JP3596597B2 - 流量計測装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は流量計測装置及び電子式ガスメータに係り、特に、ガス流路中のガスの流速に応じて変化する物理量を間欠的に計測する計測手段を備え、該計測した物理量とガス流路の断面積と間欠時間とを乗ずることによってガス流路を通過したガスの通過流量を計測する流量計測装置及び、該装置によって計測したガスの流量を積算し表示する電子式ガスメータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の流量計測装置として、例えば特公平7−119638号公報に開示されている超音波式センサを使用した超音波式流量計測装置や、特公平6−43906号公報に開示されている熱式センサを使用した熱式流量計測装置などがある。
【0003】
超音波式流量計測装置は、ガス流路内に一定距離だけ離れて配置された超音波周波数で作動する例えば圧電式振動子からなる2つの音響トランスジューサにより流量センサを構成し、一方のトランスジューサの発生する超音波信号を他方のトランスジューサに受信させる動作を交互に行って超音波信号がトランスジューサ間でガス流方向と、ガス流方向と逆方向に伝搬される時間から成る物理量を間欠的にそれぞれ計測し、この計測した2つの伝搬時間に基づいてガス流路内を流れているガスの流速を間欠的に求め、この流速にガス流路の断面積を乗じて瞬時流量を求める演算処理を行うようになっている、この瞬時流量に間欠時間を乗じて通過流量を求め、更にこの通過流量を積算して求めた積算流量を表示することによって、電子式ガスメータを構成することができる。
【0004】
熱式流量計測装置は、ガス流路内を加熱するヒータと、ガス流路の上下流方向にそれぞれ設けられた温度センサとから流量センサを構成し、ヒータの発する熱の上下流方向への伝達が流速の大きさによって変化することを利用して、ヒータの上下流に設けた温度センサにより間欠的に検知した温度差からなる物理量によって流速を間接的に測定するものである。
【0005】
何れの装置も、流量センサを間欠的に駆動させているとはいえ、その駆動に比較的大きな電力消費をともなう。そこで、消費電力を抑えつつ流量検出精度を高めることを目的として、流量変動の大きなときにはセンサを駆動して行う測定間隔を短く、小さいときには測定間隔を長くするとともに、この測定間隔に合わせて流速を間欠的に測定する間欠時間、すなわち、サンプリング時間を変更することが、例えば特開平9−21667号公報や特開平10−82670号公報において提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した提案の流量計測装置では、測定間隔が一番長い状態のとき、図8(a)に示すように、サンプリング直後にガスが使用されると、次のサンプリングまでの計測される機会がなく、斜線を付したほぼサンプリング間隔に相当する期間の間の流量が積算されないことになる。このような状態は、図8(b)に示すようにサンプリング直前にガスが使用された場合と比較すると明らかなように、計測した流量に基づく積算値に大きな誤差を含んでいることが分かる。したがって、流量の変動が小さいくても、センサを駆動して行う測定間隔を極端には長くすることはできない。すなわち、従来の流量計測装置では、サンプリング間隔を長くすると、計測した流量にサンプリング間隔を乗じてものを積算して求める例えばガス使用量に誤差が生じてしまうため、測定間隔を極端に大きくすることができず、この点から消費電力の低減には自ずから限度があった。
【0007】
また、ガス圧を検出する圧力センサをガス流路内に設け、流量センサにより一定時間以上継続して流量が検出されなかった場合、サンプリングを停止し、その後、ガスを使用に伴って圧力センサにより検出されたガス圧が降下して所定値以下となったとき、流量計測装置のサンプリングを再び開始させることにより、測定精度を向上させることも考えられる。しかしながら、流量計測を停止している間、圧力センサの出力をA/D変換して取り込んで、常時監視する必要があるため消費電力の低減に効果的であるとはいえない。
【0008】
そこで、本発明は、上記のような問題に着目し、流量計測精度の低下を招くことなく、より一層の消費電力の低減を図れる流量計測装置を提供することを課題としている。
【0009】
本発明はまた、消費電力の低減を図っても、通過流量の誤差を低減してガス使用量を正確に積算表示できるようにした電子式ガスメータを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、ガス流路10中のガスの流速に応じて変化する物理量を間欠的に計測する計測手段100を備え、該計測した物理量と前記ガス流路の断面積と間欠時間とを乗ずることによって前記ガス流路を通過したガスの通過流量を計測する流量計測装置において、前記計測手段により計測した物理量に基づいて所定時間以上継続して前記ガス流路中にガスが流れていない状態を検出したとき、前記計測手段による物理量の計測を停止させる計測停止手段14a−1と、前記ガス流路中の圧力に応じて弾性変形する弾性素子16aと、該弾性素子上の弾性変形方向と垂直な一面に設けられたマグネット16bと、ガス使用に伴って所定値以下に圧力が低下したとき、前記マグネットによりオン又はオフしてガスが使用されたことを検出する機械式スイッチSWと、前記機械式スイッチSWのオン又はオフに応じて前記計測手段による物理量の計測を再開させる計測再開手段14a−2とを更に備えることを特徴とする流量計測装置に存する。
【0011】
請求項1記載の発明によれば、計測停止手段14a−1が、計測手段100により計測した物理量に基づいて所定時間以上継続してガス流路10中にガスが流れていない状態を検出したとき、ガスが未使用状態であるとして計測手段100による物理量の計測を停止する。その後ガスの使用に伴って圧力が所定値以下に低下すると、ガス流路10中の圧力に応じて弾性変形する弾性素子16a上の弾性変形方向と垂直な一面に設けられたマグネット16bにより機械式スイッチSWの接点がオン又はオフし、この機械式スイッチSWのオン又はオフに応じて計測再開手段14a−2が計測手段100による物理量の計測を再開させる。
【0012】
以上のようにガスが未使用状態であるときは計測停止手段14a−1により計測手段100による物理量の計測を停止させるため、一切の計測動作が行われなくなり、この計測動作に伴う電力消費が全くなくなる。その後、ガス使用に伴い圧力が所定値以下に低下すると機械式スイッチSWがオン又はオフされ、この機械式スイッチSWのオン又はオフをきっかけに計測再開手段14a−2が計測手段100による物理量の計測を再開させるため、ガスの使用開始時の物理量の計測も正確に行うことができる。しかも、機械的な構造であり、動作電源を必要としない機械式スイッチSWのオン又はオフに応じて物理量の計測を再開させているため、圧力センサにより検出された圧力を監視する必要がなくなり、この圧力センサの監視動作に伴う電力消費を必要としない。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2は本発明の流量計測装置を組み込んだ電子式ガスメータを示している。図示の電子式ガスメータは超音波式として構成されており、流体であるガスを流すガスメータ中の流路としてのガス流路10内にガス流方向において距離Lだけ離され、互いに対向して配置された超音波周波数で作動する例えば圧電式振動子からなる2つの音響トランスジューサTD1及びTD2と、ガス流路10に連通した空所10a内に距離lだけ離れた管壁10bに対向して配置された音響トランスジューサTD3とを有する。ガス流路10には、両音響トランスジューサTD1、TD2の上流側に弁閉によってガス流路10を遮断する遮断弁10cが設けられている。ガス流路10の管壁には、ガス使用に伴う所定値以下への圧力低下を検知したとき、オンしてガスが使用されたことを検出する検出スイッチ16が設けられている。
【0024】
各トランスジューサTD1、TD2及びTD3はトランスジューサインタフェース(I/F)回路11a及び11bをそれぞれ介して送信回路12及び受信回路13に接続されている。送信回路12は、マイクロコンピュータ(μCOM)14の制御の下で、トランスジューサTD1、TD2の一方を駆動して超音波信号を発生させる信号をパルスバーストの形で送信し、このための発振回路(図示せず)を内蔵している。
【0025】
受信回路13は、ガス流路10を通過した超音波信号を受信した他方のトランスジューサTD1、TD2からの信号を入力して超音波信号を処理する前置増幅器(図示せず)を内蔵している。トランスジューサTD3については、トランスジューサTD1及びTD2に対するとは別のタイミングでμCOM14が送信回路12と受信回路13を制御し、トランスジューサTD3を駆動して超音波信号を発生させるように送信回路12を制御するとともに、同じトランスジューサTD3が管壁10bから反射されてくる超音波信号を受信して発生する信号を入力させるように受信回路13を制御する。
【0026】
検出スイッチ16はスイッチI/F回路17を介してμCOM14に接続されている。上記検出スイッチ16は、図3に示すように、半導体基板をエッチングして形成した弾性素子であるダイヤフラム16aと、弾性変形方向と垂直なダイヤフラム16aの下面に設けられたマグネット16bと、一端がダイヤフラム16aの上面に設けられ、他端が固定壁Wにそれぞれ設けられたスプリング16cとを備える。さらに、マグネット16bの下には一端が電池電源と接続され、他端がスイッチI/F回路17と接続されている常開の機械式スイッチSWが設けられている。
【0027】
上述したダイヤフラム16aは下面がガス流路10内に、上面が大気中にそれぞれ設けられるため、ガス未使用状態にあり、ガス流路10内が高圧力状態(>大気中の圧力)にあると、矢印16d方向に大きな応力がかかるため、ダイヤフラム16aは実線で示すようにスプリング16cの弾性力に逆らって機械式スイッチSW側に弾性変形する。従って、機械式スイッチSWは、その接点がマグネット16bから離れることにより開す。
【0028】
一方、ガスの使用に伴ってガス流路10内の圧力が低下するにつれて、矢印16d方向の応力が弱まるため、スプリング16cの弾性力によりダイヤフラム16aは破線で示すように固定壁W側に弾性変形し、これに伴ってマグネット16bも固定壁W側に移動する。そして、圧力が所定値以下にまで低下すると、マグネット16bによって機械式スイッチSWは閉し、Hレベルのオン信号S1がスイッチI/F回路17に対して供給される。なお、この検出スイッチ16は、ガスの使用により急激に圧力が低下するガス流路10の出口付近に設置されている。
【0029】
上述したように検出スイッチ16は、機械的な構造となっているため、検出スイッチ16をオン又はオフさせるための動作電源を必要とせず、消費電力の低減を図ることができる。また、このスプリング16cの弾性力によりダイヤフラム16aの弾性変形が制限されるため、上記所定値はスプリング16cの弾性係数に依存する。このため、所定値に応じた弾性係数を有するスプリング16cをダイヤフラム16aに設けるだけで所定値を設定することができ、所定値に応じたダイヤフラム16aをそれぞれ量産する必要がないためコストダウンと図ることができる。
【0030】
また、μCOM14は、図4に示すように、プログラムに従って各種の処理を行う中央処理ユニット(CPU)14a、CPU14aが行う処理のプログラムなどを格納した読み出し専用のメモリであるROM14b、CPU14aでの各種の処理過程で利用するワークエリア、各種データを格納するデータ格納エリアなどを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM14cなどを内蔵し、これらがバスライン14dによって相互接続されている。
【0031】
μCOM14内のCPU14aは、送信回路12から信号を供給するトランスジューサと受信回路13で超音波信号を受信するトランスジューサとを交互に切り替えるように制御する計測処理を行うと共に、2つのトランスジューサ間で交互に送受信した超音波信号の伝搬時間(=物理量)を測ってガス流路10内を流れているガスの流速を間欠的に求めるための流速演算処理を行う。
【0032】
μCOM14内のCPU14aはまた、流速演算処理の他に、この演算した流速とガス流路10の断面積とに基づいて瞬時流量を求める流量演算処理、演算した瞬時流量に間欠時間を乗じて通過流量を演算する通過流量演算処理、通過流量を積算して積算流量を求める積算流量処理(=流量積算手段14a−3としての働き)、この流量積算処理によって求めた流量積算値を表示器15(=表示手段)に表示させる表示処理を行う。
【0033】
μCOM14内のCPU14aはさらに、流量演算処理により求められた瞬時流量に基づいて所定時間以上継続してガス流路10中にガスが流れていない状態を検出したとき、その後計測停止手段14a−1として働き、流量の計測を停止する。その後、検出スイッチ16の状態を監視して、検出スイッチ16がガスの使用に伴う所定値以下への圧力を検知して、ガスが使用されたことを検出するオン信号S1が出力されると計測再開手段14a−2として働き、再び流量の計測を開始する。
【0034】
上述した動作を、圧力と流量の関係を示す図5を参照して具体的に説明すると、ガス未使用状態にあるとき、高い圧力状態あるが、ガスの使用に伴って圧力が低下し、所定値まで低下する図5(a)にAで示すタイミングで機械式スイッチSWがオンしてオン信号S1が出力されるので、図5(b)に示すように流量計測のためのサンプリングが開始される。なお、図中x印はサンプリングタイミングを示している。その後、ガスの使用がなくなり、流量演算処理により求められた瞬時流量に基づいて所定時間T以上継続してガス流路10中にガスが流れていない状態を検出されるBで示すタイミングで、流量計測のためのサンプリングが停止されるようになる。このとき、ガス流路10内は高圧力状態となるため、機械式スイッチSWはオフとなっている。なお、上記所定時間Tは、シャワーなど間欠的に使用される燃焼器を考慮して、10〜30分に設定してある。
【0035】
上述したようにガスが未使用状態であるときは流量の計測を停止させるため、一切の計測動作が行われなくなり、この計測に伴う電力消費が全くなくなる。またその後、ガス使用に伴い圧力が所定値以下に低下すると検出スイッチ16からオン信号S1が出力され、このオン信号S1をきっかけに流量の計測を再開させるため、ガスの使用開始時の流量の計測も正確に行うことができる。しかも、検出スイッチ16からのオン信号S1に応じて流量の計測を再開させているため、圧力センサにより検出された圧力を監視する必要がなくなり、この圧力センサの監視動作に伴う電力消費を必要としない。以上のことにより、流量計測精度の低下を招くことなく、より一層の消費電力の低減を図ることができる。
【0036】
ところで、ガス未使用状態の期間はガス使用状態の期間より長いことが多く特に一般家庭ではこの傾向が顕著である。従って、上述したように検出スイッチ16が、ガスの使用に伴う所定値以下への圧力低下を検知したときオンしてオン信号S1を出力し、このオン信号S1の出力に応じて流量の計測を再開させれば、ガス使用状態の短い期間のみオン信号S1を出力することができ、より一層消費電力の低減を図ることができる。
【0037】
上述した構成の装置における流量計測の原理を以下に説明する。μCOM14の内蔵するCPU14aは、送信回路12にトリガ信号を出力してパルスバースト信号を発生させ、これを一方のトランスジューサTD1、TD2に供給させて、この一方のトランスジューサに超音波信号を発生させる。また、一方のトランスジューサから送信された超音波信号を受信する他方のトランスジューサからの信号を受信回路13に受信させ、これに応じて受信回路13が発生する信号を取り込む。
【0038】
その後、μCOM14の内蔵するCPU14aは、超音波信号を発生するトランスジューサと超音波信号を受信するトランスジューサを逆にして同じ動作をもう一度繰り返す制御を行う。そして、μCOM14のCPU14aは、送信回路12にトリガ信号を出力して一方のトランスジューサに超音波信号を発生させてから、この超音波信号を受信する他方のトランスジューサが発生する信号を受信回路13を介して取り込むまでの時間T1、T2をそれぞれ測り、この測った時間T1、T2からガス流の流速を後述のようにして求める。
【0039】
また、μCOM14のCPU14aは、トランスジューサTD1、TD2についての制御とは別のタイミングで、トランスジューサTD3についての制御を行い、送信回路12にトリガ信号を出力してパルスバースト信号を発生させ、これをトランスジューサTD3に印加させて、このトランスジューサTD3に超音波信号を発生させる。また、トランスジューサTD3から送信され管壁10bで反射された超音波信号を受信する同じトランスジューサTD3からの信号を受信回路13に受信させ、これに応じて受信回路13が発生する信号を取り込む。そして、CPU14aは、送信回路12にトリガ信号を出力してトランスジューサTD3に超音波信号を発生させて、この超音波信号の反射の第1波と第2波を受信する同じトランスジューサTD3が発生する信号を受信回路13を介して取り込むまでの時間Tr1、Tr2をそれぞれ測り、この測った時間Tr1、Tr2からガス流路10内と同じ温度、圧力、ガス種であるが、ガス流のない雰囲気における音速を後述のようにして求める。
【0040】
今、静止ガス中での音の伝搬速度(音速)をc、ガス流の流速をvとすると、ガス流の順方向の超音波信号の伝搬速度は(c+v)となる。トランスジューサTD1及びTD2間の距離をLとすると、トランスジューサTD1からの超音波信号がガス流と同じ方向に進んでトランスジューサTD2に到達する時間T1と、トランスジューサTD2からの超音波信号がガス流と逆方向に進んでトランスジューサTD1に到達する時間T2とは、
T1=L/(c+v) (1)
T2=L/(c−v) (2)
となる。(1)、(2)式より
Figure 0003596597
となり、Lが既知であるときには、T1及びT2を計測することによって流速vを求めることができる。
【0041】
なお、T2・T1=L/(c+v)・(c−v)=L/(c −v )であり、流速vは音速cに比べて極めて小さな数値であるので、式中のv はc に比べて極めて小さく無視でき、T2・T1=L/c
とすることができる。そして、上式(3)は最終的には、
Figure 0003596597
と書き直すことができる。ここで、Td=(T2−T1)とすると、
Figure 0003596597
ただし、k=c/2
となる。すなわち、ガス流方向とこれと逆方向の超音波伝搬時間の差Tdに定数kを乗じてガス流速vが求められる。以上のことから明らかなように、上記演算するCPU14aとトランスジューサTD1及びTD2とは計測手段100を構成している。
【0042】
流速vが求められたときには、瞬時流量Qはガス流路10の既知の断面積をS、物の構造その他によって変化する補正係数をαとすると、
Figure 0003596597
となり、瞬時流量Qが求められる。ただし、
K=α・S・k (6)
とする。なお、Kは上述の説明から明らかなように、音速、ガス温度、ガス圧力など多くの要素を含んだ補正のための係数である。
【0043】
なお、式(6)中の静止ガス中の音速cについては、図2に示したように、ガス流路10に連通しているが、ガス流路10中のガス流に影響されない静止ガスの空所10a中において、第3の音響トランスジューサTD3から発した超音波信号が管壁10bで反射してトランスジューサに戻ってくるまでの時間を計測し、この時間によってトランスジューサTD3から管壁10bまでの往復距離2lを割ることによって求めることができるので、この計測を適宜行って求めた音速cを用いるようにすればよい。
【0044】
従って、瞬時流量Qを求める毎に、すなわち、サンプリングする毎に、この瞬時流量Qに前回求めた(サンプリングした)時点からの経過時間(サンプリング間隔時間)を乗じることによって通過流量Qtが求まり、これを積算することによって、積算したガス積算流量Qs、すなわち、ガス供給量(ガス使用量)を求めることができるようになる。そして、この積算流量Qsを表示器15に表示させることによって電子式ガスメータを構成することができる。
【0045】
ところで、一般にマンションなどの集合住宅の場合は、1つのLPガス容器からのガスを各家ごとに分配しているため、燃焼器としてガス使用中に供給ガス圧に圧力変動を生じさせる例えばGHP(ガスヒートポンプ)を使用している家があると、その使用によって他の家に供給されるガス圧にも影響が及ぼされる。つまり、図5(a)に示すようにガス未使用では、ガス圧は高圧状態例えば300mmHOで一定に保たれることとなるが、このとき隣家などで上述したGHPが使用されると、ガス圧は10〜20Hzの周波数で約±数10mmHOの変動が生じる。このため、設定した所定値によってはガス未使用状態であるにもかかわらずこの圧力変動による圧力低下を検出スイッチ16が検知してしまい流量の計測が再開される可能性がある。そこで、圧力変動が生じても圧力は250mmHO(=300mmHO−50mmHO)より低下することがないので、このような事態を防止するために、所定値を250mmHOより小さい例えば200mmHOに設定すれば、圧力変動による圧力低下を検知することがない。
【0046】
以上概略で説明した流量計測装置を組み込んだ電子式ガスメータの詳細な動作をμCOM14が有するCPU14aの処理手順を説明する図6のフローチャートを参照して以下説明する。
CPU14aは例えば電池電源の投入によって動作を開始し、図示しない初期ステップにおいて、μCOM14内のRAM14cに形成した各種のエリアの初期設定を行ってからその最初のステップSP1に進む。ここで音響トランスジューサTD1から超音波信号を送信し、この送信した超音波信号が音響トランスジューサTD2に到達するまでかかった時間を伝搬時間T1として計測する。続いてステップSP2に進み、ここで音響トランスジューサTD2から超音波信号を送信し、この送信した超音波信号が音響トランスジューサTD1に到達するまでにかかった時間を伝搬時間T2として計測する。
【0047】
その後ステップSP3に進んでステップSP1で計測した伝搬時間T1とステップSP2で計測した伝搬時間T2との差をとり、これを時間エリアTdに格納してからステップSP4に進む。ステップSP4においては、上記式(4)に示すように、上記時間エリアTdとRAM14cとの係数エリアkの値を乗じて流速を求め、これをRAM14c内の流速エリアvに格納する。次にステップSP5に進んで上記ステップSP4において求めた流速を格納した流速エリアvの値とサンプリングタイマエリアSTの値とを乗じて通過流量Qtを求め、これをRAM14cの通過流量エリアQtに格納する。この通過流量Qtがガス流路10中にガスが流れていないとみなせる所定流量以下であると、ステップSP6の判定がYESとなってステップSP7に進むようになる。
【0048】
ステップSP7において、タイマエリアTRに格納されたカウント値をカウントアップさせる。このタイマエリアTRに格納されたカウント値が所定時間T以上であると、ステップSP8の判定がYESとなりその後、スイッチI/F回路17を監視して、検出スイッチ16からオン信号S1が入力されたことを検出し、ステップSP9の判定がYESとなるのを待って、ステップSP1に戻る。また、ステップSP5で求めた通過流量Qtが所定流量以上であると、ステップSP6の判定がNOとなってステップSP10に進み、タイマエリアTRのカウント値をリセットしてステップSP11に進む。
【0049】
ステップSP11においては、RAM14c内の流量積算エリアQに上記ステップSP5において求めた通過流量Qtを加算した後、ステップSP12において表示器15に流量積算エリアQの内容を表示させて、ステップSP1に戻る。また、ステップSP5で求めた通過流量Qtが所定流量以下であっても、タイマエリアTRに格納されたカウント値が所定時間Tより小さければ、ステップSP8の判定がNOとなり、ステップSP11に進む。
【0050】
なお、上述した実施例では、所定時間以上継続してガス流路10中のガスが流れていない状態を検出したとき、その後スイッチI/F回路17を介して検出スイッチ16の状態を常時監視し、オン信号S1が出力されたことを検出すると再び流量の計測動作を再開させていたが、例えば、その後CPU14aがリセット動作を行い自己の動作を停止し、このリセット動作を検出スイッチ16からのオン信号S1を外部から入力することによって解除して、再び処理動作を開始するようにしてもよい。
【0051】
具体的には、図7に示すように、CPU14aのクロック出力ckにウオッチドックタイマ回路18を接続する。ウオッチドックタイマ回路18はその入力にクロックパルスが一定周期で入力されているとき、その出力がHレベルに保持されるが、クロックパルスの入力がなくなると、その出力がHからLレベルに立ち下がるように働く。
【0052】
従って、CPU14aのリセット入力ポートRは、CPU14aが動作してクロックパルスを出力している間、Hレベルに保たれている。また、CPU14aは、所定時間以上継続してガス流路10中のガスが検出されない状態を検出すると、クロックパルスの出力を停止する。このため、ウオッチドックタイマ回路18の出力がHレベルからLレベルに立ち下がり、この立ち下がりに応じてNAND回路19の一方の入力がLレベルに、NAND回路20の一方の入力がHレベルに保たれる。従って、ガス未使用状態がそのまま継続してHレベルのオン信号S1が出力されていないときは、NAND回路20の出力はLレベルとなりNAND回路19の他方の入力がLレベルに保たれるため、リセット入力ポートRはHレベルからLレベルに反転し、これに応じてCPU14aはリセット動作を行う。
【0053】
その後、ガスが使用され、Hレベルのオン信号S1が出力されると、NAND回路20の入力が両方ともHレベルとなるため、NAND回路19の出力がLレベルからHレベルに反転し、これに応じてCPU14aのリセットが解除される。つまり、この場合ウオッチドックタイマ回路18及びNAND19、20は、計測停止手段14a−1及び計測再開手段14a−2として働き、所定時間以上継続してガス流路10中のガスが流れていない状態を検出するとその後リセット動作を行い自己の動作を停止させると共に、このリセット動作は、検出スイッチ16からのオン信号S1を外部から入力することによって解除され、再び処理動作を開始させるようにしている。以上のようにガスが未使用状態であるとき、流量の計測を停止させるだけでなくCPU14a自体の処理動作も停止するため、より一層の消費電力の低減を図ることができる。
【0054】
また、上述した実施例では、弾性素子としてダイヤフラムを使用していたが、圧力に応じて弾性変形するもんであれば、ベローズなどの他の弾性素子を使用してもよい。さらに、上述した実施例においては、流量計測装置として超音波式のものを例示したが、ガス流路10中のガスの流速に応じて変化する物理量を間欠的に計測することのできるものであれば、フルイディック式流量計などの他の形式のものであってもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、ガスが未使用状態であるときは計測停止手段により計測手段による物理量の計測を停止させるため、一切の計測動作が行われなくなり、この計測動作に伴う電力消費が全くなくなる。その後、ガス使用に伴い圧力が所定値以下に低下すると機械式スイッチがオン又はオフされ、この機械式スイッチのオン又はオフをきっかけに計測再開手段が計測手段による物理量の計測を再開させるため、ガスの使用開始時の物理量の計測も正確に行うことができる。しかも、機械的な構造であり、動作電源を必要としない機械式スイッチのオン又はオフに応じて物理量の計測を再開させているため、圧力センサにより検出された圧力を監視する必要がなくなり、この圧力センサの監視動作に伴う電力消費を必要としないので、流量計測精度の低下を招くことなく、より一層の消費電力の低減を図れる流量計測装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流量計測装置及び電子式ガスメータの基本構成図を示すブロック図である。
【図2】本発明の流量計測装置を組み込んだ電子式ガスメータの一実施の形態を示す図である。
【図3】図2に示す流量計測装置を組み込んだ電子式ガスメータを構成する検出スイッチの詳細を示す図である。
【図4】図2に示す流量計測装置を組み込んだ電子式ガスメータを構成するマイクロコンピュータの詳細を説明する図である。
【図5】本発明の流量計測装置を組み込んだ電子式ガスメータの動作を説明するための図である。
【図6】図4に示すマイクロコンピュータを構成するCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】流量の計測を停止する他の構成を示す図である。
【図8】従来の流量計測装置及び電子式ガスメータの問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
10 ガス流路
100 計測手段
14a−1 計測停止手段(CPU)
16 検出スイッチ
14a−2 計測再開手段(CPU)
16a 弾性素子(ダイヤフラム)
16b マグネット
SW 機械式スイッチ
W 固定壁
16c スプリング
S1 オン信号
14a−3 流量積算手段(CPU)
15 表示手段(表示器)

Claims (1)

  1. ガス流路中のガスの流速に応じて変化する物理量を間欠的に計測する計測手段を備え、該計測した物理量と前記ガス流路の断面積と間欠時間とを乗ずることによって前記ガス流路を通過したガスの通過流量を計測する流量計測装置において、
    前記計測手段により計測した物理量に基づいて所定時間以上継続して前記ガス流路中にガスが流れていない状態を検出したとき、前記計測手段による物理量の計測を停止させる計測停止手段と、
    前記ガス流路中の圧力に応じて弾性変形する弾性素子と、
    該弾性素子上の弾性変形方向と垂直な一面に設けられたマグネットと、
    ガス使用に伴って所定値以下に圧力が低下したとき、前記マグネットによりオン又はオフしてガスが使用されたことを検出する機械式スイッチと、
    前記機械式スイッチのオン又はオフに応じて前記計測手段による物理量の計測を再開させる計測再開手段と
    を更に備えることを特徴とする流量計測装置。
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