JP3590216B2 - 異常陰影候補の検出方法および装置 - Google Patents

異常陰影候補の検出方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は異常陰影候補の検出方法および装置に関し、詳細には異常陰影候補を検出しようとする対象画像の解像度の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、種々の画像取得方法により得られた画像を表す画像信号に対して、階調処理や周波数処理等の画像処理を施し、画像の観察読影性能を向上させることが行われている。特に人体を被写体とした放射線画像のような医用画像の分野においては、医師等の専門家が、得られた画像に基づいて患者の疾病や傷害の有無を的確に診断する必要があり、その画像の読影性能を向上させる画像処理は不可欠なものとなっている。
【0003】
このような画像処理においては、その画像全体を処理の対象とする場合もあるが、検査や診断の目的がある程度明確な場合は、その目的に適した所望の画像部分だけを選択的に強調処理することもある。
【0004】
通常、そのような画像部分の選択は、画像処理が施される以前の原画像を観察読影者が観て、必要に応じて手動で行うものであるが、選択される対象画像部分や指定される範囲は観察者の経験や画像読影能力の高低によって左右され客観的なものとならない虞がある。
【0005】
例えば乳癌の検査を目的として撮影された放射線画像においては、その放射線画像から癌化部分の特徴の一つである腫瘤陰影を抽出することが必要であるが、必ずしも的確にその腫瘤陰影の範囲を指定できるとは限らない。このため、観察者の技量に依存せずに、腫瘤陰影を始めとする異常陰影を的確に検出することが求められている。
【0006】
この要望に応えるため、計算機処理を用いて異常陰影候補を自動的に検出するようにした計算機支援画像診断(CADM;Computer Aided Diagnosis of Medical images)の研究が最近進んでいる。このCADM技術の一つとしてアイリスフィルター処理が提案されている(小畑他「DR画像における腫瘤影検出(アイリスフィルタ)」電子情報通信学会論文誌 D−II Vol.J75−D−II No.3 P663〜670 1992年3月参照)。このアイリスフィルター処理は、特に乳癌における特徴的形態の一つである腫瘤陰影を検出するのに有効な手法として研究されているが、対象画像としては、このようなマンモグラムにおける腫瘤陰影に限るものではなく、その画像を表す画像信号(濃度等)の勾配が集中しているものについては、いかなる画像部分に対しても適用することができる。
【0007】
以下、腫瘤陰影の検出処理を例にして、このアイリスフィルターによる腫瘤陰影候補の検出処理の概要について説明する。
【0008】
例えばX線フイルム上における放射線画像(高濃度高信号レベルの画像信号で表される画像)においては、腫瘤陰影は周囲の画像部分に比べて濃度値がわずかに低いことが知られており、その濃度値の分布は概略円形の周縁部から中心部に向かうにしたがって濃度値が低くなるという濃度値の勾配を有している。したがって腫瘤陰影においては、局所的な濃度値の勾配が認められ、その勾配線は腫瘤の中心方向に集中する。
【0009】
アイリスフィルターは、この濃度値に代表される画像信号の勾配を勾配ベクトルとして算出し、その勾配ベクトルの集中度を出力するものであり、アイリスフィルター処理とはこの勾配ベクトルの集中度を基に腫瘤陰影を検出するものである。
【0010】
すなわち例えば図6(1)に示すようなマンモグラムにおいて腫瘤陰影P内の任意の画素における勾配ベクトルは同図(2)に示すように腫瘤陰影の中心付近を向くが、血管陰影や乳腺等のように細長い陰影Pでは同図(3)に示すように勾配ベクトルが特定の点に集中することはないため、局所的に勾配ベクトルの向きの分布を評価し、特定の点に集中している領域を抽出すれば、それが腫瘤陰影となる。なお、同図(4)に示すような乳腺等の細長い陰影同士が交差した陰影Pについては勾配ベクトルが特定の点に集中する傾向があり疑似異常陰影となりうる。
【0011】
以上がアイリスフィルター処理の基本的な考え方である。以下に具体的なアルゴリズムのステップを示す。
【0012】
(ステップ1)勾配ベクトルの計算
対象となる画像を構成する全ての画素について、各画素jごとに、下記式(1)に示す計算式に基づいた画像データの勾配ベクトルの向きθを求める。
【0013】
【数1】
Figure 0003590216
【0014】
ここでf〜f16は、図7に示すように、その画素jを中心とした例えば縦5画素×横5画素の大きさのマスクの外周上の画素に対応した画素値(画像データ)である。
【0015】
(ステップ2)勾配ベクトルの集中度の算出
次に、対象となる画像を構成する全ての画素について、各画素ごとに、その画素を注目画素とする勾配ベクトルの集中度Cを次式(2)にしたがって算出する。
【0016】
【数2】
Figure 0003590216
【0017】
ここでNは注目画素を中心に半径Rの円内に存在する画素の数、θj は、注目画素とその円内の各画素jとを結ぶ直線と、その各画素jにおける上記式(1)で算出された勾配ベクトルとがなす角である(図8参照)。したがって上記式(2)で表される集中度Cが大きな値となるのは、各画素jの勾配ベクトルの向きが注目画素に集中する場合である。
【0018】
ところで、腫瘤陰影近傍の各画素jの勾配ベクトルは、腫瘤陰影のコントラストの大小に拘らず、略その腫瘤陰影の中心部を向くため、上記集中度Cが大きな値を採る注目画素は、腫瘤陰影の中心部の画素ということができる。一方、血管などの線状パターンの陰影は勾配ベクトルの向きが一定方向に偏るため集中度Cの値は小さい。したがって、画像を構成する全ての画素についてそれぞれ注目画素に対する上記集中度Cの値を算出し、その集中度Cの値が予め設定された閾値を上回るか否かを評価することによって、腫瘤陰影を検出することができる。すなわち、このフィルターは通常の差分フィルターに比べて、血管や乳腺等の影響を受けにくく、腫瘤陰影を効率よく検出できるという特長を有している。
【0019】
さらに実際の処理においては、腫瘤の大きさや形状に左右されない検出力を達成するために、フィルターの大きさと形状とを適応的に変化させる工夫がなされる。図9に、そのフィルターを示す。このフィルターは、図8に示すものと異なり、注目画素を中心として2π/M度の角度間隔で隣接するM種類の方向(図9においては、11.25 度ごとの32方向を例示)の放射状の方向線上の画素のみで上記集中度の評価を行うものである。
【0020】
ここでi番目の方向線上にあって、かつ注目画素からn番目の画素の座標([x],[y])は、注目画素の座標を(k,l)とすれば、以下の式(3),(4)で与えられる。
【0021】
【数3】
Figure 0003590216
【0022】
ただし、[x],[y]は、x,yを越えない最大の整数である。
【0023】
さらに、その放射状の方向線上の各方向線ごとに最大の集中度が得られる画素までの出力値をその方向についての集中度Cimaxとし、その集中度Cimaxをすべての方向線について平均し、この平均値を注目画素についての勾配ベクトル群の集中度Cとする。
【0024】
具体的には、まずi番目の放射状の線上において注目画素からn番目の画素までで得られる集中度Ci (n)を下記式(5)により求める。
【0025】
【数4】
Figure 0003590216
【0026】
すなわち式(5)は、始点を注目画素、終点をRmin からRmax までの範囲内で変化させて、集中度Ci (n)を算出するものである。
【0027】
ここでRmin とRmax とは、検出(抽出)しようとする腫瘤陰影の半径の最小値と最大値である。
【0028】
次に、勾配ベクトル群の集中度Cを下記式(6)および(7)により計算する。
【0029】
【数5】
Figure 0003590216
【0030】
ここで式(6)のCimaxは、式(5)で得られた放射状の方向線ごとの集中度Ci (n)の最大値であるから、注目画素からその集中度Ci (n)が最大値となる画素までの領域が、その方向線の方向における腫瘤陰影の候補領域となる。
【0031】
そしてすべての放射状の方向線について式(6)の計算をしてその各方向線上における腫瘤陰影の領域の輪郭(辺縁点)を求め、この各方向線上における腫瘤陰影の領域の隣接する辺縁点を、直線または非線形曲線で結ぶことにより、腫瘤陰影の候補となり得る領域の輪郭を特定することができる。
【0032】
さらに、式(7)では、この領域内の式(6)で与えられた集中度の最大値Cimaxを放射状の線の全方向(式(7)では32方向の場合を例示)について平均した値を求める。この求められた値がアイリスフィルター処理の出力値Iであり、この出力値Iを、腫瘤陰影であるか否かを判別するのに適した予め設定した一定の閾値Tと比較し、I≧Tであればこの注目画素を中心とする領域が異常陰影候補(腫瘤陰影候補)であり、I<Tであれば腫瘤陰影候補ではない、と判定する。
【0033】
なお、式(7)の勾配ベクトル群の集中度Cを評価する領域が勾配ベクトルの分布に応じて大きさと形状が適応的に変化する様子が、外界の明るさに応じて拡大、縮小する人間の目の虹彩(iris)の様子に似ていることから、勾配ベクトルの集中度を利用した腫瘤陰影の候補領域を検出する上述の手法はアイリスフィルター(iris filter )処理と称されている。
【0034】
また、前述の集中度Ci (n)の計算は式(5)の代わりに、下記式(5′)を用いてもよい。
【0035】
【数6】
Figure 0003590216
【0036】
すなわち式(5′)は、抽出しようとする腫瘤陰影の半径の最小値Rmin に対応した画素を始点として、終点をRmin からRmax までとした範囲内で集中度Ci (n)を算出するものである。
【0037】
上述のステップにより、アイリスフィルターは放射線画像から所望とする大きさの腫瘤陰影だけを効果的に検出することができ、特にマンモグラムにおける癌化部分の検出を主目的として研究されている。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようにアイリスフィルター処理は通常の差分フィルター処理に比べて、血管や乳腺等の非腫瘤陰影から腫瘤陰影を効率よく分離して検出できるという特長を有しているが、放射線画像では放射線の照射方向において、腫瘤陰影と上記血管、乳腺等の非腫瘤陰影が位置的に重なることがある。特にその腫瘤陰影のサイズが大きい程、腫瘤陰影ではない他の構造物と腫瘤陰影が重なり易い。
【0039】
このように腫瘤陰影に非腫瘤陰影が重なった場合、上記濃度勾配ベクトルの向きが乱されて該勾配ベクトルの注目画素への集中度が低下し、アイリスフィルター処理の出力値が低下することがある。
【0040】
そしてこの低下した出力値が閾値を下回った場合、本来ならば腫瘤陰影候補として検出されるべき領域が検出されないことになり、診断支援の観点から好ましくない。
【0041】
なお、アイリスフィルター処理に限らず、異常陰影が有する特徴量に基づいて異常陰影候補を検出する処理においても同様の問題がある。
【0042】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、検出しようとする異常陰影候補のサイズに拘らず、その異常陰影候補を安定的に検出することができる異常陰影候補の検出方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0043】
【課題を解決するための手段】
本発明の異常陰影候補の検出方法および装置は、検出しようとする異常陰影候補のサイズが大きくなるにしたがって、対象画像の解像度を低下させ、または鮮鋭度を低下させることによって、異常陰影候補のサイズが大きくなるにしたがって異常陰影候補に重なる確率の高くなる他の構造物を、異常陰影候補に対して相対的に平滑化するものである。
【0044】
すなわち本発明の第1の異常陰影候補の検出方法は、放射線画像のうち所望の大きさの異常陰影候補を検出する異常陰影候補の検出方法において、前記放射線画像を前記検出しようとする異常陰影候補の大きさに応じて、該大きさが大きくなるにしたがって低くなるような解像度の画像とするように、前記放射線画像を表す原画像データに解像度変換処理を施し、前記解像度変換処理を施して得られた解像度変換画像データに基づいて、前記異常陰影候補を検出することを特徴とする方法である。
【0046】
また原画像データに解像度変換処理を施すとは、原画像データに直接に解像度変換処理を施す場合と、原画像データに解像度変換処理を施して得られた解像度変換画像データに対してさらに解像度変換処理を施す場合の双方を含む意である。
【0048】
なお異常陰影候補の検出は、特に腫瘤陰影候補を検出する場合は前述した濃度勾配ベクトルの集中度を評価するアイリスフィルター処理にしたがって行なうのが望ましいが、癌化組織の一形態である石灰化陰影候補を検出する場合はモーフォロジー演算に基づく検出処理にしたがって行なうものであってもよい。以下の発明についても同様である。
【0049】
モーフォロジー演算に基づく処理による石灰化陰影候補の検出処理は、検出しようとする異常陰影(石灰化陰影)候補の大きさ、形状に適応して設定される構造要素を用い、原画像データに対してダイレーション(dilation)処理、エロージョン(erosion )処理、オープニング(opening )処理、クロージング(closing )処理等の演算処理であって、文献「多重構造要素を用いたモルフォロジーフィルタによる微小石灰化像の抽出」電子情報通信学会論文誌 D−II Vol.J75−D−II No.7 P1170 〜1176 1992年7月、文献「モルフォロジーの基礎とそのマンモグラム処理への応用」MEDICAL IMAGING TECHNOLOGY Vol.12 No.1 January 1994 、本願出願人による特願平7−316679号等に詳しく記載されている。
【0050】
本発明の第2の異常陰影候補の検出方法は、放射線画像のうち所望の大きさの異常陰影候補を検出する異常陰影候補の検出方法において、前記放射線画像を前記検出しようとする異常陰影候補の大きさに応じて、該大きさが大きくなるにしたがって低くなるような鮮鋭度の画像とするように、前記放射線画像を表す原画像データに鮮鋭度変換処理を施し、前記鮮鋭度変換処理を施して得られた鮮鋭度変換画像データに基づいて、前記異常陰影候補を検出することを特徴とする方法である。
【0052】
また原画像データに鮮鋭度変換処理を施すとは、原画像データに直接に鮮鋭度変換処理を施す場合と、原画像データに鮮鋭度変換処理を施して得られた鮮鋭度変換画像データに対してさらに鮮鋭度変換処理を施す場合の双方を含む意である。
【0054】
本発明の第1の異常陰影候補の検出装置は、放射線画像のうち所望の大きさの異常陰影候補を検出する異常陰影候補の検出装置において、前記放射線画像を前記検出しようとする異常陰影候補の大きさに応じた解像度を、該大きさが大きくなるにしたがって該解像度が低くなるように設定する解像度設定手段と、前記放射線画像を該設定された解像度とするように、前記放射線画像を表す原画像データに解像度変換処理を施す解像度変換処理手段とを備え、前記解像度変換処理を施して得られた解像度変換画像データに基づいて、前記異常陰影候補を検出することを特徴とするものである。
【0056】
また解像度変換処理手段による原画像データへの解像度変換処理は、原画像データに直接に解像度変換処理を施す場合と、原画像データに解像度変換処理を施して得られた解像度変換画像データに対してさらに解像度変換処理を施す場合の双方を含む意である。
【0058】
なお異常陰影候補の検出は、特に腫瘤陰影候補を検出する場合は前述した濃度勾配ベクトルの集中度を評価するアイリスフィルター処理にしたがって行なうのが望ましいが、癌化組織の一形態である石灰化陰影候補を検出する場合はモーフォロジー演算に基づく検出処理にしたがって行なうものであってもよい。以下の発明についても同様である。
【0059】
本発明の第2の異常陰影候補の検出装置は、放射線画像のうち所望の大きさの異常陰影候補を検出する異常陰影候補の検出装置において、前記放射線画像を前記検出しようとする異常陰影候補の大きさに応じた鮮鋭度を、該大きさが大きくなるにしたがって該鮮鋭度が低くなるように設定する鮮鋭度設定手段と、前記放射線画像を該設定された鮮鋭度とするように、前記放射線画像を表す原画像データに鮮鋭度変換処理を施す鮮鋭度変換処理手段とを備え、前記鮮鋭度変換処理を施して得られた鮮鋭度変換画像データに基づいて、前記異常陰影候補を検出することを特徴とするものである。
【0061】
また鮮鋭度変換処理手段による原画像データへの鮮鋭度変換処理は、原画像データに直接に鮮鋭度変換処理を施す場合と、原画像データに鮮鋭度変換処理を施して得られた鮮鋭度変換画像データに対してさらに鮮鋭度変換処理を施す場合の双方を含む意である。
【0063】
【発明の効果】
本発明の異常陰影候補の検出方法および装置によれば、検出しようとする異常陰影候補のサイズが大きくなるにしたがって、対象画像の解像度を低下させることにより、または鮮鋭度を低下させることにより、異常陰影候補のサイズが大きくなるにしたがって異常陰影候補に重なる確率の高くなる他の構造物を、異常陰影候補に対して相対的に平滑化することで、異常陰影候補の検出処理において異常陰影候補か否かを判定するための処理の出力値が、異常陰影候補に重なる他の構造物によって低下するのを抑止し、異常陰影候補の検出能を高めることができる。
【0064】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の異常陰影候補の検出装置の具体的な実施の形態について図面を用いて説明する。
【0065】
図1は本発明の第1の異常陰影候補検出装置の一実施形態の概略構成を示すブロック図、図2は図1に示した異常陰影候補検出装置を用いた計算機支援画像診断装置の一例を示すブロック図である。
【0066】
図示の計算機支援画像診断装置100 は、入力された画像データ(以下、全体画像データという)Sを記憶する記憶手段20と、この記憶手段20に記憶された全体画像データSを読み出して、階調処理、周波数処理等の画像処理を施す全体画像処理手段30と、記憶手段20に記憶された全体画像データSを読み出して、この全体画像データSのうち異常陰影(腫瘤陰影)候補を表す画像データ(以下、局所画像データという)を抽出する異常陰影候補検出装置10と、この抽出された局所画像データに対して抽出した腫瘤陰影候補を強調処理する局所画像処理手段40と、全体画像処理手段30により画像処理された全体画像と局所画像処理手段40により画像処理された腫瘤陰影候補とを可視像として表示する表示手段50とを備えた構成である。
【0067】
ここで、計算機支援画像診断装置100 に入力される全体画像データSは、例えば図3(1)に示すような患者のマンモグラムを表す画像Pが蓄積記録してなる蓄積性蛍光体シートに、励起光を照射することにより発生せられた輝尽発光光を光電的に読み取り、その後にデジタル変換して得られた画像データ(高濃度高信号レベルの信号)である。またこの画像には腫瘤陰影P、乳腺の陰影P、腫瘤陰影に血管の陰影が重なった陰影P等が記録されている。
【0068】
表示手段50は、全体画像と腫瘤陰影とを表示面上に各別に表示してもよいが、本実施形態においては、全体画像を表示しつつこの全体画像のうち腫瘤陰影候補の画像部分だけは局所画像処理手段40により画像処理された腫瘤陰影候補の画像に置き換えて表示するものとする。
【0069】
異常陰影候補検出装置10は詳しくは図1に示すように、検出しようとする異常陰影の一形態としての腫瘤陰影の候補の大きさをオペレータが入力する異常陰影サイズ設定手段12と、異常陰影サイズ設定手段12に入力されたサイズに基づいて画像の1または2以上の解像度を設定する解像度設定手段13と、解像度設定手段13により設定された解像度の画像とするように、入力される画像データに解像度変換処理を施す解像度変換処理手段14と、この解像度変換処理手段14により解像度が変換処理された後の1また2以上の画像データ(以下、解像度変換画像データという)を記憶する第1メモリ15と、第1メモリ15に記憶された1または2以上の解像度変換画像データのそれぞれに対して、異常陰影サイズ設定手段12に入力された検出しようとする腫瘤陰影候補の大きさに基づいて、前述のアイリスフィルター処理(方向線の数は、11.25 度間隔の32本とする)を施すアイリスフィルター処理手段11と、アイリスフィルター処理手段11により各解像度変換画像データから抽出された各解像度ごとの腫瘤陰影候補を示す画像データ(以下、各解像度ごとの局所画像データという)を記憶する第2メモリ16とを備えた構成である。
【0070】
ここで、異常陰影サイズ設定手段12にオペレータが入力する腫瘤陰影候補の大きさは、具体的には異常陰影候補の最小の大きさ(半径Rmin)および最大の大きさ(半径Rmax)を意味する。
【0071】
また解像度設定手段13は具体的には、異常陰影サイズ設定手段12に入力された最小の大きさ、最大の大きさおよび最大と最小との差に基づいて、1または2以上の解像度を設定するが、この解像度の設定に際しては予め複数種類の解像度を準備しておいて、その中から適切な解像度を選択するものとする。
【0072】
予め準備しておく解像度の種類としては、検出しようとする異常陰影の種類に応じて種々の組合せが考えられるが、本実施形態においては、図4(1)に示す元の解像度、この元の解像度の画像の4画素(縦2画素×横2画素)の画素値(画像データ)の単純平均値を画素値とする画素数が元の画像の1/4の解像度(同図(2))および元の解像度の画像の16画素(縦4画素×横4画素)の画素値(画像データ)の単純平均値を画素値とする画素数が元の画像の1/16の解像度(同図(3))の3種類の解像度が準備されているものとする。
【0073】
なお異常陰影サイズ設定手段12に入力された大きさに拘らず、常に、予め準備された複数種類の解像度の全てを解像度変換処理手段14に出力する構成とし、解像度変換処理手段14が、解像度設定手段13から出力された複数種類の全ての解像度のそれぞれについて入力される画像データを解像度変換処理することも可能であるが、この解像度設定手段13で設定される解像度の種類の数が、後の異常陰影検出処理(アイリスフィルター処理)の繰り返し回数となるため、計算処理時間に直接の影響を与えることとなり、特に検出しようとする腫瘤陰影候補の大きさの最大と最小との差を小さく設定した場合は、腫瘤陰影候補の検出処理時間が長くなる。そこで本実施形態の解像度設定手段13のように、異常陰影サイズ設定手段12に入力された大きさに基づいて、1または2以上の解像度を設定するのが好ましい。
【0074】
解像度変換処理手段14は、入力される画像データを、解像度設定手段13により設定された解像度の画像とするように、解像度変換処理するが、この解像度変換処理は、入力された画像データを図4(1)に示す、そのままの解像度で出力する処理、入力された画像データが表す画像の4画素(縦2画素×横2画素)の単純平均値を画素値とする画素数が元の画像の1/4となる図4(2)に示す解像度で出力する処理、入力された画像データが表す画像の16画素(縦4画素×横4画素)の単純平均値を画素値とする画素数が元の画像の1/16となる図4(3)に示す解像度で出力する処理を行なうだけでなく、解像度変換処理手段14により処理されて第1メモリ15に記憶されている解像度変換画像データに対してさらに解像度変換処理を施す段階的な処理により所望の解像度の解像度変換画像データを得るようにしてもよい。
【0075】
次に本実施形態の異常陰影候補検出装置10の作用について説明する。
【0076】
記憶手段20から異常陰影候補検出装置10に入力された全体画像データSは、解像度変換処理手段14に入力される。
【0077】
一方、異常陰影サイズ設定手段12にはオペレータから、検出しようとする腫瘤陰影候補の大きさの最小値(半径Rmin)および最大値(半径Rmax)が入力される。異常陰影サイズ設定手段12は、入力された腫瘤陰影候補の大きさの最小値および最大値を、アイリスフィルター処理手段11および解像度設定手段13に入力する。
【0078】
解像度設定手段13は入力された腫瘤陰影候補の大きさの最小値、最大値およびこの最大値と最小値との差に基づいて、前述した3種類の解像度を設定する。設定された3種類の解像度は、解像度変換処理手段14に入力される。
【0079】
一方、解像度変換処理手段14には、記憶手段20から全体画像データSが入力される。解像度変換処理手段14は、この入力された全体画像データSに対して、解像度設定手段13から入力された3種類の解像度に適合するように解像度変換処理を施す。
【0080】
具体的には、まず入力された全体画像データSに対して、その全体画像データSが表す全体画像の解像度をそのまま(1対1の解像度とする)とする処理を施して、その結果である第1の解像度変換画像データとして第1メモリ15に出力し、第1メモリ15はこの第1の解像度変換画像データを記憶する。次いで、第1メモリ15に記憶された第1の解像度変換画像データに対して(または記憶手段20から再度、全体画像データを読み出し、この全体画像データに対して)、第1の解像度変換画像データが表す画像の4画素(縦2画素×横2画素)の単純平均値を画素値とする画素数が元の画像の1/4となる図4(2)に示す解像度となるように解像度変換処理を施し、その結果である第2の解像度変換画像データとして第1メモリ15に出力し、第1メモリ15はこの第2の解像度変換画像データも記憶する。次いで、第1メモリ15に記憶された第2の解像度変換画像データに対して、第2の解像度変換画像データが表す画像の4画素(縦2画素×横2画素)の単純平均値を画素値とする、画素数が第2の解像度変換画像データが表す画像の1/4となる図4(3)に示す解像度となるように解像度変換処理を施し、その結果である第3の解像度変換画像データとして第1メモリ15に出力し、第1メモリ15はこの第3の解像度変換画像データも記憶する。
【0081】
次にアイリスフィルター処理手段11が、第1メモリ15に記憶された第1の解像度変換画像データに対して、既に異常陰影サイズ設定手段12から入力された最小値から最大値の範囲のサイズの腫瘤陰影候補を検出する処理(アイリスフィルター処理)を施す。
【0082】
このアイリスフィルター処理の結果、腫瘤陰影P、乳腺の陰影P、腫瘤陰影に血管の陰影が重なった陰影Pについての各アイリスフィルター処理の出力値(下記式(7))が算出される。
【0083】
【数7】
Figure 0003590216
【0084】
ここで腫瘤陰影P、乳腺の陰影P、腫瘤陰影に血管の陰影が重なった陰影Pについてのアイリスフィルター処理の各出力値I、I、Iとすれば、これらはそれぞれ図3(2)に示すようなレベルの値となる。
【0085】
ここでアイリスフィルター処理手段11には予め設定された3種類の大きさの閾値T、T(<T)、T(<T)が記憶されており、このうち第1の閾値Tとアイリスフィルター処理の各出力値I、I、Iとの比較がなされる。
【0086】
アイリスフィルター処理の出力値Iに対応する腫瘤陰影Pは、その濃度勾配ベクトルが中心画素に集中しているため、出力値Iが第1の閾値Tを上回り、腫瘤陰影候補として検出され、アイリスフィルター処理手段11から第2メモリ16に出力される。第2メモリ16は、この腫瘤陰影Pに対応する領域の第1の解像度変換画像データを記憶する。
【0087】
一方、アイリスフィルター処理の出力値Iに対応する乳腺の陰影Pは、その濃度勾配ベクトルが一定の部分に集中することがないため、出力値Iが第1の閾値Tを下回り、腫瘤陰影候補として検出されない。
【0088】
また、アイリスフィルター処理の出力値Iに対応する腫瘤陰影に血管の陰影が重なった陰影Pは、腫瘤陰影単独での濃度勾配ベクトルは一定の部分に集中するが血管の陰影に重なったことにより、その濃度勾配ベクトルの集中度が乱されて、出力値Iは第1の閾値Tを下回り、腫瘤陰影候補として検出されない。
【0089】
次にアイリスフィルター処理手段11が、第1メモリ15に記憶された第2の解像度変換画像データに対して、既に異常陰影サイズ設定手段12から入力された最小値から最大値の範囲のサイズの腫瘤陰影候補を検出する処理(アイリスフィルター処理)を施す。
【0090】
このアイリスフィルター処理の結果、腫瘤陰影P、乳腺の陰影P、腫瘤陰影に血管の陰影が重なった陰影Pについての各アイリスフィルター処理の各出力値をI′、I′、I′とすれば、これらはそれぞれ図3(3)に示すようなレベルの値となる。
【0091】
ここでアイリスフィルター処理手段11には予め設定された3種類の大きさの閾値T、T、Tのうち第2の閾値Tとアイリスフィルター処理の各出力値I′、I′、I′との比較を行なう。
【0092】
アイリスフィルター処理の出力値I′に対応する腫瘤陰影Pは、その濃度勾配ベクトルが中心画素に集中しているため、出力値Iが第2の閾値Tを上回り、腫瘤陰影候補として検出され、アイリスフィルター処理手段11から第2メモリ16に出力される。第2メモリ16は、この腫瘤陰影Pに対応する領域の第2の解像度変換画像データを記憶する。
【0093】
一方、アイリスフィルター処理の出力値I′に対応する乳腺の陰影Pは、その濃度勾配ベクトルが一定の部分に集中することがないため、出力値I′が第2の閾値Tを下回り、腫瘤陰影候補として検出されない。
【0094】
また、アイリスフィルター処理の出力値I′に対応する腫瘤陰影に血管の陰影が重なった陰影Pは、腫瘤陰影単独での濃度勾配ベクトルは一定の部分に集中するが血管の陰影に重なったことにより、その濃度勾配ベクトルの集中度が乱されて、出力値I′は腫瘤陰影Pに対応する出力値I′よりは小さくなるが、アイリスフィルター処理の対象となる第2の解像度変換画像データが第1の解像度変換画像データよりも解像度が劣るため、血管の陰影が平滑化された画像となり、したがって濃度勾配ベクトルの集中度に与える影響が低下する。
【0095】
この結果アイリスフィルター処理の出力値I′は第2の閾値Tを上回り、腫瘤陰影候補として検出され、第2メモリ16に出力されて記憶される。
【0096】
次いでアイリスフィルター処理手段11が、第1メモリ15に記憶された第3の解像度変換画像データに対して、既に異常陰影サイズ設定手段12から入力された最小値から最大値の範囲のサイズの腫瘤陰影候補を検出する処理(アイリスフィルター処理)を施す。
【0097】
このアイリスフィルター処理の結果、腫瘤陰影P、乳腺の陰影P、腫瘤陰影に血管の陰影が重なった陰影Pについての各アイリスフィルター処理の各出力値をI″、I″、I″とすれば、これらはそれぞれ図3(4)に示すようなレベルの値となる。
【0098】
ここでアイリスフィルター処理手段11には予め設定された3種類の大きさの閾値T、T、Tのうち第3の閾値Tとアイリスフィルター処理の各出力値I″、I″、I″との比較を行なう。
【0099】
この比較の結果は、上記第2の解像度変換画像データに対する比較の結果と同様であるので、説明を省略するが、第2メモリ16には、腫瘤陰影Pに対応する領域の第3の解像度変換画像データ、腫瘤陰影に血管の陰影が重なった陰影Pに対応する領域の第3の解像度変換画像データが記憶される。
【0100】
以上の作用の結果、第2メモリ16には、腫瘤陰影Pに対応する領域の第1、第2および第3の解像度変換画像データ、並びに腫瘤陰影に血管の陰影が重なった陰影Pに対応する領域の第2および第3の解像度変換画像データが記憶されることになるが、第2メモリ16はこのうち位置的に重なったデータを上書きすることによって、第1、第2および第3の解像度変換画像データの和集合を採る。
【0101】
したがって、第2メモリ16には最終的に、腫瘤陰影Pに対応する領域の第3の解像度変換画像データ、および腫瘤陰影に血管の陰影が重なった陰影Pに対応する領域の第3の解像度変換画像データが記憶されている。
【0102】
次に、第2メモリ16に記憶されている腫瘤陰影Pに対応する領域の第3の解像度変換画像データ、および腫瘤陰影に血管の陰影が重なった陰影Pに対応する領域の第3の解像度変換画像データは局所画像処理手段40に読み出され、局所画像処理手段40は、これらの腫瘤陰影候補を表す解像度画像データに対して、これらの腫瘤陰影候補を観察するのに最適な強調処理を施して表示手段50に入力する。
【0103】
一方、全体画像処理手段30により階調処理、周波数処理等の、全体画像を観察するのに適した画像処理が施された全体画像データSも表示手段50に入力され、表示手段50は、全体画像を表示しつつこの全体画像のうち異常陰影候補の画像部分だけは局所画像処理手段40により画像処理された異常陰影候補の画像に置き換えて表示し、医師等の画像観察読影者による異常陰影の診断に供される。
【0104】
このように本実施形態の異常陰影候補の検出装置によれば、検出しようとする異常陰影候補のサイズが大きいため腫瘤陰影に他の構造物が重なった場合にも、その他の構造物による影響を低下させることによって、本来検出されるべき腫瘤陰影を的確に検出することができる。
【0105】
なお、上記実施形態の異常陰影候補の検出装置では、アイリスフィルター処理手段を用いて腫瘤陰影候補を検出する例について説明したが、本発明の異常陰影候補検出装置はこれに限るものではなく、例えば乳癌の一形態である微小石灰化陰影を異常陰影候補として検出するものであってもよく、その場合は、前述したモーフォロジー演算処理を行なうことにより、検出しようとする微小石灰化陰影の大きさに対応した構造要素を設定し、この構造要素の大きさに対応した解像度の画像となるように、解像度変換処理を施すようにすればよい。
【0106】
また本実施形態の異常陰影候補の検出装置では、マンモグラムを対象画像として用いたが、本発明の異常陰影候補検出装置はこれに限るものではない。
【0107】
さらに、検出しようとする腫瘤陰影の大きさの範囲が離散的に複数種類ある場合には、異常陰影サイズ設定手段12において、その種類ごとに最大値(半径Rmax)、最小値(半径Rmin)を設定すればよく、解像度設定手段13が設定された大きさの範囲に対応した解像度を設定し、アイリスフィルター処理手段11は、入力される解像度変換画像データごとに、対応する大きさの範囲の種類の最大値(半径Rmax)および最小値(半径Rmin)を代えてアイリスフィルター処理における式(5)(または式(5′))の演算を行なうようにすればよい。
【0108】
【数4】
Figure 0003590216
【0109】
【数6】
Figure 0003590216
【0110】
図5は本発明の第2の異常陰影候補検出装置の一実施形態の概略構成を示すブロック図であり、図2に示した計算機支援画像診断装置等に適用することができる異常陰影候補検出装置10′である。
【0111】
この図5に示した異常陰影候補検出装置10′は、図1に示した異常陰影候補検出装置10に対して、解像度設定手段13に代えて鮮鋭度設定手段17を備え、解像度変換処理手段14に代えて鮮鋭度変換処理手段18を備えた点が相違する以外は、図1に示した異常陰影候補検出装置10と同一の構成、同一の作用をなすものである。
【0112】
ここで鮮鋭度設定手段17は、異常陰影サイズ設定手段12に入力されたサイズに基づいて画像の1または2以上の鮮鋭度を設定する手段であり、鮮鋭度変換処理手段18は、鮮鋭度設定手段17により設定された鮮鋭度の画像とするように、入力される画像データに鮮鋭度変換処理を施す手段である。
【0113】
鮮鋭度設定手段17は詳しくは、異常陰影サイズ設定手段12に入力された最小の大きさ、最大の大きさおよび最大と最小との差に基づいて、1または2以上の鮮鋭度を設定するが、こ鮮鋭度の設定に際しては予め複数種類の鮮鋭度の画像を作成するための複数種類の非鮮鋭マスクを準備しておいて、その中から適切な非鮮鋭マスクを選択するものとする。
【0114】
予め準備しておく非鮮鋭マスクとしては、検出しようとする異常陰影の種類に応じて種々の組合せが考えられるが、本実施形態においては、入力される画像データが表す画像の元のままの鮮鋭度で出力する1画素×1画素の第1のマスク、入力される画像データが表す画像の鮮鋭度を、縦3画素×横3画素の画素マトリックスの画素値(画像データ)の加重平均値をその画素マトリックスの中心画素の画素値とする第2のマスク、入力される画像データが表す画像の鮮鋭度を、縦5画素×横5画素の画素マトリックスの画素値(画像データ)の加重平均値をその画素マトリックスの中心画素の画素値とする第3のマスクが準備されているものとする。
【0115】
なお異常陰影サイズ設定手段12に入力された大きさに拘らず、常に、予め準備された複数種類の鮮鋭度の全てを鮮鋭度変換処理手段18に出力する構成とし、鮮鋭度変換処理手段18が、鮮鋭度設定手段17から出力された複数種類の全ての非鮮鋭マスクのそれぞれについて、入力される画像データを鮮鋭度変換処理することも可能であるが、この鮮鋭度設定手段17で設定される非鮮鋭マスクの種類の数が、後の異常陰影検出処理(アイリスフィルター処理)の繰り返し回数となるため、計算処理時間に直接の影響を与えることとなり、特に検出しようとする腫瘤陰影候補の大きさの最大と最小との差を小さく設定した場合は、腫瘤陰影候補の検出処理時間が長くなる。そこで本実施形態の鮮鋭度設定手段17のように、異常陰影サイズ設定手段12に入力された大きさに基づいて、1または2以上の鮮鋭度を設定するのが好ましい。
【0116】
鮮鋭度変換処理手段18は、入力される画像データを、鮮鋭度設定手段17により設定された非鮮鋭マスクに応じた鮮鋭度の画像として出力するように、鮮鋭度変換処理するが、この鮮鋭度変換処理は、図1に示した異常陰影候補検出装置10と同様に、記憶手段20から入力される全体画像データに対して直接行なう処理と、既に鮮鋭度変換処理を施して第1メモリ15に記憶されている鮮鋭度変換画像データに対して行なう段階的な処理の双方をなすことができる。
【0117】
次に本実施形態の異常陰影候補検出装置10′の作用について説明する。
【0118】
記憶手段20から異常陰影候補検出装置10に入力された全体画像信号Sは、解像度変換処理手段14に入力される。
【0119】
一方、異常陰影サイズ設定手段12にはオペレータから、検出しようとする腫瘤陰影候補の大きさの最小値(半径Rmin)および最大値(半径Rmax)が入力される。異常陰影サイズ設定手段12は、入力された腫瘤陰影候補の大きさの最小値および最大値を、アイリスフィルター処理手段11および鮮鋭度設定手段17に入力する。
【0120】
鮮鋭度設定手段17は入力された腫瘤陰影候補の大きさの最小値、最大値およびこの最大値と最小値との差に基づいて、前述した3種類の非鮮鋭マスク(第1のマスク、第2のマスク、第3のマスク)を設定する。設定された3種類の非鮮鋭マスクは、鮮鋭度変換処理手段18に入力される。
【0121】
一方、鮮鋭度変換処理手段18には、記憶手段20から全体画像データSが入力される。鮮鋭度変換処理手段18は、この入力された全体画像データSに対して、鮮鋭度設定手段17から入力された3種類の非鮮鋭マスクに応じた鮮鋭度変換処理を施し、第1のマスクで鮮鋭度変換処理された結果の第1の鮮鋭度変換画像データ、第2のマスクで鮮鋭度変換処理された結果の第2の鮮鋭度変換画像データ、第3のマスクで鮮鋭度変換処理された結果の第3の鮮鋭度変換画像データが、第1メモリ15にそれぞれ記憶される。
【0122】
次にアイリスフィルター処理手段11が、第1メモリ15に記憶された第1の鮮鋭度変換画像データに対して、既に異常陰影サイズ設定手段12から入力された最小値から最大値の範囲のサイズの腫瘤陰影候補を検出する処理(アイリスフィルター処理)を施す。
【0123】
このアイリスフィルター処理の結果、腫瘤陰影P、乳腺の陰影P、腫瘤陰影に血管の陰影が重なった陰影Pについての各アイリスフィルター処理の出力値が算出される。
【0124】
ここで腫瘤陰影P、乳腺の陰影P、腫瘤陰影に血管の陰影が重なった陰影Pについてのアイリスフィルター処理の各出力値I、I、Iとすれば、これらはそれぞれ図3(2)に示すようなレベルの値となる。
【0125】
ここでアイリスフィルター処理手段11には予め設定された3種類の大きさの閾値T′、T′(<T′)、T′(<T′)が記憶されており、このうち第1の閾値T′とアイリスフィルター処理の各出力値I、I、Iとの比較がなされる。
【0126】
アイリスフィルター処理の出力値Iに対応する腫瘤陰影Pは、その濃度勾配ベクトルが中心画素に集中しているため、出力値Iが第1の閾値T′を上回り、腫瘤陰影候補として検出され、アイリスフィルター処理手段11から第2メモリ16に出力される。第2メモリ16は、この腫瘤陰影Pに対応する領域の第1の解像度変換画像データを記憶する。
【0127】
一方、アイリスフィルター処理の出力値Iに対応する乳腺の陰影Pは、その濃度勾配ベクトルが一定の部分に集中することがないため、出力値Iが第1の閾値T′を下回り、腫瘤陰影候補として検出されない。
【0128】
また、アイリスフィルター処理の出力値Iに対応する腫瘤陰影に血管の陰影が重なった陰影Pは、腫瘤陰影単独での濃度勾配ベクトルは一定の部分に集中するが血管の陰影に重なったことにより、その濃度勾配ベクトルの集中度が乱されて、出力値Iは第1の閾値T′を下回り、腫瘤陰影候補として検出されない。
【0129】
次にアイリスフィルター処理手段11が、第1メモリ15に記憶された第2の鮮鋭度変換画像データに対して、既に異常陰影サイズ設定手段12から入力された最小値から最大値の範囲のサイズの腫瘤陰影候補を検出する処理(アイリスフィルター処理)を施す。
【0130】
このアイリスフィルター処理の結果、腫瘤陰影P、乳腺の陰影P、腫瘤陰影に血管の陰影が重なった陰影Pについての各アイリスフィルター処理の各出力値をI′、I′、I′とすれば、これらはそれぞれ図3(3)に示すようなレベルの値となる。
【0131】
ここでアイリスフィルター処理手段11には予め設定された3種類の大きさの閾値T′、T′、T′のうち第2の閾値T′とアイリスフィルター処理の各出力値I′、I′、I′との比較を行なう。
【0132】
アイリスフィルター処理の出力値I′に対応する腫瘤陰影Pは、その濃度勾配ベクトルが中心画素に集中しているため、出力値Iが第2の閾値T′を上回り、腫瘤陰影候補として検出され、アイリスフィルター処理手段11から第2メモリ16に出力される。第2メモリ16は、この腫瘤陰影Pに対応する領域の第2の解像度変換画像データを記憶する。
【0133】
一方、アイリスフィルター処理の出力値I′に対応する乳腺の陰影Pは、その濃度勾配ベクトルが一定の部分に集中することがないため、出力値I′が第2の閾値T′を下回り、腫瘤陰影候補として検出されない。
【0134】
また、アイリスフィルター処理の出力値I′に対応する腫瘤陰影に血管の陰影が重なった陰影Pは、腫瘤陰影単独での濃度勾配ベクトルは一定の部分に集中するが血管の陰影に重なったことにより、その濃度勾配ベクトルの集中度が乱されて、出力値I′は腫瘤陰影Pに対応する出力値I′よりは小さくなるが、アイリスフィルター処理の対象となる第2の鮮鋭度変換画像データが第1の鮮鋭度変換画像データよりも鮮鋭度が劣るため、血管の陰影が平滑化された画像となり、したがって濃度勾配ベクトルの集中度に与える影響が低下する。
【0135】
この結果アイリスフィルター処理の出力値I′は第2の閾値T′を上回り、腫瘤陰影候補として検出され、第2メモリ16に出力されて記憶される。
【0136】
次いでアイリスフィルター処理手段11が、第1メモリ15に記憶された第3の鮮鋭度変換画像データに対して、既に異常陰影サイズ設定手段12から入力された最小値から最大値の範囲のサイズの腫瘤陰影候補を検出する処理(アイリスフィルター処理)を施す。
【0137】
このアイリスフィルター処理の結果、腫瘤陰影P、乳腺の陰影P、腫瘤陰影に血管の陰影が重なった陰影Pについての各アイリスフィルター処理の各出力値をI″、I″、I″とすれば、これらはそれぞれ図3(4)に示すようなレベルの値となる。
【0138】
ここでアイリスフィルター処理手段11には予め設定された3種類の大きさの閾値T′、T′、T′のうち第3の閾値T′とアイリスフィルター処理の各出力値I″、I″、I″との比較を行なう。
【0139】
この比較の結果は、上記第2の鮮鋭度変換画像データに対する比較の結果と同様であるので、説明を省略するが、第2メモリ16には、前述した実施形態と同様に、腫瘤陰影Pに対応する領域の第3の解像度変換画像データ、および腫瘤陰影に血管の陰影が重なった陰影Pに対応する領域の第3の解像度変換画像データが記憶される。
【0140】
次に、第2メモリ16に記憶されている腫瘤陰影Pに対応する領域の第3の鮮鋭度変換画像データ、および腫瘤陰影に血管の陰影が重なった陰影Pに対応する領域の第3の鮮鋭度変換画像データは局所画像処理手段40に読み出され、局所画像処理手段40は、これらの腫瘤陰影候補を表す鮮鋭度画像データに対して、これらの腫瘤陰影候補を観察するのに最適な強調処理を施して表示手段50に入力する。
【0141】
一方、全体画像処理手段30により階調処理、周波数処理等の、全体画像を観察するのに適した画像処理が施された全体画像データSも表示手段50に入力され、表示手段50は、全体画像を表示しつつこの全体画像のうち異常陰影候補の画像部分だけは局所画像処理手段40により画像処理された異常陰影候補の画像に置き換えて表示し、医師等の画像観察読影者による異常陰影の診断に供される。
【0142】
このように本実施形態の異常陰影候補の検出装置によれば、検出しようとする異常陰影候補のサイズが大きいため腫瘤陰影に他の構造物が重なった場合にも、その他の構造物による影響を低下させることによって、本来検出されるべき腫瘤陰影を的確に検出することができる。
【0143】
なお、上記実施形態の異常陰影候補の検出装置においても、アイリスフィルター処理手段を用いて腫瘤陰影候補を検出する例に限るものではなく、またマンモグラムを対象画像とするものに限るものではない。
【0144】
さらに本実施形態の異常陰影候補検出装置においては、検出しようとする腫瘤陰影候補の大きさが大きくなるにしたがって、鮮鋭度を元の画像よりも低下させるような非鮮鋭マスクを鮮鋭度設定手段が設定するものとしたが、これは検出しようとする腫瘤陰影候補の大きさが小さくなるにしたがって、鮮鋭度を元の画像よりも向上させるような強調度を鮮鋭度設定手段が設定するものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の異常陰影候補検出装置の一実施形態の概略構成を示すブロック図
【図2】図1に示した異常陰影候補検出装置を用いた計算機支援画像診断装置の一例を示すブロック図
【図3】腫瘤陰影P、乳腺の陰影P、腫瘤陰影に血管の陰影が重なった陰影P等が記録されているマンモグラムを表す図
【図4】解像度変換処理により得られる画像を示す図
【図5】本発明の第2の異常陰影候補検出装置の一実施形態の概略構成を示すブロック図
【図6】マンモグラムにおける濃度勾配の集中度を示す概念図
【図7】アイリスフィルター処理における勾配ベクトルを算出するマスクを示す図
【図8】注目画素についての勾配ベクトルの集中度の概念を示す図
【図9】輪郭形状が適応的に変化するように設定されたアイリスフィルターを示す概念図
【符号の説明】
10 異常陰影候補検出装置
11 アイリスフィルター処理手段
12 異常陰影サイズ設定手段
13 解像度設定手段
14 解像度変換処理手段
15,16 メモリ
20 記憶手段
40 局所画像処理手段

Claims (2)

  1. 放射線画像のうち所望の大きさの異常陰影候補を検出する異常陰影候補の検出装置において、
    前記検出しようとする異常陰影候補の大きさに応じた鮮鋭度を、該大きさが大きくなるにしたがって該鮮鋭度が低くなるように設定する鮮鋭度設定手段と、
    前記放射線画像を該設定された鮮鋭度の画像とするように、前記放射線画像を表す原画像データに鮮鋭度変換処理を施す鮮鋭度変換処理手段とを備え、
    前記鮮鋭度変換処理を施して得られた鮮鋭度変換画像データに基づいて、前記異常陰影候補を検出するようにしたことを特徴とする異常陰影候補の検出装置。
  2. 前記異常陰影候補の検出は、アイリスフィルター処理にしたがって行なうことを特徴とする請求項1記載の異常陰影候補の検出装置。
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