JPH0789076A - サーマルインクジェット印字ヘッド及びその製造方法 - Google Patents
サーマルインクジェット印字ヘッド及びその製造方法Info
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- JPH0789076A JPH0789076A JP6208170A JP20817094A JPH0789076A JP H0789076 A JPH0789076 A JP H0789076A JP 6208170 A JP6208170 A JP 6208170A JP 20817094 A JP20817094 A JP 20817094A JP H0789076 A JPH0789076 A JP H0789076A
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- B41J—TYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
- B41J2/00—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
- B41J2/005—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
- B41J2/01—Ink jet
- B41J2/135—Nozzles
- B41J2/16—Production of nozzles
- B41J2/1606—Coating the nozzle area or the ink chamber
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G61/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbon-to-carbon link in the main chain of the macromolecule
- C08G61/02—Macromolecular compounds containing only carbon atoms in the main chain of the macromolecule, e.g. polyxylylenes
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- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 サーマルインクジェット印字ヘッドにおける
オリフィス板と隔壁材料との接着力の向上を図ると共
に、オリフィス板のインク耐腐蝕性を高める。 【構成】 サーマルインクジェット印字ヘッドは、基板
２８上に複数のチャンバ２６を備える隔壁層２４を備
え、さらにその上に各チャンバ２６に対応してノズル２
０を備えるオリフィス板２２を配設する。インク補充ス
ロット１６からチャンバ２６内に導かれたインクは、チ
ャンバ内に設けられた抵抗素子１４にて気化され、ノズ
ル２０から噴射される。このような印字ヘッドにおいて
オリフィス板２２は、従来の金メッキに代えてポリ−
Ｐ−キシリレンよりなる被覆材料により覆われ、インク
に対する耐腐蝕性を向上するとともに、隔壁層２４との
強固な接着を実現する。
オリフィス板と隔壁材料との接着力の向上を図ると共
に、オリフィス板のインク耐腐蝕性を高める。 【構成】 サーマルインクジェット印字ヘッドは、基板
２８上に複数のチャンバ２６を備える隔壁層２４を備
え、さらにその上に各チャンバ２６に対応してノズル２
０を備えるオリフィス板２２を配設する。インク補充ス
ロット１６からチャンバ２６内に導かれたインクは、チ
ャンバ内に設けられた抵抗素子１４にて気化され、ノズ
ル２０から噴射される。このような印字ヘッドにおいて
オリフィス板２２は、従来の金メッキに代えてポリ−
Ｐ−キシリレンよりなる被覆材料により覆われ、インク
に対する耐腐蝕性を向上するとともに、隔壁層２４との
強固な接着を実現する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はサーマルインクジェット
・プリンタに関し、特に印字ヘッド内のインク噴射チャ
ンバを形成するために利用される隔壁材料にオリフィス
板を固着するための改良形のオリフィス被覆材に関す
る。
・プリンタに関し、特に印字ヘッド内のインク噴射チャ
ンバを形成するために利用される隔壁材料にオリフィス
板を固着するための改良形のオリフィス被覆材に関す
る。
【０００２】
【従来技術と発明が解決しようとする課題】サーマルイ
ンクジェット・プリンタはコンピュータを利用して広範
に使用されている他の種類のプリンタよりも低コスト
で、印字品質が高く、ノイズが比較的少ない。このよう
なプリンタはプレナムからインクが流入するための出入
口を備えたチャンバー内に抵抗素子を備えている。プレ
ナムはインクを溜めるためのインク溜めに連結されてい
る。複数個の前記抵抗素子が印字ヘッド内に、プリミテ
ィブと呼ばれる特殊なパターンで配列されている。各抵
抗素子はノズル板内のノズルと組み合わされ、このノズ
ルを通してインクが印字媒体の方向に放出される。印字
ヘッドとインク溜めのアセンブリ全体がインクジェット
・ペンを構成している。
ンクジェット・プリンタはコンピュータを利用して広範
に使用されている他の種類のプリンタよりも低コスト
で、印字品質が高く、ノイズが比較的少ない。このよう
なプリンタはプレナムからインクが流入するための出入
口を備えたチャンバー内に抵抗素子を備えている。プレ
ナムはインクを溜めるためのインク溜めに連結されてい
る。複数個の前記抵抗素子が印字ヘッド内に、プリミテ
ィブと呼ばれる特殊なパターンで配列されている。各抵
抗素子はノズル板内のノズルと組み合わされ、このノズ
ルを通してインクが印字媒体の方向に放出される。印字
ヘッドとインク溜めのアセンブリ全体がインクジェット
・ペンを構成している。
【０００３】動作時には、各抵抗素子は導電トレースを
介してマイクロプロセッサに接続され、信号を含む電流
によって単数又は複数の選択された抵抗素子が加熱せし
められる。この加熱によってチャンバ内のインクの気泡
が生成され、これがノズルを通って印字媒体の方向に放
出される。このようにして、前記抵抗素子が所定の順序
で所定のプリミティブで駆動されることによって、媒体
上に英数字が形成され、局部的に塗り込められ、その他
の印字能力が発揮される。
介してマイクロプロセッサに接続され、信号を含む電流
によって単数又は複数の選択された抵抗素子が加熱せし
められる。この加熱によってチャンバ内のインクの気泡
が生成され、これがノズルを通って印字媒体の方向に放
出される。このようにして、前記抵抗素子が所定の順序
で所定のプリミティブで駆動されることによって、媒体
上に英数字が形成され、局部的に塗り込められ、その他
の印字能力が発揮される。
【０００４】サーマルインクジェット印字カートリッジ
の印字ヘッドの上記の構造はオリフィス板材料としてニ
ッケルを使用している。インクはニッケルを腐食させる
ので、防食隔膜としてニッケルの表面に金メッキ層（金
の電気メッキ）が形成される。オリフィス板は熱硬化サ
イクルによって隔壁層に結合される。
の印字ヘッドの上記の構造はオリフィス板材料としてニ
ッケルを使用している。インクはニッケルを腐食させる
ので、防食隔膜としてニッケルの表面に金メッキ層（金
の電気メッキ）が形成される。オリフィス板は熱硬化サ
イクルによって隔壁層に結合される。
【０００５】オリフィス板を固着するための接着剤の使
用に際しても問題が生ずる。接着剤によっては均質な被
覆がなされず、オリフィス板内の穴を覆ってしまうこと
があるからである。
用に際しても問題が生ずる。接着剤によっては均質な被
覆がなされず、オリフィス板内の穴を覆ってしまうこと
があるからである。
【０００６】改良された方法でオリフィス板を隔壁材料
に固着し、防食性を高め、コストが高い金メッキを省く
ことができるようなオリフィス被覆材として、サーマル
インクジェット印字ヘッドの構造に有用である材料が必
要とされている。
に固着し、防食性を高め、コストが高い金メッキを省く
ことができるようなオリフィス被覆材として、サーマル
インクジェット印字ヘッドの構造に有用である材料が必
要とされている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明に従って、サーマ
ルインクジェット印字ヘッドで使用される抵抗アセンブ
リと組み合わせて、より改良的にオリフィス板を隔壁材
料に固着するために、サーマルインクジェット・オリフ
ィス被覆材料としてポリ- P-キシリレン(poly-p-xylyle
nes)が優れた特性を発揮することが判明した。この被覆
材料は印字ヘッド内のインク噴射チャンバを形成するた
めに使用される隔壁材料にオリフィス板を固着する際の
接着力が従来よりも優れていることを実証している。
ルインクジェット印字ヘッドで使用される抵抗アセンブ
リと組み合わせて、より改良的にオリフィス板を隔壁材
料に固着するために、サーマルインクジェット・オリフ
ィス被覆材料としてポリ- P-キシリレン(poly-p-xylyle
nes)が優れた特性を発揮することが判明した。この被覆
材料は印字ヘッド内のインク噴射チャンバを形成するた
めに使用される隔壁材料にオリフィス板を固着する際の
接着力が従来よりも優れていることを実証している。
【０００８】上記のオリフィス被覆を施した印字ヘッド
ではインクに対する防食性が向上し、コスト高の金メッ
キが必要なくなる。
ではインクに対する防食性が向上し、コスト高の金メッ
キが必要なくなる。
【０００９】
【実施例】さて図１を参照すると、複数個の噴射用抵抗
を備えた印字ヘッドの一部が図示されており、一つの抵
抗アセンブリ１０だけが示されている。抵抗アセンブリ
１０は隔壁吸入管１２を備えており、抵抗素子１４がそ
の一端１２ａに隣接している。インク（図示せず）は１
６で全体的に示したインク補充スロットから矢印“Ａ”
方向で示したように吸入管の反対端１２ｂで導入され
る。インク導入端部１２ｂの近傍の狭窄部１８は液圧減
衰の制御用に利用できる。
を備えた印字ヘッドの一部が図示されており、一つの抵
抗アセンブリ１０だけが示されている。抵抗アセンブリ
１０は隔壁吸入管１２を備えており、抵抗素子１４がそ
の一端１２ａに隣接している。インク（図示せず）は１
６で全体的に示したインク補充スロットから矢印“Ａ”
方向で示したように吸入管の反対端１２ｂで導入され
る。インク導入端部１２ｂの近傍の狭窄部１８は液圧減
衰の制御用に利用できる。
【００１０】各抵抗素子１４にはオリフィス２０が組合
せられ、このオリフィスはオリフィス板、ノズル板又は
上板上に位置している。ノズルの直径は、印字ヘッドの
動作周波数、インク粘性、インク滴容積、液圧減衰等に
よって左右される印字ヘッドの特定の設計に応じて、約
２５から７５μｍの範囲にあることが一般的である。オ
リフィス板２２は代表的には厚さ約２５から７５μｍの
金メッキされた電鋳ニッケルから成っている。
せられ、このオリフィスはオリフィス板、ノズル板又は
上板上に位置している。ノズルの直径は、印字ヘッドの
動作周波数、インク粘性、インク滴容積、液圧減衰等に
よって左右される印字ヘッドの特定の設計に応じて、約
２５から７５μｍの範囲にあることが一般的である。オ
リフィス板２２は代表的には厚さ約２５から７５μｍの
金メッキされた電鋳ニッケルから成っている。
【００１１】インク滴は抵抗素子１４によって大量のイ
ンクが加熱されると、ノズルを通って矢印“Ｂ”方向に
噴射される。オリフィス板２２は隔壁材料２４上に支持
されており、この隔壁材料はインク給送管と、抵抗素子
１４が内部に配されたチャンバ２６とを形成するような
パターンで形成されている。隔壁材料２４それ自体はシ
リコンのような基板２８の主要面上に形成されている。
ンクが加熱されると、ノズルを通って矢印“Ｂ”方向に
噴射される。オリフィス板２２は隔壁材料２４上に支持
されており、この隔壁材料はインク給送管と、抵抗素子
１４が内部に配されたチャンバ２６とを形成するような
パターンで形成されている。隔壁材料２４それ自体はシ
リコンのような基板２８の主要面上に形成されている。
【００１２】図１はオリフィス被覆層がオリフィス板の
全面３０ａ及び３０ｂを被覆し、オリフィス板の隔壁層
２４への固着が促進されるようにされた抵抗アセンブリ
の一つの構造を示している。
全面３０ａ及び３０ｂを被覆し、オリフィス板の隔壁層
２４への固着が促進されるようにされた抵抗アセンブリ
の一つの構造を示している。
【００１３】本発明に従って、被覆材料３０は実質的に
ポリ- P-キシリレンから成っている。ポリ-P-キシリレ
ンは厚さが０．５から５μｍの範囲であり、好ましくは
１から２μｍである被覆としてニッケルにより電鋳され
たオリフィス板２２に被覆される。化学蒸着と同様の被
覆工程が採用される。ポリ- P-キシリレンは最初はダイ
マー（二量体）であり、熱分解された後、ニッケル表面
上に重合される。ポリ- P-キシリレンはオリフィス板を
貫通して形成された開口部を保持するようにして、ニッ
ケルのオリフィス板を均一に被覆する。次にポリ- P-キ
シリレン被覆層は８分間に亘って１３０ワットの順方向
電力と、３０ワットの反射電力と、１００ボルトの陰極
によるアルゴン・プラズマを用いて、又は、酸素とＲＥ
Ｉ灰化剤を使用して５分間に亘って２００ワットの電力
で灰化され、表面が粗加工される。次にオリフィス板が
熱硬化サイクルによって隔壁層２４に結合される。
ポリ- P-キシリレンから成っている。ポリ-P-キシリレ
ンは厚さが０．５から５μｍの範囲であり、好ましくは
１から２μｍである被覆としてニッケルにより電鋳され
たオリフィス板２２に被覆される。化学蒸着と同様の被
覆工程が採用される。ポリ- P-キシリレンは最初はダイ
マー（二量体）であり、熱分解された後、ニッケル表面
上に重合される。ポリ- P-キシリレンはオリフィス板を
貫通して形成された開口部を保持するようにして、ニッ
ケルのオリフィス板を均一に被覆する。次にポリ- P-キ
シリレン被覆層は８分間に亘って１３０ワットの順方向
電力と、３０ワットの反射電力と、１００ボルトの陰極
によるアルゴン・プラズマを用いて、又は、酸素とＲＥ
Ｉ灰化剤を使用して５分間に亘って２００ワットの電力
で灰化され、表面が粗加工される。次にオリフィス板が
熱硬化サイクルによって隔壁層２４に結合される。
【００１４】図２Ａ−２Ｃは本発明の実施例で好適に使
用されたポリ- P-キシリレンの構造と名称を示してい
る。図２ＡはパリレンＮ(parylene Ｎ)の商標で市販さ
れているポリ- P-キシリレン（Ｉ）を示している。図２
ＢはパリレンＣの商標で市販されているポリ（モノクロ
ロ- P-キシリレン）（ＩＩ）を示している。図２Ｃはパ
リレンＤの商標で市販されているポリ（ジクロロ- P-キ
シリレン）（ＩＩＩ）を示している。これらのなかでは
ポリ（モノクロロ- P-キシリレン）（ＩＩ）が最も好ま
しい。下記の表では、ポリ- P-キシリレンの成分は実際
には（ＩＩ）の成分である。
用されたポリ- P-キシリレンの構造と名称を示してい
る。図２ＡはパリレンＮ(parylene Ｎ)の商標で市販さ
れているポリ- P-キシリレン（Ｉ）を示している。図２
ＢはパリレンＣの商標で市販されているポリ（モノクロ
ロ- P-キシリレン）（ＩＩ）を示している。図２Ｃはパ
リレンＤの商標で市販されているポリ（ジクロロ- P-キ
シリレン）（ＩＩＩ）を示している。これらのなかでは
ポリ（モノクロロ- P-キシリレン）（ＩＩ）が最も好ま
しい。下記の表では、ポリ- P-キシリレンの成分は実際
には（ＩＩ）の成分である。
【００１５】表１は従来形の金メッキ工程及び改良され
たポリ-P-キシリレン被覆工程の双方のオリフィス板接
着工程の比較を示したものである。
たポリ-P-キシリレン被覆工程の双方のオリフィス板接
着工程の比較を示したものである。
【００１６】
【表１】
【００１７】上記の表１は下記の成分の２種類のインク
を使用して１週間に亘って７０℃でインク液侵試験を行
って得られた接着力の減少の比較データを示したもので
ある。
を使用して１週間に亘って７０℃でインク液侵試験を行
って得られた接着力の減少の比較データを示したもので
ある。
【００１８】
【表２】
【００１９】インク液侵試験の数が多いほど、結果は良
好である。ポリ- P-キシリレンは全ての温度での硬化条
件（１８０℃、２００℃及び２２０℃）で著しく接着力
が高いことが判る。
好である。ポリ- P-キシリレンは全ての温度での硬化条
件（１８０℃、２００℃及び２２０℃）で著しく接着力
が高いことが判る。
【００２０】表２は従来技術の金メッキ工程、及びポリ
- P-キシリレン被覆層が隔壁層に結合される前に灰化処
理された改良型のポリ- P-キシリレン被覆工程の双方の
オリフィス板接着工程の比較結果を示したものである。
- P-キシリレン被覆層が隔壁層に結合される前に灰化処
理された改良型のポリ- P-キシリレン被覆工程の双方の
オリフィス板接着工程の比較結果を示したものである。
【００２１】
【表３】
【００２２】上記の表２は下記の成分の３種類のインク
を使用して１週間に亘って７０℃でインク液侵試験を行
って得られた接着力の減少の比較データを示したもので
ある。
を使用して１週間に亘って７０℃でインク液侵試験を行
って得られた接着力の減少の比較データを示したもので
ある。
【００２３】
【表４】
【００２４】上記のとおり、インク液侵試験の数が多い
ほど、結果は良好である。灰化処理されたポリ- P-キシ
リレンは、金メッキ、又は灰化処理されないポリ- P-キ
シリレン被覆の双方よりも大幅に接着力が高い。
ほど、結果は良好である。灰化処理されたポリ- P-キシ
リレンは、金メッキ、又は灰化処理されないポリ- P-キ
シリレン被覆の双方よりも大幅に接着力が高い。
【００２５】隔壁層に対するオリフィス板の大幅に向上
した接着力はオリフィス板に被覆された灰化処理された
ポリ- P-キシリレン被覆層を採用したことの結果であ
る。ポリ- P-キシリレン被覆はコストが高い金メッキに
代わって使用され、サーマルインクジェット印字ヘッド
の信頼性が向上する。ポリ- P-キシリレン被覆の化学耐
性が向上することによって、高品質の黒とカラーのテキ
スト文字と図形の印字用に大量のサーマルインクジェッ
ト・インクを使用できる。ポリ- P-キシリレン被覆材料
は寿命が長く、すりへり耐性が高い。表３はワイパー試
験の補足データを示している。
した接着力はオリフィス板に被覆された灰化処理された
ポリ- P-キシリレン被覆層を採用したことの結果であ
る。ポリ- P-キシリレン被覆はコストが高い金メッキに
代わって使用され、サーマルインクジェット印字ヘッド
の信頼性が向上する。ポリ- P-キシリレン被覆の化学耐
性が向上することによって、高品質の黒とカラーのテキ
スト文字と図形の印字用に大量のサーマルインクジェッ
ト・インクを使用できる。ポリ- P-キシリレン被覆材料
は寿命が長く、すりへり耐性が高い。表３はワイパー試
験の補足データを示している。
【００２６】ワイパーはインクジェット・プリンタの構
成部品である。ワイパーは表面を拭うことによってイン
クジェット・カートリッジ内の詰まりを除去するために
使用される。印字ヘッドの表面被覆はこの拭い動作に耐
える耐性と磨耗抵抗を有していなければならない。典型
的な印字ヘッドはその寿命中に5,000 回の拭い動作を受
ける。製品の安全度を保証するために付加的なワイピン
グが行われる。
成部品である。ワイパーは表面を拭うことによってイン
クジェット・カートリッジ内の詰まりを除去するために
使用される。印字ヘッドの表面被覆はこの拭い動作に耐
える耐性と磨耗抵抗を有していなければならない。典型
的な印字ヘッドはその寿命中に5,000 回の拭い動作を受
ける。製品の安全度を保証するために付加的なワイピン
グが行われる。
【００２７】
【表５】
【００２８】インク1 はニッケルに対して腐食性が極め
て高い。促進貯蔵試験によって、腐食防止には厚さ１μ
ｍのポリ- P-キシリレン被覆材料が必要であることが明
らかになった。表６はインク1 の促進貯蔵試験によるデ
ータを示している。
て高い。促進貯蔵試験によって、腐食防止には厚さ１μ
ｍのポリ- P-キシリレン被覆材料が必要であることが明
らかになった。表６はインク1 の促進貯蔵試験によるデ
ータを示している。
【００２９】
【表６】
【００３０】表６はポリ- P-キシリレンが約１．０マイ
クロメートル、又はそれ未満であり、薄すぎると、腐食
による欠陥が生ずることを示している。
クロメートル、又はそれ未満であり、薄すぎると、腐食
による欠陥が生ずることを示している。
【００３１】以上開示したポリ- P-キシリレン層から成
る接着材料はサーマルインクジェット印字ヘッドの製造
の分野で利用されることが期待される。
る接着材料はサーマルインクジェット印字ヘッドの製造
の分野で利用されることが期待される。
【００３２】上記のようにサーマルインクジェット・プ
リンタ用のサーマルインクジェット印字ヘッドの製造工
程を説明してきた。専門家には種々の変更と修正が自明
であり、このような変更と修正は全て特許請求の範囲に
記載の本発明の範囲に含まれるものである。
リンタ用のサーマルインクジェット印字ヘッドの製造工
程を説明してきた。専門家には種々の変更と修正が自明
であり、このような変更と修正は全て特許請求の範囲に
記載の本発明の範囲に含まれるものである。
【００３３】以上、本発明の実施例について詳述した
が、以下、本発明の各実施態様毎に列挙する。
が、以下、本発明の各実施態様毎に列挙する。
【００３４】１． 印字ヘッドが複数個の抵抗素子を含
み、各抵抗素子がチャンバ内に形成され、このチャンバ
内にはプレナムからインクを導入し、且つチャンバから
前記抵抗素子上のカバー板内に配列されたオリフィスを
備えたノズルを通してインクを噴射でき、各オリフィス
が大量のインクを前記各抵抗素子によって形成された面
に対して垂直に、且つ前記オリフィスを通って印字媒体
の方向に所定のパターンで噴射して媒体上に英数字及び
図形を作成するために抵抗素子と組合された形式のサー
マル・インクジェット・プリンタ用のサーマルインクジ
ェット印字ヘッドの製造方法において、主としてポリ-
P-キシリレン又はその誘導体からなる被覆材料で、イン
ク噴射チャンバを形成するために使用される隔壁材料に
オリフィス板を固着する段階を含むことを特徴とする方
法。
み、各抵抗素子がチャンバ内に形成され、このチャンバ
内にはプレナムからインクを導入し、且つチャンバから
前記抵抗素子上のカバー板内に配列されたオリフィスを
備えたノズルを通してインクを噴射でき、各オリフィス
が大量のインクを前記各抵抗素子によって形成された面
に対して垂直に、且つ前記オリフィスを通って印字媒体
の方向に所定のパターンで噴射して媒体上に英数字及び
図形を作成するために抵抗素子と組合された形式のサー
マル・インクジェット・プリンタ用のサーマルインクジ
ェット印字ヘッドの製造方法において、主としてポリ-
P-キシリレン又はその誘導体からなる被覆材料で、イン
ク噴射チャンバを形成するために使用される隔壁材料に
オリフィス板を固着する段階を含むことを特徴とする方
法。
【００３５】２． 前記オリフィス板が主として電鋳ニ
ッケルからなることを特徴とする前項１記載の方法。
ッケルからなることを特徴とする前項１記載の方法。
【００３６】３． 前記オリフィス板の厚さが２５から
７５μｍの範囲にあることを特徴とする前項２記載の方
法。
７５μｍの範囲にあることを特徴とする前項２記載の方
法。
【００３７】４． 前記ポリ- P-キシリレンが前記オリ
フィス板の上面と下面の双方に被覆されることを特徴と
する前項１記載の方法。
フィス板の上面と下面の双方に被覆されることを特徴と
する前項１記載の方法。
【００３８】５． 前記被覆の厚さが約０．５から５μ
ｍの範囲にあることを特徴とする前項４記載の方法。
ｍの範囲にあることを特徴とする前項４記載の方法。
【００３９】６． 前記被覆の厚さが約１から２μｍの
範囲にあることを特徴とする前項５記載の方法。
範囲にあることを特徴とする前項５記載の方法。
【００４０】７． 前記被覆材料が主としてポリ- P-キ
シリレン、ポリ（モノクロロ- P-キシリレン）及びポリ
（ジクロロ- P-キシリレン）の群から選択されたポリ-
P-キシリレンからなることを特徴とする前項１記載の方
法。
シリレン、ポリ（モノクロロ- P-キシリレン）及びポリ
（ジクロロ- P-キシリレン）の群から選択されたポリ-
P-キシリレンからなることを特徴とする前項１記載の方
法。
【００４１】８． 前記被覆材料が主としてポリ（モノ
クロロ- P-キシリレン）からなることを特徴とする前項
７記載の方法。
クロロ- P-キシリレン）からなることを特徴とする前項
７記載の方法。
【００４２】９． 前記カバー板への前記被覆が、前記
隔壁材料に接合する前にアルゴン又は酸素プラズマ処理
を利用して灰化されることを特徴とする前項６記載の方
法。
隔壁材料に接合する前にアルゴン又は酸素プラズマ処理
を利用して灰化されることを特徴とする前項６記載の方
法。
【００４３】１０． サーマルインクジェット印字ヘッ
ドにおいて、（ａ）基板と、（ｂ）前記基板上に支持さ
れ、内部に抵抗素子を有する噴射チャンバを形成する開
口部とインク補充スロットから前記噴射チャンバへとイ
ンクを導入するための隔壁吸入管とを設けた隔壁層と、
（ｃ）上面と下面とを有し、各々が抵抗素子と組合せら
れた複数個のノズルを備えているオリフィス板であっ
て、該オリフィス板の下面がポリ- P-キシリレンの被覆
層により前記隔壁層に固着され、前記オリフィス板の上
面がポリ- P-キシリレンの被覆材により被覆されたもの
と、を備えたことを特徴とするサーマルインクジェット
印字ヘッド。
ドにおいて、（ａ）基板と、（ｂ）前記基板上に支持さ
れ、内部に抵抗素子を有する噴射チャンバを形成する開
口部とインク補充スロットから前記噴射チャンバへとイ
ンクを導入するための隔壁吸入管とを設けた隔壁層と、
（ｃ）上面と下面とを有し、各々が抵抗素子と組合せら
れた複数個のノズルを備えているオリフィス板であっ
て、該オリフィス板の下面がポリ- P-キシリレンの被覆
層により前記隔壁層に固着され、前記オリフィス板の上
面がポリ- P-キシリレンの被覆材により被覆されたもの
と、を備えたことを特徴とするサーマルインクジェット
印字ヘッド。
【００４４】１１． 前記オリフィス板が主として電鋳
ニッケルからなることを特徴とする前項１０記載のサー
マルインクジェット印字ヘッド。
ニッケルからなることを特徴とする前項１０記載のサー
マルインクジェット印字ヘッド。
【００４５】１２． 前記オリフィス板材料の厚さが２
５から７５μｍの範囲にあることを特徴とする前項１１
記載のサーマルインクジェット印字ヘッド。
５から７５μｍの範囲にあることを特徴とする前項１１
記載のサーマルインクジェット印字ヘッド。
【００４６】１３． 前記被覆の厚さが約０．５から５
μｍの範囲にあることを特徴とする前項１０記載のサー
マルインクジェット印字ヘッド。
μｍの範囲にあることを特徴とする前項１０記載のサー
マルインクジェット印字ヘッド。
【００４７】１４． 前記被覆の厚さが約１から２μｍ
の範囲にあることを特徴とする前項１０記載のサーマル
インクジェット印字ヘッド。
の範囲にあることを特徴とする前項１０記載のサーマル
インクジェット印字ヘッド。
【００４８】１５． 前記被覆材料が主としてポリ- P-
キシリレン、ポリ（モノクロロ- P-キシリレン）、及び
ポリ（ジクロロ- P-キシリレン）の群から選択されたポ
リ- P-キシリレンからなることを特徴とする前項１０記
載のサーマルインクジェット印字ヘッド。
キシリレン、ポリ（モノクロロ- P-キシリレン）、及び
ポリ（ジクロロ- P-キシリレン）の群から選択されたポ
リ- P-キシリレンからなることを特徴とする前項１０記
載のサーマルインクジェット印字ヘッド。
【００４９】１６． 前記被覆材料が主としてポリ（モ
ノクロロ- P-キシリレン）からなることを特徴とする前
項１５記載のサーマルインクジェット印字ヘッド。
ノクロロ- P-キシリレン）からなることを特徴とする前
項１５記載のサーマルインクジェット印字ヘッド。
【００５０】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、オリフィス
板と隔壁材料との接着及び被覆材料としてポリ- P-キシ
リレンを用いることにより、その接着力の向上を図ると
共に、オリフィス板のインク耐腐蝕性を高める効果があ
る。
板と隔壁材料との接着及び被覆材料としてポリ- P-キシ
リレンを用いることにより、その接着力の向上を図ると
共に、オリフィス板のインク耐腐蝕性を高める効果があ
る。
【図１】隔壁層に接着されるポリ- P-キシリレン層を被
覆したオリフィス板を示したサーマルインクジェット印
字ヘッド内の抵抗体とインク給送管アセンブリの一部を
破断した斜視図である。
覆したオリフィス板を示したサーマルインクジェット印
字ヘッド内の抵抗体とインク給送管アセンブリの一部を
破断した斜視図である。
【図２Ａ】本発明を実施する際に好適に使用されるポリ
- P-キシリレンの構造と名称である。
- P-キシリレンの構造と名称である。
【図２Ｂ】本発明を実施する際に好適に使用されるポリ
- P-キシリレンの構造と名称である。
- P-キシリレンの構造と名称である。
【図２Ｃ】本発明を実施する際に好適に使用されるポリ
- P-キシリレンの構造と名称である。
- P-キシリレンの構造と名称である。
１２：隔壁吸入管 １４：抵抗素子 １６：インク補充スロット ２０：オリフィスノズル ２２：オリフィス板 ２４：隔壁層 ２８：基板 ３０ａ、３０ｂ：被覆材料
Claims (4)
- 【請求項１】 印字ヘッドが複数個の抵抗素子を含
み、各抵抗素子がチャンバ内に形成され、このチャンバ
内にはプレナムからインクを導入し、且つチャンバから
前記抵抗素子上のカバー板内に配列されたオリフィスを
備えたノズルを通してインクを噴射でき、各オリフィス
が大量のインクを前記各抵抗素子によって形成された面
に対して垂直に、且つ前記オリフィスを通って印字媒体
の方向に所定のパターンで噴射して媒体上に英数字及び
図形を作成するために抵抗素子と組合された形式のサー
マル・インクジェット・プリンタ用のサーマルインクジ
ェット印字ヘッドの製造方法において、主としてポリ-
P-キシリレン又はその誘導体からなる被覆材料で、イン
ク噴射チャンバを形成するために使用される隔壁材料に
オリフィス板を固着する段階を含むことを特徴とする方
法。 - 【請求項２】 前記被覆材料が主としてポリ- P-キシリ
レン、ポリ（モノクロロ- P-キシリレン）及びポリ（ジ
クロロ- P-キシリレン）の群から選択されたポリ- P-キ
シリレンからなることを特徴とする請求項１記載の方
法。 - 【請求項３】 サーマルインクジェット印字ヘッドにお
いて、 （ａ）基板と、 （ｂ）前記基板上に支持され、内部に抵抗素子を有する
噴射チャンバを形成する開口部とインク補充スロットか
ら前記噴射チャンバへとインクを導入するための隔壁吸
入管とを設けた隔壁層と、 （ｃ）上面と下面とを有し、各々が抵抗素子と組合せら
れた複数個のノズルを備えているオリフィス板であっ
て、該オリフィス板の下面がポリ- P-キシリレンの被覆
層により前記隔壁層に固着され、前記オリフィス板の上
面がポリ- P-キシリレンの被覆材により被覆されたもの
と、 を備えたことを特徴とするサーマルインクジェット印字
ヘッド。 - 【請求項４】 前記被覆材料が主としてポリ- P-キシリ
レン、ポリ（モノクロロ- P-キシリレン）、及びポリ
（ジクロロ- P-キシリレン）の群から選択されたポリ-
P-キシリレンからなることを特徴とする請求項３記載の
サーマルインクジェット印字ヘッド。
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