JP3593638B2 - 荷電粒子線を用いたブロック露光方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は荷電粒子線を用いたブロック露光方法に関するものであり、ビーム整形を行うためのブロックパターンを用いて新規なパターンを露光する部分ブロック露光、或いは、近接効果を補正するための補助露光をブロック露光用形式で記述されたデータを用いて行う電子ビーム露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の集積度の向上に伴って、要求されるパターンルールが微細化され、そのパターンルールは0.25〜0.1μm程度となっており、従来の紫外線等の光を用いた露光方法では解像が困難になりつつあり、そのために荷電粒子線、特に、電子線(電子ビーム)を用いた露光方法が使用されるようになった。
【0003】
このような荷電粒子線、特に、電子ビームを用いた露光方法は、ビームを非常に細く絞れる、及び、電気的手段による制御性が良い等の理由によって微細パターンの形成に有望視されているが、その一方では、パターン描画が一筆書きであるため処理量(スループット)が低いという欠点がある。
【0004】
しかし、このような欠点を改善するために、繰り返し等の規則正しいパターンを透過口として持ったブロックパターンを用いて露光を行うブロック露光方法が開発されている。
【0005】
この様な従来のブロック露光方法を図5及び図6を参照して説明する。
図5参照
図5(a)は、ブロック露光を行う周期的露光パターンの一つである配線層パターン11を示すものであり、この配線層パターン11を図において破線で示すいくつかの単位ブロックに分解して、この単位ブロック毎のパターンに対応する図5(b)に示す十字状開口部12,13を組み合わせた単位ブロックパターン14をブロックマスクの所定位置に形成する。
なお、図においては説明を簡単にするために、極めて簡単な配線層パターンを用いており、単位ブロックパターン14を1種類しか示していないが、実際には多くの種類のブロックパターンが用いられるものである。
【0006】
この様なブロックマスクを用いて露光する場合には、露光すべきパターンに応じて電子ビームを偏向して単位ブロックパターン14を選択して、単位ブロックパターン14を通過した電子ビームを副偏向器で偏向して必要とする繰り返し数に応じたショット数分の露光を行う。
【0007】
図6参照
図6は、実際の設計データから単位ブロックパターンの集合からなるブロックマスクを製造するフローを示す図であり、まず、▲1▼半導体装置を製造するための設計データからブロック露光するための繰り返しパターン部分を選択・抽出する。
【0008】
次いで、▲2▼繰り返しパターン部分についてはブロック露光用フォーマットで露光データを形成する。
【0009】
この場合、抜き出される単位ブロックは多い場合には数百になるが、実際にブロックマスクに配置することのできる単位ブロックパターンの数は限られているので、▲3▼それ以外のブロック化が困難な部分については可変矩形露光用フォーマットで露光データを形成する。
【0010】
次いで、▲4▼これらのブロック露光用フォーマットで形成された露光データ及び可変矩形露光用フォーマットで形成した露光データをプロセス処理して露光データを形成すると共に、▲5▼ブロックマスク上のブロック配置等を示すマスク情報データを形成し、これらのデータを電子ビーム露光装置を用いた露光に用いるデータとする。
【0011】
また、▲6▼単位ブロックパターンを製作するためのブロックマスク製作データを形成し、このブロックマスク製作データに基づいてブロックマスク上の所定位置に各単位ブロックパターンを製作する。
【0012】
この場合、ブロック露光を行う部分については、ブロック識別のためのパターンデータコード番号(PDC番号)とその配置情報で表されることになり、ブロックマスク上では抽出したブロックパターンをPDC番号に基づいて一定のルールに従って配置していく。
【0013】
電子ビーム露光装置においては、このPDC番号に基づいてブロックマスク上のビーム選択を行うことになるが、PDC番号自体はそのための情報を有していないため、PDC番号に付随するマスク情報データを参照することになる。
【0014】
このマスク情報データは、各PDC番号毎に
(1)ブロックマスク上のブロック配置位置、
(2)マスクフォーカスデータ、
(3)面積情報、
(4)露光量調整情報、
のデータ群から構成される。
【0015】
そして、これらの情報は、電子ビーム露光装置内にロードされると、それまでに電子ビーム露光装置で取得され蓄えてきたキャリブレーション結果を参照して、実際に増幅器などで出力されるデータに変更されてマスクメモリに格納されることになる。
【0016】
しかし、このようなブロック露光方法においても、ブロックパターンの数に制限があるため、露光パターンの露光自由度を向上するためにブロックマスクの一部を用いて露光する部分ブロック露光方法〔特願平4−260352号(特開平5−198483号公報)〕が提案されている。
【0017】
この部分ブロック露光方法とは、特に、可変矩形露光では精度の良い露光が困難な0.08μmや0.05μm等の0.1μm以下の細長いパターンを精度良く露光するために提案されたものである。
【0018】
従来の可変矩形露光方法により、0.1μm以下のパターン、例えば、0.05μm×3μmのパターンを露光しようとする場合、0.05μmの幅方向においては一辺が4μmの矩形電子ビームの1.25%(=0.05/4)のみを通過させるように電子ビームを偏向することになる。
【0019】
しかし、この様な場合、可変矩形露光用マスクの開口部の電子ビーム照射部近傍に炭素(C)等が堆積し、この堆積物がパターン精度の低下の原因となるために、長細線ブロックパターンを用いた可変露光方法、即ち、部分ブロック露光方法が提案されるに至った。
【0020】
図7参照
この可変長細線ブロック露光方法は、露光マスク15上に、通常のブロックパターン17及び可変矩形パターン16と共に、幅が0.1μm以下の長細線ブロックパターン18を形成しておき、従来、可変矩形露光方法で露光していた露光データを可変長細線ブロック露光データに変換して、この長細線ブロックパターン18の任意の位置に電子ビーム19を照射して露光を行うものである。
【0021】
次に、補助露光方法について説明すると、従来のブロック露光方法においても所謂近接効果の問題は依然として解決されないものであり、それを解決するためにパターンの自己サイズを調節する補正方法、或いは、近接したパターンの影響を判断して露光量を変更する補正方法の二通りの補正方法が中心となって行われていたが、近年になって、可変矩形マスクを用いて解像されない程度のわずかな露光量の電子ビームを照射してバックグラウンドレベルを揃える補助露光方法が提案されている。
【0022】
なお、近接効果とは、フォトレジストに電子ビームを照射した場合に、電子ビームが照射された領域の極近傍のフォトレジスト内に止まってしまうバックグラウンドに起因しており、露光パターン同士が近接した場合にバックグラウンド同士が影響を及ぼしあって、あたかも露光されたと同様のレベルの照射量が溜まってしまい、所望しない領域に露光パターンが形成される現象であり、露光パターンの粗密、或いは、パターンの線幅等に大きく依存するものである。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような改善されたブロック露光方法においては、部分ブロック露光データはブロック露光データとして処理されていないため、従来の可変矩形露光フォーマットで形成した露光データと同様にスリット偏向器で電子ビームを偏向して露光していたので、ブロックパターン上に存在する不動点により部分露光パターンの形状が規定されるため自由度が小さく実施が困難であり、且つ、所期のスループットの改善の効果が十分得られない欠点があった。
【0024】
また、この改善されたブロック露光方法においては、補助露光データもブロック露光データとして処理されておらず、且つ、可変矩形露光データとして処理することが困難であるため所期のスループットの改善の効果が得られないという欠点があった。
【0025】
即ち、可変矩形露光ショットを用いて補助露光を行う場合には、補助露光による不所望な解像を防止するために露光量を通常の露光時の2〜15%にする必要があるが、例えば、40A/cm2 の電流密度の電子ビーム露光装置と露光量が1μC(クーロン)のレジストの組合せの場合には、1ショット25ns(ナノ秒)であるので、その2〜15%程度の露光量とは数ns以下のショット時間の制御が要求され、非常に困難を伴うものであった。
【0026】
また、補助露光を行うことによって、バックグラウンドレベルを均一にするためにはショットを意識的にずらしてデフォーカスする必要があるが、通常の可変矩形露光データは始点に関する情報、サイズに関する情報、形状に関する情報、及び、露光量に関する情報から構成され、デフォーカス量等を記述する形式にはなっていないので、可変矩形露光用データと補助露光用データを同一のデータとして収録することは困難であり、通常の露光データに基づいて可変矩形露光を行ったのち、デフォーカスによる補助露光を行っていた。
【0027】
したがって、本発明は、ブロック露光方法において、部分ブロック露光データ或いは補助露光データをブロック露光用形式で記述されたデータとして処理することによって、電子ビーム露光工程におけるスループットを向上することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理的構成の説明図であり、この図1を参照して本発明における課題を解決するための手段を説明する。
図1参照
(1)本発明は、荷電粒子線を用いたブロック露光方法において、露光に用いるデータaを、ブロック露光用形式で記述されるデータe及び可変矩形露光用形式で記述されるデータdからなる露光データbと、ブロックパターンをブロックマスク上に配置した際の配置情報を有するマスク情報データcとの2種類のデータを最低限含む形で構成すると共に、各マスク情報データc内に含まれるブロックを認識するためのパターンデータコード番号h,mでまとめられたデータ群(i〜n)には少なくとも荷電粒子線を照射すべきブロックパターンに対応するパターンデータコード番号hと荷電粒子線を照射すべきブロックパターンに対して荷電粒子線をずらすべき量nを与えるデータが含まれるようにし、少なくとも、前記各マスク情報データcのいずれかを用いるともに、ブロック露光用形式で記述されるデータeを用いて部分ブロック露光を行うことを特徴とする。
【0029】
この様に、露光データaを構成する各パターンデータコード番号hに対応するマスク情報データc内に含まれるブロックを認識するためのパターンデータコード番号h,mでまとめられたデータ群(i〜n)には少なくとも荷電粒子線を照射すべきブロックパターンに対応するパターンデータコード番号、即ち、親PDC番号hと、荷電粒子線を照射すべきブロックパターンに対して荷電粒子線をずらすべき量nを与えるデータを含ませることにより、ブロック露光用形式で記述されるデータeを用いて部分ブロック露光を行うことができるのでスループットが向上する。
【0030】
(2)また、本発明は、上記(1)において、荷電粒子線ビームをずらす方向を、パターンデータコード番号mを構成する番号に与えたことを特徴とする。
【0031】
この様に、荷電粒子線ビームをずらす方向を、パターンデータコード番号mを構成する番号自体に与えることによって、マスク情報データcのデータ量を少なくすることができ、したがって、マスクメモリの容量を小さくすることができる。
【0032】
(3)また、本発明は、上記(1)において、各データを荷電粒子線を用いたブロック露光装置固有の特性に応じて変更したデータとしてマスクメモリに格納することを特徴とする。
【0033】
この様に、各データを荷電粒子線を用いたブロック露光装置固有の特性に応じて変更し、この変更したデータをマスクメモリに格納することにより、ブロック露光装置固有の特性のバラツキを各ブロックパターン毎に事前に補正しておくので、実際の露光時においては各ショット毎の補正が不要になり、それによってスループットが向上する。
【0034】
(4)また、本発明は、荷電粒子線を用いたブロック露光方法において、露光に用いるデータaを、ブロック露光用形式で記述されるデータe及び可変矩形露光用形式で記述されるデータdからなる露光データbと、ブロックパターンをブロックマスク上に配置した際の配置情報を有するマスク情報データcとの2種類のデータを最低限含む形で構成すると共に、各マスク情報データcに含まれるブロックを認識するためのパターンデータコード番号h,mでまとめられたデータ群(i〜n)には、少なくとも荷電粒子線を照射すべきブロックパターンに対応するパターンデータコード番号hと荷電粒子線を照射すべきブロックパターンに対して近接効果を補正するためのデータが含まれるようにし、ブロック露光用形式で記述されるデータeを用いて近接効果を補正するための補助露光を行うことを特徴とする。
【0035】
この様に、ブロック露光用形式で記述されたデータeを用いて近接効果を補正するための補助露光を行うことにより、補助露光データを通常のブロック露光データとして収納することができ、且つ、非常にフレキシブルな補正が可能になるので、補正精度が向上する。
【0036】
(5)また、本発明は、上記(4)において、補助露光をブロックマスクを用いて行うことを特徴とする。
【0037】
この様に、補助露光を通常のブロックマスク或いは補助露光用の専用ブロックマスクを用いて行うことにより、一度の露光によって広い面積の補助露光が可能になるので、スループットが向上する。
【0038】
(6)また、本発明は、上記(4)において、補助露光をブロックマスクを用いた部分ブロック露光により行うことを特徴とする。
【0039】
この様に、補助露光をブロックマスクを用いた部分ブロック露光により行うことにより、使用する補助露光パターンの自由度が増大する。
【0040】
【発明の実施の形態】
図2乃至図4を参照して本発明の第1の実施の形態である部分ブロック露光方法を説明する。
なお、図2は、部分ブロック露光に用いるマスク情報データの概念的構成図であり、また、図3(a)乃至図4(e)は電子ビームをブロックパターンの上下左右に動かす場合の説明図である。
【0041】
まず、図6に示す従来例のように、設計データから繰り返しパターンを選択してブロックパターンを形成するとともに、ブロックパターンとしては形成しないものの、ブロックパターンの一部を用いれば露光可能な繰り返しパターンを部分ブロック露光パターンとして選択する。
【0042】
図2参照
次いで、選択した部分ブロック露光パターンにたいして、PDC番号mを割り当て、この割り当てられた各PDC番号mに対応する各マスク情報データgとして、従来のマスク情報データを構成する(1)乃至(4)のデータ群(i〜l)に、(5)親PDC番号h、及び、荷電粒子線を照射すべきブロックパターンに対して荷電粒子線をずらすべき(6)ずらし量nの二つのデータを付加する。
【0043】
そして、通常のブロック露光である全面露光データに対しては、4桁の16bitコード番号で表されるPDC番号に“0C00”〜“0DFF”のコード番号を付与し、また、このPDC番号に対応するマスク情報データにおける親PDC番号hとずらし量nは入力しない。
なお、PDC番号における“0C”及び“0D”が全面露光に対応する情報である。
【0044】
また、電子ビームをブロックパターンより左側にずらして部分ブロック露光を行う場合には、PDC番号mに“0400”〜“05FF”のコード番号を付与し、また、PDC番号mに対応するマスク情報データにおける(5)親PDC番号hには電子線を照射すべきブロックパターンに対応するPDC番号を入力し、また、(6)ずらし量nには、電子ビーム位置をブロックパターンの左辺、即ち、作成しようとする単位ブロック領域の左辺より右側にずらす量を入力する。
【0045】
この部分ブロック露光用マスク情報データgのPDC番号、即ち、子PDC番号mに基づいて部分ブロック露光する場合には、MDF(マスク情報ファイル)内の照合データ▲1▼に書かれている親PDC番号hを参照して(1)ブロックマスク上のブロック配置位置i、(2)マスクフォーカスデータj、(3)面積情報k、及び、(4)露光量調整情報lを得、また、親PDC番号hに対して照合データ▲2▼に書かれているずらし量n分だけずれた位置に電子ビームを照射するので、子PDC番号mにおいては(1)ブロックマスク上のブロック配置位置i、(2)マスクフォーカスデータj、(3)面積情報k、及び、(4)露光量調整情報lを入力する必要はない。
【0046】
なお、MDFには(照合データ▲1▼,照合データ▲2▼)の形でデータが格納されており、照合データ▲1▼には(5)の親PDC番号hが、また、照合データ▲2▼には(6)のずらし量nが記載される。
【0047】
また、電子ビームをブロックパターンより右側にずらして部分ブロック露光を行う場合には、PDC番号mに“0600”〜“07FF”のコード番号を付与し、また、電子ビームをブロックパターンより下側にずらして部分ブロック露光を行う場合には、PDC番号mに“0800”〜“09FF”のコード番号を付与し、さらに、電子ビームをブロックパターンより上側にずらして部分ブロック露光を行う場合には、PDC番号mに“0A00”〜“0BFF”のコード番号を付与することになる。
【0048】
図3(a)参照
まず、PDC番号が“0C00”〜“0DFF”の全面ブロック露光の場合には、ブロックマスクにどの様なブロックパターンが形成されているかに拘わらず、電子ビーム3は開口部(図においては二つの十字状開口部2)の形成されている各ブロックパターン1の全面を照射することになる。
なお、図においては説明の便宜上、示しているブロックパターンのPDC番号を“0405”としている。
【0049】
また、被露光基板であるウェハ上においては、“0405”のパターン位置5が露光データ上で指定されているパターン始点(X1 ,Y1 )に来るように電子ビームを副偏向器等で偏向する。
なお、このパターン位置とは、ブロックパターンの一端に設けた点で、面積を有するブロックパターンをこの点で代表させる。
【0050】
図3(b)参照
次に、子PDC番号が“0407”で、MDFの内容が(0405,2μm)であるとすると、親PDC番号の“0405”を呼出し、図に示す“0405”のブロックパターン1に対して照射する電子ビーム3のビーム位置4が“0405”のブロックパターン1の左辺から右側に2μmずれるように偏向して親PDC番号の“0405”に対応するマスク情報データに基づいて電子ビーム3を照射して、“0405”のブロックパターン1の左側のパターンの露光を行う。
なお、電子ビーム3のビーム位置4とは、面積を有する電子ビーム3のスリット像を代表する点で、スリット像の右上端部に設けた点を言う。
【0051】
図3(c)参照
次に、子PDC番号が“0610”で、MDFの内容が(0405,3μm)であるとすると、親PDC番号の“0405”を呼出し、図に示す“0405”のブロックパターン1に対して照射する電子ビーム3のビーム位置4が“0405”のブロックパターン1の右辺から左側に3μmずれるように偏向して親PDC番号の“0405”に対応するマスク情報データに基づいて電子ビーム3を照射し、“0405”のブロックパターンの右側のパターンの露光を行う。
なお、子PDC番号“0610”のパターン位置6は、図に示す様に右側の十字状開口部2の左下の点で代表させる。
【0052】
図4(d)参照
次に、子PDC番号が“0810”で、MDFの内容が(0804,3μm)であるとすると、親PDC番号の“0804”を呼出し、図に示す“0804”のブロックパターン7に対して照射する電子ビーム3のビーム位置4が“0804”のブロックパターン7の下辺から上側に3μmずれるように偏向して親PDC番号の“0804”に対応するマスク情報データに基づいて電子ビーム3を照射し、“0804”のブロックパターン7の下側のパターンの露光を行う。
【0053】
図4(e)参照
次に、子PDC番号が“0A01”で、MDFの内容が(0804,3μm)であるとすると、親PDC番号の“0804”を呼出し、図に示す“0804”のブロックパターン7に対して照射する電子ビーム3のビーム位置4が“0804”のブロックパターン7の上辺から下側に3μmずれるように偏向して親PDC番号の“0804”に対応するマスク情報データに基づいて電子ビーム3を照射し、“0804”のブロックパターン7の上側のパターンの露光を行う。
なお、この場合の子PDC番号“0A01”のパターン位置10は、図に示す様に下側の凸状開口部8の左下の点で代表させる。
【0054】
この様に、部分ブロック露光を行う場合にもブロック露光用形式で記述されたデータを用いているので、電子ビーム露光装置内での情報処理を統一して行うことができ、スループットが向上する。
【0055】
次いで、近接効果を補正する補助露光に関する本発明の第2の実施の形態を説明する。
まず、ブロックマスク上に、近接効果補正用のブロックパターンを形成する。そして、この近接効果補正用ブロックパターンを露光するためのデータをブロック露光用データとしてブロック露光用様式で記述し、PDC番号を割り当てる。
【0056】
この場合、第1の実施の形態において説明したように各PDC番号に対応したマスク情報データには、(1)ブロックマスク上のブロック配置位置、(2)マスクフォーカスデータ、(3)面積情報、及び、(4)露光量調整情報が入力されるので、この(2)マスクフォーカスデータとして、▲1▼リフォーカス補正値、及び、▲2▼ダイナミック補正値を入力すると共に、(4)露光量調整情報として、通常の露光量である基本露光量に対する減少比率を入力する。
【0057】
例えば、補助露光用PDC番号に“0139”を割り振り、(2)マスクフォーカスデータの▲1▼リフォーカス補正値として3200、▲2▼ダイナミック補正値として1600、及び、(4)露光量調整情報として12%を入力する。
【0058】
そして、“0139”がマスクメモリに対してアクセスされた場合、上記の3200、1600、及び、12%という補正値が読み出され、通常の露光の場合の▲1▼リフォーカス補正値:1600、▲2▼ダイナミック補正値:0、及び、(4)露光量調整情報:100%に対して、デフォーカスされた微弱なショットによる補助露光がなされる。
【0059】
なお、この実施の形態においては、補助露光専用のブロックパターンを用いているが、通常のブロック露光用のブロックパターン、或いは、ブロックマスクの一部に設けてある可変矩形用開口部を用いて補助露光を行っても良いものであり、また、補助露光専用のブロックパターン或いは通常のブロック露光用のブロックパターンの一部を用いた部分ブロック露光により補助露光を行っても良いものである。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、部分ブロック露光工程或いは近接効果を補正するための補助露光工程において、ブロック露光用形式で記述したデータで露光を行うので、電子ビーム露光装置側での調整を必要とすることなく、且つ、ブロック露光と同様に行うことができるのでスループットが向上し、また、露光精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に用いるマスク情報データの概念的構成図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における、全面露光、及び、電子ビームを左右に偏向して照射する部分ブロック露光の説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における、電子ビームを上下に偏向して照射する部分ブロック露光方法の説明図である。
【図5】従来のブロック露光方法の概念的説明図である。
【図6】従来のブロック露光工程における、露光データ作成及びブロックマスク製作を行うためのフローの概略的説明図である。
【図7】従来の部分ブロック露光方法の説明図である。
【符号の説明】
1 PDC=“0405”のブロックパターン
2 十字状開口部
3 電子ビーム
4 ビーム位置
5 PDC=“0405”のパターン位置
6 PDC=“0610”のパターン位置
7 PDC=“0804”のブロックパターン
8 凸状開口部
9 PDC=“0804”のパターン位置
10 PDC=“0A01”のパターン位置
11 配線層パターン
12 十字状開口部
13 十字状開口部
14 単位ブロックパターン
15 露光マスク
16 可変矩形パターン
17 ブロックパターン
18 長細線ブロックパターン
19 電子ビーム
Claims (6)
- 露光に用いるデータを、ブロック露光用形式で記述されるデータ及び可変矩形露光用形式で記述されるデータからなる露光データと、ブロックパターンをブロックマスク上に配置した際の配置情報を有するマスク情報データとの2種類のデータを最低限含む形で構成すると共に、前記各マスク情報データに含まれるブロックを認識するためのパターンデータコード番号でまとめられたデータ群には、少なくとも荷電粒子線を照射すべきブロックパターンに対応するパターンデータコード番号と前記荷電粒子線を照射すべきブロックパターンに対して荷電粒子線をずらすべき量を与えるデータが含まれるようにし、少なくとも、前記各マスク情報データのいずれかを用いるともに、前記ブロック露光用形式で記述されるデータを用いて部分ブロック露光を行うことを特徴とする荷電粒子線を用いたブロック露光方法。
- 上記荷電粒子線をずらす方向を、上記パターンデータコード番号を構成する番号に与えたことを特徴とする請求項1記載の荷電粒子線を用いたブロック露光方法。
- 上記露光に用いるデータを荷電粒子線露光装置固有の特性に応じて変更したデータとしてマスクメモリに格納することを特徴とする請求項1記載の荷電粒子線を用いたブロック露光方法。
- 露光に用いるデータを、ブロック露光用形式で記述されるデータ及び可変矩形露光用形式で記述されるデータからなる露光データと、ブロックパターンをブロックマスク上に配置した際の配置情報を有するマスク情報データとの2種類のデータを最低限含む形で構成すると共に、前記各マスク情報データに含まれるブロックを認識するためのパターンデータコード番号でまとめられたデータ群には、少なくとも荷電粒子線を照射すべきブロックパターンに対応するパターンデータコード番号と前記荷電粒子線を照射すべきブロックパターンに対して近接効果を補正するためのデータが含まれるようにし、前記ブロック露光用形式で記述されるデータを用いて近接効果を補正するための補助露光を行うことを特徴とする荷電粒子線を用いたブロック露光方法。
- 上記補助露光を、ブロックマスクを用いて行うことを特徴とする請求項4記載の荷電粒子線を用いたブロック露光方法。
- 上記補助露光を、ブロックマスクを用いた部分ブロック露光により行うことを特徴とする請求項4記載の荷電粒子線を用いたブロック露光方法。
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