JP3595893B2 - 白黒画像形成ハロゲン化銀感光材料及びそれを用いる撮影ユニット - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はネガ−ポジ方式のカラー写真システムの現像処理に適合する白黒画像形成ハロゲン化銀感光材料及びそれを用いる撮影ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に広く普及している写真システムは、撮影用ハロゲン化銀カラー感光材料(カラーネガフィルム)をカメラに装填して撮影し、現像して得られた所謂カラーネガからカラー印画紙にプリントしてポジカラープリントを得るもの(ネガ−ポジ方式)である。一方、反転処理型の撮影用ハロゲン化銀カラー感光材料(カラーリバーサルフィルム)は撮影後、反転現像するだけでポジ像が得られるので、そのまま或いはスライドプロジェクターによって観賞したり、またポジカラープリントにすること(ポジ−ポジ方式)もできるが、撮影ラチチュードが狭いので気軽な撮影には不向きであることや、ポジカラープリントが高価であること等から前記ネガ−ポジ方式を陵駕するに至っていない。更に最近は、未露光のカラーネガフィルムを撮影可能な状態に包装した撮影ユニット、所謂レンズ付フィルムの登場によって撮影の機会が更に増大し、ネガ−ポジ方式をゆるぎないものにしている。
【0003】
かかるカラー写真システムの普及のなかで、撮影用白黒ハロゲン化銀感光材料が静かなブームを引き起こしている。カラー写真が氾濫するなかで、白黒画像はかえって新鮮に感じ、又その独特の描写が神秘的に感じられることによると推定される。撮影用白黒ハロゲン化銀感光材料はプロからアドバンストアマチュアが主なユーザーであったが、1995年4月に発売されたコニカ(株)の“撮りっきりコニカ白黒”によって誰でも容易に白黒ハロゲン化銀感光材料による撮影が楽しめるようになった。予想外の評判に写真業界も注目せざるを得ない状況になっている。
【0004】
しかしながら撮影用白黒ハロゲン化銀感光材料は、広く普及しているネガ−ポジ方式のカラー写真システムの現像処理とは大きく異なるために、市中の現像所では白黒ハロゲン化銀感光材料を選別して取り扱う煩雑さがあったり、また白黒ハロゲン化銀感光材料のための新たな現像処理工程を設置する負荷があったりして問題がある。
【0005】
これに対して、広く普及しているネガ−ポジ方式のカラー写真システムの現像処理に適合する撮影用白黒画像形成ハロゲン化銀感光材料が知られており、米国特許第2,592,514号、同4,348,474号、特公昭63−59136号、特開昭61−236550号等にはブラックカプラーを用いた白黒画像形成ハロゲン化銀感光材料が開示されている。
【0006】
また通常のハロゲン化銀カラー感光材料に用いられるイエロー、マゼンタ、シアンカプラーを混合して黒色色素画像を形成する技術については、米国特許第2,181,944号、同2,186,736号、同4,368,255号、同5,141,844号、特開昭57−56838号、同57−58147号、同58−215645号、特開平3−107144号、同6−214357号、同7−199421号、特表平6−505580号等に示されている。しかしながらいずれも、現像処理は共通化できても印画紙へのプリントが煩雑であるという欠点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ネガ−ポジ方式のカラー写真システムの現像処理に適合し、かつ印画紙へのプリントも容易な撮影用白黒画像形成ハロゲン化銀感光材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、
(1) ネガ−ポジ方式のカラー写真システムのネガに供される、ハロゲン化銀感光材料が現像処理され白黒画像を形成した写真材料であって、イエローカラードマゼンタカプラー、マゼンタカラードシアンカプラー、イエローカラードシアンカプラーから選ばれる少なくとも一つのカラードカプラーによりオレンジ着色され、かつ無色カプラーを発色現像し得られたレッド画像及びブルー画像により形成された白黒画像を形成した写真材料、により達成される。
【0009】
即ち本発明者は、撮影用白黒画像形成ハロゲン化銀感光材料をオレンジ着色することによって、或いはより好ましくはカラードカプラーを添加することによって、一般のネガ−ポジ方式のカラー写真システムのプリントレベルとほぼ同等に該感光材料によるプリントレベルを調整することができ、市中の現像所のカラー処理工程に適合させ得ることを見出し本発明に至ったものである。
【0010】
以下、本発明について詳述する。
【0011】
本発明においてオレンジ着色とは、現像処理後の未露光部分がオレンジ色であればよく、該未露光部分が現像処理で消失又は流失しない色素、染料によって着色されていることが必要である。支持体が着色されていても良いし、好ましくは写真構成層中に非流失、非脱色型の色素、染料を含有することがよい。
【0012】
本発明においては白黒ハロゲン化銀感光材料が、非流失、非脱色型の色素、染料として、カラードカプラーを含有することが好ましい。カラードカプラーはカラー写真分野では周知のものであり、未反応の状態でも色相を有し、発色現像主薬とのカップリング反応によってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の色素画像を形成してもよいし、無色になってもよい。一般的には未反応の色相と発色後の色相が異なるものを言う。
【0013】
本発明において好ましいカラードカプラーは、イエローカラードマゼンタカプラー、マゼンタカラードシアンカプラー、イエローカラードシアンカプラーから選ばれる少なくとも一つである。以下に具体的に述べる。
【0014】
本発明においてイエローカラードマゼンタカプラーとは、カプラーの可視吸収領域における吸収極大を400nmから500nmの間に有し、かつ芳香族第1級アミン現像主薬酸化体とカップリングして可視吸収領域における吸収極大が510nmから580nmの間のマゼンタ色素を形成するマゼンタカプラーを言う。
【0015】
本発明に係るイエローカラードマゼンタカプラーは下記一般式(1)で表されるものが好ましい。
【0016】
一般式(1) CP−N=N−R1
〔式中、CPはアゾ基が活性部位に結合しているマゼンタカプラー残基を表し、R1は置換又は非置換のアリール基を表す。〕
CPで表されるマゼンタカプラー残基としては、5−ピラゾロンマゼンタカプラー及びピラゾロトリアゾール系マゼンタカプラーから導かれるカプラー残基が好ましく、特に好ましくは下記一般式(2)で表される残基である。
【0017】
【化1】
【0018】
〔式中、R2は置換又は非置換のアリール基を表し、R3はアシルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基又はカルバモイル基を表し、これらは置換基を有してもよい。〕
R2で表されるアリール基として好ましくはフェニル基である。アリール基の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(メチル基、エチル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等)、アシルアミノ基(ベンズアミド基、α−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチルアミド基等)、スルホニルアミノ基(ベンゼンスルホンアミド基、n−ヘキサデカンスルホンアミド基等)、スルファモイル基(メチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基等)、カルバモイル基(n−ブチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基等)、スルホニル基(メチルスルホニル基、n−ドデシルスルホニル基、ベンゼンスルホニル基等)、アシルオキシ基、エステル基、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0019】
R2の具体例としては、フェニル、2,4,6−トリクロルフェニル、ペンタクロルフェニル、ペンタフルオロフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−クロル−4,6−ジメチルフェニル、2,6−ジクロル−4−メチルフェニル、2,4−ジクロル−6−メチルフェニル、2,4−ジクロル−6−メトキシフェニル、2,6−ジクロル−4−メトキシフェニル、2,6−ジクロル−4−〔α−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)アセトアミド〕フェニル等の各基が挙げられる。
【0020】
R3で表されるアシルアミノ基としては、ピバロイルアミノ、n−テトラデカンアミド、α−(3−ペンタデシルフェノキシ)ブチルアミド、3−〔α−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)アセトアミド〕ベンズアミド、ベンズアミド、3−アセトアミドベンズアミド、3−(3−n−ドデシルサクシンイミド)ベンズアミド、3−(4−n−ドデシルオキシベンゼンスルホンアミド)ベンズアミド等の基が挙げられる。
【0021】
R3で表されるアニリノ基としては、アニリノ、2−クロルアニリノ、2,4−ジクロルアニリノ、2,4−ジクロル−5−メトキシアニリノ、4−シアノアニリノ、2−クロル−5−〔α−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチルアミド〕アニリノ、2−クロル−5−(3−オクタデセニルサクシンイミド)アニリノ、2−クロル−5−n−テトラデカンアミドアニリノ、2−クロル−5−〔α−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)テトラデカンアミド〕アニリノ、2−クロル−5−n−ヘキサデカンスルホンアミドアニリノ等の基が挙げられる。
【0022】
R3で表されるウレイド基としては、メチルウレイド、フェニルウレイド、3−〔α−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニルウレイド等の基が挙げられる。
【0023】
R3で表されるカルバモイル基としては、n−テトラデシルカルバモイル、フェニルカルバモイル、3−〔α−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)アセトアミド〕フェニルカルバモイル等の基が挙げられる。
【0024】
R1で表されるアリール基としては、フェニル基又はナフチル基が好ましい。
【0025】
R1で表されるアリール基の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基等が挙げられ、特に好ましい置換基はアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基である。
【0026】
以下に一般式(1)で表されるイエローカラードマゼンタカプラーの具体例を挙げるがこれらに限定されるものではない。
【0027】
【化2】
【0028】
【化3】
【0029】
【化4】
【0030】
【化5】
【0031】
【化6】
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】
これらのイエローカラードマゼンタカプラーは、特開昭49−123625号、同49−131448号、同52−42121号、同52−102723号、同54−52532号、同58−172647号、米国特許第2,763,552号、同2,801,171号、同3,519,429号等に記載の方法を参照して合成することができる。
【0036】
本発明に係るイエローカラードマゼンタカプラーは任意の層に添加できるが、感光性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層に添加されるのが好ましく、添加量は、添加層のハロゲン化銀1モル当たり0.001〜0.1モル程度、好ましくは0.005〜0.05モル、更には0.01〜0.03である。
【0037】
本発明においてマゼンタカラードシアンカプラーとは、カプラーの可視吸収領域における吸収極大を500nmから600nmの間に有し、かつ芳香族第1級アミン現像主薬酸化体とカップリングして可視吸収領域における吸収極大が630nmから750nmの間のシアン色素を形成するシアンカプラーを言う。
【0038】
本発明に係るマゼンタカラードシアンカプラーは下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
【0039】
【化10】
【0040】
〔式中、COUPはシアンカプラー残基を表し、Jは2価の連結基を、mは0又は1を、R5はアリール基を表す。〕
COUPで表されるシアンカプラー残基としては、フェノール型カプラー残基並びにナフトール型カプラー残基が挙げられ、好ましくはナフトール型カプラー残基である。
【0041】
Jで表される2価の連結基としては、下記一般式(4)で表されるものが好ましい。
【0042】
【化11】
【0043】
R6は炭素数1〜4のアルキレン基又はアリーレン基を表し、R7は炭素数1〜4のアルキレン基を表し、R6及びR7のアルキレン基は、アルキル基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、スルホ基により置換されてもよい。
【0044】
Zは−C(R9)(R10)−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−SO2NH−、−CONH−、−COO−、−NHCO−、−NHSO2−、−OCO−を表し、R9、R10は各々アルキル基、アリール基を表す。
【0045】
R8はアルキル基、アリール基、複素環基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、スルホニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲン原子、カルボンアミド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基又はスルファモイル基を表す。
【0046】
pは0又は正の整数を表し、qは0又は1を表し、rは1〜4の整数を表す。pが2以上の時、R6及びZは同じであっても異なってもよい。rが2以上の時、R8は同じであっても異なってもよい。
【0047】
R5で表されるアリール基は、m=0の時はフェニル基並びにナフチル基が好ましい。このフェニル基及びナフチル基は置換基を有してもよく、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基等を置換基として挙げることができる。
【0048】
l=1の時、R5で表されるアリール基は下記一般式(5)で表されるナフトール基が好ましい。
【0049】
【化12】
【0050】
式中、R11は炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル等の各基)を表し、Mは写真的に不活性なカチオンで、例えば水素原子、ナトリウム原子やカリウム原子の様なアルカリ金属のカチオン、アンモニウム、メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、エタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、ピリジニウム、ピペリジウム、アニリニウム、トルイジニウム、p−ニトロアニリニウム、アニンジウム等を表す。
【0051】
以下に一般式(3)で表されるマゼンタカラードシアンカプラーの具体例を示すがこれらに限定されるものではない。
【0052】
【化13】
【0053】
【化14】
【0054】
【化15】
【0055】
【化16】
【0056】
【化17】
【0057】
これらの化合物は、特開昭50−123341号、同55−65957号、同56−94347号、特公昭42−11304号、同44−32461号、同48−17899号、同53−34733号、米国特許第3,034,892号、英国特許第1,084,480号等に記載の方法を参照して合成することができる。
【0058】
本発明に係るマゼンタカラードシアンカプラーは任意の層に添加できるが、感光性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層に添加するのが好ましい。添加量としては、添加層中のハロゲン化銀1モル当たり、0.001〜0.1モル程度、好ましくは0.002〜0.05モル、更には0.005〜0.03モルである。
【0059】
本発明において、イエローカラードシアンカプラーとは、カプラーの可視吸収領域における吸収極大を400nmから500nmの間に有し、かつ芳香族第1級アミン現像主薬酸化体とカップリングして可視吸収領域における吸収極大が630nmから750nmの間のシアン色素を形成するシアンカプラーであり、例えば特開平4−444号明細書第8頁〜第26頁に記載されたものをいう。
【0060】
本発明に係るイエローカラードシアンカプラーとしては下記一般式(6)〜(8)で示され、芳香族第1級アミン現像主薬酸化体とのカップリング反応により、水溶性の6−ヒドロキシ−2−ピリジン−5−イルアゾ基、水溶性のピラゾリドン−4−イルアゾ基、水溶性の2−アシルアミノフェニルアゾ基又は水溶性の2−スルホンアミドフェニルアゾ基を含む化合物残基を放出可能なシアンカプラーが好ましい。
【0061】
【化18】
【0062】
一般式(6)〜(8)においてCpはシアンカプラー残基(Timeはそのカップリング位に結合している)を、Timeはタイミング基を、kは0又は1の整数を、XはN、O又はSを含みそれらにより(Time)kと結合しAとを結合する2価の連結基を表わし、Aはアリーレン基又は2価の複素環を表わす。
【0063】
一般式(6)において、R11及びR12は独立に水素原子、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、複素環基、カルバモイル基、スルファモイル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基又はアルキルスルホニル基、R13は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基をそれぞれ表わす。ただしTime、X、A、R11、R12又はR13のうち少なくとも一つは水溶性基(例えばヒドロキシル、カルボキシル、スルホ、アミノ、アンモニウミル、ホスホノ、ホスフィノ、ヒドロキシスルホニルオキシ)を含むものとする。
【0064】
一般式(7)においてR14はアシル基又はスルホニル基を、R15は置換可能な基を、jは0〜4の整数を表わす。jが2以上の整数のときR15は同じであっても異なってもよい。但しTime、X、A、R14又はR15のうち少なくとも一つは水溶性基(例えばヒドロキシル、カルボキシル、スルホ、ホスホノ、ホスフィノ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アミノ、アンモニウミル)を含むものとする。
【0065】
一般式(8)においてR16は水素原子、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、複素環基、カルバモイル基、スルファモイル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、またはアルキルスルホニルを、R17は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基をそれぞれ表わす。但しTime、X、A、R16のうち少なくとも一つは水溶性基(例えばヒドロキシル、カルバモイル、スルホ、ホスホノ、ホスフィノ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アミノ、アンモニウミル)を含むものとする。又、ZはO又はNHを表わす。
【0066】
次にイエローカラードシアンカプラーの具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0067】
【化19】
【0068】
【化20】
【0069】
【化21】
【0070】
【化22】
【0071】
【化23】
【0072】
【化24】
【0073】
【化25】
【0074】
これらイエローカラードシアンカプラーは、特公昭61−52827号、米国特許第3,763,170号、同4,004,929号、特開昭61−72244号、同61−273543号、特開平4−444号、同4−151655号等に記載の方法を参照して合成することができる。
【0075】
本発明に係るイエローカラードシアンカプラーは任意の層に添加できるが、感光性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層に添加するのが好ましい。添加量としては、添加層中のハロゲン化銀1モル当たり、0.001〜0.1モル程度、好ましくは0.002〜0.05モル、更には0.005〜0.03モルである。
【0076】
本発明において、カラードカプラーを含有する撮影用白黒画像形成ハロゲン化銀感光材料には2つの方式がある。
【0077】
その一つは、カラードカプラーを含有し、白黒現像によって銀画像を形成するものである。従って、発色現像によって色素画像を形成する無色カプラーを含有する必要はなく、旧来の白黒ハロゲン化銀感光材料に少なくともカラードカプラーが添加されたものである。このタイプのものは、撮影後、白黒現像処理(白黒現像−停止−定着−水洗)したのち、ネガ−ポジ方式のカラーネガと混在したまま自動カラープリンターによってカラー印画紙にプリントすることができ、簡便に白黒プリントを得ることができる。
【0078】
他の一つは、カラードカプラーを含有し、発色現像によって白黒の色素画像を形成するものである。白黒の色素画像を形成するには、人間の可視域の分光吸収帯を有するカプラーによって白黒の色素画像を形成するものであり、発色現像主薬の酸化体とのカップリング反応により黒色色素を形成する所謂ブラックカプラーを用いるものがある。また通常のイエロー、マゼンタ、シアンカプラーを有するハロゲン化銀多層カラー感光材料において、どの層のカプラーに対しても同一層中のハロゲン化銀の分光感度分布が可視域すべてを網羅するように設定することによってもできる。更には、イエロー、マゼンタ、シアンカプラーを混合し、ハロゲン化銀の分光感度分布が可視域すべてを網羅するように設定して少ない層構成で白黒の色素画像を形成することもできる。
【0079】
本発明において、無色カプラーとは前記カラードカプラーに対比して定義されるものであり、未反応のものは実質的に色相をもたず、発色現像によってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の色素画像を形成するイエローカプラー、マゼンタカプラー、シアンカプラー、ブラックカプラー等が含まれる。具体的にはリサーチ・ディスクロージャー(RD)に記載の下記のものが挙げられる。
【0080】
本発明において黒色色素画像形成型カプラーとは、所謂ブラックカプラーとも呼ばれる、発色現像主薬の酸化体とのカップリングによって黒色色素画像を形成するものである。黒色色素画像形成型カプラーとしては、特開昭52−42725号、特公昭57−49891号、同58−9938,58−10737号等に示されるm−アミノフェノール化合物、特公昭57−49892号,同59−46378号に示されるピラゾロン化合物、特公昭63−59126号に示されるレゾルシン化合物、特公平3−369号に示されるレゾルシノール化合物、特開昭55−149943号に示されるヒドロキシナフタレン化合物等があり、これらのいずれも利用することができる。
【0081】
特に好ましい黒色色素画像形成型カプラーは、m−アミノフェノール化合物であり、特公昭57−49891号の例示化合物(1)から(82)のものが有用である。
【0082】
また本発明においては、ブラックカプラーによって、或いはイエロー、マゼンタ、シアンカプラーの混合によって白黒画像を得るほかに、レッド(赤発色)カプラーとブルー(青発色)カプラーの混合によって白黒画像を得ることもできる。レッドカプラーの具体例としては、活性メチレン基にシアノ基が結合したケトメチン型カプラーがあり、ブルーカプラーの具体例としては、6位にトリフロロメチル基、スルホニルメチル基のような電子吸引基を有するピラゾロアゾール型カプラーがある。
【0083】
本発明の感光材料は現像所に負荷をかけることなく一般のネガ−ポジ方式のカラー写真システムで所謂白黒写真を得られるため、装填ミス等の心配の無い、誰でも気軽に撮影を楽しめる前述のコニカ(株)の“撮りっきりコニカ白黒”の様な撮影ユニット(図1に1例を示す。)で市場に供することを容易ならしめ、白黒写真の普及に大いに貢献するものである。特に、コニカ(株)社製撮影用ハロゲン化銀カラー感光材料である、コニカLVシリーズ(LV100,LV200,LV400)と同じプリントレベル設定が可能なようにオレンジ着色することによって、本発明のハロゲン化銀感光材料はカラー現像処理に適合するだけでなく、プリント工程でも一般のカラーネガフィルムと区別することなく共通にプリント処理が行えるメリットを有するものである。
【0084】
本発明の感光材料に用いるハロゲン化銀乳剤としては、RD308119に記載されているものを挙げることができる。以下に記載箇所を示す。
【0085】
本発明において、ハロゲン化銀乳剤は、物理熟成、化学熟成及び分光増感を行ったものを使用する。このらの工程で使用される添加剤は、RD17643、18716及び308119に記載されており、以下に記載箇所を示す。
【0086】
本発明に使用できる公知の写真用添加剤も上記RDに記載されている。以下に関連のある記載箇所を示す。
【0087】
(感材中に含有)
添加剤は、RD308119XIVに記載されている分散法等により、添加することができる。また本発明の感光材料には、RD308119VII−K項に記載されているフィルタ層や中間層等の補助層を設けたり、順層、逆層、ユニット構成等の様々な層・構成をとることができる。
【0088】
本発明の感光材料はRD17643 28〜29頁、RD18716 647頁及びRD308119のXIXに記載された通常の方法によって、現像処理することができる。
【0089】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、以下においては特に断りのない限り、塗布量はg/m2で、ハロゲン化銀は金属銀に換算して、増感色素はハロゲン化銀1モル当たりのモル数で示す。
【0090】
実施例1
下引き層を有する厚さ122μmの透明トリアセチルセルロース支持体上に、下記写真構成層を設けてハロゲン化銀感光材料試料−101を作製した。
【0091】
次に、感光性層中に下記染料を水中油滴型分散液として添加する以外は試料−101と同様にして試料−102を作製した。
【0092】
【0093】
【化26】
【0094】
【化27】
【0095】
【化28】
【0096】
【化29】
【0097】
試料−101、102をそれぞれ、一般的な写真フォーマットである135サイズ規格に裁断、穿孔し、パトローネに収納してコニカ(株)製カメラ;ビッグミニにて屋外ポートレート撮影をおこなった。
【0098】
撮影済みの前記試料を以下の処理にて現像し、乾燥して白黒ネガ画像を有するフィルム試料−101,102を得た。
【0099】
コニカドールDP(コニカ(株)製) 26℃ 3.5分
停止(1.5%酢酸水溶液) 26℃ 30秒
コニカフィックスラピッド(コニカ(株)製) 26℃ 3分
水洗 15℃ 20分
市中現像所で、一般ネガ−ポジ方式カラー写真の工程において、各社カラーネガフィルム用にプリントレベルがセットアップされているコニカ(株)製カラープリンター;KCP−5N3IIにより、フィルム試料−101,102を用いて、コニカ(株)製カラー印画紙;QAペーパータイプA6にプリントした。試料−102はコニカ(株)製カラーネガフィルムLVシリーズとほぼ同等のプリントレベルを有しているので、1回のプリント操作で満足できる白黒プリントが得られた。試料−101はプリント条件の試行錯誤を繰り返してようやく白黒プリントが得られた。本発明が有効であることがわかる。
【0100】
実施例2
下引き層を有する厚さ122μmの透明トリアセチルセルロース支持体上に、下記写真構成層を設けてハロゲン化銀感光材料試料−201を作製した。
【0101】
次に、感光性層中に下記カラードカプラー分散液を添加する以外は試料−201と同様にして試料−202を作製した。
【0102】
【0103】
【化30】
【0104】
試料−201、202をそれぞれ、一般的な写真フォーマットである135サイズ規格に裁断、穿孔し、パトローネに収納して前記カメラにて屋外ポートレート撮影をおこなった。
【0105】
撮影済みの前記試料を同様に現像処理し、乾燥して白黒ネガ画像を有するフィルム試料−201、202を得た。
【0106】
市中現像所で、一般ネガ−ポジ方式カラー写真の工程において、各社カラーネガフィルム用にプリントレベルがセットアップされている前記カラープリンターにより、フィルム試料−201、202を用いて、カラー印画紙(同前)にプリントした。試料−202はコニカ(株)製カラーネガフィルムLVシリーズとほぼ同等のプリントレベルを有しているので、1回のプリント操作で満足できる白黒プリントが得られた。試料−201は、プリント条件の試行錯誤を繰り返してようやく白黒プリントが得られた。本発明が有効であることがわかる。
【0107】
実施例3
実施例−2と同様にして、ハロゲン化銀感光材料試料−301を作製した。
【0108】
【0109】
【化31】
【0110】
次に、感光性層中に下記カラードカプラー分散液を添加する以外は試料−301と同様にして試料−302を作製した。
【0111】
試料−301,302について、実施例−1と同様にして屋外ポートレート撮影をおこなった。
【0112】
撮影済みの前記試料をコニカ(株)製カラーネガフィルム用現像処理CNK−4−J1にて現像処理し、乾燥して白黒ネガ画像を有するフィルム試料−301,302を得た。
【0113】
実施例1と同様に白黒プリントを得る工程を調べた結果、本発明の試料−302は一般の市中現像所における一般ネガ−ポジ方式カラー写真の工程に適合し、現像所の作業工程になんら負荷を与えることなく白黒プリントが得られることがわかった。
【0114】
実施例4
実施例3と同様にして、ハロゲン化銀感光材料試料−401を作製した。
【0115】
【0116】
【化32】
【0117】
次に、感光性層中にカラードカプラーYCM−2 0.20g/m2、MCC−2 0.11g/m2及びYCC−6 0.04g/m2を添加する以外は試料−401と同様にして試料−402を作製した。
【0118】
試料−401,402について、実施例1と同様にして屋外ポートレート撮影、カラー現像処理、カラープリンターによる白黒プリントを行なった結果、本発明の試料−402は、一般の市中現像所における一般ネガ−ポジ方式カラー写真の工程に適合し、現像所の作業工程になんら負荷を与えることなく白黒プリントが得られることがわかった。
【0119】
実施例5
実施例4の試料−402のイエロー、マゼンタ、シアンカプラーの代わりに、下記赤発色カプラー1.85g/m2、青発色カプラー1.68g/m2を用いる以外は同様にして試料−502を作製し、同様の評価を行なった結果、ネガ−ポジ方式カラー写真の工程に適合した白黒プリントが得られることがわかった。
【0120】
【化33】
【0121】
【発明の効果】
本発明によれば、ネガ−ポジ方式のカラー写真システムの現像処理に適合し、かつ印画紙へのプリントも容易な撮影用白黒画像形成ハロゲン化銀感光材料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撮影ユニットの構造の1例を示す図。
【符号の説明】
1 撮影用レンズ
2 ファインダ
3 レリーズボタン
4 カートン
5 レンズマウント
6 ストロボ充電パイロットランプ
7 フィルムカウンタ窓
8 フィルム巻上ノブ
【発明の属する技術分野】
本発明はネガ−ポジ方式のカラー写真システムの現像処理に適合する白黒画像形成ハロゲン化銀感光材料及びそれを用いる撮影ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に広く普及している写真システムは、撮影用ハロゲン化銀カラー感光材料(カラーネガフィルム)をカメラに装填して撮影し、現像して得られた所謂カラーネガからカラー印画紙にプリントしてポジカラープリントを得るもの(ネガ−ポジ方式)である。一方、反転処理型の撮影用ハロゲン化銀カラー感光材料(カラーリバーサルフィルム)は撮影後、反転現像するだけでポジ像が得られるので、そのまま或いはスライドプロジェクターによって観賞したり、またポジカラープリントにすること(ポジ−ポジ方式)もできるが、撮影ラチチュードが狭いので気軽な撮影には不向きであることや、ポジカラープリントが高価であること等から前記ネガ−ポジ方式を陵駕するに至っていない。更に最近は、未露光のカラーネガフィルムを撮影可能な状態に包装した撮影ユニット、所謂レンズ付フィルムの登場によって撮影の機会が更に増大し、ネガ−ポジ方式をゆるぎないものにしている。
【0003】
かかるカラー写真システムの普及のなかで、撮影用白黒ハロゲン化銀感光材料が静かなブームを引き起こしている。カラー写真が氾濫するなかで、白黒画像はかえって新鮮に感じ、又その独特の描写が神秘的に感じられることによると推定される。撮影用白黒ハロゲン化銀感光材料はプロからアドバンストアマチュアが主なユーザーであったが、1995年4月に発売されたコニカ(株)の“撮りっきりコニカ白黒”によって誰でも容易に白黒ハロゲン化銀感光材料による撮影が楽しめるようになった。予想外の評判に写真業界も注目せざるを得ない状況になっている。
【0004】
しかしながら撮影用白黒ハロゲン化銀感光材料は、広く普及しているネガ−ポジ方式のカラー写真システムの現像処理とは大きく異なるために、市中の現像所では白黒ハロゲン化銀感光材料を選別して取り扱う煩雑さがあったり、また白黒ハロゲン化銀感光材料のための新たな現像処理工程を設置する負荷があったりして問題がある。
【0005】
これに対して、広く普及しているネガ−ポジ方式のカラー写真システムの現像処理に適合する撮影用白黒画像形成ハロゲン化銀感光材料が知られており、米国特許第2,592,514号、同4,348,474号、特公昭63−59136号、特開昭61−236550号等にはブラックカプラーを用いた白黒画像形成ハロゲン化銀感光材料が開示されている。
【0006】
また通常のハロゲン化銀カラー感光材料に用いられるイエロー、マゼンタ、シアンカプラーを混合して黒色色素画像を形成する技術については、米国特許第2,181,944号、同2,186,736号、同4,368,255号、同5,141,844号、特開昭57−56838号、同57−58147号、同58−215645号、特開平3−107144号、同6−214357号、同7−199421号、特表平6−505580号等に示されている。しかしながらいずれも、現像処理は共通化できても印画紙へのプリントが煩雑であるという欠点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ネガ−ポジ方式のカラー写真システムの現像処理に適合し、かつ印画紙へのプリントも容易な撮影用白黒画像形成ハロゲン化銀感光材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、
(1) ネガ−ポジ方式のカラー写真システムのネガに供される、ハロゲン化銀感光材料が現像処理され白黒画像を形成した写真材料であって、イエローカラードマゼンタカプラー、マゼンタカラードシアンカプラー、イエローカラードシアンカプラーから選ばれる少なくとも一つのカラードカプラーによりオレンジ着色され、かつ無色カプラーを発色現像し得られたレッド画像及びブルー画像により形成された白黒画像を形成した写真材料、により達成される。
【0009】
即ち本発明者は、撮影用白黒画像形成ハロゲン化銀感光材料をオレンジ着色することによって、或いはより好ましくはカラードカプラーを添加することによって、一般のネガ−ポジ方式のカラー写真システムのプリントレベルとほぼ同等に該感光材料によるプリントレベルを調整することができ、市中の現像所のカラー処理工程に適合させ得ることを見出し本発明に至ったものである。
【0010】
以下、本発明について詳述する。
【0011】
本発明においてオレンジ着色とは、現像処理後の未露光部分がオレンジ色であればよく、該未露光部分が現像処理で消失又は流失しない色素、染料によって着色されていることが必要である。支持体が着色されていても良いし、好ましくは写真構成層中に非流失、非脱色型の色素、染料を含有することがよい。
【0012】
本発明においては白黒ハロゲン化銀感光材料が、非流失、非脱色型の色素、染料として、カラードカプラーを含有することが好ましい。カラードカプラーはカラー写真分野では周知のものであり、未反応の状態でも色相を有し、発色現像主薬とのカップリング反応によってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の色素画像を形成してもよいし、無色になってもよい。一般的には未反応の色相と発色後の色相が異なるものを言う。
【0013】
本発明において好ましいカラードカプラーは、イエローカラードマゼンタカプラー、マゼンタカラードシアンカプラー、イエローカラードシアンカプラーから選ばれる少なくとも一つである。以下に具体的に述べる。
【0014】
本発明においてイエローカラードマゼンタカプラーとは、カプラーの可視吸収領域における吸収極大を400nmから500nmの間に有し、かつ芳香族第1級アミン現像主薬酸化体とカップリングして可視吸収領域における吸収極大が510nmから580nmの間のマゼンタ色素を形成するマゼンタカプラーを言う。
【0015】
本発明に係るイエローカラードマゼンタカプラーは下記一般式(1)で表されるものが好ましい。
【0016】
一般式(1) CP−N=N−R1
〔式中、CPはアゾ基が活性部位に結合しているマゼンタカプラー残基を表し、R1は置換又は非置換のアリール基を表す。〕
CPで表されるマゼンタカプラー残基としては、5−ピラゾロンマゼンタカプラー及びピラゾロトリアゾール系マゼンタカプラーから導かれるカプラー残基が好ましく、特に好ましくは下記一般式(2)で表される残基である。
【0017】
【化1】
【0018】
〔式中、R2は置換又は非置換のアリール基を表し、R3はアシルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基又はカルバモイル基を表し、これらは置換基を有してもよい。〕
R2で表されるアリール基として好ましくはフェニル基である。アリール基の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(メチル基、エチル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等)、アシルアミノ基(ベンズアミド基、α−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチルアミド基等)、スルホニルアミノ基(ベンゼンスルホンアミド基、n−ヘキサデカンスルホンアミド基等)、スルファモイル基(メチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基等)、カルバモイル基(n−ブチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基等)、スルホニル基(メチルスルホニル基、n−ドデシルスルホニル基、ベンゼンスルホニル基等)、アシルオキシ基、エステル基、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0019】
R2の具体例としては、フェニル、2,4,6−トリクロルフェニル、ペンタクロルフェニル、ペンタフルオロフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−クロル−4,6−ジメチルフェニル、2,6−ジクロル−4−メチルフェニル、2,4−ジクロル−6−メチルフェニル、2,4−ジクロル−6−メトキシフェニル、2,6−ジクロル−4−メトキシフェニル、2,6−ジクロル−4−〔α−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)アセトアミド〕フェニル等の各基が挙げられる。
【0020】
R3で表されるアシルアミノ基としては、ピバロイルアミノ、n−テトラデカンアミド、α−(3−ペンタデシルフェノキシ)ブチルアミド、3−〔α−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)アセトアミド〕ベンズアミド、ベンズアミド、3−アセトアミドベンズアミド、3−(3−n−ドデシルサクシンイミド)ベンズアミド、3−(4−n−ドデシルオキシベンゼンスルホンアミド)ベンズアミド等の基が挙げられる。
【0021】
R3で表されるアニリノ基としては、アニリノ、2−クロルアニリノ、2,4−ジクロルアニリノ、2,4−ジクロル−5−メトキシアニリノ、4−シアノアニリノ、2−クロル−5−〔α−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチルアミド〕アニリノ、2−クロル−5−(3−オクタデセニルサクシンイミド)アニリノ、2−クロル−5−n−テトラデカンアミドアニリノ、2−クロル−5−〔α−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)テトラデカンアミド〕アニリノ、2−クロル−5−n−ヘキサデカンスルホンアミドアニリノ等の基が挙げられる。
【0022】
R3で表されるウレイド基としては、メチルウレイド、フェニルウレイド、3−〔α−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニルウレイド等の基が挙げられる。
【0023】
R3で表されるカルバモイル基としては、n−テトラデシルカルバモイル、フェニルカルバモイル、3−〔α−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)アセトアミド〕フェニルカルバモイル等の基が挙げられる。
【0024】
R1で表されるアリール基としては、フェニル基又はナフチル基が好ましい。
【0025】
R1で表されるアリール基の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基等が挙げられ、特に好ましい置換基はアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基である。
【0026】
以下に一般式(1)で表されるイエローカラードマゼンタカプラーの具体例を挙げるがこれらに限定されるものではない。
【0027】
【化2】
【0028】
【化3】
【0029】
【化4】
【0030】
【化5】
【0031】
【化6】
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】
これらのイエローカラードマゼンタカプラーは、特開昭49−123625号、同49−131448号、同52−42121号、同52−102723号、同54−52532号、同58−172647号、米国特許第2,763,552号、同2,801,171号、同3,519,429号等に記載の方法を参照して合成することができる。
【0036】
本発明に係るイエローカラードマゼンタカプラーは任意の層に添加できるが、感光性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層に添加されるのが好ましく、添加量は、添加層のハロゲン化銀1モル当たり0.001〜0.1モル程度、好ましくは0.005〜0.05モル、更には0.01〜0.03である。
【0037】
本発明においてマゼンタカラードシアンカプラーとは、カプラーの可視吸収領域における吸収極大を500nmから600nmの間に有し、かつ芳香族第1級アミン現像主薬酸化体とカップリングして可視吸収領域における吸収極大が630nmから750nmの間のシアン色素を形成するシアンカプラーを言う。
【0038】
本発明に係るマゼンタカラードシアンカプラーは下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
【0039】
【化10】
【0040】
〔式中、COUPはシアンカプラー残基を表し、Jは2価の連結基を、mは0又は1を、R5はアリール基を表す。〕
COUPで表されるシアンカプラー残基としては、フェノール型カプラー残基並びにナフトール型カプラー残基が挙げられ、好ましくはナフトール型カプラー残基である。
【0041】
Jで表される2価の連結基としては、下記一般式(4)で表されるものが好ましい。
【0042】
【化11】
【0043】
R6は炭素数1〜4のアルキレン基又はアリーレン基を表し、R7は炭素数1〜4のアルキレン基を表し、R6及びR7のアルキレン基は、アルキル基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、スルホ基により置換されてもよい。
【0044】
Zは−C(R9)(R10)−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−SO2NH−、−CONH−、−COO−、−NHCO−、−NHSO2−、−OCO−を表し、R9、R10は各々アルキル基、アリール基を表す。
【0045】
R8はアルキル基、アリール基、複素環基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、スルホニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲン原子、カルボンアミド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基又はスルファモイル基を表す。
【0046】
pは0又は正の整数を表し、qは0又は1を表し、rは1〜4の整数を表す。pが2以上の時、R6及びZは同じであっても異なってもよい。rが2以上の時、R8は同じであっても異なってもよい。
【0047】
R5で表されるアリール基は、m=0の時はフェニル基並びにナフチル基が好ましい。このフェニル基及びナフチル基は置換基を有してもよく、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基等を置換基として挙げることができる。
【0048】
l=1の時、R5で表されるアリール基は下記一般式(5)で表されるナフトール基が好ましい。
【0049】
【化12】
【0050】
式中、R11は炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル等の各基)を表し、Mは写真的に不活性なカチオンで、例えば水素原子、ナトリウム原子やカリウム原子の様なアルカリ金属のカチオン、アンモニウム、メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、エタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、ピリジニウム、ピペリジウム、アニリニウム、トルイジニウム、p−ニトロアニリニウム、アニンジウム等を表す。
【0051】
以下に一般式(3)で表されるマゼンタカラードシアンカプラーの具体例を示すがこれらに限定されるものではない。
【0052】
【化13】
【0053】
【化14】
【0054】
【化15】
【0055】
【化16】
【0056】
【化17】
【0057】
これらの化合物は、特開昭50−123341号、同55−65957号、同56−94347号、特公昭42−11304号、同44−32461号、同48−17899号、同53−34733号、米国特許第3,034,892号、英国特許第1,084,480号等に記載の方法を参照して合成することができる。
【0058】
本発明に係るマゼンタカラードシアンカプラーは任意の層に添加できるが、感光性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層に添加するのが好ましい。添加量としては、添加層中のハロゲン化銀1モル当たり、0.001〜0.1モル程度、好ましくは0.002〜0.05モル、更には0.005〜0.03モルである。
【0059】
本発明において、イエローカラードシアンカプラーとは、カプラーの可視吸収領域における吸収極大を400nmから500nmの間に有し、かつ芳香族第1級アミン現像主薬酸化体とカップリングして可視吸収領域における吸収極大が630nmから750nmの間のシアン色素を形成するシアンカプラーであり、例えば特開平4−444号明細書第8頁〜第26頁に記載されたものをいう。
【0060】
本発明に係るイエローカラードシアンカプラーとしては下記一般式(6)〜(8)で示され、芳香族第1級アミン現像主薬酸化体とのカップリング反応により、水溶性の6−ヒドロキシ−2−ピリジン−5−イルアゾ基、水溶性のピラゾリドン−4−イルアゾ基、水溶性の2−アシルアミノフェニルアゾ基又は水溶性の2−スルホンアミドフェニルアゾ基を含む化合物残基を放出可能なシアンカプラーが好ましい。
【0061】
【化18】
【0062】
一般式(6)〜(8)においてCpはシアンカプラー残基(Timeはそのカップリング位に結合している)を、Timeはタイミング基を、kは0又は1の整数を、XはN、O又はSを含みそれらにより(Time)kと結合しAとを結合する2価の連結基を表わし、Aはアリーレン基又は2価の複素環を表わす。
【0063】
一般式(6)において、R11及びR12は独立に水素原子、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、複素環基、カルバモイル基、スルファモイル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基又はアルキルスルホニル基、R13は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基をそれぞれ表わす。ただしTime、X、A、R11、R12又はR13のうち少なくとも一つは水溶性基(例えばヒドロキシル、カルボキシル、スルホ、アミノ、アンモニウミル、ホスホノ、ホスフィノ、ヒドロキシスルホニルオキシ)を含むものとする。
【0064】
一般式(7)においてR14はアシル基又はスルホニル基を、R15は置換可能な基を、jは0〜4の整数を表わす。jが2以上の整数のときR15は同じであっても異なってもよい。但しTime、X、A、R14又はR15のうち少なくとも一つは水溶性基(例えばヒドロキシル、カルボキシル、スルホ、ホスホノ、ホスフィノ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アミノ、アンモニウミル)を含むものとする。
【0065】
一般式(8)においてR16は水素原子、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、複素環基、カルバモイル基、スルファモイル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、またはアルキルスルホニルを、R17は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基をそれぞれ表わす。但しTime、X、A、R16のうち少なくとも一つは水溶性基(例えばヒドロキシル、カルバモイル、スルホ、ホスホノ、ホスフィノ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アミノ、アンモニウミル)を含むものとする。又、ZはO又はNHを表わす。
【0066】
次にイエローカラードシアンカプラーの具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0067】
【化19】
【0068】
【化20】
【0069】
【化21】
【0070】
【化22】
【0071】
【化23】
【0072】
【化24】
【0073】
【化25】
【0074】
これらイエローカラードシアンカプラーは、特公昭61−52827号、米国特許第3,763,170号、同4,004,929号、特開昭61−72244号、同61−273543号、特開平4−444号、同4−151655号等に記載の方法を参照して合成することができる。
【0075】
本発明に係るイエローカラードシアンカプラーは任意の層に添加できるが、感光性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層に添加するのが好ましい。添加量としては、添加層中のハロゲン化銀1モル当たり、0.001〜0.1モル程度、好ましくは0.002〜0.05モル、更には0.005〜0.03モルである。
【0076】
本発明において、カラードカプラーを含有する撮影用白黒画像形成ハロゲン化銀感光材料には2つの方式がある。
【0077】
その一つは、カラードカプラーを含有し、白黒現像によって銀画像を形成するものである。従って、発色現像によって色素画像を形成する無色カプラーを含有する必要はなく、旧来の白黒ハロゲン化銀感光材料に少なくともカラードカプラーが添加されたものである。このタイプのものは、撮影後、白黒現像処理(白黒現像−停止−定着−水洗)したのち、ネガ−ポジ方式のカラーネガと混在したまま自動カラープリンターによってカラー印画紙にプリントすることができ、簡便に白黒プリントを得ることができる。
【0078】
他の一つは、カラードカプラーを含有し、発色現像によって白黒の色素画像を形成するものである。白黒の色素画像を形成するには、人間の可視域の分光吸収帯を有するカプラーによって白黒の色素画像を形成するものであり、発色現像主薬の酸化体とのカップリング反応により黒色色素を形成する所謂ブラックカプラーを用いるものがある。また通常のイエロー、マゼンタ、シアンカプラーを有するハロゲン化銀多層カラー感光材料において、どの層のカプラーに対しても同一層中のハロゲン化銀の分光感度分布が可視域すべてを網羅するように設定することによってもできる。更には、イエロー、マゼンタ、シアンカプラーを混合し、ハロゲン化銀の分光感度分布が可視域すべてを網羅するように設定して少ない層構成で白黒の色素画像を形成することもできる。
【0079】
本発明において、無色カプラーとは前記カラードカプラーに対比して定義されるものであり、未反応のものは実質的に色相をもたず、発色現像によってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の色素画像を形成するイエローカプラー、マゼンタカプラー、シアンカプラー、ブラックカプラー等が含まれる。具体的にはリサーチ・ディスクロージャー(RD)に記載の下記のものが挙げられる。
【0080】
本発明において黒色色素画像形成型カプラーとは、所謂ブラックカプラーとも呼ばれる、発色現像主薬の酸化体とのカップリングによって黒色色素画像を形成するものである。黒色色素画像形成型カプラーとしては、特開昭52−42725号、特公昭57−49891号、同58−9938,58−10737号等に示されるm−アミノフェノール化合物、特公昭57−49892号,同59−46378号に示されるピラゾロン化合物、特公昭63−59126号に示されるレゾルシン化合物、特公平3−369号に示されるレゾルシノール化合物、特開昭55−149943号に示されるヒドロキシナフタレン化合物等があり、これらのいずれも利用することができる。
【0081】
特に好ましい黒色色素画像形成型カプラーは、m−アミノフェノール化合物であり、特公昭57−49891号の例示化合物(1)から(82)のものが有用である。
【0082】
また本発明においては、ブラックカプラーによって、或いはイエロー、マゼンタ、シアンカプラーの混合によって白黒画像を得るほかに、レッド(赤発色)カプラーとブルー(青発色)カプラーの混合によって白黒画像を得ることもできる。レッドカプラーの具体例としては、活性メチレン基にシアノ基が結合したケトメチン型カプラーがあり、ブルーカプラーの具体例としては、6位にトリフロロメチル基、スルホニルメチル基のような電子吸引基を有するピラゾロアゾール型カプラーがある。
【0083】
本発明の感光材料は現像所に負荷をかけることなく一般のネガ−ポジ方式のカラー写真システムで所謂白黒写真を得られるため、装填ミス等の心配の無い、誰でも気軽に撮影を楽しめる前述のコニカ(株)の“撮りっきりコニカ白黒”の様な撮影ユニット(図1に1例を示す。)で市場に供することを容易ならしめ、白黒写真の普及に大いに貢献するものである。特に、コニカ(株)社製撮影用ハロゲン化銀カラー感光材料である、コニカLVシリーズ(LV100,LV200,LV400)と同じプリントレベル設定が可能なようにオレンジ着色することによって、本発明のハロゲン化銀感光材料はカラー現像処理に適合するだけでなく、プリント工程でも一般のカラーネガフィルムと区別することなく共通にプリント処理が行えるメリットを有するものである。
【0084】
本発明の感光材料に用いるハロゲン化銀乳剤としては、RD308119に記載されているものを挙げることができる。以下に記載箇所を示す。
【0085】
本発明において、ハロゲン化銀乳剤は、物理熟成、化学熟成及び分光増感を行ったものを使用する。このらの工程で使用される添加剤は、RD17643、18716及び308119に記載されており、以下に記載箇所を示す。
【0086】
本発明に使用できる公知の写真用添加剤も上記RDに記載されている。以下に関連のある記載箇所を示す。
【0087】
(感材中に含有)
添加剤は、RD308119XIVに記載されている分散法等により、添加することができる。また本発明の感光材料には、RD308119VII−K項に記載されているフィルタ層や中間層等の補助層を設けたり、順層、逆層、ユニット構成等の様々な層・構成をとることができる。
【0088】
本発明の感光材料はRD17643 28〜29頁、RD18716 647頁及びRD308119のXIXに記載された通常の方法によって、現像処理することができる。
【0089】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、以下においては特に断りのない限り、塗布量はg/m2で、ハロゲン化銀は金属銀に換算して、増感色素はハロゲン化銀1モル当たりのモル数で示す。
【0090】
実施例1
下引き層を有する厚さ122μmの透明トリアセチルセルロース支持体上に、下記写真構成層を設けてハロゲン化銀感光材料試料−101を作製した。
【0091】
次に、感光性層中に下記染料を水中油滴型分散液として添加する以外は試料−101と同様にして試料−102を作製した。
【0092】
【0093】
【化26】
【0094】
【化27】
【0095】
【化28】
【0096】
【化29】
【0097】
試料−101、102をそれぞれ、一般的な写真フォーマットである135サイズ規格に裁断、穿孔し、パトローネに収納してコニカ(株)製カメラ;ビッグミニにて屋外ポートレート撮影をおこなった。
【0098】
撮影済みの前記試料を以下の処理にて現像し、乾燥して白黒ネガ画像を有するフィルム試料−101,102を得た。
【0099】
コニカドールDP(コニカ(株)製) 26℃ 3.5分
停止(1.5%酢酸水溶液) 26℃ 30秒
コニカフィックスラピッド(コニカ(株)製) 26℃ 3分
水洗 15℃ 20分
市中現像所で、一般ネガ−ポジ方式カラー写真の工程において、各社カラーネガフィルム用にプリントレベルがセットアップされているコニカ(株)製カラープリンター;KCP−5N3IIにより、フィルム試料−101,102を用いて、コニカ(株)製カラー印画紙;QAペーパータイプA6にプリントした。試料−102はコニカ(株)製カラーネガフィルムLVシリーズとほぼ同等のプリントレベルを有しているので、1回のプリント操作で満足できる白黒プリントが得られた。試料−101はプリント条件の試行錯誤を繰り返してようやく白黒プリントが得られた。本発明が有効であることがわかる。
【0100】
実施例2
下引き層を有する厚さ122μmの透明トリアセチルセルロース支持体上に、下記写真構成層を設けてハロゲン化銀感光材料試料−201を作製した。
【0101】
次に、感光性層中に下記カラードカプラー分散液を添加する以外は試料−201と同様にして試料−202を作製した。
【0102】
【0103】
【化30】
【0104】
試料−201、202をそれぞれ、一般的な写真フォーマットである135サイズ規格に裁断、穿孔し、パトローネに収納して前記カメラにて屋外ポートレート撮影をおこなった。
【0105】
撮影済みの前記試料を同様に現像処理し、乾燥して白黒ネガ画像を有するフィルム試料−201、202を得た。
【0106】
市中現像所で、一般ネガ−ポジ方式カラー写真の工程において、各社カラーネガフィルム用にプリントレベルがセットアップされている前記カラープリンターにより、フィルム試料−201、202を用いて、カラー印画紙(同前)にプリントした。試料−202はコニカ(株)製カラーネガフィルムLVシリーズとほぼ同等のプリントレベルを有しているので、1回のプリント操作で満足できる白黒プリントが得られた。試料−201は、プリント条件の試行錯誤を繰り返してようやく白黒プリントが得られた。本発明が有効であることがわかる。
【0107】
実施例3
実施例−2と同様にして、ハロゲン化銀感光材料試料−301を作製した。
【0108】
【0109】
【化31】
【0110】
次に、感光性層中に下記カラードカプラー分散液を添加する以外は試料−301と同様にして試料−302を作製した。
【0111】
試料−301,302について、実施例−1と同様にして屋外ポートレート撮影をおこなった。
【0112】
撮影済みの前記試料をコニカ(株)製カラーネガフィルム用現像処理CNK−4−J1にて現像処理し、乾燥して白黒ネガ画像を有するフィルム試料−301,302を得た。
【0113】
実施例1と同様に白黒プリントを得る工程を調べた結果、本発明の試料−302は一般の市中現像所における一般ネガ−ポジ方式カラー写真の工程に適合し、現像所の作業工程になんら負荷を与えることなく白黒プリントが得られることがわかった。
【0114】
実施例4
実施例3と同様にして、ハロゲン化銀感光材料試料−401を作製した。
【0115】
【0116】
【化32】
【0117】
次に、感光性層中にカラードカプラーYCM−2 0.20g/m2、MCC−2 0.11g/m2及びYCC−6 0.04g/m2を添加する以外は試料−401と同様にして試料−402を作製した。
【0118】
試料−401,402について、実施例1と同様にして屋外ポートレート撮影、カラー現像処理、カラープリンターによる白黒プリントを行なった結果、本発明の試料−402は、一般の市中現像所における一般ネガ−ポジ方式カラー写真の工程に適合し、現像所の作業工程になんら負荷を与えることなく白黒プリントが得られることがわかった。
【0119】
実施例5
実施例4の試料−402のイエロー、マゼンタ、シアンカプラーの代わりに、下記赤発色カプラー1.85g/m2、青発色カプラー1.68g/m2を用いる以外は同様にして試料−502を作製し、同様の評価を行なった結果、ネガ−ポジ方式カラー写真の工程に適合した白黒プリントが得られることがわかった。
【0120】
【化33】
【0121】
【発明の効果】
本発明によれば、ネガ−ポジ方式のカラー写真システムの現像処理に適合し、かつ印画紙へのプリントも容易な撮影用白黒画像形成ハロゲン化銀感光材料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撮影ユニットの構造の1例を示す図。
【符号の説明】
1 撮影用レンズ
2 ファインダ
3 レリーズボタン
4 カートン
5 レンズマウント
6 ストロボ充電パイロットランプ
7 フィルムカウンタ窓
8 フィルム巻上ノブ
Claims (1)
- ネガ−ポジ方式のカラー写真システムのネガに供される、ハロゲン化銀感光材料が現像処理され白黒画像を形成した写真材料であって、イエローカラードマゼンタカプラー、マゼンタカラードシアンカプラー、イエローカラードシアンカプラーから選ばれる少なくとも一つのカラードカプラーによりオレンジ着色され、かつ無色カプラーを発色現像し得られたレッド画像及びブルー画像により形成された白黒画像を形成した写真材料。
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