JP3594823B2 - Al合金押出形材の加工方法 - Google Patents

Al合金押出形材の加工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、Al合金押出形材の加工方法に関し、特に、スペースフレーム構造のAl製車体構造を構成するサイドメンバ−等のエネルギー吸収特性に優れたAl合金押出形材を製造する際に用いて好適なAl合金押出形材の加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車のサイドメンバ−は、自動車の前方のエンジン部分と、後方のトランク部分において、衝突時にアコ−ディオン状に座屈変形し、これにより衝突時の衝撃エネルギ−を吸収することにより、乗員の安全性を確保する機能を持つ部材である。
このサイドメンバ−としては、車体前方のエンジンルーム下部から後方に向かって延び客室前方フロアの構造部材に接続されるフロントサイドメンバー、客室後方フロアの構造部材から後方に延びトランクルーム下部に達するリヤサイドメンバー等がある。
【0003】
従来のサイドメンバ−は、冷延鋼板にプレス成形加工を施し、スポット溶接等を用いて接合した断面矩形状の筒状部材が用いられている。
ところで、近年、地球の温暖化等の環境問題から、排ガス低減や燃費向上等を目的として自動車の軽量化が強く要請されており、この軽量化の一環として、鋼板や鋼管を用いる代わりに、軽量で、かつ複雑形状の構造物を一体で製造できるAlやTi等の軽金属を主成分とする軽合金押出形材が検討されている。
このような押出形材に適した軽合金としては、現在は主として押出性、機械的性質、および耐食性などのバランスの良いJIS6N01合金などのAl−Mg−Si系Al合金が使用されている。
【0004】
例えば、サイドメンバ−等のスペースフレーム構造のAl製車体構造を構成する部材を製造するには、まず、Al合金を押出成形することにより各種断面形状を有するAl合金押出材とする。次いで、このAl合金押出材に、該Al合金の最高強度が得られる時効条件で時効硬化処理を行い、その後曲げ加工を行う。次いで、溶接等の接合加工を行いAl車体構造用部材とする(A工程)。
また、前記Al合金押出材に曲げ加工を行い、その後該Al合金の最高強度が得られる時効条件で時効硬化処理を行う点以外は上述したA工程と同様としたB工程によりAl車体構造用部材を得ることもできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のAl製車体構造を構成する部材、特に、衝突時にアコ−ディオン状に座屈変形して前後方向から加わるエネルギーを吸収するサイドメンバーにおいては、製造工程中の曲げ加工性が良いと同時に、アコ−ディオン状に座屈変形することで衝突時のエネルギーを充分に吸収し、乗員の被害が最小となるようにする機能も要求される。
【0006】
従来のA工程においては、Al合金押出材に時効硬化処理を行った後に曲げ加工を行っているために、該押出材の曲げ加工時に割れが生じたり、あるいは軸圧縮荷重負荷時に割れが生じる虞があるという問題点がある。
また、従来のB工程においては、Al合金押出材に曲げ加工を行った後に時効硬化処理を行っているために、該押出材の曲げ加工時に断面変形が大きくなる虞があるという問題点がある。
以上により、上述したA工程、B工程のいずれの工程においても、曲げ加工性とエネルギー吸収特性とを両立させることは困難であり、どちらかが犠牲になってしまうという問題点がある。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、曲げ加工性及びエネルギー吸収特性に優れたAl合金押出形材を製造することのできるAl合金押出形材の加工方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために、Al合金押出材の曲げ加工性及びエネルギー吸収特性に及ぼす製造工程の影響を明らかにすべく種々の実験を行った結果、本発明に係る組成のAl合金押出材に、第1の熱処理、曲げ加工、第2の熱処理を順次行うことにより、曲げ加工性及びエネルギー吸収特性に優れたAl合金押出形材が得られることを知見した。
【0009】
本発明は以上の知見に基づくものであり、請求項1記載のAl合金押出形材の加工方法は、Siを0.6〜1.2重量%、Mgを0.5〜1.0重量%、Feを0.1〜0.4重量%、Mnを0.2〜0.6重量%、Tiを0.005〜0.1重量%、Crを0.05〜0.3重量%および/またはZrを0.05〜0.25重量%含有し、残部がAl及び不可避不純物からなるAl合金を押出成形し、得られたAl合金押出材に120〜180℃で1〜24時間保持の亜時効条件で第1の熱処理を行い、次いで、曲げ加工を行い、その後、第1の熱処理以上の温度でかつ、150〜220℃で1〜24時間保持の過時効条件で第2の熱処理を行うことを特徴としている。
【0010】
請求項2記載のAl合金押出形材の加工方法は、請求項1記載のAl合金押出形材の加工方法において、前記Al合金は、Cuを0.4〜0.8重量%含有することを特徴としている。
【0011】
請求項3記載のAl合金押出形材の加工方法は、請求項1または2記載のAl合金押出形材の加工方法において、前記押出材は、断面が多角形状の中空押出材からなることを特徴としている。
【0013】
本発明のAl合金押出形材の加工方法では、Al合金を押出成形し、得られたAl合金押出材に該Al合金の最高強度が得られる時効条件より手前の時効条件で第1の熱処理を行うことにより、この第1の熱処理が施されたAl合金押出材では微細な析出物が発生することで伸びが良くしかも硬すぎることがなく、曲げ加工性に優れたものとなる。次いで、曲げ加工を行うことにより、伸びの値が高く複雑な曲げ形状にも曲げ加工することが可能となる。しかも、時効硬化も進んでいるので、降伏強さも高い。例えば、曲げ加工するAl合金押出材が中空部を有する場合、該中空部の断面変形を小さく抑えることが可能になる。
【0014】
この曲げ加工を行ったAl合金押出材は、エネルギー吸収特性が劣っていることから、前記Al合金の最高強度が得られる時効条件を越えた時効条件で第2の熱処理を行うことにより、この第2の熱処理が施されたAl合金押出材では析出物が粗大化することで、高強度でありながら低強度合金と同様の圧縮荷重時の変形挙動が可能になり、エネルギー吸収特性を高めることが可能になる。
第1及び第2の熱処理の条件は合金組成により変動するが、本発明に係るAl合金の場合、第1の熱処理では、120〜180℃の範囲とし、保持時間を1〜24時間とし、また第2の熱処理では、第1の熱処理以上の温度でかつ、150〜220℃の範囲とし、保持時間を1〜24時間とすればよい。
【0015】
次に、本発明に係るAl合金の組成を限定した理由について説明する。
本発明に係るAl合金は、Siを0.6〜1.2重量%、Mgを0.5〜1.0重量%、Feを0.1〜0.4重量%、Mnを0.2〜0.6重量%、Tiを0.005〜0.1重量%、Crを0.05〜0.3重量%および/またはZrを0.05〜0.25重量%含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有するものである。
また、前記Al合金は、Cuを0.4〜0.8重量%含有することとしてもよい。
【0016】
SiおよびMgは、Al合金中に微細なMgSi化合物として析出して強度を向上させる作用がある。ここで、Siの含有量が0.6重量%未満かつMgの含有量が0.5重量%未満になると、MgSi化合物の析出量が少なくなり、その結果、所望の強度を確保することができなくなる。また、Siの含有量が1.2重量%を越えかつMgの含有量が1.0%を超えると、MgSi化合物の析出量が多くなり、押出加工性および曲げ加工性が低下するとともに、衝突時の変形による割れが発生し易くなる。したがって、Siの含有量を0.6〜1.2重量%、Mgの含有量を0.5〜1.0重量%とした。なお、Siの含有量の望ましい範囲は0.65〜0.95重量%、Mgの含有量の望ましい範囲は0.55〜0.95重量%である。
【0017】
Fe、Mn、Cr、Zrは、Feと、Mnと、Crおよび/またはZrとが共存した状態で微細な金属間化合物を生成し、均質化処理後にこの金属間化合物がAl合金中に分散し、押出加工時の再結晶を著しく抑制するとともに繊維状組織の発達を促進する。この結果、衝突時の変形による割れを発生しにくくする作用がある。
【0018】
ここで、Feの含有量が0.1重量%未満、Mnの含有量が0.2重量%未満、Crの含有量が0.05重量%未満、Zrの含有量が0.05重量%未満になると、その効果が不十分なものとなり、また、Feの含有量が0.4重量%を越え、Mnの含有量が0.6重量%を越え、Crの含有量が0.3重量%を越え、Zrの含有量が0.25重量%を超えると、粗大な金属間化合物が生成するようになり衝突時の変形による割れが発生し易くなる。
【0019】
したがって、Feの含有量を0.1〜0.4重量%、Mnの含有量を0.2〜0.6重量%、Crの含有量を0.05〜0.3重量%および/またはZrの含有量を0.05〜0.25重量%とした。
なお、Fe、Mn、Cr、Zrの含有量の望ましい範囲は、Fe:0.15〜0.3重量%、Mn:0.25〜0.45重量%、Cr:0.07〜0.2重量%、Zr:0.07〜0.15重量%である。
【0020】
TiはAl合金の組織を微細化し、割れを防止する作用がある。ここで、Tiの含有量が0.005重量%未満になると割れを防止するという効果が得られず、また、その含有量が0.1重量%を超えると粗大な金属間化合物を生成するようになり、その結果、衝突時の変形による割れが発生し易くなる。したがって、Tiの含有量を0.005〜0.1重量%とした。なお、Tiの含有量の望ましい範囲は0.005〜0.05重量%である。
【0021】
Cuは、Al合金中に固溶して強度を向上させる作用がある。
ここで、Cuの含有量が0.4重量%以下になると所望の強度向上効果が得られず、また、その含有量が0.8重量%を超えると曲げ加工性および耐食性が低下するようになる。
したがって、Cuの含有量を0.4〜0.8重量%とした。なお、Cuの含有量の望ましい範囲は、0.45〜0.65重量%である。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明のAl合金押出形材の加工方法の一実施形態について、図面に基づき説明する。
図1は本発明のAl合金押出形材の加工方法の一実施形態を示す流れ図、図2は時効処理時間とAl合金押出材の強度との関係を表す時効曲線を示す図である。
このAl合金押出形材の加工方法では、Siを0.6〜1.2重量%、Mgを0.5〜1.0重量%、Feを0.1〜0.4重量%、Mnを0.2〜0.6重量%、Tiを0.005〜0.1重量%、Crを0.05〜0.3重量%および/またはZrを0.05〜0.25重量%含有し、残部がAl及び不可避不純物からなるAl合金を押出成形する。
前記Al合金は、Cuを0.4〜0.8重量%含有することとしてもよい。
【0023】
このAl合金を押出成形して得られたAl合金押出材は、断面が多角形状の中空押出材、例えば肉厚一定の矩形状の断面を有する筒部材からなる曲げ加工用押出材である。
次いで、このAl合金押出材に、図2に示すように、該Al合金の最高強度Hが得られる時効処理時間(時効条件)Tより手前の時効処理時間(亜時効条件)Tで時効処理1(第1の熱処理)を行う。この時効処理時間Tにおける強度Hは最高強度Hより低い。これにより、時効処理1が施されたAl合金押出材では微細な析出物が発生し、伸びが良くしかも硬すぎることがなく、曲げ加工性に優れたものとなる。
【0024】
次いで、このAl合金押出材に曲げ加工を施す。
この曲げ加工方法は、Al合金押出材の一端部を押さえつつ該Al合金押出材を鉛直面内に湾曲させるもので、図3及び図4に示す様な曲げ加工装置を用いて加工される。
この曲げ加工装置1は、矩形状の断面を有する筒状のAl合金押出材2を曲げ加工する中心軸Cを有する略車輪状の回転曲げ型3と、該回転曲げ型3の中心軸Cの一方側外方に設けられAl合金押出材2の一方の直線部分2aを上方から押さえる移動押さえ型4と、移動押さえ型4と同一水平線上に設けられ、Al合金押出材2を回転曲げ型3の図中略三角形状で示したクランプ部3aとともに把持し、曲げ加工の途中でAl合金押出材2の他方の直線部分2bに向かって図中左側から右側に移動するクランプ型(締め付け型)5とから概略構成されている。
【0025】
ここでは、図3に示すように、前記Al合金押出材2の略中央部を回転曲げ型3のクランプ部3aに載置し、このAl合金押出材2の一方の直線部分2aを移動押さえ型4により上方から押さえる。
そして、図4に示すように、この状態で前記回転曲げ型3をその中心軸Cの廻りにゆっくりと図中右回転させ、このAl合金押出材2の直線部分2bを前記回転曲げ型3の曲率半径に合わせて鉛直面内に上向きに凸に曲げ加工する。
【0026】
以上により、直線状に延びるAl合金押出材2は、その直線部分2aの延長線と他方の直線部分2bとのなす角θが所定の角度となるように曲げ加工されてAl合金押出材2’とされる。
このAl合金押出材2’は、伸びの値が高く複雑な曲げ形状にも曲げ加工することが可能である。また、時効硬化も進んでいることから、降伏強さも高い。また、矩形状の断面を有する筒部材であるから、筒部材の断面変形を小さく抑えることが可能である。
【0027】
このAl合金押出材2’はエネルギー吸収特性が劣っているので、図2に示すように、該Al合金の最高強度Hが得られる時効処理時間Tを越えた時効処理時間(過時効条件)Tで時効処理2(第2の熱処理)を行う。この時効処理時間Tにおける強度は、時効処理時間Tにおける強度Hにほぼ等しく最高強度Hよりは低い。これにより、この時効処理2が施されたAl合金押出材では、析出物が粗大化することで強度は若干低下するもののエネルギー吸収特性を付与することが可能になる。
【0028】
ここで、本実施形態のAl合金押出形材の加工方法の実施例について説明する。
[実施例]
まず、組成の異なる2種類のAl合金を用意した。ここでは、A合金(Si:0.9重量%、Mg:0.95重量%、Fe:0.3重量%、Mn:0.4重量%、Ti:0.01重量%、Zr:0.10重量%含有し、残部がAl及び不可避不純物からなるAl合金)及びB合金(Si:0.85重量%、Mg:0.8重量%、Cu:0.6重量%、Fe:0.25重量%、Mn:0.4重量%、Ti:0.07重量%、Zr:0.12重量%含有し、残部がAl及び不可避不純物からなるAl合金)の2種類とした。
【0029】
次いで、このA合金及びB合金に対して表1に示す製造工程により押出成形、熱処理(時効処理1、時効処理2、時効処理3のいずれか1種または2種)及び曲げ加工を行い、試料No.1〜7の押出形材製の部材とした。ここでは、試料No.1、2が本実施例、試料3〜7が比較例である。
時効処理1〜3の条件は、時効処理1:150℃×12時間、時効処理2:205℃×6時間、時効処理3:180℃×7時間である。
また、押出成形の条件を、押出温度:500℃、押出速度:7m/min、冷却:水冷とし、矩形断面の外形寸法が50×75mm、肉厚が2mmの中空角パイプ状に押出成形し押出材とした。なお、時効処理3は、A合金の最高強度Hが得られる時効処理時間Tで時効処理を行ったものである。次いで、軸方向に荷重を負荷する圧縮試験を行い、圧潰特性評価を行った。その結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 0003594823
【0031】
表1に示した本実施例の押出形材である試料1、2は、曲げ加工時に断面変形や、割れが少なく、加工性が良好であった。また、圧縮試験においても割れが発生することなくアコ−デオン状に圧縮変形し、エネルギ−吸収特性も優れていることが明かであった。
これに対し、曲げ加工の後工程で時効処理1または時効処理2を行った試料(No.3、4)では、曲げ加工時の変形が大きく、圧縮試験においてもアコ−デオン状に圧縮変形する前に割れてしまう(破壊)か、アコ−デオン状に圧縮変形はするが部分的に割れが認められた(やや良)。
【0032】
また、曲げ加工の前工程で時効処理1を後工程で時効処理3を行った試料(No.5)では、加工性は良好であったが、圧縮試験ではアコ−デオン状に圧縮変形する前に割れてしまった(破壊)。
また、曲げ加工の前工程で時効処理1を行った試料(No.6)では、加工性は良好であったが、圧縮試験ではアコ−デオン状に圧縮変形する前に割れてしまった(破壊)。
また、曲げ加工の前工程で時効処理2を行った試料(No.7)では、曲げ加工時に割れが生じてしまった(割れ)。
【0033】
以上説明したように、本発明の一実施形態のAl合金押出形材の加工方法によれば、Siを0.6〜1.2重量%、Mgを0.5〜1.0重量%、Feを0.1〜0.4重量%、Mnを0.2〜0.6重量%、Tiを0.005〜0.1重量%、Crを0.05〜0.3重量%および/またはZrを0.05〜0.25重量%含有し、残部がAl及び不可避不純物からなるAl合金(Cuを0.4〜0.8重量%含有してもよい)を押出成形し、得られたAl合金押出材に、最高強度Hが得られる時効処理時間Tより手前の時効処理時間Tで時効処理1を行うので、微細な析出物が発生することで伸びが良くしかも硬すぎることがなく、その結果、曲げ加工性を高めることができる。
【0034】
また、このAl合金押出材に曲げ加工を行うので、伸びの値が高く複雑な曲げ形状にも曲げ加工することができる。したがって、中空部の変形を小さく抑えることができ、押出材の断面形状によっては、従来のような中子を省略することができ、金型のコストを削減することができる。しかも、時効硬化が進んでいることから、降伏強さを高めることができる。
【0035】
また、曲げ加工を施したAl合金押出材に、最高強度Hが得られる時効処理時間Tを越えた時効処理時間Tで時効処理2を行うので、析出物が粗大化することで、高強度でありながら低強度合金と同様の圧縮荷重時の変形挙動とすることができ、エネルギー吸収特性を高めることができる。
【0036】
以上、本発明のAl合金押出形材の一実施形態について図面に基づき説明してきたが、具体的な構成は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計の変更等が可能である。例えば、Al合金の組成は、上記実施例に限定されることなく、上述した組成の範囲で必要に応じて変更することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明のAl合金押出形材の加工方法によれば、Al合金を押出成形し、得られたAl合金押出材に該Al合金の最高強度が得られる時効条件より手前の時効条件で第1の熱処理を行うので、微細な析出物が発生することで、伸びが良くしかも硬すぎることがなく、その結果、曲げ加工性を高めることができる。
また、第1の熱処理を行ったAl合金押出材に曲げ加工を行うので、伸びの値が高く複雑な曲げ形状にも曲げ加工することができる。しかも、時効硬化を進めることができるので、降伏強さを高めることができる。
【0038】
また、このAl合金押出材に、前記Al合金の最高強度が得られる時効条件を越えた時効条件で第2の熱処理を行うので、析出物が粗大化することで、高強度でありながら低強度合金と同様の圧縮荷重時の変形挙動とすることができ、エネルギー吸収特性を高めることができる。
【0039】
以上により、曲げ加工性及びエネルギー吸収特性に優れたAl合金押出形材を製造することのできるAl合金押出形材の加工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のAl合金押出形材の加工方法の一実施形態を示す流れ図である。
【図2】時効処理時間とAl合金押出材の強度との関係を表す時効曲線を示す図である。
【図3】本発明のAl合金押出材に曲げ加工を施すための曲げ加工装置の概略構成を示す正面図である。
【図4】曲げ加工装置の一動作を示す正面図である。
【符号の説明】
1 曲げ加工装置
2、2’ Al合金押出材
2a、2b 直線部分
3 回転曲げ型
3a クランプ部
4 移動押さえ型
5 クランプ型(締め付け型)
C 中心軸
θ 角

Claims (3)

  1. Siを0.6〜1.2重量%、Mgを0.5〜1.0重量%、Feを0.1〜0.4重量%、Mnを0.2〜0.6重量%、Tiを0.005〜0.1重量%、Crを0.05〜0.3重量%および/またはZrを0.05〜0.25重量%含有し、残部がAl及び不可避不純物からなるAl合金を押出成形し、得られたAl合金押出材に120〜180℃で1〜24時間保持の亜時効条件で第1の熱処理を行い、次いで、曲げ加工を行い、その後、第1の熱処理以上の温度でかつ、150〜220℃で1〜24時間保持の過時効条件で第2の熱処理を行うことを特徴とするAl合金押出形材の加工方法。
  2. 前記Al合金は、Cuを0.4〜0.8重量%含有することを特徴とする請求項1記載のAl合金押出形材の加工方法。
  3. 前記押出材は、断面が多角形状の中空押出材からなることを特徴とする請求項1または2記載のAl合金押出形材の加工方法。
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