JP3604901B2 - 液体吐出ヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は熱エネルギー等による気泡の発生や電気機械変換体によって所望の液体を吐出する液体吐出ヘッドにおいて、インク耐食性に優れた合金を用いた液体吐出ヘッドに関する。
【0002】
また、本発明は紙、糸、繊維、布、皮、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の被記録媒体に対し記録を行なう、プリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた産業記録装置に適用できる発明である。
【0003】
なお、本発明における『記録』とは、文字や図形等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を付与することも意味する。
【0004】
【従来の技術】
従来のインクジェット記録装置、記録ヘッド、インクタンク一体型の記録ユニットでは、熱エネルギーを利用したもの、あるいは電気機械変換体を利用したものが知られている。
【0005】
特に熱エネルギーを利用して記録液を吐出するインクジェット記録ヘッドは、インクを吐出するための吐出口を高密度に配列することができるために、高解像度の記録が可能であるほか、全体的にコンパクト化も容易であるなどの利点があり、すでに広く実用化されている。
【0006】
インクジェット記録ヘッドの本体部材には、インクを溜めておく液室と、インク流路と、吐出口形成部材(以下オリフィスプレートと称す)とを具備しており、オリフィスプレートにはインク流路と連通するようにインク吐出口が設けられている。
【0007】
前記オリフィスプレートは通常、インク吐出口が形成された後、天板(液体吐出ヘッド本体側)と接合される。
【0008】
従来、該オリフィスプレートには耐インク腐食性が良好という理由でNiが用いられていた。
【0009】
また、液体吐出ヘッドにおいて、液体の吐出効率、吐出力、吐出速度、更には被記録媒体への着弾精度の向上を図る方法として弁機能を持った可動部材をヘッド内に設ける方法が特開平9−11471号公報に開示されているが、該可動部材もインクと接するため、同様の理由及び製法上の簡便さからNiが用いられることが多かった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、インクジェットプリンタ用インクのアルカリ性は強まり、インクと接している部分から腐食が始まり、Niが溶出してしまうという問題が生じた。
【0011】
特公平06−006377号公報にはNiの耐インク腐食性を向上させる目的でNi上に貴金属被膜を形成する方法が開示されている。
【0012】
金、白金等は化学的に安定しており、耐インク性に優れているが、被膜が薄く、ピンホールがあったり、多少でも貴金属被膜の膜質が悪い場合は、Ni層がインクにさらされてしまう。
【0013】
そして、近年の腐食性の強まったインクに対してNiは安定ではない。
【0014】
よって、貴金属被膜をある程度厚くしなければならないのだが、それだけコストが高くなるという問題があった。
【0015】
また、貴金属被膜が一部でも剥離した場合、インクが入り込み、下地のNiが侵食され、さらに剥離が進んでしまう。
【0016】
また、特開平9−57958号公報にはSn−Niを基本としてCu、Pd、Au、Agから任意に選択された金属が添加された合金を形成する方法が開示されている。
【0017】
しかし、該公報で使用しているインクはホットメルト型インクであり、近年のアルカリインクのほうが腐食性が高い。
【0018】
また、該公報では主に接合部に対する耐腐食性の向上について記載している。
【0019】
例えば、接合部の想定厚は500μmで腐食速度の目標値は0.14μm/day以下である。
【0020】
しかし、近年インクジェットプリンタの高画質化に伴いノズルの高密度化が進み、インク吐出口面積、配列ピッチも微細化してきている。
【0021】
そのためオリフィスプレートの厚みも500μm以内に薄くなり、前記腐食速度では要求されるヘッドの寿命を満足しない。
【0022】
また、インク吐出口エッジ部分が腐食により変形すると、インク液滴の飛翔方向が安定せず、良好な記録が行なえない。
【0023】
さらに、ヘッド内に配置される弁機能を持った可動部材においては厚みも数μm〜数十μmと薄く、前記腐食速度ではプリンタ使用期間中に可動部材そのものが消失してしまう。
【0024】
本発明は上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、腐食性の強いインクを使用した場合でも、インクに接した部材が腐食、変形せず、長期間良好な記録が行なうことを可能とする液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、液体を吐出する吐出口と、該吐出口と連通する液流路と、該液流路に対応して配設され、液体を吐出するために利用されるエネルギ−を発生するエネルギ−発生素子とを有してなる液体吐出ヘッドにおいて、前記吐出口を形成するのに用いられているオリフィスプレ−トが、 Pd の重量%が38wt%以上のNi−Pd合金からなり、前記液流路内に配設される弁機能をもった厚さ30μm以下の可動部材が、 Pd の重量%が5wt%以上の Ni − Pd 合金からなることを特徴とする。
【0029】
上記のように本発明を構成することによって、本発明の液体吐出ヘッドは、腐食性の強いインクを使用した場合でも、インクに接した部材が腐食、変形することがなく、長期間に亘って良好な記録を行なうことが可能である。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明において、オリフィスプレートに用いるNi−Pd合金のPdの重量%は、後記する実施例の試験結果が示すように、38wt%以上であることが好ましい。液体吐出ヘッドを使用する実際の液体吐出記録装置(インクジェットプリンタ等)の使用条件において、Pdの重量%が38wt%以上のNi−Pd合金からなるオリフィスプレートを用いれば、記録装置の吐出ヘッドとして要求される寿命および使用中の良好な液体吐出記録性能を満足することができる。
【0031】
本発明において、液体吐出ヘッド内に配設される弁機能をもった可動部材に用いるNi−Pd合金のPdの重量%は、後記する実施例の試験結果が示すように、5wt%以上であることが好ましい。弁機能を果すための可動部材において問題になるのは、オリフィスプレートのような吐出口エッジ部の腐食によるわずかな変形ではなく、可動部材そのものの消失が問題となる。つまり、液体吐出記録装置そのものの寿命に対して、可動部材はその厚みがたとえ薄くなってしまっても消失してしまわなければその機能に殆んど影響がない。つまり、可動部材については、オリフィスプレートと比較して許容腐食速度も大きくすることができ、可動部材厚とヘッドの寿命を考慮して、使用するNi−Pd合金の好ましいPdの重量%を選定することができる。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0033】
実施例1
図1はオリフィスプレートの製造方法を示す工程図である。
まず、フォトリソグラフィー技術を用いて、基板11上の所定の位置にレジスト12を形成する。(図1(a))
次にレジスト12が形成された基板11上に電鋳法を用いてNi−Pd合金13を形成する。(図1(b))
その後、Ni−Pd合金13からレジスト12及び基板11を順次剥離し、それにより吐出口14を形成する。(図1(c))
以上、オリフィスプレートの一実施例を示したが、可動部材についてもレジストパターンを変更するだけで同様な方法を用いて形成することができる。
【0034】
ここで、上述したNi−Pd合金のめっき方法について詳細に説明する。
図2は図1に示したオリフィスプレートの製造方法におけるめっき工程にて用いられる装置を示す斜視図である。
【0035】
めっき液としては、二塩化ジアミンパラジウム、水酸化ニッケル、リン酸アンモニウム、4−オキソ−ペンタン酸、サッカリン、水酸化アンモニウムを含む液を使用した。
【0036】
電着時の電解のかけ方は、アノード側にめっき液の中の電極を接続し、カソード側に基板11を接続する。
【0037】
めっき温度は50℃、電流密度は5A/dm2とした。
【0038】
次にNi−Pd合金のPd重量%とインク耐食性との関係を求めるために、上述の方法で作成した試験片を用いて重量減試験を行なった。
【0039】
評価に使用したインクはキヤノン製カラーBJカートリッジBc−61のイエローインクで、インク100mlに純NiとNi−Pd合金の試験片(10mm×7mm)を浸漬し、加速試験として100℃の状態で保存した。
【0040】
本試験では保存前後での試験片の重量減量を測定し、腐食寸法(膜厚)に換算した。
【0041】
図3は浸漬時間に対する5種類の試験片の腐食量(減少した膜厚)を示したものである。
【0042】
一般に温度が10℃上昇する毎に反応速度(腐食速度)が2倍に増加する事から、100℃−3日間のポイントAが、室温(30℃)の約1年(384日)に対応する。
【0043】
また、インクジェットプリンタのインクジェットカートリッジに要求される寿命は少なくても1年以上である。
【0044】
このことから、100℃−3日間のポイントAのラインにおいて腐食量が少なければインクジェットカートリッジの寿命及びその性能を満足すると考えられる。
【0045】
この図3から100℃−3日間のポイントAのラインで腐食量が1μm以下のNi−Pd合金の重量%は38wt%と62wt%であることがわかる。
【0046】
すなわち、Ni−Pd合金の重量%は38wt%以上であれば、インクカートリッジの実用上充分な液体吐出記録性能を満足すると考えられる。
【0047】
次に、ヘッド内に配設される弁機能を持った可動部材に適するNi−Pd合金について説明する。
【0048】
オリフィスプレートに使用される材料は、吐出口エッジ部のわずかな腐食によって吐出量が変化するという問題がある。しかし、可動部材においてはわずかな腐食よりも、そのものの消失が問題になる。
【0049】
つまりBJカートリッジの寿命に対して、可動部材の厚みが薄くなっても消失しなければその機能に影響は無い。
【0050】
よって、オリフィスプレートと比較して可動部材の腐食速度は大きくても良い。
【0051】
例えば、可動部材の厚みが10μmならば、Ni−Pd合金のPdの重量%が24wt%用いれば、図3より、100℃−3日後においても4μm溶出せずに消失しないことがわかる。
【0052】
また、設計上、可動部材の厚さを薄くしなくてはいけない場合は、Ni−Pd合金のPdの重量%を多くすれば良い。例えば可動部材の厚さを5μmとした時、Ni−Pd合金のPdの重量%を38wt%にすれば、図3より100℃−3日後において1μmしか溶出しないので4μm溶出せずに消失しないことがわかる。
【0053】
つまり、可動部材においては厚みを考慮してNi−Pd合金のPdの重量%を選定すれば良い。
【0054】
Pdをわずかでも含有すれば、純Niと比較してNi−Pd合金の腐食速度が遅くなるのは図4から明らかだが、今回の発明で可動部材のPdの重量%が5wt%以上あれば問題ないことがわかった。これからそのことについて詳細に説明する。
【0055】
図5に可動部材の厚さとヘッドの特性であるリフィル周波数の相関関係をグラフに示した。一般に可動部材をヘッド内に持たせた構成は、流路内の後方のバック波を押さえ、高周波の印字を可能とする構成になっている(特開平9−11471)。従って、可動部材の動き方によって、リフィル周波数が変化し、高周波の駆動が実現できない場合がある。図5で可動部材の厚さとリフィル周波数の関係を確認した結果、可動部材の厚さが20μmを越えると、リフィル周波数が低くなり始め、可動部材の厚みが30μmになると、リフィル周波数は半分になってしまうことがわかった。
【0056】
従って、可動部材の厚さを30μmにするとヘッドの性能が落ちることがわかった。一方、図4より、純Niの腐食速度が8.5μm/day、Ni−Pd合金のPd重量%が5wt%のときの腐食速度が7.0μm/dayであることから、100℃3日間を考えると純Niの厚みが消失する厚さが25.5μm、Ni−Pd合金のPd重量%が5wt%のものであれば、厚みが消失する厚さが21.0μmであることがわかる。先程も述べたように、可動部材は消失しない程度に残っていれば、ヘッドの機能に問題がないことから、残存する厚さを最低1μmとすると純Niの厚みが26.5μm、Ni−Pd合金のPd重量%が5wt%のものであれば厚みが22μmである。さらに電鋳の公差を±2μm考えると純Niの厚みが30.5μm、Ni−Pd合金のPd重量%が5wt%の厚みが26μmになる。
【0057】
つまり純Niは厚みを30μm以上にしなければならないことがわかり、その厚さではインクジェットカートリッジの機能を満たさないことがわかる。
【0058】
一方、Ni−Pd合金のPd重量%が5wt%のものは、厚さが30μm以下なのでインクカートリッジの機能に影響を与えないことがわかる。
【0059】
実施例2
次に、種々のアルカリ性インクに対するNiとNi−Pd合金の耐食性を比較するために、試験片を用いて重量減試験を行なった。
【0060】
評価に使用したインクはキヤノン製ブラックBJカートリッジBc−60のブラック、カラーBJカートリッジのシアン、マゼンタ、イエローの4種類のインクで、それぞれ100mlにNiとNi−Pd合金の試験片(10mm×7mm)を浸漬し、加速試験として120℃、2atmの状態で10時間放置した。
【0061】
放置前後での試験片の重量減量を測定し、腐食寸法(膜厚)に換算した結果が表1である。
【0062】
なお、本実施例で用いたNi−Pd合金のPdの重量%は62wt%である。
【0063】
また、インクは4種類ともpH8.5以上のアルカリ性インクである。
【0064】
【表1】
【0065】
その結果、3色のインクにおいてNi試験片は溶解し重量(膜厚)が減った。
【0066】
特に、イエローインクとマゼンタインクにおいて溶解が激しい。
【0067】
これは、添加物、染料等の微妙な違いによる。
【0068】
また、試験前に観察された金属表面の光沢が浸漬後なくなり、表面から腐食が進んだものと思われる。
【0069】
しかし、Ni−Pd合金試験片はいずれのインクにおいても重量減少していない。
【0070】
さらに表面の金属光沢は浸漬前後で変化せず維持された。
【0071】
つまり、Ni−Pd合金にしたことで種々のインクに対する耐腐食性が著しく向上したことが分かる。
【0072】
実施例3
本実施例では、Pdの重量%が62wt%のNi−Pd合金によるオリフィスプレートを作製した。
【0073】
該オリフィスプレートの厚みは15μmであり、直径20μmの円形の吐出口が配列ピッチ40μmで300個形成されている。
【0074】
図6は該オリフィスプレートを液体吐出ヘッドに組み付ける工程の概略を示すものである。
【0075】
図6に示すように、オリフィスプレート61を液流路62、素子基板63及び天板64が形成されている液体吐出ヘッドのフェイス面に接合させた後、インクカートリッジに組み込み、それにより図7に示すような液体吐出ヘッドを完成させた。
【0076】
液体吐出ヘッドオリフィスプレートフェイス面にごみやインクが付着するとインク液滴吐出時に該液滴が引き寄せられ液滴の飛翔方向が乱れることで良好な記録が行われなくなる。
【0077】
この対策として、オリフィスプレートフェイス面に付着したごみやインクをブレードでワイピングするという方法が用いられることが多い。
【0078】
しかし、オリフィスプレートが柔らかい材質であるとオリフィスプレート及びインク吐出口が変形してしまったり、傷がついたりする。
【0079】
また、オリフィスプレートに被膜がコーティングされている場合は、この被覆が剥がれる、傷が付き被膜内部層が露出する等の問題が生じてしまう。
【0080】
本実施例ではオリフィスプレートは合金であり、ワイピングに対しての強度も十分有る。
【0081】
またわずかに傷がついても、そこから腐食が進むことはない。
【0082】
つまり、量産工程上の取り扱いに関しても容易になる。
【0083】
さらに、被膜コーティングと異なり、全体が耐食層であるため、オリフィスプレートを薄くしても耐腐食性は保たれる。
【0084】
よってコストも低い。
【0085】
上述した実施の形態では、オリフィスプレートを図6に示される様なエッジシュータ型のヘッドに適用した例について説明したが、発熱部の上に吐出口が配されたサイドシュータ型のヘッドに適用することも出来る。
【0086】
実施例4
本実施例では、Pdの重量%が62wt%のNi−Pd合金による可動部材を作製した。
【0087】
該可動部材の厚みは5μmであり、幅20μmのスリットが配列ピッチ40μmで300個並んでいる。
【0088】
図8に示すように、オリフィスプレート61を液流路62、素子基板63及び天板64、可動部材81が形成されている液体吐出ヘッドのフェイス面に接合させ、示すような液体吐出ヘッドを完成させた。
【0089】
可動部材81は図8に示すように、液流路62に各可動部材のスリットが対応するように配置されている。
【0090】
図8は流路内に配設される可動部材の一例であり、可動部材の形状、位置等はこれに限るものではなく、本発明は可動部材が液体吐出ヘッドに配設され、可動部材の一部、もしくは全域がインクと接する場合において全て有効である。
【0091】
本実施例では流路内に可動部材を配設しているので常にインクと接触し、また、ノズルの高密度化のために可動部材のスリット形状も微細化及び薄膜化している。
【0092】
よって本発明のように高い耐インク腐食性をもったNi−Pd合金が非常に有効である。
【0093】
また、傷にも強く、傷から腐食が進むことはない。
【0094】
つまり、量産工程上の取り扱いに関しても容易である。
【0095】
【発明の効果】
本発明によると、液体吐出記録ヘッドにおいてPd の重量%が38wt%以上のNi−Pd合金からなるオリフィスプレ−トを用いることで、腐食性の強いインクを使用した場合でも、該オリフィスプレ−ト、及び、吐出口の変形がなく、インク液滴の飛翔方向の安定性が確保され、良好な記録が行えた。
【0096】
また、ワイピング等による摩耗に強く、傷がついても該傷から腐食が進むことはない。
【0097】
また、液体吐出記録ヘッドにおいてPd の重量%が5wt%以上のNi−Pd合金からなる可動部材を用いることで、腐食性の強いインクを使用した場合でも、可動部材が消失することなく所定の機能を維持し続けることができた。
【0098】
従って、インクジェットプリンタの長期間の信頼性を著しく向上させることが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】オリフィスプレートの製造方法を示す工程図。
【図2】めっき工程にて用いられる装置を示す斜視図。
【図3】浸漬時間に対する各試験片の腐食量(減少した膜厚に換算)の関係を示すグラフ。
【図4】Ni−Pd合金のPdの重量%と腐食速度との関係を示すグラフ。
【図5】可動部材の厚さとリフィル周波数の関係を示すグラフ。
【図6】オリフィスプレートを液体吐出ヘッドに組み付ける工程の概略を示す見取り図。
【図7】液体吐出ヘッドの該略見取り図。
【図8】オリフィスプレートを、可動部材が配置された液体吐出ヘッドに組み付ける工程の概略を示す見取り図。
【符号の説明】
61 オリフィスプレート
62 液流路
63 素子基板
64 天板
65 吐出口
73 インクカートリッジ
74 TABテープ
81 可動部材
Claims (2)
- 液体を吐出する吐出口と、該吐出口と連通する液流路と、該液流路に対応して配設され、液体を吐出するために利用されるエネルギ−を発生するエネルギ−発生素子とを有してなる液体吐出ヘッドにおいて、
前記吐出口を形成するのに用いられているオリフィスプレ−トが、 Pd の重量%が38wt%以上のNi−Pd合金からなり、前記液流路内に配設される弁機能をもった厚さ30μm以下の可動部材が、 Pd の重量%が5wt%以上の Ni − Pd 合金からなることを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 請求項1に記載の液体吐出ヘッドを具備することを特徴とする液体吐出記録装置。
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