JP3601226B2 - グラビア焼成インキ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電子機器に用いられる積層セラミックコンデンサ、積層バリスタ、積層圧電セラミック部品等のセラミック電子部品をグラビア印刷方法で製造する際に用いるグラビア焼成インキに関するものであり、特にグラビア印刷された後にセラミック生積層体内部に数百層埋め込まれた後に、800℃以上の高温で焼成されるグラビア焼成インキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、グリーンシートの上に電極パターンを印刷する際には、スクリーン印刷方法が広く用いられていた。しかしこの場合、版の伸びがあるため、特公平8−8200号公報ではセラミックグリーンシート上に直接グラビア印刷するセラミック電子部品の製造方法が提案されている。
【0003】
また特公平5−25381号公報では、グリーンシート上への電極の付与手段として、ベースフィルム上に形成されたグラビア印刷パターンを転写すること(グラビアコータを用いて電極を直接グリーンシート上に印刷すると、グリーンシートの膨潤やダメージが発生するという課題が発生するため)が提案されている。
【0004】
さらに米国特許5,101,319号公報や特開平2−58397号公報ではフィルム上に電極をグラビア印刷することが提案されているが、そこに用いることができ、800℃以上の高温で焼成できる有効なグラビアインキは提案されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のグラビアインキでは、紙やフィルムの上に画像を印刷するために用いられており、その主成分としては顔料が用いられており、セラミック電子部品用の電極材料には使えない。また従来のグラビアインキ製造方法で各種電極粉末を分散しても、金属粉の比重のため沈殿が著しく、実用に耐えるものではなかった。そのためセラミック電子部品の電極材料の印刷には、スクリーン印刷方法が広く用いられていた。
【0006】
本発明は、800℃以上の高温で焼成できる、スクリーン焼成インキに代わる新しいグラビア焼成インキを提案するものであり、グリーンシートに直接グラビア印刷してもグリーンシートを膨潤させることがなく、また直接ベースフィルム上にグラビア印刷できるため、このグラビア印刷された電極パターンを他のセラミック積層体上に転写したり、前記グラビア印刷された電極パターン上にセラミックスラリーを塗布し、セラミック生シートの内部に埋め込むことも可能とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、800℃以上で焼成可能なグラビア電極インキを提案するもので、10ポイズ以下でかつ20μm以上の金属凝集体が無く分散され、グラビア印刷後にセラミック生積層体内部に組み込まれ、800℃以上の高温で焼成でき、このグラビア電極インキを用いることで、できあがったセラミック電子部品の信頼性を改善し、コストダウンが図れる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、樹脂4重量部に対して40重量部以外90重量部以下の金属粉末と30重量部以上70重量部以下の溶剤が分散されたグラビアインキにおいて、粘度は10ポイズ以下でかつ20μm以上の金属凝集体が無く、グラビア印刷後にセラミック生積層体内部に組み込まれ、800℃以上の高温で焼成されるグラビア焼成インキとしたものであり、低粘度にすることでグラビア印刷適性を改善し、20μm以上の金属凝集体を無くすことで印刷パターンの高精度化、長時間の印刷安定性、積層セラミック電子部品の信頼性を向上させるという作用を有する。
【0009】
請求項2に記載の発明は、樹脂4重量部に対して40重量部以上90重量部以下の金属粉末と30重量部以上70重量部以下の溶剤が分散されたグラビアインキにおいて、樹脂はセルロース樹脂、少なくとも5重量部以上の石油系溶剤及びアルコール系溶剤を含み、粘度は10ポイズ以下でかつ20μm以上の金属凝集体が無く、グラビア印刷後にセラミック生積層体内部に組み込まれ、800℃以上の高温で焼成されるグラビア焼成インキであり、セラミック生シートの上に直接グラビア印刷した場合のセラミック生シートの膨潤や再溶解を防止するという作用により積層セラミック電子部品の歩留まりを高められる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、樹脂4重量部に対して40重量部以上90重量部以下の金属粉末と30重量部以上70重量部以下の溶剤が分散されたグラビアインキにおいて、樹脂は水溶性樹脂、溶剤は水を少なくとも5重量部以上含み、粘度は10ポイズ以下でかつ20μm以上の金属凝集体が無く、グラビア印刷後にセラミック生積層体内部に組み込まれ、800℃以上の高温で焼成されるグラビア焼成インキであり、その有機溶剤使用量を少なくすることでグラビア印刷時の作業環境を改善し、有害物質の使用量を削減するという作用を有する。
【0011】
請求項4に記載の発明は、樹脂4重量部に対して40重量部以上90重量部以下の金属粉末と30重量部以上70重量部以下の溶剤が分散されたグラビアインキにおいて、添加剤としてカルボン酸を0.1重量部以上含み、粘度は10ポイズ以下でかつ20μm以上の金属凝集体が無く分散され、セラミック生積層体内部に組み込んだ後、800℃以上の高温で焼成されるグラビア焼成インキとしたものであり、グラビア焼成インキが保存中に沈殿したり再凝集することを防止する。このため安定して積層セラミック電子部品を製造できる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、樹脂4重量部に対して40重量部以上90重量部以下の金属粉末と30重量部以上70重量部以下の溶剤と可塑剤8重量部以下が分散されたグラビアインキにおいて、可塑剤はフタル酸エステルもしくは多価アルコール系であり、粘度は10ポイズ以下でかつ20μm以上の金属凝集体が無く、グラビア印刷後にセラミック生積層体内部に組み込まれ、800℃以上の高温で焼成されるグラビア焼成インキであり、こうした可塑剤を添加することで、グラビア印刷された塗膜の保存性や安定性を増加させられ、これを用いて製造したセラミック電子部品の信頼性を高められる。
【0013】
以下に、本発明の具体例を説明する。
【0014】
(実施の形態1)
グラビアインキとしてはブチラール樹脂4重量部に対して粒径2μm以下のニッケル粉末50重量部、エタノールとトルエンよりなる混合溶剤40重量部を加え、市販のビーズミルを用いて10ポイズ以下の粘度に分散させグラビアインキを作製した。またニッケル粒子の凝集体が無いように、分散条件を最適化した。この結果、できあがったグラビア焼成インキの粒度分布を測定したが、10μm以上の凝集体は観察されなかった(以下発明インキ1と呼ぶ)。こうして作製したグラビアインキを用いて、焼成インキとしての特性を有するか調べた。
【0015】
ここで焼成インキとは、乾燥インキ塗膜が複数層、セラミック生積層体中に埋め込まれ、800℃以上の高温で焼成して作製したセラミック電子部品において、所定の信頼性を満足できるものである。一般のグラビアインキやグラビア電極インキでは、高温で焼成した場合、金属粉末の酸化により導電性が無くなってしまうことが課題であった。
【0016】
セラミックグリーンシートとしては、セラミック粉末及びバインダーよりなるセラミック誘電体層をベースフィルム上に25μmの厚みに塗布したものを用いた。そしてこのセラミックグリーンシート上に前記グラビアインキを、市販のグラビア印刷機を用いて印刷した後、前記セラミックグリーンシート上にグラビア印刷された内部電極パターンが交互に所定寸法だけずれるようにセットし、100層を積層機により自動積層し、所定形状に切断、焼成、外部電極を形成して積層セラミックコンデンサを作製し、その歩留まり及び信頼性を測定したところ、非常に高い歩留まり及び高信頼性を得ることができた。
【0017】
また比較のため、市販のビーズミルを用い、20ポイズのグラビアインキ(従来インキ1)を作製し、同様に積層セラミックコンデンサの試作を試みた。まず従来インキ1を2リットル用いて、連続的にセラミックグリーンシート上に連続的にグラビア印刷したところ、ベースフィルムからセラミック誘電体層が剥離する問題が発生した。この不良原因は従来インキ1の高速印刷時のタック(粘着力)が、ベースフィルムとセラミック誘電体層との接着力より高くなったため、発生した現象であった。一方、粘度を10ポイズ以下に落とした、発明インキ1ではこうした問題は発生しなかった。
【0018】
次に比較のため、20μm程度の凝集体を含むグラビアインキ(従来インキ2)を作製し、同様に積層セラミックコンデンサを作製した。従来インキ2は、粘度を10ポイズ以下に設定した。このインキを2リットル用いて、連続的にセラミックグリーンシート上に連続的にグラビア印刷したが、ベースフィルムからセラミック誘電体層が剥離する等の問題は発生しなかった。
【0019】
そこで所定枚数グラビア印刷した後、前記セラミックグリーンシート上にグラビア印刷された内部電極パターンが交互に所定寸法だけずれるようにセットし、100層を積層機により自動積層し、所定形状に切断、焼成、外部電極を形成して積層セラミックコンデンサを作製し、その歩留まり及び信頼性を測定したところ、発明インキ1に比べ、非常に悪い結果しか得られなかった。
【0020】
そこで各積層セラミックコンデンサの断面をSEM(走査型電子顕微鏡)観察したところ、発明インキ1には観察されなかった電極層の厚みバラツキ(ニッケル粒子の凝集体)が、従来インキ2では多数発見された。このためこのニッケル凝集体が、製品の歩留まり及び信頼性を劣化させた原因と考えられた。
【0021】
(実施の形態2)
グラビアインキとしてはブチラール樹脂4重量部に対して粒径2μm以下のニッケル粉末50重量部、石油系溶剤とトルエンよりなる混合溶剤40重量部を加え、市販のビーズミルを用いて10ポイズ以下の粘度に分散させグラビアインキを作製した。またニッケル粒子の凝集体が無いように、分散条件を最適化した。この結果、できあがったグラビア焼成インキの粒度分布を測定したが、10μm以上の凝集体は観察されなかった(以下発明インキ2と呼ぶ)。
【0022】
セラミックグリーンシートとしては、セラミック粉末及びバインダーよりなるセラミック誘電体層をベースフィルム上に5μmの厚みに塗布したものを用いた。そしてこのセラミックグリーンシート(薄層グリーンシートと呼ぶ)上に前記グラビアインキを、市販のグラビア印刷機を用いて印刷した後、前記セラミックグリーンシート上にグラビア印刷された内部電極パターンが交互に所定寸法だけずれるようにセットし、100層を積層機により自動積層し、所定形状に切断、焼成、外部電極を形成して積層セラミックコンデンサを作製し、この歩留まり及び信頼性を測定したところ、高い歩留まり及び高信頼性を得ることができた。
【0023】
なお、ここで用いたセラミック生シートの場合、石油系溶剤はこのセラミック生シートを膨潤・再溶解させることは無かった。このように、被印刷体となるセラミック生シートを膨潤・再溶解させない溶剤を混合溶剤に加えることができる。
【0024】
また比較のために、発明インキ1を40重量部を加え、前記薄層グリーンシート上に印刷し、同様に積層セラミックコンデンサを製造したが、その歩留まり及び信頼性は低かった。この原因は、発明インキ1中の溶剤成分が薄層グリーンシートを溶解し、層間ショート等の不良率を増加させたためであった。
【0025】
(実施の形態3)
グラビアインキとしてはポバール樹脂4重量部に対して粒径2μm以下のPd粉末50重量部、水及びアルコール系溶剤よりなる混合溶剤40重量部を加え、市販のビーズミルを用いて10ポイズ以下の粘度に分散させグラビアインキを作製した。またPd粒子の凝集体が無いように、分散条件を最適化した。この結果、できあがったグラビア焼成インキの粒度分布を測定したが、10μm以上の凝集体は観察されなかった(以下発明インキ3と呼ぶ)。
【0026】
このように水溶性樹脂と、水を5重量部以上含ませることで、水系のグラビア焼成インキを作製することができた。こうして作製したグラビアインキは、臭気を低減し、有機溶剤の使用量を低減できたため、消防法の面からも望ましいものであった。また各種グリーンシートに対しても十分な印刷適性が得られた。
【0027】
セラミックグリーンシートとしては、セラミック粉末及びバインダーよりなるセラミック誘電体層をベースフィルム上に5μmの厚みに塗布したものを用いた。そしてこのセラミックグリーンシート(薄層グリーンシートと呼ぶ)上に前記グラビアインキを、市販のグラビア印刷機を用いて印刷した後、前記セラミックグリーンシート上にグラビア印刷された内部電極パターンが交互に所定寸法だけずれるようにセットし、100層を積層機により自動積層し、所定形状に切断、焼成、外部電極を形成して積層セラミックコンデンサを作製し、その歩留まり及び信頼性を測定したところ、高い歩留まり及び高信頼性を得ることができた。
【0028】
また比較のために、発明インキ1を40重量部加え、前記薄層グリーンシート上に印刷し、同様に積層セラミックコンデンサを製造したが、その歩留まり及び信頼性は低かった。この原因は、発明インキ1中の溶剤成分が薄層グリーンシートを溶解し、層間ショート等の不良率を増加させたためであった。
【0029】
(実施の形態4)
グラビアインキとしてはセルロース樹脂4重量部に対して粒径2μm以下の凝集性の比較的強いニッケル粉末50重量部(大量生産されている安価なものを使用)、水及びアルコール系溶剤よりなる混合溶剤40重量部を加え、市販のビーズミルを用いて10ポイズ以下の粘度に分散させグラビアインキを作製した。またニッケル粒子の凝集体が無いように、分散条件を最適化した。この結果、できあがったグラビア焼成インキの粒度分布を測定したが、10μm以上の凝集体は観察されなかったが、試作したインキロットの中には24時間静置後に、前記凝集性ニッケル粉末が沈殿、凝集するものもあった。
【0030】
そこで、各種添加剤を検討したが、セラミック生シートに対する積層性を劣化させたり、焼成の残さが積層セラミックコンデンサの信頼性を劣化させた。そこでその外の材料も検討した結果、カルボン酸を0.1重量部以上含ませることで、凝集・沈殿させやすい金属粉に対しても、グラビア焼成インキとしてのポットライフを3ヶ月以上にすることができた。なおカルボン酸としては、用いる金属粉末によっても異なるが、脂肪酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸等の熱分解性の優れたものが望ましい。
【0031】
(実施の形態5)
グラビアインキとしてはセルロース樹脂4重量部に対して粒径0.3μm以下の凝集性の非常に高いニッケル粉末50重量部、混合溶剤40重量部を加え、市販のビーズミルを用いて10ポイズ以下の粘度に分散させグラビアインキを作製した。しかし市販のビーズミルを用いると、前記ニッケル粒子が鱗片(フレーク)状に変形し、このグラビアインキを用いて作製した積層セラミックコンデンサの信頼性が低くなった。そのためフレークを発生させないようロールやニーダを用いて高粘度でニッケル粉末を分散し、その後、溶剤及び樹脂を添加して、再度10ポイズ以下の粘度に希釈した。この状態で第2の分散を行い、更に所定の孔径(もしくは粒子保持能)のろ過材を通すことで、凝集体を除去した。
【0032】
なお、ろ過材の孔径としては、使用するグリーンシートの厚みの2倍以下、もしくは使用する金属粉末の20倍以下であることが望ましい。また、ろ過材を適当に選び、加圧することで、ろ過材の詰まり(ケーキの発生)を防止しながら、その生産性を増加させられる。なお第2の分散に、メディアを用いる場合、メディアの直径は2mm以下のものが望ましい。メディアに5mm以上の大きなものを用いた場合、特に0.5μm以下の金属粉末の場合、金属粉末同士が潰れて凝集体を作る場合がある。
【0033】
(実施の形態6)
被印刷体であるセラミック生シートやベースフィルムに対する、グラビア焼成インキの塗膜安定性を改善するためには、グラビアインキの乾燥塗膜の内部応力を緩和する必要がある。特に金属粉末の粒径が小さくなった場合、グラビアインキとして印刷された後、その塗膜が次第に自体が固くなり、セラミック生シートやベースフィルムから剥離したり、塗膜自体に割れが発生しやすくなる。
【0034】
一般的にセラミック生シートに含まれる可塑剤が、前記グラビア印刷された塗膜の柔軟性を高める働きを行うが、ロットによっては剥離や割れ等の不良が発生した。この場合、グラビア焼成インキに可塑剤としてフタル酸エステルもしくは多価アルコールを添加することで、前記不良を低減できる。なお可塑剤の添加量は、樹脂量の200%以下で、少ないほど望ましい。
【0035】
なおグラビア焼成インキに用いる金属粉末としては、銅、ニッケル、パラジウム、銀のいずれか単体もしくは混合物もしくは合金等のセラミック電子部品の電極材料を用いることができる。また積層セラミックコンデンサの内部電極へ、本グラビア焼成インキを用いる場合、電極塗膜の厚みは2μm以下が望まれ、この場合の金属粉末の粒径は1μm以下、特に0.5μm以下が望ましい。それ以外の積層セラミック電子部品の場合、一般的に4〜10μm程度の大きな金属粉末を用いることができるが、このような粒子はグラビア印刷には適さず、粒径としては2μm以下のものが本発明のグラビア焼成インキ用電極粉末として望ましい。
【0036】
なおグラビア焼成インキを用いて作製したセラミック生積層体の焼成温度は、セラミック材料の焼結温度に左右されるが、800℃〜1400℃の間が望ましい。
【0037】
またグラビア焼成インキ中の凝集体は、主に金属粉末から構成されており、これが積層や焼成の際に、できあがったセラミック電子部品の信頼性や歩留まりを落としてしまう。一般のセラミック電子部品用のグラビア焼成インキ中の凝集体は、20μm以上を除去すればよい。積層セラミックコンデンサの内部電極に、本発明のグラビア焼成インキを用いる場合は、10μm以上(セラミック生シートの厚みより小さい)の凝集体を無くすことが望ましい。
【0038】
そのための手段としては、各種混練・分散機器を用いたインキ化、ろ紙やメンブランフィルターを用いた高精度ろ過等を組み合わせることができる。なお、凝集体の有無に関しては、市販の粒度分布計、JISに規格されているグランドメータ、塗膜のSEM観察、ろ過時の流量変化(ろ過材の詰まり)等により、容易に判断できる。特に本発明では、10ポイズ以下のインキであるため、ろ過する場合、圧力損失が少なく、従来のスクリーンインキでは不可能であったような10μm以下の高精度ろ過が容易になる。
【0039】
また本グラビア焼成インキは、セラミック生シート上に直接印刷してもよいし、ベースフィルム上に直接印刷した後に他のセラミック生シートやセラミック生積層体表面に熱転写してもよい。またグラビア焼成インキの粘度範囲は、10ポイズ以下0.1ポイズ以上が望ましいが、これは被印刷体や塗布厚みにより最適値は異なる。しかし、10ポイズより高い粘度のインキに関しては、グラビア版の表面に形成されたセルからインキが転写されないため、本発明のグラビア焼成インキとしては適さない。
【0040】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、異なる材料からなるセラミック生シートや、ベースフィルムに対しても、焼成後に高信頼性を持たせられるグラビア焼成インキを得られるという有利な効果が得られる。
Claims (5)
- 樹脂4重量部に対して40重量部以外90重量部以下の金属粉末と30重量部以上70重量部以下の溶剤が分散されたグラビアインキにおいて、粘度は10ポイズ以下でかつ20μm以上の金属凝集体が無く、グラビア印刷後にセラミック生積層体内部に組み込まれ、800℃以上の高温で焼成されるグラビア焼成インキ。
- 樹脂4重量部に対して40重量部以上90重量部以下の金属粉末と30重量部以上70重量部以下の溶剤が分散されたグラビアインキにおいて、樹脂はセルロース樹脂、少なくとも5重量部以上の石油系溶剤及びアルコール系溶剤を含み、粘度は10ポイズ以下でかつ20μm以上の金属凝集体が無く、グラビア印刷後にセラミック生積層体内部に組み込まれ、800℃以上の高温で焼成されるグラビア焼成インキ。
- 樹脂4重量部に対して40重量部以上90重量部以下の金属粉末と30重量部以上70重量部以下の溶剤が分散されたグラビアインキにおいて、樹脂は水溶性樹脂、溶剤は水を少なくとも5重量部以上含み、粘度は10ポイズ以下でかつ20μm以上の金属凝集体が無く、グラビア印刷後にセラミック生積層体内部に組み込まれ、800℃以上の高温で焼成されるグラビア焼成インキ。
- 樹脂4重量部に対して40重量部以上90重量部以下の金属粉末と30重量部以上70重量部以下の溶剤が分散されたグラビアインキにおいて、添加剤としてカルボン酸を0.1重量部以上含み、粘度は10ポイズ以下でかつ20μm以上の金属凝集体が無く分散され、セラミック生積層体内部に組み込んだ後、800℃以上の高温で焼成されるグラビア焼成インキ。
- 樹脂4重量部に対して40重量部以上90重量部以下の金属粉末と30重量部以上70重量部以下の溶剤と可塑剤8重量部以下が分散されたグラビアインキにおいて、可塑剤はフタル酸エステルもしくは多価アルコール系であり、粘度は10ポイズ以下でかつ20μm以上の金属凝集体が無く、グラビア印刷後にセラミック生積層体内部に組み込まれ、800℃以上の高温で焼成されるグラビア焼成インキ。
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