JP3604826B2 - 厨芥処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は厨芥処理装置に係り、特に厨芥(生ごみ)を処理する処理槽から排出する排気ガス中に含まれる異物を取り除くフィルタを備えた厨芥処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲食店、ホテル、旅館などの厨房で発生する多量の厨芥を処理するための方法に微生物を利用する方法がある。この方法は微生物の培養に適した担体(例えば、おが屑)を収納する処理槽に厨芥を投入し、槽内に設けた攪拌装置を動作させて厨芥と担体とを混ぜ合わせると共に、給気と接触させて、厨芥に付着している微生物により厨房芥を水と炭酸ガスに分解するものである。
【0003】
通常、この処理槽には微生物の繁殖に適した温度に維持するために加熱手段が備えられる。また、処理槽内では有機物の分解によりガス(主に炭酸ガス)と水とが生成するが、水は蒸発して蒸気となり、生成したガスと共に送風機で処理槽から排気経路を通して器外に排出されるようになっている。さらに、この排気経路には分解に伴って生じる臭気を除去する脱臭器が備えられ、排気が脱臭剤(酸化触媒など)によって無臭なガスに変えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように厨芥処理装置は微生物の活動で有機物が分解したとき、処理槽内にガスと水とが生成するが、これらの流体は送風機を運転することでそこに充満することなく、排気経路を通して器外に排出され、連続運転に支障を来さないようになっている。しかし、この処理槽からの排気中には給気中に含まれる塵埃等の異物が多量に混入しており、排気の流れに乗ってこれらの異物が排気経路を流動する。これを防ぐために、通常、排気経路には異物を補足するためのフィルタが設けられている。
【0005】
このフィルタは排気中の異物の補捉のためには欠かせないものであるが、補捉された異物によってフィルタの目が詰まり、処理槽へ流入する給気が大きく減少することがある。この処理槽への給気が減少すると、連続運転中の処理槽で微生物の活動を活性化させるのに十分な給気を確保できなくなり、また、排気経路では排気の温度が著しく上昇して酸化触媒を加熱するヒータが過熱状態に陥ることがある。
【0006】
そこで、本発明の目的はフィルタの目詰まりを確実に検知して処理槽への給気が減少するのを防止するようした厨芥処理装置のフィルタ監視装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1記載の厨芥処理装置は、厨芥を収納処理する処理槽内で発生したガス等を外部に排出する排気経路と、該排気経路中に配設され排気ガス中に含まれる異物を除去するフィルタと、前記排気経路に配設されたヒータと、前記排気経路に配設され前記ヒータにより加熱された排気ガスを脱臭する脱臭装置と、前記排気経路に配設され前記ヒータによる加熱後の排気ガスの温度を検出する排気温度検出手段と、該排気温度検出手段の出力に基づいて前記ヒータの通電状態を制御するヒータ制御手段と、該ヒータ制御手段から出力されるヒータ通電信号を監視しそのヒータ通電時間から前記フィルタ目詰まり状態を判断し警報を発する警報手段を備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2記載の厨芥処理装置は、前記警報手段を前記ヒータ制御手段からのヒータ通電時間を設定時間と比較して前記ヒータ通電時間が設定時間より短いとき警報を発するように構成したことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1ないし図3において、厨芥処理装置は並列に配置される第1処理槽1および第2処理槽2を有する。これらの処理槽1、2は前、後面を前面および後面パネル3、4、側面を2枚の側面パネル5、6、上面を上面パネル7によってそれぞれ覆われている。
【0010】
第1処理槽1内には攪拌翼8を備えたシャフト9が設けられている。この攪拌翼8を備えたシャフト9はチェーン10を介してモータ11と結ばれ、モータ11の回転により槽内で回転してそこに投入される厨芥等を攪拌するように構成されている。同じ攪拌手段は第2処理槽2内にも設けられるが、これらについては図示を省略している。
【0011】
また、第1処理槽1および第2処理槽2の上部には上面パネル7を貫いて投入口12が形成され、これに合わせて開閉自在の投入口カバー13が設けられている。さらに、投入口カバー13に隣接して第1処理槽1および第2処理槽2にわたるように排気フィルタ14が設けられている。
【0012】
一方、本実施の形態の第1処理槽1および第2処理槽2からの排気を導く排気経路には排気管15が備えられる。この排気管15には排気を第1処理槽1および第2処理槽2から抽出する送風機16、排気を加熱するヒータ17および排気から臭気を除去する脱臭装置(以下、脱臭器という)18が順次設けられている。そして、ヒータ17および脱臭器18を経た後の排気管15は第1処理槽1および第2処理槽2の下面を通して排気筒19と結ばれている。
【0013】
さらに、第1処理槽1には処理された廃棄物を槽内から取り出すための排出口20が形成されている。この排出口20には開放時、案内部材21に沿って上方に移動して排出口20を開けると共に、閉止時、案内部材21に沿って下方に移動して排出口20を密閉するシャッタ22が設けられている。なお、これらの排出口、案内部材、シャッタは第2処理槽2にも個別に設けられるが、いずれも図示は省略されている。また、排出口20の下方には処理された廃棄物を槽外に導くシュート23が設けられている。このシュート23は第1処理槽1から第2処理槽2にかけて形成されている。
【0014】
さらに、本実施の形態ではヒータ17と脱臭器18との間の経路に排気の温度を検出する手段として温度センサ24が設けられている(図2参照)。この温度センサ24の出力端は後記のヒータ制御回路と結ばれている。
【0015】
一方、フィルタ14の目詰まり状態を監視するため、図4に示す如きフィルタ監視装置が設けられている。すなわち、図4において、ヒータ制御回路31では温度センサ24で検出される温度信号が入力され、そこで設定値と比較され、その偏差に基づいてヒータ17の通電状態がON/OFF制御される。また、ヒータ制御回路31によりヒータ17が加熱される間、つまりヒータ17への通電開始から終了までの時間(ON時間)が監視回路32で計時される。
【0016】
さらに、監視回路32ではこのヒータ17のON時間に基づいて予め決められた設定時間との間で比較のための演算が実行される。この演算は設定時間よりON時間を減算する。
【0017】
図5に監視回路32における処理手順を示している。ステップ50ではON時間を計時する。さらに、ステップ52では設定時間より計時されたON時間を減算する。ステップ54ではステップ52の演算結果に従い、プラスの値が得られたとき、警報信号を出力する。この警報信号は警報器33に入力される。警報器33は警報信号が与えられたとき、警報を発する。
【0018】
上記構成からなる厨芥処理装置を運転中、モータ11の回転により送風機16が駆動されると、槽外の空気が給気として第1処理槽1および第2処理槽2内に流入する。この給気は槽内の担体に寄生する微生物に酸素を与え、これを活性化させる。この給気は第1処理槽1および第2処理槽2から排気として抽出され、排気フィルタ14を通って排気管15に流れ、さらに送風機16、ヒータ17および脱臭器18を通って排気筒19に流入してそこから器外に流出する。このようにして厨芥処理装置運転中に、排気が通過する排気フィルタ14では第1処理槽1および第2処理槽2内において微生物による厨芥処理時に生じる細かな固形異物が捕捉される。
【0019】
また、この間、ヒータ17を通る排気は酸化触媒との接触燃焼のために、ある決められた温度(たとえば300℃)に加熱される。ヒータ制御回路31はこの排気温度を保持するために排気温度を検出する温度センサ24からの温度信号と設定値との間で偏差を求め、この偏差が所定範囲内に収まるようにON/OFF信号をヒータ加熱回路17に出力する。このため運転中、排気温度はほぼ一定の温度範囲内に保たれる。
【0020】
監視回路32はこのヒータ17が加熱される時間をON時間として計時する。ヒータ17の加熱時間、つまりON時間は排気フィルタ14に汚れが殆どない(たとえば、フィルタ洗浄直後など)ときには給気の流れが多く、上記の決められた温度になるまで比較的長時間を要するのに対し、排気フィルタ14が目詰まりを起こすと、給気が大きく減少して同じ決められた温度に達するまでの時間が排気フィルタ14に汚れがない場合よりも短くなることが確かめられている。
【0021】
これは空気の熱容量が給気の減少に比例して小さくなるため、直ちに暖まり、短時間で温度が上昇することによるもので、上記のように排気フィルタ14の目詰まりがこうした結果をもたらすことになる。
【0022】
そこで、このON時間の推移を逐一みるために本実施の形態においては監視回路32において経験的に予め決められたON時間(設定時間)に基づき、計時したON時間と比較する減算を実行する。この減算で得られた値がマイナスの場合、排気フィルタ14の目詰まりの程度は給気量にそれ程大きな影響を与えないところにあると判断し、一方、プラスの場合、目詰まりの程度は給気量に決定的な影響を与えるものとして警報信号を出力する。この警報信号は警報器33に入力され、警報器33が排気フィルタ14の目詰まりを知らせる警報を発する。
【0023】
かくして、この警報から排気フィルタ14の目詰まりを早期に知り、排気フィルタ14を装置から取り外し、たとえば洗浄等により汚れをすべて取り除くことで、低下した給気量を本来の給気量に回復させることが可能になる。
【0024】
このように本実施の形態によれば、第1処理槽1および第2処理槽2で微生物の活動を活性化させる十分な量の給気を確保することができ、また、排気を加熱するヒータ17に十分な量の排気が流れ、ヒータ17が過熱状態に陥って断線するのを確実に防ぐことが可能になる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1記載の構成によれば、ヒータ制御手段から出力されるヒータ通電信号を監視しそのヒータ通電時間から前記フィルタ目詰まり状態を判断し警報を発するようにしたので、フィルタの目詰まり状態を確実に検知して給気量が著しく減少する前にフィルタの目詰まりを解消することができ、処理槽で必要とする給気量を確保することが可能となる。
【0026】
請求項2記載の構成によれば、ヒータ制御手段から出力されるヒータ通電時間を設定時間と比較し前記ヒータ通電時間が設定時間より短いとき警報を発するようにしたので、警報手段をマイコン等を用いて簡単に構成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による厨芥処理装置の斜視図。
【図2】本発明による厨芥処理装置の背面図。
【図3】本発明による厨芥処理装置の縦断面図。
【図4】本発明によるフィルタ監視装置の実施の形態を示すブロック図。
【図5】図4に示される監視回路における処理手順を示すフロー図。
【符号の説明】
1 第1処理槽
2 第2処理槽
14 排気フィルタ
17 ヒータ加熱回路
24 温度センサ
31 ヒータ制御回路
32 監視回路
33 警報器
Claims (2)
- 厨芥を収納処理する処理槽内で発生したガス等を外部に排出する排気経路と、該排気経路中に配設され排気ガス中に含まれる異物を除去するフィルタと、前記排気経路に配設されたヒータと、前記排気経路に配設され前記ヒータにより加熱された排気ガスを脱臭する脱臭装置と、前記排気経路に配設され前記ヒータによる加熱後の排気ガスの温度を検出する排気温度検出手段と、該排気温度検出手段の出力に基づいて前記ヒータの通電状態を制御するヒータ制御手段と、該ヒータ制御手段から出力されるヒータ通電信号を監視しそのヒータ通電時間から前記フィルタ目詰まり状態を判断し警報を発する警報手段を備えたことを特徴とする厨芥処理装置。
- 前記警報手段は、前記ヒータ制御手段から出力されるヒータ通電時間を設定時間と比較し前記ヒータ通電時間が設定時間より短いとき警報を発することを特徴とする請求項1記載の厨芥処理装置。
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JP21697296A JP3604826B2 (ja) | 1996-07-31 | 1996-07-31 | 厨芥処理装置 |
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JPH1043730A JPH1043730A (ja) | 1998-02-17 |
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JP21697296A Expired - Fee Related JP3604826B2 (ja) | 1996-07-31 | 1996-07-31 | 厨芥処理装置 |
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1996
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