JP3604498B2 - 流動性に優れた耐熱ゴム組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムからなる耐熱ゴム組成物に関し、さらに詳しくは、強度特性および電気的特性に優れるとともに耐熱老化性に極めて優れた加硫ゴム成形体を提供し得る、流動性(成形加工性)に極めて優れた加硫可能な耐熱ゴム組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
エチレン・プロピレン共重合体ゴム、あるいはジエンとしてエチリデンノルボルネンを用いたエチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムは、機械的特性、電気的特性に優れ、しかも主鎖中に2重結合を持たないため耐熱老化性、耐候性に優れることから、自動車部品、工業用ゴム部品、電気部品、土木建材用品などの用途に広く用いられている。しかしながら、エチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムは、近年自動車部品、電気部品などの用途において、さらに高い流動性(成形加工性)と耐熱老化性が求められるようになってきている。
【0003】
従来、エチレン・プロピレン共重合体ゴム等の流動性を改良するために、エチレン・プロピレン共重合体ゴム等にオイルを可塑剤として添加する方法が一般的に採用されている。しかしながら、このような方法で調製されたエチレン・プロピレン共重合体ゴム等は、その成形品の耐熱老化性を低下させたり、オイルの移行現象すなわちブリードが生じたりするため、商品価値を著しく低下させるという問題がある。
【0004】
また、エチレン・プロピレン共重合体ゴム等の流動性を改良するために、エチレン・プロピレン共重合体ゴム等にポリエチレン等のプラスチックを添加して改良する方法もある。しかしながら、この方法では、エチレン・プロピレン共重合体ゴム等は、一般には耐熱性を悪くし、しかも、ゴム弾性を失わせるという問題がある。
【0005】
さらに、特公昭59−14497号公報には、分子量の異なるエチレン・α− オレフィン・ポリエン共重合体ゴムをブレンドすることによって良好な加工性(流動性)を得たエチレン共重合体ゴム組成物が提案されている。しかしながら、このようなゴム組成物では、所望される高い耐熱老化性は得られていない。
【0006】
ところで、特開平2−252746号公報には、耐熱老化性などを向上せしめるエチレン・プロピレン系共重合体ゴム組成物として、エチレン・プロピレン系共重合体ゴム、酸化チタン、酸化亜鉛および有機過酸化物を含有してなるエチレン・プロピレン系共重合体ゴム組成物が開示されている。また、特開平1−108240号公報には、耐熱老化性などに優れた耐熱ゴム組成物として、エチレン・α− オレフィン共重合体ゴム、ポリオルガノシロキサン、およびシラン化合物で処理されたシリカ系充填剤からなる耐熱ゴム組成物が開示されている。これらの公報に開示されたゴム組成物は、明らかに耐熱老化性が向上している。しかしながら、これらのゴム組成物では、自動車部品、電気部品等の用途の場合には、耐熱老化性が十分でなく、耐熱老化性をさらに改善する必要があり、しかも、所望される高い流動性(加工成形性)が得られないという問題がある。
【0007】
また、優れた耐熱老化性と流動性を示すゴムとして、押出用シリコーンゴムがある。しかしながら、押出用シリコーンゴムは極めて高価であり、コストの面から実用的ではない。
【0008】
したがって、エチレン・プロピレン共重合体ゴムまたはエチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムが本来有する優れた機械的特性および電気的特性を損なうことなく、耐熱老化性に極めて優れた加硫ゴム成形体を提供し得る、流動性(成形加工性)に極めて優れた加硫可能な耐熱ゴム組成物の出現が望まれている。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、機械的特性および電気的特性に優れるとともに耐熱老化性に極めて優れた加硫ゴム成形体を形成し得る、流動性に極めて優れた加硫可能な耐熱ゴム組成物を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】
本発明に係る第1の流動性に優れた耐熱ゴム組成物は、
(A1)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1〜10dl/gの範囲にあるエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム30〜95重量部と、
(A2)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜5dl/gの範囲にあり、かつ、その極限粘度[η]がエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)とは異なるエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム5〜70重量部
[(A1)成分と(A2)成分との合計量は100重量部である]と
を含有してなり、かつ、
エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)は、
(1)エチレンと炭素原子数3〜20のα− オレフィンと非共役ポリエンとからなる共重合体ゴムであり、
(2)エチレンと炭素原子数3〜20のα− オレフィンとのモル比(エチレン/α− オ レフィン)が40/60〜95/5の範囲にあり、
(3)非共役ポリエンが5− ビニル −2− ノルボルネンであり、
(4)非共役ポリエン含量が0.01〜2モル%の範囲であり、
エチレン・α オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A2)は、
(1)エチレンと炭素原子数3〜20のα オレフィンと非共役ポリエンとかららなる共重合体ゴムであり、
(2)エチレンと炭素原子数3〜20のα オレフィンとのモル比( エチレン/ α − オ レフィン )が40/60〜95/5の範囲にあり、
(3)非共役ポリエンが 5− ビニル −2− ノルボルネン、 5− イソプロペニル −2− ノルボルネンまたは 5− イソブテニル −2− ノルボルネンであり、
(4)非共役ポリエン含量が0.01〜2モル%の範囲である
ことを特徴としている。
【0013】
また、本発明に係る第2の流動性に優れた耐熱ゴム組成物は、
(A1)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1〜10dl/gの範囲にあるエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム30〜95重量部と、
(A2)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜5dl/gの範囲にあり、かつ、その極限粘度[η]がエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)とは異なるエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム5〜70重量部
[(A1)成分と(A2)成分との合計量は100重量部である]と
を含有するとともに、さらに、(A1)成分と(A2)成分との合計量100重量部に対して、
(B)アミン系老化防止剤0.2〜5重量部と、
(C)フェノール系老化防止剤0.2〜5重量部と、
(D)イオウ系老化防止剤1〜10重量部と
を含有してなる組成物であり、かつ、
エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)は、
(1)エチレンと炭素原子数3〜20のα− オレフィンと非共役ポリエンとからなる共重合体ゴムであり、
(2)エチレンと炭素原子数3〜20のα− オレフィンとのモル比(エチレン/α− オ レフィン)が40/60〜95/5の範囲にあり、
(3)非共役ポリエンが5− ビニル −2− ノルボルネンであり、
(4)非共役ポリエン含量が0.01〜2モル%の範囲であり、
エチレン・α オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A2)は、
(1)エチレンと炭素原子数3〜20のα オレフィンと非共役ポリエンとかららなる共重合体ゴムであり、
(2)エチレンと炭素原子数3〜20のα オレフィンとのモル比( エチレン/ α − オ レフィン )が40/60〜95/5の範囲にあり、
(3)非共役ポリエンが 5− ビニル −2− ノルボルネン、 5− イソプロペニル −2− ノル ボルネンまたは 5− イソブテニル −2− ノルボルネンであり、
(4)非共役ポリエン含量が0.01〜2モル%の範囲である
ことを特徴としている。
【0014】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る流動性に優れた耐熱ゴム組成物について具体的に説明する。
【0015】
本発明に係る第1の流動性に優れた耐熱ゴム組成物は、極限粘度[η]を異にする特定のエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)、(A2)から構成されている。
【0016】
また、本発明に係る第2の流動性に優れた耐熱ゴム組成物は、極限粘度[η]を異にする特定のエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)、(A2)、アミン系老化防止剤(B)、フェノール系老化防止剤(C)およびイオウ系老化防止剤(D)から構成されている。
【0017】
エチレン・α オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)、
(A2)
本発明で用いられるエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)、(A2)は、エチレンと炭素原子数3〜20のα− オレフィンと特定の非共役ポリエンとを共重合させて得られるゴムである。
【0018】
上記の炭素原子数3〜20のα− オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、トリデセン−1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセン−1、ヘプタデセン−1、ノナデセン−1、エイコセン−1、9−メチル− デセン−1、11− メチル− ドデセン−1、12− エチル− テトラデセン−1などが挙げられる。これらのα− オレフィンは、単独で、または2種以上組合わせて用いられる。
【0019】
上記α− オレフィンのうち、特にプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1が好ましく用いられる。
本発明で用いられるエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)、(A2)は、エチレンと炭素原子数3〜20のα− オレフィンとのモル比(エチレン/α− オレフィン)が40/60〜95/5、好ましくは、50/50〜90/10、さらに好ましくは55/45〜85/15、特に好ましくは55/45〜80/20の範囲にある。
【0020】
上記エチレン・α オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)を構成する非共役ポリエンは、 5‐ ビニル ‐2‐ ノルボルネンである。また、上記エチレン・α オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A2)を構成する非共役ポリエンは、 5‐ ビニル ‐2‐ ノルボルネン、 5‐ イソプロペニル ‐2‐ ノルボルネンまたは 5‐ イソブテニル ‐2‐ ノルボルネンである。これらの非共役ポリエンは、いずれも末端ビニル基含有ノルボルネン化合物である。
【0028】
また、エチレン・α オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)または(A2)を構成する非共役ポリエンは、以下に示す非共役ポリエン化合物と混合して使用することができる。
【0029】
このような非共役ポリエン化合物としては、具体的には、
1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4− ヘキサジエン、4−メチル−1,4− ヘキサジエン、5−メチル−1,4− ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4− ヘキサジエン、7−メチル−1,6− オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;
メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2− ノルボルネン、5−メチレン−2− ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2− ノルボルネン、5−ビニリデン−2− ノルボルネン、6−クロロメチル−5− イソプロペニル−2− ノルボルネン等の環状非共役ジエン;
2,3−ジイソプロピリデン−5− ノルボルネン、2−エチリデン−3− イソプロピリデン−5− ノルボルネン、2−プロペニル−2,2− ノルボルナジエン等のトリエンを例示することができる。
【0030】
本発明で用いられるエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)(A2)は、非共役ポリエン含有量が0.01〜2モル%、好ましくは0.1〜1モル%である。
【0031】
非共役ポリエン含有量が上記範囲にあるエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)、(A2)を用いると、耐熱老化性に極めて優れた加硫ゴム成形体を提供し得るゴム組成物が得られる。
【0032】
また、この非共役ポリエン含有量は、加硫を行なう際の加硫速度の尺度となり、他の特性、たとえば極限粘度、エチレン含有量とともに、流動性(成形加工性)、強度特性などの性質に優れた共重合体ゴムを得るのに際して役立っている。
【0033】
本発明で用いられるエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1〜10dl/g、好ましくは2〜6dl/g、さらに好ましくは3〜5dl/gである。
【0034】
極限粘度が上記範囲にあるエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)を用いると、加硫ゴムの物性が優れ、しかも流動性(成形加工性)に優れたゴム組成物を得ることができる。
【0035】
また、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A2)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜5dl/g、好ましくは0.2〜2dl/g、さらに好ましくは0.3〜1dl/gである。
【0036】
極限粘度が上記範囲にあるエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A2)をエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)にブレンドすることにより、加硫ゴムの物性が優れ、しかも流動性(成形加工性)に優れたゴム組成物を得ることができる。
【0037】
上記のエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)と(A2)とのブレンド体は、ムーニー粘度[ML1+4 (100℃)]が5〜100であり、エチレンとα− オレフィンとのモル比(エチレン/α− オレフィン)が40/60〜95/5であり、ポリエン含量が0.01〜2モル%である。
【0038】
この極限粘度[η]は、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムの分子量を示す尺度であり、他の特性、たとえば非共役ポリエン含有量とともに、流動性(成形加工性)、強度特性、耐熱性、耐候性などの性質に優れた共重合体ゴムを得るのに際して役立っている。
【0039】
上記のようなエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)、(A2)は、たとえば特公昭59−14497号公報に記載されている方法により製造することができる。すなわち、チーグラー触媒の存在下に、水素を分子量調節剤として用い、エチレンと炭素原子数3〜20のα− オレフィンと非共役ポリエンとを共重合させることにより、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)、(A2)を得ることができる。
【0040】
また、本発明で用いられるエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)または(A2)は、上述したようなエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムに、不飽和カルボン酸またはその誘導体(たとえば酸無水物、エステル)がグラフト共重合されていてもよい。
【0041】
このような不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、ビシクロ(2,2,1) ヘプト−2− エン−5,6− ジカルボン酸などが挙げられる。
【0042】
不飽和カルボンの酸無水物としては、具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、ビシクロ(2,2,1) ヘプト−2− エン−5,6− ジカルボン酸無水物などが挙げられる。これらの中でも、無水マレイン酸が好ましい。
【0043】
不飽和カルボン酸エステルとしては、具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマール酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジメチル、ビシクロ(2,2,1) ヘプト−2− エン−5,6− ジカルボン酸ジメチルなどが挙げられる。これらの中でも、アクリル酸メチルおよびアクリル酸エチルが好ましい。
【0044】
上記の不飽和カルボン酸等のグラフト変性剤(グラフトモノマー)は、それぞれ単独または2種以上の組み合わせで使用されるが、何れの場合も前述したグラフト変性前のエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム100g当たり、0.1モル以下のグラフト量にするのがよい。
【0045】
上記のようなグラフト量が上記範囲にあるエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)および/または(A2)を用いると、耐寒性に優れた加硫ゴム成形体を提供し得る、流動性に優れたゴム組成物が得られる。
【0046】
グラフト変性したエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムは、前述した未変性のエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムと不飽和カルボン酸またはその誘導体とを、ラジカル開始剤の存在下に反応させることにより得ることができる。
【0047】
このグラフト反応は溶液にして行なうこともできるし、溶融状態で行なってもよい。溶融状態でグラフト反応を行なう場合には、押出機の中で連続的に行なうことが最も効率的であり、好ましい。
【0048】
グラフト反応に使用されるラジカル開始剤としては、具体的には、ジクミルパーオキサイド、ジ−t− ブチルパーオキサイド、ジ−t− ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t− アミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5− ジ(t−ブチルパーオキシン)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5− ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5− モノ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α’
ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド類;
t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t− ブチルパーオキシフタレート等のパーオキシエステル類;
ジシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;
およびこれらの混合物などが挙げられる。中でも半減期1分を与える温度が130〜200℃の範囲にある有機過酸化物が好ましく、特に、ジクミルパーオキサイド、ジ−t− ブチルパーオキサイド、ジ−t− ブチルパーオキシ−3,3,5− トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t− アミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイドなどの有機過酸化物が好ましい。
【0049】
本発明においては、特に機械的特性および流動性(成形加工性)等の見地から、ムーニー粘度[ML1+4 (100℃)]が5〜180、特に10〜120の範囲にあるエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)、(A2)が好ましく用いられる。
【0050】
本発明においては、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)およびエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A2)の合計量100重量部に対して、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)は、30〜95重量部、好ましくは35〜80重量部、さらに好ましくは40〜70重量部の割合で用いられ、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A2)は、5〜70重量部、好ましくは10〜65重量部、さらに好ましくは20〜60重量部の割合で用いられる。
【0051】
アミン系老化防止剤(B)
アミン系老化防止剤(B)としては、通常ゴムに使用されるアミン系老化防止剤が用いられる。
【0052】
具体的には、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;
p− (p− トルエン・スルホニルアミド)− ジフェニルアミン、4,4−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、4,4’− ジオクチル・ジフェニルアミン、ジフェニルアミンとアセトンとの高温反応生成物、ジフェニルアミンとアセトンとの低温反応生成物、ジフェニルアミンとアニリンとアセトンとの低温反応物、ジフェニルアミンとジイソブチレンとの反応生成物、オクチル化ジフェニルアミン、ジオクチル化ジフェニルアミン、p,p’− ジオクチル・ジフェニルアミン、アルキル化ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;
N,N’− ジフェニル−p−フェニレンジアミン、n− イソプロピル−N’−フェニル−p− フェニレンジアミン、N,N’− ジ−2− ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2− ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N,N’− ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’− ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’− ビス(1−エチル−3− メチルペンチル)−p− フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニルオクチル−p−フェニレンジアミン等のp− フェニレンジアミン系老化防止剤などが挙げられる。この中でも、特に4,4−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N’− ジ−2− ナフチル−p−フェニレンジアミンが好ましい。
【0053】
本発明においては、アミン系老化防止剤(B)は、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)および(A2)の合計量100重量部に対して、0.2〜5重量部、好ましくは、0.5〜4重量部、さらに好ましくは1〜3重量部の割合で用いられる。上記のような割合でアミン系老化防止剤(B)を用いると、耐熱老化性の向上効果が大きく、しかも、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)、(A2)の架橋を阻害することもない。
【0054】
フェノール系老化防止剤(C)
フェノール系老化防止剤(C)としては、通常ゴムに使用されるフェノール系老化防止剤が用いられる。
【0055】
具体的には、スチレン化フェノール、2,6−ジ−t− ブチルフェノ− ブチル−4− メチルフル、2,6−ジ−t− ブチル−4− メチルフェノール、2,6−ジ−t− ブチル−p−エチルフェノール、2,4,6−トリ−t− ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、1−ヒドロキシ−3− メチル−4− イソプロピルベンゼン、モノ−t− ブチル−p−クレゾール、モノ−t− ブチル−m−クレゾール、2,4−ジメチル−6−t− ブチルフェノール、ブチル化ビスフェノールA、2,2’− メチレン− ビス− (4−メチル−6−t− ブチルフェノール)、2,2’− メチレン− ビス− (4−エチル−6−t− ブチルフェノール)、2,2’− メチレン− ビス− (4−メチル−6−t− ノニルフェノール)、2,2’− イソブチリデン− ビス− (4,6−ジメチルフェノール)、4,4’− ブチリデン− ビス− (3−メチル−6−t− ブチルフェノール)、4,4’− メチレン− ビス− (2,6−ジ−t− ブチルフェノール)、2,2’− チオ− ビス− (4−メチル−6−t− ブチルフェノール)、4,4’−チオ− ビス− (3−メチル−6−t− ブチルフェノール)、4,4’− チオ− ビス− (2−メチル−6− ブチルフェノール)、4,4’− チオ− ビス− (6−t−ブチル−3− メチルフェノール)、ビス(3−メチル−4− ヒドロキシ−5−t− ブチルベンゼン)スルフィド、2,2−チオ[ジエチル− ビス3−(3,5−ジ−t− ブチル−4− ヒドロキシフェノール)プロピオネート]、ビス[3,3−ビス(4’− ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェノール)ブチリックアッシド]グリコールエステル、ビス[2−(2−ヒドロキシ−5− メチル−3−t− ブチルベンゼン)−4− メチル−6−t− ブチルフェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t− ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、N,N’− ヘキサメチレン− ビス(3,5−ジ−t− ブチル−4− ヒドロキシ− ヒドロシアミド)、N−オクタデシル−3− (4’− ヒドロキシ−3’,5’− ジ−t− ブチルフェノール)プロピオネート、テトラキス[メチレン− (3’,5’−ジ−t− ブチル−4− ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1’− ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、モノ(α− メチルベンゼン)フェノール、ジ(α− メチルベンジル)フェノール、トリ(α− メチルベンジル)フェノール、ビス(2’− ヒドロキシ−3’−t− ブチル−5’−メチルベンジル)−4− メチル− フェノール、2,5−ジ−t− アミルハイドロキノン、2,6−ジ− ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,5−ジ−t− ブチルハイドロキノン、3,5−ジ−t− ブチル−4− ヒドロキシベンジルリン酸のジエチルエステル、カテコール、ハイドロキノンなどが挙げられる。特に好ましいフェノール系老化防止剤の例としては、4,4’− ブチリデン− ビス− (3−メチル−6−t− ブチルフェノール)、4,4’− メチレン− ビス− (2,6−ジ−t− ブチルフェノール)、2,2’− チオ− ビス− (4−メチル−6−t− ブチルフェノール)、4,4’− チオ− ビス− (3−メチル−6−t− ブチルフェノール)、4,4’− チオ− ビス− (2−メチル−6− ブチルフェノール)、4,4’− チオ− ビス− (6−t−ブチル−3− メチルフェノール)、テトラキス[メチレン− (3’,5’−ジ−t− ブチル−4− ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどを挙げることができる。
【0056】
本発明においては、フェノール系老化防止剤(C)は、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)および(A2)の合計量100重量部に対して、0.2〜5重量部、好ましくは、0.5〜4重量部、さらに好ましくは1〜3重量部の割合で用いられる。上記のような割合でフェノール系老化防止剤(C)を用いると、耐熱老化性の向上効果が大きく、しかも、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)、(A2)の架橋を阻害することもない。
【0057】
イオウ系老化防止剤(D)
イオウ系老化防止剤(D)としては、通常ゴムに使用されるイオウ系老化防止剤が用いられる。
【0058】
具体的には、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルイミダゾールの亜鉛塩等のイミダゾール系老化防止剤;
ジミリスチルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール− テトラキス− (β− ラウリル− チオプロピオネート)等の脂肪族チオエーテル系老化防止剤などを挙げることができる。これらの中でも、特に2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾールの亜鉛塩が好ましい。
【0059】
本発明においては、イオウ系老化防止剤(D)は、エチレン・α‐ オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)および(A2)の合計量100重量部に対して、1〜10重量部、好ましくは、1〜8重量部、さらに好ましくは1〜6重量部の割合で用いられる。上記のような割合でイオウ系老化防止剤(D)を用いると、耐熱老化性の向上効果が大きく、しかも、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)、(A2)の架橋を阻害することもない。
【0060】
その他の配合成分
本発明に係る耐熱ゴム組成物は、未加硫のままでも用いることもできるが、加硫ゴム成形体あるいは加硫ゴム発泡成形体のような加硫物として用いた場合に最もその特性を発揮することができる。
【0061】
本発明に係る耐熱ゴム組成物中に、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)、(A2)、必要に応じて配合されるアミン系老化防止剤(B)、フェノール系老化防止剤(C)およびイオウ系老化防止剤(D)のほかに、意図する加硫物の用途等に応じて、従来公知のゴム補強剤、軟化剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、加工助剤、発泡剤、発泡助剤、着色剤、分散剤、難燃剤などの添加剤を配合することができる。
【0062】
この場合、ゴム組成物中を占めるエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)、(A2)、必要に応じて配合されるアミン系老化防止剤(B)、フェノール系老化防止剤(C)およびイオウ系老化防止剤(D)の総量は、用途等によっても異なるが、一般に25重量%以上、特に40重量%以上とすることが好適である。
【0063】
上記のゴム補強剤は、加硫ゴムの引張強度、引き裂き強度、耐摩耗性などの機械的性質を高める効果がある。このようなゴム補強剤としては、具体的には、SRF、GPF、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MTなどのカーボンブラック、シランカップリング剤などにより表面処理が施されているこれらカーボンブラック、シリカ、活性化炭酸カルシウム、微粉タルク、微粉ケイ酸などが挙げられる。
【0064】
これらのゴム補強剤は、その用途に応じて適宜選択し得るが、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)、(A2)、必要に応じて配合されるアミン系老化防止剤(B)、フェノール系老化防止剤(C)およびイオウ系老化防止剤(D)の総量100重量部に対して、200重量部以下、特に100重量部以下であることが好ましい。
【0065】
上記軟化剤としては、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができる。具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;
コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;
トール油;
サブ;
蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;
石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質を挙げることができる。中でも石油系軟化剤が好ましく用いられ、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。
【0066】
これらの軟化剤の配合量は、加硫物の用途により適宜選択できるが、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)、(A2)、必要に応じて配合されるアミン系老化防止剤(B)、フェノール系老化防止剤(C)およびイオウ系老化防止剤(D)の総量100重量部に対して、200重量部以下、特に100重量部以下であることが好ましい。
【0067】
加硫の際に使用される加硫剤としては、イオウ、イオウ系化合物および有機過酸化物を挙げることができる。特に有機過酸化物を使用した場合に本発明に係る耐熱ゴム組成物の性能を最もよく発揮できる。
【0068】
イオウとしては、具体的には、粉末イオウ、沈降イオウ、コロイドイオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウなどが挙げられる。
イオウ系化合物としては、具体的には、塩化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化物などが挙げられる。また、加硫温度で活性イオウを放出して加硫するイオウ化合物、たとえばモルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレンなどが挙げられる。
【0069】
本発明においては、イオウが好ましく用いられる。
イオウまたはイオウ系化合物は、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)、(A2)、必要に応じて配合されるアミン系老化防止剤(B)、フェノール系老化防止剤(C)およびイオウ系老化防止剤(D)の総量100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部の量で用いられる。
【0070】
また、加硫剤としてイオウまたはイオウ系化合物を使用するときは、加硫促進剤を併用することが好ましい。
加硫促進剤としては、具体的には、N−シクロヘキシル−2− ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2− ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2− ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系化合物;
2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2’,4’−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(4’− モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系化合物;
ジフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン化合物;
アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミンまたはアルデヒド−アンモニア系化合物;
2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;
チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;
テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;
ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物;
ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテート系化合物;
亜鉛華等の化合物を挙げることができる。
【0071】
これらの加硫促進剤は、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)および(A2)の合計量100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の量で用いられる。
【0072】
有機過酸化物としては、通常ゴムの過酸化物加硫に使用される化合物であればよい。たとえば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t− ブチルパーオキサイド、ジ−t− ブチルパーオキシ−3,3,5− トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t− アミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5− ジ(t−ブチルパーオキシン)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5− ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5− モノ(t−ブチルパーオキシ)− ヘキサン、α,α’− ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド類;
t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t− ブチルパーオキシフタレート等のパーオキシエステル類;
ジシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、およびこれらの混合物などが挙げられる。中でも半減期1分を与える温度が130℃〜200℃の範囲にある有機過酸化物が好ましく、特に、ジクミルパーオキサイド、ジ−t− ブチルパーオキサイド、ジ−t− ブチルパーオキシ−3,3,5− トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t− アミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイドなどの有機過酸化物が好ましい。
【0073】
有機過酸化物は、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)および(A2)の合計量100gに対して0.0003〜0.05モル、好ましくは0.001〜0.03モルの範囲で使用されるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
【0074】
加硫剤として有機過酸化物を使用するときは、加硫助剤を併用することが好ましい。加硫助剤としては、具体的には、イオウ;p− キノンジオキシム等のキノンジオキシム系化合物;ポリエチレングリコールジメタクリレート等のメタクリレート系化合物;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等のアリル系化合物;マレイミド系化合物;ジビニルベンゼンなどが挙げられる。このような加硫助剤は、使用する有機過酸化物1モルに対して0.5〜2モル、好ましくは約等モルの量で用いられる。
【0075】
加硫方法として加硫剤を使用せず、電子線を使用する場合は、成形された未加硫配合ゴムに0.1〜10MeV(メガエレクトロンボルト)、好ましくは0.3〜2MeVのエネルギーを有する電子を、吸収線量が0.5〜35Mrad(メガラッド)、好ましくは0.5〜10Mradになるように照射すればよい。この場合、加硫剤としての有機過酸化物と併用する加硫助剤を使用してもよい。このような加硫助剤の配合量は、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)および(A2)の合計量100gに対して、0.0001〜0.1モル、好ましくは0.001〜0.03モルである。
【0076】
上記の加工助剤としては、通常のゴムの加工に使用される化合物を使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸の塩;リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸のエステル類などが挙げられる。
【0077】
このような加工助剤は、通常、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)および(A2)の合計量100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは5重量部以下の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
【0078】
上記の発泡剤としては、具体的には、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等の無機発泡剤;
N,N’− ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、N,N’− ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物;
アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ化合物;
ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’− オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド化合物;
カルシウムアジド、4,4−ジフェニルジスルホニルアジド、p−トルエンスルホルニルアジド等のアジド化合物などが挙げられる。
【0079】
これらの発泡剤は、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)および(A2)の合計量100重量部に対して、0.5〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の割合で用いられる。上記のような割合で発泡剤を用いると、見かけ比重0.03〜0.8g/cm の発泡体を製造することができるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
【0080】
また、必要に応じて、発泡剤と併用して、発泡助剤を使用してもよい。発泡助剤は、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化などの作用をする。
このような発泡助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、しゅう酸等の有機酸、尿素またはその誘導体などが挙げられる。
【0081】
これらの発泡助剤は、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)および(A2)の合計量100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
【0082】
ゴム組成物の調製
上述したように、本発明に係る耐熱ゴム組成物は、未加硫のままでも用いることもできるが、加硫ゴム成形体あるいは加硫ゴム発泡成形体のような加硫物として用いた場合に最もその特性を発揮することができる。
【0083】
本発明に係る耐熱ゴム組成物から加硫物を製造するには、通常一般のゴムを加硫するときと同様に、未加硫の配合ゴムを一度調製し、次いで、この配合ゴムを意図する形状に成形した後に加硫を行なえばよい。
【0084】
加硫方法としては、加硫剤を使用して加熱する方法、またはび電子線照射による方法のどちらを採用してもよい。
まず本発明に係る耐熱ゴム組成物は、たとえば次のような方法で調製される。
【0085】
すなわち、バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー(密閉式混合機)類により、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)、(A2)、アミン系老化防止剤(B)、フェノール系老化防止剤(C)、イオウ系老化防止剤(D)、および必要に応じて充填剤、軟化剤などの添加剤を80〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、オープンロールのようなロール類、あるいはニーダーを使用して、加硫剤、必要に応じて加硫促進剤または加硫助剤、発泡剤を追加混合し、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。
【0086】
また、インターナルミキサー類での混練温度が低い場合には、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)、(A2)、充填剤、軟化剤などとともに上記(B)、(C)および(D)の老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤、着色剤、分散剤、難燃剤、発泡剤などを同時に混練してもよい。
【0087】
上記のようにして調製された加硫可能な本発明に係る耐熱ゴム組成物は、押出成形機、カレンダーロール、プレス、インジェクション成形機、トランスファー成形機など種々の成形法より、意図する形状に成形され、成形と同時にまたは成型物を加硫槽内に導入し、加硫することができる。120〜270℃の温度で1〜30分間加熱するか、あるいは前記した方法により電子線を照射することにより加硫物が得られる。この加硫の段階は金型を用いてもよいし、また金型を用いないで加硫を実施してもよい。金型を用いない場合は成形、加硫の工程は通常連続的に実施される。加硫槽における加熱方法としては、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチーム、LCM(熱溶融塩槽)などの加熱槽を用いることができる。電子線照射により加硫を行なう場合は、加硫剤の配合されていない配合ゴムが用いられる。
【0088】
【発明の効果】
本発明に係る耐熱ゴム組成物は、極限粘度の異なる、すなわち分子量の異なる特定のエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)および(A2)を特定の割合で含有してなるので、流動性(加工成形性)に極めて優れており、しかも、機械的特性および電気的特性に優れるとともに耐熱老化性に極めて優れた加硫ゴム成形体を提供することができる。
【0089】
本発明に係る耐熱ゴム組成物のうち、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)および(A2)に、アミン系老化防止剤(B)、フェノール系老化防止剤(C)およびイオウ系老化防止剤(D)が特定の割合で配合された本発明に係る耐熱ゴム組成物の加硫ゴム成形体は、耐熱老化性が特に優れている。このような効果は、アミン系老化防止剤(B)とフェノール系老化防止剤(C)とイオウ系老化防止剤(D)とを併用することにより得られる。
【0090】
したがって、上記のような効果を有する本発明に係る耐熱ゴム組成物は、ウェザーストリップ、ドアーグラスランチャンネル、窓枠、ラジエータホース、ブレーキ部品、ワイパーブレード等の自動車部品、ゴムロール、ベルト、パッキン、ホース等の工業用ゴム製品、アノードキャップ、グロメット等の電気絶縁材、建築用ガスケットなどの用途に好適に用いることができる。
【0091】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例で用いた成分は、次の通りである。
共重合体ゴム(A1)
(A1−1):エチレン・プロピレン・5−ビニル−2− ノルボルネン共重合体ゴム
エチレン/プロピレン(モル比): 78/22
非共役ポリエン含量: 0.25モル%
極限粘度[η]: 3.7dl/g
(A1−2):エチレン・プロピレン・5−ビニル−2− ノルボルネン共重合体ゴム
エチレン/プロピレン(モル比): 78/22
非共役ポリエン含量: 0.50モル%
極限粘度[η]: 3.7dl/g
(A1−3):エチレン・プロピレン・5−ビニル−2− ノルボルネン共重合体ゴム
エチレン/プロピレン(モル比): 68/32
非共役ポリエン含量: 0.26モル%
極限粘度[η]: 3.5dl/g
(A1−4):エチレン・プロピレン・5−ビニル−2− ノルボルネン共重合体ゴム
エチレン/プロピレン(モル比): 68/32
非共役ポリエン含量: 0.26モル%
極限粘度[η]: 4.0dl/g
(A1−5):エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2− ノルボルネン共重合体ゴム
エチレン/プロピレン(モル比): 78/22
非共役ポリエン含量: 0.25モル%
極限粘度[η]: 3.7dl/g
(A1−6):エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体ゴム
エチレン/プロピレン(モル比): 78/22
非共役ポリエン含量: 0.25モル%
極限粘度[η]: 3.7dl/g
(A1−7):エチレン・プロピレン共重合体ゴム
エチレン/プロピレン(モル比): 80/20
非共役ポリエン含量: 0モル%
極限粘度[η]: 3.7dl/g
(A1−8):エチレン・プロピレン・5−ビニル−2− ノルボルネン共重合体ゴム
エチレン/プロピレン(モル比): 68/32
非共役ポリエン含量: 0.39モル%
極限粘度[η]: 2.2dl/g
(A1−9):エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2− ノルボルネン共重合体ゴム
エチレン/プロピレン(モル比): 68/32
非共役ポリエン含量: 0.39モル%
極限粘度[η]: 2.2dl/g
共重合体ゴム(A2)
(A2−1):エチレン・プロピレン・5−ビニル−2− ノルボルネン共重合体ゴム
エチレン/プロピレン(モル比): 78/22
非共役ポリエン含量: 0.25モル%
極限粘度[η]: 0.6dl/g
(A2−2):エチレン・プロピレン共重合体ゴム
エチレン/プロピレン(モル比): 78/22
非共役ポリエン含量: 0モル%
極限粘度[η]: 0.6dl/g
(A2−3):エチレン・プロピレン・5−ビニル−2− ノルボルネン共重合体ゴム
エチレン/プロピレン(モル比): 68/32
非共役ポリエン含量: 0.26モル%
極限粘度[η]: 0.5dl/g
(A2−4):エチレン・プロピレン・5−ビニル−2− ノルボルネン共重合体ゴム
エチレン/プロピレン(モル比): 68/32
非共役ポリエン含量: 0.26モル%
極限粘度[η]: 0.3dl/g
(A2−5):エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2− ノルボルネン共重合体ゴム
エチレン/プロピレン(モル比): 78/22
非共役ポリエン含量: 0.25モル%
極限粘度[η]: 0.6dl/g
(A2−6):エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体ゴム
エチレン/プロピレン(モル比): 78/22
非共役ポリエン含量: 0.25モル%
極限粘度[η]: 0.6dl/g
(A2−7):エチレン・プロピレン共重合体ゴム
エチレン/プロピレン(モル比): 80/20
非共役ポリエン含量: 0モル%
極限粘度[η]: 0.5dl/g
アミン系老化防止剤(B)
(B−1):N,N’− ジ−2− ナフチル−p−フェニレンジアミン
フェノール系老化防止剤(C)
(C−1):3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4− ヒドロキシ−5− メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1− ジメチルエチル]−2,4−8,10−テトラオキサスピロ[5, 5]ウンデカン
イオウ系老化防止剤(D)
(D−1):ペンタエリスリトール− テトラキス− (β− ラウリル− チオプロピオネート)
ホスファイト系老化防止剤
4,4’− ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチル−ジ−トリデシルホスファイト)また、実施例および比較例で得られた加硫ゴムの物性試験は、以下の方法により行なった。
(1)常態物性
引張強さ T 、伸び E
(2) 耐熱老化性(190℃×168hrs.)
引張強さ保持率 A(T)、伸び保持率 A(E
引張強さ×伸び保持率 A(T×E
(3)成形加工性
(a)ロール加工性
上記方法により混練した混練物を室温で24時間放置した。この混練物1.5kgを8インチオープンロールを用いてロール温度50℃、ロール間隙5mmに保ち、ロールへの巻き付きの様子を観察し、ロール加工性として5段階評価した。
【0092】
[5段階評価]
5 ・・・ ゴムバンドがロールに完全に密着しており、バンドがスムーズに回転している。
【0093】
4 ・・・ ロールの頂点からバンクの間で、バンドがロール表面からときどき離れる。
3 ・・・ ロールの頂点からバンクの間で、バンドがロール表面から離れる。
【0094】
2 ・・・ ロール表面にバンドが密着せず、手を添えないとロール加工できない。
1 ・・・ ロール表面にバンドが全く密着せずに垂れ下がり、手を添えないとロール加工できない。
【0095】
(b)押出加工性
上記方法により混練した混練物を室温で24時間放置した。この混練物を50ミリ押出機を用いて、下記の条件で押出し、押出加工性の指標として押出肌の5段階評価を行なった。
【0096】
[押出条件]
L/D=14,50ミリ押出機、モディファイ・ガーベダイを使用
押出温度:シリンダー後/シリンダー前/ヘッド=60℃/70℃/80℃
[5段階評価]
5 ・・・ 表面凸凹が全くなく、光沢が良好
4 ・・・ 表面凸凹がほとんどなく、光沢なし
3 ・・・ 表面凸凹が僅かにあり、光沢なし
2 ・・・ 表面凸凹があり、光沢なし
1 ・・・ 表面に大きな凸凹があり、光沢全くなし
【0097】
【実施例1〜5および比較例1〜7】
実施例1〜5および比較例1〜7の共通のゴム配合剤とその配合割合を第1表に示す。
【0098】
【表1】
Figure 0003604498
【0099】
第1表に示すゴム配合剤および第2表に示す配合剤を第1表および第2表に示す割合で各例のゴム組成物を調製した。
混練は、有機過酸化物以外の成分を1.7リットル容量のバンバリーミキサーを用いて140℃〜150℃の温度で5分間行なった後、8インチオープンロールを用いて、有機過酸化物を50℃〜60℃の温度で5分間混練した。
【0100】
次いで、この混練物を170℃で10分間プレス加硫し、厚さ2mmの加硫ゴムシートを作製し、上記試験の試験片を調製した。
得られた試験片について、上記試験を行なった。
【0101】
結果を第2表に示す。
【0102】
【表2】
Figure 0003604498
【0103】
【表3】
Figure 0003604498

Claims (6)

  1. (A1)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1〜10dl/gの範囲にあるエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム30〜95重量部と、
    (A2)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜5dl/gの範囲にあり、かつ、その極限粘度[η]がエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)とは異なるエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム5〜70重量部
    [(A1)成分と(A2)成分との合計量は100重量部である]と
    を含有してなり、かつ、
    エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)は、
    (1)エチレンと炭素原子数3〜20のα− オレフィンと非共役ポリエンとからなる共重合体ゴムであり、
    (2)エチレンと炭素原子数3〜20のα− オレフィンとのモル比(エチレン/α− オ レフィン)が40/60〜95/5の範囲にあり、
    (3)非共役ポリエンが5− ビニル −2− ノルボルネンであり、
    (4)非共役ポリエン含量が0.01〜2モル%の範囲であり、
    エチレン・α オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A2)は、
    (1)エチレンと炭素原子数3〜20のα オレフィンと非共役ポリエンとかららなる共重合体ゴムであり、
    (2)エチレンと炭素原子数3〜20のα オレフィンとのモル比( エチレン/ α − オ レフィン )が40/60〜95/5の範囲にあり、
    (3)非共役ポリエンが 5− ビニル −2− ノルボルネン、 5− イソプロペニル −2− ノルボルネンまたは 5− イソブテニル −2− ノルボルネンであり、
    (4)非共役ポリエン含量が0.01〜2モル%の範囲である
    ことを特徴とする流動性に優れた耐熱ゴム組成物。
  2. 前記エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)と(A2)とのブレンド体は、ムーニー粘度[ML1+4 (100℃)]が5〜100であり、エチレンとα− オレフィンとのモル比(エチレン/α− オレフィン)が40/60〜95/5であり、ポリエン含量が0.01〜2モル%であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱ゴム組成物。
  3. 前記エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)および/または(A2)が、不飽和カルボン酸またはその誘導体によりグラフト変性されたエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムであることを特徴とする請求項1または2に記載の耐熱ゴム組成物。
  4. (A1)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1〜10dl/gの範囲にあるエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム30〜95重量部と、
    (A2)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜5dl/gの範囲にあり、かつ、その極限粘度[η]がエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)とは異なるエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム5〜70重量部
    [(A1)成分と(A2)成分との合計量は100重量部である]と
    を含有するとともに、さらに、(A1)成分と(A2)成分との合計量100重量部に対して、
    (B)アミン系老化防止剤0.2〜5重量部と、
    (C)フェノール系老化防止剤0.2〜5重量部と、
    (D)イオウ系老化防止剤1〜10重量部と
    を含有してなる組成物であり、かつ、
    エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)は、
    (1)エチレンと炭素原子数3〜20のα− オレフィンと非共役ポリエンとからなる共重合体ゴムであり、
    (2)エチレンと炭素原子数3〜20のα− オレフィンとのモル比(エチレン/α− オ レフィン)が40/60〜95/5の範囲にあり、
    (3)非共役ポリエンが5− ビニル −2− ノルボルネンであり、
    (4)非共役ポリエン含量が0.01〜2モル%の範囲であり、
    エチレン・α オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A2)は、
    (1)エチレンと炭素原子数3〜20のα オレフィンと非共役ポリエンとかららなる共重合体ゴムであり、
    (2)エチレンと炭素原子数3〜20のα オレフィンとのモル比( エチレン/ α − オ レフィン )が40/60〜95/5の範囲にあり、
    (3)非共役ポリエンが 5− ビニル −2− ノルボルネン、 5− イソプロペニル −2− ノルボルネンまたは 5− イソブテニル −2− ノルボルネンであり、
    (4)非共役ポリエン含量が0.01〜2モル%の範囲である
    ことを特徴とする流動性に優れた耐熱ゴム組成物。
  5. 前記エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)と(A2)とのブレンド体は、ムーニー粘度[ML1+4 (100℃)]が5〜100であり、エチレンとα− オレフィンとのモル比(エチレン/α− オレフィン)が40/60〜95/5であり、ポリエン含量が0.01〜2モル%であることを特徴とする請求項4に記載の耐熱ゴム組成物。
  6. 前記エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)および/または(A2)が、不飽和カルボン酸またはその誘導体によりグラフト変性されたエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムであることを特徴とする請求項4または5に記載の耐熱ゴム組成物。
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