JP3594569B2 - ディジタル放送受信装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
この発明は、ディジタル放送を受信するディジタル放送受信装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
例えば、衛星を用いたディジタル放送受信システムにおいては、ディジタル信号圧縮技術を用いて映像・音声信号を圧縮するとともに、複数番組の映像・音声ディジタル信号を時分割多重したストリーム（トランスポートストリーム）をトランスポンダ（衛星中継器）を経由して放送を行っている。一方、このようなディジタル放送を受信する放送受信装置は、アンテナを通して受け取ったディジタル放送の複数のトランスポンダのなかから一つをチューナによって選択し、この一つのトランスポンダに含まれる複数のチャンネルのうち一つをデマルチプレクス処理によって選択し、この選択したチャンネルのディジタル信号をデコードすることによって映像・音声信号を出力するようになっている。
【０００３】
ところで、このようなディジタルテレビ放送では、従来のアナログ放送と同様に映像や音声を送信することに加え、サービス情報（番組名、番組内容、番組開始時刻、番組継続時間、番組ジャンル情報等）も送信しており、受信装置側ではＯＳＤ（オンスクリーンディスプレイ）機能を用いたＥＰＧ（Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ Ｐｒｏｇｒａｍ Ｇｕｉｄｅ）表示機能によって、多チャンネル放送のなかからユーザが望む番組を選択できるようになっている。更に、前記ＥＰＧ機能を用い、放送予定されている番組をＥＰＧ上で選択して視聴予約や録画予約を行うことが可能になっている。また、番組ジャンル情報を用い、ユーザーが入力したジャンルに対応するジャンル情報を有する番組を抽出して一覧表示するといったことも行えるようになっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のディジタル放送受信装置では、ＥＰＧ表示機能にしろジャンル検索機能にしろ、ユーザーがその提示を求めてキー操作を行う必要が有り、ユーザーが求めている番組が或るチャンネルで始まること等を装置側から能動的にユーザーに告知するものではなかった。
【０００５】
この発明は、上記の事情に鑑み、ユーザーが求めている番組が或るチャンネルで始まること等を能動的に告知することができるディジタル放送受信装置を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この発明のディジタル放送受信装置は、上記の課題を解決するために、ディジタル放送波に含まれる番組情報を取り出し、ユーザーによって登録された選択情報を用いて告知対象番組を選択する手段と、選択した告知対象番組の存在を告げるメッセージを現在表示中の画面に割り込ませて表示する手段と、を備えると共に、前記選択した告知対象番組が未契約である場合でも告知を行い且つ未契約であることを表示するように構成されたことを特徴とする。
【０００７】
上記の構成であれば、ユーザーは選択情報を受信装置側に予め与えておくだけでよく、受信装置による番組選択結果を自らの操作で見に行く必要はない。すなわち、選択情報を受信装置側に与えておけば、その後は番組を視聴していればよく、前記選択情報に適う番組が検索されれば、たとえ未契約番組でも受信装置が能動的に視聴中の番組の画面に割り込んで告知してくれることになる。前記選択情報に適う番組が未契約である場合には、例えば「未契約の○○チャンネルで△△番組が始まります」といったメッセージが表示されることになり、ユーザーは未契約チャンネルにおいて興味のある番組に関する情報を得ることができ、放送事業者には新規契約獲得の機会が与えられることになる。
【０００８】
また、この発明のディジタル放送受信装置は、ディジタル放送波に含まれる番組情報を取り出し、ユーザーによって登録された選択情報を用いて告知対象番組を選択する手段と、選択した告知対象番組の存在を告げるメッセージを電源投入時の画面に表示する手段と、を備えると共に、前記選択した告知対象番組が未契約である場合でも告知を行い且つ未契約であることを表示するように構成されたことを特徴とする。
【０００９】
上記の構成であれば、ユーザーは選択情報を受信装置側に予め与えておくだけでよく、受信装置による番組選択結果を自らの操作で見に行く必要はない。すなわち、選択情報を受信装置側に与えておけば、その後はテレビＯＦＦにして用事を済ませ、その後にテレビＯＮとしたときに、前記選択情報に適う番組が検索されれていれば、たとえ未契約番組でも受信装置が能動的にテレビＯＮ時の画面（初期画面或いは受信番組画面）において告知してくれることになる。前記選択情報に適う番組が未契約である場合には、例えば「未契約の○○チャンネルで△△番組が始まります」といったメッセージが表示されることになり、ユーザーは未契約チャンネルにおいて興味のある番組に関する情報を得ることができ、放送事業者には新規契約獲得の機会が与えられることになる。
【００１０】
選択した未契約の告知対象番組について前記番組情報から取り出した契約先情報を表示するのがよい。前記選択情報に適う番組が未契約である場合には、例えば、プレビュー表示中に、「只今プレビュー表示中、ご契約お申し込みは××まで」といったメッセージを表示することにより、ユーザーは選択されている番組がプレビュー中であることや契約の申し込み方法などの情報を得ることができる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図１乃至図４に基づいて説明するが、ここではユーザーがＢＳ（Ｂｒｏａｄｃａｓｔｉｎｇ ｖｉａ Ｓａｔｅｌｌｉｔｅ）ディジタル放送を視聴する場合を例示している。図１はこの実施形態のディジタル放送受信装置３０を示したブロック図であり、図２はこの実施形態の番組告知処理を示したフローチャートであり、図２は番組告知を例示した説明図であり、図４はメニュー画面を例示した説明図である。
【００１２】
図１に示すアンテナ１は、屋外において所定の方向に向けて配置されており、ＢＳから送られてくるディジタル放送波を受信する。このアンテナ１は、一般に周波数変換器を備え、受信／周波数変換した信号をＢＳディジタルチューナ２に与える。
【００１３】
ＢＳディジタルチューナ２は受信した高周波ディジタル変調信号のうちから特定周波数の信号を取り出す。すなわち、ディジタル放送の複数あるトランスポンダの中から一つを選択する処理を行う。また、このチューナ２は、復調回路、逆インタリーブ回路、誤り訂正回路などを備えることにより、選択したディジタル変調信号を復調してトランスポート・ストリームを出力する。
【００１４】
デマルチプレクサ（ＤＥＭＵＸ）３は、チューナ２から受け取ったトランスポート・ストリームを、ＭＰＥＧ２（Ｍｏｖｉｎｇ Ｐｉｃｔｕｒｅ Ｅｘｐｅｒｔｓ Ｇｒｏｕｐ２）のビデオストリーム、オーディオストリーム、およびＰＳＩ／ＳＩに分離する。デマルチプレクサ３は、ビデオストリームとオーディオストリームをＡＶデコーダ４に供給し、ＰＳＩ／ＳＩ（Ｐｒｏｇｒａｍ Ｓｐｅｃｉｆｉｃ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ／Ｓｅｒｖｉｃｅ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ）に含まれるサービス情報（番組名、番組詳細、番組開始時刻、番組継続時間、ジャンル情報、契約時連絡先の情報等）等をシステムコントローラ１２に供給する。なお、前述のごとく、トランスポート・ストリームには複数のチャンネルが多重化されており、この中から任意のチャンネルを選択するための処理は、前記ＰＳＩ／ＳＩから任意のチャンネルがトランスポート・ストリーム中でどのパケットＩＤで多重化されているかといったデータを取り出すことで可能となる。また、トランスポート・ストリームの選定（トランスポンダの選定）もＰＳＩ／ＳＩの情報に基づいて行うことができる。
【００１５】
ＡＶデコーダ４は、ビデオストリームに対してデコードを行うビデオデコーダ、及びオーディオストリームに対してデコードを行うオーディオデコーダを備える。ビデオデコーダは、入力された可変長符号を復号して量子化係数や動きベクトルを求め、逆ＤＣＴ変換や動きベクトルに基づく動き補償制御等を行う。オーディオデコーダは、入力された符号化信号を復号して音声データを生成する。
【００１６】
映像処理回路５は、ＡＶデコーダ４から映像データを受け取り、Ｄ／Ａ変換を行って映像信号を生成する。音声信号処理回路６は、ＡＶデコーダ４から出力された音声データを受け取ってＤ／Ａ変換を行い、例えば右（Ｒ）音のアナログ信号及び左（Ｌ）音のアナログ信号を生成する。
【００１７】
ＯＳＤ回路１１は、システムコントローラ１２から出力指示された文字情報や色情報に基づくビットマップデータを加算器２０に出力する。加算器２０は前記ビットマップデータに基づく映像信号を映像処理回路５から出力される映像信号に組み込んでドライブ回路７に供給する。上記ＯＳＤ回路１１により、システムコントローラ１２が受け取った前述のサービス情報（ＳＩ）に基づくＥＰＧ（Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ Ｐｒｏｇｒａｍ Ｇｕｉｄｅ）表示、更には、サービス情報（ＳＩ）に含まれる例えば契約時の連絡先情報（この連絡先情報を例えば××とする）に基づいた「ご契約お申し込みは××まで」といったメッセージ表示が行えることになる。
【００１８】
受像機８は、ドライブ回路７から供給された映像信号（Ｒ，Ｇ，Ｂ信号及び垂直・水平同期信号）により映像表示を行う。また、スピーカ１４は音声処理回路６から出力された音声信号により音声出力を行う。
【００１９】
リモコン送信機９は、当該放送受像機３０に指令を送出するための送信機である。このリモコン送信機９に設けられた図示しないキーを操作すると、そのキーに対応した指令を意味する信号光（リモコン信号）が図示しない発光部から送出される。リモコン受光器１０は、前記信号光を受光し、これを電気信号に変換してシステムコントローラ１２に与える。ユーザーはリモコン送信機９を使用してキーワード情報を入力する。キーワード情報は、予め保持されている文言を番号によって選択するようにしてもよいし、リモコン送信機９に文字入力機能を持たせて文言自体を入力できるようにしておいてもよい。キーワード情報は、ユーザーにとってはお気に入りの番組等を選択するためのものとして認識される。
【００２０】
不揮発性メモリ１３には、番組表等を構成することになるサービス情報、キーワード情報（ユーザー入力の選択情報）、「只今プレビュー表示中」等のメッセージデータ等が格納されている。
【００２１】
ＩＣカード１５ａ（例えばＢＳディジタル放送のＢ−ＣＡＳカード）は、有料放送を視聴可能にするための鍵情報や番組毎に課金対象となるＰＰＶ（ペイ・パー・ビュー）番組の購入履歴情報などを格納する。ＣＡ（Ｃｏｎｄｉｔｉｏｎａｌ Ａｃｃｅｓｓ）モジュール１５は、システムコントローラ１２とＩＣカード１５ａとの間で諸情報の書き込み処理や読み出し処理を行う。この諸情報には有料ディジタル放送を視聴するのに必要とされる鍵情報や購入履歴情報の他、未購入番組を一定期間（時間）に限って視聴することを可能にするプレビュー情報がある。このプレビュー情報によってシステムコントローラ１２はユーザーが選択した番組がプレビュー中のものであるのか、プレビュー期間が終了したものであるのかを判断することができる。
【００２２】
カレンダー機能部１６は、現在日時情報をシステムコントローラ１２に提供する。この現在日時情報は、現在日時表示等に利用される他、告知番組選択においても利用される。
【００２３】
システムコントローラ１２は、このディジタル放送受信装置３０における全体制御を行うものであるが、特にこの発明にかかる制御として以下の番組告知制御を実行するようになっている。
【００２４】
図２はこの実施形態の番組告知処理を示したフローチャートであり、図３は番組告知処理による表示画面例を示した説明図である。なお、ここではユーザーがあらかじめ「マラソン」というキーワード情報を登録していた場合を想定している。放送受信装置３０は、ディジタル放送を受信し（ステップＳ１）、サービス情報（ＳＩ）の有無を判断する（ステップＳ２）。サービス情報が有ればシステムコントローラ１２はこれを取得して不揮発性メモリ１３に格納していく処理を行う（ステップＳ３）。そして、不揮発性メモリ１３からサービス情報及びキーワード情報である「マラソン」を読み出し（ステップＳ４）、これらキーワード情報とサービス情報とを比較し（ステップＳ５）、告知すべき番組が有るかどうかを判断する（ステップＳ６）。具体的には、「マラソン」に対応するジャンル情報を有し、且つ番組開始時刻が現在時刻（カレンダー機能部１６から提供される）の例えば１分以内である番組を告知番組とする。
【００２５】
告知すべき番組が有れば、システムコントローラ１２はＣＡモジュール１５から提供されるＩＣカード１５ａあるいは不揮発性メモリ１３の情報を参照し、該当の番組が契約・購入予約済みであるかどうかを判断する（ステップＳ７）。番組が契約・購入予約済みであれば、システムコントローラ１２は、不揮発性メモリ１３に格納されている「ご契約の＿＿放送局で＿＿番組が始まります」のメッセージデータを読み出し、サービス情報から取得した情報と組み合わせることで「ご契約の○○放送局でマラソンゴール特集番組が始まります」という告知メッセージを生成し、ＯＳＤ回路１１を用いて受信映像に重ねて表示させる（ステップＳ８）。番組が未契約・未購入であれば、システムコントローラ１２は、ＣＡモジュール１５から提供される情報に基づいて該当の番組がプレビュー可能か判断する（ステップＳ１０）。
【００２６】
プレビュー不可であれば、システムコントローラ１２は、不揮発性メモリ１３に格納されている「未契約の＿＿放送局で＿＿番組が始まります」のメッセージデータを読み出し、サービス情報から取得した情報と組み合わせることで「未契約の○○放送局でマラソンゴール特集番組が始まります」という告知メッセージを生成し、ＯＳＤ回路１１を用いて受信映像に重ねて表示させる（ステップＳ９）。プレビュー可能であれば、システムコントローラ１２は不揮発性メモリ１３に格納されている「未契約の＿＿放送局で＿＿番組が始まります。」及び「プレビューを表示しますか」のメッセージを読み出し、サービス情報から取得した情報と組み合わせることで「未契約の○○放送局でマラソンゴール特集番組が始まります。プレビューを表示しますか」という告知メッセージを生成し、ＯＳＤ回路１１を用いて受信映像に重ねて表示させる（ステップＳ１１）。この処理によって、図３（ａ）に示すように、ユーザーが現在視聴中の番組に割り込んで告知メッセージが表示されることになる。
【００２７】
システムコントローラ１２は、ユーザーによって該当番組のプレビュー表示が要求されたかどうかを判断する（ステップＳ１２）。ユーザーは、該当番組のプレビューを望むのであれば、リモコン送信機９の図示しない方向キーを用い、図２（ａ）の画面において「はい」を選択し、図示しない決定キーを押下すればよい。ユーザーによって該当番組のプレビュー表示が要求されたら、プレビューを表示する処理を行う（ステップＳ１３）。またシステムコントローラ１２は不揮発性メモリ１３に格納されている「只今プレビュー表示中」というメッセージを読み出し、ＯＳＤ回路１１を用いて受信映像に重ねて表示させる（ステップＳ１４）。このとき「ご契約お申し込みは××まで」という告知メッセージをあわせて表示させる（ステップＳ１５）。この処理によって、図２（ｂ）に示しているように、プレビュー表示とともに告知メッセージが表示され、未契約番組への加入を促すことができる。なお、上記番組開始に関する告知メッセージはユーザーが視聴中の番組に重ねて表示させることとしているため、受信映像が見えるように半透過状に表示している。
【００２８】
なお、図４に示すように、選択メニュー画面を表示し、情報告知の方法をユーザーに選択させるようにしてもよい。例えば、図４において「２」の「電源投入時に告知」について「ＹＥＳ」を選択しておけば、ディジタル放送受信装置３０の待機状態（テレビＯＦＦであるが情報受信機能は動作可能）において定期的に番組情報を検索し、該当情報を不揮発性メモリ１３に蓄積し、ユーザーがディジタル放送受像機３０をテレビＯＮした時に、初期画面或いは受信映像画面において告知メッセージが表示される。また、「１」の「番組視聴中に随時告知」と「２」の「電源投入時に告知」を共に「ＹＥＳ」と設定することで、双方の機能を享受することができるようになる。
【００２９】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、選択情報を受信装置側に与えておけば、その後は番組を視聴していればよく、前記選択情報に適う番組が検索されれば、受信装置が能動的に視聴中の番組の画面に割り込んで告知してくれることになる。或いは、テレビＯＮとしたときに、前記選択情報に適う番組が検索されれていれば、受信装置が能動的にテレビＯＮ時の画面（初期画面或いは受信番組画面）において告知してくれることになる。また、告知メッセージに未契約チャンネルの番組に関する情報を含める構成であれば、例えば「未契約の○○チャンネルで△△番組が始まります」といったメッセージが表示されることになり、ユーザーは未契約チャンネルにおいて興味のある番組に関する情報を得ることができ、放送事業者には新規契約獲得の機会が与えられることになる。更には、「只今プレビュー表示中、ご契約お申し込みは××まで」といった告知メッセージを表示することにより、ユーザーは選択されている番組がプレビュー中であることや契約の申し込み方法などの情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の実施形態のディジタル放送受信装置を示すブロック図である。
【図２】この発明の実施形態の番組処理を示したフローチャートである。
【図３】この発明の実施形態の受信映像部分に告知メッセージを表示させた状態を示した説明図である。
【図４】この発明の実施形態の番組告知画面例を示した説明図である。
【符号の説明】
１ アンテナ
２ ＢＳディジタルチューナ
３ デマルチプレクサ（ＤＥＭＵＸ）
４ ＡＶデコーダ
１１ ＯＳＤ回路
１２ システムコントローラ
１３ 不揮発性メモリ
１５ ＣＡモジュール
１５ａＩＣカード
【産業上の利用分野】
この発明は、ディジタル放送を受信するディジタル放送受信装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
例えば、衛星を用いたディジタル放送受信システムにおいては、ディジタル信号圧縮技術を用いて映像・音声信号を圧縮するとともに、複数番組の映像・音声ディジタル信号を時分割多重したストリーム（トランスポートストリーム）をトランスポンダ（衛星中継器）を経由して放送を行っている。一方、このようなディジタル放送を受信する放送受信装置は、アンテナを通して受け取ったディジタル放送の複数のトランスポンダのなかから一つをチューナによって選択し、この一つのトランスポンダに含まれる複数のチャンネルのうち一つをデマルチプレクス処理によって選択し、この選択したチャンネルのディジタル信号をデコードすることによって映像・音声信号を出力するようになっている。
【０００３】
ところで、このようなディジタルテレビ放送では、従来のアナログ放送と同様に映像や音声を送信することに加え、サービス情報（番組名、番組内容、番組開始時刻、番組継続時間、番組ジャンル情報等）も送信しており、受信装置側ではＯＳＤ（オンスクリーンディスプレイ）機能を用いたＥＰＧ（Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ Ｐｒｏｇｒａｍ Ｇｕｉｄｅ）表示機能によって、多チャンネル放送のなかからユーザが望む番組を選択できるようになっている。更に、前記ＥＰＧ機能を用い、放送予定されている番組をＥＰＧ上で選択して視聴予約や録画予約を行うことが可能になっている。また、番組ジャンル情報を用い、ユーザーが入力したジャンルに対応するジャンル情報を有する番組を抽出して一覧表示するといったことも行えるようになっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のディジタル放送受信装置では、ＥＰＧ表示機能にしろジャンル検索機能にしろ、ユーザーがその提示を求めてキー操作を行う必要が有り、ユーザーが求めている番組が或るチャンネルで始まること等を装置側から能動的にユーザーに告知するものではなかった。
【０００５】
この発明は、上記の事情に鑑み、ユーザーが求めている番組が或るチャンネルで始まること等を能動的に告知することができるディジタル放送受信装置を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この発明のディジタル放送受信装置は、上記の課題を解決するために、ディジタル放送波に含まれる番組情報を取り出し、ユーザーによって登録された選択情報を用いて告知対象番組を選択する手段と、選択した告知対象番組の存在を告げるメッセージを現在表示中の画面に割り込ませて表示する手段と、を備えると共に、前記選択した告知対象番組が未契約である場合でも告知を行い且つ未契約であることを表示するように構成されたことを特徴とする。
【０００７】
上記の構成であれば、ユーザーは選択情報を受信装置側に予め与えておくだけでよく、受信装置による番組選択結果を自らの操作で見に行く必要はない。すなわち、選択情報を受信装置側に与えておけば、その後は番組を視聴していればよく、前記選択情報に適う番組が検索されれば、たとえ未契約番組でも受信装置が能動的に視聴中の番組の画面に割り込んで告知してくれることになる。前記選択情報に適う番組が未契約である場合には、例えば「未契約の○○チャンネルで△△番組が始まります」といったメッセージが表示されることになり、ユーザーは未契約チャンネルにおいて興味のある番組に関する情報を得ることができ、放送事業者には新規契約獲得の機会が与えられることになる。
【０００８】
また、この発明のディジタル放送受信装置は、ディジタル放送波に含まれる番組情報を取り出し、ユーザーによって登録された選択情報を用いて告知対象番組を選択する手段と、選択した告知対象番組の存在を告げるメッセージを電源投入時の画面に表示する手段と、を備えると共に、前記選択した告知対象番組が未契約である場合でも告知を行い且つ未契約であることを表示するように構成されたことを特徴とする。
【０００９】
上記の構成であれば、ユーザーは選択情報を受信装置側に予め与えておくだけでよく、受信装置による番組選択結果を自らの操作で見に行く必要はない。すなわち、選択情報を受信装置側に与えておけば、その後はテレビＯＦＦにして用事を済ませ、その後にテレビＯＮとしたときに、前記選択情報に適う番組が検索されれていれば、たとえ未契約番組でも受信装置が能動的にテレビＯＮ時の画面（初期画面或いは受信番組画面）において告知してくれることになる。前記選択情報に適う番組が未契約である場合には、例えば「未契約の○○チャンネルで△△番組が始まります」といったメッセージが表示されることになり、ユーザーは未契約チャンネルにおいて興味のある番組に関する情報を得ることができ、放送事業者には新規契約獲得の機会が与えられることになる。
【００１０】
選択した未契約の告知対象番組について前記番組情報から取り出した契約先情報を表示するのがよい。前記選択情報に適う番組が未契約である場合には、例えば、プレビュー表示中に、「只今プレビュー表示中、ご契約お申し込みは××まで」といったメッセージを表示することにより、ユーザーは選択されている番組がプレビュー中であることや契約の申し込み方法などの情報を得ることができる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図１乃至図４に基づいて説明するが、ここではユーザーがＢＳ（Ｂｒｏａｄｃａｓｔｉｎｇ ｖｉａ Ｓａｔｅｌｌｉｔｅ）ディジタル放送を視聴する場合を例示している。図１はこの実施形態のディジタル放送受信装置３０を示したブロック図であり、図２はこの実施形態の番組告知処理を示したフローチャートであり、図２は番組告知を例示した説明図であり、図４はメニュー画面を例示した説明図である。
【００１２】
図１に示すアンテナ１は、屋外において所定の方向に向けて配置されており、ＢＳから送られてくるディジタル放送波を受信する。このアンテナ１は、一般に周波数変換器を備え、受信／周波数変換した信号をＢＳディジタルチューナ２に与える。
【００１３】
ＢＳディジタルチューナ２は受信した高周波ディジタル変調信号のうちから特定周波数の信号を取り出す。すなわち、ディジタル放送の複数あるトランスポンダの中から一つを選択する処理を行う。また、このチューナ２は、復調回路、逆インタリーブ回路、誤り訂正回路などを備えることにより、選択したディジタル変調信号を復調してトランスポート・ストリームを出力する。
【００１４】
デマルチプレクサ（ＤＥＭＵＸ）３は、チューナ２から受け取ったトランスポート・ストリームを、ＭＰＥＧ２（Ｍｏｖｉｎｇ Ｐｉｃｔｕｒｅ Ｅｘｐｅｒｔｓ Ｇｒｏｕｐ２）のビデオストリーム、オーディオストリーム、およびＰＳＩ／ＳＩに分離する。デマルチプレクサ３は、ビデオストリームとオーディオストリームをＡＶデコーダ４に供給し、ＰＳＩ／ＳＩ（Ｐｒｏｇｒａｍ Ｓｐｅｃｉｆｉｃ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ／Ｓｅｒｖｉｃｅ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ）に含まれるサービス情報（番組名、番組詳細、番組開始時刻、番組継続時間、ジャンル情報、契約時連絡先の情報等）等をシステムコントローラ１２に供給する。なお、前述のごとく、トランスポート・ストリームには複数のチャンネルが多重化されており、この中から任意のチャンネルを選択するための処理は、前記ＰＳＩ／ＳＩから任意のチャンネルがトランスポート・ストリーム中でどのパケットＩＤで多重化されているかといったデータを取り出すことで可能となる。また、トランスポート・ストリームの選定（トランスポンダの選定）もＰＳＩ／ＳＩの情報に基づいて行うことができる。
【００１５】
ＡＶデコーダ４は、ビデオストリームに対してデコードを行うビデオデコーダ、及びオーディオストリームに対してデコードを行うオーディオデコーダを備える。ビデオデコーダは、入力された可変長符号を復号して量子化係数や動きベクトルを求め、逆ＤＣＴ変換や動きベクトルに基づく動き補償制御等を行う。オーディオデコーダは、入力された符号化信号を復号して音声データを生成する。
【００１６】
映像処理回路５は、ＡＶデコーダ４から映像データを受け取り、Ｄ／Ａ変換を行って映像信号を生成する。音声信号処理回路６は、ＡＶデコーダ４から出力された音声データを受け取ってＤ／Ａ変換を行い、例えば右（Ｒ）音のアナログ信号及び左（Ｌ）音のアナログ信号を生成する。
【００１７】
ＯＳＤ回路１１は、システムコントローラ１２から出力指示された文字情報や色情報に基づくビットマップデータを加算器２０に出力する。加算器２０は前記ビットマップデータに基づく映像信号を映像処理回路５から出力される映像信号に組み込んでドライブ回路７に供給する。上記ＯＳＤ回路１１により、システムコントローラ１２が受け取った前述のサービス情報（ＳＩ）に基づくＥＰＧ（Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ Ｐｒｏｇｒａｍ Ｇｕｉｄｅ）表示、更には、サービス情報（ＳＩ）に含まれる例えば契約時の連絡先情報（この連絡先情報を例えば××とする）に基づいた「ご契約お申し込みは××まで」といったメッセージ表示が行えることになる。
【００１８】
受像機８は、ドライブ回路７から供給された映像信号（Ｒ，Ｇ，Ｂ信号及び垂直・水平同期信号）により映像表示を行う。また、スピーカ１４は音声処理回路６から出力された音声信号により音声出力を行う。
【００１９】
リモコン送信機９は、当該放送受像機３０に指令を送出するための送信機である。このリモコン送信機９に設けられた図示しないキーを操作すると、そのキーに対応した指令を意味する信号光（リモコン信号）が図示しない発光部から送出される。リモコン受光器１０は、前記信号光を受光し、これを電気信号に変換してシステムコントローラ１２に与える。ユーザーはリモコン送信機９を使用してキーワード情報を入力する。キーワード情報は、予め保持されている文言を番号によって選択するようにしてもよいし、リモコン送信機９に文字入力機能を持たせて文言自体を入力できるようにしておいてもよい。キーワード情報は、ユーザーにとってはお気に入りの番組等を選択するためのものとして認識される。
【００２０】
不揮発性メモリ１３には、番組表等を構成することになるサービス情報、キーワード情報（ユーザー入力の選択情報）、「只今プレビュー表示中」等のメッセージデータ等が格納されている。
【００２１】
ＩＣカード１５ａ（例えばＢＳディジタル放送のＢ−ＣＡＳカード）は、有料放送を視聴可能にするための鍵情報や番組毎に課金対象となるＰＰＶ（ペイ・パー・ビュー）番組の購入履歴情報などを格納する。ＣＡ（Ｃｏｎｄｉｔｉｏｎａｌ Ａｃｃｅｓｓ）モジュール１５は、システムコントローラ１２とＩＣカード１５ａとの間で諸情報の書き込み処理や読み出し処理を行う。この諸情報には有料ディジタル放送を視聴するのに必要とされる鍵情報や購入履歴情報の他、未購入番組を一定期間（時間）に限って視聴することを可能にするプレビュー情報がある。このプレビュー情報によってシステムコントローラ１２はユーザーが選択した番組がプレビュー中のものであるのか、プレビュー期間が終了したものであるのかを判断することができる。
【００２２】
カレンダー機能部１６は、現在日時情報をシステムコントローラ１２に提供する。この現在日時情報は、現在日時表示等に利用される他、告知番組選択においても利用される。
【００２３】
システムコントローラ１２は、このディジタル放送受信装置３０における全体制御を行うものであるが、特にこの発明にかかる制御として以下の番組告知制御を実行するようになっている。
【００２４】
図２はこの実施形態の番組告知処理を示したフローチャートであり、図３は番組告知処理による表示画面例を示した説明図である。なお、ここではユーザーがあらかじめ「マラソン」というキーワード情報を登録していた場合を想定している。放送受信装置３０は、ディジタル放送を受信し（ステップＳ１）、サービス情報（ＳＩ）の有無を判断する（ステップＳ２）。サービス情報が有ればシステムコントローラ１２はこれを取得して不揮発性メモリ１３に格納していく処理を行う（ステップＳ３）。そして、不揮発性メモリ１３からサービス情報及びキーワード情報である「マラソン」を読み出し（ステップＳ４）、これらキーワード情報とサービス情報とを比較し（ステップＳ５）、告知すべき番組が有るかどうかを判断する（ステップＳ６）。具体的には、「マラソン」に対応するジャンル情報を有し、且つ番組開始時刻が現在時刻（カレンダー機能部１６から提供される）の例えば１分以内である番組を告知番組とする。
【００２５】
告知すべき番組が有れば、システムコントローラ１２はＣＡモジュール１５から提供されるＩＣカード１５ａあるいは不揮発性メモリ１３の情報を参照し、該当の番組が契約・購入予約済みであるかどうかを判断する（ステップＳ７）。番組が契約・購入予約済みであれば、システムコントローラ１２は、不揮発性メモリ１３に格納されている「ご契約の＿＿放送局で＿＿番組が始まります」のメッセージデータを読み出し、サービス情報から取得した情報と組み合わせることで「ご契約の○○放送局でマラソンゴール特集番組が始まります」という告知メッセージを生成し、ＯＳＤ回路１１を用いて受信映像に重ねて表示させる（ステップＳ８）。番組が未契約・未購入であれば、システムコントローラ１２は、ＣＡモジュール１５から提供される情報に基づいて該当の番組がプレビュー可能か判断する（ステップＳ１０）。
【００２６】
プレビュー不可であれば、システムコントローラ１２は、不揮発性メモリ１３に格納されている「未契約の＿＿放送局で＿＿番組が始まります」のメッセージデータを読み出し、サービス情報から取得した情報と組み合わせることで「未契約の○○放送局でマラソンゴール特集番組が始まります」という告知メッセージを生成し、ＯＳＤ回路１１を用いて受信映像に重ねて表示させる（ステップＳ９）。プレビュー可能であれば、システムコントローラ１２は不揮発性メモリ１３に格納されている「未契約の＿＿放送局で＿＿番組が始まります。」及び「プレビューを表示しますか」のメッセージを読み出し、サービス情報から取得した情報と組み合わせることで「未契約の○○放送局でマラソンゴール特集番組が始まります。プレビューを表示しますか」という告知メッセージを生成し、ＯＳＤ回路１１を用いて受信映像に重ねて表示させる（ステップＳ１１）。この処理によって、図３（ａ）に示すように、ユーザーが現在視聴中の番組に割り込んで告知メッセージが表示されることになる。
【００２７】
システムコントローラ１２は、ユーザーによって該当番組のプレビュー表示が要求されたかどうかを判断する（ステップＳ１２）。ユーザーは、該当番組のプレビューを望むのであれば、リモコン送信機９の図示しない方向キーを用い、図２（ａ）の画面において「はい」を選択し、図示しない決定キーを押下すればよい。ユーザーによって該当番組のプレビュー表示が要求されたら、プレビューを表示する処理を行う（ステップＳ１３）。またシステムコントローラ１２は不揮発性メモリ１３に格納されている「只今プレビュー表示中」というメッセージを読み出し、ＯＳＤ回路１１を用いて受信映像に重ねて表示させる（ステップＳ１４）。このとき「ご契約お申し込みは××まで」という告知メッセージをあわせて表示させる（ステップＳ１５）。この処理によって、図２（ｂ）に示しているように、プレビュー表示とともに告知メッセージが表示され、未契約番組への加入を促すことができる。なお、上記番組開始に関する告知メッセージはユーザーが視聴中の番組に重ねて表示させることとしているため、受信映像が見えるように半透過状に表示している。
【００２８】
なお、図４に示すように、選択メニュー画面を表示し、情報告知の方法をユーザーに選択させるようにしてもよい。例えば、図４において「２」の「電源投入時に告知」について「ＹＥＳ」を選択しておけば、ディジタル放送受信装置３０の待機状態（テレビＯＦＦであるが情報受信機能は動作可能）において定期的に番組情報を検索し、該当情報を不揮発性メモリ１３に蓄積し、ユーザーがディジタル放送受像機３０をテレビＯＮした時に、初期画面或いは受信映像画面において告知メッセージが表示される。また、「１」の「番組視聴中に随時告知」と「２」の「電源投入時に告知」を共に「ＹＥＳ」と設定することで、双方の機能を享受することができるようになる。
【００２９】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、選択情報を受信装置側に与えておけば、その後は番組を視聴していればよく、前記選択情報に適う番組が検索されれば、受信装置が能動的に視聴中の番組の画面に割り込んで告知してくれることになる。或いは、テレビＯＮとしたときに、前記選択情報に適う番組が検索されれていれば、受信装置が能動的にテレビＯＮ時の画面（初期画面或いは受信番組画面）において告知してくれることになる。また、告知メッセージに未契約チャンネルの番組に関する情報を含める構成であれば、例えば「未契約の○○チャンネルで△△番組が始まります」といったメッセージが表示されることになり、ユーザーは未契約チャンネルにおいて興味のある番組に関する情報を得ることができ、放送事業者には新規契約獲得の機会が与えられることになる。更には、「只今プレビュー表示中、ご契約お申し込みは××まで」といった告知メッセージを表示することにより、ユーザーは選択されている番組がプレビュー中であることや契約の申し込み方法などの情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の実施形態のディジタル放送受信装置を示すブロック図である。
【図２】この発明の実施形態の番組処理を示したフローチャートである。
【図３】この発明の実施形態の受信映像部分に告知メッセージを表示させた状態を示した説明図である。
【図４】この発明の実施形態の番組告知画面例を示した説明図である。
【符号の説明】
１ アンテナ
２ ＢＳディジタルチューナ
３ デマルチプレクサ（ＤＥＭＵＸ）
４ ＡＶデコーダ
１１ ＯＳＤ回路
１２ システムコントローラ
１３ 不揮発性メモリ
１５ ＣＡモジュール
１５ａＩＣカード
Claims (4)
- ディジタル放送波に含まれる番組情報を取り出し、ユーザーによって登録された選択情報を用いて告知対象番組を選択する手段と、選択した告知対象番組の存在を告げるメッセージを現在表示中の画面に割り込ませて表示する手段と、を備えると共に、前記選択した告知対象番組が未契約である場合でも告知を行い且つ未契約であることを表示するように構成されたことを特徴とするディジタル放送受信装置。
- ディジタル放送波に含まれる番組情報を取り出し、ユーザーによって登録された選択情報を用いて告知対象番組を選択する手段と、選択した告知対象番組の存在を告げるメッセージを電源投入時の画面に表示する手段と、を備えると共に、前記選択した告知対象番組が未契約である場合でも告知を行い且つ未契約であることを表示するように構成されたことを特徴とするディジタル放送受信装置。
- 請求項１又は請求項２に記載のディジタル放送受信装置において、選択した未契約の告知対象番組について前記番組情報から取り出した契約先情報を表示するように構成されたことを特徴とするディジタル放送受信装置。
- 請求項３に記載のディジタル放送受信装置において、ユーザ操作に基づいて前記告知対象番組のプレビューを実行すると共に、前記契約先情報の表示を前記告知対象番組のプレビュー表示中に行うように構成したことを特徴とするディジタル放送受信装置。
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