JP3593441B2 - 窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は窒化物系化合物半導体材料を用いた半導体光発光素子に関し、特に、GaN、AlGaN、InGaNなどの窒化物系化合物半導体からなる窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、家庭電化製品、OA機器、通信機器、工業計測器などさまざまな分野で半導体レーザが用いられている。中でも多くの分野で用いられることになるであろうと予想される高密度光ディスク記録等への応用を目的として短波長の半導体レーザの開発が注力されている。現在は赤色半導体レーザが用いられており、それまでの赤外半導体レーザに比べ記録密度が向上した。しかし、次世代の光ディスク記録等への応用には欠陥の低減が困難で、動作電圧が高いなど材料的な問題が数多く存在する。また、発振波長は短いものでも460nm程度であり、システムから要求される420nm台での発振は物性からいって困難である。
【0003】
一方、GaNを含む窒化物系半導体レーザは、原理的には350nm以下までの短波長化が可能であり、400nmでの発振動作が報告されている。信頼性に関しても、LEDにおいて1万時間以上の信頼性が確認されている。このように窒化物半導体系は材料的に次世代の光ディスク記録用光源として必要な条件を満たす優れた特性を持つ材料である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、レーザ発振動作には共振器が必要となる。通常の半導体レーザでは自然へき開面を用いてミラーを形成し共振器を形成している。これは立方晶型のせん亜鉛構造において、[011]あるいは[0−11]方向に結合エネルギーの小さな面、つまりへき開面が存在することを利用したものである。窒化物半導体系においては、前述のような立方晶型と六方晶型とが存在し、サファイヤ上に成長する六方晶型結晶が現在のところ、最も良好な結晶が得られているが、残念ながら、六方晶型には通常の半導体レーザ形成時に用いる自然へき開面のモードは明確には存在しないため、サファイヤのへき開面に誘導され、その方向で窒化物半導体も割れてしまうことにより共振器ミラー形成が非常に困難で、素子製造プロセスの歩留まりが低いという問題も生じていた。
【0005】
また、高出力での動作では共振器ミラーが突然劣化するといった問題があり、また動作時の発熱により基板との間に歪みが生じ、転位が増殖して端面が劣化するといった問題点も指摘されていた.
また、光記録用ディスクの光源として用いる場合には、レーザのスポットを絞るために横モードを制御し、基本モードのみで発振させることが必要である。これは記録時に用いる高出力のレーザでも制御しなければならないが困難であるという問題があった。
【0006】
このように、従来の窒化物系半導体発光素子では、共振器ミラー形成が非常に困難である、信頼性に問題がある、横モード制御が困難である、といった数々の問題点があった。
【0007】
本発明は係る問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、その目的は、簡単な工程で良好なへき開面を形成することができる窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の骨子は、基板のへき開性に影響を受けずに発光層のへき開をおこなって共振器ミラーを形成し、端面の一部を基板から分離することにより基板からの歪みを受けづらくし歪みによる劣化を防止し、出射端面の一部の反射率を低くすること及び端面の一部を共振器として成り立たないように反対の面とが平行でない様にすることにより横モードを制御し、光記録ディスク用光源としての性能を向上することにある。
【0009】
さらに具体的には、本発明の窒化物系化合物半導体発光素子は基板上に形成された第1のコンタクト層と、この第1のコンタクト層上に積層形成された電流狭窄層と、この電流狭窄層上に積層形成された窒素を含む化合物からなる発光層と、この発光層上に積層形成された第2のコンタクト層と、前記第1のコンタクト層および第2のコンタクト層に接触するように形成された第1および第2の電極とを備え、前記電流狭窄層はその側面が前記発光層の側面に対して内部に後退し、前記基板と前記発光層の側面との間に凹部が形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の窒化物系化合物半導体発光素子は、前記電流狭窄層の側面により形成される凹部を含む前記発光層の側面は絶縁物により被覆されている。
【0011】
あるいは、本発明の窒化物系化合物半導体発光素子は、基板と、前記基板上に堆積された中間層と、前記中間層の上に堆積された窒化物系化合物半導体からなる第1のクラッド層と、前記第1のクラッド層の上に堆積された窒化物系化合物半導体からなる活性層と、前記活性層の上に堆積された窒化物系化合物半導体からなる第2のクラッド層と、を少なくとも備えた窒化物系化合物半導体発光素子であって、前記発光素子の光出射側の側面において、前記中間層の側面が前記活性層の側面よりも素子の内部に後退し、前記基板と前記活性層の側面との間に凹部が形成されていることを特徴とするものして構成される。
【0012】
ここで、中間層は、AlN、AlGaN、InAlGaN、ZnO、およびInGaNのうちのいずれかを用いることが望ましい。
【0013】
また、前記発光素子は、前記活性層の対向する側面の一部分を光反射面とした共振器によりレーザ光を放出するものとして構成され、前記発光素子の光出射側の側面は、さらに、前記レーザ光の強度が最も強く出射される部分を含む前記窒化物系化合物半導体のへき開面と、前記へき開面の両側に配置され、前記レーザ光の波長における反射率が前記へき開面の前記レーザ光の波長における反射率よりも相対的に小さい面とを有することを特徴として構成することができる。
【0014】
さらに、前記発光素子の光出射側の側面は、前記レーザ光の強度が最も強く出射される部分を含む前記窒化物系化合物半導体のへき開面と、前記へき開面の両側に配置され前記へき開面に対して傾斜を有する傾斜面とを有することを特徴として構成することができる。
【0015】
また、本発明の窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法は、基板上に第1のコンタクト層を形成する工程と、この第1のコンタクト層上に電流狭窄層を積層形成する工程と、この電流狭窄層上に窒素を含む化合物からなる発光層を積層形成する工程と、この発光層上に第2のコンタクト層を積層形成する工程と、前記第1のコンタクト層および第2のコンタクト層にそれぞれ接触する第1および第2の電極を形成する工程と、前記第1のコンタクト層から前記第2のコンタクト層に至る積層体をマスクを用いてエッチングしてメサ型の積層体を形成する工程と、このメサ型の積層体が形成された前記基板をダイシングにより素子単位に分離する工程と、この分離された素子を台座に設置した後、エッチング液に浸して前記電流狭窄層をその側面周囲から選択エッチングし、前記メサ型の積層体側面に凹部を形成する工程と、この凹部が形成された積層体に外力を印加してへき開する工程と、を備えたことを特徴として構成される。
【0016】
あるいは、基板上に中間層を堆積する工程と、前記中間層の上に、窒化物系化合物半導体からなる第1のクラッド層と、窒化物系化合物半導体からなる活性層と、窒化物系化合物半導体からなる第2のクラッド層を堆積する工程と、前記第2のクラッド層の上にエッチングマスクを形成する工程と、前記エッチングマスクを介して、前記中間層の側面が露出するまで、前記基板に対して略垂直方向にエッチングする第1のエッチング工程と、前記第1のエッチング工程により露出した前記中間層の側面を選択的にエッチングすることにより凹部を形成する第2のエッチング工程と、前記凹部の上に突出した前記活性層を含む半導体層部分をへき開により除去して半導体レーザの端面を形成する工程と、を備えたことを特徴として構成される。
【0017】
ここで、前記エッチングマスクは、前記活性層を構成する前記窒化物系化合物半導体のへき開が容易になるように、前記窒化物系化合物半導体のへき開面に沿って応力を集中させるための少なくともひとつの楔形状を有することを特徴として構成することが望ましい。
【0018】
また、前記中間層は、AlN、AlGaN、ZnO、およびInGaNのうちのいずれかからなることを特徴として構成することが望ましい。
【0019】
さらに、前記第1のエッチング工程は、ドライエッチング法により行われるものとして構成されることが望ましい。
【0020】
また、前記第2のエッチング工程は、エッチング溶液を用いたウェットエッチング法により行われるものとして構成されることが望ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、へき開が基板に誘導されることなく、発光層が自然へき開により、良好なミラーを形成することができる。また、端面の一部を基板から分離することにより基板からの歪みを受けづらくして、歪みによる劣化を防止することができる。さらに、本発明によれば、レーザ光出射端面の一部の反射率を低くし、あるいは端面の一部を共振器として成り立たないように反対の面と平行でない様に構成することにより横モードを制御し、光記録ディスク用光源として良好な発光素子を提供することができる。
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、実施例を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1の実施例に係わる青色半導体レーザ装置の概略構成を説明するためのものである。サファイヤ基板10上に、n−GaNバッファ層11(Siドープ、3〜5×1018cm−3、2μm)、n−GaNコンタクト層12(Siドープ、3〜5×1018cm−3、4μm)、n−AlN電流狭窄層13(Siドープ、3〜5×1018cm−3、1μm)、n−GaNクラッド層14(Siドープ、5×l017cm−3、0.3μm)、In0.2Ga0.8N活性層15(アンドーブ、2nm)、p−GaNクラッド層16(Mgドープ、5×1017cm−3、0.3μm)、GaNコンタクト層17(Mgドープ、1〜3×1018cm‐3、0.1μm)を、MOCVD法によって順次積層形成し、この上に所定領域を覆うマスクを形成して、それ以外の部分をn型コンタクト層12に達するまでエッチングを行ってメサ型の積層体を形成する。次に、この積層体の最上層であるGaNコンタクト層17上にp側電極18を、また、n−GaNコンタクト層12上にn側電極19をそれぞれ設ける。
【0023】
その後、基板10を構成するウェーハ裏面からダイシングにより素子単位に切りとり分離する。分離された素子は、図示しないが、それぞれエッチング液が染み込む程度の間隔を置いて台座に設置してリン酸、弗素を含むエッチング液に浸し、AlN層13を側面より選択的にエッチングする。すなわち、AlN層13はAlが含まれているため、積層体Mを構成する他の層に対して選択的にオーバーエッチングされる。この結果、AlN層13はその側面が他の層の側面に比べて素子内部に後退し、積層体Mの周囲に溝状の凹部が形成される。この構造は、いわゆる、電流狭窄構造であり、電極18、19による電流注入の際に、このAlN層13により電流が狭窄され、活性層15に注入される電流密度を増すことができる。次にこのようにしてエッチングした各素子を水洗いし、図2に示されるように、積層体Mの共振器面となる側面付近の端部M1、M2に表面よりカFを加える。これにより、積層体Mは基板10のへき開方位に関係なく、溝状の凹部に沿って容易にへき開され、形成されたへき開面も良好であった。これはサファイヤ基板10のへき開面に誘導されることなく、発光層であるIn0.2Ga0.8N活性層15、その両側のn−GaNクラッド層14、p−GaNクラッド層16およびGaNコンタクト層17等のGaN層の明確な自然へき開によるものと考えられる。
【0024】
この実施例のレーザは、しきい値30mAで室温連続発振した。発振波長は417nm、動作電圧は8Vであった。また、発振しきい値は図3に示されるように、電流狭窄構造を用いない従来の素子(P)の100mAに比べこの実施例(Q)の場合は30mAと低くなった。また、良好なへき開面であるため劣化などが抑えられ、発光のパターンも良好であった。これにより発光効率が従来のものに比べ2倍以上良くなった。
【0025】
なお、AlN電流狭窄層13はZnOに置き換えてもよく、エッチング液も硫酸を含むものやアンモニアを含むアルカリ性のものでもよい。ZnOを用いた場合さらに結晶性が良い結晶ができるばかりでなく、エッチングがされやすく、工程が容易になり歩留まりが向上した。
【0026】
また、結晶成長はMBE法でも良い。
【0027】
図4は本発明の第2の実施例に係わる青色半導体レーザ装置の概略構成を示す図である。
【0028】
サファイヤ基板20上に、AlNバッファ層21(3〜5×1018cm−3、0.1μm)、n−GaNコンタクト層22(Siドープ、1×1019cm−3、4μm)、Zn0層23(1μm)、n−Al0.5Ga0.5Nクラッド層24(Siドープ、5×1017cm−3、0.3μm)、GaN光閉じ込め層25(Siドープ、0.1μm)、In0.1Ga0.9N活性層26(Siドープ、3nm)、GaN光閉じ込め層27(Siドープ、0.1μm)、p−Al0.5Ga0.5Nクラッド層28(Mgドープ、5×1017cm−3、0.3μm)、GaNコンタクト層29(Mgドープ、1〜3×1018cm−3、0.1μm)をMBE法によって順次積層形成し、この上に所定領域を覆うマスクを形成して、それ以外の部分をn型コンタクト層22に達するまでエッチングを行ってメサ型の積層体M’を形成する。次に、この積層体M’の最上層であるGaNコンタクト層29上にp側電極30を、また、n−GaNコンタクト層22上にn側電極31をそれぞれ設ける。
【0029】
その後、基板20を構成するウェーハ裏面からダイシングにより素子単位に切りとり分離する。分離された素子のそれぞれを、図示しないが、台座にマウントし、n型、p型ともにAuワイヤー33、34により台座の端子に配線を行う。次いで、これらの台座にマウントされた素子をエッチング液に浸し、Zn0層23を側面より選択的にエッチングする。これによりZn0層23はオーバーエッチングされ、その側面が他の層の側面に比べメサ型の積層体M’内部に後退し、積層体M’の周囲に溝状の凹部を形成する。その後、台座にマウントされた素子を水洗いし、図5に示すように、各素子のメサ型の積層体M’部分を中心に液状のシラノール化合物32を適量塗布し、加熱によりキュアし積層体M’の周囲に図5に示すような、SiO2膜32を形成する。その後、台座にマウントされた素子を液体中に浸積して超音波をかけると、図5に示す共振器面となる端面部分M1’、M2’が図6に示すようにへき開される。この操作によりZnO層23により電流狭窄構造が形成でき、その側面を絶縁物であるSiO2が覆っているために表面を伝わって流れるリーク電流が阻止できた。
【0030】
この実施例のレーザ素子は、図7の曲線Qで示されるように、しきい値10mAで80℃まで連続発振した。発振波長は383nm、基本横モード発振し、図8に示すように、5000時間までの安定動作も確認した。このレーザ素子の動作電圧は4Vであった。この素子構造ではZn0層23がエッチングの際に共振器ミラーの隣接面がエッチングされ、電流狭窄構造となっているため、図7に示したように、しきい値電流の低下がみられ、また、表面をリーク電流が流れない為に発光効率も向上した。さらに、共振器ミラー面近傍に電流が流れないので共振器ミラーの損傷が生じないためと発光層の歪が緩和されているために信頼性が向上した(図8)。また、AlNバッファ層21の厚さを20μmと厚くしたところヒートシンクとしての働きが加わり、温度特性が向上し100℃まで連続発振した。また、n−A10.5Ga0.5Nクラッド層24を0.1μmと薄くしたところ、クラッド層24とSiO2層32との間の屈折率差により高出力においても横モードが制御が維持された。
【0031】
次に、図9ないし図11は本発明の第3の実施例を示す図で、図9および図11は平面図、図10は側面図である。
【0032】
サファイヤ基板40上に、AlNバッファ層41(3〜5×1018cm−3、0.01μm)、n−GaNコンタクト層42(Siドープ、1×1019cm−3、2μm)、n−Zn0層43(1μm)、n−GaN層44(Siドープ、1×1019cm−3、1μm)、n−Al0.5Ga0.5Nクラッド層45(Siドープ、5×1017cm−3、0.3μm)、GaN光閉じ込め層46(Siドープ、0.1μm)、In0.1Ga0.9N活性層47(Siドープ、3nm)、GaN光閉じ込め層48(Siドープ、0.1μm)、p−Al0.5Ga0.5Nクラッド層49(Mgドープ、5×l017cm−3、0.3μm)、GaNコンタクト層50(Mgドープ、1〜3×l018cm−3、0.1μm)をMBE法によって順次成長形成する。この後これらの成長層が積層された基板40を成長室より取り出し、p−GaNコンタクト層50上にSiO2絶縁膜51を形成し、その一部をp−GaNコンタクト層50に到達するようにストライプ状(図9の破線で示される部分)にエッチングし、その上からNiを50nm蒸着する。その後、図11に示すような形状のマスクをTiにより形成し、ドライエッチングによりn−GaNコンタクト層42に到達する迄エッチングを行う。次にn型電極53となる部分以外にマスクを形成し、その後Tiを蒸着しp型電極52が形成できる。その後マスクは除去する。次に全体をそれ以外の部分をn型コンタクト層42に達するまでエッチングを行い、n型電極53を形成する。そしてp型電極52にはp側リード線54が、また、n型電極53にはn側リード線55がそれぞれ接続される。
【0033】
この時点での形状の概略図を図11に示す。同図は単一の発光素子領域の上面図であるが、p側リード線54が接続されるp型電極52領域とこれに連結されるレーザ素子本体部55とn型電極53領域から構成されている。図11と図9の完成上面図と比較すると、レーザ素子本体部55の共振器面となるへき開面56が形成されていないことがわかる。その後、前述の実施例の場合と同様に、基板40全体をエッチング液に浸し、Zn0層43を側面より選択的にエッチングする。これによりZn0層43はオーバーエッチングされ、その側面がメサ型の積層体M”部分の全体の側面に対して後退し、積層体M”部分の周囲に溝状の凹部56が形成される。図10においてはZn0層43の内部にもエッチング除去された透孔57が形成されるが、これは図10あるいは図11のレーザ素子本体部55とp側リード線54が接続されるp型電極52領域との接続部両側の溝59部におけるオーバーエッチングにより、透孔57が形成される。
【0034】
エッチング終了後、水洗いを行い基板40を構成するウェーハ裏面からダイシングにより素子単位に切りとり、分離する。次いで、分離されたそれぞれの素子を図示しない台座にマウントし、n型電極53、p型電極54ともにAuワイヤーリード線54、55により台座の端子に配線を行う。この後図示しないが液体中で超音波をかけると、図11に示す共振器面となるメサ型の積層体M”の端面部分M1”、M2”がへき開され、図10に示すような完成された素子が得られる。次に、図9に示すように、レーザ素子のメサ型の積層体M”部分を中心に液状のシラノール化合物58を適量塗布し、加熱によりキュアしシアノール化合物を酸化して、図10に示すように、メサ型の積層体M”の側面部分を覆うSi02膜58を形成する。
【0035】
このようにして完成されたレーザ素子は、図10に示されるように、Zn0層43により電流狭窄構造が形成でき、その側面を絶縁物であるSiO2膜58が覆っているために表面を伝わって流れるリーク電流が阻止できた。そして最も重要なことは、これらの製造過程によりレーザ素子本体部55の共振器長である、メサ型の積層体M”の端面M1”、M2”間の長さやこの間に延長されるストライプ状のZn0層43の幅を小さくできることである。これによりしきい値電流、動作電力が低減できる。共振器長が100μm、ストライプ幅が5μmの場合にしきい値電流が1mAとなった。これにより素子の信頼性も向上した。
本実施例のレーザ素子では、しきい値3mAで80℃まで連続発振した。発振波長は390nm、基本横モード発振し、5000時間までの安定動作も確認した。また、動作電圧は3.8Vであった。
【0036】
次に、本発明の第4の実施例について説明する。
【0037】
図12は、本発明の第4の実施例に係わる青色半導体レーザ装置の断面構造を表す模式図である。同図において、60はサファイヤ基板、61はn−AlNバッファ層(Siドープ、キャリア濃度:3〜5×1018cm−3、層厚:100nm)であり、62はn−GaNコンタクト層(Siドープ、3〜5×1018cm−3、4μm)、63はn−Al0.5Ga0.5Nクラッド層(Siドープ、5×1017cm−3、0.3μm)、64はIn0.2Ga0.8N活性層(アンドープ、3nm)、65はp−Al0.5Ga0.5Nクラッド層(Mgドープ、5×1017cm−3、0.3μm)、66はp−GaNコンタクト層(Mgドープ、1〜3×1018cm−3、0.1μm)、67はp側電極、68はn側電極である。同図において61〜66で示した各半導体層の結晶成長は、MOCVD法によって行った。
【0038】
本実施例においても、同図に示した積層構造体を結晶成長した後に、素子化工程を行った。
【0039】
図13は、本実施例において用いるエッチングマスクの形状を表す模式図である。すなわち、前述した結晶成長工程の後に、まず、図13のような形状のマスクをコンタクト層66の上に形成し、マスクされていない部分を基板60に達するまでエッチングする。このエッチングは、半導体層61〜66の各層の組成などに依存する選択性を有さずに基板に対して垂直にエッチングできるエッチング法であることが望ましく、具体的にはドライエッチング法を用いることが望ましい。さらに具体的には、例えば、エッチングガスとしてCF4、SF6、BCl3、Cl2のうちのいずれかひとつが含まれる混合または単一ガスを用いて、ECR(エレクトロンサイクロトロン共鳴)エッチング装置を用いて、反応性イオンビームエッチングを行うことができる。
【0040】
また、窒化ガリウム結晶の上にマスクを形成するに際しては、後述するように、同図のA−A線が窒化ガリウム系化合物半導体のへき開面と平行になるように形成する。ここで、窒化ガリウム系化合物半導体のへき開面は、具体的には、(1−100)、(10−10)、(01−10)、(−1100)、(−1010)、あるいは(0−110)のうちのいずれかの面である。これらの面は、サファイアのへき開面とははずれており、本発明の方法によりサファイアとは別な面で窒化ガリウム系化合物半導体のへき開が可能となる。
【0041】
図14は、このエッチング後の形状を表す概略斜視図である。同図に示したように、半導体層61〜66は、深さ方向に対して楔形状に切り込まれた形状にエッチングされた側面を有する。
次に、半導体層の側面に露出しているAlN層61を選択的にエッチングする。このエッチング法としては、例えば、リン酸系、王水、あるいはSH(硫酸:過酸化水素水:水=5:1:1)などのエッチング溶液を用いたウェットエッチング法を用いることができる。すなわち、AlN層61はアルミニウムを含むために、これらのエッチング溶液に対して、選択的にエッチングされる。また、エッチング溶液の温度を上げることによりエッチング速度が上昇し、より早いプロセスが可能となる。
【0042】
図15(a)および(b)は、このエッチング工程後の半導体層の形状を表す説明図である。すなわち同図(a)は、その概略斜視図であり、同図(b)は、(a)に示した矢印方向からみた概略正面図である。これらの図に示したように、このエッチング工程においては、楔形状の溝により両側から切り込まれた半導体層の端部Eの下部のAlN層61がエッチング除去されるまで、エッチングを行う。このようにAlN層61をエッチング除去することによって、端部Eは基板60から切り離されて宙に浮いた状態となり、後に説明するへき開を容易に行うことができるようになる。
【0043】
次に、p電極となる部分をマスキングし、n−GaN層62が露出するまでエッチングする。さらに電極材料を堆積して、n側電極68を形成する。この後、溶液中に浸しこの溶液に超音波を伝えることにより、端面部分がへき開され鏡面状の端面が形成される。
【0044】
図16は、端面部分がへき開される様子を表す模式図である。本発明によれば、前述したように、窒化ガリウム系半導体の自然へき開面に沿って、図13に示したマスクの楔形の向きを合わせ、エッチングする。従って、窒化ガリウム系半導体のへき開面に沿って応力を集中させ、容易にへき開を起こさせることができる。また、本発明によれば、このへき開分離される端部Eは、下層のAlN層61をエッチング除去することによって基板60から切り離されて宙に浮いているので、基板60のへき開面方位とは無関係に、窒化ガリウム系半導体をへき開することができる。
【0045】
この後さらに基板60をダイシングして、基板60ごと各素子を切りとる。
【0046】
図17は、完成した半導体発光素子の概略斜視図である。完成した素子の端面Sにおいては、アルミニウムを含む層が周りより窪んで凹状の形状となっている部分がある。このくぼみは、アルミニウムの含有量が多いほど大きい。このため基板60の上のAlN層61だけではなく、クラッド層63および65もエッチングされて側面が窪んで凹部が形成されている。しかし、レーザ光の出射端面付近SLは、AlN層のエッチング時には露出しておらず、超音波をかけてへき開した後に露出するので、このエッチングによる凹みは生ずることなく、レーザの発振動作に影響はない。
【0047】
なお、楔型の形状を持つマスクでエッチングを行う工程は、n側電極形成のためにエッチングしてn側コンタクト層を露出させる工程の後でもよい。
【0048】
その他の工程も本実施例とは異なる順序で実施することができる。但し、その場合には適宜マスク形状を変える必要がある。また、図13に例示したマスクは、ひとつの素子が他の素子から分離して独立した形状を有するが、本発明はこれに限定されず、例えば、ウェーハ上で隣接する各素子を接してならべたような形状のマスクを用いることもできる。
【0049】
本発明者の試作の結果、本実施例による発光素子を評価用治具に固定し、動作させたところしきい値150mAにおいて室温連続発振した。発振波長は422nmで、動作電圧は4Vであった。また、素子の寿命は、通常のドライエッチングにより端面を形成した素子や、基板あるいは成長表面に傷をつけてそれに沿って割る方法により端面を形成した素子と比べて、10倍以上長く、極めて長寿命を有することが分かった。
【0050】
さらに、レーザ光の発光パターンをみると、光強度が最大の部分が1ヶ所のみであり、光記録ディスクの読み取りや書き込み用として最適なものであった。これは、本実施例による発光素子が、基本横モードにより発振していることを反映している。その理由として、端面に反射率が低い部分が存在し、これにより外側の高次モードがカットされ、基本モードのみで発振していることが確認された。
【0051】
つまり、本実施例においては、図13に例示したようなマスクを用いて楔形にエッチングするので、レーザの端面において、図17に示したように、へき開面SLの左右の面SS、SSは、傾斜しており、共振器として作用しうるような平行面となってないために、この付近では高出力でも高次モードで発振は起こらない事が分かった。
【0052】
一方、本発明においては、マスクの形状を変更して、レーザの端面が平面状となるように構成することもできる。
【0053】
図18は、このようなマスクを例示する模式図である。すなわち、発光素子の端面側が平面となるような楔形状Cを採用することもできる。このようなマスクを用いて前述と同様の工程により形成した発光素子の端面においても、へき開面とその左右の面とでは、光の反射率が異なるようにすることができる。その理由は、楔形にエッチングした後に形成されるエッチング面は鏡面にはならずに、微細な凹凸を有する「荒れた」面とすることができるからである。このような「荒れた」エッチング面は、ドライエッチング法などにおいて、エッチング条件を適宜調節することによって容易に得ることができる。
【0054】
すなわち、図18に示したようなエッチングマスクを用いた場合には、発光素子の端面は、略平面状とすることができ、しかも、レーザ光の出射部分は、へき開面による鏡面が形成されているのに対して、その左右には、反射率の低いエッチングされた面が存在するように形成することができる。この場合にも、へき開面の左右の面は、共振器として作用しうるような面となってないために、この付近では高出力でも高次モードで発振は起こらず、基本横モードを維持することができる。
【0055】
一方、本実施例においても、AlNバッファ層61は、ZnOに置き換えてもよく、ZnOを用いた場合には、その上に成長する各層はさらに結晶性が良い結晶となり、それにより発光素子の特性を向上させることができるという効果が得られる。この場合には、凹みを形成するためのエッチング液としては王水、あるいは塩酸系のエッチング溶液を用いることができる。
【0056】
また、AlNバッファ層61の代わりに、InGaN層を用いても良い。この場合には、その上に成長する結晶層の歪み量が調節され、AlGaN層のアルミニウム組成を高くした場合でも結晶にクラックが入ることがなくなるという効果が得られる。また、InGaN層は光の吸収層として働き、モードの制御とともに自励発振を起こし、高周波駆動が容易になるという利点もある。この場合のエッチング液としては、臭素系、あるいは塩酸系のエッチング溶液を用いることができる。
【0057】
また、本実施例においては、結晶の成長方法としてMOCVD法を用いたが、その他に、MBE法、化学ビーム・エピタキシャル(CBE)法、有機金属分子線エピタキシャル(MOMBE)法、あるいはハイドライドCVD法などを用いることもできる。
【0058】
また、図13に示したようなエッチングマスクの形状としては、楔型の部分がレーザ光の出射端面に対して角度α=0〜45°の間で発振可能であり、α=0°の場合が電流値に対する出力が大きかったが、α=10°付近がもっとも横モード制御が保持できた。角度αがさらに大きくなると横モード制御は保持できるが出力が低下する傾向がみられる。
【0059】
次に、本発明の第5の実施例について説明する。
【0060】
図19は、本発明の第5の実施例に係わる青色半導体レーザ装置の断面構造を表す模式図である。すなわち、同図に示したレーザ装置は、サファイヤ基板20の上にGaNバッファ層81(3〜5×1016cm−3)、n−GaNコンタクト層82(Siドープ、1×1018cm−3)、n−ZnO層83(Clドープ、1×1019cm−3、1μm)、n−Al0.5Ga0.5Nクラッド層84(Siドープ、5×1017cm−3、0.3μm)、GaN光閉じ込め層85(アンドープ、0.1μm)、In0.2Ga0.8N/GaN3MQW活性層86(アンドープ、井戸層2nm、障壁層4nm)、GaN光開じ込め層87(アンドープ、0.1μm)、p−Al0.5Ga0.5Nクラッド層88(Mgドープ、5×1017cm−3、0.3μm)、GaNコンタクト層89(Mgドープ、1〜3×1018cm−3、0.1μm)が順次成長された積層構造を有する。また、91はp側電極、92はn側電極である。
【0061】
結晶成長は、MBE法によって行った。この後p型電極となる部分に図13のようなマスクを形成し、それ以外の部分をn型コンタクト層82に達するまでエッチングを行い、n型電極92を形成する。次に、エッチング液に浸し、ZnO層83を側面からエッチングする。エッチング液としては王水、あるいは塩酸系のエッチング溶液を用いることができる。これにより、ZnO層83はエッチングされ、ZnO層83の側面が他の層の側面に比べて素子内部に後退して凹んだ構造が作成される。さらに、エッチング後の水洗い時に、強い水流で洗浄することにより、楔型の切れ込みより先端側がへき開されて除去される。あるいは、水中で超音波を印加することによりへき開しても良い。このような楔型の切れ込みを入れない場合には、意図した端面が形成できず、歩留まりが低下した。
【0062】
図20は、前述したへき開の前の形状を表す概略要部斜視図である。
【0063】
本発明者の試作の結果、本実施例の発光素子は、しきい値100mAで80℃まで連続発振した。また、発振波長は418nmで、基本横モード発振し、5000時間までの安定動作も確認することができた。また、素子の動作電圧は4Vであった。
【0064】
ここで、本実施例においては、図20に示したように、ZnO層83がエッチングによって素子側面よりも後退している。すなわち、電流が狭窄され、レーザ共振器の端面となる鏡面の近傍に電流が流れない、いわゆる窓構造となっている。その結果として、本実施例によれば、共振器面の近傍への電流注入に起因する光学的損傷(COD:catastrophic optical damage)が抑制され、発光素子の信頼性が向上するという効果も得ることができる。
なお、本実施例においても、結晶成長法はMBE法に限定されず、その他にMOCVD法、化学ビーム・エピタキシャル(CBE)法、有機金属分子線エピタキシャル(MOMBE)法、あるいはハイドライドCVD法などを用いることもできる。
【0065】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に説明する効果を奏する。
【0066】
まず、本発明によれば、高電流注入密度、高発光効率、良好なミラーを形成でき、素子構造も簡略化することができる半導体レーザ装置を提供することができる。
【0067】
また、本発明によれば、発光層の歪が緩和されるため信頼性が向上し、端面への電流注入が減少するので端面での光学的突発劣化が起こりにくくなり高出力で信頼性の優れた素子を得ることができる。
【0068】
また上記した構造は再現良く簡単なプロセスで製造することができるものであり、その有用性は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す発光素子の断面図である。
【図2】図1に示す発光素子の製造方法を示す斜視図である。
【図3】図1に示した発光素子の注入電流と発光強度の関係を、従来の発光素子と比較して示すグラフである。
【図4】本発明の第2の実施例を示す発光素子の断面図である。
【図5】図4に示す発光素子の製造方法を示す発光素子の斜視図である。
【図6】図4に示す発光素子の製造方法を示す発光素子の斜視図である。
【図7】図4に示した発光素子の注入電流と発光強度の関係を、従来の発光素子と比較して示すグラフである。
【図8】図4に示した発光素子の動作時間と動作電流の関係を、従来の発光素子と比較して示すグラフである。
【図9】本発明の第3の実施例を示す発光素子の上面図である。
【図10】図9に示す発光素子の断面図である。
【図11】図9に示す発光素子の製造方法を示す概略図である。
【図12】本発明の第4の実施例に係わる青色半導体レーザ装置の断面構造を表す模式図である。
【図13】第4実施例において用いるエッチングマスクの形状を表す模式図である。
【図14】エッチング後の形状を表す概略斜視図である。
【図15】(a)および(b)は、このエッチング工程後の半導体層の形状を表す説明図である。すなわち同図(a)は、その概略斜視図であり、同図(b)は、(a)に示した矢印方向からみた概略正面図である。
【図16】端面部分がへき開される様子を表す模式図である。
【図17】第4実施例にかかる完成した半導体発光素子の概略斜視図である。
【図18】マスクを例示する模式図である。
【図19】本発明の第5の実施例に係わる青色半導体レーザ装置の断面構造を表す模式図である。
【図20】第5実施例に係る発光素子のへき開の前の形状を表す概略要部斜視図である。
【符号の説明】
10、60、80 サファイヤ基板
11 n−GaNバッファ層
12、62、82 n−GaNコンタクト層
13 n−AlN電流狭窄層
14、63、85 n−GaNクラッド層
15、64、86 InGaN活性層
16、65、87 p−GaNクラッド層
17、66、89 GaNコンタクト層
18、67、91 p側電極
19、68、92 n側電複
20 サファイヤ基板
21 AlNバッファ層
22 n−GaNコンタクト層
23 Zn0層
24 n−AlGaNクラッド層
25 GaN光閉じ込め層
26 InGaN活性層
27 GaN光閉じ込め層
28 p−AlGaNクラッド層
29 GaNコンタクト層
30 p側電極
31 n側電極
32 Si02絶縁膜
Claims (7)
- 基板と、基板上に形成された第1のコンタクト層と、この第1のコンタクト層上に形成された電流狭窄層と、この電流狭窄層上に形成された窒化物系化合物半導体からなる発光層と、この発光層上に形成された第2のコンタクト層と、前記第1のコンタクト層および第2のコンタクト層に接触するように形成された第1および第2の電極とを備え、
前記電流狭窄層は、その側面が前記発光層の側面に対して内部に後退し、前記基板と前記発光層の側面との間に凹部が形成され、
前記発光層の対向する側面の一部分を光反射面とした共振器によりレーザ光を放出し、前記発光層の光出射側の側面は、前記レーザ光が最も強く出射される部分を含む前記窒化物系化合物半導体のへき開面と、前記へき開面の両側に配置され前記へき開面に対して傾斜する傾斜面とを有することを特徴とする窒化物系化合物半導体発光素子。 - 基板と、前記基板上に形成された中間層と、前記中間層の上に形成された窒化物系化合物半導体からなる第1のクラッド層と、前記第1のクラッド層の上に形成された窒化物系化合物半導体からなる活性層と、前記活性層の上に形成された窒化物系化合物半導体からなる第2のクラッド層と、を少なくとも備えた窒化物系化合物半導体発光素子であって、
前記発光素子の光出射側の側面において、前記中間層の側面が前記活性層の側面よりも素子の内部に後退し、前記基板と前記活性層の側面との間に凹部が形成され、
前記発光素子は、前記活性層の対向する側面の一部分を光反射面とした共振器によりレーザ光を放出し、
前記発光素子の光出射側の側面は、前記レーザ光が最も強く出射される部分を含む前記窒化物系化合物半導体のへき開面と、前記へき開面の両側に配置され前記へき開面に対して傾斜する傾斜面とを有することを特徴とする窒化物系化合物半導体発光素子。 - 前記中間層は、AlN、AlGaN、InAlGaN、ZnO、およびInGaNからなる群から選択された材料からなることを特徴とする請求項2記載の窒化物系化合物半導体発光素子。
- 前記発光素子の光出射側の側面の前記傾斜面は、前記レーザ光の波長における反射率が前記へき開面の前記レーザ光の波長における反射率よりも相対的に小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに1つに記載の窒化物系化合物半導体発光素子。
- 単一の光共振器とレーザ光が放出されるへき開面とを有する窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法であって、
基板上に第1のコンタクト層を形成する工程と、
前記第1のコンタクト層上に電流狭窄層を形成する工程と、
前記電流狭窄層上に窒化物系化合物半導体からなる活性層を形成する工程と、
前記活性層上に第2のコンタクト層を形成する工程と、
メサ型の積層構造体を形成するために、前記第2のコンタクト層と前記活性層と前記電流狭窄層とをマスクを用いて前記第1のコンタクト層が露出するまでエッチングする工程と、
前記第1のコンタクト層に接触する第1の電極を形成する工程と、
前記第2のコンタクト層に接触する第2の電極を形成する工程と、
ダイシングにより素子単位に分離する工程と、
前記分離された素子を台座に設置した後、前記電流狭窄層を前記メサ型の積層構造体の側面周囲から選択エッチングし、前記光共振器に電流が狭窄されるように前記レーザ光に対して平行な前記メサ型積層構造体の側面に凹部を形成するとともに、前記レーザ光に対して垂直な前記メサ型積層体の側面にも凹部を形成する工程と、
前記へき開面を形成するために、前記凹部が形成された積層体に外力を印加することにより前記レーザ光に対して垂直な方向のリセスの上に突出した前記活性層を含む前記メサ型積層構造体の上側端部をへき開する工程と、
を備えたことを特徴とする窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法。 - レーザ光が放出されるへき開面を有する窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法であって、
中間層と、第1の窒化物系化合物半導体からなる第1のクラッド層と、第2の窒化物系化合物半導体からなる活性層と、第3の窒化物系化合物半導体からなる第2のクラッド層と、を有する積層体を基板上に堆積する工程と、
前記積層体の上に、前記第2の窒化物系化合物半導体の自然へき開面に沿って応力を集中させる、前記へき開面に対して前記積層体側に傾斜した傾斜面を備えた少なくともひとつのくさび型のノッチを有するエッチングマスクを形成する工程と、
前記エッチングマスクを介して、前記基板に対して垂直方向に前記中間層の側面が露出するまでエッチングすることによりメサ型の積層構造体を形成する第1のエッチング工程と、
前記第1のエッチング工程により露出した前記中間層の前記側面を選択的にエッチングすることにより凹部を形成する第2のエッチング工程と、
前記凹部の上に突出した前記活性層を含む前記メサ型積層構造体の部分を前記くさび型のノッチの先端付近においてへき開により除去して前記へき開面を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法。 - 前記エッチングマスクは、前記活性層を構成する前記第2の窒化物系化合物半導体の自然へき開面に沿って応力を集中させるための対向した一対のくさび型のノッチを有し、前記活性層を構成する前記第2の前記窒化物系化合物半導体は前記ノッチの底を結んだ直線に沿ってへき開されるようにしたことを特徴とする請求項6記載の製造方法。
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