JP3597323B2 - 静電潜像現像用トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真法、静電記録法等により形成されたトナー像を加熱加圧定着法により転写材に良好に定着しうる静電潜像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法は、一般には光導電性物質を利用し種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙などにトナー像を転写した後、加熱あるいは溶剤蒸気などにより定着し、コピーを得るものである。
【0003】
電気的潜像をトナーを用いて可視化する方法としては磁気ブラシ法、カスケード現像法、粉末雲法などが知られているが、いずれの現像法においてもトナー像の定着が重要な工程であることはいうまでもない。特に熱ローラ定着による場合には、定着時にトナー像と熱ローラが加熱溶融状態で接触するため、トナー像の一部が熱ローラ表面に付着して転移する、いわゆるオフセット現象が発生する。
【0004】
従来、このオフセットを防止するために、定着ローラ表面をトナーに対して離型性の優れた材料(シリコンゴムやフッ素系樹脂など)で形成し、さらにその表面にオフセット防止およびローラ表面の疲労を防止するためにシリコンオイル、フッ素オイルなどの離型性の高い液体の薄膜で、ローラ表面を被覆することが行われている。
【0005】
しかし、この方法はオフセットを防止する点ではきわめて有効であるが、オフセット防止用液体を供給する装置が必要なため、定着装置が複雑になるなどの問題点がある。このオイル塗布は、定着ローラを構成している層間の剥離を引き起こし、結果的に定着ローラの短寿命化を促進する。
【0006】
そこで、オイル供給装置を用いる代わりにトナー粒子中から加熱加圧定着時にオフセット防止溶液を供給しようとする考えから、トナー粒子中に低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンのような離型剤を添加する方法が提案されている。この方法により十分な効果を出すためには離型剤を多量に添加する必要があるが、それにより感光体へのフィルミングだけでなくキャリアや現像スリーブの表面を汚染しやすく、画像が劣化しやすい。
【0007】
そのため、離型剤をトナー粒子中に添加するだけでなく、バインダー樹脂の改良が必要である。オフセットを起こさないためにはトナーに使うバインダー樹脂は、できるだけ強靭であり、かつ十分な溶融流動性が要求される。だが、溶融流動性を持たせるためには相当高温までトナーを加熱しなければならず、このことは省力という要請を満たさないことになる。従って、省力であるためには、低温で定着することが要求され、ガラス転移点および分子量の低い樹脂を使用することが好ましい。
【0008】
しかし、分子量の低い樹脂は当然強靭性がなくオフセットを生じやすい。そのためオフセット防止のためのトナーの強靭化は、溶融粘度の高い架橋樹脂や非線状樹脂といった、通常約10万以上の平均分子量の高分子樹脂、特にビニル樹脂を用いる場合が多い。高分子量ビニル樹脂を用いたトナーを低温で定着させるには、樹脂のガラス転移点をブロッキングを起こさない限りできるだけ低く下げるか、あるいは可塑剤の添加によって定着温度を下げるなどの方法がある。
【0009】
しかしながら、これらの方法は定着温度を下げるだけでなく、ホットオフセット発生温度をも下げてしまう。一方、ポリエステル樹脂は、ビニル系樹脂と異なりガラス転移点が低く、しかも低分子量の樹脂を容易に得ることができる。このことは低温定着トナーが容易に得られることを意味する。しかし、ポリエステル樹脂は低分子量であるためオフセットが激しく、熱ローラ定着用トナーにはそのままでは使用することができない。
【0010】
これまでに、黒トナーとしてはポリエステル樹脂とビニル系樹脂との混合や分子量分布を規定するなどして、低温定着性と耐オフセット性を両立させようとする例が数多くある。例えば特開昭54−114245号公報、特開昭58−187946号公報にはポリエステル樹脂とビニル系樹脂の混合が記載されている。この方法では、ビニル系樹脂の高温までオフセットが起こらない性質とポリエステル樹脂の低温においても定着可能であるという両者の長所を生かそうとしているが、樹脂同士の相溶性が悪く、分散不良による着色力低下の原因となる。
【0011】
また分子量分布を規定した例としては、特開平1−284863号公報のようにMw/Mnの値を規定したもの、特開平3−294866号公報、特開昭58−223155号公報のように2つの極大値を持つもの、特開昭58−82258号公報、特開昭62−91960号公報、特開平1−221758号公報のように3つの極大値を持つものなどがある。これらは各極大値の分子量、高さ、割合などで低温定着性と耐オフセット性を両立させようとしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述のトナーは、定着温度が低く耐オフセット性を向上させることができるため、モノクロ画像を得るためには十分である。しかし、フルカラー画像のような重ね合わせにより画像を形成する場合、特にOHP画像を得る場合は良好な透明性が必要である。透明性を出すためには、トナーのバインダー樹脂の溶融粘度を十分低くして、フラットな定着画像面を形成する必要がある。そのためいずれも架橋成分を含んだこれらの例は、透明性が必要なフルカラートナーとしては不十分である。
【0013】
本発明の目的は、熱ロール定着においてオイルを塗布することなく、低温定着性および耐オフセット性に優れたトナーを提供することである。さらに透明性に優れたフルカラーOHP画像を得るためのトナーを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、第一に、バインダー樹脂、着色剤及びワックスを含有してなる静電潜像現像用トナーにおいて、バインダー樹脂が少なくともポリエステル樹脂とビニル系樹脂を含み、該ビニル系樹脂の割合は該バインダー樹脂中の10〜30重量%であり、かつTHF不溶成分を含まず、またGPCによる重量平均分子量(Mw)が50,000〜200,000の範囲で、かつ分子量分布に少なくとも3つのピークを有し、メインピークが1,000〜10,000(ただし1000を除く)の範囲にあって、サブピークが分子量分布の500〜1000の範囲と105〜107の範囲の各々に少なくとも一つずつ存在することを特徴とする静電潜像現像用トナーが提供される。
【0019】
に、上記第一に記載した静電潜像現像用トナーにおいて、バインダー樹脂として分子量10以上の成分を15重量%以下含むことを特徴とする静電潜像現像用トナーが提供される。
【0020】
に、上記第一又は第二に記載した静電潜像現像用トナーにおいて、バインダー樹脂として、ジシクロペンタジエン樹脂を含むことを特徴とする静電潜像現像用トナーが提供される。
【0021】
に、上記第一に記載した静電潜像現像用トナーにおいて、ビニル系樹脂がスチレンアクリル酸メチル共重合体であることを特徴とする静電潜像現像用トナーが提供される。
【0022】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のトナーのバインダー樹脂は、少なくともポリエステル樹脂とビニル系樹脂とを含む。従来のトナーであれば、バインダー樹脂は架橋成分(ここではTHF不溶成分のことをいう)が少量含有する状態でトナー中に存在することがほとんどであるが、本トナーにおいてはTHF不溶成分がない状態であることが好ましい。架橋成分を含んだ場合、カラートナーでOHP画像を得ようとすると、架橋成分以外の成分によって低温で定着はされたとしても、定着トナー層の内部は、溶融粘度の高い架橋成分と溶融粘度の低いその他の成分とで界面のようなものができ、定着面も滑らかでなく、透明性は低い。透明性を上げるためには、より高い温度とより高い圧力により、架橋成分の溶融粘度を低くし表面を滑らかにする必要がある。そのため省エネルギー化に反する。
【0023】
THF不溶成分を含まないことで、ポリエステル樹脂とビニル系樹脂とを混合するだけでは、低温定着性と耐オフセット性を両立させることが難しくなる。本発明のトナーはGPCによるMwが50,000〜200,000であり、かつ分子量1000〜10,000の範囲にメインピーク(分子量分布のピーク中で最も高さが高いピーク)が存在し、その低分子量側の外側と高分子量側の外側とにサブピーク(メインピーク以外のピーク)が存在する。Mwが50,000〜200,000だけでは低温定着性が達成されない場合が多いが、メインピークの位置を分子量1,000〜10,000という比較的低分子量な範囲にすることにより、低温定着性が達成されやすい。そして、分子量105〜107の範囲にあるサブピークによって、耐オフッセト性が達成されやすい。モノクロ画像を得る場合は、これだけで十分であるが、さらに、分子量500〜1000(ただし1000を除く)の範囲にあるサブピークによって、フルカラーOHP画像を得るために必要なトナー定着層の透明性を出すことが容易になる。
【0024】
分子量500〜1,000(ただし、1,000を除く)の範囲に存在するサブピークによって、その成分は他の成分よりも低温で粘度が低くなり、トナー層と定着ローラの間にしみ出しワックスと同様の効果が期待できる。通常、ワックスにはトナー層と定着ローラ層の間で離型剤としての効果を期待するが、本発明のトナーにおいては別の効果も持っている。すなわちバインダー樹脂がポリエステル樹脂とビニル系樹脂との混合品である場合は、ワックス量が多いほど溶融粘度が低くなり、表面の平滑性も上がるという事実がある。表面の平滑性が上がることは光の乱反射を少なくし、結果的に光の透過性を上げることになる。従ってワックスに透明性を上げる効果も期待できるが、これと同様に分子量500〜1,000(ただし、1,000を除く)の範囲に存在するサブピークによって、より透明性の高い画像が得られるトナーとなる。
【0025】
各ピークの高さは特に定めないか、サブピーク成分量はメインピーク成分量を極端に超えないことが好ましい。例えば、低分子量側成分と高分子量側成分がバインダー樹脂の大部分を占めた場合、溶融粘度差の大きい2種類の樹脂を混練する場合に近い状態となり、分散が不均一になる可能性がある。本発明のトナーの分子量分布を構成するためには、各ピークで別々の樹脂を混合してメインピークと2つのサブピークを構成してもよいし、2つのピークを持つ樹脂と1つのピークを持つ別の樹脂を混合してもよいし、2つ以上のピークを持つ別々の樹脂を2つまたは3つ以上混合してもよい。また、分子量分布に現れるピークはメインピークとサブピーク2つだけとは限らず、いくつのピークがあってもよい。
【0026】
Mwは50,000〜200,000の範囲になるように調整する。50,000より低いとオフセットが低い温度で発生しやすく、200,000より高いと低温で定着しにくくなる。それだけでなく、200,000より高いと粉砕性が悪くなり、小粒径のものを得ようとした場合、収率が低下する。
【0027】
た、メインピークが分子量1,000より低い範囲にあると分子量が低くなり過ぎ、分子量10,000以上の範囲にあると分子量が高くなり過ぎ、低温定着性と耐オフセット性のバランスがとれない場合もあるため、メインピークの位置は分子量1,000〜10,000の範囲にあることが好ましい。
【0028】
これらMwや分子量分布はGPCにより以下のように測定される。
40℃のヒートチャンバー内でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.あるいは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×1
、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0029】
ところで、分子量分布の測定において、現在のカラムで10以上の検出は難しい。しかし、THF可溶成分の中にGPCの分子量測定検出限界10以上の成分の存在(以後ミクロゲルとする)が見いだされ、その成分が定着性に影響を与えている。本発明のトナーにミクロゲル成分を持つ樹脂が存在することにより定着温度幅をより広くすることができる。このミクロゲル成分は15重量%以下であることが好ましい。これより多いと定温定着性、粉砕性が悪化する。このミクロゲル分の測定方法としては、トナーの分別方法を利用すると求めることができる。つまりTHFにトナー不溶解な溶剤を加えていき、分子量分布を見ながらTHFとその溶剤の比率を決定してやればよい。今回はTHFとイソドデカンの混合溶剤を使用し、25℃において分別を行った。THF/イソドデカンの比率は2±0.5/3±1.5で適切となり、この比率でトナーを溶解した液がGPCの分子量測定範囲域である。
【0030】
また、THF不溶分の測定、分別およびミクロゲル分を測定する場合は以下のようにする。トナー約1.0gを秤量し、これにTHF約50gを加えて20℃で24時間静置する。これをまず遠心分離で分けJIS規格(P3801)5種Cの定量濾紙を用いて常温で濾過する。続いて濾紙残渣が不溶分であり、用いたトナーと濾紙残渣の比(重量%)で表わす。この残渣の中には顔料などの固形物が存在するので、熱分析により別途求める。分別用の溶剤の場合はTHFをこの溶剤に変更すればよい。THF溶解成分の量からTHF/イソドデカン可溶分およびTHF不溶解分を計算することによりミクロゲル分が算出できる。
【0031】
このようなミクロゲル成分を得る方法としては、架橋成分を持つ樹脂を機械的エネルギーにより切断する方法がある。これはトナー製造の際の混練工程で行われる。そのため、バインダー樹脂に、混練前はTHF不溶成分がある樹脂を少なくとも1つ含むことが好ましい。架橋成分を切断することにより、ミクロゲル成分が得られるだけでなく、分子量10〜10の範囲にピークを生じさせることもできる。混練前のTHF不溶成分が多すぎると、THF不溶成分をなくすまでの混練時間がほかの樹脂にとっては過剰な混練になる場合もあるため、混練前のTHF不溶成分は40重量%以下であることが好ましい。
【0032】
THF不溶成分を含まない樹脂であっても、10以上の成分を含ませる方法として、混練前はGPCによる分子量分布の10〜10の範囲にピークが存在しないが、混練後はその範囲にピークを生じる樹脂を使用する。このような樹脂の混練前の分子量分布は、THF不溶成分を含む樹脂の場合も同じであるが、分子量10〜10まで分布が裾を引く程度である。THF不溶成分がないが、混練後、分子量10〜10の範囲にピークを生じるという結果から、ミクロゲルが切断されていると考えられる。このため、ミクロゲル成分がある樹脂を混練して、トナー中の分子量10以上の成分を15重量%以下含ませることもできる。このような樹脂を使用することにより、THF不溶成分を含む樹脂の場合のような過剰な混練をする心配がない。
【0033】
本発明のトナーはバインダー樹脂にジシクロペンタジエン樹脂を混合することもできる。この樹脂はMwが1,000以下であるため、容易に分子量500〜1,000の範囲にサブピークを得ることができる。またこの樹脂の粉砕性がよいため、トナーの粉砕性が上がる。
本発明のトナーはバインダー樹脂のビニル系樹脂を、スチレンとアクリル酸メチルの共重合体とすることにより、耐塩ビマット性も向上する。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
本発明で使用するビニル系樹脂は、その成分として、スチレンが50〜100重量%、好ましくは60〜90重量%重合されたビニル系共重合体を使用するのが好ましい。スチレン共重合量が50重量%未満であると、トナーの熱溶融性が劣り、その結果、定着性が不充分となる傾向がある。
【0035】
ビニル系樹脂の成分となるスチレン以外のビニル系単量体としては、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−クロロスチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸へキシル、メタクリル酸へプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸プロポキシエチル、メタクリル酸ブトキシエチル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸エトキシジエチレングリコール、メタクリル酸ブトキシトリエチレンクリコール.メククリル酸メトキシジプロビレングリコール、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸フェノキシジエチレングリコール、メタクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸ジシクロペンテニル、メタクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、メタクリル酸N−ビニル−2−ピロリドン、メタクリロニトリル、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メタクリ酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル、ジアセトンアクリルアミド、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸へキシル、アクリル酸へプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸プロポキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸エトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシエチレングリコール、アクリル酸ブトキシエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸フェノキシジエチレングリコール、アクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸ジシクロペンテニル、アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、アクリル酸N−ビニル−2−ピロリドン、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル、アクリル酸グリシジル、アクリロニトリル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ビニルピリジン等の1分子中に1個のビニル基を有するビニルモノマーを主成分として用いるが、加えてジビニルベンゼン、グリコールとメタクリル酸あるいはアクリル酸との反応生成物、例えばエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリットトリメタクリレート、ペンタエリトリットテトラメタクリレート、トリスメタクリロキシエチルホスフェート、ビス(メタクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリス(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ベンタエリトリットトリアクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート、トリスアクリロキシエチルホスフェート、ビス(メタクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリス(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、メタクリル酸グリシジルとメタクリル酸あるいはアクリル酸の半エステル化物、ビスフェノール型エポキシ等、油脂とメタクリル酸あるいはアクリル酸の半エステル化物、アクリル酸グリシジルとメタクリル酸あるいはアクリル酸の半エステル化物等の1分子中に2個以上のビニル基を有するビニルモノマーを使用する。
【0036】
これらのうち、好ましいビニル系単量体としては、1分子中に1個のビニル基を有するビニル系単量体では、スチレン、スチレン誘導体、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル等であり、特にスチレン並びにアルキル基に1〜5個の炭素原子を有するメタクリル酸あるいはアクリル酸のアルキルエステルが好ましい。1分子中に2個以上のビニル基を有するビニル系単量体では、ジビニルベンゼン、炭素原子数2〜6のメチレングリコールのジメタクリレートおよびジアクリレート等が好ましい。これらの単量体は、合計が100重量%になるように配合される。
【0037】
上記の単量体または単量体混合物の重合に用いられるラジカル開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過安息香酸2−エチルヘキシル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化イソブチリル、過酸化オクタノイル、ジ−tert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、4,4,6−トリメチルシクロヘキサノンジ−tert−ブチルペルオキシケタール、シクロヘキサノンペルオキシド、メチルシクロヘキサノンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、シクロヘキサノンジ−tert−ブチルペルオキシケタール、2−オクタノンジ−tert−ブチルペルオキシケタール、アセトンジ−tert−ブチルペルオキシケタール、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド等の過酸化物系ラジカル開始剤、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’−アゾビス(シクロへキサン−1−カルボニトリル)等のアゾビス系ラジカル開始剤などがある。これらは単量体の総量に対して好ましくは0.01〜20重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%使用する。
【0038】
重合時にはブチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、メチル2−メルカプトプロピオネート、エチル2−メルカプトプロピオネート、ブチル2−メルカプトプロピオネート、オクチル2−メルカプトプロピオネート、ペンタエリトリットテトラ(2−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールジ(2−メルカプトプロピオネート)、グリセリントリ(2−メルカプトプロピオネート)等のメルカプタン類、クロロホルム、ブロモホルム、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素等のラジカル重合分子量調整剤を使用することが必要である。これらの分子量調整剤は、単量体の総量に対して0〜3重量%使用するのが好ましい。
【0039】
水性懸濁重合を実施する場合には、部分ケン化ポリビニルアルコール、アルキルセルロース、ヒドロキシ−アルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、ボリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびそのアルカリ金属塩、ポリメタクリル酸およびそのアルカリ金属塩等の水溶性高分子分散剤、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸マグネシウム、ピコリン酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、疎水性シリカ等の難溶性無機分散剤を用いることができる。分散剤は、水溶性高分子分散剤の場合は水性媒体に対して0.0001〜5重量%、難溶性無機分散剤の場合は水性媒体に対して0.01〜15重量%使用するのが好ましい。
【0040】
ポリエステル樹脂は以下のA群に示されるような二価のアルコールとB群に示されるような二塩基酸とからなるものであり、更にC群に示されるような三価以上のアルコールあるいはカルボン酸を第三成分として加えてもよい。
【0041】
A群;エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレレン(2,2)−2,2’−ビス(4ーヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等。
【0042】
B群;マレイン酸、フマール酸、メサコニン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタール酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、リノレイン酸、またはこれらの酸無水物または低級アルコールのエステル等。
【0043】
C群:グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの三価以上のアルコール、トリメリト酸、ピコメリト酸などの三価以上のカルボン酸等。
【0044】
本発明においてトナーの性能を損なわない範囲、例えば全バインダー樹脂中20重量%以下であればエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等を混合してもよい。エポキシ樹脂に対しては特に5〜20%加えることにより定着性が向上することが分かった。エポキシ樹脂は未変性あるいは変性したものでも使用できる。20%を超えると相溶性が悪化し使用に耐えない。
【0045】
本発明で用いられるエポキシ樹脂としてはビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの重縮合物が代表的である。このようなエポキシ樹脂の市販品としてはエポミックR301、エポミックR302、エポミックR304、エポミックR304P、エポミックR307、エポミックR309、エポミックR362、エポミックR363、エポミックR364、エポミックR365、エポミックR366、エポミックR367(以上三井石油化学工業社製)等がある。
【0046】
さらに液状エポキシ樹脂類とビスフェノール類との重付加反応で得られる任意の軟化点のエポキシ樹脂等もある。液状エポキシ樹脂の市販品としては、エポミックR140、エポミックR139、エポミックR140P(以上三井石油化学工業社製)等があり、ビスフェノール類としてはビスフェノールA、ビスフェノールP、ビスフェノールAD等がある。
【0047】
以上のようにして得られるバインダー樹脂は、着色剤および/または磁性粉並びに必要に応じて、帯電制御剤、その他の添加剤と適宜溶融混合して静電潜像現像用トナーとすることができる。
【0048】
着色剤としては、顔料、染料が使用される。黒顔料としてはカーボンブラック、酸化鉄顔料等がある。本発明に用いられるカラー顔料としてはイエロー顔料、マゼンタ顔料.シアン顔料、レッド顔料が挙げられる。
イエロー顔料としては、ベンジジン系イエロー顔料が望ましい。このベンジジン系イエロー顔料とは、3,3′−ジクロロベンジジン誘導体の黄色有機顔料をいう。具体的には.C.I.Pigment Yellow(ピグメントイエロー)No.12、同13、同14、同15、同17、同55、同83、同174(C.I.No.21090、21100、21095、21105)等が代表的なものとして挙げられる。
マゼンタ顔料としては.キナクリドン系マゼンタ顔料である2,9−ジメチルキナクリドン(C.I.Pigment Rcd122)、アゾレーキ系マゼンタ顔料であるC.I.Pigment Red No.57−1等を挙げることができる。
シアン顔料としては、銅フタロシアニン系顔料が好ましい。具体的には、C.I.Pigment Blue(ピグメントブルー)No.15、同15−3、同15−4、同15−6、ハロゲン化フタロシフニン等を挙げることができる。レッド顔料としては、不溶性モノアゾ顔料、アゾレーキ顔料、ペリレン系顔料が望ましい。具体的には、C.I.Pigment Red(ピグメントレッド)22、同48−1、同48−2、同48−3、同53−1、同57−1、同112、同149、同178等が挙げられる。
これら顔料は樹脂に対して0.1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%添加される。
染料としてはアゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、メチン系染料等がある。これら染料は樹脂に対して0.1〜20重量%、好ましくは0.3〜重量%添加される。これら着色剤は単独または組み合わせて使用することができる。
【0049】
帯電制御剤としては、ニグロシン染料、脂肪酸変性ニグロシン染料、含金属ニグロシン染料、含金属脂肪酸変性ニグロシン染料、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体等を使用することができ、通常、トナー中に0〜20重量%使用する。
【0050】
離型剤としては、融点が70℃〜170℃にあるワックスが用いられる。離型剤の具体例としては、カルナウバワックス、モンタンワックス、サゾールワックス、パラフィンワックス、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、エチレン−酢ビ共重合体などが挙げられる。これらは1〜10重量%の範囲で加えられる。
ワックスを加えることは離型性を与え、ホットオフセットは確実に向上するが樹脂との相溶性に問題があり、量が増すに従い現像性が悪くなる。また、キャリアとのスペントも起こるので帯電量不足、帯電不安定性が発生する。このため、ワックスは極力少ない方が好ましいが、キャリアスペント化や帯電量不足等を発生させることなく離型性を得ることができる。
【0051】
その他の添加剤としては、シリカ粉末、疎水性シリカ粉末、ポリオレフィン、パラフィンワックス、フルオロカーボン化合物、脂肪酸エステル、部分ケン化脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩等を使用することができ、これらは、通常、トナー中に0.1〜5重量%使用される。
【0052】
本発明トナーは乾式一成分現像剤および二成分現像剤のいずれにも使用てき、一成分の場合の磁性体としては、フェライト、マグネタイトなどをはじめとする鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す元素を含む合金、あるいは化合物または強磁性元素を含まないが適当に熱処理することによって強磁性を示すようになる合金、例えばマンガン−銅−アルミニウムあるいはマンガン−銅−スズなどのマンガンと銅とを含むホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、または二酸化クロム等を挙げることができる。磁性体は平均粒径0.3〜30μmの微粉末の形でバインダー樹脂中に均一に分散される。磁性体粒子の含有量はトナー100重量部当り20〜70重量部、好ましくは40〜70重量部が望ましい。
【0053】
本発明に係るトナー組成物は任意の周知のトナー混合法および粉砕法によって作られる。例えば、すべての成分をそれぞれ所定量で配合し、混合し、かつ粉砕することによって全成分を十分に混合し、次いで得られた混合物を微粉化する。トナー粉末を形成する他の周知の方法においては着色剤、樹脂および溶媒をボールミにかけ、そのトナー調合品混合物を噴霧乾燥させる。
【0054】
本発明のトナーの場合、架橋成分を切断する場合があるため、トナー組成物の混合は次のような混練による。
まずVブレンダー、ヘンシェルミキサー等の混練機で予備混合した後、熱ロール、加圧ニーダ、バンバリーミキサー、一軸、二軸連続混練機等の混練機で混練される。この混練の場合機械的エネルギーにより分子が切断される領域がある。これは主に混練時の粘度に支配される。この粘度は10〜10poiseである。この粘度域より低い粘度で混練された場合は、分子は切断されにくく架橋分がトナー中に残ってしまう。又、高い粘度で混練した場合は他の材料と分散しない。上記の粘度範囲において混練する場合は架橋分の量と混練条件によりミクロゲル分域の量が変わる。つまり任意にこの範囲の分子量のものがつくられる。
【0055】
本発明に係るトナー組成物をカスケード現像法、磁気ブラシ現像法、O−シェル現像法などによって使用するためには、該組成物は重量百分率で表した平均粒度が約30ミクロン以下でなければならず、最適結果を生むためにはこの平均位度が約4〜20ミクロンの間にあることが望ましい。粉末雲現像法において使用するためには1ミクロンよりもわずかばかり小さい粒径のものが望ましい。
【0056】
カスケード現像法、磁気ブラシ現像法、O−シェル現像法などで使用される被覆されたキャリヤおよび被覆されていないキャリヤは周知であるが、トナー粉末がキャリア粒子に付着してそれらを包囲するようにキャリヤ粒子がトナー粉末と密接に接触させられる時に、トナー粉末がキャリヤ粒子の電荷とは反対極性の電荷を獲得するものであればキャリヤ粒子は任意の適当な材料で形成されてもよい。従って本発明に係るトナー組成物は、従来の光導電性表面を含んだ任意の適当な静電潜像を帯びた表面上で静電潜像を現像するために通常のキャリヤと混合して使用される。
【0057】
【実施例】
以下に本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明する。
実施例および比較例では表1に示すようなビニル系樹脂5種(A、B、C、D、E)、表2に示すようなポリエステル樹脂4種(A、B、C、D)を用い、混練前のTHF不溶成分の有無、その樹脂のGPCによる分子量分布の分子量10〜10のピークの有無および混練後のピークの有無を示した。混練後のピークの有無は樹脂50gをラボプラストミで100℃、50rpmの条件で10分間練ったものについての有無である。ビニル系樹脂については組成も示した。
【0058】
【表1】
Figure 0003597323
【0059】
【表2】
Figure 0003597323
【0060】
〔実施例1〜および比較例1〜
表3(1)〜3(2)および表4(1)〜4(2)に示す樹脂の組み合わせおよび混合比からなる樹脂900gを用い、これにカルナバワックス100g、着色剤としてマゼン夕顔料35g、帯電制御剤として3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体5gを連続混練機で加熱溶融混練し、実施例1〜および比較例1〜の各混合物を作製した。なお、実施例の混合物のみ着色剤としてマゼンタ顔料20gとマゼンタ染料20gを使用した。
得られた混合物をハンマーミルで粗粉砕し、ジェット式エアーミルで微粉砕した。次いでこれを分級し粒径約9μmの粒子とした。この粒子99gと疎水性シリカ1gを混合してトナーとし、次にこのトナー50gとシリコンコートキャリア950gを混合し、十分振り混ぜて現像剤とした。
【0061】
【表3−(1)】
Figure 0003597323
【0062】
【表3−(2)】
Figure 0003597323
【0063】
【表4−(1)】
Figure 0003597323
【0064】
【表4−(2)】
Figure 0003597323
【0065】
各トナーの評価は以下のように行った。
定着性
3cm×8cmの面積にlmg/cmで現像した画像を外部定着機によって定着する。この定着機はオイル塗布のないシリコンローラでローラ温度、ローラスピード、ニップ幅を変えることができる。
定着条件は線速180mm/sec、ニップ幅10.2mmであり、定着ローラーの温度を変えて、各温度の定着画像を得ることができる。
この画像の黒べ夕部を砂消しゴムでこすり(クロックメー夕ーによる)、その反射濃度が0.8以上となる温度を定着温度とした。またこれらの画像にオフッセトがでた場合、そのうちで最低の温度をオフセット発生温度とした。
【0066】
へイズ度
定着性を調べた定着ローラの線速を90mm/secに変えて、定着ローラ温度160℃でOHPシートへ定着させた画像のへイズ度を調べた。
【0067】
粉砕性
トナー製造時の微粉砕の時の単位時間当たりの処理量を示した。このときのエアー圧は5kg/cmである。
【0068】
〔試験結果〕
表5(1)〜5(2)および表6(1)〜6(2)に試験結果を示した。
【0069】
【表5−(1)】
Figure 0003597323
【0070】
【表5−(2)】
Figure 0003597323
【0071】
【表6−(1)】
Figure 0003597323
【0072】
【表6−(2)】
Figure 0003597323
【0073】
(実施例トナーおよび現像剤)
表5(1)〜5(2)から明らかなようにどのトナー、現像剤も問題ない結果が得られた。また、実施例は着色剤として顔料だけでなく染料も使用したが、染料を使用した場合、耐塩ビマット性は悪くなりやすいが、この例では、顔料だけのものと変わらなかった。なお、実施例3と同じ樹脂を使用し、混練時間を少なくした場合には、ミクロゲルの量が25%と多く、透明性が悪かった。
【0074】
(比較例トナーおよび現像剤)
比較例トナーの製造条件は次に示す比較例1および比較例以外は実施例と同じ条件である。
比較例1は混練温度を実施例1に比べて高くした。比較例は樹脂を900gから700gにし、ワックスを100gから300gにした。
比較例1は、混練温度が高かったために、樹脂の粘度が低くなり架橋成分が切断されなかった。そのためヘイズが高く透明性が悪化した。
比較例2は、分子量500〜1,000の範囲にピークが存在しなかったために、低温定着性と耐オフセット性は達成できたが、透明性が劣った。
比較例3は、分子量1,000〜100,000の範囲にピークが存在するが、それはもっとも高いピークではなく、メインピークは分子量1,000〜100,000の範囲より低い位置にあり、分子量100,000以下の成分が多くなってしまい、オフセットが発生してしまった。160℃でオフセットが発生するために、160℃で調べたOHP画像もオフセットがおこっていて、表面が荒れてしまったため透明性は悪かった。
比較例4はビニル系樹脂が多かったために、透明性が悪かった。
比較例は、ビニル系樹脂がないために、ホットオフセットが発生した。
比較例は、2ピークしかなく分子量105以上の成分がほとんどないために、ホットオフセットが発生した。
比較例は、比較例7よりもワックスの割合を増やしたため、耐オフセット性に問題はなくなったが、このトナーを製造するときに粉砕性が悪かった。
【0075】
【発明の効果】
以上のように本発明のトナーによれば、ワックスを含むトナーにおいて、バインダー樹脂としてビニル系樹脂とポリエステル樹脂を含み、かつTHF不溶成分を含まず、さらにGPCによるMwが50,000〜200,000で、かつ分子量分布において特定な領域にメインピークを有すると共に特定な二領域にサブピークを少なくとも一つずつ有するため、良好な低温定着性と耐オフセット性が得られ、さらにまた、OHPシートへの画像も透明性の良好なものが得られる。

Claims (4)

  1. バインダー樹脂、着色剤及びワックスを含有してなる静電潜像現像用トナーにおいて、該バインダー樹脂が少なくともポリエステル樹脂とビニル系樹脂を含み、該ビニル系樹脂の割合は該バインダー樹脂中の10〜30重量%であり、かつTHF不溶成分を含まず、またGPCによる重量平均分子量(Mw)が50,000〜200,000の範囲で、かつ分子量分布に少なくとも3つのピークを有し、メインピークが1,000〜10,000の範囲にあって、サブピークが分子量分布の500〜1000(ただし1000を除く)の範囲と10〜10の範囲の各々に少なくとも一つずつ存在することを特徴とする静電潜像現像用トナー。
  2. 請求項1の静電潜像現像用トナーにおいて、バインダー樹脂として分子量10 以上の成分を15重量%以下含むことを特徴とする静電潜像現像用トナー
  3. 請求項1又は2の静電潜像現像用トナーにおいて、バインダー樹脂として、ジシクロペンタジエン樹脂を含むことを特徴とする静電潜像現像用トナー
  4. 請求項1の静電潜像現像用トナーにおいて、ビニル系樹脂がスチレンとアクリル酸メチルの共重合体であることを特徴とする静電潜像現像用トナー
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