JP3603067B2 - インクジェット記録ヘッド構造体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット方式の記録装置に搭載されるインクジェット記録ヘッド構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、記録紙にカラーの文字や画像を印刷する手段としてインクジェット方式の記録装置が用いられているが、近年、画像出力の高精度化とともに、印字密度の高密度化が求められるようになっている。
【0003】
ところで、インクジェット方式の記録装置に搭載されるインクジェット記録ヘッドには、インク滴を記録紙に向けて吐出、飛翔させる加圧機構として、発熱抵抗体の発する熱エネルギーを利用したものや、圧電素子の変形を利用したもの、さらには電磁波の照射に伴って発生する熱を利用したもの等がある。
【0004】
例えば、加圧機構として発熱抵抗体の熱エネルギーを利用したインクジェット記録ヘッド構造体としては、図4(a)(b)に示す如く、複数のインク室24を有し、各インク室24内にインクを加圧するための発熱抵抗体25を備えた流路部材23と、上記各インク室24と連通するインク吐出孔28を備えたノズル板29とからなるインクジェット記録ヘッド22と、このインクジェット記録ヘッド22を支持し、かつ上記流路部材23のインク室24と連通するインク供給穴31を有するセラミック製の支持部材30とからなり、上記インク供給穴31は、インクジェット記録ヘッド側に開口する、中央に向かって深くなる傾斜底面33を備えた長穴32と、これに連通する小径穴34とから構成したものがあった。
【0005】
そして、このインクジェット記録ヘッド構造体21を用いて記録紙に印刷するには、インク供給穴31よりインク室24にインクを供給した状態で、発熱抵抗体25を発熱させてインク室24内に気泡を発生させることによりインク室24内のインクを加圧し、インク吐出孔28よりインク滴を吐出させることにより記録紙に印刷するようになっていた(特開2001−130004号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、発熱抵抗体25の発する熱エネルギーを利用したインクジェット記録ヘッド構造体21では、発熱抵抗体25を発熱させることによりインク室24内に発生させた気泡の一部が切れる気泡切れが発生し、切り離された微小気泡がインク室24やインク供給穴31に滞留するのであるが、インク滴の連続吐出に伴って発生した微小気泡が合わさって一体となったり、あるいは新たに発生させた気泡と合わさって大きな気泡となると、インク室24内の加圧力が変化し、その結果、インク吐出孔28より吐出されるインク滴の吐出量が変化して印刷精度に悪影響を与えるといった課題があった。
【0007】
また、残留した微小気泡がインク供給穴31内に停滞し、他の微小気泡と合わさってより大きな気泡となって残ると、インク供給穴31内でのインクの流れが阻害され、インク滴の吐出不良を招き、著しい画像の濃度ムラや白ヌケ等が発生し、印刷精度を低下させるといった課題もあった。
【0008】
また、画質の高精度化に伴って小さな孔径を有するインク吐出孔28を備えたものが用いられるようになっているが、上記支持部材30のインク供給穴31は一般的にブラスト加工や研削加工等によって製作されるため、特に長穴32の傾斜底面33に開口する気孔や凹部には加工屑やゴミ等が入り込んでおり、これらの加工屑やゴミ等は洗浄処理を施しても十分に除去することができず、そのまま使用するとインク供給穴31にインクを供給した際に、傾斜底面33に開口する気孔や凹部に入り込んでいた加工屑やゴミ等がインク中に流出し、インク吐出孔28を目詰まりさせるといった恐れもあった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は上記課題に鑑み、複数のインク室を有し、各インク室内のインクを加圧するための加圧機構を備えた流路部材と、上記各流路と連通するインク吐出孔を備えたノズル板とからなるインクジェット記録ヘッドと、インクジェット記録ヘッドを支持し、かつ上記流路部材のインク室と連通するインク供給穴を有するセラミック製の支持部材とからなるインクジェット記録ヘッド構造体において、上記インク供給穴を、インクジェット記録ヘッド側に開口する、中央に向かって深くなる傾斜底面を備えた長穴と、これに連通する小径穴とから構成するとともに、上記インク供給穴の少なくとも傾斜底面の表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で0.4〜1.0μm、ボイド率を5〜30%としたことを特徴とする。
【0010】
また、上記長穴の傾斜底面は焼成したままの表面とするか、あるいは長穴の傾斜底面にアニール処理を施すことが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1は本発明のインクジェット記録ヘッド構造体の一例を示す図で、(a)はその斜視図、(b)は一部を破断した斜視図である。また、図2は本発明のインクジェット記録ヘッド構造体の一例を示す分解斜視図であり、図3は図1(a)のX−X線断面図、(b)は図1(a)のY−Y線断面図である。
【0013】
このインクジェット記録ヘッド構造体1は、複数のインク室4を有し、各インク室4内にインクを加圧するための発熱抵抗体5を備えた流路部材3と、上記各インク室4と連通するインク吐出孔8を備えたノズル板9とからなるインクジェット記録ヘッド2と、インクジェット記録ヘッド2を支持し、かつ上記流路部材3のインク室4と連通するインク供給穴11を有するセラミック製の支持部材10とからなる。
【0014】
インクジェット記録ヘッド2を形成する流路部材3は、例えばシリコン基板に複数本の段付き溝6を並設してなり、段付き溝6の段差部7に複数個の発熱抵抗体5を所定の間隔で並設したもので、各発熱抵抗体5と対向する位置にインク吐出孔8が位置するように流路部材3上にノズル板9を配置することによりインクジェット記録ヘッド2を構成してある。
【0015】
また、支持部材10は、セラミック板にインクジェット記録ヘッド2の各インク室4と連通する複数本のインク供給穴11を穿設したもので、各インク供給穴11は、インクジェット記録ヘッド側に開口する、中央に向かって深くなる傾斜底面13を有する長穴12と、インクジェット記録ヘッド2と反対側に開口し、上記長穴12と連通する小径穴14とからなる。
【0016】
支持部材10を形成するセラミックスとしては、特に限定するものではなく、アルミナ質焼結体、ジルコニア質焼結体、窒化珪素質焼結体、炭化珪素質焼結体、ムライト質焼結体、フォルステライト質焼結体、ステアタイト質焼結体、コージライト質焼結体等のセラミック焼結体、あるいは単結晶サファイアを用いることができ、これらの中でも安価に製造することが可能なアルミナ質焼結体により形成することが好ましい。
【0017】
そして、このインクジェット記録ヘッド構造体1を用いて記録紙に印刷するには、インク供給穴11よりインク室4にインクを供給した状態で、発熱抵抗体5を発熱させてインク室4内に気泡を発生させることによりインク室4内のインクを加圧し、インク吐出孔8よりインク滴を吐出させることにより記録紙に印刷するようになっており、本発明によれば、インク供給穴11のインクジェット記録ヘッド側を、中央に向かって深くなる傾斜底面13を有する長穴12としてあることから、インクジェット記録ヘッド2よりインク滴を吐出した際に発生する圧力波をインク供給穴11の長穴12で分散させることができるため、次のインク滴の吐出にあたり、圧力波の反射波がインク室4内に戻り、次のインク滴の吐出に悪影響を与えることを効果的に防止することができるため、インク滴の吐出間隔を短くすることができ、印刷時間を短縮することができる。
【0018】
また、発熱抵抗体5を発熱させることにより、インク室4内に発生させた気泡の一部が切れる気泡切れが発生し、切り離された微小気泡がインク室4やインク供給穴11に滞留するのであるが、長穴12の底面は中央に向かう傾斜面13としてあることから、インク供給穴11内に滞留する微小気泡を傾斜底面13に沿って移動させ、小径穴14よりインクタンク側へ効率良く逃がすことができる。その為、インク供給穴11内に気泡が滞留することを効果的に防止し、インク供給穴11内を流れるインクに悪影響を与えたり、新たなインク滴の吐出時に発生させる気泡に悪影響を与えることがないため、所定量のインク滴を安定して吐出させることができる。
【0019】
ところで、インク供給穴11の少なくとも傾斜底面13の表面粗さは算術平均粗さ(Ra)で0.4〜1.0μmとするとともに、ボイド率を5〜30%とすることが好ましい。
【0020】
即ち、傾斜底面13の表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で0.4μmより小さくなったり、ボイド率が5%より小さくなると、インクとの濡れ性が悪くなるため、インク供給穴11内でのインクの流れが停滞することにより、微小気泡もインク供給穴11内に停滞し易くなるからであり、逆に傾斜底面13の表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で1.0μmより大きくなったり、ボイド率が30%より大きくなると、インクとの濡れ性は良くなるものの、傾斜底面13に存在するボイドや凹部に微小気孔が引っかかり、インク供給穴11内に停滞し易くなるからである。
【0021】
このような支持部材10を製造する方法としては、焼結されたセラミック板にブラスト加工や研削加工を施すことによっても製作することができるが、好ましくはインク供給穴11を有するセラミック成形体を一軸加圧成形法によって一体的に成形したものを焼成することによって製作したものを用いることが好ましい。
【0022】
即ち、ブラスト加工や研削加工によって製造したものでは、加工屑等がインク供給穴11の表面に開口する凹部やボイドに入り込み、このような研削粉は洗浄作業を施しても完全には除去することができず、インクジェット記録ヘッド2の吐出時にインク内に浮遊し、これがインク室4に供給されるとインク吐出孔8の目詰まりを起こす原因となるからで、一軸加圧成形法によってインク供給穴11を一体的に成形するとともに、予めインク供給穴11を形成する金型の表面を滑らかに仕上げておくことにより、焼成直後のインク供給穴11の少なくとも傾斜底面13における表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で0.4〜1.0μmとすることができ、新たに研磨加工等を施す必要がなく、インク吐出孔8を目詰まりさせるような加工屑等の発生を効果的に防止することができる。その為、インク供給穴11の少なくとも傾斜底面13は焼成したままの表面とすることが好ましい。
【0023】
なお、焼成したままの表面とは、焼結後にはインク供給穴11の少なくとも傾斜底面13に研削加工や研磨加工等の加工を施していない表面のことであり、焼成したままの表面であるとは、走査電子顕微鏡で1万倍に拡大して観察した時に見られる傾斜表面13に露出する結晶粒子が丸みを帯びているものを言う。
【0024】
さらに、焼成後にアニール処理を施しても良く、例えば、焼結助材として添加するシリカやマグネシアなどのガラス成分を含むセラミック焼結体の場合、1100〜1800℃の温度にてアニール処理を施すことにより、結晶粒界のガラス成分が融解して表面の結晶粒子を保持し、結晶粒子の脱落を防止することができるため、インク吐出孔8を目詰まりさせる原因となるパーティクルの発生をより一層低減することができる。なお、アニール処理を施した表面であるとは、走査電子顕微鏡で1万倍に拡大して観察した時に見られる傾斜表面13に露出する結晶粒子が丸みを帯びているものを言い、また、非酸化物系セラミックスをアニール処理した場合、結晶粒子の表面に主成分の酸化物からなる凝集体又は主成分の酸化膜が形成されていることからも確認することがきる。
【0025】
また、インク供給穴11の少なくとも傾斜底面13におけるボイド率を5〜30%とするには、セラミック原料の種類や粒径あるいは成形圧や焼成温度等を適否調整することにより設定することができる。
【0026】
例えば、支持部材10をアルミナ純度が90%以上であるアルミナ質焼結体により製作する場合、インク供給穴11を形成する金型の表面粗さを算術表面粗さ(Ra)で0.05以下としたものを用い、60〜100MPaの成形圧力で一軸加圧成形した後、1500〜1800℃の温度で焼成することにより、インク供給穴11の焼成後の傾斜底面を算術平均粗さ(Ra)で0.4〜1.0μm、ボイド率を5〜30%に制御することができる。
【0027】
以上、本発明の実施形態について示したが、本発明は上述した実施形態だけに限定されるものではなく、例えば、インクジェット記録ヘッド2の加圧機構として発熱抵抗体5の発する熱エネルギーを利用したものを例にとって示したが、圧電素子の変形を利用したものや電磁波の照射に伴って発生する熱を利用したものでも良く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で改良したものや変更したものにも適用できることは言う迄もない。
【0028】
【実施例】
(実施例1)
ここで、図1乃至図3に示すインクジェット記録ヘッド構造体1に備える支持部材10のインク供給穴11の傾斜底面13における表面粗さ及びボイド率を異ならせた時の特性について調べる実験を行った。
【0029】
支持部材10は、一軸加圧成形法によってアルミナ純度が96%のアルミナ質焼結体により形成し、インク供給穴11の傾斜底面13における表面粗さは、金型の面粗さを異ならせることにより調整し、インク供給穴11の傾斜底面13におけるボイド率は、成形圧力を異ならせることにより調整した。
【0030】
そして、得られた各流路部材3のインク供給穴11の傾斜底面13におけるインクとの濡れ性を調べることにより微小気泡の停滞のし易さを評価した。
【0031】
インクとの濡れ性については、傾斜底面13にインクジェットプリンタ用の黒インクをスポイトにて滴下した時に、インクが水滴状に残る場合を濡れ性が悪いとし、表1に「×」として示し、滴下したインクが表面に馴染んで広がった場合を濡れ性が良いとし、表1に「○」として示した。
【0032】
また、表面粗さの測定は、先端の曲率半径が10μmである触針を有する接触式表面粗さ計にて算術平均粗さ(Ra)を測定し、ボイド率の測定は、傾斜底面13を鏡面加工し、ニレコ製LUZEX−FS画像解析装置を用いて、顕微鏡倍率200倍、測定ポイント10ヶ所、測定面積10.0×103μm2条件にて画像解析して測定した。
【0033】
結果は表1に示す通りである。
【0034】
【表1】
【0035】
この結果、試料No.3〜10のように、傾斜底面13の表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で0.4μm以上、ボイド率5%以上とすることによりインクとの濡れ性を高めることができ、気泡の停滞を大幅に低減できることが判る。
(実施例2)
次に、実施例1における粉末成形の成形圧力を120MPaとして成形した後、焼成し、次いでブラスト加工にて傾斜底面13の表面粗さとボイド率を制御し、その後、アニール温度を800℃〜1800℃の範囲に設定して再焼成した時のパーティクルの発生状況について調べる実験を行った。
【0036】
また、実施例1における粉末成形の成形圧力を85MPaとして成形した後、焼成したままの表面についても同様に調べた。
【0037】
なお、バーティクル数の測定は、流路部材10を150mlの純水中に浸し、出力50kHz、180Wにて1分間超音波洗浄した後、流路部材10を取り出し、洗浄水中に残った1μm以上のパーィクル数をパーティクルカウンタにて計測することにより測定した。
【0038】
結果は表2に示す通りである。
【0039】
【表2】
【0040】
この結果、流路部材10のインク供給穴11を焼成したままの表面又はアニール処理を施すことにより、パーティクル数を低減することができ、特にアニール処理温度を高くすることによりパーティクルの発生数を抑えられることが判る。これはアニール処理温度を高くすることにより、結晶粒界のガラス成分が融解して表面の結晶粒子を保持し、結晶粒子の脱落を防止することが高まったからであると思われる。また、試料No.22のように傾斜底面を焼成したままの面とすることによってもパーティクルの発生を効果的に防止できることが判った。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、複数のインク室を有し、各インク室内のインクを加圧するための加圧機構を備えた流路部材と、上記各流路と連通するインク吐出孔を備えたノズル板とからなるインクジェット記録ヘッドと、インクジェット記録ヘッドを支持し、かつ上記流路部材のインク室と連通するインク供給穴を有するセラミック製の支持部材とからなるインクジェット記録ヘッド構造体において、上記インク供給穴は、そのインクジェット記録ヘッド側に開口する、中央に向かって深くなる傾斜底面を有する長穴と、これに連通する小径穴とから構成するとともに、上記インク供給穴の少なくとも傾斜底面の表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で0.4〜1.0μm、ボイド率を5〜30%としたことによって、インク滴の吐出後に発生した圧力波をインク供給孔内で拡散させることができるとともに、インク滴の吐出時に発生させる気泡に気泡切れが発生し、微小気泡がインク供給孔内に入り込んだとしてもインク供給孔内に停滞することを防止し、小径孔よりインクタンク側へ逃がすことができるため、次のインク滴を吐出するのに発生させる気泡に悪影響を与えることがなく、所定量のインク滴を安定してインク吐出孔より吐出することができ、高画質の印刷を行うことができるとともに、インク滴の吐出間隔を短くすることができるため、印刷時間を短縮することができる。
【0042】
また、上記長穴の傾斜底面を焼成したままの表面とするか、あるいはアニール処理を施した表面とすることにより、インク供給穴に付着するパーティクルのインクへの浮遊量を低減することができるため、インク吐出孔の目詰まりを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッド構造体の一例を示す図で、(a)はその斜視図、(b)は一部を破断した斜視図である。
【図2】本発明のインクジェット記録ヘッド構造体の一例を示す分解斜視図である。
【図3】(a)は図1(a)のX−X線断面図、(b)は図1(a)のY−Y線断面図である。
【図4】従来のインクジェット記録ヘッド構造体を示す図で、(a)は正面から見た断面図であり、(b)は側面から見た断面図である。
【符号の説明】
1:インクジェット記録ヘッド構造体
2:インクジェット記録ヘッド
3:流路部材
4:インク室
5:発熱抵抗体
6:段付き溝
7:段差部
8:インク吐出孔
9:ノズル板
10:支持部材
11:インク供給穴
12:長穴
13:傾斜底面
14:小径孔
Claims (3)
- 複数のインク室を有し、各インク室内のインクを加圧するための加圧機構を備えた流路部材と、上記各インク室と連通するインク吐出孔を備えたノズル板とからなるインクジェット記録ヘッドと、該インクジェット記録ヘッドを支持し、かつ上記流路部材のインク室と連通するインク供給穴を有するセラミック製の支持部材とからなるインクジェット記録ヘッド構造体において、上記インク供給穴は、インクジェット記録ヘッド側に開口する、中央に向かって深くなる傾斜底面を備えた長穴と、該長穴と連通する小径穴とからなり、上記インク供給穴の少なくとも傾斜底面の表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で0.4〜1.0μmで、かつボイド率が5〜30%であることを特徴とするインクジェット記録ヘッド構造体。
- 上記傾斜底面が焼成したままの表面であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド構造体。
- 上記傾斜底面にはアニール処理が施してあることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド構造体。
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