resistance is increased by avoiding the adhesion of the solid lubricant to the load flank surface 12, and is included in the present invention.
[0024]
In the present invention, the position of the film is specified on the condition that it has a metal contact, a screw portion, and a substantial shoulder, and is not specified for each shape. For example, as shown in FIG. 10, even if there is no shoulder on the coupling side, and the pin tips simultaneously abut each other, there is a substantial shoulder effect, so that the solid body on the load flank surface 12 is substantially solid. If there is no lubricating film, it is included in the present invention. Further, even when the inner surface has a seal portion and the outer surface has a shoulder portion like an API EL casing, torque resistance can be improved by not performing lubrication on the load flank surface 12 and is included in the present invention.
Further, in a joint in which a resin ring is attached to a thread interface or a pin tip for sealing purpose or corrosion resistance purpose, a metal contact portion, a shoulder portion, and a thread portion are included in the present invention in addition to the resin ring.
[0025]
【The invention's effect】
As described above, the threaded joint according to the present invention has an extremely thin solid lubricating film having a thickness of 5 μm or less on the screw load flank surface and the shoulder surface, or a metal contact surface other than the screw load flank surface and the shoulder surface. By forming the solid lubricating film, it is possible to obtain an industrially excellent pipe threaded joint capable of improving the final torque resistance and expanding the appropriate fastening torque range.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing a joint fastening state between a make-up torque and a turn number curve during joint fastening.
FIG. 2 is an explanatory diagram of deformation of a joint due to over torque.
FIG. 3 is a diagram illustrating a variation in torque due to tightening using grease.
FIG. 4 is a diagram showing variations in torque due to tightening using a solid lubricant.
FIG. 5 is a configuration diagram according to the present invention.
FIG. 6 is a diagram showing a coating method in normal construction.
FIG. 7 is a diagram showing a coating method according to the present invention.
8 is a diagram showing the effect of the present invention in the relationship between the reduction rate of the seal interference allowance and the shoulder absorption torque. FIG. 9 is a diagram showing an example of a screw shape and a coating position.
FIG. 10 is a view showing an example of an applied joint according to the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Box 2 Pin 3 Screw part 4 Shoulder part 5 Seal part 6 Load flank surface 7 Coupling screw thread 8 Coupling screw bottom 9 Stamping flank face 10 Coating containing solid lubricant 11 Coupling screw thread-Pin screw contact surface 12 Load flank surface 13 Stamping flank surface 14 Coupling screw bottom-Pin thread surface

Claims

管外側に雄ねじ、シール面、ショルダー面を有するピンと管内側に該ピンにそれぞれ対応する雌ねじ、シール面、ショルダー面を有するボックスを嵌合するねじ継手において、金属接触面に固体潤滑剤を形成し、ねじロードフランク面の固体潤滑剤皮膜厚さを５μｍ以下に薄く形成したことを特徴とする鋼管用ねじ継手。A solid lubricant is formed on a metal contact surface in a screw joint in which a male screw, a seal surface, a pin having a shoulder surface on the outside of the tube and a female screw, a seal surface, and a box having a shoulder surface corresponding to the pin on the inside of the tube are fitted. A threaded joint for steel pipes, wherein the thickness of the solid lubricant film on the screw load flank surface is formed as thin as 5 μm or less.

管外側に雄ねじ、シール面、ショルダー面を有するピンと管内側に該ピンにそれぞれ対応する雌ねじ、シール面、ショルダー面を有するボックスを嵌合するねじ継手において、金属接触面に固体潤滑剤を形成し、ねじロードフランク面、およびショルダー面の固体潤滑剤皮膜厚さを５μｍ以下に薄く形成したことを特徴とする鋼管用ねじ継手。A solid lubricant is formed on a metal contact surface in a screw joint in which a male screw, a seal surface, a pin having a shoulder surface on the outside of the tube and a female screw, a seal surface, and a box having a shoulder surface corresponding to the pin on the inside of the tube are fitted. A threaded joint for steel pipes, wherein the thickness of the solid lubricant film on the screw load flank surface and the shoulder surface is formed as thin as 5 μm or less.

管外側に雄ねじ、シール面、ショルダー面を有するピンと管内側に該ピンにそれぞれ対応する雌ねじ、シール面、ショルダー面を有するボックスを嵌合するねじ継手において、ねじロードフランク面以外の金属接触面に固体潤滑剤皮膜を形成したことを特徴とする鋼管用ねじ継手。In a screw joint that fits a pin having a male screw, a seal surface, and a shoulder surface on the outside of the tube and a female screw, a seal surface, and a box having a shoulder surface corresponding to the pin on the inside of the tube, a metal contact surface other than the screw load flank surface is used. A threaded joint for steel pipes characterized by forming a solid lubricant film.

管外側に雄ねじ、シール面、ショルダー面を有するピンと管内側に該ピンにそれぞれ対応する雌ねじ、シール面、ショルダー面を有するボックスを嵌合するねじ継手において、ねじロードフランク面およびショルダー面以外の金属接触面に固体潤滑剤皮膜を形成したことを特徴とする鋼管用ねじ継手。In a screw joint in which a pin having a male screw, a sealing surface, and a shoulder surface on the outside of a tube and a female screw, a sealing surface, and a box having a corresponding shoulder on the inside of the tube are fitted, a metal other than the screw load flank and the shoulder surface is used. A threaded joint for steel pipes, wherein a solid lubricant film is formed on a contact surface.